JP2015160241A - グラフェン製造用圧延銅箔コイル、及びグラフェンの製造方法 - Google Patents

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喜寛 千葉
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Abstract

【課題】大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用圧延銅箔コイル及びグラフェンの製造方法を提供する。【解決手段】グラフェン製造用圧延銅箔コイルにおいて、板幅550〜680mmであり、幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが7mm以下であるグラフェン製造用圧延銅箔コイルであり、グラフェンの製造方法は、前記グラフェン製造用圧延銅箔コイルを用い、所定の室内に、前記グラフェン製造用圧延銅箔コイルから巻き戻され、加熱したグラフェン製造用銅箔を配置すると共に炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用銅箔の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、グラフェンを製造するための圧延銅箔のコイル、及びグラフェンの製造方法に関する。
グラファイトは平らに並んだ炭素6員環の層がいくつも積み重なった層状構造をもつが、その単原子層〜数原子層程度のものはグラフェン又はグラフェンシートと呼ばれる。グラフェンシートは独自の電気的、光学的及び機械的特性を有し、特にキャリア移動速度が高速である。そのため、グラフェンシートは、例えば、燃料電池用セパレータ、透明電極、表示素子の導電性薄膜、無水銀蛍光灯、コンポジット材、ドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアーなど、産業界での幅広い応用が期待されている。
グラフェンシートを製造する方法として、グラファイトを粘着テープで剥がす方法が知られているが、得られるグラフェンシートの層数が一定でなく、大面積のグラフェンシートが得難く、大量生産にも適さないという問題がある。
そこで、シート状の単結晶グラファイト化金属触媒上に炭素系物質を接触させた後、熱処理することによりグラフェンシートを成長させる技術(化学気相成長(CVD)法)が開発されている(特許文献1)。この単結晶グラファイト化金属触媒としては、Ni、Cu、Wなどの金属基板が記載されている。
同様に,NiやCuの金属箔やSi基板上に形成した銅層上に化学気相成長法でグラフェンを製膜する技術が報告されている.なお,グラフェンの製膜は1000℃程度で行われる(非特許文献1)。
特開2009−143799号公報
SCIENCE Vol.324 (2009) P1312-1314
しかしながら、特許文献1のように単結晶の金属基板を製造することは容易でなく極めて高コストであり、又、大面積の基板が得られ難く、ひいては大面積のグラフェンシートが得難いという問題がある。一方,非特許文献1には、Cuを基板として使用することが記載されているが,Cu箔上では短時間にグラフェンが面方向に成長せず,Si基板上に形成したCu層を焼鈍で粗大粒として基板としている。この場合、グラフェンの大きさはSi基板サイズに制約され,製造コストも高い。
ここで、銅がグラフェン成長の触媒として優れている理由は、銅が炭素をほとんど固溶しないためである。そして、銅が触媒として作用し炭化水素ガスの熱分解で生じた炭素原子は銅表面でグラフェンを形成する。さらに、グラフェンで覆われた部分の銅は触媒作用を失うため、その部分でさらに炭化水素ガスが熱分解することがなく、グラフェンが複数層になり難く、グラフェンの単層が得られる。従って、銅の単結晶はこの点でグラフェン製造用基板として優れているが、高価でサイズが限定されるため、大面積のグラフェンを製膜するには適さない。
一方で、銅箔は大面積化が容易であるが、本発明者が圧延銅箔を基板としてグラフェンを製造したところ、圧延銅箔コイルの状態で幅方向における高さの変動が大きいと、コイルを巻き戻した圧延銅箔板を用いて得られたグラフェンに折れやシワが生じたり、シート抵抗が増大して品質が劣化することがわかった。
すなわち、本発明は、大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用圧延銅箔コイル及びそれを用いたグラフェンの製造方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔コイルは、板幅550〜680mmであり、幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが7mm以下である。
本発明のグラフェン製造用圧延銅箔コイルにおいて、幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが板幅Wの1.21%以下であることが好ましい。
本発明のグラフェン製造用圧延銅箔コイルは、インゴットを熱間圧延した後、焼鈍と冷間圧延を1回以上繰り返した後、(1)そのまま最終冷間圧延するか、又は(2)再結晶焼鈍した後に最終冷間圧延して製造され、前記最終冷間圧延における加工度ηが1.0≦η≦4.5とされることが好ましい。
前記幅方向における両端の厚みの差Dtが0.3μm以下であることが好ましい。
JIS-H3100に規格するタフピッチ銅若しくはJIS-H3100に規格する無酸素銅、又は該タフピッチ銅若しくは無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有することが好ましい。
本発明のグラフェンの製造方法は、前記グラフェン製造用圧延銅箔コイルを用い、所定の室内に、前記グラフェン製造用圧延銅箔コイルから巻き戻され、加熱したグラフェン製造用銅箔を配置すると共に炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用銅箔の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有する。
本発明によれば、大面積のグラフェンを低コストで生産可能とする銅箔が得られる。
銅箔の幅方向WDの高さHを模式的に示す図である。 たるみ寸法Dwを測定する方法を示す図である。 差Dtを測定する方法を示す図である。 本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔コイル及びグラフェンの製造方法について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
本発明者は、銅箔を基板としてグラフェンを製造すると、得られたグラフェンに折れやシワが生じたり、シート抵抗が増大して品質が劣化する原因について検討し、圧延銅箔コイルの状態でコイルの幅方向における伸びの変動が大きいことが原因であることを見出した。図1に示すように、この伸びの変動は圧延銅箔コイルの幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwで表すことができる。
<第1の発明>
従って、本発明の第1の発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔コイルは、板幅Wが550〜680mmであり、圧延平行方向RDに垂直な幅方向WDにおける最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dw(=HA−HB)が7mm以下である。
たるみ寸法Dwが7mmを超えると、銅箔の幅方向WDにおける高さの変動が大きくなり過ぎ、グラフェン製造装置(例えば、図4の室100)内でコイルから巻き戻された銅箔に折れやシワが発生するため、得られたグラフェンにも折れやシワが生じ、シート抵抗が増大する。この理由は明確ではないが、銅箔の幅方向WDの高さの変動が大きいと、変形した銅箔上に形成されたグラフェンに局所的に応力が加わって破壊され易くなり、炭素原子の結合が切れてグラフェンのシート抵抗が大きくなるものと考えられる。
また、たるみ寸法Dwが大きいコイルを使用して連続してグラフェンを製造した場合、コイルから巻き戻された銅箔がグラフェンの製膜温度に加熱された際に、熱膨張により、たるみが小さい部分に張力が加わって波打ち状になる。たるみが大きいと折れ、シワになり易い。そして、この状態でグラフェンを製膜した後に銅箔を巻き取ると、銅箔が変形し、グラフェンも変形してしまうためにグラフェン特性が低下すると考えられる。
たるみ寸法Dwは、7〜6mmが好ましい。たるみ寸法Dwの下限は特に制限されないが、実用上、6mm程度である。
図1は、銅箔の幅方向WDの高さHを模式的に示す図である。
又、図2は、JPCA規格のJPCA-BM01-1988「フレキシブルプリント配線板用銅張積層板」における平面性の試験を応用した、たるみ寸法Dwの測定方法を示す。図2に示すように、たるみ寸法Dwは、平行度0.2mm以下の2本の平行なロール5,5を備えた装置を用いる。2本のロール5,5間の距離Lは0.8mとする。この装置においてグラフェン製造用圧延銅箔コイル8から巻き戻された銅箔2を、圧延平行方向RDが各ロール5,5の軸方向に垂直になるよう張り渡し、銅箔2の圧延平行方向RDの一端2eに2kgの錘4を垂下し、銅箔2の他端を固定した状態で、水平基準位置Sの位置に設置したレーザ変位計6にて、銅箔2の中央位置2cの高さを幅方向WDに沿って測定し、最大高さHAと最小高さHBから求めることができる。
なお、レーザ変位計6は、水平基準位置Sを高さの基準としたときの、銅箔2の中央位置2ctの変位に基づき、HA、HBを測定する。又、中央位置2ctは、距離Lの中点である。又、距離Lは、2本のロール5,5の中心間の距離である。
<第2の発明>
本発明の第2の発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔コイルは、圧延平行方向に垂直な幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが板幅Wの1.21%以下である。
第2の発明は、第1の発明において、たるみ寸法Dwを板幅Wに対する相対値で表したものであり、この相対値R(%)は、{Dw(mm)/W(mm)}×100で表される。
相対値Rが1.21%を超えると、銅箔の幅方向WDにおける高さの変動が大きくなり過ぎ、グラフェン製造装置(例えば、図4の室100)内でコイルから巻き戻された銅箔に折れやシワが発生するため、得られたグラフェンにも折れやシワが生じ、シート抵抗が増大する。
相対値Rは、1.20%以下が好ましく、1.18%以下がより好ましい。相対値Rの下限は特に制限されないが、実用上、0.26%程度である。
第1の発明及び第2の発明において、幅方向WDにおける両端の厚みt1、t2の差Dt(=|t1−t2|)が0.3μm以下であることが好ましい。
Dtが0.3μmを超えると、冷間圧延の際に材料が厚みの薄い方に蛇行し易くなり、その蛇行を抑制するためには厚みの厚い方向を圧下させて圧延することになる。その結果、コイルの幅方向の形状を悪化させ、たるみ形状Dwが大きくなってしまう。
差Dtは、0.4〜0.3μmがより好ましい。差Dtの下限は特に制限されないが、実用上、0.3μm程度である。
図3に示すように、両端の厚みt1、t2は、マイクロメータを用い、銅箔2の幅方向WDの両端から中央に向かってそれぞれ5mm幅の領域AR内を3点測った厚みを平均してそれぞれ求める。このようにして、両端の厚みt1、t2をそれぞれ測定し、差Dtを求めることができる。
なお、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔コイルにおいて、板厚は特に制限されないが、一般的には5〜150μmである。さらに、ハンドリング性を確保しつつ、後述するエッチング除去を容易に行うため、板厚を12〜50μmとすると好ましい。板厚が12μm未満であると、破断し易くなってハンドリング性に劣り、厚みが50μmを超えるとエッチング除去がし難くなる場合がある。
<銅箔の組成>
本発明のグラフェン製造用圧延銅箔コイルとして巻かれた銅箔の組成としては、JIS-H3100に規格するタフピッチ銅(TPC)、又はJIS-H3510若しくはJIS−H3100に規格する無酸素銅(OFC)を好適に用いることができる。
又、これらタフピッチ銅又は無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有する組成を用いることもできる。上記元素を含有すると、銅箔の強度が向上し適度な伸びを有すると共に、結晶粒径を大きくすることができる。上記元素の含有割合が0.050質量%を超えると強度は更に向上するものの、伸びが低下して加工性が悪化すると共に結晶粒径の成長が抑制される場合がある。より好ましくは上記元素の含有割合が0.040質量%以下である。
なお、上記元素の含有割合の下限は特に制限されないが、例えば0.005質量%を下限とすることができる。上記元素の含有割合が0.005質量%未満であると、含有割合が小さいためその含有割合を制御することが困難になる場合がある。
銅箔のCu純度が99.95〜99.995質量%であることが好ましい。銅箔の純度が99.95質量%未満であると、上記したように、銅箔表面に酸化物や硫化物が介在し易くなって銅箔表面の凹凸が大きくなる場合がある。一方、銅箔中のCu純度を高くすると製造コストが高くなると共に、強度が低下して箔の製造が難しくなり、大面積化が困難になる。このようなことから、銅箔中のCuの純度が99.995質量%以下であることが好ましい。
<グラフェン製造用圧延銅箔コイルの製造>
本発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔コイルは、例えば以下のようにして製造することができる。まず、所定の組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、圧延板を得る。そして、この圧延板に次の(1)、(2)のいずれかの加工を行い銅箔を得る。(1)圧延板をそのまま所定の厚みまで最終冷間圧延する。(2)圧延板を焼鈍して再結晶させ、更に焼鈍してから所定の厚みまで最終冷間圧延する。上記(1)又は(2)により得られた銅箔を巻回してコイルが得られる。
ここで、最終冷間圧延における加工度ηを1.0≦η≦4.5とすると、最終冷間圧延時の圧延ロールに負荷される幅方向WDの荷重のバランスが良好となり、得られた圧延銅箔のたるみ寸法を7mm以下に制御することができる。
加工度ηが1.0未満であると、最終冷間圧延の際、圧下量が小さくなるため銅箔の形状を作り込むことが困難になる。加工度ηが4.5を超えると、最終冷間圧延の際、銅箔が硬化して形状を作り込むことが困難になる。
なお、加工度ηは、η=ln(A0/A1)で表され、A0は最終冷間圧延前(つまり、再結晶焼鈍後)の断面積、A1は最終冷間圧延後の断面積である。
<グラフェンの製造方法>
次に、図4を参照し、本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法について説明する。
まず、室(真空チャンバ等)100内に、コイルを巻き戻したグラフェン製造用銅箔10を配置し、グラフェン製造用銅箔10をヒータ104で加熱すると共に、室100内を減圧又は真空引きする。そして、ガス導入口102から室100内に炭素含有ガスGを供給する(図4(a))。炭素含有ガスGとしては、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、アルコール等が挙げられるがこれらに限定されず、これらのうち1種又は2種以上の混合ガスとしてもよい。又、グラフェン製造用銅箔10の加熱温度は炭素含有ガスGの分解温度以上とすればよく、例えば1000℃以上とすることができる。又、室100内で炭素含有ガスGを分解温度以上に加熱し、分解ガスをグラフェン製造用銅箔10に接触させてもよい。そして、グラフェン製造用銅箔10の表面に分解ガス(炭素ガス)が接触し、グラフェン製造用銅箔10の表面にグラフェン20を形成する(図4(b))。
そして、グラフェン製造用銅箔10を常温に冷却し、グラフェン20の表面に転写シート30を積層し、グラフェン20を転写シート30上に転写する。次に、この積層体をシンクロール120を介してエッチング槽110に連続的に浸漬し、グラフェン製造用銅箔10をエッチング除去する(図4(c))。このようにして、所定の転写シート30上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
さらに、グラフェン製造用銅箔10が除去された積層体を引き上げ、グラフェン20の表面に基板40を積層し、グラフェン20を基板40上に転写しながら、転写シート30を剥がすと、基板40上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
転写シート30としては、各種樹脂シート(ポリエチレン、ポリウレタン等のポリマーシート)を用いることができる。グラフェン製造用銅箔10をエッチング除去するエッチング液としては、例えば硫酸溶液、過硫酸ナトリウム溶液、過酸化水素、及び過硫酸ナトリウム溶液又は過酸化水素に硫酸を加えた溶液を用いることができる。又、基板40としては、例えばSi、 SiC、Ni又はNi合金を用いることができる。
<試料の作製>
表1に示す組成の銅インゴットを製造し、700〜900℃で熱間圧延を行った後、400〜800℃の連続焼鈍ラインで焼鈍と冷間圧延を複数回繰り返して1〜4mm厚の圧延板を得た。この圧延板を(1)そのまま最終冷間圧延するか、又は(2)400〜900℃の連続焼鈍ラインで再結晶焼鈍した後に最終冷間圧延し、各実施例の銅箔を得、この銅箔を巻回してコイルを得た。最終冷間圧延の加工度、及び銅箔の厚みを表1に示す。なお、実施例4、9、10、11、12は上記(1)の工程により加工し、その他の実施例は上記(2)の工程により加工した。
一方、各比較例のコイルは、表1に示す組成の銅インゴットを製造し、800〜900℃で熱間圧延を行った後、300〜800℃の連続焼鈍ラインで焼鈍と冷間圧延を複数回繰り返して0.5〜3.5mm厚の圧延板を得た。この圧延板を(1)そのまま最終冷間圧延するか、又は(2)500〜900℃の連続焼鈍ラインで再結晶焼鈍した後に最終冷間圧延し、銅箔を得、この銅箔を巻回してコイルを得た。最終冷間圧延の加工度、及び銅箔の厚みを表1に示す。なお、比較例1、2、3、6、8は上記(1)の工程により加工し、その他の比較例は上記(2)の工程により加工した。
<たるみ寸法Dw及び両端の厚みの差Dtの測定>
たるみ寸法Dwの測定は、図2に示すように、JPCA規格のJPCA-BM01-1988「フレキシブルプリント配線板用銅張積層板」における平面性の試験に準じて測定した。レーザ変位計6としては、アンリツ社製 製品名:Displacement Meter KL137Aを用いた。両端の厚みの差Dtの測定には、マイクロメータ(ミツトヨ社製 デジタルマイクロメーター MDC-255)を用いた。
<グラフェンの製造>
各実施例及び比較例のコイルを室(真空チャンバ等)100内に設置し、コイルを巻き戻したグラフェン製造用銅箔のストリップを、室(真空チャンバ等)100内の離間した2つのロール間に張力(10〜100MPa)がかかった状態で連続的に張り渡し、室100を真空引き(圧力:0.2Torr)した。次に、この室内に水素とアルゴンの混合ガスを流しながら、2つのロール間の銅箔ストリップを誘導加熱方式で1000℃に加熱し、さらにメタンガス(供給ガス流量:10〜100cc/min)を流し、1時間保持して反応させた。
グラフェンが表面に成長した銅箔のグラフェン側にPETフィルムを張り合わせ、銅箔を酸でエッチング除去した後、四探針法でグラフェンのシート抵抗を測定した。なお、反応時間は予め反応時間とシート抵抗との関係を調査し、シート抵抗が安定するために必要な時間とした。
又、グラフェンの折れの有無を目視により判断した。折れがないものを○とし、折れが見られたものを×とした。
グラフェンのシート抵抗が500Ω/□以下であれば、実用上問題はない。特に、シート抵抗が400Ω/□以下であるとより好ましい。
得られた結果を表1に示す。なお、表中のTPCは、JIS-H3100に規格するタフピッチ銅を表し、OFCはJIS-H3100に規格する無酸素銅を表す。従って、「OFC+Sn1200ppm」は、JIS-H3100に規格する無酸素銅にSnを1200wtppm添加したことを表す。
表1から明らかなように、たるみ寸法Dwが7mm以下である各実施例の場合、グラフェンに折れが生じず、そのシート抵抗が500Ω/□以下となり、品質が優れていた。
一方、最終冷間圧延における加工度ηが1.0未満である比較例1、2、6、8の場合、たるみ寸法Dwが7mmを超え、グラフェンに折れが生じたと共に、そのシート抵抗が500Ω/□を超え、グラフェンの品質が劣った。
最終冷間圧延における加工度ηが4.5を超えた比較例4、5、7、9の場合、たるみ寸法Dwが7mmを超え、グラフェンに折れが生じたと共に、そのシート抵抗が500Ω/□を超え、グラフェンの品質が劣った。
10 グラフェン製造用銅箔
20 グラフェン
30 転写シート

Claims (6)

  1. 板幅550〜680mmであり、幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが7mm以下であるグラフェン製造用圧延銅箔コイル。
  2. 幅方向における最大高さHAと最小高さHBの差で表される、たるみ寸法Dwが板幅Wの1.21%以下であるグラフェン製造用圧延銅箔コイル。
  3. インゴットを熱間圧延した後、焼鈍と冷間圧延を1回以上繰り返した後、(1)そのまま最終冷間圧延するか、又は(2)再結晶焼鈍した後に最終冷間圧延して製造され、
    前記最終冷間圧延における加工度ηが1.0≦η≦4.5とされる請求項1又は2に記載のグラフェン製造用圧延銅箔コイル。
  4. 前記幅方向における両端の厚みの差Dtが0.3μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔コイル。
  5. JIS-H3100に規格するタフピッチ銅若しくはJIS-H3100に規格する無酸素銅、又は該タフピッチ銅若しくは無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有する請求項1〜4のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔コイル。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔コイルを用いたグラフェンの製造方法であって、
    所定の室内に、前記グラフェン製造用圧延銅箔コイルから巻き戻され、加熱したグラフェン製造用銅箔を配置すると共に炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用銅箔の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、
    前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有するグラフェンの製造方法。
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