JP2016146869A - 生分解性ステント - Google Patents

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Abstract

【課題】縮径した状態から拡径した状態への復元力の高い生分解性ステントを提供すること。
【解決手段】複数本の生分解性繊維20によって円筒状に編組みされ、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能なステント本体2と、ステント本体2の端部において、複数本の生分解性繊維20がステント本体2の軸方向外側に向かって延出する延出部3と、延出部3の先端側において、複数本の生分解性繊維20の端部を接続すると共にループ部5を形成する弾性接続部材4と、を備える生分解性ステント1。
【選択図】図1A

Description

本発明は、生分解性ステントに関する。
従来、血管や消化管等の生体管路の狭窄性疾患(腫瘍や炎症等)において、狭窄部にステントを留置して、狭窄部を拡張する治療が行われている。ステントとしては、例えば金属製や合成樹脂製のステントが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの中でも、金属製のステントは体内から抜去する際に外科手術を必要とするので、患者に多大な負担がかかる。そのため、金属製のステントは、半永久的な留置や外科手術が計画されている悪性腫瘍等の症例に対して使用する場合に用途が限定される。こうした背景から、金属製ステントが使用できない症例に対して使用するステントとして、生分解性ステントが提案されている。
生分解性ステントは、生分解性の繊維を編むことで円筒状に形成され、血管や消化管内で時間の経過と共に分解されるので、ステントの体内からの抜去が不要である。生分解性ステントは、特に良性の狭窄性疾患に対して用いることで、患者への負担を軽減することが期待されている。
特開平09−173469号公報 特開2007−500065号公報 特開2007−536996号公報
ところで、ステントは、一般的に、ステントデリバリーシステムを用いて縮径された状態で狭窄部に接近させてから拡径させて、狭窄部に留置する。
しかし、生分解性ステントは、一度縮径させるとステントの末端の繊維に折り癖がついてしまうこと等によって、拡径された状態への復元力が弱くなってしまう場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、縮径した状態から拡径した状態への復元力の高い生分解性ステントを提供することを目的とする。
本発明は、複数本の生分解性繊維によって円筒状に編組みされ、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能なステント本体と、前記ステント本体の端部において、複数本の前記生分解性繊維が前記ステント本体の軸方向外側に向かって延出する延出部と、前記延出部の先端側において、複数本の前記生分解性繊維の端部を接続すると共にループ部を形成する弾性接続部材と、を備える生分解性ステントに関する。
また、前記弾性接続部材は、中空部を有する管状に形成され、前記生分解性繊維の端部は、前記弾性接続部材の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材の長手方向の中央部には、前記中空部に前記生分解性繊維が挿入されていない空洞部が形成されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材は、金属線が螺旋状に巻かれて形成された金属コイルにより構成されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材は、弾性を有するゴム管又は樹脂管により構成されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材は、長手方向の両端から中央部に向かって延びて形成される一対の孔部を有する棒状に形成され、前記生分解性繊維の端部は、前記弾性接続部材の前記孔部に挿入されて該弾性接続部材に固定されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材は、長手方向の両端側に配置され且つ中空部を有する管状に形成される一対の管状部と、長手方向の中央に配置され且つ前記一対の管状部同士を接続する、弾性を有するゴム又は樹脂により構成される弾性部と、備え、前記生分解性繊維の端部は、前記管状部の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定されることが好ましい。
また、前記弾性接続部材は、長手方向の両端側に配置され且つ中空部を有する管状に形成される一対の管状部と、長手方向の中央に配置され且つ前記一対の管状部同士を接続するコイル部と、備え、前記生分解性繊維の端部は、前記管状部の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定されることが好ましい。
また、拡径した状態において、前記ループ部における生分解性ステントの径は、前記ステント本体における生分解性ステントの径よりも大きいことが好ましい。
本発明によれば、縮径した状態から拡径した状態への復元力の高い生分解性ステントを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る生分解性ステントを示す斜視図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図であり、図1Bの端面図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントの縮径した状態を示す斜視図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントの、縮径した状態におけるループ部周辺の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図であり、図3Aの端面図である。 本発明の第3実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図であり、図4Aの端面図である。 本発明の第4実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図であり、図5Aの端面図である。 本発明の第5実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図である。 上記実施形態に係る生分解性ステントのループ部周辺の拡大図であり、図6Aの端面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る生分解性ステント1を示す斜視図である。生分解性ステント1は、図1Aに示すように、ステント本体2と、延出部3と、複数のループ部5と、を備える。なお、ステント本体2及び延出部3は、複数本の生分解性繊維20によって形成される。また、複数のループ部5は、それぞれが1つの弾性接続部材4によって形成される。つまり、生分解性ステント1は複数の弾性接続部材4を備える。
ステント本体2は、複数本の生分解性繊維20によって円筒状に編組みされ、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能である。より詳しくは、本実施形態に係るステント本体2は、複数本の生分解性繊維20で網目状に編み込まれ、外周に生分解性繊維20によって形成され且つ規則正しく配列される菱形の空孔を多数有する。ステント本体2を形成する生分解性繊維の本数は、本実施形態においては24本であるが特に限定されない。生分解性繊維の本数は、好ましくは16〜24本である。ステント本体2の大きさは特に限定されないが、例えば、拡径した状態において、直径が5〜40mmであり、長さが30〜150mmである。
生分解性繊維20としては、生分解性の繊維であれば特に限定されない。生分解性繊維20としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ―バレロラクトン、グリコール酸、トリメチレンカーボネート、パラジオキサノン等のモノマーから合成されるホモポリマー、コポリマー、及びそれらのブレンドポリマーが挙げられる。特に、ポリ−L−乳酸(PLLA)又は乳酸−カプロラクトン共重合体(P(LA/CL))、若しくはこれらのブレンドポリマーからなる繊維を用いることが好ましい。
生分解性繊維20は、モノフィラメント糸であってもよいし、マルチフィラメント糸であってもよい。また、生分解性繊維20は、撚りをかけていてもよいし、かけていなくてもよい。生体内の狭窄部においてステント本体2の径方向外側から加わる圧力に対する反発力を強くする観点から、生分解性繊維20はモノフィラメント糸であることが好ましい。
生分解性繊維20の直径は、0.05〜0.7mmであることが好ましい。生分解性繊維20の直径が0.05mm未満であると、生分解性ステント1の強度が低下する傾向にある。生分解性繊維20の直径が0.7mmを超えると、縮径した状態における径が大きくなることで、デリバリーシステム等の細管状の部材に生分解性ステント1を収納し難くなる傾向にある。生分解性繊維20の直径の上限は、内径が細いデリバリーシステムに収納する観点から、0.3mmであることが更に好ましい。生分解性繊維20の直径の下限は、高い強度を維持する観点から、0.2mmであることがより好ましい。
延出部3は、ステント本体2の端部において、複数本の生分解性繊維20がステント本体2の軸方向外側に向かって延出して形成される。具体的には、延出部3は、ステント本体2を構成する複数本の生分解性繊維20の両端側が、ステント本体2の軸方向外側に軸から離隔しつつ延びることで形成される。
ループ部5は、延出部3の先端側に形成される。
弾性接続部材4は、図1Aに示すように、延出部3の先端側において、隣り合う2本の生分解性繊維20の端部を接続する。形成されるループ部5の数は、特に限定されないが、ステント本体2及び延出部3を形成する生分解性繊維20の数に応じて決まる。具体的には、本実施形態に係る生分解性ステント1においては、ステント本体2を形成する生分解性繊維20の数が24本であるので、両端にそれぞれ12箇所のループ部5が形成される。
生分解性ステント1を拡径した状態において、ループ部5における生分解性ステント1の径は、ステント本体2における生分解性ステント1の径よりも大きい。つまり、拡径した状態における生分解性ステント1の両端側は、フレア形状である。
図1Bは、生分解性ステント1のループ部5周辺の拡大図である。図1Cは、図1Bの生分解性ステント1を弾性接続部材4の延びる方向に沿って切断した端面図である。
弾性接続部材4は、図1Cに示すように、中空部40を有する管状に形成される。より具体的には、弾性接続部材4は、金属線が螺旋状に巻かれて形成された金属コイルにより構成される。弾性接続部材4を構成する金属コイルの材質は、金属であれば特に限定されない。弾性接続部材4を構成する金属コイルの材質としては、SUS、金、プラチナ、ニッケル―チタン合金等を例示することができる。これらの金属の中でも、強度やコストの観点からSUSからなる金属コイルによって弾性接続部材4を構成することが好ましい。
また、金属コイルを形成する金属線の形状についても特に限定されない。金属線は、円柱状であってもよいし、平板状であってもよい。金属線の径についても特に限定はないが、生分解性ステント1のデリバリーシステムへの収納性を考慮して細径であることが好ましい。
弾性接続部材4の長手方向の長さは、特に限定されないが5〜15mmであることが好ましい。弾性接続部材4の長さが、5mm未満の場合には、生分解性繊維20の端部同士を接続させるのが難しくなる傾向にあり、15mmを超える場合には生分解性ステント1の復元力が低下する傾向にある。
生分解性繊維20の端部は、図1Cに示すように、弾性接続部材4の中空部40に挿入されて弾性接続部材4に固定される。生分解性繊維20の端部は、接着剤によって弾性接続部材4に固定される。
生分解性繊維20の弾性接続部材4に挿入される長さL1は、1〜7mmであることが好ましい。長さL1が、1mm未満であると生分解性繊維20が弾性接続部材4に固定される強度が低下する傾向にあり、7mmを超えると後述する空洞部41を形成し難くなる傾向にある。
弾性接続部材4の長手方向の中央部には、中空部40に生分解性繊維20が挿入されていない空洞部41が形成される。弾性接続部材4は、空洞部41が形成された位置において屈曲する。なお、弾性接続部材4の長手方向における空洞部41の長さは、特に限定されない。空洞部41の長さは、弾性接続部材4を構成する金属コイルが捻じれてしまわない程度の長さに設定される。
なお、生分解性ステント1は、金属コイルによって構成される弾性接続部材4が生体内で分解されないことから、消化管用のステントであることが好ましい。生分解性ステント1を消化管に適用した場合、分解されずに残存した弾性接続部材4は生体外に排出される。
続いて、図2A及び図2Bも参照しながら、生分解性ステント1の動作について説明する。図2Aは、生分解性ステント1の縮径した状態を示す斜視図である。図2Bは、生分解性ステント1の縮径した状態におけるループ部5周辺の拡大図である。
生分解性ステント1(ステント本体2)は、図2Aに示すように、縮径した状態において、拡径した状態よりも細長い円筒形状に形成される。生分解性ステント1は、縮径した状態でデリバリーシステムに収納される。
弾性接続部材4は、図2Bに示すように、ステント本体2が縮径することによって、生分解性ステント1が拡径した状態における弾性接続部材4よりも強く折り曲げられる。つまり、ステント本体2が縮径することによって、弾性接続部材4によって接続される2本の生分解性繊維20によって形成される角は小さくなる。
ステント本体2が縮径した状態において、弾性接続部材4は図2Bの矢印Aで示した方向(弾性接続部材4によって接続される2本の生分解性繊維20によって形成される角が大きくなる方向)への復元力が働く。
生分解性ステント1は、ステントデリバリーシステムに収納されて縮径された状態で体内の狭窄部に接近させられる。そして、生分解性ステント1(ステント本体2)は、縮径した状態で狭窄部に配置され、弾性接続部材4の図2Bの矢印Aで示した方向への復元力によって拡径する(図1A)。
なお、生分解性ステント1の製造方法は特に限定されない。生分解性ステント1は、例えば、ステント本体2の端部において隣り合う2本の生分解性繊維20の端部を、弾性接続部材4によって接続すると共にループ部5を形成すことで得られる。
上記の第1実施形態に係る生分解性ステント1によれば、以下の効果が奏される。
(1)上記実施形態では、生分解性ステント1が、生分解性繊維20によって円筒状に編組みされたステント本体2と、ステント本体2の端部において、複数本の生分解性繊維20がステント本体2の軸方向外側に向かって延出する延出部3と、延出部3の先端側において、2本の生分解性繊維20の端部を接続すると共にループ部5を形成する弾性接続部材4と、を備えるものとした。
これにより、生分解性ステント1を縮径してステントデリバリーシステムに収納した際に、弾性接続部材4によって形成されているループ部5には折り癖がつかない。また、体内の狭窄部に配置された後には、生分解性ステント1(ステント本体2)は弾性接続部材4の復元力によって円滑に拡径する。従って、本実施形態によれば、縮径した状態から拡径した状態への復元力の高い生分解性ステントを提供できる。
(2)上記実施形態では、弾性接続部材4を、中空部40を有する管状に形成し、生分解性繊維20の端部を、弾性接続部材4の中空部40に挿入して弾性接続部材4に固定した。
これにより、2本の生分解性繊維20の端部を、容易に弾性接続部材4によって接続することができる。
(3)上記実施形態では、弾性接続部材4の長手方向の中央部に、中空部40に生分解性繊維20が挿入されていない空洞部41を形成した。
これにより、弾性接続部材4は、空洞部41が形成された位置において屈曲する。弾性接続部材4が空洞部41の形成された位置において屈曲することで、ステント本体2が縮径した状態において、弾性接続部材4の復元力が生分解性繊維20によって阻害されない。従って、縮径した状態から拡径した状態への復元力がより高い生分解性ステント1を提供できる。
(4)上記実施形態では、弾性接続部材4を、金属線が螺旋状に巻かれて形成された金属コイルにより構成した。
これにより、縮径した状態から拡径した状態への復元力がより高い生分解性ステント1を提供できる。
(5)上記実施形態では、生分解性ステント1が拡径した状態において、ループ部5における径を、ステント本体2における径よりも大きくした。
これにより、体内の狭窄部に生分解性ステント1が配置された際に、ループ部5が狭窄部に引っ掛かるので、生分解性ステント1が狭窄部からずれてしまうのを防ぐことができる。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態に係る生分解性ステント1Aについて説明する。生分解性ステント1Aについては、生分解性ステント1と同じ構成については生分解性ステント1と同様の符号を付して説明を省略し、生分解性ステント1と異なる構成についてのみ詳細に説明する。生分解性ステント1Aは、弾性接続部材4Aの構成のみ生分解性ステント1と異なる。
図3Aは、生分解性ステント1Aのループ部5A周辺の拡大図である。図3Bは、図3Aの生分解性ステント1Aを弾性接続部材4Aの延びる方向に沿って切断した端面図である。
前記弾性接続部材4Aは、弾性を有するゴム管により構成され、中空部40Aを有する。ゴム管の素材は、ゴムであれば特に限定されないが、スチレン−ブタジエンゴムやイソプレンゴム等の合成ゴムや天然ゴムを挙げることができる。
生分解性繊維20Aの端部は、図3Aに示すように、弾性接続部材4Aの中空部40Aに挿入されて弾性接続部材4Aに固定される。生分解性繊維20Aの端部は、例えば接着剤によって弾性接続部材4に固定される。生分解性繊維20Aの弾性接続部材4Aに挿入される長さL2は、生分解性ステント1における長さL1と同等である。
弾性接続部材4Aの長手方向の中央部には、中空部40Aに生分解性繊維20Aが挿入されていない空洞部41Aが形成される。弾性接続部材4Aは、空洞部41Aが形成された位置において屈曲する。
第2実施形態に係る生分解性ステント1Aによれば、上記の効果(1)〜(3)及び(5)と併せて以下の効果が奏される。
(6)上記実施形態では、弾性接続部材4Aを、ゴム管により構成した。
これにより、縮径した状態から拡径した状態への復元力が高い生分解性ステント1を、低コストで提供することができる。
<第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態に係る生分解性ステント1Bについて説明する。生分解性ステント1Bについても、生分解性ステント1と同じ構成については生分解性ステント1と同様の符号を付して説明を省略し、生分解性ステント1と異なる構成についてのみ詳細に説明する。生分解性ステント1Bも、弾性接続部材4Bの構成のみ生分解性ステント1と異なる。
図4Aは、生分解性ステント1Bのループ部5B周辺の拡大図である。図4Bは、図4Aの生分解性ステント1Bを弾性接続部材4Bの延びる方向に沿って切断した端面図である。
弾性接続部材4Bは、長手方向の両端から中央部に向かって延びて形成される一対の孔部40B,40Bを有する棒状に形成される。弾性接続部材4Bは、弾性を有するゴムにより構成される。弾性接続部材4Bの屈曲する部分の内部には、中空部は形成されない。
生分解性繊維20Bの端部は、弾性接続部材4Bの孔部40Bに挿入されて弾性接続部材4Bに固定される。生分解性繊維20Bの孔部40Bに挿入される長さL3(孔部40Bの深さ)は、生分解性ステント1における長さL1と同等である。
第3実施形態に係る生分解性ステント1Bによれば、上記の効果(1)及び(5)と併せて以下の効果が奏される。
(7)上記実施形態では、弾性接続部材4Bを、長手方向の両端から中央部に向かって延びて形成される一対の孔部40B,40Bを有する棒状に形成した。
弾性接続部材4Bは、屈曲する部分の内部に中空部が形成されないので耐久性が高い。従って、生分解性ステント1Bは、縮径した状態から拡径した状態への復元力が高く、耐久性も高い。
<第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態に係る生分解性ステント1Cについて説明する。生分解性ステント1Cについても、生分解性ステント1と同じ構成については生分解性ステント1と同様の符号を付して説明を省略し、生分解性ステント1と異なる構成についてのみ詳細に説明する。生分解性ステント1Cも、弾性接続部材4Cの構成のみ生分解性ステント1と異なる。
図5Aは、生分解性ステント1Cのループ部5C周辺の拡大図である。図5Bは、図5Aの生分解性ステント1Cを弾性接続部材4Cの延びる方向に沿って切断した端面図である。
弾性接続部材4Cは、一対の管状部42C,42Cと、弾性部43Cと、を備える。一対の管状部42C,42Cは、弾性接続部材4Cの長手方向の両端側に配置され且つ中空部40Cを有する管状に形成される。管状部42Cは、金属製の管状部材により構成される。弾性部43Cは、弾性接続部材4Cの長手方向の中央に配置され且つ一対の管状部42C,42C同士を接続する。弾性部43Cは、弾性を有する棒状のゴムにより構成される。弾性部43Cの屈曲する部分の内部には、中空部は形成されない。弾性部43Cの素材は、ゴムであれば特に限定されないが、スチレン−ブタジエンゴムやイソプレンゴム等の合成ゴムや天然ゴムを挙げることができる。
生分解性繊維20Cの端部は、管状部42Cの中空部40Cに挿入されて弾性接続部材4Cに固定される。生分解性繊維4Cの中空部40Cに挿入される長さL4(管状部42Cの長さ)は、生分解性ステント1における長さL1と同等である。
第4実施形態に係る生分解性ステント1Cによれば、上記の効果(1)及び(5)と併せて以下の効果が奏される。
(8)上記実施形態では、弾性接続部材4Cが、両端側に配置され且つ中空部40Cを有する管状に形成される一対の管状部42C,42Cと、中央に配置され且つ一対の管状部42C,42C同士を接続する、ゴムにより構成される弾性部43Cと、を備える複合部材であるものとした。
弾性接続部材4Cは、求められる性能の異なる管状部42C及び弾性部43Cにおいて、それぞれ最適な材料を用いることができるので、優れた性能(強度、弾性力等)を発揮する。
<第5実施形態>
続いて、本発明の第5実施形態に係る生分解性ステント1Dについて説明する。生分解性ステント1Dについても、生分解性ステント1と同じ構成については生分解性ステント1と同様の符号を付して説明を省略し、生分解性ステント1と異なる構成についてのみ詳細に説明する。生分解性ステント1Dも、弾性接続部材4Dの構成のみ生分解性ステント1と異なる。
図6Aは、生分解性ステント1Dのループ部5D周辺の拡大図である。図6Bは、図6Aの生分解性ステント1Dを弾性接続部材4Dの延びる方向に沿って切断した端面図である。
弾性接続部材4Dは、一対の管状部42D,42Dと、コイル部43Dと、備える。一対の管状部42D,42Dは、弾性接続部材4Dの長手方向の両端側に配置され且つ中空部40Dを有する管状に形成される。管状部42Dは、金属製の管状部材により構成される。コイル部43Dは、弾性接続部材4Dの長手方向の中央に配置され且つ一対の管状部42D,42D同士を接続する。コイル部43Dは、金属線が螺旋状に巻かれて形成される。コイル部43Dを構成する金属コイルの材質としては、SUS、金、プラチナ、ニッケル―チタン合金等を例示することができる。
生分解性繊維20Dの端部は、管状部42Dの中空部40Dに挿入されて弾性接続部材4Dに固定される。生分解性繊維4Dの中空部40Dに挿入される長さL5(管状部42Dの長さ)は、生分解性ステント1における長さL1と同等である。
第5実施形態に係る生分解性ステント1Dによれば、上記の効果(1)及び(5)と併せて以下の効果が奏される。
(9)上記実施形態では、弾性接続部材4Dが、両端側に配置され且つ中空部40Dを有する管状に形成される一対の管状部42D,42Dと、中央に配置され且つ一対の管状部42D,42D同士を接続するコイル部43Dと、備えるものとした。
弾性接続部材4Dでは、強い弾性力を有するコイル部43Dを介して2本の生分解性繊維20Dの端部を接続される。従って、生分解性ステント1Dは縮径した状態から拡径した状態への復元力が高い。
なお、本発明は上記の第1〜第5実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記の各実施形態においては、拡径した状態における生分解性ステントの両端側がフレア形状であるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、拡径した状態における生分解性ステントは、長手方向の両端側が中央部よりも径の大きい円筒状に形成されていてもよい。また、拡径した状態における生分解性ステントは、長手方向に亘って径が同じであってもよい。
また、上記の各実施形態においては、弾性接続部材が2本の生分解性繊維の端部を接続するものとしたが、本発明はこれに限定されない。本発明における弾性接続部材は、3本以上の生分解性繊維の端部を接続するものであればよい。より具体的には、弾性接続部材は、両端にそれぞれ2本の生分解性繊維の端部が挿入されることで、合計4本の生分解性繊維の端部を接続するものであってもよい。
また、上記第2実施形態においては、弾性接続部材4Aがゴム管により構成されるものとしたが、弾性接続部材4Aは弾性を有する樹脂管により構成されるものであってもよい。
また、上記第3実施形態においては、弾性接続部材4Bがゴムにより構成されるものとしたが、弾性接続部材4Bは弾性を有する素材により構成されるものであればよく、例えば弾性を有する樹脂により構成されるものであってもよい。
また、上記第4実施形態においては、管状部42Cが金属製の管状部材により構成されるものとしたが、管状部42Cの素材は、硬質樹脂であってもよいし、弾性部43Cの素材とは異なる、弾性を有するゴムや樹脂であってもよい。また、管状部42Cはコイル状に形成されていてもよい。更に、弾性部43Cの屈曲する部分の内部に中空部が形成されないものとしたが、弾性部43Cは中空部を有する管状であってもよい。
また、上記第5実施形態においては、管状部42Dが金属製の管状部材により構成されるものとしたが、管状部42Dの素材はゴムであってもよいし、樹脂であってもよい。
また、上記の各実施形態においては、生分解性繊維の端部が接着剤によって弾性接続部材に固定されるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、生分解性繊維の端部は、シリコンやポリマー溶液を用いて弾性接続部材に固定してもよい。また、弾性接続部材をかしめることで生分解性繊維の端部を弾性接続部材に固定してもよい。
また、本発明に係る生分解性ステントは、自己拡張型ステントであってもよいし、バルーン拡張型のステントであってもよいし、拡張しないタイプのステントであってもよい。また、生分解性ステントは、カバードステントであってもよい。
また、本発明に係る生分解性ステントを体内の狭窄部に留置する方法についても限定されない。例えば、本発明に係る生分解性ステントは、自己拡張性を有する場合であったとしても、狭窄部に接近した後に拡径するのを、バルーンによって補助してもよい。
1,1A,1B,1C,1D…生分解性ステント
2…ステント本体
20,20A,20B,20C,20D…生分解性繊維
3,3A,3B,3C,3D…延出部
4,4A,4B,4C,4D…弾性接続部材
40,40A,40C,40D…中空部
40B…孔部
41,41A,41D…空洞部
42C,42D…管状部
43C,43D…弾性部
5,5A,5B,5C,5D…ループ部

Claims (9)

  1. 複数本の生分解性繊維によって円筒状に編組みされ、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能なステント本体と、
    前記ステント本体の端部において、複数本の前記生分解性繊維が前記ステント本体の軸方向外側に向かって延出する延出部と、
    前記延出部の先端側において、複数本の前記生分解性繊維の端部を接続すると共にループ部を形成する弾性接続部材と、を備える生分解性ステント。
  2. 前記弾性接続部材は、中空部を有する管状に形成され、
    前記生分解性繊維の端部は、前記弾性接続部材の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定される請求項1に記載の生分解性ステント。
  3. 前記弾性接続部材の長手方向の中央部には、前記中空部に前記生分解性繊維が挿入されていない空洞部が形成される請求項2に記載の生分解性ステント。
  4. 前記弾性接続部材は、金属線が螺旋状に巻かれて形成された金属コイルにより構成される請求項2又は3に記載の生分解性ステント。
  5. 前記弾性接続部材は、弾性を有するゴム管又は樹脂管により構成される請求項2又は3に記載の生分解性ステント。
  6. 前記弾性接続部材は、長手方向の両端から中央部に向かって延びて形成される一対の孔部を有する棒状に形成され、
    前記生分解性繊維の端部は、前記弾性接続部材の前記孔部に挿入されて該弾性接続部材に固定される請求項1に記載の生分解性ステント。
  7. 前記弾性接続部材は、
    長手方向の両端側に配置され且つ中空部を有する管状に形成される一対の管状部と、
    長手方向の中央に配置され且つ前記一対の管状部同士を接続する、弾性を有するゴム又は樹脂により構成される弾性部と、備え、
    前記生分解性繊維の端部は、前記管状部の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定される請求項1に記載の生分解性ステント。
  8. 前記弾性接続部材は、
    長手方向の両端側に配置され且つ中空部を有する管状に形成される一対の管状部と、
    長手方向の中央に配置され且つ前記一対の管状部同士を接続するコイル部と、備え、
    前記生分解性繊維の端部は、前記管状部の前記中空部に挿入されて該弾性接続部材に固定される請求項1に記載の生分解性ステント。
  9. 拡径した状態において、前記ループ部における径は、前記ステント本体における径よりも大きい請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性ステント。
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