JP2016148066A - サーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法 - Google Patents

サーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法 Download PDF

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範壽 千歳
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Abstract

【課題】 絶縁性フィルム上に均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜を成膜可能なサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法を提供すること。
【解決手段】 絶縁性フィルム2上にサーミスタ用金属窒化物膜3を製造する装置であって、長尺で帯状の絶縁性フィルムがロール状に巻回される巻き出しロール4aと巻き出しロールから繰り出される絶縁性フィルムを巻き取る巻き取りロール4bと巻き取りロールを回転駆動させる駆動源4cとを備えたフィルム搬送機構4と、巻き出しロールから繰り出される絶縁性フィルムを外周面5aで支持する成膜ロール5と、絶縁性フィルムを支持する外周面に対向配置され外周面上の絶縁性フィルムの表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲット6とを備え、フィルム搬送機構が、搬送する絶縁性フィルムを成膜ロールの外周面に押し当てて密着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーミスタ用金属窒化物膜を絶縁性フィルムに非焼成で直接成膜可能なサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法に関する。
温度センサ等に使用されるサーミスタ材料は、高精度、高感度のために、高いB定数が求められている。従来、このようなサーミスタ材料には、Mn,Co,Fe等の遷移金属酸化物が一般的である(特許文献1,2参照)。また、これらのサーミスタ材料では、安定なサーミスタ特性を得るために、550℃以上の焼成等の熱処理が必要である。
また、上記のような金属酸化物からなるサーミスタ材料の他に、例えば特許文献3では、一般式:M(但し、MはTa,Nb,Cr,Ti及びZrの少なくとも1種、AはAl,Si及びBの少なくとも1種を示す。0.1≦x≦0.8、0<y≦0.6、0.1≦z≦0.8、x+y+z=1)で示される窒化物からなるサーミスタ用材料が提案されている。また、この特許文献3では、Ta−Al−N系材料で、0.5≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.7、x+y+z=1としたものだけが実施例として記載されている。このTa−Al−N系材料では、上記元素を含む材料をターゲットとして用い、窒素ガス含有雰囲気中でスパッタリングを行って作製されている。また、必要に応じて、得られた薄膜を350〜600℃で熱処理を行っている。
近年、樹脂フィルム上にサーミスタ材料を形成したフィルム型サーミスタセンサの開発が検討されており、フィルムに直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれている。すなわち、フィルムを用いることで、フレキシブルなサーミスタセンサが得られることが期待される。さらに、0.1mm程度の厚さを持つ非常に薄いサーミスタセンサの開発が望まれているが、従来はアルミナ等のセラミックスを用いた基板材料がしばしば用いられ、例えば、厚さ0.1mmへと薄くすると非常に脆く壊れやすい等の問題があったが、フィルムを用いることで非常に薄いサーミスタセンサが得られることが期待される。
しかしながら、樹脂材料で構成されるフィルムは、一般的に耐熱温度が150℃以下と低く、比較的耐熱温度の高い材料として知られるポリイミドでも200℃程度の耐熱性しかないため、サーミスタ材料の形成工程において熱処理が加わる場合は、適用が困難であった。上記従来の酸化物サーミスタ材料では、所望のサーミスタ特性を実現するために550℃以上の焼成が必要であり、フィルムに直接成膜したフィルム型サーミスタセンサを実現できないという問題点があった。そのため、非焼成で直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれているが、上記特許文献3に記載のサーミスタ材料でも、所望のサーミスタ特性を得るために、必要に応じて、得られた薄膜を350〜600℃で熱処理する必要があった。また、このサーミスタ材料では、Ta−Al−N系材料の実施例において、B定数:500〜3000K程度の材料が得られているが、耐熱性に関する記述がなく、窒化物系材料の熱的信頼性が不明であった。
そこで、非焼成でフィルムに直接成膜できるサーミスタ材料として、特許文献4,5に記載のサーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるサーミスタ用金属窒化物材料が開発されている。
特開2003−226573号公報 特開2006−324520号公報 特開2004−319737号公報 特開2013−179161号公報 特開2013−211434号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、成膜部分の温度によりサーミスタ用金属窒化物の結晶性が異なり、結果的にサーミスタ特性が異なることが知られている。従来のスパッタリング法による成膜では、図2に示すように、温度制御された支持体105に樹脂製の絶縁性フィルム2の端部を固定しているが、絶縁性フィルム2が変形するために支持体105の支持面105aと絶縁性フィルム2の一部とが接触せず、その間に空隙が形成されるため熱伝達が不十分となり、成膜による発熱でフィルム面内に温度差が生じてしまう問題があった。このため、フィルム全面を支持体に粘着剤などで固定する方法も考えられるが、熱伝達は改善されるが、支持体からフィルムを剥がして取り出す時にフィルムが大きく変形してしまい、成膜したサーミスタ用金属窒化物膜が破壊されてしまう場合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、絶縁性フィルム上に均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜を成膜可能なサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置は、絶縁性フィルム上にサーミスタ用金属窒化物膜を製造する装置であって、長尺で帯状の前記絶縁性フィルムがロール状に巻回される回転可能な巻き出しロールと前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを巻き取る回転可能な巻き取りロールと少なくとも前記巻き取りロールを回転駆動させる駆動源とを備えたフィルム搬送機構と、前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間に配され前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを外周面で支持する回転可能な成膜ロールと、前記絶縁性フィルムを支持する前記外周面に対向配置され前記外周面上の前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットとを備え、前記フィルム搬送機構が、搬送する前記絶縁性フィルムを前記成膜ロールの外周面に押し当てて密着させることを特徴とする。
このサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置では、フィルム搬送機構が、搬送する絶縁性フィルムを成膜ロールの外周面に押し当てて密着させるので、成膜ロールの外周面に密着した状態の絶縁性フィルムが均一な温度に維持されることで、均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜を得ることができる。また、いわゆるロールtoロール方式を採用したことで、長い絶縁性フィルムを搬送しながら成膜を連続的又は断続的に行うことができる。
また、外周面に沿って曲げ変形させた状態の絶縁性フィルムに成膜されたサーミスタ用金属窒化物膜は、絶縁性フィルムを平坦な状態に戻した際に圧縮応力が発生することで、クラックの発生を抑制することができる。
さらに、この製造装置では、駆動源で回転駆動する際に巻き出しロールと巻き取りロールとの間で絶縁性フィルムに張力を印加することも可能である。この場合、張力の印加を解除した際に、絶縁性フィルムの収縮に伴い絶縁性フィルム上のサーミスタ用金属窒化物膜に圧縮応力が発生することで、クラックの発生を抑制することができる。
なお、絶縁性フィルムを成膜ロールに固定していないので、成膜したサーミスタ用金属窒化物膜が取り外しの際に破壊されてしまうことがない。
第2の発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置は、第1の発明において、前記成膜ロールが、前記外周面の略全周にわたって内部に冷温媒を流通させる配管を有していることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置では、成膜ロールが、外周面の略全周にわたって内部に冷温媒を流通させる配管を有しているので、成膜ロールの外周面全体を冷温媒の流通によって一定の温度に制御することができ、そのためにサーミスタ用金属窒化物膜成膜時の絶縁性フィルム表面の温度を均一化でき、外周面全体にわたって均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜を得ることができる。
第3の発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置は、第1又は第2の発明において、前記サーミスタ用金属窒化物材料が、TiAlNであることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置では、サーミスタ用金属窒化物材料が、TiAlNであるので、良好な結晶性を有してサーミスタ特性が均一なTiAlN膜を絶縁性フィルム上に作製することができる。
第4の発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造方法は、絶縁性フィルム上にサーミスタ用金属窒化物膜を製造する方法であって、長尺で帯状の前記絶縁性フィルムがロール状に巻回される巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを回転駆動される巻き取りロールで巻き取るフィルム搬送工程と、前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間に配され前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを回転可能な成膜ロールの外周面で支持する支持工程と、前記絶縁性フィルムを支持する前記外周面に対向配置され前記外周面上の前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングにより成膜する工程とを有し、前記フィルム搬送工程で、搬送する前記絶縁性フィルムを前記成膜ロールの外周面に押し当てて密着させることを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法によれば、フィルム搬送機構が、搬送する絶縁性フィルムを成膜ロールの外周面に押し当てて密着させるので、均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜を得ることができると共に、サーミスタ用金属窒化物膜に圧縮応力が発生することで、クラックの発生を抑制することができる。また、いわゆるロールtoロール方式を採用したことで、長い絶縁性フィルムを搬送しながら成膜を連続的又は断続的に行うことができ、高い量産性が得られる。
本発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法の一実施形態を示す製造装置の概略的な断面図である。 本発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法の従来例を示す製造装置の概略的な断面図である。
以下、本発明に係るサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置及び製造方法の一実施形態を、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置1は、図1に示すように、絶縁性フィルム2上にサーミスタ用金属窒化物膜3を製造する装置であって、長尺で帯状の絶縁性フィルム2がロール状に巻回される回転可能な巻き出しロール4aと巻き出しロール4aから繰り出される絶縁性フィルム2を巻き取る回転可能な巻き取りロール4bと少なくとも巻き取りロール4bを回転駆動させる駆動源4cとを備えたフィルム搬送機構4と、巻き出しロール4aと巻き取りロール4bとの間に配され巻き出しロール4aから繰り出される絶縁性フィルム2を外周面5aで支持する回転可能な成膜ロール5と、絶縁性フィルム2を支持する外周面5aに対向配置され外周面5a上の絶縁性フィルム2の表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲット6とを備えている。
上記フィルム搬送機構4は、搬送する絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面5aに押し当てて密着させる機能を有している。すなわち、駆動源4cによって巻き取りロール4bを回転させて絶縁性フィルム2を搬送する際に、巻き出しロール4aと巻き取りロール4bとの間で絶縁性フィルム2に一定の張力を印加させるようにして、絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面下側に当てると共に、絶縁性フィルム2を成膜ロール5の上方から引っ張ることで、絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面下側に押し付けられるように設定されている。なお、本実施形態では、成膜ロール5の外周面5aの少なくとも約半周にわたって絶縁性フィルム2が当接するように、巻き出しロール4aと巻き取りロール4bと成膜ロール5とを配置している。
上記駆動源4cは、モータ等であって、少なくとも巻き取りロール4bを回転駆動するが、本実施形態では、もう一つの駆動源4cで巻き出しロール4aも回転駆動している。
上記成膜ロール5には、外周面5aの略全周にわたって内部に冷温媒を流通させる配管5bを有している。
すなわち、配管5bは、外周面5aに沿って外周面5aの近傍に銅管等で配設されており、この配管5b内に冷温媒を流通させることで、成膜ロール5の温度調整を行っている。
上記フィルム搬送機構4及び成膜ロール5は、いずれもスパッタリング装置の真空槽(図示略)内にスパッタリングターゲット6と共に設置されている。
上記サーミスタ用金属窒化物材料は、例えばTiAlNであり、その場合、成膜されるサーミスタ用金属窒化物膜3は、TiAlN膜である。特に、本実施形態で作製するサーミスタ用金属窒化物膜3は、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
上記絶縁性フィルム2は、例えばポリイミド樹脂シートで長尺な帯状に形成されている。なお、絶縁性フィルム2としては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも構わない。
上記真空槽には、Arガス+窒素ガスの混合ガスを導入するガス導入口(図示略)が設けられている。また、スパッタリングターゲット6の裏面側には、カソード電極(図示略)が配置されていると共に、成膜ロール5がアノード電極とされている。すなわち、カソード電極側のスパッタリングターゲット6とアノード電極となる成膜ロール5との間に電圧が印加され、成膜ロール5上の絶縁性フィルム2の表面に反応性スパッタが行われる。
この製造装置1によるサーミスタ用金属窒化物膜の製造方法は、長尺で帯状の絶縁性フィルム2がロール状に巻回される巻き出しロール4aから繰り出される絶縁性フィルム2を回転駆動される巻き取りロール4bで巻き取るフィルム搬送工程と、巻き出しロール4aと巻き取りロール4bとの間に配され巻き出しロール4aから繰り出される絶縁性フィルム2を回転可能な成膜ロール5の外周面5aで支持する支持工程と、絶縁性フィルム2を支持する外周面5aに対向配置され外周面5a上の絶縁性フィルム2の表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングターゲット6を用いてスパッタリングにより成膜する工程とを有している。
上記フィルム搬送工程では、搬送する絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面に押し当てて密着させる。
すなわち、フィルム搬送工程及び支持工程では、巻き出しロール4aと巻き取りロール4bとの間の絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面に沿って配した状態で、巻き取りロール4bを駆動源4cで回転させて絶縁性フィルム2に一定の張力を印加することで、成膜ロール5の外周面5aに、絶縁性フィルム2を押し当てて密着させる。
上記スパッタリングターゲット6としては、Ti−Al合金スパッタリングターゲットを用いる。すなわち、Ti−Al合金スパッタリングターゲット6を用いて窒素含有雰囲気中で反応性スパッタを行って絶縁性フィルム2の表面にサーミスタ用金属窒化物膜3を成膜する。
また、上記反応性スパッタにおけるスパッタガス圧を、0.67Pa未満に設定することが好ましい。
より具体的には、例えば厚さ50μmのポリイミドフィルムの絶縁性フィルム2上に、反応性スパッタ法にてサーミスタ用金属窒化物膜3を200nm成膜する。その時のスパッタ条件は、例えば到達真空度:5×10−6Pa、スパッタガス圧:0.4Pa、ターゲット投入電力(出力密度):2.5W/cmで、Arガス+窒素ガスの混合ガス雰囲気下において窒素ガス分圧:20%とする。なお、メタルマスクを用いて所望のサイズにサーミスタ用金属窒化物材料を成膜してサーミスタ用金属窒化物膜3をパターン形成しても構わない。
例えば、厚さ50μmのポリイミドフィルム上にサーミスタ用金属窒化物膜3を厚さ200nm成膜する際に、絶縁性フィルム2に単位面積当たり0.8〜25MPaの張力を印加した場合、張力を解除することでサーミスタ用金属窒化物膜3に発生する圧縮応力は、19〜587MPaと試算される。
このように本実施形態のサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置1では、フィルム搬送機構4が、搬送する絶縁性フィルム2を成膜ロール5の外周面5aに押し当てて密着させるので、成膜ロール5の外周面5aに密着した状態の絶縁性フィルム2が均一な温度に維持されることで、均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜3を得ることができる。特に、サーミスタ用金属窒化物材料をTiAlNとすることで、良好な結晶性を有してサーミスタ特性が均一なTiAlN膜を絶縁性フィルム2上に作製することができる。
また、いわゆるロールtoロール方式を採用したことで、長い絶縁性フィルム2を搬送しながら成膜を連続的又は断続的に行うことができる。
また、外周面5aに沿って曲げ変形させた状態の絶縁性フィルム2に成膜されたサーミスタ用金属窒化物膜3は、絶縁性フィルム2を平坦な状態に戻した際に圧縮応力が発生することで、クラックの発生を抑制することができる。
さらに、この製造装置1では、駆動源4cで回転駆動する際に巻き出しロール4aと巻き取りロール4bとの間で絶縁性フィルム2に張力を印加することも可能である。この場合、張力の印加を解除した際に、絶縁性フィルム2の収縮に伴い絶縁性フィルム2上のサーミスタ用金属窒化物膜3に圧縮応力が発生することで、クラックの発生を抑制することができる。
なお、絶縁性フィルム2を成膜ロール5に固定していないので、成膜したサーミスタ用金属窒化物膜3が取り外しの際に破壊されてしまうことがない。
また、成膜ロール5が、外周面5aの略全周にわたって内部に冷温媒を流通させる配管5bを有しているので、成膜ロール5の外周面5a全体を冷温媒の流通によって一定の温度に制御することができ、外周面5a全体にわたって均一なサーミスタ特性のサーミスタ用金属窒化物膜3を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…サーミスタ用金属窒化物膜の製造装置、2…絶縁性フィルム、3…サーミスタ用金属窒化物膜、4…フィルム搬送機構、4a…巻き出しロール、4b…巻き取りロール、4c…駆動源、5…成膜ロール、5a…成膜ロールの外周面、5b…配管、6…スパッタリングターゲット

Claims (4)

  1. 絶縁性フィルム上にサーミスタ用金属窒化物膜を製造する装置であって、
    長尺で帯状の前記絶縁性フィルムがロール状に巻回される回転可能な巻き出しロールと前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを巻き取る回転可能な巻き取りロールと少なくとも前記巻き取りロールを回転駆動させる駆動源とを備えたフィルム搬送機構と、
    前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間に配され前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを外周面で支持する回転可能な成膜ロールと、
    前記絶縁性フィルムを支持する前記外周面に対向配置され前記外周面上の前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットとを備え、
    前記フィルム搬送機構が、搬送する前記絶縁性フィルムを前記成膜ロールの外周面に押し当てて密着させることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置において、
    前記成膜ロールが、前記外周面の略全周にわたって内部に冷温媒を流通させる配管を有していることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載のサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置において、
    前記サーミスタ用金属窒化物材料が、TiAlNであることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物膜の製造装置。
  4. 絶縁性フィルム上にサーミスタ用金属窒化物膜を製造する方法であって、
    長尺で帯状の前記絶縁性フィルムがロール状に巻回される巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを回転駆動される巻き取りロールで巻き取るフィルム搬送工程と、
    前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間に配され前記巻き出しロールから繰り出される前記絶縁性フィルムを回転可能な成膜ロールの外周面で支持する支持工程と、
    前記絶縁性フィルムを支持する前記外周面に対向配置され前記外周面上の前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングにより成膜する工程とを有し、
    前記フィルム搬送工程で、搬送する前記絶縁性フィルムを前記成膜ロールの外周面に押し当てて密着させることを特徴とするサーミスタ用金属窒化物膜の製造方法。
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