JP2008201923A - 摩擦材の製造方法および摩擦材 - Google Patents

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菜重子 奥村
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浩 出井
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克浩 菊地
Motonori Kuroe
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Abstract

【課題】 環境への負荷が懸念されている繊維形状物質を使用しなくても十分な強度を保持することができる上、成形体において、原材料の偏析や分離がなく、品質の優れる摩擦材を提供する。
【解決手段】 複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる、粒径100〜2000μm、安息角40°以下の摩擦材用造粒物を充填し、熱成形する摩擦材の製造方法、この方法で得られた摩擦材、および複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる摩擦材用造粒物が充填され、熱成形されてなる摩擦材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、摩擦材の製造方法および摩擦材に関する。さらに詳しくは、本発明は、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を粒状化した高流動性の造粒物を用いることで、ハニカム心材への充填性がよく、かつ環境への負荷が懸念されている繊維形状物質を含まず、前記ハニカム心材を骨格とすることで、十分な強度を有する摩擦材を製造する方法、および前記性状を有する摩擦材に関するものである。
各種車輌や産業機械などのブレーキパッド、ブレーキライニングやクラッチフェーシングなどにおいては摩擦材が使用されている。そして、この摩擦材の製造方法としては、一般に、その構成成分である無機・有機充填材、各種繊維形状物質、摩擦調整材及び樹脂結合材などを所定の割合で乾式混合して得られた、摩擦材の原材料混合物を、予備成形型に投入して圧縮成形し、次いでこの予備成形体に対して所定の圧力、温度による熱成形処理を施して所定の摩擦材形状に成形し、さらにその熱成形体に対して後熱処理や研磨処理などを適宜実施することで、所望形状の摩擦材を得る方法が用いられている。
しかし、前記摩擦材の原材料混合物は、サイズ差や比重差の大きい各種原材料を乾式混合して調製されるために、原材料の分離や偏析が発生しやすく、成分が均一な状態の成形体を得ることが困難であり、その結果、摩擦特性の安定性が悪いという問題があった。
このような問題に対処するために、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を粒状化してなる造粒物を用いることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで近年、摩擦材においては、成形体の強度維持のために用いられる前記繊維形状物質は、環境への負荷が懸念されるため、使用しにくくなっている。しかしながら、繊維形状物質を用いずに、強度が保持された摩擦材の開発が望まれている。
一方、ブレーキなどに使用する共鳴音の低下、耐摩耗性の向上、より一定した摩擦特性、繊維屑の離脱の低下を目的として、ハニカム芯材を用いた摩擦材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この摩擦材は、繊維形状物質の使用廃止を目的とするものではなく、また、繊維形状物質を配合した場合、ハニカム心材への充填の問題が生じる。
特開2002−97454号公報 特開平8−4811号公報
本発明は、このような事情のもとで、環境への負荷が懸念されている繊維形状物質を使用しなくても十分な強度を保持することができる上、原材料の偏析や分離がなく、品質の優れる摩擦材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、繊維形状物質を用いずに、ハニカムコアを使用し、かつ摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を粒状化した高流動性の造粒物を使用することで、前記ハニカムコアに高充填が可能となり、十分な強度を有し、品質の優れる摩擦材が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる、粒径100〜2000μm、安息角40°以下の摩擦材用造粒物を充填し、熱成形して摩擦材を得ることを特徴とする摩擦材の製造方法、
(2) 熱成形後、さらに熱処理する上記(1)項に記載の摩擦材の製造方法、
(3) 摩擦材用造粒物が、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を、造粒用結合剤の存在下に流動層で造粒されたものである上記(1)または(2)項に記載の摩擦材の製造方法、
(4) ハニカムコアが金属材料で形成されてなる上記(1)ないし(3)項のいずれか1項に記載の摩擦材の製造方法、
(5) 金属材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金である上記(4)項に記載の摩擦材の製造方法、
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の方法で得られたことを特徴とする摩擦材、
(7) 複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる摩擦材用造粒物が充填され、熱成形されてなることを特徴とする摩擦材、
(8) 摩擦材用造粒物の充填度が60%以上である上記(6)または(7)項に記載の摩擦材、および
(9) 摩擦材用造粒物が、実質上繊維形状物質を含まない上記(6)〜(8)項のいずれか1項に記載の摩擦材、
を提供するものである。
本発明によれば、環境への負荷が懸念されている繊維形状物質を用いずに、ハニカムコアを使用し、かつ摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を粒状化した高流動性の造粒物を使用することで、この造粒物を前記ハニカムコアのセル内に高充填することが可能となり、十分な強度を保持することができると共に、原材料の偏析や分離がなく、品質の優れる摩擦材を提供することができる。
本発明の摩擦材の製造方法は、複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物(原材料混合物)を造粒してなる、粒径100〜2000μm、安息角40°以下の摩擦材用造粒物を充填し、熱成形することを特徴とする。
[ハニカムコア]
本発明の摩擦材の製造方法においては、従来摩擦材の強度維持に用いられている繊維形状物質は、実質上使用せずに、複数のセルを有するハニカムコアが用いられる。ここで、「実質上使用せず」とは、摩擦材を構成する成分によって、不可避的に混入される繊維形状物質以外の繊維形状物質は使用しないことを意味する。
前記ハニカムコアは、一般的には六角形の横断面(上から見た輪郭)を有するセルが多数集まって蜂の巣状を呈する構造材を指すが、本発明においては、横断面の形状に特に制限はなく、六角形を始め、三角形、正方形、長方形、台形、偏菱形、円形、楕円形のいずれであってもよい。また、セルの大きさについては、横断面の面積が、通常2〜40mm程度、好ましくは10〜30mmであり、セルの厚さは通常25〜80μm程度、好ましくは45〜60μmである。
当該ハニカムコアの材料としては、摩擦材の作製時において加えられる最高温度に十分に耐える耐熱性を有すると共に、軽量であって、ある程度の機械強度を有するものであれば特に制限されず、様々な材料を用いることができる。このような材料としては、例えば金属材料や繊維強化熱硬化性樹脂などを挙げることができる。金属材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、スチールなどを例示することができる。繊維強化熱硬化性樹脂としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維で強化された、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などを例示することができる。これらの中で、耐熱性、機械強度、軽量性、経済性などのバランスの観点から、金属材料が好ましく、特にアルミニウムおよびアルミニウム合金が好ましい。
[原材料混合物]
本発明の摩擦材の製造方法において、前記ハニカムコアのセル内に充填される摩擦材用造粒物は、原材料混合物を造粒してなるものである。
当該原材料混合物に用いられる摩擦調整用粒状材料としては、従来、摩擦材に一般に摩擦調整材として使用されているものを用いることができる。このような摩擦調整材としては、例えば研削材、潤滑材、有機ダスト、金属類などを挙げることができる。
ここで、研削材としては特に制限はなく、従来摩擦材に研削材として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択することができる。この研削材の具体例としては、酸化鉄等の金属酸化物、アルミナ、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ケイ酸ジルコニウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、シリカ等のセラミック酸化物などを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、摩擦係数の確保や攻撃性抑制などの観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常0〜30質量%程度、好ましくは5〜15質量%である。
潤滑材としては特に制限はなく、従来摩擦材に潤滑材として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択することができる。この潤滑材の具体例としては、黒鉛、カーボンブラック、グラファイトや、二硫化モリブデン、三硫化アンチモン等の金属硫化物などを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、潤滑力の保持や結合剤含有液との濡れ性などの観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常0〜30質量%程度、好ましくは0〜15質量%である。
有機ダストとしては特に制限はなく、従来摩擦材に有機ダストとして使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択することができる。この有機ダストの具体例としては、NBR、SBRなどのゴムダスト、カシューダストなどを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、フェード時のガス発生の抑制や気孔の効果維持などの観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常0〜30質量%程度、好ましくは0〜15質量%である。
金属類としては特に制限はなく、従来摩擦材に金属類として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択することができる。この金属類の具体例としては、銅、真ちゅう、亜鉛、鉄などを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、造粒物の比重の増加による摩擦材中での偏析を抑制する観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常0〜50質量%程度、好ましくは0〜25質量%である。
一方、樹脂結合材としては特に制限はなく、従来摩擦材に樹脂結合材として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。この樹脂結合材の具体例としては、フェノール樹脂、各種変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の粉末を挙げることができる。これらの粉末は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でフェノール樹脂粉末が好適である。その配合量は、バインダーとしての機能および他の各成分の含有量との兼ね合いなどの観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常5〜20質量%程度、好ましくは7〜15質量%である。
当該原材料混合物においては、前記の摩擦調整用粒状材料および樹脂結合材と共に、増量剤などとして、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、あるいはバーミキユライトやマイカなどの鱗片状無機物等の無機充填材、さらには有機充填材を含有することができる。これらの充填材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、樹脂結合材が充分に行き渡って結合力を維持すると共に、摩擦材の異常摩耗を抑制するなどの観点から、原材料混合物の全量に基づき、通常0〜70質量%程度、好ましくは0〜50質量%である。
当該原材料混合物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、着色剤、硬化剤などを、適宜含有させることができる。
当該原材料混合物の調製方法に特に制限はなく、例えば摩擦調整用粒状材料、樹脂結合材および所望により用いられる各成分を、ヘンシェルミキサーやタンブラーブレンダーなどの通常の混合機を用いてドライブレンドする方法を採用することができる。
本発明において用いられる摩擦材用造粒物は、流動性に優れるものが得られる観点から、前記原材料混合物を、造粒用結合剤の存在下に流動層で造粒されたものであることが好ましい。
[造粒用結合剤]
本発明においては、この造粒用結合剤としては、水溶性ないし水分散性結合剤含有液が好ましく用いられる。
当該結合剤含有液に含まれる水溶性ないし水分散性結合剤としては、水溶性ないし水分散性高分子化合物を好ましく挙げることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、可溶性テンプン、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、摩擦材作製における最終工程の熱処理(200〜300℃程度)において、熱分解するものが好ましく、特にポリビニルアルコールが好適である。
このポリビニルアルコールは、重合度およびけん化度により、水に対する溶解性が異なり、本発明においては部分けん化ポリビニルアルコールが好ましく、特に重合度が500〜3500程度であり、かつけん化度が85〜92%程度のものが好ましい。
当該結合剤含有液は、水溶液状および水系エマルジョン状のいずれであってもよい。また水溶性ないし水分散性結合剤の濃度は、使用する結合剤の種類によって異なるが、ポリビニルアルコールである場合、通常1〜10質量%程度、好ましくは2〜8質量%である
本発明においては、前記のようにして調製した原材料混合物と、水溶性ないし水分散性結合剤含有液を用い、前記原材料混合物を、当該結合剤含有液の存在下に流動層で造粒することにより、摩擦材用造粒物を製造する方法が好ましく採用される。
この造粒に使用する流動層造粒機としては、下部から吹き込まれる気体によって、流動層を形成し得る造粒機であればよく、特に制限されず、従来公知の各種流動層造粒機、例えば通常流動層造粒機、循環流型流動層造粒機、強制循環流型流動層造粒機、噴流層造粒機などいずれも用いることができる。
通常流動層造粒機を用いる場合の具体的造粒法としては、底を整流板とした容器内に、原材料混合物の粉粒体を入れ、該整流板から加温された空気を送り込むことによって、前記粉粒体を流動層状態とし、これに水溶性ないし水分散性結合剤含有液をスプレーノズルから噴霧することによって、粒粒体同士をポーラスな状態で結合させることにより、摩擦材用造粒物を形成させる。
この場合、流動層となっている容器内の温度、容器内の圧力(流動層の状態)、噴霧される結合剤含有液の濃度や量、該結合剤の種類、結合剤含有液の噴霧圧力などを制御することにより、摩擦材用造粒物の気孔率、粒子径などを調整することができる。例えば、気孔率を高くするためには、相対的に、容器内温度を高く、結合剤濃度を高く噴霧量を少なく噴霧圧を高くすればよく、粒子径を大きくするためには、相対的に、容器内温度を低く、結合剤濃度を高く噴霧量を多く噴霧圧を低くすればよい。
本発明においては、摩擦材用造粒物として、以下に示す物性を有するものが用いられる。
[摩擦材用造粒物]
当該摩擦材用造粒物においては、粒径は、流動性の観点から、100〜2,000μmであって、中位径D50は300〜900μm程度である。なお、粒径および中位径の測定方法については、後で説明する。また、JIS R9301−2−2に準拠して測定した安息角は40°以下である。この安息角が40°を超えると流動性が不十分であり、下限は、通常15°程度である。好ましい安息角は20〜40°であり、より好ましくは20〜35°である。このような安息角を有することにより、ハニカムコアのセル内に高充填が可能となる。
また、嵩密度は、通常1.0〜4.0g/mL程度、真密度は、通常2.0〜5.0g/mL程度である。
本発明の摩擦材の製造方法においては、熱成形金型内にて当該摩擦材用造粒物を、前述したハニカムコアのセル内に充填したのち、加熱圧縮成形することにより、熱成形体を作製する。加熱圧縮形成する際の条件としては、通常、温度100〜250℃程度、圧力10〜70MPa程度であり、好ましくは温度140〜190℃、圧力30〜50MPaである。
本発明においては、このようにして得られた熱成形体を、さらに熱処理してもよい。この熱処理により、熱成形体中に含まれている造粒用結合剤を熱分解して除去することで、目的の気孔率、気孔径を有する摩擦材を得ることができる。この熱処理は、通常150〜350℃程度の温度で、0.5〜12時間程度、好ましくは200〜300℃の温度で、0.5〜6時間行われる。
このようにして、ハニカムコアを骨格とすることで、十分な強度を有する摩擦材を製造することができる。
[摩擦材]
本発明の摩擦材は、前述した本発明の方法で得られたことを特徴とする。
本発明はまた、複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる摩擦材用造粒物が充填され、熱成形されてなることを特徴とする摩擦材をも提供する。
本発明の摩擦材においては、前記の摩擦材用造粒物の充填度は、通常60%以上であり、好ましくは60〜65%である。なお、この充填度の測定方法については後で説明する。
また、本発明の摩擦材においては、摩擦材用造粒物は、実質上繊維形状物質を含まないことが好ましい。
本発明の摩擦材は、環境への負荷が懸念される繊維形状物質を用いずにハニカムコアを使用し、かつ高流動性の摩擦材用造粒物を使用することで、この造粒物を該ハニカムコアのセル内に高充填することが可能となり、十分な強度を保持することができると共に、原材料の偏析や分離がなく、品質の優れたものとなる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法に従って測定した。
<摩擦材用造粒物>
(1)粒度分布、中位径(D50
レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、LS13320)により測定した。
(2)安息角
JIS R9301−2−2に準拠して測定した。
(3)嵩密度、真密度
嵩密度は10mlメスシリンダーを用い、定容量法で測定した。真密度は島津製作所製乾式自動密度計(アキュピック1330)により測定した。
<摩擦材>
(4)充填度
以下の式によって求めた。
Figure 2008201923
実施例1
表1に示す種類と量の原材料を、高速攪拌型混合機[深江パウテック社製、機種名「ハイフレックスグラル」]を用いて乾式混合して原材料混合物粉粒体を得た。
次いで、この原材料混合物粉粒体を、通常流動層造粒機[フロイント産業社製、機種名「フローコーター」]に供給し、ポリビニルアルコール[日本合成化学社製、商品名「ゴーセノールGH−17」の10質量%水溶液を噴霧し、造粒することにより、摩擦材用造粒物を得た。
次に、ハニカムコア[新日本コア製、商品名「アルミハニカムAH−60」、セルサイズ8.0mm、厚み10mm]に、前記摩擦材用造粒物を充填したのち、熱成形温度165℃、成形面圧30MPaの条件で20分間熱成形を行い、熱成形体を得た。次いで、この熱成形体を300℃の炉内で3時間熱処理を行いブレーキパッド用摩擦材を得た。諸特性を表2に示す。
比較例1および2
表1に示す種類と量の原材料を、高速攪拌型混合機(前出)を用いて乾式混合して原材料混合物粉粒体を得た。次いで、この原材料混合物粉粒体を、ハニカムコア(前出)に充填したのち、熱成形温度165℃、成形面圧30MPaの条件で20分間熱成形を行い、熱成形体を得た。次いで、この熱成形体を300℃の炉内で3時間熱処理を行い、ブレーキパッド用摩擦材を得た。諸特性を表2に示す。
Figure 2008201923
Figure 2008201923
表2より、実施例品は比較例品に比べて、粒子集合体の安息角が小さく、また真密度に対する嵩密度が大きいため、充填度もそれに付随して大きくなっている。
以上の結果より、本手法は、ハニカムコアに対する粒子集合体の良好な充填度を得ることができる。
本発明の摩擦材の製造方法は、ハニカムコアのセル内に、摩擦材用造粒物を高充填することが可能となり、環境への負荷が懸念されている繊維形状物質を用いなくとも十分な強度を有すると共に、品質の優れる摩擦材を作製することができる。

Claims (9)

  1. 複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる、粒径100〜2000μm、安息角40°以下の摩擦材用造粒物を充填し、熱成形して摩擦材を得ることを特徴とする摩擦材の製造方法。
  2. 熱成形後、さらに熱処理する請求項1に記載の摩擦材の製造方法。
  3. 摩擦材用造粒物が、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を、造粒用結合剤の存在下に流動層で造粒されたものである請求項1または2に記載の摩擦材の製造方法。
  4. ハニカムコアが金属材料で形成されてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の摩擦材の製造方法。
  5. 金属材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金である請求項4に記載の摩擦材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で得られたことを特徴とする摩擦材。
  7. 複数のセルを有するハニカムコアのセル内に、摩擦調整用粒状材料と樹脂結合材とを含む混合物を造粒してなる摩擦材用造粒物が充填され、熱成形されてなることを特徴とする摩擦材。
  8. 摩擦材用造粒物の充填度が60%以上である請求項6または7に記載の摩擦材。
  9. 摩擦材用造粒物が、実質上繊維形状物質を含まない請求項6〜8のいずれか1項に記載の摩擦材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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