JP2016149709A - 無線通信システム及び発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】閉空間内において互いに分離された複数の物体の間における無線通信を、低遅延かつ高品質に行う。
【解決手段】無線通信システムは、(1)第1のアンテナ部と第1の無線通信部を配置した第一の物体と、(2)第2のアンテナ部と第2の無線通信部を配置した、前記第一の物体から物理的に分離された第二の物体とを有し、前記第1及び第2のアンテナ部は、いずれも前記第一の物体および前記第二の物体によって形成された閉空間内または前記第一の物体によって形成された閉空間内に設けられる電界アンテナと磁界アンテナとを有し、1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心を一致するように配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、閉空間内で互いに分離された複数の物体間で無線信号を送受する無線通信システム及び発電システムに関する。
再生可能エネルギーの利用は、地球温暖化の原因物質の一つである二酸化炭素(CO)の排出量削減やエネルギーの安定的供給に寄与するため、年々活発化している。特に、風力発電は、環境適合性や採算性の観点から注目されており、中でも、大規模化、風量安定化の観点から洋上風車の導入量が今後ますます増加すると予測されている。しかし、陸上風車に比べ、洋上風車はメンテナンスコストが大きいという課題がある。
従来システムの課題を、図11を用いて説明する。図11は、交流励磁発電機(DFG:Double-Fed Generator)を用いる従来型の風力発電システム301について表している。風力発電システム301は、風を受けて回転するブレード303と、電力系統309に発電された電力を送る発電機307と、発電機307の回転子305を可変周波数で励磁する電力変換器308とを備えている。発電機307に対する励磁用電力の供給は、回転子305に物理的に接触されたブラシ304を通じて実現される。
電力変換器308は、例えば数kVで動作するパワーデバイスで構成されており、これらに対するコントローラ311からの制御信号は、フォトカプラ等の絶縁素子310を介して送られる。この制御信号は、電力変換器308等に設けられたセンサからの信号(センサ信号)に基づいてコントローラ311が生成する。センサ信号の伝送にも絶縁素子310が用いられる。電力変換器308は3相インバータと3相コンバータで構成されるため、12個のパワーデバイスを有する(1相当り2個×3相×2)。電力変換器308は、制御信号に従い、電力系統309から供給された電力を6個のパワーデバイスによりAC/DC変換し、さらに6個のパワーデバイスによりDC/AC変換して発電機307の回転子305に制御用電力を供給する。このパワーデバイスには、マイクロ秒オーダーでのリアルタイム制御が求められるため、制御信号の低遅延性も重要となる。
風力発電システム301は、可変速運転する発電機307の固定子306から、電力系統309の周波数を有する電力を供給する。そのため、電力変換器308により、ブラシ304を介してすべり周波数(発電機307の回転周波数と電力系統309の周波数の差であるすべり)に応じて回転子305を励磁することで、固定子306の周波数と同期した回転磁界を発生するように制御する。このように、電力変換器308の周波数制御によって、風速変動に対する可変速運転が可能になり、広風速域の風エネルギーを電力に変換することができる。このシステムは、可変速水力発電システムで技術的に実績のあるシステムであり、可変速運転に必要な電力変換器308の容量が回転機容量の例えば30%程度で良い。このため、電力変換損失が小さく高効率で低コストな発電システムを実現することができる。しかし、回転子305への給電にはブラシ304が必要であり、ブラシ304の摩耗により約1年程度で交換および磨耗くずの除去作業が必要となる。
ところで、特許文献1には、メンテナンスを容易にしつつ発電効率の向上が可能な回転電機等を提供することを目的として、ブラシを用いない交流励磁発電機が記載されている。この特許文献1では、交流励磁発電機と同軸に回転励磁機と電力変換器を設け、電力系統の電力を回転励磁機の固定子に通電させ、同期発電機の原理により回転子に電力を供給した後、電力変換器により電圧及び周波数を変換した電力を交流励磁同期発電機の回転子に供給し、発電運転を行うように構成することが開示されている。この構成によると、電力変換器は回転子に取り付けられるため、回転子の回転に伴い、電力変換器は回転する。この電力変換器は、風車の回転、電力系統の電圧、電流等に応じた制御を必要とするが、外部からブラシレスに制御信号や各種情報を受信するため、無線通信を用いることが記載されている。
特許文献2には、屋内環境で行われる無線通信技術の詳細が開示されている。この特許文献2では、主として電界成分に感応する電界アンテナと、主として磁界成分に感応する磁界アンテナとを用い、両者の出力を合成器により合成する。屋内にて起こり易い定在波環境下では、電波の電界成分が谷の位置では磁界成分は山、磁界成分が谷の位置では電界成分が山となるため、屋内においても安定した無線通信が実現できることが記載されている。
特許文献3では、電界アンテナと磁界アンテナの各出力を、信号遅延回路によって同相とした後、合成器で合成することで、アンテナの指向性を確保しつつ利得を向上させることが記載されている。
特開2013−110801号公報 特開平06−291705号公報 特開2002−135046号公報
特許文献1に記載された交流励磁発電機を更に高効率化および高信頼化するためには、回転励磁機の固定子と電力変換器との間の無線通信の高品質化が重要課題となる。特に、発電効率を向上させるには、フィードバック制御をリアルタイムに行う必要があり、低遅延に制御信号やセンサ信号を無線通信することが必要になる。一般的にこのような発電機は金属筐体で保護されるため、ここでの無線通信は閉空間内で行われる。
ところで、閉空間内の電波伝搬においては、複数の反射波の合成の結果として定在波が発生する。このため、回転変位により信号強度が変動する。信号強度の低下時には、通信エラー率が増大するため、信号を再送する必要が発生し、通信遅延が増大してしまう。すなわち、リアルタイムでのフィードバック制御が困難になる。
特許文献2には、電界アンテナと磁界アンテナとの間の距離を、電波の波長に対して十分小さく配置することができれば、定在波環境下においても安定した無線通信が実現できることが記載されている。しかし、両者を近づけ過ぎると両者の間で不要な結合が生じ、各アンテナの放射特性や反射特性が劣化する。さらに、両者を近づけるには、各アンテナのサイズを小さくする必要があるが、一般的に、アンテナの大きさと動作帯域はトレードオフにあるため、アンテナが狭帯域化してしまうという問題もある。
特許文献3に記載の無線通信技術は、電界アンテナと磁界アンテナとの間に生じる位相ズレを補正して合成するための信号遅延回路を備えているが、閉空間における定在波は、多数波によるベクトル合成の結果であるため、位相ズレはアンテナ位置によって変化してしまう。このため、上述の信号遅延回路には、ダイナミックな補正(すなわち、固定値ではない)が要求され、信号処理時間が増大し、通信遅延が増大してしまう。
これらの技術課題は、風力発電システム以外のシステムにおいても共通する。例えばエレベータの乗りかごと昇降路(シャフト)との間で構築される無線通信システム、自動車の車体内に構築される無線通信システム、鉄道車両内に構築される無線通信システム等は、いずれも主に金属体で囲まれた閉空間内に構築される。このため、風力発電システムにおける無線通信と同様、定在波の影響により信号強度が変位により変動する。結果として、固定局同士の無線通信であれば、固定局の最適な設置位置を決める作業に要する時間が増大し、固定局と移動局との間の無線通信であれば、通信品質が不安定化するという技術課題がある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、閉空間内において互いに分離された複数の物体間における無線通信を、低遅延かつ高品質に実行できる技術を提供する。
上記解題を解決するための本発明の代表例の一つは、
(1)第1のアンテナ部と第1の無線通信部を配置した第一の物体と、
(2)第2のアンテナ部と第2の無線通信部を配置した、前記第一の物体から物理的に分離された第二の物体と
を有する無線通信システムである。
ここでの前記第1及び第2のアンテナ部は、いずれも
(1)前記第一の物体および前記第二の物体によって形成された閉空間内または前記第一の物体によって形成された閉空間内に設けられた、電界に比例した受信を行う電界アンテナと、
(2)前記閉空間に設けられた、磁界に比例した受信を行う磁界アンテナと、
(3)前記電界アンテナからの出力と前記磁界アンテナからの出力とを合成して、対応する前記無線通信部へ入力すると共に、対応する前記無線通信部からの出力を分配して前記電界アンテナ及び前記磁界アンテナへ入力する信号合成分配器と
を有する。
また、前記第1及び第2のアンテナ部は、いずれも
(1)前記電界アンテナと前記磁界アンテナのうち一方を複数個以上、もう一方を少なくとも1個以上有すると共に、
(2)1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心を一致するように配置する。
また、上記解題を解決するための本発明の代表例の他の一つは、
(1)回転エネルギーにより発生された電力を電力系統に送電するための固定子と、前記固定子に取付けられた回転軸を中心に回転するための回転子とを有する主発電機と、
(2)補助固定子と、前記回転子と共通の回転軸を有する補助回転子と有する補助発電機と、
(3)複数のセンサと複数のパワーデバイスとを有し、前記電力系統の電力が前記補助発電機の前記補助固定子に通電されることにより、前記補助回転子の回転子巻線に電力が供給され、前記電力系統から供給された電力の電圧及び周波数を制御信号に基づいて変換した電力を、前記主発電機の前記回転子に供給する電力変換器と、
(4)前記電力変換器の前記複数のセンサから得られた電流値及び電圧値の情報に基づいて前記制御信号を生成し、前記制御信号により前記複数のパワーデバイスをオン/オフ制御するコントローラと
を有する発電システムである。
ここで、前記コントローラは、前記固定子の側の第1のコントローラと、前記回転子の側の第2のコントローラとに分離して配置される。
また、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記複数のセンサは、それぞれ無線通信部とアンテナ部とを有している。
さらに、前記アンテナ部は、
(1)前記固定子と前記回転子によって形成された閉空間内に設けられた、電界に比例した受信を行う電界アンテナと、
(2)前記閉空間内に設けられた、磁界に比例した受信を行う磁界アンテナと、
(3)前記電界アンテナからの出力と前記磁界アンテナからの出力とを合成して前記無線通信部へ入力すると共に、前記無線通信部からの出力を分配して前記電界アンテナ及び前記磁界アンテナへ入力する信号合成分配器と
を有する。
さらに、前記アンテナ部は、
(1)前記電界アンテナと前記磁界アンテナのうち一方を複数個以上、もう一方を少なくとも1個以上有すると共に、
(2)1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心を一致するように配置する。
発明の1つによれば、閉空間内において互いに分離された複数の物体の間における無線通信を、低遅延かつ高品質に実行できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
形態例1に係る無線通信システムを用いた風力発電システムの概略構成を説明するブロック図。 形態例1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図。 固定子側ユニットの無線通信部と回転子側ユニットの無線通信部の配置例を示すブロック図。 アンテナ部の構成例を示すブロック図。 電界アンテナと磁界アンテナの表面導体パターンの配置例(A1−A1’高さ)を示す図。 電界アンテナと磁界アンテナの裏面導体パターンの配置例(A2−A2’高さ)を示す図。 電界アンテナと磁界アンテナの断面構造例を示す図。 アンテナ部の他の構成例を示すブロック図。 電界アンテナと磁界アンテナの表面導体パターンの変形配置例(A1−A1’高さ)を示す図。 電界アンテナと磁界アンテナの裏面導体パターンの変形配置例(A2−A2’高さ)を示す図。 電界アンテナと磁界アンテナの他の断面構造例を示す図。 形態例2に係る無線通信システムの概略構成を示すブロック図。 形態例2に係る無線通信システムの固定子側ユニットと回転子側ユニットの無線通信部の配置例を示すブロック図。 形態例3に係る無線通信システムの概略構成を示すブロック図。 交流励磁発電機を用いた従来の風力発電システム301の構成を示すブロック図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の態様は、後述する形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。また、本明細書で提案する無線通信技術は、新規設備の省配線化や既設設備への通信網の導入の容易化などの観点で有効である。特に、発電システム(風力システム、水力システム、火力システム等)の回転電機機械、エレベータ、自動車、鉄道車両等の金属筐体内部で行われる無線通信への適用が期待される。
A.概要
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
実施の形態の代表的なシステムは、以下の(1)〜(5)を備えている。
(1)固定部材、
(2)固定部材と電気的に絶縁された回転部材、
(3)複数のセンサ、
(4)複数のパワーデバイスを有し、電力系統から供給された電力の電圧及び周波数を制御信号に基づいて変換した電力を回転部材に供給する電力変換器、
(5)複数のセンサから得られた情報に基づいて制御信号を生成し、制御信号により前記電力変換器の前記複数のパワーデバイスをオン/オフ制御するコントローラ。
ここでのコントローラは、固定部材の側に配置される固定子側コントローラと、回転部材の側に配置される回転子側コントローラとに分離されている。また、固定子側コントローラ、回転子側コントローラ、複数のセンサは、それぞれ双方向に非接触通信するための無線通信部を有している。さらに、無線通信部は、固定部材および回転部材によって形成された閉空間内で無線信号をやりとりするアンテナ部を有している。アンテナ部に備えられた2個の電界アンテナの幾何的な重心と、同じくアンテナ部に備えられた1個の磁界アンテナの幾何的な重心とが一致するように2個の電界アンテナと1個の磁界アンテナが配置され、信号合成分配器がこれらアンテナの出力を合成する。
B.実施の形態
[形態例1]
以下、形態例1に係る無線通信システムを、図1〜図7を用いて説明する。
(1)発電システム
ここでは、発電システムの一例として風力発電システムについて説明するが、本明細書で提案する発明は、水力、火力、揚力等の各種の発電システムにも適用することができる。
図1は、本形態例に係る風力発電システム321の構成図である。なお、公知の発電システムについては、例えば特許文献1等を参照することができる。
主発電機324は、回転子322と固定子323を有する。補助発電機327は、回転子325と固定子326を有する。主発電機324は、電力変換器15を介して、補助発電機327に接続される。電力系統309の電力が補助発電機327の固定子326に通電され、同期発電機の原理により回転子325に電力が供給される。
回転子322及び回転子325は、共通のシャフトを回転軸とする。同一のシャフトで回転することにより、回転子322及び回転子325は、同一軸上/同一速度で回転することが担保される。なお、回転子322及び回転子325のシャフトは、ブレード303の回転軸302と共通である、又は、回転軸302に対して同軸に取り付けられている。ここで、電力変換器15は、回転子322及び325のそれぞれに配置されている。このため、電力変換器15は、回転子322及び325に対して相対的に回転しない。
主発電機324の固定子323の巻線と補助発電機327の固定子326の巻線は、電力系統309と接続されている。電力系統309には、商用周波数をもった交流電流が流れている。このため、固定子326の巻線に発生する電圧が時間的に変化し、励磁用の補助発電機327の回転子325が回転することにより、回転子325の巻線内には回転速度に応じた誘導電流が発生する。回転子325の回転により発生した誘導電流により、主発電機324の励磁電流を回転子322に流すことができる。また、所定の電力を定常的に発電するためには、主発電機324の回転子322が同期速度と異なる回転速度で回転している場合でも、主発電機324の回転子322が生ずる回転磁界の回転速度は、系統周波数に等しくなることが求められている。
回転磁界の回転数の系統同期化は、補助発電機327の回転子325から、すべり周波数相当の周波数成分を有する電流を、電力変換器15を通じて主発電機324の回転子322に供給することで実現できる。なお、すべり周波数が負になる場合は、電流の流れが上記とは逆方向になる。つまり、主発電機324の回転子322から、すべり周波数の絶対値相当の周波数成分を有する電流を、電力変換器15を通じて補助発電機327の回転子325に供給することで系統同期化が実現される。電力変換器15では固定子側コントローラ31からの制御信号に従い、供給された電力をパワーデバイスによりAC/DC変換し、さらに他のパワーデバイスによりDC/AC変換する。
固定子側コントローラ31は、複数のセンサから得られた上述の電流値、電圧値等の情報を基に制御信号を生成し、当該制御信号によりパワーデバイスを制御する。その後、電力変換器15が、電圧および周波数を変換した電力を出力する。こうして、回転磁界の回転数に応じた周波数と電力系統309の周波数との同期化が実現される。これにより、風力発電システム321が、ブレード303が受けた風のエネルギーを電気エネルギーに変換し、電力系統309に送電することができる。
電力変換器15は、回転子322及び325に取り付けられるため、これら回転子の回転に伴い、電力変換器15も回転する。電力変換器15は、ブレード303の回転に応じた制御が必要となるため、固定子側コントローラ31と回転子側コントローラ35の間の無線通信により固定子側コントローラ31からブラシレスに制御信号を受信している。さらに、回転子側の様々なセンサ情報から制御信号が生成されるため、電力変換器15内のセンサからのセンサ情報を、センサ情報処理器10(図2)と固定子側コントローラ31の間の無線通信により、非接触に固定子側コントローラ31で受信している。なお、電力変換器15には、並列に遮断機を設けても良い。これにより、系統故障時に加わる過大な電力から、電力変換器15を保護できる。また、本形態例は、増速機を付加したシステムへの適用も可能である。
図2に、本形態例で採用する無線通信システムの構成を示す。無線通信システムは、固定子側ユニットと回転子側ユニットとを備える。固定子側ユニットは、発電機の筐体等の固定部材に取り付けられた固定子側コントローラ31を有する。回転子側ユニットは、(1)回転部材に取り付けられた回転子側コントローラ35と、(2)センサ情報処理器10と、(3)電力変換器15とを有する。
電力変換器15は、12個のパワーデバイス16と、6個の電流センサ17と、電圧センサ18とを備える。例えば、風力発電システムでは、電力変換器15は、2レベルの3相インバータ(U相、V相、W相)と2レベルの3相コンバータ(R相、T相、S相)で構成されるため、12個のパワーデバイス16を有する(1相当り2個×3相×2)。また、3相の各電流値を2系統分(3×2個)センシングすると共に、インバータの電圧値(1個)をセンシングするため、7個のセンサが必要となる。
固定子側コントローラ31は、6個の電流センサ17と1個の電圧センサ18から、上述の電流値、電圧値等の情報を受け取って制御信号を生成し、生成された制御信号によりパワーデバイス16を制御する。固定子側コントローラ31は、無線通信部32、信号処理部33、信号生成部34から構成される。
無線通信部32は、電圧および電流の情報を含むパケット化された信号を受信し、信号処理部33へ出力する。信号処理部33は、この信号から電圧および電流の情報を抽出し、信号生成部34に送る。信号生成部34は、これらの情報と、不図示の電力系統309の周波数、ブレード303の回転速などの情報に基づいて、各パワーデバイス16を制御するPWM(Pulse Width Modulation)パルスを生成する。各パワーデバイス16に固有のPWMパルスは、無線通信部32に送られる。無線通信部32は、12個の異なる周波数の無線キャリアに、各パワーデバイス16に固有のPWMパルスをそれぞれ重畳し、回転子側コントローラ35へ送信する。無線通信部32は、センサ情報処理器10に対し、PWMパルスとは異なる周波数の無線キャリアに重畳させたトリガ信号を送信する。
回転子側コントローラ35は、12個のパワーデバイス16に接続されており、無線通信部36、信号処理部37、ゲートドライバ38を有している。回転子側コントローラ35の間は互いに絶縁されている。無線通信部36は、12個のPWMパルスとトリガ信号が混在した無線信号を受信し、この信号から対応するパワーデバイス16に固有のPWMパルスのみを抽出し、信号処理部37へ送る。信号処理部37は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路等により信号強度を計測し、所定値以上であるか否かを判定する。
この所定値は、無線通信の変調方式として例えばBPSK(binary phase-shift keying)を選択した場合、無線通信の受信回路のノイズレベルよりも17dB高い値に設定される。この所定値は、用いられる変調方式によって異なる。計測された信号強度が所定値以下である場合、その受信信号はエラーの可能性があるので、信号処理部37は、ゲートドライバ38に対してオフ信号を送り、パワーデバイスを強制的にオフする。これにより、インバータを構成する二つのパワーデバイスの同時オンを防止する。ゲートドライバ38は、このPWMパルスを基に、パワーデバイス16をオン/オフさせるのに必要な電流や電圧を生成し、対応するパワーデバイス16へ送る。このように回転子側コントローラ35は内部クロックを必要とせず簡易な構成で実現できる。
センサ情報処理器10は、無線通信部11、信号処理部12、信号生成部13、A/D(analog to digital)変換器14を有する。固定子側コントローラ31から送信された前記トリガ信号を無線通信部11が受信し、信号処理部12へ出力する。信号処理部12は、回転子側コントローラ35と同様に、受信したトリガ信号の信号強度を計測し、所定値以上であるか否か判定する。ここでの所定値は、回転子側コントローラ35に比べて低く設定されてもよい。信号強度が所定値以上と判定された場合、信号処理部12の内部クロックがリセットされる。
信号処理部12には、電圧センサ18からの電圧情報と電流センサ17からの電流情報がA/D変換器14でデジタル信号に変換されて送られる。信号処理部12は、前記トリガ信号を受けたタイミングで、電圧情報および電流情報を信号生成部13へ出力する。信号生成部13は、この電圧情報と電流情報を、誤り検出符号もしくは誤り訂正符号を含めてパケット化し、無線通信部11へ送る。無線通信部11は、このパケット化された電圧情報と電流情報を無線信号として、固定子側コントローラ31へ送信する。この電圧情報と電流情報は、上述のPWMパルスと異なる周波数の無線キャリアに重畳させるが、上述のトリガ信号とは同じ周波数の無線キャリアに重畳させても構わない。
また、固定子側コントローラ31から、複数の無線キャリアに、同じPWMパルスを重畳させて送信し、回転子側コントローラ35において、各無線キャリアの信号が一致するかどうかを検証することで無線通信システムの高信頼化が図れる。
また、回転子側コントローラ35の各無線通信部36およびセンサ情報処理器10の無線通信部11に、それぞれ無線信号の出力を調整する機能を設けることで、風力発電システム外に漏れる電磁波をEMC(Electromagnetic Compatibility)の基準値以下に抑えることができる。例えば、無線信号を増幅するアンプの出力を調整したり、可変減衰器を追加して減衰量を調整したりすること等が手段として挙げられる。
また、発電機内には、1GHz程度までの周波数領域を持つインバータのスイッチングノイズに加え、モータからの磁界ノイズが存在し、通信品質に大きく影響する。したがって、固定子側コントローラ31と、回転子側コントローラ35およびセンサ情報処理器10とは、無線信号を送受信するアンテナを除き、それぞれ電磁波や磁界に対してシールド効果のある材料でパッケージングすることが望ましい。
なお、12個の回転子側コントローラ35のうちの一つとセンサ情報処理器10(無線通信部11、信号処理部12、信号生成部13)は、それぞれに必要な機能を持ちさえすれば共用することができ、システムの小型化に貢献できる。また、各センサの電圧および電流情報を一つにまとめず個別に、複数個ある回転子側コントローラ35の無線通信部にそれぞれ入力するのも、無線通信部の共用化の一形態である。
(2)アンテナの構成
次に、固定子側と回転子側のそれぞれに実装されるアンテナの構成について説明する。円柱形状をした回転子は、中空円筒形状をした固定子内に回転軸に支えられて、回転軸を中心にモータによって回転される。ここでは、理解を容易にするため、回転子側のアンテナ部および回転子側の無線通信部を全て4個として説明するが、この形態に限定されないことは上述の通りである。
図3に、固定子側ユニットの無線通信部と回転子側ユニットの無線通信部の配置例を示す。アンテナ部の配置についての理解を容易にするため、アンテナ実装部分に関しては透視図で示している。固定子側無線通信部251および固定子側アンテナ部204は、固定子を含む固定部材201に実装されている。また、回転子側無線通信部252a〜252dおよび回転子側アンテナ部205a〜205dは、回転子を含む回転部材202に実装されている。
固定子側無線通信部251から出力されたPWMパルス情報等の無線信号は、固定子側アンテナ部204に入力される。固定子側アンテナ部204から、回転子側アンテナ部205a〜205dが実装された面に向かって同一の無線信号が放射される。この無線信号は、回転子側アンテナ部205a〜205dのそれぞれで受信され、回転子側無線通信部252a〜252dへ送られる。一方、回転側無線通信部252a〜252dのいずれかから出力された電圧情報、電流情報等の無線信号は、回転子側アンテナ部205a〜205dのいずれかに入力され、固定子側アンテナ部204が実装された面に向かって放射される。この無線信号は、固定子側アンテナ部204で受信され、固定子側無線通信部251へ送られる。
ここで、固定部材201、回転部材202および回転軸203は、電波を反射する金属等の材料で構成されている。このため、いわゆる閉空間内で無線信号をやりとりすることになる。風力発電機の発電容量にもよるが、固定部材201の半径は数メートル級にも及ぶ。例えば、無線LAN等で一般的に用いられる2.5GHz帯の電波の波長は12cmであるので、10波長以上の規模の閉空間が形成されることになる。このような大規模な閉空間内の電波伝搬においては、複数の反射波の合成の結果として定在波が発生する。定在波環境下では、理想的には、電波の電界成分が谷の位置では磁界成分は山、磁界成分が谷の位置では電界成分が山となる。
また、各回転子側アンテナ部205a〜205dの間、各回転子側無線部252a〜252dの間には絶縁が不可欠であり、安全規格(例えば、JISC1010−1)で決められている最小沿面距離以上離している。これは、気体と誘電体の境界に2つの電極があるケースにおいて、コロナ放電あるいは火花放電によって誘電体の表面に沿って樹枝状の放電路が形成される、いわゆる沿面放電の発生を防止するための規格である。一般的に沿面放電は空間放電よりも短い電極間距離、低い印加電圧で発生するため、重要な設計項目である。同じく絶縁の観点から、各回転子側アンテナ部を、絶縁材を介して回転部材202に固定することが有効である。
図4に、アンテナ部110の構成を示す。アンテナ部110は、図3における回転子側アンテナ部205a〜205dまたは固定子側アンテナ部204に相当する。アンテナ部110は、主に、電界アンテナ101a及び101b、磁界アンテナ102、信号合成分配回路107で構成される。電界アンテナ101aおよび101bは、電界に比例した受信を行い、入力された電流に応じた電界を送信する。電界アンテナ101aおよび101bの代表例には、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、メアンダアンテナ、ヘリカルアンテナなどが挙げられる。磁界アンテナ102は、磁界に比例した受信を行い、入力された電流に応じた磁界を送信する。磁界アンテナ102の代表例には、スロットアンテナ、ループアンテナ、パッチアンテナなどが挙げられる。
これらのアンテナは、導体や誘電体で形成されるが、図4では、アンテナとして有効に動作する領域を直方体として図示し、その幾何的な重心を電界アンテナ重心103a、103b、磁界アンテナ重心104として図示している。もちろん、各アンテナの形状は直方体に限定する必要は無い。従って、その幾何学的な重心も、任意の立体形状の幾何的な重心としても構わない。
ここでは、電界アンテナ重心103a及び103b、磁界アンテナ重心104のそれぞれの座標を、(Xe1,Ye1,Ze1)、(Xe2,Ye2,Ze2)、(Xh,Yh,Zh)とする。グランド板を用いたアンテナの場合は、その鏡像も含めた領域の重心とする。このように重心を定義することで、アンテナの点波源としての等価的な座標を近似的に求めることができる。また、複数アンテナの重心Pce(Xce,Yce,Zce)は、以下の式1によって定義できる。
Figure 2016149709
Nはアンテナの数であり、Pk(Xk,Yk,Zk)はk個目の領域の重心であり、akはk個目の領域へ給電される電力の重み付けである。ここで、2個の電界アンテナ101a及び101bの出力は、同じ配線長の配線105a及び105bを介して、信号合成分配器107で同じ重み付けで合成されるとすると、複数アンテナの重心Pceは、以下の式2で与えられる。
Figure 2016149709
したがって、2個の電界アンテナ101a及び101bは、この複数アンテナの重心Pceの座標の点波源としてみなすことができる。この複数アンテナの重心Pceが磁界アンテナ重心104と一致するように各アンテナのサイズや配置を選ぶことで、あたかも同じ点に電界アンテナと磁界アンテナが存在するように見せることができる。
この場合、電界アンテナ101a及び101bの各出力と磁界アンテナ102の出力を配線105a、105b、106を介して信号合成分配器107で合成することで、電波の電界成分が谷の位置では磁界成分は山、磁界成分が谷の位置では電界成分が山という定在波環境下において、アンテナ位置が回転変位しても(ブレード303の回転に伴って回転子322と325が回転し、固定子側アンテナ部に対する回転子側アンテナ部の位置が変位しても)、安定した受信信号強度を得ることができる。
信号強度の変動が抑えられることにより、信号強度低下による通信エラーを回避でき、信号再送が不要化され、低遅延な通信(リアルタイムの通信)を実現できる。なお、電界アンテナ101a及び101bと磁界アンテナ102の内部での位相特性が同等であれば、配線105a、105b、106は同じ配線長を選ぶことでより安定した受信信号強度を得ることができる。位相特性が異なるのであれば、その差分を配線長で補正することも可能である。
信号合成分配器107は、電界アンテナ101a及び101bの合成出力と磁界アンテナ102の出力とが同等となるように重み付けを選ぶことで受信信号強度をより安定させることができる。ここで、2個の電界アンテナの重心Pceと磁界アンテナの重心104は必ずしも完全一致させる必要はなく、受信信号強度の変動のシステム仕様の範囲内でオフセットを設けることができ、両者の各座標間のオフセットが、電波の波長の1/4波長を超えない範囲であれば一定の効果が期待できる。このオフセットに応じた位相遅延回路を設ける、単純には配線長を調整することも有効である。
なお、オフセットが1/4波長の場合は、電界成分の谷の位置と磁界成分の谷の位置の間隔も1/4波長であるため、電界アンテナ、磁界アンテナの受信信号強度が共に極小となってしまう懸念がある。また、オフセットが大きくなりすぎると、それぞれの重心位置での定在波の電界成分と磁界成分の関係が異なる可能性があるため、オフセットは1/4波長以下が好ましい。例えば1/8波長以下、1/16波長以下その他の数値でも良い。
また、電界アンテナと磁界アンテナの放射角度特性を一致させることにより、電波の到来方向を問わず、安定した受信信号強度を得ることができる。なお、最も強く定在波が立っている方向からの到来電波に対して、2個の電界アンテナ出力と磁界アンテナの出力のそれぞれが同位相で信号合成分配器107に入力されるように配線長を調整することも有効である。また、上記到来電波に対して、2個の電界アンテナの出力と磁界アンテナの出力を同じ重み付けで信号合成分配器107にて合成することも効果的である。
図4では、電界アンテナが2個、磁界アンテナが1個である場合を例に説明したが、それぞれの個数を増やしてもよいし、個数の大小関係を逆にしてもよい。
以下、図4における電界アンテナ101a及び101bと磁界アンテナ102の具体例を図5Aから図5Cを用いて説明する。図5Aから図5Cにおいて、電界アンテナと磁界アンテナは、両面銅箔の誘電体基板(例えば、ガラスエポキシ基板)上に形成される。表面導体パターンを図5Aに示し、裏面導体パターンを図5Bに示し、各図中の破線A1−A1’と破線A2−A2’で切断された断面図を図5Cに示す。
図5Aおよび図5Bは、+Z方向から見た平面図である。斜線でハッチングされている部分が導体パターンである。ここでは、電界アンテナとして、誘電体基板125上に形成されたダイポールパターン121aと127aから成るダイポールアンテナを用いている。同様に、ダイポールパターン121bと127bによって、もう一つのダイポールアンテナが形成される。同一寸法で形成されたこれらのダイポールアンテナは、同じ配線長を持った配線を介してコネクタ129a、129bから給電される。一方、磁界アンテナとして、グランドパターン126と、その上に形成された(空けられた)スロット122から成るスロットアンテナを用いている。このスロットアンテナには、その直下の配線128との電磁結合によりコネクタ130から給電される。
各アンテナの給電配線は、電波の波長に対して十分小さい誤差範囲で同一の長さに揃えることが基本だが、ダイポールアンテナとスロットアンテナの出力位相が異なる場合は、その分、配線長を増減させて調整する。もちろん、これらは、誘電体基板上で調整する必然性はなく、信号合成分配器と接続される配線で調整しても構わない。
ダイポールアンテナは、Y軸方向に伸びている導体パターンを主な放射源とするため、その中心が重心となる。すなわち、2個のダイポールアンテナのそれぞれの重心はダイポールアンテナ重心123aおよび123bとなる。一方、スロットアンテナはスロット122が主な放射源であるため、スロット122の中心がスロットアンテナ重心124となる。
ダイポールアンテナ重心123aおよび123bのそれぞれの座標を(Xe1,Ye1,Ze1)、(Xe2,Ye2,Ze2)としたときに、式2で表される座標(Xc,Yc,Zc)が、スロットアンテナ重心124の座標(Xh,Yh,Zh)と一致するように各アンテナを配置している。厳密には、ダイポールパターン121aと127aが誘電体基板の表裏に形成されるため、ZcとZhは誘電体基板の厚みの1/2だけ異なる。しかし、誘電体基板の厚みはダイポールパターン121aと127aのY方向の長さに比べ十分小さいため、この誤差は無視してよい。以上、ここでは、ダイポールアンテナとスロットアンテナの組合せの構成例について説明したが、ダイポールアンテナの代替としてのモノポールアンテナやメアンダアンテナ、スロットアンテナの代替としてのループアンテナ、パッチアンテナは誘電体基板上に形成できるため、容易に置き換えることができる。
また、このように、誘電体基板上にアンテナを形成することで、回転時の遠心加重軽減にも貢献できる。なお、ここでは、Y方向に偏波成分を持つ直線偏波のアンテナとして説明したが、各アンテナを90度回転させて、偏波方向をX方向にしたりすることも可能である。また、アンテナと同じ誘電体基板上に配線パターンで信号合成分配器を形成することで、より少ない部品点数でアンテナ部を構成することができる。
(3)変形例
図6を用いて、アンテナ部の変形例について説明する。図6は、アンテナ部140の構成図であり、図3における回転子側アンテナ部205a〜205dまたは固定子側アンテナ部204に相当する。アンテナ部140は、主に、電界アンテナ131a〜131dと、磁界アンテナ132a及び132bと、信号合成分配回路137a及び137bと、ダイバーシティ部141とで構成される。
ここで、電界アンテナ131a、131bおよび磁界アンテナ132aのグループと、電界アンテナ131c、131dおよび磁界アンテナ132bのグループとは、偏波特性が異なる。例えば前者のグループはX方向の直線偏波、後者のグループはY方向の直線偏波を送受信する。もしくは、前者のグループは右旋偏波とし、後者のグループは左旋偏波としてもよい。これらのアンテナは、導体や誘電体で形成されるが、アンテナとして有効に動作する領域を直方体として図示しており、その幾何的な重心を電界アンテナ重心133a〜133d、磁界アンテナ重心134a、134bとしている。
もちろん、各アンテナ形状は直方体に限定する必要は無く、任意の立体形状の幾何的な重心として構わない。電界アンテナ重心133a〜133d、磁界アンテナ重心134a、134bのそれぞれの座標は(Xe1,Ye1,Ze1)、(Xe2,Ye2,Ze2)、(Xe3,Ye3,Ze3)、(Xe4,Ye4,Ze4)、(Xh1,Yh1,Zh1)、(Xh2,Yh2,Zh2)とする。グランド板を用いたアンテナの場合は、その鏡像も含めた領域の重心とする。ここで、4個の電界アンテナ131a〜131dの出力は、同じ配線長の配線135a〜135dを介して、信号合成分配器137aおよび137bで同じ重み付けで合成されるとすると、電界アンテナの重心Pceは式3のようになる。
Figure 2016149709
同様にして、2個の磁界アンテナ132a、132bの出力についても、同じ配線長の配線136a、136bを介して、信号合成分配器137aおよび137bで同じ重み付けで合成されるとすると、磁界アンテナの重心Pchは式4のようになる。
Figure 2016149709
この磁界アンテナの幾何学的な重心Pchと電界アンテナの幾何学的な重心Pceが一致するように各アンテナのサイズや配置を選ぶことで、あたかも同じ点に電界アンテナと磁界アンテナが存在するように見せることができる。さらにその電界アンテナと磁界アンテナはそれぞれ二つの異なる偏波を送受信することができる。ダイバーシティ部141では、第一の偏波特性を持つグループの信号合成分配器137aからの出力と、第二の偏波特性を持つグループの信号合成分配器137bからの出力を同じ配線長の配線138a、138bを介して受信し、選択合成もしくは最大比合成を行い、その合成出力を無線通信部139に送る。
その結果、電波の電界成分が谷の位置では磁界成分は山、磁界成分が谷の位置では電界成分が山で、さらに電波の偏波方向が不定という定在波環境下において、アンテナ位置を回転変位させても、安定した受信信号強度を得ることができる。信号強度の変動が抑えられることで、信号強度低下による通信エラーを回避でき、信号再送が不要化され、低遅延な通信を実現できる。
なお、電界アンテナ131a〜131dと磁界アンテナ132a、132bの内部での位相特性が同等であれば、配線135a〜135d、136a、136bは同じ配線長を選ぶことでより安定した受信信号強度を得ることができる。位相特性が異なるのであれば、その差分を配線長で補正することも可能である。信号合成分配器137aは、電界アンテナ131a、131bの合成出力と磁界アンテナ132aの出力が同等となるようにでの重み付けを選ぶことで受信信号強度をより安定させることができる。信号合成分配器137bについても同様である。
ここで、電界アンテナの重心Pceと磁界アンテナの重心Pchは必ずしも完全一致させる必要はなく、受信信号強度の変動のシステム仕様の範囲内でオフセットを設けることができ、両者の各座標間のオフセットが、電波の波長の1/4波長を超えない範囲であれば一定の効果が期待できる。このオフセットに応じた位相遅延回路を設ける、単純には配線長を調整することも有効である。なお、オフセットが1/4波長の場合は、電界成分の谷の位置と磁界成分の谷の位置の間隔も1/4波長であるため、電界アンテナ、磁界アンテナの受信信号強度が共に極小となってしまう懸念がある。また、オフセットが大きくなりすぎると、それぞれの重心位置での定在波の電界成分と磁界成分の関係が異なる可能性があるため、オフセットは1/4波長以下が好ましい。また、全アンテナの重心の一致が困難な場合は、同じ偏波特性を持つグループ内での電界アンテナの重心と磁界アンテナの重心の一致を重視してもよい。
また、電界アンテナの放射角度特性と磁界アンテナの放射角度特性を一致させることにより、電波の到来方向を問わず、安定した受信信号強度を得ることができる。なお、最も強く定在波が立っている方向からの到来電波に対して、4個の電界アンテナ出力と2個の磁界アンテナの出力のそれぞれが同位相で信号合成分配器137aおよび137bに入力されるように配線長を調整することも有効である。また、上記到来電波に対して、4個の電界アンテナ出力と2個の磁界アンテナの出力を同じ重み付けで信号合成分配器137a、137bにて合成することも効果的である。ここでは、電界アンテナ4個、磁界アンテナ2個を例にして説明したが、それぞれの個数を増やしてもよいし、個数の大小関係を逆にしてもよい。
以下、図6における電界アンテナと磁界アンテナの具体例を図7Aから図7Cを用いて説明する。電界アンテナと磁界アンテナは両面銅箔の誘電体基板(例えば、ガラスエポキシ基板)上に形成される。表面導体パターン、裏面導体パターンをそれぞれ図7A、図7Bに示し、各図中の破線A1−A1’、破線A2−A2’で切断された断面図を図7Cに示す。図7A、図7Bは+Z方向から見た平面図である。斜線でハッチングされている部分が導体パターンである。
ここでは、Y方向の直線偏波を持つ電界アンテナとして、誘電体基板155上に形成されたダイポールパターン151aと157aから成るダイポールアンテナを用いている。同様に、ダイポールパターン151bと157bによって、もう一つの同偏波のダイポールアンテナが形成される。さらに、X方向の直線偏波を持つ電界アンテナとして、ダイポールパターン151cと157c、ダイポールパターン151dと157dから成るダイポールアンテナを用いている。
同一寸法で形成されたこれらのダイポールアンテナは、同じ配線長を持った配線を介してコネクタ159a〜159dから給電される。一方、Y方向の直線偏波を持つ磁界アンテナとしては、グランドパターン156と、その上に形成された(空けられた)スロット152aから成るスロットアンテナを用いている。また、スロット152bからはX方向の直線偏波が送受信される。これらのスロットアンテナには、その直下の配線158aもしくは158bとの電磁結合によりコネクタ160aもしくは160bから給電される。
各アンテナの給電配線は、電波の波長に対して十分小さい誤差範囲で同一の長さに揃えることが基本だが、ダイポールアンテナとスロットアンテナの出力位相が異なる場合は、その分、配線長を増減させて調整する。もちろん、これらは、誘電体基板上で調整する必然性はなく、信号合成分配器と接続される配線で調整しても構わない。なお、ダイポールアンテナのそれぞれの重心はダイポールアンテナ重心153a〜153dとなる。一方、2個のスロットアンテナの重心はスロットアンテナ重心154で一致する。
ダイポールアンテナの幾何学的な重心153a〜153dのそれぞれの座標を(Xe1,Ye1,Ze1)、(Xe2,Ye2,Ze2)、(Xe3,Ye3,Ze3)、(Xe4,Ye4,Ze4)とし、スロットアンテナ重心154a、154bのそれぞれの座標を(Xh1,Yh1,Zh1)、(Xh2,Yh2,Zh2)としたときに、式3および式4で表されるPce(Xce,Yce,Zce)とPch(Xch,Ych,Zch)が一致するように各アンテナを配置している。
ここでは、ダイポールアンテナとスロットアンテナの組合せの構成例について説明したが、ダイポールアンテナの代替としてのモノポールアンテナやメアンダアンテナ、スロットアンテナの代替としてのループアンテナ、パッチアンテナは誘電体基板上に形成できるため、容易に置き換えることができる。
(4)まとめ
以上説明したように、本形態例に係る無線通信システムは、金属等で形成された(定在波が発生する)閉空間内において、固定子側ユニットと回転子側ユニットの間で無線通信器による通信を、低遅延かつ高品質に行うことができる。
[形態例2]
以下、形態例2に係る無線通信システムを、図8〜図9を用いて説明する。図8は、本形態例に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。この無線通信システムは、形態例1と同様に、発電機の筐体等の固定部材に取り付けられた固定子側コントローラ1を有する固定子側ユニットと、回転部材に取り付けられた回転子側コントローラ21と、センサ情報処理器(図8では、回転子側コントローラ21の信号処理部23を兼用)と、電力変換器15とを有する回転子側ユニットとを備える。
電力変換器15は、12個のパワーデバイス16と、6個の電流センサ17と、1個の電圧センサ18を備える。固定子側コントローラ1は、6個の電流センサ17および電圧センサ18から上述の電流値、電圧値等の情報を取得し、取得した情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号によりパワーデバイス16を制御する。
固定子側コントローラ1は、無線通信部2、信号処理部3、信号生成部4から成る。無線通信部2は、電圧情報および電流情報を含むパケット化された信号を受信し、信号処理部3へ出力する。信号処理部3は、この信号から電圧情報および電流情報を抽出し、信号生成部4に送る。信号生成部4は、これらの情報と、不図示の電力系統の周波数、ブレード303の回転速などの情報に基づいて、各パワーデバイス16を制御するPWM信号を決定する。ここでは、そのPWM信号を表す情報を無線通信で取り扱うこととして説明する。各パワーデバイス固有のPWM情報はまとめてパケット化され、無線通信部2に送られる。無線通信部2では、このパケット化されたPWM情報を無線信号として、回転子側コントローラ21へ送信する。
回転子側コントローラ21は、12個のパワーデバイス16に接続されており、無線通信部22、信号処理部23、信号生成部24、12個の絶縁素子25、12個のゲートドライバ26およびAD変換器27を備える。無線通信部22は、PWM情報を含むパケット化された信号を受信し、信号処理部23へ出力する。信号処理部23は、この信号から、各パワーデバイス固有のPWM情報を抽出し、信号生成部24に送る。信号生成部24は、このPWM情報からパワーデバイス個数分のPWMパルスを生成し、絶縁素子25を介して各ゲートドライバ26へ出力する。
この絶縁素子25により各ゲートドライバ間の絶縁を維持しつつPWMパルスが送られる。ゲートドライバ26では、このPWMパルスを基に、パワーデバイス16をオン/オフさせるのに必要な電流や電圧を生成し、パワーデバイス16へ送る。絶縁素子25にはパルストランスやフォトカプラ、光ファイバを伝送路とした光通信器などが適用できる。
ここで、PWM情報は必ずしもパワーデバイス個数分を含める必要はなく、例えば、各相1個ずつのPWM情報を送り、デッドタイム分を考慮して他方のPWMパルスを生成することも可能である。
また、信号処理部23には、電圧センサ18からの電圧情報と電流センサ17からの電流情報がA/D変換器27でデジタル信号に変換されて送られる。信号処理部23は、前記トリガ信号を受けたタイミングで、電圧情報および電流情報を信号生成部24へ出力する。信号生成部24は、この電圧情報および電流情報を、誤り検出符号または誤り訂正符号を含めてパケット化し、無線通信部22へ送る。無線通信部22は、このパケット化された電圧および電流情報を無線信号として、固定子側コントローラ1へ送信する。
図9は、固定子側ユニットと回転子側ユニットの無線通信部間のブロック図である。アンテナ部の配置についての理解を容易にするため、アンテナ実装部分に関しては透視図で示している。固定子側無線通信部251および固定子側アンテナ部204は、固定子を含む固定部材201に実装されている。また、回転子側無線通信部252および回転子側アンテナ部205は、回転子を含む回転部材202に実装されている。
固定子側無線通信部251から出力されたPWM情報等の無線信号は、固定子側アンテナ部204に入力される。固定子側アンテナ部204から回転子側アンテナ部205が実装された面に向かって同一の無線信号が放射される。この無線信号は、回転子側アンテナ部205で受信され、回転子側無線通信部252へ送られる。一方、回転側無線通信部252から出力された電圧情報、電流情報等の無線信号は、回転子側アンテナ部205に入力され、固定子側アンテナ部204が実装された面に向かって放射される。この無線信号は、固定子側アンテナ部204にて受信され、固定子側無線通信部251へ送られる。
形態例1と同様、固定部材201、回転部材202および回転軸203で構成された閉空間内で無線信号をやりとりする。このような閉空間内において、安定した高信頼な無線通信を行うには、固定子側アンテナ部204、回転子側アンテナ部205に形態例1で説明したアンテナ部を用いるとよい。
以上のように、回転子側ユニットに絶縁素子を介して各ゲートドライバにPWMパルスを出力する機能を設けることで、固定子側ユニットと回転子側ユニットとの間の無線通信を少ないチャネル数で実現でき、無線通信部の簡素化に貢献できる。また、PWMパルスを回転子側コントローラで生成できるため、通信エラーや遅延に対しての許容性が増し、より堅牢なシステムを実現できる。
[形態例3]
形態例3に係る無線通信システムは、エレベータの昇降路(シャフト)内に構築され、昇降路内の壁に固定された無線通信部と乗りかごに搭載された無線通信部との間で無線通信を行う。乗りかご側の無線制御は、無線給電と併せて、乗りかごの軽量化に向けたテールコード撤廃を実現するのに欠かせない技術である。
以下、本形態例に係る無線通信システムを、図10を用いて説明する。テールコードレスエレベータ401は、昇降路413(一次側トランス403、無線通信部404およびアンテナ部405を有する)と、乗りかご412(二次側トランス406、無線通信部407およびアンテナ部408を有する)と、制御盤414(無線通信部410およびアンテナ部411を有する)、おもり402とで構成される。
乗りかご412は、昇降路413側もしくは乗りかご412側のユーザのボタン操作による制御信号を制御盤414が信号処理し、その信号処理結果に応じてモータを駆動させることで昇降路413内を運行する。一次側トランス403および二次側トランス406は各階で停止中に乗りかご412へ給電するために用いられる。給電のタイミングは、昇降路413側と乗りかご412側の間の制御信号によって決められる。
これらの制御信号は、無線通信部404、407、410に接続されたアンテナ部405、408、411により昇降路413内に送信される。昇降路413および乗りかご412は、大部分が金属体等の反射係数の高い材質で構成されるため、いわゆる閉空間内で無線信号をやりとりすることになる。エレベータの階数にも依るが、昇降路413の高さは数十メートル級にも及ぶ。このような大規模な閉空間内の電波伝搬においては、複数の反射波の合成の結果として定在波が発生する。定在波環境下では、理想的には、電波の電界成分が谷の位置では磁界成分は山、磁界成分が谷の位置では電界成分が山となり、位置によって電界成分、磁界成分が変動する。
しかし、このような環境下に設置するアンテナ部として、図4〜図7に示す構成を適用することで、アンテナ部を変位させても、安定した受信信号強度を得ることができる。信号強度の変動が抑えられることで、信号強度低下による通信エラーを回避でき、信号再送が不要化され、低遅延な通信を実現できる。また、本形態例では、アンテナ部405、411は変位せず固定であるが、図4〜図7に示すアンテナ部を用いれば、アンテナ部の位置依存性が低減されるため、アンテナ部の設置作業の効率化が図れる。
以上により、本形態例に係る無線通信システムは、金属等で形成された閉空間内において、固定側と移動側との間で無線通信器による通信を、低遅延(リアルタイム)かつ高品質に行うことができる。また、固定側同士の無線通信器においてもアンテナの設置作業の効率化が図れる。
C.形態例の効果
前述した各形態例に係る無線通信システムは、金属等で形成された閉空間内(定在波が存在する環境下)における、互いに分離された複数の物体間での無線通信を低遅延かつ高品質に行うことができる。例えば定在波環境下における回転子と固定子の関係のように、回転子側のアンテナ部の回転変位により受信される信号強度が変動する場合でも、形態例に係るアンテナ部では、電界アンテナの受信信号強度と磁界アンテナの受信信号強度の相補的な変化が保証される。このため、通信品質が不安定化することがなく、低遅延(リアルタイム)かつ高品質な無線通信が実現される。
また、エレベータの昇降路内における乗りかごの移動に伴って受信される信号強度が変動する場合にも、形態例に係るアンテナ部では、電界アンテナの受信信号強度と磁界アンテナの受信信号強度の相補的な変化が保証される。このため、通信品質が不安定化することがなく、低遅延(リアルタイム)かつ高品質な無線通信が実現される。
また、自動車、鉄道車両等の金属等で形成された閉空間内に、固定局を複数配置して無線通信システムを構築する場合でも、形態例に係るアンテナ部では、電界アンテナの受信信号強度と磁界アンテナの受信信号強度の相補的な変化が保証されるため、固定局の位置によらず安定した通信品質が実現され、最適な設置位置を決める作業に要する時間を短縮することができる。例えば自動車の車体(第一の物体)によって形成された閉空間内に配置される駆動系、走行制御系、運転支援系、車載又は携帯型の電子機器(第二の物体)と、車体側に配置されるコントローラ等との間で無線通信を行う場合においても、無線通信部の位置決めに要する時間が短縮される。鉄道車両についても同様である。
また、定常波が発生する閉空間であれば、金属で囲まれている必要はなく、地下街での無線通信、オフィスや工場内での無線通信等にも応用できる。
D.付記
本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある形態例の一部の構成要素を、同じ形態例の他の構成要素または他の形態例の構成要素で置き換えることができる。また、ある形態例の構成要素に、同じ形態例の他の構成要素または他の形態例の構成要素を加えることもできる。また、各形態例について既知の構成要素を追加し、各形態例の構成要素の一部を削除し、または、各形態例の構成要素の一部を既知の構成要素で置換することが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101a、101b :電界アンテナ
102 :磁界アンテナ
103a、103b :電界アンテナ重心
104 :磁界アンテナ重心
121a、121b :ダイポールパターン
122 :スロット
123a、123b :ダイポールアンテナ重心
124 :スロットアンテナ重心
125 :誘電体基板
126 :グランドパターン
127a、127b :ダイポールパターン
131a〜131d :電界アンテナ
132a、132b :磁界アンテナ
133a〜133d :電界アンテナ重心
134a、134b :磁界アンテナ重心
137a、137b :信号合成分配器
140 :アンテナ部
151a〜151d :ダイポールパターン
152a、152b :スロット
153a〜153d :ダイポールアンテナ重心
154a、154b :スロットアンテナ重心
155 :誘電体基板
156 :グランドパターン
157a〜157d :ダイポールパターン
405 :アンテナ部
408 :アンテナ部
411 :アンテナ部

Claims (14)

  1. 第1のアンテナ部と第1の無線通信部を配置した第一の物体と、
    第2のアンテナ部と第2の無線通信部を配置した、前記第一の物体から物理的に分離された第二の物体と
    を有し、
    前記第1及び第2のアンテナ部は、いずれも
    前記第一の物体および前記第二の物体によって形成された閉空間内または前記第一の物体によって形成された閉空間内に設けられた、電界に比例した受信を行う電界アンテナと、
    前記閉空間に設けられた、磁界に比例した受信を行う磁界アンテナと、
    前記電界アンテナからの出力と前記磁界アンテナからの出力とを合成して、対応する前記無線通信部へ入力すると共に、対応する前記無線通信部からの出力を分配して前記電界アンテナ及び前記磁界アンテナへ入力する信号合成分配器と
    を有し、
    前記第1及び第2のアンテナ部は、
    前記電界アンテナと前記磁界アンテナのうち一方を複数個以上、もう一方を少なくとも1個以上有し、かつ、1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心を一致するように配置する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載された無線通信システムにおいて、
    1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心の一致の範囲が動作周波数の1/4波長以内である
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項1に記載された無線通信システムにおいて、
    前記電界アンテナおよび前記磁界アンテナが同一の誘電体基板上に形成されている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項3に記載された無線通信システムにおいて、
    前記電界アンテナとしてダイポールアンテナを、前記磁界アンテナとしてスロットアンテナを用いて前記誘電体基板上に配置されている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 請求項1に記載された無線通信システムにおいて、
    前記電界アンテナ、前記磁界アンテナおよび前記信号合成分配器が同一の誘電体基板上に形成されている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1に記載された無線通信システムにおいて、
    前記電界アンテナと前記磁界アンテナが両者とも直線偏波を送受信し、その偏波方向が略一致するように配置されている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1に記載された無線通信システムにおいて、
    前記アンテナ部および前記信号合成分配器を複数セット備え、
    前記電界アンテナおよび前記磁界アンテナが送受信する偏波の方向をセット毎に異ならせ、
    各セットの前記信号合成分配器からの出力をダイバーシティ処理するダイバーシティ部を備える
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項7に記載された無線通信システムにおいて、
    前記アンテナ部および前記信号合成分配器を2セット備え、
    前記電界アンテナおよび前記磁界アンテナが送受信する偏波の方向をセット間で略90度異ならせる
    ことを特徴とする無線通信システム。
  9. 回転エネルギーにより発生された電力を電力系統に送電するための固定子と、前記固定子に取付けられた回転軸を中心に回転するための回転子とを有する主発電機と、
    補助固定子と、前記回転子と共通の回転軸を有する補助回転子と有する補助発電機と、
    複数のセンサと複数のパワーデバイスとを有し、前記電力系統の電力が前記補助発電機の前記補助固定子に通電されることにより、前記補助回転子の回転子巻線に電力が供給され、前記電力系統から供給された電力の電圧及び周波数を制御信号に基づいて変換した電力を、前記主発電機の前記回転子に供給する電力変換器と、
    前記電力変換器の前記複数のセンサから得られた電流値及び電圧値の情報に基づいて前記制御信号を生成し、前記制御信号により前記複数のパワーデバイスをオン/オフ制御するコントローラと
    を有し、
    前記コントローラは、前記固定子の側の第1のコントローラと、前記回転子の側の第2のコントローラとに分離して配置され、
    前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記複数のセンサは、それぞれ無線通信部とアンテナ部とを有し、
    前記アンテナ部は、
    前記固定子と前記回転子によって形成された閉空間内に設けられた、電界に比例した受信を行う電界アンテナと、
    前記閉空間内に設けられた、磁界に比例した受信を行う磁界アンテナと、
    前記電界アンテナからの出力と前記磁界アンテナからの出力とを合成して前記無線通信部へ入力すると共に、前記無線通信部からの出力を分配して前記電界アンテナ及び前記磁界アンテナへ入力する信号合成分配器と
    を有し、
    前記アンテナ部は、
    前記電界アンテナと前記磁界アンテナのうち一方を複数個以上、もう一方を少なくとも1個以上有し、かつ、1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心を一致するように配置する
    ことを特徴とする発電システム。
  10. 請求項9に記載された発電システムにおいて、
    1個以上の前記電界アンテナの幾何的な重心と、1個以上の前記磁界アンテナの幾何的な重心の一致の範囲が動作周波数の1/4波長以内である
    ことを特徴とする発電システム。
  11. 請求項9に記載された発電システムにおいて、
    前記電界アンテナおよび前記磁界アンテナが同一の誘電体基板上に形成されている
    ことを特徴とする発電システム。
  12. 請求項11に記載された発電システムにおいて、
    前記電界アンテナとしてダイポールアンテナを、前記磁界アンテナとしてスロットアンテナを用いて前記誘電体基板上に配置されている
    ことを特徴とする発電システム。
  13. 請求項9に記載された発電システムにおいて、
    前記電界アンテナと前記磁界アンテナが両者とも直線偏波を送受信し、その偏波方向が略一致するように配置されている
    ことを特徴とする発電システム。
  14. 請求項9に記載された発電システムにおいて、
    前記アンテナ部および前記信号合成分配器を複数セット備え、
    前記電界アンテナおよび前記磁界アンテナが送受信する偏波の方向をセット毎に異ならせ、
    各セットの前記信号合成分配器からの出力をダイバーシティ処理するダイバーシティ部を備える
    ことを特徴とする発電システム。
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