JP2016150659A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い剛性を維持しつつ、軽量化できるとともに、シートフレームに組み付ける部品点数を削減することが可能な車両用シートを提供する。【解決手段】車両用シートを構成するシートクッションフレーム4は、シートフレームF1を構成する連結フレーム40aと、連結フレーム40aに接続されるカバー部材42と、を備える。カバー部材42は、連結フレーム40aと一体成形されており、カバー部材42は、上端部42aによって表皮材2bを保持している。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用シートに係り、特に、剛性を有しつつ軽量で部品点数の少ない車両用シートに関する。
車両用シートの中には、軽量化のために、シートバックフレームやシートクッションフレームから構成されるシートフレームの一部又は全部をプラスチック等の樹脂材料にて成形しているものがある。
特に、特許文献1には、クッションフレームを強化樹脂で形成することによって軽量化が図られていた。
更に、シートフレームの大部分を樹脂材料にて形成しつつ、大きな荷重のかかるシートフレームの一部には、剛性を確保するために金属材料で形成するものがある。
また、特許文献1に開示されているように、シートフレームにおいて、周辺部材を取り付けるには、ボルトのような締結部材による締結固定が行われることが一般的である。
また、特許文献1に開示された車両用シートを構成するサイドフレーム(同文献には、フレームサイドと記載)には、ボルト孔が形成されており、このボルト孔に、リクライニング機構(同文献には、リクライニング・デバイスと記載)のヒンジブラケット等の部材がボルト締めすることにより組み付けられている。
特開2002−034706号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用シートのように、クッションフレームにヒンジブラケット等の他部品を取り付ける際に、ボルト締めを行うと、作業工程が多くなり、作業効率が低くなるという問題があった。
このため、ボルト締め等の作業をせずに効率良く他部材を取り付け可能として、作業効率を高めることが強く望まれていた。
また、これに伴い、ボルト等の部品点数を減らすことによりコスト面においても有利な技術が望まれていた。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い剛性を維持しつつ、軽量化できるとともに、シートフレームに組み付ける部品点数を削減することが可能な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両用シートの製造効率を高めることにある。
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、シートフレームを構成する金属部材と、該金属部材に接続される樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は、前記金属部材と一体成形されており、前記樹脂部材には、他部材を保持する保持部が形成されていることにより解決される。
上記構成によれば、金属部材と樹脂部材とから構成されるシートフレームによって高い剛性を維持しつつ軽量化できる。
また、樹脂部材が金属部材と一体成形されていることで、樹脂部材を金属部材に取り付けるための取付部材が不要となり、更に保持部が樹脂部材に形成されていることで別個の保持部を取り付ける必要性がなく、部品点数を削減することができる。
更に、金属部材に取付部材を通すための孔を形成する必要がなく、高い剛性を維持することができる。
また、前記他部材は、前記金属部材を覆うカバー部材であってもよい。
上記構成によれば、樹脂部材の保持部によってカバー部材を保持することができるため、金属部材にカバー部材を取り付けるための取付穴を形成する必要がなく、金属部材の剛性を高く維持することができる。
更に、前記樹脂部材は、前記シートフレームの一部を構成しており、前記保持部は、前記樹脂部材における前記保持部の周囲よりも前記カバー部材側に突出して形成されていると好ましい。
上記構成によれば、シートフレームの一部を構成する樹脂部材に保持部を形成することで、シートフレームの一部として樹脂部材を形成すると同時にカバー部材を取り付ける保持部を形成することができるため、カバー部材を有する車両用シートの製造効率を高めることができる。
更に、保持部が突出して形成されていることで、樹脂部材の剛性を低下させることがない。
また、前記他部材は、前記金属部材に取り付けられる回転軸であり、前記金属部材には、前記回転軸を挿通する貫通孔が形成されており、前記樹脂部材は、前記貫通孔に取り付けられて、前記回転軸に摺接するブッシュであってもよい。
上記構成によれば、通常、金属部材の貫通孔にブッシュを挿入し、ブッシュをカシメてシートフレームに取り付け、回転軸を支持するようにするが、樹脂部材であるブッシュが金属部材と一体形成されていることで、ブッシュをカシメる必要がなくなり、車両用シートの製造効率を高めることができる。なお、本発明に係る回転軸とは、所定角度範囲のみ回転する回動軸を含む概念である。
前記金属部材を覆うカバー部材と、前記シートフレーム上に載置されたクッションパッドと、該クッションパッドを覆う表皮材と、を備え、前記カバー部材は、前記保持部を有して前記樹脂部材と一体で成形されており、前記他部材は、前記表皮材であってもよい。
上記構成によれば、カバー部材が樹脂部材と一体で成形されていることで、カバー部材の取付作業が不要となり、カバー部材によって表皮材を支持できるため表皮材の取付作業の効率が向上する。
本発明に係る車両用シートによれば、高い剛性を維持しつつ、軽量化できるとともに、部品点数を削減することができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材を金属部材に取り付ける場合に、金属材料の剛性を高く維持することができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材を有する車両用シートの製造効率を高めることができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、回転軸及びブッシュを備える車両用シートの製造効率を高めることができる。
また、本発明に係る車両用シートによれば、カバー部材の取付作業が不要となり、表皮材の取付作業の効率が向上する。
本発明の一実施形態に係る車両用シートの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシートフレームを示す模式的な斜視図である。 図2のIII-III断面を示す図であって、クッションパッドを載置して表皮材で被覆した状態を示す模式的な断面図である。 図2のIV-IV断面を示す図であって、連結フレーム上に形成された突出部材にカバー部材を取り付けた状態を示す模式的な断面図である。 図2に示すフックのV-V断面を示す模式的な断面図である。 シートバックフレームに形成されてSバネを保持するフックを示す模式的な正面図である。 (A)は、連結フレームに取り付けられたブッシュ及び回転軸を示す模式的な斜視図、(B)は、(A)のVIIB-VIIB断面を示す模式的な正面側断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、図を参照しながら説明する。特に、本実施形態に係る車両用シートは、シートフレームを構成する金属部材と、金属部材と一体的に形成された樹脂部材とから構成されており、樹脂部材が他部材の取り付けに好適な形状に形成されていることで、高い剛性を維持しつつ、軽量化できるとともに、部品点数を削減することが可能であることを特徴とする。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明において、前後方向とは、車両の進行方向に一致する方向のことであり、幅方向とは、シートの横幅に沿う方向のことであり、上下方向とは、シートの上下方向のことである。
(車両用シート及びシートフレームについて)
まず、図1及び図2を参照して、車両用シートS及びシートフレームF1について説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る車両用シートSの斜視図、図2は、本発明の一実施形態に係るシートフレームF1を示す模式的な斜視図である。
車両用シートSは、図1に示すように、シートバックS1、シートクッションS2及びヘッドレストS3を備えて構成されている。
シートバックS1及びシートクッションS2は、それぞれシートフレームF1にクッションパッド1a,2aを配して表皮材1b,2bで被覆された構成となっている。
また、ヘッドレストS3は、図示せぬフレームにクッションパッド3aを配して表皮材3bで被覆された構成となっており、ヘッドレストピラーHPでシートフレームF1と接続されている。
シートフレームF1は、図2に示すように、シートバックS1を構成するシートバックフレーム3、シートクッションS2を構成するシートクッションフレーム4を主たる構成要素として有する。
シートクッションフレーム4は、平面視で略ロの字形状に形成されており、シートバックフレーム3に連結された左右の連結フレーム40a,40bと、左右の連結フレーム40a,40bを連結するように、連結フレーム40a,40bと一体成形されるパンフレーム41と、連結フレーム40a,40bをシート幅方向外側から覆うカバー部材42,43を備える。
連結フレーム40a,40bは、金属製であって、本発明に係る金属部材の一に相当し、高い剛性を備える。連結フレーム40a,40bは、シートクッションフレーム4のサイドフレームを構成する。
パンフレーム41は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、シートクッションフレーム4の前部を構成する部材であり、シート幅方向両側の後端にある接続部41aによって、連結フレーム40a,40bと接続されている。
なお、連結フレーム40a,40b及びパンフレーム41のシート幅方向両側の接続部41aには、シート幅方向にSバネ36が架設されている。Sバネ36の取付構造については後述する。
また、パンフレーム41には、骨組みとしての上パイプ48a及び下パイプ48bがインサート成形されている。上パイプ48a及び下パイプ48bは、本発明に係る金属部材の一に相当する。
上パイプ48aは、連結フレーム40a,40bの前側上部のそれぞれに端部が接続されて上面視コの字状に形成されており、両端部から前方に延出した後、下方に屈曲してシート幅方向中央部が直線的に延出するように形成されている。
下パイプ48bは、連結フレーム40a,40bの前側下部のそれぞれに端部が接続されて上面視台形状に形成されており、上パイプ48aよりも長い長さで両端部から前方に延出した後、シート幅方向中央部が直線的に延出して、略一定の高さで形成されている。
カバー部材42,43は、リクライニング装置等の可動部に異物が入り込むことを防止するため、及び美観を良好にするために設けられるものであり、連結フレーム40a,40b及びパンフレーム41の一部のシート幅方向外側を覆う部材である。
シートバックフレーム3は、開放側を下側とする正面視コの字状の樹脂フレーム38と、樹脂フレーム38にインサート成形された骨組みとして機能し、本発明に係る金属部材の一に相当する金属製の前パイプ37a及び後パイプ37bとを主に備える。
前パイプ37aの上部は、シート幅方向に延出しており、後パイプ37bにおけるシート幅方向に延出する上部よりも低い位置にある。
樹脂フレーム38は、前側端部が前パイプ37aを覆い、後ろ側端部が後パイプ37bを覆うようにして板状に連続して形成されている。
そして、前パイプ37aの上部と、後パイプ37bの上部との間に、上下連続する角筒状の二本のヘッドレストステーHSが、これと一体成形された樹脂フレーム38により固定されている。
この二本のヘッドレストステーHSは、ヘッドレストS3のヘッドレストピラーHPを受け入れることで、ヘッドレストS3を取り付ける部位である。
また、樹脂フレーム38の上側であり、前パイプ37aよりも下方には、板状のブラケット38aが、樹脂フレーム38のシート幅方向両側に両端を接続するように形成されている。
板状のブラケット38aは、樹脂フレーム38の一部を構成して連続的に一体成形されており、中央にウェイト38bが配設されるように成形されている。このウェイト38bは、本発明に係る金属部材の一に相当する。
ウェイト38bを備えるブラケット38aは、ダイナミックダンパーとして機能することとなり、シートバックフレーム3の振動を抑制して乗り心地を良好にすることが可能となる。
また、樹脂フレーム38のシート幅方向内側には、フック50が形成されており、図6に示して後述するSバネ36がフック50に架け渡されている。なお、Sバネ36については、図2上、図示を省略している。
(カバーの成形及び取り付けについて)
次に、カバー部材42の成形及びカバー部材43の取り付けについて図3及び図4を参照して説明する。
ここで、図3は、図2のIII-III断面を示す図であって、クッションパッド2aを載置して表皮材2bで被覆した状態を示す模式的な断面図、図4は、図2のIV-IV断面を示す図であって、連結フレーム40b上に形成された突出部材44aにカバー部材43を取り付けた状態を示す模式的な断面図である。
表皮材2bは、本発明に係る他部材の一に相当し、クッションパッド2aのシート幅方向両側を下面側に回りこむように取り付けられている。詳細には、表皮材2bの端末にはJ字フック45が縫合されている。そして、J字フック45が、クッションパッド2aの下面に形成された凹部2aaに掛け留めされることで、表皮材2bがクッションパッド2aに取り付けられている。
そして、表皮材2bは、J字フック45によってクッションパッド2aに掛け留めされていることに加えて、次に説明するカバー部材42,43の上端部42a,43bに当接して保持されることによって、表皮材2bがクッションパッド2aから不意に外れることが防止されている。
カバー部材42は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、図3に示すように、連結フレーム40aに接続されるパンフレーム41の接続部41aからシート幅方向外側に連続して一体的に形成されており、シート幅方向外側端部で上下に延在している。そして、本発明に係る保持部の一に相当するカバー部材42の上端部42aは、シート幅方向内側に向かって延在している。
このように、カバー部材42がパンフレーム41と連続的に一体成形されていることで、カバー部材42を取り付ける作業を減らすことができる。更に、カバー部材42の上端部42aによって、表皮材2bを保持することができる。
カバー部材43は、本発明に係る他部材の一に相当し、図4に示すように、カバー部材42と略同様の構成であるが、次に説明する変形部43aで後述する突出部材44aに保持され、図示せぬタッピングによって固定されている点で異なる。
カバー部材43のシート幅方向内側に、変形部43aが形成されている。変形部43aは、中空部43cと、中空部43cの外側を覆う外肉部43dとを有し、次に説明する突出部材44aのスリット44sに変形部43aが挿通して保持される。
突出部材44aは、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、鈍角を成す断面略Lの字状に形成されて前後方向に延在し、上下対称に2個形成されており、連結フレーム40bのシート幅方向外側側面に一体成形されている。上下に配された2個の突出部材44aは、上下に対向する端部間において本発明に係る保持部の一に相当するスリット44sを形成している。
カバー部材43は、シート幅方向外側からスリット44sに変形部43aを押しこむように取り付けられ、図示せぬタッピングで固定される。
具体的には、変形部43aは、突出部材44aの対向する端部に押圧されて中空部43cを狭めるように変形し、スリット44sを挿通する。その後に、変形部43aは、突出部材44aを変形部43aが通り過ぎることでその押圧が解除されて中空部43cを拡げるように拡張する。
このようにして、カバー部材43は、2個の突出部材44aによって保持された上で、図示せぬタッピングで連結フレーム40bに固定されることとなる。
そして、カバー部材43の上端部43bは、カバー部材42の上端部42a同様に形成されており、表皮材2bを保持することができる。
上記構成において、突出部材44aが連結フレーム40bと一体成形されているため、突出部材44aを連結フレーム40bに締結部材等によって取り付ける工程はなく、作業が容易であるとともに、部品点数を少なくすることができる。また、締結部材を取り付けるための穴を連結フレーム40bに形成する必要もないため、連結フレーム40bの剛性の低下を回避することができる。
更に、2個の突出部材44aによって形成されるスリット44sによって、締結部材を用いずにカバー部材43を容易に保持して取り付けることが可能となる。
なお、車両幅方向内側のカバー部材43が車両幅方向外側のカバー部材42よりも短く形成されている場合について説明したが、どのような長さのカバー部材を設けるかは任意である。カバー部材42,43の長さに応じて、パンフレーム41とカバー部材42とを連続して一体形成したり、連結フレーム40aと一体的に形成された突出部材44aによって、カバー部材43を取り付けることを選択可能である。
(Sバネの取り付けについて)
次に、Sバネ36の取り付けについて、図2に加え、図5及び図6を参照して説明する。
ここで、図5は、図2に示すフック41dのV-V断面を示す模式的な断面図、図6は、シートバックフレーム3に形成されてSバネ36を保持するフック50を示す模式的な正面側断面図である。
車両用シートSには、上記のように、シートバックS1及びシートクッションS2にクッション性を付与する本発明に係る他部材の一に相当するSバネ36が取り付けられている。
シートクッションS2側のSバネ36は、シートクッションフレーム4を構成するパンフレーム41の接続部41aに取り付けられている。
具体的には、Sバネ36は、シート幅方向両側の接続部41aに連続的に一体成形されたフック41dに、両端を取り付けられている。
フック41dは、図5に示すように、両側の接続部41aのシート幅方向内側に突出して前後に延出して形成されており、Sバネ36の端部を保持する保持穴41bを有する。保持穴41bは、本発明に係る保持部の一に相当し、前後方向に形成されている。
このように、パンフレーム41の一部である接続部41aと一体成形されたフック41dにSバネ36を保持できることによって、Sバネ36を保持するための別個の取付部材を設ける必要がない。また、Sバネ36を保持するためにシートクッションフレーム4を切り起こす等の加工も不要であるため、Sバネ36の取付作業の効率を高めることができる。
シートバックS1側のSバネ36は、図6に示すように、樹脂フレーム38のうち、シート幅方向両側にある部位にそれぞれ形成されたフック50に取り付けられている。
具体的には、Sバネ36は、樹脂フレーム38のシート幅方向両側の部位から連続的に一体成形されたフック50に、両端を取り付けられている。
フック50は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、樹脂フレーム38のシート幅方向両側の部位からシート幅方向内側に突出して上下に延出して形成されている。フック50は、Sバネ36の端部を保持する保持孔50aを有する。保持孔50aは、本発明に係る保持部の一に相当し、上下方向に形成されている。
このように、樹脂フレーム38と一体成形されたフック50にSバネ36を保持できることによって、Sバネ36を保持するための別個の取付部材を設ける必要がない。また、Sバネ36を保持するためにシートバックフレーム3を切り起こす等の加工も不要であるため、Sバネ36の取付作業の効率を高めることができる。
(回動軸用のブッシュの取り付けについて)
次に、図7を参照して、図示せぬシートリフター等に用いられる回転軸47に摺接するブッシュ46の取り付けについて説明する。
ここで、図7(A)は、連結フレーム40aに取り付けられたブッシュ46及び回転軸47を示す模式的な斜視図、図7(B)は、図7(A)のVIIB-VIIB断面を示す模式的な断面図である。
車両用シートSのシートクッションフレーム4の連結フレーム40aには、シートの高さを調整する図示せぬシートリフターが取り付けられることがある。この図示せぬシートリフターを構成する部材として、本発明に係る他部材の一に相当するものとして回転軸47が連結フレーム40aに取り付けられている。この回転軸47は、所定角度範囲のみに回動可能なように構成されている。
この回転軸47との接触面積を大きくして振れを抑え、回転軸47を安定的に支持可能するために図示せぬ円筒状のブッシュが貫通孔40cに挿通された後にカシメることによって取り付けられることが一般的である。
しかし、このような構成によると、図示せぬブッシュが別個に必要となるため部品点数が多くなるとともに、カシメる作業が必要となるため製造工数がかかってしまう。
そこで、図7(B)に示すように、このブッシュのカシメ後の形状と一致するように、形成されたブッシュ46を連結フレーム40aの貫通孔40c部分に一体形成するようにするとよい。
具体的には、ブッシュ46は、本発明に係る樹脂部材の一に相当し、短管の両端に径方向外側に拡げられたフランジ46bを有して、フランジ46b間に連結フレーム40aの貫通孔40cの周縁を挟持するように、連結フレーム40aと一体的に形成されている。
そして、ブッシュ46の内面46aは、回転軸47の一部の外径と略一致するか若干大きな径となる円孔状に形成されて、回転軸47に摺接する。この内面46aは、本発明に係る保持部の一に相当するものである。
このような構成により、ブッシュ46を別部品として保管する必要がなく部品点数を減らし、連結フレーム40aを加工する際に同時にブッシュ46を成形することができ、カシメる作業がなくなるために製造工数を減らすことが可能となる。つまり、回転軸47の連結フレーム40aへの取り付けが容易となる。
特に、ブッシュ46における回転軸47の頭部の座り面に当接する部位は、他の部位よりも厚く形成されていると好ましい。このように形成されていれば、回動中心のズレが生じることを防ぐことができ、且つ、剛性を高めることができる。
また、上パイプ48aのシート幅方向内側への上部位置からの屈曲部の後方の一部と、その下方にある下パイプ48bとは、図示せぬ連結ブラケットによって支持されている。
この連結ブラケットは、図示せぬシートリフターのリンクに対して回動可能に取り付けられている。
不図示のシートリフターのリンクと不図示の連結ブラケットとは、リンクと一体的に形成された樹脂製の不図示のブッシュとブッシュを挿通する回動軸によって、回動可能に取り付けられている。
特に、ブッシュにおける回動軸の頭部の座り面に当接する部位は、他の部位よりも厚く形成されていることで、回動中心のズレが生じないようにされており、且つ、剛性が高められている。
本発明は、シートリフターの回転軸47を支持して、連結フレーム40aと一体成形されたブッシュ46に限定されない。
例えば、シートフレームF1に取り付けられるアームレスト等その他の部品の一部である回転軸に摺接するブッシュを、シートフレームF1とは別個の部品とせずに一体成形してもよい。
(その他の部品の取り付けについて)
上記のように、シートバックフレーム3に設けられた樹脂フレーム38に連続するブラケット38aをウェイト38bと一体成形するようにすれば、ウェイト38bを取り付けるための取付部品が不要となることで、部品点数を削減して製造効率を高めることが可能となる。
また、シートバックフレーム3に設けられた樹脂フレーム38をヘッドレストステーHSと一体成形するようにすれば、ヘッドレストステーHSを取り付けるための取付部品が不要となることで部品点数を削減できる。このため、ヘッドレストステーHSにヘッドレストピラーHPを取り付けるまでの製造効率を高めることが可能となる。更に、ヘッドレストステーHSは、前パイプ37a及び後パイプ37bの少なくともいずれか一方に沿うように配設することで、高い剛性を確保することができる。
なお、上記においては、車両用シートを例に説明したが、車両に限られず、飛行機、船舶等の燃費向上のために軽量化が必要となり、部品点数を削減して製造工数の向上を目的とする乗り物用シートに好適に用いることが可能である。
HS ヘッドレストステー(他部材)
S 車両用シート
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
F1 シートフレーム
3 シートバックフレーム
4 シートクッションフレーム
1a,2a,3a クッションパッド
2aa 凹部
1b,2b,3b 表皮材(他部材)
36 Sバネ(他部材)
37a 前パイプ(金属部材)
37b 後パイプ(金属部材)
38 樹脂フレーム(樹脂部材)
38a ブラケット(樹脂部材,保持部)
38b ウェイト(他部材)
40a,40b 連結フレーム(金属部材)
40c 貫通孔
41 パンフレーム(樹脂部材)
41a 接続部
41b 保持穴(保持部)
41d フック(保持部)
42 カバー部材(樹脂部材)
42a 上端部(保持部)
43 カバー部材(他部材)
43a 変形部
43b 上端部
43c 中空部
43d 外肉部
44a 突出部材(樹脂部材)
44s スリット(保持部)
45 J字フック
46 ブッシュ(樹脂部材)
46a 内面(保持部)
46b フランジ
47 回転軸(他部材)
48a 上パイプ(金属部材)
48b 下パイプ(金属部材)
50 フック(樹脂部材)
50a 保持孔(保持部)
HP ヘッドレストピラー

Claims (5)

  1. シートフレームを構成する金属部材と、
    該金属部材に接続される樹脂部材と、を備え、
    前記樹脂部材は、前記金属部材と一体成形されており、
    前記樹脂部材には、他部材を保持する保持部が形成されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記他部材は、前記金属部材を覆うカバー部材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記樹脂部材は、前記シートフレームの一部を構成しており、
    前記保持部は、前記樹脂部材における前記保持部の周囲よりも前記カバー部材側に突出して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
  4. 前記他部材は、前記金属部材に取り付けられる回転軸であり、
    前記金属部材には、前記回転軸を挿通する貫通孔が形成されており、
    前記樹脂部材は、前記貫通孔に取り付けられて、前記回転軸に摺接するブッシュであることを特徴とする請求項1の車両用シート。
  5. 前記金属部材を覆うカバー部材と、
    前記シートフレーム上に載置されたクッションパッドと、
    該クッションパッドを覆う表皮材と、を備え、
    前記カバー部材は、前記保持部を有して前記樹脂部材と一体で成形されており、
    前記他部材は、前記表皮材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
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