JP2016150448A - 深絞り包装用共押出多層フィルム - Google Patents

深絞り包装用共押出多層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性や光沢を損ねることなく、深絞り包装体として高い剛性と耐カール性を有する薄肉の包装材及びそれを用いた包装体の提供。【解決手段】 外層に無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層、中間層にガスバリア層、内層にポリオレフィン樹脂からなるイージーピール層の少なくとも3層を有し、フィルム総厚が40μm以上120μm未満であり、フィルム総厚に対する無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層厚の比率が40%以上75%未満であることを特徴とする深絞り成形用共押出多層フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、主としてスライスハム、スライスベーコン等の包装に好適に使用できる深絞り成形用フィルム、及び深絞り包装体に関するものである。
近年、食品業界では、環境問題からの廃棄物削減、食品個体の少量化が、消費者の意識の深厚と共に、急激に進められており、スライスハムやスライスベーコンといった深絞り包装体においても、包装材の品質を保ったまま、半減に近い包装材の減量化、即ち薄肉化が求められている。
スライスハムやスライスベーコンといった深絞り包装体の製造工程では、フィルムを深絞り成形機に供給して成形型で所望の形状及び大きさに底型成形し、深絞り部にスライスハム等の内容物を充填し、その上から供給した蓋材フィルムを用いヒートシール及び真空包装する。その後、冷却し、各個の深絞り部の間をフィルムカットして、各個の深絞り包装体が作製される。
更にこれら包装体用途では、個包装当たりの食品少量化に合わせ、各個の深絞り包装体作製後、3〜4個の包装体をずらし重ねてラベルテープで接着し一体化させた、所謂3〜4連パック製造が行われている。
こういった製造工程において、市場要求に沿って包装材フィルムの薄肉化を行うと、フィルムの剛性(腰)が低下したり、蓋材とのヒートシールによりカールが発生したりしてしまう。これらの個包装体の強度や変形の問題は、見栄えを含め商品価値を下げるだけでなく、製造段階においてフィルムの成型や個包装体の整列搬送やラベルの整然貼付などを著しく悪化させ、製造ラインを停止させるに至る。
深絞り包装用フィルムとしては、従来、外層にポリエステル樹脂層、中間層にナイロン樹脂(Ny)やエチレン−酢酸ビニル共重合けん化物(EVOH)からなるガスバリア性層、内側のシール層にポリオレフィン樹脂層を有する多層フィルムが、広く一般的に使用されている(例えば特許文献1〜4)。
これら開示技術では、単層のポリエステル樹脂層に、シクロヘキサンジメタノールとの共重合やイソフタル酸との共重合による非晶性ポリエステル樹脂層や、結晶性ポリエステルを非晶のまま固化させた無定形ポリエステル樹脂層を用いることにより、深絞り包装体に必要な腰、光沢、透明性を付与している。
しかしながら、特許文献1〜3の多層フィルムは、何れもフィルム総厚120μm以上でフィルムに腰を持たせており、この構成で薄肉化すると腰が不足し包装体の形が崩れる。
特許文献4で技術開示されたフィルム総厚50〜150μm、フィルム総厚に対する外層の非晶性ポリエステル樹脂層厚の比率を40〜60%とする多層フィルムでは、ヒートシールによってカールが発生してしまう。
また、深絞り包装用フィルムとして、外層に2層2種のポリエステル樹脂層を配する技術が開示されているが(例えば特許文献5〜6)、これらは、外層厚だけで200μm〜500μmもある、フィルム総厚300μm以上のフィルム製造を成し遂げる技術である。これらは、内容物と共に不活性ガスを封入して包装するガスパック用途に必要なリジット性を得る為に、ポリエステル樹脂層厚をフィルム総厚の8割以上としており、これらを単にそのままの比率で薄肉化してフィルム製膜することは加工技術の点で困難であり、薄肉で且つバリア性や耐ピンホール性も必要な本発明の用途には応用展開は出来ないものである。
特開平7−096582 特開平8−281892 特開2003−136648 特許424749 特開平10−100336 特開平10−034852
本発明は、上記問題点を解決しようとするものであり、透明性や光沢を損ねることなく、深絞り包装体として高い剛性と耐カール性を有する包装材及び包装体を提供する事にある。
上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、外層に無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層、中間層にガスバリア層、内層にポリオレフィン樹脂からなるイージーピール層の少なくとも3層を有し、フィルム総厚が40μm以上120μm未満であり、フィルム総厚に対する無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層厚の比率が40%以上75%未満であることを特徴とする深絞り成形用共押出多層フィルムに存する。
本発明の深絞り成形用共押出多層フィルムによれば、フィルムが薄くても、透明性、光沢を損なうことなく、コシがありカールが良好な深絞り成形用フィルム及び包装体を提供することができる。
以下に本発明のフィルムについて詳細に説明するが、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<外層:無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層>
本発明のフィルムの外層は、無定形ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層からなり、結晶性ポリエステル樹脂をフィルム製膜において非晶のまま固化させて層形成するものであり、外層に配することによりフィルムに剛性、強度、成形性、光沢を付与することが出来る。また、後述のポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)樹脂に比べ低コストであることから、層厚比を大きくしても経済性がよく、剛性、強度、成形性の付与効果を十分に発揮することが出来る。
上記の結晶性ポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレートユニットの含有率が80モル%以上の樹脂を使用する。好ましい含有率は83モル%以上、より好ましくは85モル%以上である。
また、本発明のフィルムの外層のPET樹脂は、以下に記載の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とにより形成され得る。
多価カルボン酸成分としては、エチレンテレフタレートユニットを構成するテレフタル酸の他、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および脂環式ジカルボン酸のいずれも用いられる。
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸などのベンゼンジカルボン酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸類;44−ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4 ’−ジカルボン酸などのジカルボキシビフェニル類; 1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸およびその置換体;1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸およびその置換体などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸などが挙げられる。さらに、上記脂環式ジカルボン酸としては、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、ポリエチレンテレフタレートユニットを構成するエチレングリコールの他、脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび芳香族ジオールのいずれも用いることができる。
脂肪族ジオールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加物; キシリレングリコールなどが挙げられる。
また、多価アルコール成分として、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールなどを用いることもできる。
このような多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を用いてPET樹脂を調製するには、深絞り成形用共押出フィルムとしての特性を改良するため、1種類以上の多価カルボン酸成分または多価アルコール成分を組み合わせて用いることが出来る。組み合わせるモノマー成分の種類および含有量は、所望のフィルム特性、経済性などに基づいて適宜決定することができる。
また、上記PET樹脂は、単一の共重合レジンを用いてもよいし、2種類以上の共重合またはホモポリエステルの混合物を用いることも可能である。
特に、ホモのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートコポリマーなどは経済性の点からも好適に用いることができる。
本発明のフィルムの外層PET樹脂層厚は、フィルム総厚に対し、40%以上75%未満であることが望ましい。40%以上であることにより、フィルムに良好なコシと耐カール性が得られる。75%以上では、中間層のガスバリア層や内層のシール層の厚みを十分に確保できず、それらの機能が不十分となり易い。
下限の厚比は、45%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。上限の厚比は、70%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。
<最外層:非晶性ポリエステル樹脂層>
本発明のフィルムは、外層の無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層のさらに外側に、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)樹脂からなる非晶性ポリエステル層を配する事が出来る。
最外層にPETG層を配することで、外層の無定形PET層表面のオリゴマー析出による外部ヘイズが解消され、より良好な光沢が得られる。特に、シール時の130℃以上等での加温下での表面ヘイズが顕著に低減し、透明性が良好となる。
本発明のフィルムのPETG樹脂とは、多価アルコール成分100モル%中に1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上含まれるポリエステル樹脂をいう。非晶化度を高める観点から、1,4−シクロヘキサンジメタノールを10モル%以上、好ましくは12モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上含むことが望ましい。一方、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が多すぎると、フィルムの衝撃強度が低下してしまうため、上限は50モル%とすることが好ましく、47モル%以下とすることがより好ましく、45モル%以下とすることがさらに好ましい。
本発明のフィルムでは、耐破れ性、衝撃強度、耐熱性などを考慮すれば、最外層で使用するPETG樹脂を構成するユニット100モル%中にエチレンテレフタレートユニットの含有率が50モル%以上、好ましくは55モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上となるように選択することが好ましい。したがって、多価カルボン酸成分100モル%中にテレフタル酸成分を50モル%以上、多価アルコール成分100モル%中にエチレングリコール成分を50モル%以上95モル%未満、さらには55モル%以上90モル%以下、特に60モル%以上88モル%以下含有させることが望ましい。
本発明のフィルムの最外層を構成する樹脂の上記以外の他の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分としては、外層の無定形ポリエチエチレンテレフタレート樹脂層と同様な成分を用いることが出来る。
本発明のフィルムの最外層PETG樹脂層厚は、フィルム総厚に対し、3%以上10%以下であることが望ましい。3%以上であることにより、フィルムにより良好な光沢を付与することができ、10%を超えると、製造コストが増大し産業価値が下がる。
外層のPET樹脂層と最外層のPETG樹脂層は、フィルム断面の顕微鏡観察により層界面を観察することができ、層厚を測定算出できる。
<中間層:ガスバリア層>
本発明のフィルムは、内容物の食品の腐敗を防ぐために、酸素ガスバリア性を中間層に配することが望ましい。
ガスバリア層として、ポリアミド樹脂(PA)層、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層、又はPAとEVOHの混合樹脂層を配することができる。また、単層でも複数の積層でも良い。
ガスバリア層のポリアミド樹脂は、特に限定されないが、ガスバリア性や耐ピンホール性の観点からナイロン系樹脂(Ny)を用いることが好ましい。例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン、等の縮合単位の重合体又はこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でもガスバリア性の高いMXD6ナイロンや耐ピンホール性の高い6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
ガスバリア層のEVOH樹脂は、エチレン含有量が30〜60モル%、けん化度が95%以上のものが、成形性やガスバリア性の点から好ましい。
PA層を配設する場合、層厚は2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、かつ25μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。2μm以上であると良好なガスバリア性と耐ピンホール性が得られ、また25μm以下とすることにより深絞り包装機での良好なカット性が得られる。
EVOH層を配設する場合、層厚は1μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上10μm以下がより好ましい。1μm以上で良好な酸素ガスバリア性が得られ、20μmを超えるとピンホール性が損なわれる場合がある。
<中間層:EVA層、PE層>
本発明のフィルムは、柔軟性を付与する目的で、中間層にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層やポリエチレン(PE)層を配設することもできる。
EVAのエチレン含有率は特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から1.5モル%以上20モル%以下であることが好ましく、3モル%以上15モル%以下であることがさらに好ましい。
PE層の樹脂は特に限定はないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又はそれらを混合したものを使用することができる。
<中間層:接着樹脂層>
本発明のフィルムは、外層と中間層との間、内層と中間層との間に少なくとも1層を配設することができる。また、層間接着強度をより高める観点から、EVOH層とPE層の間、PA層とPE層との間、無定形PET層とEVOH層との間、無定形PET層とPA層との間に配設させることが好ましい。
使用される接着樹脂は、各層を構成する各種樹脂層を必要な強度で接着できれば特に限定されない。好ましくは、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂である。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
また接着樹脂として、不飽和カルボン酸のエステルや無水物も用いることができ、さらに誘導体としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム等を用いることができる。
市販の接着樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、商品名アドマーが挙げられ、これらを好適に使用することができる。中でもPP層、PE層、EVOH層及びPET樹脂層を接着させる場合には、特殊ポリオレフィンベースのもの、ポリエチレンエラストマーベースのものが有用であり、さらにEVOH層、PP層及びPE層を接着させる場合には、LLDPEタイプまたはPPタイプのものを好適に使用することができる。
<内層:イージーピール層>
本発明のフィルムの内層のシール層であるイージーピール(EP)層を構成する樹脂は、イージーピール機能を有する樹脂であれば特に限定されず、非相溶性の2種のポリオレフィン樹脂の混合を用いることが出来る。
例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリブテン(PB)の混合、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリプロピレン(PP)の混合、PPと低密度ポリエチレン(LDPE)の混合、PPとアイオノマー(IO)の混合、PPとエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)の混合、PPとエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)の混合、等が挙げられる。中でもLLDPEとPBの混合や、PPとLDPEの混合を好適に用いることができる。
EP層厚は、フィルム製膜性及び剥離外観性の観点から2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは4μm以上であり、かつ15μm以下、好ましくは12μm以下、さらに好ましくは10μm以下とすることが望ましい。
EP層厚を2μm以上とすることにより、安定した製膜性が得られ、また15μm以下にすることにより剥離時に毛羽立ちや膜残りが発生し難くすることができ、良好な剥離外観が得られる。
EP層のイージーピール強度(剥離強度)は、剥離において凝集破壊が起こり、かつ剥離面が毛羽立たない程度の強度であればよく、例えば、25℃で0.8N/15mm幅以上、好ましくは 1.0N/15mm幅以上、さらに好ましくは1.2 N/15mm幅以上であり、5.0N/15mm幅以下、好ましくは4.5N/15mm幅以下、さらに好ましくは4.0N/15mm幅以下である。
<多層フィルム構成>
外層に無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層、中間層にガスバリア層、内層にポリオレフィン樹脂からなるイージーピール層の少なくとも3層を有し、フィルム総厚が40μm以上120μm未満であり、フィルム総厚に対する無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層厚の比率が40%以上75%未満である多層フィルムであれば特に限定されるものではない。
例えば、各層を略号を用い、無定形PET樹脂層(A)、PA層(B)、EVOH層(C)、EVA層又はPE層(D)、イージーピール層(E)、PETG層(F)及び接着樹脂層(G)で表した場合、以下の層構成を形成することができる。
(1) A/G/B/C/G/E
(2) A/G/B/C/G/D/E
(3) A/G/C/B/G/D/E
(4) A/G/C/B/G/E
(5) A/G/B/C/B/G/D/E
(6) A/G/B/F/C/G/D/E
(7) F/A/G/B/C/G/E
(8) F/A/G/B/C/G/D/E
(9) F/A/G/C/B/G/D/E
(10) F/A/G/C/B/G/E
(11) F/A/G/B/C/B/G/D/E
(12) F/A/G/B/G/C/G/D/E
上記のうち、好ましい層構成は(8)、(9)、(10)又は(11)であり、さらに好ましくは(8)、(9)又は(11)である。
本発明のフィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法および共押出Tダイ法等を用いることができ、特に共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
<深絞り包装体>
本発明のフィルムは、成形することにより深絞り包装体に用いることができる。特に本発明のフィルムを深絞り包装体の底材として用いると、良好な深絞り包装体を得ることができる。
蓋材は、イージーピール性が得られれば特に制限はない。例えば、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)と透明蒸着ポリエチレンテレフタレート系フィルムと直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムをドライラミネートした蓋材や延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルムとEVOHやNyを含みLLDPEをシール層とした共押出フィルムとをドライラミネートした積層体を挙げることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<多層フィルムの作製>
各例に示す層構成の多層フィルムを共押出法で作製した。各層の成分は、下記の略号を用いて示した。
(各層成分)
PET: ポリエチレンテレフタレート ホモポリマー
PETG: イーストマン・ケミカル社製PETG
接着樹脂: 不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂
Ny: 6−66共重合ナイロン ナイロン66比率15%
EVOH1: エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン38mol
EVOH2: エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン32mol
LL: 直鎖状低密度ポリエチレン
EVA: エチレン−酢酸ビニル共重合体
EP: 直鎖状低密度ポリエチレン(60%)とポリブテン(40%)の混合
(実施例1)
PET(33μm)/接着樹脂(4μm)/Ny(5μm)/EVOH1(5μm)/接着樹脂(4μm)/LL(5μm)/EP(4μm)
総厚60μm
(実施例2)
PET(33μm)/接着樹脂(4μm)/EVOH1(5μm)/Ny(5μm)/接着樹脂(4μm)/LL(5μm)/EP(4μm)
総厚60μm
(実施例3)
PETG(3μm)/PET(30μm)/接着樹脂(4μm)/Ny(5μm)/EVOH1(5μm)/接着樹脂(4μm)/LL(5μm)/EP(4μm)
総厚60μm
(実施例4)
PETG(3μm)/PET(30μm)/接着樹脂(4μm)/EVOH2(5μm)/接着樹脂(4μm)/EVA(10μm)/EP(4μm)
総厚60μm
(実施例5)
PETG(1μm)/PET(23μm)/接着樹脂(3μm)/Ny1(3μm)/EVOH1(3μm)/接着樹脂(3μm)/LL(2μm)/EP(2μm)
総厚40μm
(実施例6)
PETG(3μm)/PET(40μm)/接着樹脂(3μm)/Ny1(3μm)/EVOH1(3μm)/接着樹脂(3μm)/LL(3μm)/EP(2μm)
総厚60μm
(比較例1)
PETG(33μm)/接着樹脂(4μm)/Ny(5μm)/EVOH1(5μm)/接着樹脂(4μm)/LL(5μm)/EP(4μm)
総厚60μm
(比較例2)
PETG(3μm)/PET(10μm)/接着樹脂(5μm)/Ny(6μm)/EVOH1(8μm)/接着樹脂(5μm)/LL(18μm)/EP(5μm)
総厚60μm
(比較例3)
PETG(2μm)/PET(15μm)/接着樹脂(4μm)/Ny(3μm)/EVOH1(4μm)/接着樹脂(4μm)/LL(3μm)/EP(5μm)
総厚40μm
<深絞り包装体の作製>
深絞り包装機(大森機械工業製FV6300)を使用し、成型加熱温度90℃、成型時間1.5秒の条件で、底材用フィルムとして各例で作製した多層フィルムを用いてそれぞれ直径98mm、絞り深さ5mm、円柱状の形状に成形し、直径95mm、35gのスライスハムを真空包装し、縦100mm、横80mmの包装体を作製した。
蓋材には次の積層体をドライラミネート法で作製した。「//」はドライラミネート法による接着を表す。
OPP(30μm)//透明蒸着PET(12μm)//LLDPE(40μm)
OPP: 二軸延伸ポリプロピレンフィルム
透明蒸着PET: 東洋メラライジング製VM−PET
LLDPE: 直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
<評価方法>
以下の評価を行い、表1に結果を示す。
(ヒートシール部カール)
包装体作製後、5分以内に観察し、ヒートシール部が平らのものやカール高さが5mm未満のものを「○」、カール高さが5mm以上のものを「×」と評価した。
(フィルム内部ヘーズ)
フィルムの透明性の評価として内部ヘーズを測定した。
フィルムの内層表面にフタル酸ジオクチルを塗り、フィルムをスライドガラスに挟み、JIS−K 7105に準じ、内部ヘーズを測定した。
Figure 2016150448
表1より、実施例1〜6は、深絞り成形性が良好で、包装体のヒートシール部のカールがほとんどなく、ラベルを貼り付ける際にパック品が整列させやすかった。
これに対し、比較例1〜3は、ヒートシール部が底材側にカールし、そのため包装ラインのラベラーにおいて包装体がうまく整列搬送されず、複数連パックのラベルが曲がったり貼れない等の問題が起きた。
透明性は、最外層に非晶性ポリエステル樹脂層を配した実施例3〜6、比較例1〜3が良好であった。
本発明の深絞り成形用共押出多層フィルムによれば、透明性、光沢を損なうことなく、コシがありカールが良好な薄いフィルムを提供する事ができ、現行品の半減に当たるほどの廃棄物減容化を実現でき工業的価値は高い。

Claims (3)

  1. 外層に無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層、中間層にガスバリア層、内層にポリオレフィン樹脂からなるイージーピール層の少なくとも3層を有し、フィルム総厚が40μm以上120μm未満であり、フィルム総厚に対する無定形ポリエチレンテレフタレート樹脂層厚の比率が40%以上75%未満であることを特徴とする深絞り成形用共押出多層フィルム。
  2. 最外層に非晶性ポリエステル樹脂層を配し、フィルム総厚に対する非晶性ポリエステル樹脂層厚の比率が3%以上10%以下である請求項1記載の深絞り成形用共押出多層フィル。
  3. 請求項1又は請求項2記載の多層フィルム用いて作製した深絞り包装体。
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