JP5255238B2 - 水溶性防錆液組成物 - Google Patents
水溶性防錆液組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5255238B2 JP5255238B2 JP2007171234A JP2007171234A JP5255238B2 JP 5255238 B2 JP5255238 B2 JP 5255238B2 JP 2007171234 A JP2007171234 A JP 2007171234A JP 2007171234 A JP2007171234 A JP 2007171234A JP 5255238 B2 JP5255238 B2 JP 5255238B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- acid
- rust
- rust preventive
- soluble
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
しかしながら、金属加工における防錆油剤には、種々の環境下における防錆性能が要求される。例えば、冷延鋼板や表面処理鋼板などの鋼板は、コイルの状態で梱包されて製鉄所から出荷される。この際、鋼板には防錆油剤(いわゆる出荷防錆油剤)が塗布される。したがって、鋼板は、積み重ねられた状態、すなわち、密着積層状態で包装された状態におかれていて、錆の抑制にとっては過酷な環境下におかれている。出荷防錆油剤にはこのような苛酷な環境下における錆の発生をも抑制することを要求される。
密着積層状態で包装された状態におかれたコイル状鋼板は、その後、出荷先である自動車工場や電気製品工場などで、開梱され、洗浄され、プレスなどの成型加工後保管される。この行程では、洗浄油、金属加工油とともに、各金属成型行程間で一時的に防錆処理をするために防錆油剤(いわゆる行程間防錆油剤)を塗布する。そして、塗装部品の場合は、最終工程で脱脂化成処理が施され、その後塗装される。この行程間防錆油剤の場合は、大気曝露下での防錆性能を有することが必要である。
このように鋼板などの金属は、その成型工程で、種々の環境下で性能を発揮する防錆油剤を必要とし、例えば、積み重ねられた状態などの苛酷な環境下でも錆の発生を抑制することが要求される。また、防錆油剤には、洗浄性能や脱脂性能も要求される。
また、近年提案された防錆性を有する水溶性切削液としては、例えば、アミノスルホン酸系化合物又はその塩を含有する水溶性金属加工油剤(特許文献1、参照)、芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩を含有する水溶性金属加工油剤(特許文献2、参照)などが挙げられる。しかし、いずれの水溶性金属加工油剤も従来の水溶性切削液と同様に、積み重ねられた状態などの過酷な環境下における防錆性能はいまだ充分なものではない。
したがって、水溶性液であって、良好な防錆性能を有し、積み重ねられた状態などの過酷な環境下においても錆の発生を抑制することができる防錆液が要望されていた。
水に、(A)下記の一般式(1)
(X)m−Ar−(COOH)n ・・・(1)
〔式中、Xは、NO2−及びRO−(但し、Rは、炭素数1〜10の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1種、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、m及びnは1又は2の整数を示し、mが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。〕
で表される芳香族カルボン酸を0.001モル/L以上、(B)炭素数8〜24の分岐鎖を有する飽和又は不飽和の、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を0.005〜1モル/L、(C)アルカリ金属の水酸化物及びアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物、及び水溶性金属腐食防止剤を配合してなる水溶性防錆液組成物を、希釈水で10〜50倍に希釈した水溶性防錆液組成物であって、
(C)の塩基性化合物の配合量が、(A)の芳香族カルボン酸及び(B)の脂肪族カルボン酸の中和当量以上であり、(A)の芳香族カルボン酸が、アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)ニトロ安息香酸、アルコキシ(アルキル基の炭素数1〜4)安息香酸、及びフェノキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種である水溶性防錆液組成物、
を提供するものである。
(X)m−Ar−(COOH)n ・・・(1)
〔式中、Xは、NO2−,RO−,又はR−(但し、Rは、炭素数1〜10の炭化水素基)、Arは、2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、m及びnは1又は2の整数を示し、mが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。〕
で表される芳香族カルボン酸を0.001モル/L以上、(B)炭素数8〜24の脂肪族カルボン酸を0〜1モル/L、及び(C)アルカリ金属の水酸化物及びアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を配合してなる水溶性防錆液組成物である。
一方、芳香族カルボン酸の配合量の上限については、特に制限はないが、さらなる増量による著しい効果の上昇が期待できないことから通常1モル/L以下が好ましく、0.5モル/L、さらには0.3モル/Lが好ましい。
これら(B)の脂肪族カルボン酸の中でも、防錆性能の点で、分岐鎖を有する飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
したがって、(B)成分の脂肪族カルボン酸の配合量は0〜1モル/Lであり、0.005〜1モル/Lが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムを例示することができる。また、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
これらの塩基性化合物の中でも、アルカノールアミンが好ましく、特に、総炭素数2〜4の一級又は二級のアルカノールアミン、さらには総炭素数2〜4の一級又は二級のモノアルカノールアミンが好ましい。
また、本発明に用いる水については、特に制限はなく、例えば脱イオン水、純水、水道水、工業用水(特に、Ca含有量が200質量ppm以下の工業用水)などが使用できる。これらの中でも性能の点で、脱イオン水や純水が好ましい。
該水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコールのモノ又はジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールのエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド付加物、メチルセルロース類などが挙げられる。このような水溶性ポリマーは、水溶性防錆液の粘度を調整し、かつ防錆皮膜の膜厚を厚くして防錆性能を高める効果を有するものであり、通常水溶性防錆液組成物を基準にして、およそ0.5〜50質量%配合する。
(1)DIN法防錆試験
DIN 51360−12−Aに準拠し、鋳物切粉(Fc−250)をシャーレ内のろ紙上に2g入れ、各水溶性防錆液2mL滴下し、シャーレの蓋をして2時間放置した。2時間経過後ろ紙に転写された錆の状態を下記の判定基準によって5段階で表示した。
(判定基準)
0: 錆なし(錆は全く認められない)
1: 錆の痕跡(最大3つの錆(直径1mmを超えない))
2: 僅かに錆(面積の1%未満の変色(錆程度1よりは、もっと大きい錆))
3: 適度な錆(面積の1%以上5%未満)
4: 重度な錆(面積の5%以上の変色)
JIS G 3141に規定する鋼板(SPCC−SD 60×80×1mm)を脱脂後、各水溶性防錆液組成物に浸漬し、24時間油きりして試験片を準備した。その試験片をJIS K2246に規定される格納箱内で14日間暴露した。14日後の試験片について、錆、ステインの有無とその程度を、JIS K2246に規定する錆の判定方法に基づいて、錆発生度(%)をA〜Eの5段階で表示した。
(判定基準)
A: 0
B: 1〜10
C: 11〜25
D: 26〜50
E: 51以上
(3)スタック防錆試験
前記(2)と同様にして試験片を各試料につき2枚準備した。この試験片を
2枚重ねた状態で2つのクリップで挟んで留め、それをスタック試験用試験片セットとした。スタック試験用試験片セットを厚さ0.05mmのテフロンシートで梱包し、室温(RT)で14日間放置した。
14日経過後に、試験片の重ね合わせた面の錆、ステインの程度を、上記(2)と同様に、JIS K2246に規定する錆の判定方法に基づいて、A〜Eの5段階で表示した。
第1表に示す成分を用いて水溶性防錆液組成物を調製した。それら調製した組成物及び市販の水溶性防錆油剤について、各防錆性能を評価した。その結果を第1表に示した。第1表中、その他の成分とは、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ベンゾトリアゾール、及び殺菌剤の混合物である。
Claims (1)
- 水に、(A)下記の一般式(1)
(X)m−Ar−(COOH)n ・・・(1)
〔式中、Xは、NO2−及びRO−(但し、Rは、炭素数1〜10の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1種、Arは2〜4の結合手を有する芳香族炭化水素基、m及びnは1又は2の整数を示し、mが2の場合、Xは同一でも異なっていてもよい。〕
で表される芳香族カルボン酸を0.001モル/L以上、(B)炭素数8〜24の分岐鎖を有する飽和又は不飽和の、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を0.005〜1モル/L、(C)アルカリ金属の水酸化物及びアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物、及び水溶性金属腐食防止剤を配合してなる水溶性防錆液組成物を、希釈水で10〜50倍に希釈した水溶性防錆液組成物であって、
(C)の塩基性化合物の配合量が、(A)の芳香族カルボン酸及び(B)の脂肪族カルボン酸の中和当量以上であり、(A)の芳香族カルボン酸が、アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)ニトロ安息香酸、アルコキシ(アルキル基の炭素数1〜4)安息香酸、及びフェノキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種である水溶性防錆液組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007171234A JP5255238B2 (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | 水溶性防錆液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007171234A JP5255238B2 (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | 水溶性防錆液組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009007497A JP2009007497A (ja) | 2009-01-15 |
JP5255238B2 true JP5255238B2 (ja) | 2013-08-07 |
Family
ID=40322895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007171234A Expired - Fee Related JP5255238B2 (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | 水溶性防錆液組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5255238B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013213265A (ja) * | 2012-04-03 | 2013-10-17 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 防錆剤組成物及びこれを用いた防錆方法 |
CN110408312A (zh) * | 2018-05-04 | 2019-11-05 | 新疆苏中建设工程有限公司 | 一种临时性防锈液及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1135966A (ja) * | 1997-07-16 | 1999-02-09 | Daido Kagaku Kogyo Kk | 水溶性調質圧延液 |
JP2002212583A (ja) * | 2001-01-17 | 2002-07-31 | Daido Chem Ind Co Ltd | 亜鉛磨耗粉の圧延ロールへの凝着抑止性に優れる調質圧延液組成物」 |
-
2007
- 2007-06-28 JP JP2007171234A patent/JP5255238B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009007497A (ja) | 2009-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3113021B2 (ja) | 芳香族カルボン酸を含有し腐食抑制性を有する不凍液/冷却液組成物 | |
EP3087216B1 (en) | Bis-imidazoline compounds as corrosion inhibitors and preparation thereof | |
JPS6017829B2 (ja) | 金属表面の腐食抑制剤 | |
CA2884379A1 (en) | Heat transfer fluid additive composition | |
JP5255238B2 (ja) | 水溶性防錆液組成物 | |
JPH04306291A (ja) | 腐食抑制された不凍液組成物 | |
JP4904053B2 (ja) | 水溶性調質圧延液組成物 | |
US20070152191A1 (en) | Corrosion inhibitors | |
US9890462B2 (en) | Corrosion-protection system for treating metal surfaces | |
US4684475A (en) | Organophosphate and silicate containing antifreeze | |
ES2421184T3 (es) | Uso de aditivos de protección frente a la corrosión para la protección de aluminio y/o aleaciones de aluminio para procedimientos de acabado | |
US10329672B2 (en) | Corrosion inhibiting compositions including bis-imidazoline compounds derived from enriched linear tetramines | |
KR101622322B1 (ko) | 기화성 액상 방청제 조성물 | |
JP2009013189A (ja) | 水溶性調質圧延液組成物 | |
US8877700B2 (en) | Aqueous cleaning agent comprising an alkanolamine salt of at least one carboxylic acid | |
JP5232381B2 (ja) | ノンリンス型水溶性洗浄剤組成物 | |
CN111040827A (zh) | 一种有机羧酸复配剂、制备方法及钢板水基加工液 | |
KR102625788B1 (ko) | 적어도 하나의 환식 우레아 모이어티를 갖는 화합물 및 부식 방지에 있어서 이의 용도 | |
JP2016094526A (ja) | 水溶性調質圧延液組成物 | |
JP6232407B2 (ja) | 水性洗浄剤 | |
CN113396148A (zh) | 具有至少一个环状脲部分的化合物及其在腐蚀防护中的用途 | |
GB2377929A (en) | Corrosion and/or staining inhibitor compositions | |
JP2006299357A (ja) | 防錆剤組成物および水性防錆潤滑剤、並びにこれを用いた金属の加工法 | |
JP2022130273A (ja) | 水溶性防錆剤組成物及びその使用方法 | |
JP6339442B2 (ja) | 着色冷却液組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120911 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20130204 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20130207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130304 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130326 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130419 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5255238 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |