JP2016147968A - 摩擦材用造粒物およびこれを用いた摩擦材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】造粒パラメーターを変更せずとも摩擦材用造粒物を用いて成形した摩擦材の気孔率を容易に制御できる方法を提供する。【解決手段】基材、有機結合材、摩擦調整材、および40〜130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質を含む摩擦材用造粒物。前記40〜130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質の含有率が、摩擦材造粒物全体に対して、体積比で、0.1〜10%であり、前記熱分解して気体を発生する物質が無機炭酸塩又は有機化合物である摩擦材用造粒物。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の制動に用いられるディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材に適した摩擦材用造粒物および該摩擦材用造粒物を用いた摩擦材の製造方法に関する。
自動車等には、その制動のためにディスクブレーキパッドやブレーキライニング等の摩擦材が使用されている。摩擦材は通常、基材、有機結合材、摩擦調整材等の原料を混合した摩擦材組成物を予備成形工程にて圧縮成形し、さらに予備成形品に対して熱成形工程により摩擦材の形状に成形し、さらに熱処理することで製造される。この摩擦材組成物はμmオーダーの微粒子から数mmの粒子、さらに繊維質まで様々な密度、形状を有している原料の混合物である。そのため安定した秤量が困難であり、さらにハンドリング時に分離や偏析が発生し易いため品質の安定化が難しいという課題があった。
この問題を解決するために摩擦材組成物を粒子状に造粒する試みが行われている。造粒により作製された摩擦材用造粒物は流動性が高いため安定した秤量ができ、ハンドリング時に混合物の状態を維持するため偏析が抑制できる。
例えば、特許文献1には、摩擦材組成物にポリビニルアルコールの水溶液を噴霧しつつ流動層造粒装置にて造粒することで、粒径100〜2000μmの造粒品を作製することが記載されている。
一方、特許文献2には、造粒時の添加液体の量や温度、噴霧圧力等を制御することで、気孔率が体積基準で30〜60%である摩擦材用造粒物を作製し、摩擦材の気孔率を制御することを記載されている。
特開2002-275279号公報 特開2002-097454号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で作製した摩擦材用造粒物は、造粒前の摩擦材組成物と比較して圧縮されて嵩密度が大きく気孔率が小さい状態となっており、成形後の摩擦材の気孔率が低下し易く、鳴き等の音振性能や耐フェード性能が低下する虞がある。また、摩擦材の気孔率を上げるために熱成形時の温度や成形圧力、時間等の条件を変更する方法があるが、基材マトリックスの形成が不十分となり摩擦材の機械的強度や耐摩耗性能が低下する虞がある。
また、特許文献2に記載の造粒条件においては、添加液体の量や温度、噴霧圧力といった様々なパラメーターが存在するが、これらのパラメータと摩擦材用造粒物の気孔率との関係は複雑であるとともに、造粒条件が気孔率のみならず摩擦材造粒物の粒径等の物性にも影響を与えるため、目的の気孔率と物性を有する造粒物を獲得するために多くの条件検討を行う必要がある。また、摩擦材用造粒物の気孔率は造粒方式や機種、装置のスケール等に依存するため、摩擦材の品種変更やスケールアップ時に再現性を得ることが難しいものである。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、造粒パラメーターを変更せずとも摩擦材用造粒物を用いて成形した摩擦材の気孔率を容易に制御できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、摩擦材組成物を造粒した摩擦材用造粒物に、熱分解性の物質を含有させることで、造粒パラメーターを変更することなく摩擦材の気孔率を制御でき、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の摩擦材用造粒物は、基材、有機結合材、摩擦調整材、および40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質を含むことを特徴とする。
本発明の摩擦材造粒物においては、前記40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質の含有率が、摩擦材造粒物全体に対して、体積比で、0.1〜10%であることが好ましい。また、前記40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質として無機炭酸塩または有機化合物を用いることができる。さらに、前記摩擦材用造粒物が、平均粒径10〜5000μmであることが好ましい。
また、本発明の摩擦材用造粒物においては、上記の摩擦材用造粒物を、前記熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱して、前記熱分解して気体を発生する物質を熱分解させて内部に気孔を形成したものであることが好ましい。この場合、気孔率が40〜70%であることが好ましい。
また、本発明の摩擦材の製造方法は、摩擦材組成物を造粒した摩擦材用造粒物を原料として用い、該原料を予備成形した後、熱成形、あるいは該原料を直接、熱成形する摩擦材の製造方法において、前記予備成形あるいは熱成形に先立ち、請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材用造粒物を、予め前記熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱して、前記熱分解して気体を発生する物質を熱分解させて内部に気孔を形成した摩擦材用造粒物を原料として用いることを特徴とする。
本発明によれば、摩擦材用造粒物中に40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質が含まれているため、摩擦材用造粒物を用いた場合でも該物質が分解して気体を発生することで、高い気孔率を有する摩擦材を作製することができ、耐フェード性能に優れた摩擦材を提供することができる。さらに、熱分解して気体を発生する物質の添加量の変更により摩擦材の気孔率を容易に制御することができるので、例えば裏板側に気孔率が低く裏板との接着性や機械的強度が高い層を、摩擦材側に気孔率が高く耐フェード性能に優れた層を形成させることで、熱分解して気体を発生する物質以外の材料比率が等しい摩擦材組成物を用いた場合でも強度と摩擦性能を兼ね備えた摩擦材を作製することができる。
以下、本発明の摩擦材用造粒物およびこれを用いた摩擦材の製造方法について詳述する。
[摩擦材造粒物]
本発明の摩擦材用造粒物は、通常の摩擦材組成物を用いた造粒物において、熱分解して気体を発生する物質を含有させたことを特徴とする。具体的には、本発明の摩擦材用造粒物は、基材、有機結合材、摩擦調整材、および40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質を含むことを特徴とする。
上記構成とすることにより、摩擦材用造粒物中の、熱分解して気体を発生する物質が、摩擦材用造粒物の予備加熱時に分解して気孔を形成するため、熱分解して気体を発生する物質の含有比率を変えることで摩擦材中の気孔率を容易に制御することができる。
ここで、熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度が40℃以上であれば貯蔵時、ハンドリング時に分解しないため、安定した摩擦材を得ることができる。その一方で、摩擦材組成物は130℃以上で熱成形して有機結合材を硬化させることが一般的であるため、熱分解温度が130℃未満であれば有機結合材を硬化させずに熱分解して気体を発生する物質を熱分解させることができる。このため、熱分解して気体を発生する物質は、熱分解温度が、40℃以上、かつ130℃未満の温度のものとする。
40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質は、いわゆる発泡剤として知られるものであり、有機発泡剤、無機発泡剤等を用いることができる。
有機発泡剤としては、例えばp−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属重炭酸塩や炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
熱分解して気体を発生する物質の使用量は、摩擦材造粒物全体に対して、0.1〜10体積%とすることが好ましい。熱分解して気体を発生する物質が、摩擦材造粒物全体に対して、0.1体積%に満たないと、熱分解して発生する気体の量が乏しく、摩擦材造粒物中に充分な気孔を形成することができない。その一方で、熱分解して気体を発生する物質が、摩擦材造粒物全体に対して、10体積%を超えると、熱分解して発生する気体量が過多となり、摩擦材造粒物が崩壊する虞がある。熱分解して気体を発生する物質の使用量は、より好ましくは、0.2〜5体積%である。
熱分解して気体を発生する物質は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必要に応じて発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤として、例えば尿素やステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物が挙げられる。
本発明の摩擦材造粒物は、摩擦材組成物を造粒した摩擦材用造粒物に、熱分解性の物質を含有させたことを特徴とするものであり、摩擦材組成物は従来から用いられている基材、有機結合材および摩擦調整材を用いることができる。
本発明の摩擦材造粒物に含まれる基材としては、スチール繊維、銅繊維、黄銅繊維等の金属繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、炭素繊維、ポリイミド繊維、フェノール繊維等の有機繊維、セラミック繊維、ガラス繊維等の無機繊維等を用いることができる。これらは、耐摩耗性向上、破壊強度向上の観点から、2種類以上を併用してもよい。また、繊維状物質の含有量は、本発明の摩擦材組成物中に1〜80体積%が好ましく、2〜50体積%であることがより好ましい。
本発明の摩擦材造粒物に含まれる有機結合材としては、通常熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、イミド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの結合材は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。本発明の摩擦材に使用される結合材の含有量は、本発明の摩擦材組成物中に4〜50体積%が好ましく、5〜30体積%であることがより好ましい。
本発明の摩擦材に含まれる摩擦調整材としては、銅、黄銅、亜鉛等の金属、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黒鉛等の無機充填剤、カシューダスト、ゴム粉などの有機充填剤等を用いることができる。また、摩擦調整材の含有量は、本発明の摩擦材組成物中に2〜95体積%が好ましく、10〜80体積%であることがより好ましい。
本発明の摩擦材造粒物は、従来から知られている摩擦材組成物の造粒方法を適用することにより製造することができる。すなわち、上記の基材、有機結合材および摩擦調整材を用いた摩擦材組成物を造粒して摩擦材造粒物を製造する場合、摩擦材組成物を混合した後、造粒するが、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤は、摩擦材組成物の混合時に添加してもよいし、造粒時に溶液として噴霧してもよい。
摩擦材造粒物を製造するにあたり、繊維状物質、摩擦調整材および結合材を含む摩擦材組成物を混合する方法としては、原料が均一に混合できる方法であれば特に制限はないが、例えば、レディゲミキサー、アイリッヒミキサー等で混合することが挙げられる。このような摩擦材組成物の混合時に、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を摩擦材組成物に添加して混合すれば、後の造粒を行った後に得られる摩擦材造粒物中に、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を含有させることができる。
摩擦材造粒物を製造するにあたり、造粒方法としては、特に限定せず、押出造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、圧縮造粒法、流動層造粒法等を用いることができ、必要に応じて凝集剤として液体等を添加してもよい。また、造粒にあたりポリビニルアルコール等の接着成分を揮発性溶媒等に溶解した溶液を用いて湿式造粒を行う場合は、摩擦材用造粒物作製後に加熱や減圧等によって乾燥処理を行うことが好ましい。転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法を用いて熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を与える場合には、前記混合処理を造粒機内で実施すれば、摩擦材造粒物中に、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を含有させることができる。また、溶液を摩擦材組成物に噴霧しながら造粒を行う場合は、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を、溶解あるいは分散させた溶液を摩擦材組成物に噴霧しながら造粒を行うことで、造粒を行った後に得られる摩擦材造粒物中に、熱分解して気体を発生する物質や発泡助剤を含有させることができる。
摩擦材用造粒物の粒径は、ハンドリング時や秤量時の流動性、成形性の観点から平均10〜5000μmとすることが好ましく、20〜4000μmとするとより好ましく、50〜3000μmとするとさらに好ましい。
上記方法を用いて作製した摩擦材用造粒物は、その内部に熱分解して気体を発生する物質を含有するものであるが、この摩擦材用造粒物を用いて、摩擦材を製造するにあたり、予め加熱処理を行って、摩擦材用造粒物内部に含有される、熱分解して気体を発生する物質を熱分解することで、摩擦材用造粒物の内部に所望の量の気孔を形成することができる。すなわち、内部に含有させる、熱分解して気体を発生する物質の添加量に応じて、摩擦材用造粒物の内部に形成する気孔の量を制御することが可能となる。このため、造粒方式や機種、装置のスケール等に依らず、摩擦材の品種変更やスケールアップ時においても摩擦材用造粒物の気孔量を制御することが可能となる。
上記の摩擦材用造粒物を加熱処理した摩擦材用造粒物においては、気孔率が40〜70%の摩擦材用造粒物を容易に製造することができるため、これを用いた摩擦材は、鳴き等の音振性能や耐フェード性能が高いものとすることができ、良好な性能を発揮する摩擦材とすることができる。摩擦材用造粒物中の気孔率が40%に満たないと、得られる摩擦材の気孔率が乏しくなって音振性能や耐フェード性能が低下する。その一方で、摩擦材用造粒物中の気孔の量が70%を超えると、バンドリング時や秤量時に摩擦材用造粒物が崩壊しやすくなって、流動性や成形性が低下する虞がある。
摩擦材用造粒物を加熱処理においては、加熱方法としては特に限定せず、熱風、マイクロ波、ジャケット等を用いることができる。また、湿式造粒を行って摩擦材用造粒物を製造する場合においては、摩擦材用造粒物作製後の乾燥処理時に、摩擦材用造粒物の内部に含有させた熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱して、乾燥処理と加熱処理を同時に行ってもよい。この場合、加熱機構を有する造粒機で造粒から加熱まで連続して行ってもよい。
なお、湿式造粒において加熱処理を、摩擦材用造粒物の内部に含有させた、熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度未満の温度で乾燥処理を行い、別途、摩擦材用造粒物の内部に含有させた、熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱する加熱処理を行ってもよいが、溶媒として、揮発する温度が、熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度未満に限定されるため、溶媒の種類が限定されること、および工程が2つになるためコストが増加することから、湿式造粒の場合、乾燥処理と加熱処理を同時に行うことが好ましい。
[摩擦材の製造方法]
摩擦材は、摩擦材用組成物を原料として用い、該原料を予備成形した後、熱成形、あるいは該原料を直接、熱成形することにより製造される。ここで、内部に熱分解して気体を発生する物質を含有する摩擦材造粒物を用いて予備成形して熱成形して摩擦材を製造、あるいは内部に熱分解して気体を発生する物質を含有する摩擦材造粒物を用いて直接熱成形して摩擦材を製造することで、熱成形時の温度で摩擦材用造粒物の内部に含有させた熱分解して気体を発生する物質を熱分解させて摩擦材の内部に気孔を形成することができる。しかしながら、この場合、摩擦材の内部で熱分解して気体を発生する物質が熱分解して熱分解して多量のガスが発生し、摩擦材に亀裂や膨れが生じる虞がある。
このため、本発明の摩擦材用造粒物を用いて摩擦材を製造するにあたっては、予備成形して熱成形する場合には予備成形前に、直接熱成形する場合には熱成形前に、予め上記の加熱処理を行って、摩擦材用造粒物内部に気孔を形成した摩擦材用造粒物を用いて摩擦材を製造することが望ましい。
摩擦材の製造方法としては、従来から行われているように、予め有機結合材を含む接着剤を塗布した裏板とともに熱成形し、その後、熱処理により有機結合材を完全に硬化させることで、裏板と一体となった摩擦材を製造することができる。このとき、2種類以上の組成の異なる摩擦材組成物を層状に投入して多層の摩擦材を製造してもよい。多層の摩擦材を製造する場合、少なくとも表面側の摩擦材組成物に本発明の摩擦材用造粒物を適用することが好ましい。
また、一般的には原料を予備成形した後、熱成形するが、本発明の摩擦材用造粒物は流動性が高く短時間で均しができるため、予備成形工程を省略して、本発明の摩擦材用造粒物を原料として用い直接熱成形することができる。
なお、上記により製造された摩擦材は、従来と同様に、必要に応じて目的形状に加工したり、塗装、スコーチ処理、研磨処理を行ったりしてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(摩擦材組成物の製造)
実施例1〜2および比較例1の摩擦材組成物は、表1に示す原料成分および配合量とし、下記に示す工程にてそれぞれの摩擦材組成物を得た。
(摩擦材用造粒物の製造)
次いで、これら摩擦材組成物を高速混合細粒機(ダルトン製)に供給し、表1に示す量の液体を噴霧し造粒することで摩擦材用造粒物を得た。
(摩擦材の製造)
上記で得られた摩擦材用組成物を90℃、2時間の条件で乾燥、予備加熱処理を行い、成形温度150℃、成形面圧20MPaおよび成形時間5分の条件で加圧成形し、その後電気炉にて210℃で5時間熱処理し、摩擦材を得た。
各特性は以下のように測定した。
(気孔率の測定方法)
上記方法で作製した実施例および比較例の摩擦材の気孔率をJIS D4418−1996に従い測定した。
(せん断強度の測定方法)
上記方法で作製した実施例および比較例の摩擦材のせん断強度をJIS D4422−2007に従い測定した。
上記方法で作製した実施例および比較例の摩擦材をパッドせん断試験機(新日本特機製)により、クロスヘッド移動速さ10mm/分で試料が完全に破壊するまで加圧し、破壊したときの最大荷重を測定した。
Figure 2016147968
(測定結果)
表1の測定結果から、以下のことが分かった。
発泡剤を添加した実施例1および2は比較例1と比較して発泡剤添加量に依存した気孔率の上昇が見られた。よって、添加する発泡剤の量を調整することにより、気孔率を容易に調整できる。
本発明の摩擦材の製造方法により製造された摩擦材は、例えば、自動車などのディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材として、クラッチフェーシング、電磁ブレーキ、保持ブレーキ等の摩擦材として使用することができる。

Claims (7)

  1. 基材、有機結合材、摩擦調整材、および40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質を含むことを特徴とする摩擦材用造粒物。
  2. 前記40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質の含有率が、摩擦材造粒物全体に対して、体積比で、0.1〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦材用造粒物。
  3. 前記40℃以上130℃未満の温度で熱分解して気体を発生する物質が無機炭酸塩または有機化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦材用造粒物。
  4. 前記摩擦材用造粒物が平均粒径10〜5000μmである請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材用造粒物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦材用造粒物を、前記熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱して、前記熱分解して気体を発生する物質を熱分解させて内部に気孔を形成したことを特徴とする摩擦材用造粒物。
  6. 気孔率が40〜70%であることを特徴とする請求項5に記載の摩擦材用造粒物。
  7. 摩擦材組成物を造粒した摩擦材用造粒物を原料として用い、該原料を予備成形した後、熱成形、あるいは該原料を直接、熱成形する摩擦材の製造方法において、
    前記予備成形あるいは熱成形に先立ち、請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材用造粒物を、予め前記熱分解して気体を発生する物質の熱分解温度以上に加熱して、前記熱分解して気体を発生する物質を熱分解させて内部に気孔を形成した摩擦材用造粒物を原料として用いることを特徴とする摩擦材の製造方法。
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