JP2016147498A - 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 - Google Patents

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【課題】液体のミストが侵入し難い液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供する。【解決手段】液体を吐出するヘッド本体13と、ヘッド本体13を駆動する駆動信号を伝える(外部コネクタ82などの)配線部とヘッド本体13の、少なくとも前記配線部が繋がっている部分を覆うように設けられており、前記配線部が通る開口90aを備えている筐体90と、筺体90の開口90aの内側にある液体吸収部80とを有する液体吐出ヘッド2であって、液体吸収部80は、液体を吸収する吸収体80aと、前記液体を実質的に吸収しない支持板80bとが張り合わされてあるとともに、吸収体80aが開口90aに面するよう配置されている。【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこでヘッド本体を、マニホールド(共通流路)およびマニホールドから複数の加圧室をそれぞれ介して繋がる吐出孔を有した流路部材と、前記加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有するアクチュエータユニットとを積層して構成したが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。このヘッド本体では、複数の吐出孔にそれぞれ繋がった加圧室がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられたアクチュエータユニットの変位素子を変位させることで、各吐出孔からインクを吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。また、このヘッド本体には筐体が取り付けられて液体吐出ヘッドが構成されており、ヘッド本体を駆動する信号は、筐体に開口した孔を通した信号ケーブルで伝達され、孔は樹脂のふたで塞がれている。
特開2010−522562号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、印刷中に生じる液体のミストなど信号ケーブと蓋、あるいは蓋と筐体の間から筐体内部に入りこみ、その液体により信号配線間などが短絡し、液体吐出ヘッドが動作しなくなることがあるという問題があった
したがって、本発明の目的は、液体のミストが侵入し難い液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド本体と、前記ヘッド本体を駆動する駆動信号を伝える配線部と該ヘッド本体の、少なくとも前記配線部が繋がっている部分を覆うように設けられており、前記配線部が通る開口を備えている筐体と、該筺体の前記開口の内側にある液体吸収部とを有する液体吐出ヘッドであって、前記液体吸収部は、液体を吸収する吸収体と、前記液体を実質的に吸収しない支持板とが張り合わされてあるとともに、前記吸収体が前記開口に面するよう配置されていることを特徴とする。
本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記配線部と電気的に接続されていて、前記ヘッド本体を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドによれば、配線部が通る開口を通じて筺体内に入り込もうとするミストが、吸収体に吸収されるとともに、吸収体に吸収された液体(ミスト)の量が多くなっても、支持板があるので、液体が筺体のさらに内部に入り込んで、配線部とヘッド本体との電気的接合部などでショートなどを起こし難い。
本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータの平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 図1の液体吐出ヘッドの斜視図である。 図6の液体吐出ヘッドのX−X線縦断面図である。 (a)は、図7で示した液体吸収部の平面図であり、(b)は、(a)の液体吸収部の縦断面図であり、(c)は、本発明の他の実施形態に用いられる液体吸収部の平面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、紙などの記録媒体Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、記録媒体Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の記録媒体Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された記録媒体Pのうち、最も上にある記録媒体Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、記録媒体Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された記録媒体Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、記録媒体Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された記録媒体Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、記録媒体Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、記録媒体Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、記録媒体Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端のヘッド本体13とヘッド本体13に取りつけられた筺体90を有している。ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の吐出孔8が設けられている吐出孔面4aとなっている(図5参照)。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2の吐出孔8は一方方向(記録媒体Pと平行で記録媒体P搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体13の下面の吐出孔開口
平面4aと搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された記録媒体Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体13から記録媒体Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、記録媒体Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された記録媒体Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、記録媒体Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、記録媒体Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの記録媒体Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、記録媒体Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の記録媒体Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、記録媒体Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
図6は液体吐出ヘッド2の斜視図であり、図7は、図6に示した液体吐出ヘッド2のX−X線断面図である。ヘッド本体13には、流路部材4および圧電アクチュエータ基板21が含まれる。図7では流路部材4などの流路の内部構造は省略してある。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体13、筺体90、液体吸収体80および配線部を含んでいる。配線部は、ヘッド本体13を駆動する駆動信号を外部から供給する部分の総称であり、内部コネクタ82、配線基板84などが含まれる。筺体90は、金属製で、形状は直方体状であり、ヘッド本体13と配線部とが繋がっている部分を覆っている。筺体90には、配線部が通る開口90aが開いており、開口90aの内側に液体吸収体80が配置されている。液体吸収体80は、ミストが開口90aと配線部との間から筐体90内に入って、配線部の一部や配線部とヘッド本体13とが接続される部分などでショートを起こすことなどを抑制する。ミストは、ヘッド本体13、あるいは他の液体吐出ヘッドが吐出した液体の一部が空中を漂うようになったものや、その他の要因で環境に漂っている液体である。
液体吐出ヘッド2は、さらに、リザーバ流路が設けられているリザーバ40を備えていてもよい。リザーバ流路は、外部からリザーバ流路の開口41bを通って供給される液体を、ヘッド本体13に供給する。リザーバ流路の内壁の一部は弾性変形可能な材質のダンパになっている。ダンパのリザーバ流路と反対の面が面する方向に変形できるようになっているため、ダンパは弾性変形することでリザーバ流路の体積を変化させることができ、液体吐出量が急激に変わった場合などに、安定して液体が供給できるようになる。また、リザーバ流路の中にフィルタを設けて、液体の中に含まれる異物が吐出ヘッド2に入って行き難いようにするのが好ましく、異物が詰まることによって起こる不吐出を抑制できる。
また、リザーバ40には、断熱性部材98が付けられた弾性板96と、ヘッド本体13から液体を吐出させる駆動信号を処理する配線基板84を固定するためのガイドフレーム
88とが固定されている。制御部100から信号ケーブル(不図示)を介して送られてきた駆動信号は、外部コネクタ82、配線基板84、内部コネクタ86、信号伝達部92および信号伝達部92に実装されたドライバIC55を通り、圧電アクチュエータ基板21の変位素子50を駆動し、流路部材4内部の液体を加圧することにより、液滴が吐出される。なお、配線基板84は、例えば、駆動信号を複数の圧電アクチュエータ基板21に分けたり、駆動信号の整流など行なう。信号伝達部92は可撓性を有する帯状のもので、内部に金属の配線を有している。配線の一部は、信号伝達部92の表面に露出しており、露出した配線により、内部コネクタ86、ドライバIC55および圧電アクチュエータ基板21と電気的に接続される。信号伝達部92は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)である。
さらに、リザーバ40には、流路部材4との間で、圧電アクチュエータ基板21が配置される凹部62が設けられている。
ドライバIC55は、駆動信号の処理を行なう際に発熱する。ドライバIC55は弾性板96をたわませることで金属製の筺体90に押し当てられているため、発生した熱は主に筺体90に伝わり、さらに筺体90全体に速く広がり、外部に放熱されていく。断熱性部材98は、リザーバ流路部材に熱が伝わり難くしている。断熱性部材98も弾性のあるものにしておいて、ドライバIC55を金属製の筺体90に押し当てる助けをさせてもよい。
次に液体吐出ヘッド2を構成する流路部材4について説明する。図2は、ヘッド本体13のうち流路部材4および圧電アクチュエータ21を示す平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図であり、ヘッド本体13の一部である。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図である。図3および4では、図面を分かりやすくするために、一部の流路を省略して描いている。また、図3および図4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき加圧室10(加圧室群9)、しぼり12および吐出孔8などを実線で描いている。図5は図3のV−V線に沿った縦断面図である。
ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に、加圧部である変位素子50を含む圧電アクチュエータ基板21とを有している。圧電アクチュエータ基板21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータ基板21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータ基板21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータ基板21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部にはマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータ基板21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分の
マニホールド5を副マニホールド5aということがあり、開口5bから副マニホールド5aまでのマニホールド5を液体供給路5cということがある)。開口5bに繋がる液体供給路5cは、圧電アクチュエータ基板21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータ基板21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータ基板21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に互いに隣接してヘッド本体13の長手方向に延在している。すなわち、副マニホールド5aの両端は、液体供給路5cに繋がっている。
流路部材4は、複数の加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの加圧室群9を有している。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの加圧室10によって形成された各加圧室群9は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接着されることで閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各加圧室列に含まれる加圧室10の数は、加圧部である変位素子50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの吐出孔8、つまり全部で16個の吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されている。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には後述する個別電極35がそれぞれ形成されている。個別電極35は加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有しており、圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
流路部材4の下面の液体吐出面には多数の吐出孔8が形成されている。これらの吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。
また、これらの吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子50を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体13は、図5に示されているように、加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介して副マニホールド5aと吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。
第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8へと進む。
分岐流路部材60も、流路部材4と同様には圧延法等により得られプレート60a〜60cに、エッチングにより所定の形状に加工されて、フィルタ45およびダンパ47を貼り付けた後、積層接着され、液体流路61および圧電アクチュエータが収納される凹部63が設けられる。
圧電アクチュエータ基板21は、図5に示されるように、2枚の圧電セラミック層21
a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21全体の厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34およびとAu系などの金属材料からなる個別電極35を有している。個別電極35は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている。個別電極35の一端は、加圧室10と対向する領域外に引き出されて接続電極36が形成されている。この接続電極36は例えばガラスフリットを含む銀−パラジウムからなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極36は、信号伝達部92に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100から信号伝達部92を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極34は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極34は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内の全ての加圧室10を覆うように延在している。共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34は図示しない領域において接地され、グランド電位に保持されている。本実施形態では、圧電セラミック層21b上において、個別電極35からなる電極群を避ける位置に個別電極35とは異なる表面電極(不図示)が形成されている。表面電極は、圧電セラミック層21bの内部に形成されたスルーホールを介して共通電極34と電気的に接続されているとともに、多数の個別電極35と同様に、信号伝達部92上の別の電極と接続されている。
図5に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータ基板21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータ基板21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする圧電アクチュエータである変位素子50が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には加圧部である変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pl(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極35は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部92および配線を介して、個別に制御部100に電気的に接続されている。
本実施形態における圧電アクチュエータ基板21においては、個別電極35を共通電極
34と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この時圧電セラミック層21bは、その厚み方向すなわち積層方向に伸長または収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮または伸長しようとする。一方、残りの圧電セラミック層21aは、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域を持たない非活性層であるので、自発的に変形しない。つまり、圧電アクチュエータ基板21は、上側(つまり、加圧室10とは離れた側)の圧電セラミック層21bを、活性部を含む層とし、かつ下側(つまり、加圧室10に近い側)の圧電セラミック層21aを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部100により個別電極35を共通電極34に対して正または負の所定電位とすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、予め個別電極35を共通電極34より高い電位とする第1の電圧V1V(ボルト、以下で省略することがある)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34とを一旦、第1の電圧V1よりも低い第2の電圧を加えて低電位、例えば同じ電位にし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、加圧室10内において圧力波がマニホールド5から吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによ
ると、加圧室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり好ましい。
このような液体吐出ヘッド2で印刷を行なっていうと、吐出した液滴の一部が微小なミストとなり空気中を漂うにようになる。ミストは他の液体吐出ヘッドや他の要因で発生するものもあるが、いずれにしても筐体90内に入って、配線部のうちの電極が露出している部分に付着するとショートなどを起こすおそれがある。ミストが、配線部と筐体の開口90aの間から筐体90内へ入り込ことが考えられる。この部分を樹脂などで封止することも考えられるが、複雑な形状のものに樹脂を付けることになるので、手間がかかるし、
封止する際に、樹脂そのものが内部に入り込んで悪影響をおよぼすおそれがある。また、封止してしまうと、故障が起きた際に、分解して原因を特定したり、修理するのも困難になる。
そこで、本発明の液体吐出ヘッド2では、筺体90の内部に、筺体の開口90aに面するように液体吸収部80を配置する。液体吸収部80は、筺体90や配線基板84などに接着したり、接合してもよいが、単に、筺体90と配線基板84との間に挟むように置いたり、筺体90の内寸とほぼ同じ大きさにすることで、筺体90と接触して、筺体90とずれないようにすれば、液体吐出ヘッド2を組み立てる工数を少なくすることができる。
液体吸収部80は、吸収部80aと支持板80bとが張り合わせられたものであり、吸収部80aの方が開口90aに面するように配置される。吸収部80aは、樹脂などで作られたスポンジ状のもので、液体を吸収する。支持板80bは、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂などで作らており、液体を実質的に吸収しない。ここで実質的に吸収しないとは、支持板80bの一方の面から他方の面に液体が透過しないことを指し、表面の一部が液体を吸収してもよい。吸収部80aおよび支持板80bが絶縁性であれば、液体が筐体90内の配線部に付いてしまった場合であっても、吸収部80aおよび支持板80bを通してショートし難くなるので好ましい。
吸収体80aは筐体90の面と間に隙間が生じ難いように平板状であるのが好ましいが、他の形状でもよい。吸収体80aと支持板80bとの貼り合わせは、両面テープや、接着剤などで行なえばよい。
吸収体80aは、液体を吸収するが、保持し続けられると限らないが、支持板80bがあることで、吸収体80aに液体が保持され易くなり筐体90の内部に液体を侵入させ難くすることができる。このようにすることは、開口90bが液体吐出ヘッド2の上面にあり、その下方向に配線部がある場合、特に有用である。吸収体80aは気孔率が低いと液体をあまり吸収できず、気孔率が高いと、液体を吸収できるものの、保持し続けるのが難しい。そのため、このような構造は、気孔率が80%以上の吸収体80aを用いる際に特に有用である。また、液体吸収部280として、図8(c)に示すように吸収体208aと支持板280bとが交互に複数積層されたものを用いてもよい。このようにすれば、支持板280bの間の吸収体280aに、液体が保持され易くできる。
開口90aから筐体90内に入った配線部は、筺体90と液体吸収部80の吸収体80aとの間に配置されるか、図8(a)、(b)に示すように液体吸収部80の吸収体80に開けられた孔80a−1および支持板80bに開けられた孔80b−1を通るようにされる。液体吸収部80を通る部分の配線部はケーブルなどでもよいがコネクタ(外部コネクタ82)にすれば、液体吸収部80を通る部分の寸法・形状が定まるので、液体吸収部80の形状をミストが浸入し難い形状にすることができる。また、液体吐出ヘッド2をプリンタに取りつける際の作業もし易くできる。
液体吸収部80を通る部分の配線部が、外部コネクタ82の場合、吸収体80aが変形可能なものして、吸収体の孔80a−1の大きさを、外部コネクタ82の断面とほぼ同じか、それよりも小さくしておくこと、外部コネクタ82と体吸収体の孔80a−1との間に隙間ができ難くなり、液体を侵入させ難くできる。ここでほぼ同じするとは、隙間がほぼなくなる大きさにするという意味である。また、液体を侵入させ難くするためには、吸収体の孔80a−1の大きさを、外部コネクタ82の断面よりも小さくすることが好ましい。また、そのようにすれば、液体吐出ヘッド2を組み立てる際のばらつきで、吸収体の孔80a−1と外部コネクタ82との位置が多少ずれていても、その間に隙間を生じさせ難くできる。またその際、吸収体の孔80a−1は、開口90aから離れるのにしたがっ
て大きさが小さくなるようにすると、液体がさらに侵入し難くなる。
なお、吸収体80aを変形可能にするのは、柔らかい樹脂で作製してもよいし、多少方樹脂であっても、気孔率が高ければ変形可能になる。さらに、支持板80bも変形可能(ここで変形可能とは支持板80bを撓ませるように変形可能ということではなく、支持板の孔80b−1の大きさが変わるように変形可能ということである)にして、同様にして、支持板の孔80b−1と外部コネクタ82との間に隙間が生じ難くしてもよい。また、支持板80bが変形可能でない場合も、支持板の孔80b−1の大きさを、外部コネクタ82が通るのに支障がない程度に、外部コネクタ82の大きさに近づけたて、吸収体80aに保持されている液体が筐体90内部に伝わり難いようにするのが好ましい。
また、吸収体80aが弾性変形可能であれば、変形が戻ろうとする力を利用して、外部コネクタ82に対して、液体吸収部80が保持されるようにしたり、筺体80の内壁に対して、液体吸収部80が保持されるようにすることもできる。
外部コネクタ82の液体吸収部80を通る部分の断面が、内角が2直角未満の角部を有する形状であり場合に、その角部に吸収体80aに切れ込み80a−2を付けておくのが好ましい。このようにすれば、吸収体の孔80a−1と外部コネクタ82の間に隙間がより生じ難くできる。また、吸収体の孔80a−1の小さすぎると孔80a−1の一部が切れてミストの侵入経路となるおそれもあるが、このようにすれば、孔80a−1の一部が切れることも抑制できる。なお、切れ込み80a−2は吸収体80あの厚さ方向に沿って、厚さ全体に設けられている。
図8(a)は、本発明の他の実施形態の液体吐出ヘッド2に用いられる液体吸収部280の縦断面図である。液体吸収部280は、吸収体280aと支持板280bとが複数(図では2つずつ)積層されている。液体吸収部280は、図8(c)の上側が開口90aに面するように配置される。このような場合、開口90aから離れた吸収体280aの方の孔280a−1を小さくすることで、ミストの侵入をより抑制できる。また、各吸収体280aにおいても、開口90aから離れた側の孔280a−1が小さくなるようにすることで、ミストの侵入をより抑制できる。この場合、孔280a−1の大きさは、図示したように連続的にちいさくなってもよいし、段階的に小さくなってもよい。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
4a・・・吐出孔面
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・マニホールドの開口(液体導入孔)
5c・・・液体供給路
6・・・個別供給流路
8・・・吐出孔
9・・・加圧室群
10・・・加圧室
11a、b、c、d・・・加圧室列
12・・・しぼり
13・・・ヘッド本体
15a、b、c、d・・・吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極
35・・・個別電極
36・・・接続電極
40・・・リザーバ
41b・・・リザーバ流路の液体導入孔
50・・・変位素子(加圧部)
55・・・ドライバIC
63・・・(圧電アクチュエータ基板が収納される)凹部
80、280・・・液体吸収部
80a、280a・・・吸収体
80a−1、280a−1・・・吸収体の孔
80a−2・・・吸収体の切れ込み
80b、280b・・・支持板
80b−1、280b−1・・・支持板の孔
82・・・外部コネクタ
84・・・配線基板
86・・・内部コネクタ
88・・・ガイドフレーム
90・・・筐体
90a・・・(筐体の)開口
92・・・信号伝達部
95・・・コネクタ
96・・・弾性板
98・・・断熱性部材
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド本体と、前記ヘッド本体を駆動する駆動信号を伝える配線部と該ヘッド本体の、少なくとも一部を覆うように設けられており、前記配線部が通る配線通過部を備えている筐体と、液体吸収部とを有する液体吐出ヘッドであって、前記液体吸収部は、液体を吸収する吸収体と、該吸収体に設けられており、該吸収体よりも前記液体を吸収しない支持板とを含むとともに、前記吸収体が前記配線通過部に沿って配置されていることを特徴とする。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの吐出孔8、つまり全部で16個の吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されている。
また、階調印刷においては、吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり好ましい。
吸収体80aは、液体を吸収するが、保持し続けられると限らない。しかし、支持板80bがあることで、吸収体80aに液体が保持され易くなり筐体90の内部に液体を侵入させ難くすることができる。このようにすることは、開口90bが液体吐出ヘッド2の上面にあり、その下方向に配線部がある場合、特に有用である。吸収体80aは気孔率が低いと液体をあまり吸収できず、気孔率が高いと、液体を吸収できるものの、保持し続けるのが難しい。そのため、このような構造は、気孔率が80%以上の吸収体80aを用いる際に特に有用である。また、液体吸収部280として、図8(c)に示すように吸収体208aと支持板280bとが交互に複数積層されたものを用いてもよい。このようにすれば、支持板280bの間の吸収体280aに、液体が保持され易くできる。
液体吸収部80を通る部分の配線部が、外部コネクタ82の場合、吸収体80aが変形可能なものして、吸収体の孔80a−1の大きさを、外部コネクタ82の断面とほぼ同じか、それよりも小さくしておけば、外部コネクタ82と体吸収体の孔80a−1との間に隙間ができ難くなり、液体を侵入させ難くできる。ここでほぼ同じするとは、隙間がほぼなくなる大きさにするという意味である。また、液体を侵入させ難くするためには、吸収体の孔80a−1の大きさを、外部コネクタ82の断面よりも小さくすることが好ましい。また、そのようにすれば、液体吐出ヘッド2を組み立てる際のばらつきで、吸収体の孔80a−1と外部コネクタ82との位置が多少ずれていても、その間に隙間を生じさせ難くできる。またその際、吸収体の孔80a−1は、開口90aから離れるのにしたがって大きさが小さくなるようにすると、液体がさらに侵入し難くなる。
なお、吸収体80aを変形可能にするのは、柔らかい樹脂で作製してもよいし、多少硬い樹脂であっても、気孔率が高ければ変形可能になる。さらに、支持板80bも変形可能(ここで変形可能とは支持板80bを撓ませるように変形可能ということではなく、支持板の孔80b−1の大きさが変わるように変形可能ということである)にして、同様にして、支持板の孔80b−1と外部コネクタ82との間に隙間が生じ難くしてもよい。また、支持板80bが変形可能でない場合も、支持板の孔80b−1の大きさを、外部コネクタ82が通るのに支障がない程度に、外部コネクタ82の大きさに近づけたて、吸収体80aに保持されている液体が筐体90内部に伝わり難いようにするのが好ましい。

Claims (8)

  1. 液体を吐出するヘッド本体と、
    該ヘッド本体を駆動する駆動信号を伝える配線部と
    前記ヘッド本体の、少なくとも前記配線部が繋がっている部分を覆うように設けられており、前記配線部が通る開口を備えている筐体と、
    該筺体の前記開口の内側にある液体吸収部と
    を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記液体吸収部は、液体を吸収する吸収体と、前記液体を実質的に吸収しない支持板とが張り合わされてあるとともに、前記吸収体が前記開口に面するよう配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記吸収体の気孔率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記液体吸収部は、前記吸収体と、前記支持板とを交互に複数積層して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記配線部の、前記開口を通る部分がコネクタであり、
    前記液体吸収部の前記吸収体および前記支持板には前記コネクタが通る孔を備えており、前記吸収体が変形可能であるとともに、前記吸収体の前記孔は、前記コネクタと略同じ大きさか、前記コネクタより小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記コネクタの、前記吸収体の前記孔を通る部分の断面は、内角が2直角未満の角部を有する形状であり、前記角部の前記吸収体に、前記孔の開口と略直交する切れ込みを有することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記液体吸収部は、前記吸収体と前記支持板とを交互に複数積層して構成されているとともに、前記筐体の前記開口からの距離が大きい前記吸収体の方が、前記孔が小さいことを特徴とする請求項4または5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記吸収体および前記支持板が絶縁性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記配線部と電気的に接続されていて、前記ヘッド本体を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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