JP2016150659A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
Description
特に、特許文献1には、クッションフレームを強化樹脂で形成することによって軽量化が図られていた。
更に、シートフレームの大部分を樹脂材料にて形成しつつ、大きな荷重のかかるシートフレームの一部には、剛性を確保するために金属材料で形成するものがある。
また、特許文献1に開示された車両用シートを構成するサイドフレーム(同文献には、フレームサイドと記載)には、ボルト孔が形成されており、このボルト孔に、リクライニング機構(同文献には、リクライニング・デバイスと記載)のヒンジブラケット等の部材がボルト締めすることにより組み付けられている。
このため、ボルト締め等の作業をせずに効率良く他部材を取り付け可能として、作業効率を高めることが強く望まれていた。
また、これに伴い、ボルト等の部品点数を減らすことによりコスト面においても有利な技術が望まれていた。
また、本発明の他の目的は、車両用シートの製造効率を高めることにある。
また、樹脂部材が金属部材と一体成形されていることで、樹脂部材を金属部材に取り付けるための取付部材が不要となり、更に保持部が樹脂部材に形成されていることで別個の保持部を取り付ける必要性がなく、部品点数を削減することができる。
更に、金属部材に取付部材を通すための孔を形成する必要がなく、高い剛性を維持することができる。
上記構成によれば、樹脂部材の保持部によってカバー部材を保持することができるため、金属部材にカバー部材を取り付けるための取付穴を形成する必要がなく、金属部材の剛性を高く維持することができる。
上記構成によれば、シートフレームの一部を構成する樹脂部材に保持部を形成することで、シートフレームの一部として樹脂部材を形成すると同時にカバー部材を取り付ける保持部を形成することができるため、カバー部材を有する車両用シートの製造効率を高めることができる。
更に、保持部が突出して形成されていることで、樹脂部材の剛性を低下させることがない。
上記構成によれば、通常、金属部材の貫通孔にブッシュを挿入し、ブッシュをカシメてシートフレームに取り付け、回転軸を支持するようにするが、樹脂部材であるブッシュが金属部材と一体形成されていることで、ブッシュをカシメる必要がなくなり、車両用シートの製造効率を高めることができる。なお、本発明に係る回転軸とは、所定角度範囲のみ回転する回動軸を含む概念である。
上記構成によれば、カバー部材が樹脂部材と一体で成形されていることで、カバー部材の取付作業が不要となり、カバー部材によって表皮材を支持できるため表皮材の取付作業の効率が向上する。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材を金属部材に取り付ける場合に、金属材料の剛性を高く維持することができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材を有する車両用シートの製造効率を高めることができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、回転軸及びブッシュを備える車両用シートの製造効率を高めることができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材の取付作業が不要となり、表皮材の取付作業の効率が向上する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明において、前後方向とは、車両の進行方向に一致する方向のことであり、幅方向とは、シートの横幅に沿う方向のことであり、上下方向とは、シートの上下方向のことである。
まず、図1及び図2を参照して、車両用シートS及びシートフレームF1について説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る車両用シートSの斜視図、図2は、本発明の一実施形態に係るシートフレームF1を示す模式的な斜視図である。
車両用シートSは、図1に示すように、シートバックS1、シートクッションS2及びヘッドレストS3を備えて構成されている。
シートバックS1及びシートクッションS2は、それぞれシートフレームF1にクッションパッド1a,2aを配して表皮材1b,2bで被覆された構成となっている。
また、ヘッドレストS3は、図示せぬフレームにクッションパッド3aを配して表皮材3bで被覆された構成となっており、ヘッドレストピラーHPでシートフレームF1と接続されている。
シートクッションフレーム4は、平面視で略ロの字形状に形成されており、シートバックフレーム3に連結された左右の連結フレーム40a,40bと、左右の連結フレーム40a,40bを連結するように、連結フレーム40a,40bと一体成形されるパンフレーム41と、連結フレーム40a,40bをシート幅方向外側から覆うカバー部材42,43を備える。
なお、連結フレーム40a,40b及びパンフレーム41のシート幅方向両側の接続部41aには、シート幅方向にSバネ36が架設されている。Sバネ36の取付構造については後述する。
また、パンフレーム41には、骨組みとしての上パイプ48a及び下パイプ48bがインサート成形されている。上パイプ48a及び下パイプ48bは、本発明に係る金属部材の一に相当する。
下パイプ48bは、連結フレーム40a,40bの前側下部のそれぞれに端部が接続されて上面視台形状に形成されており、上パイプ48aよりも長い長さで両端部から前方に延出した後、シート幅方向中央部が直線的に延出して、略一定の高さで形成されている。
そして、前パイプ37aの上部と、後パイプ37bの上部との間に、上下連続する角筒状の二本のヘッドレストステーHSが、これと一体成形された樹脂フレーム38により固定されている。
この二本のヘッドレストステーHSは、ヘッドレストS3のヘッドレストピラーHPを受け入れることで、ヘッドレストS3を取り付ける部位である。
板状のブラケット38aは、樹脂フレーム38の一部を構成して連続的に一体成形されており、中央にウェイト38bが配設されるように成形されている。このウェイト38bは、本発明に係る金属部材の一に相当する。
ウェイト38bを備えるブラケット38aは、ダイナミックダンパーとして機能することとなり、シートバックフレーム3の振動を抑制して乗り心地を良好にすることが可能となる。
次に、カバー部材42の成形及びカバー部材43の取り付けについて図3及び図4を参照して説明する。
ここで、図3は、図2のIII-III断面を示す図であって、クッションパッド2aを載置して表皮材2bで被覆した状態を示す模式的な断面図、図4は、図2のIV-IV断面を示す図であって、連結フレーム40b上に形成された突出部材44aにカバー部材43を取り付けた状態を示す模式的な断面図である。
そして、表皮材2bは、J字フック45によってクッションパッド2aに掛け留めされていることに加えて、次に説明するカバー部材42,43の上端部42a,43bに当接して保持されることによって、表皮材2bがクッションパッド2aから不意に外れることが防止されている。
カバー部材43のシート幅方向内側に、変形部43aが形成されている。変形部43aは、中空部43cと、中空部43cの外側を覆う外肉部43dとを有し、次に説明する突出部材44aのスリット44sに変形部43aが挿通して保持される。
突出部材44aは、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、鈍角を成す断面略Lの字状に形成されて前後方向に延在し、上下対称に2個形成されており、連結フレーム40bのシート幅方向外側側面に一体成形されている。上下に配された2個の突出部材44aは、上下に対向する端部間において本発明に係る保持部の一に相当するスリット44sを形成している。
具体的には、変形部43aは、突出部材44aの対向する端部に押圧されて中空部43cを狭めるように変形し、スリット44sを挿通する。その後に、変形部43aは、突出部材44aを変形部43aが通り過ぎることでその押圧が解除されて中空部43cを拡げるように拡張する。
このようにして、カバー部材43は、2個の突出部材44aによって保持された上で、図示せぬタッピングで連結フレーム40bに固定されることとなる。
そして、カバー部材43の上端部43bは、カバー部材42の上端部42a同様に形成されており、表皮材2bを保持することができる。
更に、2個の突出部材44aによって形成されるスリット44sによって、締結部材を用いずにカバー部材43を容易に保持して取り付けることが可能となる。
次に、Sバネ36の取り付けについて、図2に加え、図5及び図6を参照して説明する。
ここで、図5は、図2に示すフック41dのV-V断面を示す模式的な断面図、図6は、シートバックフレーム3に形成されてSバネ36を保持するフック50を示す模式的な正面側断面図である。
シートクッションS2側のSバネ36は、シートクッションフレーム4を構成するパンフレーム41の接続部41aに取り付けられている。
具体的には、Sバネ36は、シート幅方向両側の接続部41aに連続的に一体成形されたフック41dに、両端を取り付けられている。
フック41dは、図5に示すように、両側の接続部41aのシート幅方向内側に突出して前後に延出して形成されており、Sバネ36の端部を保持する保持穴41bを有する。保持穴41bは、本発明に係る保持部の一に相当し、前後方向に形成されている。
具体的には、Sバネ36は、樹脂フレーム38のシート幅方向両側の部位から連続的に一体成形されたフック50に、両端を取り付けられている。
フック50は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、樹脂フレーム38のシート幅方向両側の部位からシート幅方向内側に突出して上下に延出して形成されている。フック50は、Sバネ36の端部を保持する保持孔50aを有する。保持孔50aは、本発明に係る保持部の一に相当し、上下方向に形成されている。
次に、図7を参照して、図示せぬシートリフター等に用いられる回転軸47に摺接するブッシュ46の取り付けについて説明する。
ここで、図7(A)は、連結フレーム40aに取り付けられたブッシュ46及び回転軸47を示す模式的な斜視図、図7(B)は、図7(A)のVIIB-VIIB断面を示す模式的な断面図である。
この回転軸47との接触面積を大きくして振れを抑え、回転軸47を安定的に支持可能するために図示せぬ円筒状のブッシュが貫通孔40cに挿通された後にカシメることによって取り付けられることが一般的である。
しかし、このような構成によると、図示せぬブッシュが別個に必要となるため部品点数が多くなるとともに、カシメる作業が必要となるため製造工数がかかってしまう。
具体的には、ブッシュ46は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、短管の両端に径方向外側に拡げられたフランジ46bを有して、フランジ46b間に連結フレーム40aの貫通孔40cの周縁を挟持するように、連結フレーム40aと一体的に形成されている。
そして、ブッシュ46の内面46aは、回転軸47の一部の外径と略一致するか若干大きな径となる円孔状に形成されて、回転軸47に摺接する。この内面46aは、本発明に係る保持部の一に相当するものである。
このような構成により、ブッシュ46を別部品として保管する必要がなく部品点数を減らし、連結フレーム40aを加工する際に同時にブッシュ46を成形することができ、カシメる作業がなくなるために製造工数を減らすことが可能となる。つまり、回転軸47の連結フレーム40aへの取り付けが容易となる。
この連結ブラケットは、図示せぬシートリフターのリンクに対して回動可能に取り付けられている。
特に、ブッシュにおける回動軸の頭部の座り面に当接する部位は、他の部位よりも厚く形成されていることで、回動中心のズレが生じないようにされており、且つ、剛性が高められている。
例えば、シートフレームF1に取り付けられるアームレスト等その他の部品の一部である回転軸に摺接するブッシュを、シートフレームF1とは別個の部品とせずに一体成形してもよい。
上記のように、シートバックフレーム3に設けられた樹脂フレーム38に連続するブラケット38aをウェイト38bと一体成形するようにすれば、ウェイト38bを取り付けるための取付部品が不要となることで、部品点数を削減して製造効率を高めることが可能となる。
また、シートバックフレーム3に設けられた樹脂フレーム38をヘッドレストステーHSと一体成形するようにすれば、ヘッドレストステーHSを取り付けるための取付部品が不要となることで部品点数を削減できる。このため、ヘッドレストステーHSにヘッドレストピラーHPを取り付けるまでの製造効率を高めることが可能となる。更に、ヘッドレストステーHSは、前パイプ37a及び後パイプ37bの少なくともいずれか一方に沿うように配設することで、高い剛性を確保することができる。
S 車両用シート
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
F1 シートフレーム
3 シートバックフレーム
4 シートクッションフレーム
1a,2a,3a クッションパッド
2aa 凹部
1b,2b,3b 表皮材(他部材)
36 Sバネ(他部材)
37a 前パイプ(金属部材)
37b 後パイプ(金属部材)
38 樹脂フレーム(樹脂部材)
38a ブラケット(樹脂部材,保持部)
38b ウェイト(他部材)
40a,40b 連結フレーム(金属部材)
40c 貫通孔
41 パンフレーム(樹脂部材)
41a 接続部
41b 保持穴(保持部)
41d フック(保持部)
42 カバー部材(樹脂部材)
42a 上端部(保持部)
43 カバー部材(他部材)
43a 変形部
43b 上端部
43c 中空部
43d 外肉部
44a 突出部材(樹脂部材)
44s スリット(保持部)
45 J字フック
46 ブッシュ(樹脂部材)
46a 内面(保持部)
46b フランジ
47 回転軸(他部材)
48a 上パイプ(金属部材)
48b 下パイプ(金属部材)
50 フック(樹脂部材)
50a 保持孔(保持部)
HP ヘッドレストピラー
Claims (5)
- シートフレームを構成する金属部材と、
該金属部材に接続される樹脂部材と、を備え、
前記樹脂部材は、前記金属部材と一体成形されており、
前記樹脂部材には、他部材を保持する保持部が形成されていることを特徴とする車両用シート。 - 前記他部材は、前記金属部材を覆うカバー部材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
- 前記樹脂部材は、前記シートフレームの一部を構成しており、
前記保持部は、前記樹脂部材における前記保持部の周囲よりも前記カバー部材側に突出して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。 - 前記他部材は、前記金属部材に取り付けられる回転軸であり、
前記金属部材には、前記回転軸を挿通する貫通孔が形成されており、
前記樹脂部材は、前記貫通孔に取り付けられて、前記回転軸に摺接するブッシュであることを特徴とする請求項1の車両用シート。 - 前記金属部材を覆うカバー部材と、
前記シートフレーム上に載置されたクッションパッドと、
該クッションパッドを覆う表皮材と、を備え、
前記カバー部材は、前記保持部を有して前記樹脂部材と一体で成形されており、
前記他部材は、前記表皮材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
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