JP2016148095A - 水系防錆剤組成物 - Google Patents

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知行 蓬田
Tomoyuki Yomogida
知行 蓬田
直樹 長瀬
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直樹 長瀬
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Abstract

【課題】水系のものであっても、厳しい腐食環境下における長期防錆性を良好にする。
【解決手段】本発明の水系防錆剤組成物は、一般式(1)で表される成分(A)と、一般式(2)で表される成分(B)を配合してなるものである。
1O−(CHCHO)n−(CH)−COOH ・・・(1)
(ただし、一般式(1)において、R1は炭素数6〜20の炭化水素基を示し、nは2〜10の整数、mは1〜6の整数である。)
(X)−Ar−(COOH) ・・・(2)
(ただし、一般式(2)において、Xはニトロ基及びR2O−から選択され(但し、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基)、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、s及びtは1又は2の整数を示し、sが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、水系防錆剤組成物に関する。
金属加工工程において、引火、発火の恐れが低く安全性が高いことなどから、切削油などが水系に置き換わってきている。その中、金属加工等の処理中における防錆性だけではなく、これらの液を溜める装置内タンクや配管、機械回り等の防錆も重要である。また、鋼板等の金属材料は、複数の工程を経て中間製品、最終成型品に加工され、保管される際、通常、金属表面の酸化劣化を防ぐために、防錆油が塗布される。防錆油は、次工程における加工の前に、洗い落とされるが、洗浄により完全に取り除くことができず、残った防錆油が、次工程における加工性を悪化させることがあるため、水溶性タイプが好ましい。
従来、水溶性防錆液としては、アルキルカルボン酸塩を含有するものが広く用いられている。また、特許文献1では、防錆性の向上を目的として、アルキルカルボン酸塩に加え、芳香族カルボン酸塩を含有する水溶性防錆液が開示されている。さらに、特許文献2には、洗浄剤組成物にアルキルエーテルカルボン酸やその塩が配合されることで、洗浄性能や耐金属腐食性が向上することが開示されている。
特開2009−7497号公報 特開平8−283974号公報
ところで、アルキルカルボン酸塩は、水溶性防錆液において、水への溶解性を良好とするために、炭素数10以下のものが望ましいことが分かってきているが、炭素数10以下のものでは、金属表面の保護性能が低く、防錆性能を十分に向上させることができない。そのため、例えば特許文献1のように、芳香族カルボン酸を併用した場合でも、厳しい腐食環境下で長期間にわたって防錆性能を発揮することは難しい。さらに、特許文献2では、洗浄液としての使用が想定されており、防錆性を向上させる効果も限定的である。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、従来の水系防錆組成物に比べ腐食速度を低下させることで、より長期防錆性を良好にすることである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、水系防錆剤組成物において、特定のポリオキシエチレン構造を有するカルボン酸と、芳香族カルボン酸とを併用することで、これら相乗効果により、厳しい腐食環境下における長期防錆性を良好にできることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
一般式(1)で表される成分(A)と、一般式(2)で表される成分(B)を配合してなる水系防錆剤組成物。
1O−(CHCHO)n−(CH)−COOH ・・・(1)
(ただし、一般式(1)において、R1は炭素数6〜20の炭化水素基を示し、nは2〜10の整数、mは1〜6の整数である。)
(X)−Ar−(COOH) ・・・(2)
(ただし、一般式(2)において、Xはニトロ基及びR2O−から選択され(但し、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基)、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、s及びtは1又は2の整数を示し、sが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。)
本発明においては、水系の防錆剤組成物でありながらも、厳しい腐食環境下における長期防錆性を良好にすることが可能である。
以下、本発明について、実施形態を用いて説明する。
本発明の一実施形態に係る水系防錆剤組成物は、以下で詳述する成分(A)と、成分(B)が配合されてなるものである。
<成分(A)>
成分(A)は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
1O−(CHCHO)n−(CH)−COOH ・・・(1)
(ただし、一般式(1)において、R1は炭素数6〜20の炭化水素基を示し、nは2〜10の整数、mは1〜6の整数である。)
一般式(1)において、R1で示される6〜20の炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基、アルケニル基が好ましく、直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基がより好ましい。
また、R1で示される炭化水素基の好ましい具体例としては、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコデシル基、各種ヘキセニル基、各種ヘプテニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基が挙げられる。これらの中では各種ドデシル基、各種トリデシル基がより好ましい。なお、ここでいう「各種」とは、直鎖状、及びその構造異性体であるあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。
一般式(1)において、R1で示される炭化水素基は、炭素数6〜20のものであるが、R1の炭素数を6以上とすることで適度な水溶性となり、20以下とすることで水溶性が低下するのを防止することができる。以上の観点から、R1で示される炭化水素基は、好ましくは炭素数8〜18、より好ましくは炭素数10〜16である。
上記したように、一般式(1)においてnは、2〜10となるものである。nを2以上とすることで水溶性が良好になりやすい。また、nを10以下とすることで水溶性が高くなりすぎることを防止し、適度な水溶性を成分(A)に付与できる。また、水溶性を適度なものとして、長期防錆性をより発揮しやすくするため、nは、3〜7が好ましく、3〜4がより好ましい。
また、一般式(1)において、mは1〜6であるが、mを1以上とすることで、適度な水溶性を成分(A)に付与することができる。また、6以下とすることで水溶性が低下するのを防止する。以上の観点から、mは、1〜3が好ましく、1であることがより好ましい。
<成分(B)>
成分(B)は、以下の一般式(2)で示される化合物である。
(X)−Ar−(COOH) ・・・(2)
(ただし、一般式(2)において、Xはニトロ基及びR2O−から選択され(なお、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基)、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、s及びtは1又は2の整数を示し、sが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(2)において、R2で示される炭素数1〜10の炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基、又はアリール基が好ましいが、これらの中ではアルキル基、アリール基がより好ましい。
2のアルキル基及びアルケニル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、エテニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種ヘプテニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基が挙げられる。また、アリール基として、フェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基等が挙げられる。なお、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基におけるアルキル及びアルキレンは、直鎖もしくは分岐鎖を有するものである。
また、R2で示される炭化水素基の炭素数を1以上とすることで、成分(B)の水溶性を適度なものとすることが可能になり、また、炭素数を10以下とすることで水溶性が低下することを防止する。これらの観点から、R2の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(2)において、少なくとも1つのXがニトロ基であることが好ましい。
Arで表される2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基としては、芳香環に1又は2の結合手を有する、芳香族のモノカルボン酸残基やジカルボン酸残基が好ましい。また、該芳香族炭化水素基は、フェニル環からなる基であることが好ましい。具体的には、安息香酸残基、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基などが挙げられるが、中でも入手が容易である点から、安息香酸残基やフタル酸残基が好ましく、特に安息香酸残基が好ましい。
一般式(2)で表される成分(B)の好適な例としては、例えば安息香酸又はフタル酸の(ジ)ニトロ化物(ニトロ化物又はジニトロ化物の意味であり、以下も同様である。)、安息香酸又はフタル酸の(ジ)アルコキシ(アルキル基の炭素数1〜4)化物、安息香酸又はフタル酸の(ジ)フェノキシ化物、安息香酸又はフタル酸のアルコキシ(アルキル基の炭素数1〜4)ニトロ化物、安息香酸又はフタル酸のフェノキシニトロ化物が好ましく、具体的には、例えばp‐ニトロ安息香酸(4−ニトロ安息香酸)、p‐メトキシ安息香酸、p‐エトキシ安息香酸、p‐n-プロポキシ安息香酸、p‐iso-プロポキシ安息香酸、p‐n-ブトキシ安息香酸、p‐sec-ブトキシ安息香酸、p‐tert-ブトキシ安息香酸、p‐iso-ブトキシ安息香酸、3−ニトロフタル酸、フェノキシ安息香酸などが挙げられる。これらの中では、安息香酸の(ジ)ニトロ化物が好ましく、中でもp‐ニトロ安息香酸がより好ましい。
水系防錆剤組成物は、水溶性と疎水性がバランスよく向上した成分(A)により金属表面の保護性を向上させるとともに、成分(B)により不動態化作用を発揮させることで、これら相乗効果により、より厳しい腐食環境下でも良好な長期防錆性を発揮することが可能になる。
水系防錆剤組成物に配合される成分(A)の成分(B)に対するモル比(A/B)は、1〜10であることが好ましい。モル比(A/B)を上記下限値以上とすることで成分(A)の効果を発揮しやすくなる。また、上限値以下とすることで成分(B)の効果が発揮されやすくなる。そして、上記範囲内とすることで、成分(A)及び(B)により相乗効果が発揮されやすくなる。成分(A)及び(B)の効果を発揮しやすい観点から、モル比(A/B)は、2〜8がより好ましく、4〜6がさらに好ましい。
<塩基性化合物(C)>
水系防錆剤組成物には、塩基性化合物(C)が配合されることが好ましい。水系防錆剤組成物は、成分(A)及び(B)に加えて、塩基性化合物(C)がさらに配合されることで、上記成分(A)及び成分(B)の各カルボン酸が、塩基性化合物(C)と塩を形成して、長期防錆性をより良好に向上させることが可能になる。
ただし、本実施形態に係る水系防錆剤組成物には、塩基性化合物(C)が配合されず、水系防錆剤組成物において成分(A)及び成分(B)は、塩を形成せずに存在していてもよい。成分(A)及び成分(B)は、塩を形成しなくても一定の効果を発揮できる。
また、塩基性化合物(C)が配合されて塩を形成する場合でも、上記成分(A)及び(B)それぞれは、一部が塩を形成せずに組成物中に存在してもよいし、全てが塩を形成してもよい。
塩基性化合物(C)としては、アルカノールアミン、及びアルカリ金属の水酸化物から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物が用いられる。
ここで、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンが挙げられる。また、アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムを例示することができる。
これらの塩基性化合物の中でも、アルカノールアミンが好ましく、特に、一級又は二級の総炭素数2〜4のアルカノールアミン、さらには一級又は二級の総炭素数2〜4のモノアルカノールアミンが好ましい。
成分(A)及び成分(B)の合計当量数の塩基性化合物(C)の当量数に対する比((A+B)/C)は、0.5〜1.0であることが好ましい。1.0以下とすることで、塩基性化合物(C)は、中和当量以上含有されることになる。したがって、成分(A)及び(B)が塩を形成して、水溶しやすくなり、上記した長期防錆性を発揮しやすくなる。また、0.5以上とすることで、塩基性化合物(C)が大過剰となり過ぎず、配合量に見合った効果を発揮できる。以上の観点から上記比((A+B)/C)は、0.7〜1.0がより好ましく、0.7〜0.9がさらに好ましい。
また、成分(A)の当量数の塩基性化合物(C)の当量数に対する比(A/C)は0.25〜0.9であることが好ましい。0.25以上とすると塩基性化合物(C)が過剰にならず、成分(A)の効果を発揮しやすくなる。また、0.9以下とすることで、成分(A)の塩が適切に形成され、成分(A)が水に溶けやすくなり、成分(A)の効果を発揮しやすくなる。以上の観点から、上記比(A/C)は、0.5〜0.9がより好ましく、0.7〜0.9がさらに好ましい。
さらに、成分(B)の当量数の塩基性化合物(C)の当量数に対する比(B/C)は0.03〜0.5であることが好ましい。0.03以上とすることで、塩基性化合物(C)が過剰にならず、成分(B)の効果が発揮しやすくなる。また、0.5以下とすることで、塩が適切に形成され、成分(B)が水に溶けやすくなり、成分(B)の効果を発揮しやすくなる。以上の観点から、上記比(B/C)は、0.1〜0.5が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態における水系防錆剤組成物は、さらに必要に応じて公知の添加剤を配合してもよい。そのような添加剤としては、水溶性ポリマー、金属腐食防止剤などが挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコールのモノ又はジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールのエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド付加物、メチルセルロース類などが挙げられる。このような水溶性ポリマーは、水溶性防錆液の粘度を調整し、かつ防錆皮膜の膜厚を厚くして防錆性能を高める効果を有するものであり、水系防錆剤組成物全量を基準にして、通常0.5〜50質量%配合する。
金属腐食防止剤としては、ほう酸、タングステン酸、モリブデン酸、リン酸、炭酸、硫酸、珪酸、硝酸、亜硝酸等の無機酸のナトリウム塩、及びカリウム塩;ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ヒドロカルビルトリアゾール等のトリアゾール類及びその塩;メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類およびその塩;脂肪酸アルカノールアミド類;イミダゾリン類;オキサゾリン類などが挙げられる。
水系防錆剤組成物は、さらに必要に応じて、殺菌剤、消泡剤、界面活性剤などが配合されてもよい。
水系防錆剤組成物は、溶媒として水を含有するものである。用いる水については、特に制限はなく、例えばイオン交換水、純水、水道水、工業用水(特に、Ca含有量が200質量ppm以下の工業用水)などが使用できる。これらの中でも性能の点で、イオン交換水や純水が好ましい。また、水系防錆剤組成物は、溶媒として水以外の水溶性の有機溶媒を含んでもよい。そのような溶媒としては、エタノール、プロパノール、ジエチレングリコール等が挙げられる。ただし、本実施形態における水系防錆剤組成物の溶媒は、水を主成分とするものであり、溶媒全量に対して水を好ましくは70質量%以上、より好ましくは90〜100質量%、最も好ましくは100質量%含むものである。
水系防錆剤組成物は、少なくとも、溶媒に上記成分(A)及び(B)、又は成分(A)、(B)及び塩基性化合物(C)が配合されて得られるものである。ここで、これら各成分をそれぞれ溶媒に配合してもよく、あるいは、予め成分(A)(B)の一方又は両方に塩基性化合物(C)を混合して、塩を形成し、その塩を溶媒に配合してもよい。
本実施形態における水系防錆剤組成物は、通常、金属表面に付着させて使用されるものであるが、具体的には、金属に塗布し、又は金属を水系防錆剤組成物に浸漬若しくは吹きあてさせて使用することが好ましい。また、水系防錆剤組成物は、上記成分(A)及び(B)の合計モル濃度が、0.005〜0.5モル/Lに調整されて使用されることが好ましく、0.01〜0.2モル/Lに調整されて使用されることがより好ましい。
なお、水系防錆剤組成物は、輸送、販売時には、上記モル濃度よりも濃い溶液に調整し、使用する前に上記濃度に希釈して使用してもよい。
水系防錆剤組成物が使用される金属としては、純鉄、鋼、鋳鋼、合金鋼、銑鉄、鋳鉄等の鉄を含む金属が好ましいが、他の金属に使用することも可能である。
なお、本明細書において、例えば、「成分(A)と成分(B)を配合してなる組成物」と規定された組成物は、「配合した成分(A)と成分(B)を含む組成物」だけでなく、配合した成分の少なくとも1つの成分の代わりに、当該成分が変性した変性物(例えば、上記したように、成分(A)又は(B)と他の成分により形成された塩)を含む組成物」や、「配合した成分同士の反応生成物」を含む組成物をも意味するものである。
以下に、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
水系防錆剤組成物は、以下に示す要領に従って評価した。
[腐食電流密度]
測定装置として、HZ−5000型(北斗電工株式会社製)のポテンショスタット機能を使用した。参照電極として銀/塩化銀電極を、対極として白金を、作用極としてエポキシ樹脂に埋め込んだS45C炭素鋼(表面積0.4cm2)を使用した。また、試験液を20±2℃内の温度とした。測定は、−0.8Vから0.3Vまで20mV/sの速度で掃引して行い、測定後、分極曲線図から腐食速度を算出するためのターフェル法にて、腐食電流密度を求めた。
[実施例1]
イオン交換水により調整した0.3Mの塩化ナトリウム水溶液に、表1に示す成分濃度になるように、各成分を配合して試験液を調整した。調整した試験液について、上記した方法で腐食電流密度を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例1〜4]
試験液の配合を表1のように変更した点を除いて実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
Figure 2016148095
表1に示すように、実施例1では、成分(A)及び(B)の両方を配合することで、腐食電流密度が十分に低くなり、腐食速度を低下させることができた。それに対して、成分(A)及び(B)の一方が配合されない比較例1、4や、成分(A)及び(B)の代わりに脂肪族カルボン酸を使用した比較例2では、腐食電流密度が実施例1より高くなり、実施例1より腐食速度が速くなった。また、比較例3では、成分(A)を配合せず、成分(B)と脂肪族カルボン酸を配合したが、腐食電流密度が高くなっており、本実施例1では、成分(A)(B)を組み合わせて使用することで腐食電流密度が低下したことが理解できる。
[実施例2]
試験液の配合を以下の表2のように変更した点を除いて実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
[比較例5]
成分(B)を配合しなかった点を除いて実施例2と同様に実施した。結果を表2に示す。
Figure 2016148095
以上の表2から明らかなように、実施例2は比較例5に比べて腐食電流密度が低下しており、成分(A)のエチレンオキシ基の繰り返し数を多くしても、水系防錆剤組成物に成分(A)(B)の両方を配合することで、腐食速度が低下したことが理解できる。
[実施例3]
試験液の配合を表3のように変更した点を除いて実施例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
[比較例6]
成分(B)を配合しなかった点を除いて実施例3と同様に実施した。結果を表2に示す。
Figure 2016148095
以上の表3から明らかなように、実施例3は比較例6に比べて腐食電流密度が低下しており、成分(A)のエチレンオキシ基の繰り返し数を10まで増やした場合でも、水系防錆剤組成物に成分(A)に加えて成分(B)を配合することで、腐食速度が低下したことが理解できる。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で表される成分(A)と、一般式(2)で表される成分(B)を配合してなる水系防錆剤組成物。
    1O−(CHCHO)n−(CH)−COOH ・・・(1)
    (ただし、一般式(1)において、R1は炭素数6〜20の炭化水素基を示し、nは2〜10の整数、mは1〜6の整数である。)
    (X)−Ar−(COOH) ・・・(2)
    (ただし、一般式(2)において、Xはニトロ基及びR2O−から選択され(但し、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基)、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、s及びtは1又は2の整数を示し、sが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。)
  2. アルカノールアミン、及びアルカリ金属の水酸化物から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(C)をさらに配合してなる請求項1に記載の水系防錆剤組成物。
  3. 成分(A)及び成分(B)の合計当量数の塩基性化合物(C)の当量数に対する比((A+B)/C)が0.5〜1.0である請求項2に記載の水系防錆剤組成物。
  4. 成分(A)の当量数の塩基性化合物(C)の当量数に対する比(A/C)が0.25〜0.9である請求項2又は3に記載の水系防錆剤組成物。
  5. 成分(B)の当量数の塩基性化合物(C)当量数に対する比(B/C)が0.03〜0.5である請求項2〜4のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
  6. 成分(A)の成分(B)に対するモル比(A/B)が1〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
  7. 一般式(1)において、R1の炭化水素基が炭素数8〜18であるとともに、nが3〜7、mが1〜3である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
  8. 一般式(1)において、nが3〜4である請求項1〜7のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
  9. 一般式(2)において、少なくとも1つのXがニトロ基である請求項1〜8のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
  10. 一般式(2)において、Arがフェニル環からなる基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の水系防錆剤組成物。
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