JP7331342B2 - ステント - Google Patents

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Description

本発明は、生体管路に用いられる生分解性ステント等のステントに関する。
従来、血管や消化管等の生体管路の狭窄性疾患(腫瘍や炎症等)において、狭窄部に網目状の円筒部材であるステントを留置して、狭窄部を拡張して開存状態を維持する治療が行われている。
ステントとしては、永久留置を想定した金属製ステントの他に、一定期間経過後に抜去が容易な被覆ステントや生分解性の合成樹脂繊維等で構成される生分解性ステントが知られている。
これらステントのうち生分解性ステントは、血管や消化管内で時間の経過と共に分解されるので、ステントを体内から抜去する必要がないため、特に良性の狭窄性疾患に対して用いることで、患者への負担を軽減することが期待されている。
一般的にステントは、デリバリーシステムと呼ばれる細管状の部材に径方向に圧縮された状態で収納されて、内視鏡を用いて狭窄部に運搬される。デリバリーシステムを狭窄部まで近接させた後、デリバリーシステムからステントが放出されて、狭窄部にステントが留置される。
ステント放出後は、形状記憶合金で構成される自己拡張型の金属製ステントの場合、自己の拡張力によってステントの網目を患部に食い込ませることが可能であり、留置部位からの位置ずれは生じにくい。それに対して、膜で覆われた被覆ステントや拡張力の弱い生分解性ステントは、ステントの網目を患部に食い込ませることが困難であるため、留置部位からの位置ずれが生じやすい。
そのため、特許文献1では、留置部位からのステントの移動や逸脱を低減するためのアンカー部材として生分解性の棘状部材をステントの外側に備える被覆ステントが提案されている。
特表2005-535406号公報
生分解性の棘状部材を備えるステントを上述のデリバリーシステムに収納した場合、棘状部材は、収納時にステントの径方向内側に圧縮されてくせ付けられてしまうため、ステントがデリバリーシステムから放出された後にステントの径方向外側に展開せず、アンカー部材として十分な機能を発揮することが困難である。
そこで、本発明は、アンカー部材を備えるステントにおいて、デリバリーシステム等の細管状の部材へ収納可能であり、ステント拡径時にアンカー部材が径方向外側に展開可能なステントを提供することを目的とする。
本発明は、線材により網目状に編み組みされて円筒状に構成され、縮径した状態から拡径した状態に変形可能なステント本体部と、前記ステント本体部に接続され且つ前記ステント本体部を縮径した状態から拡径した状態に変形させると共に該ステント本体部を拡径した状態に維持する拡径機構と、線材により構成され、前記ステント本体部の網目を縫うように、前記ステント本体部のうち前記拡径機構により拡径した状態に維持される部分に周方向に沿って取り付けられ、前記ステント本体部が拡径した状態において、該ステント本体部から径方向外側に向かって突出する突出部を有する環状のアンカー部材と、を備えるステントであって、前記ステント本体部が縮径した状態において、前記アンカー部材は、前記軸方向に沿って変形させることが可能であり、前記拡径機構により前記ステント本体部が拡径した状態において、前記アンカー部材は、前記突出部が径方向外側に向かって突出した状態で、前記ステント本体部の前記線材により軸方向に挟まれて固定されるステントに関する。
また、前記アンカー部材は、前記ステント本体部の一端部又は両端部に配置されることが好ましい。
また、前記アンカー部材は、前記ステント本体部の中央部に配置されることが好ましい。
また、前記ステント本体部は、拡径した状態において、一端部又は両端部に前記ステント本体部の中央部の径よりも大きい径を有する大径部を備え、前記アンカー部材は、前記大径部に取り付けられることが好ましい。
また、前記ステント本体部は、生分解性の線材により構成されることが好ましい。
また、前記アンカー部材は、前記ステント本体部を構成する前記線材よりも太い生分解性の線材により構成されることが好ましい。
また、前記拡径機構は、前記ステント本体部の内部に配置されると共に、該ステント本体部の先端部に取り付けられるリング部材と、前記ステント本体部の基端部に設けられ、前記ステント本体部の基端側に突出して前記リング部材を係止可能な係止部と、前記リング部材に挿通され、一端部が前記係止部に接続され、他端部が前記ステント本体部の基端側に延びる紐状部材と、を備え、前記ステント本体部が縮径した状態において、前記紐状部材の前記他端部が前記ステント本体部の基端側に引っ張られることにより、前記リング部材と前記係止部とが近接する方向に移動すると共に該リング部材と前記係止部とが係合して前記ステント本体部が拡径した状態に維持されることが好ましい。
また、前記アンカー部材は、前記ステント本体部のうち前記リング部材が取り付けられる箇所を含む周に沿って取り付けられ、前記リング部材の近傍に配置される前記突出部は、前記リング部材に挿通されることが好ましい。
また、前記突出部は、線材が折り曲げられて形成されることが好ましい。
また、前記突出部は、線材がループ状に構成されて形成されることが好ましい。
また、前記アンカー部材は、凸多角形状に形成されることが好ましい。
本発明によれば、細管状の部材に収納時には、ステント本体部の軸方向に沿ってアンカー部材を変形させてステントを縮径した状態とすることができ、ステント拡径時には、ステント本体部の径方向外側に突出部を突出させた状態でアンカー部材をステント本体部に固定できる。
第1実施形態に係るステントを示す斜視図である。 図1に示すステントの側面図である。 図2Aの部分拡大図であり、拡径機構の構成を示す図である。 図2Aに示すステントが狭窄部で拡径した状態を示す図である。 係止部にリング部材を係止させる動作、及び紐状部材を取り外す動作を説明するための係止部における拡大模式図である。 図1に示すステントを正面から見た模式図である。 図1に示すステントの縮径方法を説明する側面図である。 図5Aに示す状態からアンカー部材の突出部を倒しながら縮径する途中の状態を示す図である。 図5Bに示す状態から、更にアンカー部材の突出部を倒して縮径した状態を示す図である。 図5に示すステントの縮径方法とは、例とは異なる縮径方法を説明する模式図である。 第2実施形態に係るステントを示す斜視図である。 第2実施形態に係るステントを示す側面図である。 図8Aに示すステントの拡径した状態を示す図である。 図7に示すステントを正面から見た図である。 第3実施形態に係るステントを示す斜視図である。 図10Aに示すステントの拡径した状態を示す図である。 アンカー部材の変形例を示す図である。 第4実施形態に係るステントを示す斜視図である。 図12Aに示すステントが狭窄部で拡径した状態を示す図である。 図12に示すステントを正面から見た模式図である。 図12に示すステントの縮径方法を説明する模式図である。
以下、本発明のステントの好ましい各実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1~図6を参照して第1実施形態に係るステント1Aについて説明する。
図1に示すように、ステント1Aは、ステント本体部2と、拡径機構3と、アンカー部材4Aと、を備える。
図1において、ステント1Aの軸方向におけるX方向側をステント1Aの先端側とし、X方向とは反対側をステント1Aの基端側とする。また、ステント1Aの各構成について、X方向側を先端側、X方向とは反対側を基端側とする。
ステント本体部2は、筒状部21と延出部22とを備え、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能に構成される。延出部22は、ステント本体部2の基端側に配置される。
筒状部21は、複数本の線材20により網目状に編み込まれて円筒状に構成され、外周に線材20によって形成され且つ規則正しく配列される菱形の空孔を多数有する。筒状部21の網目は、ステント本体部2が縮径した状態において、軸方向に粗となり、ステント本体部2が拡径した状態において、軸方向に密となる。
筒状部21の先端側(X方向側)の端部は、2本の線材20の端部が繋がれて形成される。より具体的には、筒状部21の先端側における隣り合う2本の線材20の交差部位においてチューブを介して接続される。接続に使用されるチューブは、例えば軟質の樹脂により形成され、可撓性を有する。
延出部22は、筒状部21の基端側から複数本の線材20が筒状部21の軸方向の基端側に向かって延出して形成される。具体的には、延出部22は、筒状部21を構成する複数本の線材20の一端側が、ステント本体部2の軸方向基端側に軸からわずかに離隔しつつ延びることで形成される。
延出部22の基端側の端部は、2本の線材20の端部が繋がれ、ループ状に形成される。尚、ここでの「2本の線材20」とは、筒状部21又は延出部22のみに着目した場合における2本の線材20を意味し、本実施形態において「2本の線材20」は1本の線材20に由来している。
本実施形態では、延出部22は、周方向に所定間隔をあけて複数配置される。延出部22は筒状部21の一端側(基端側)のみに配置される。
ステント本体部2を形成する線材の本数は、本実施形態においては16本であるが特に限定されない。線材の本数は、好ましくは16~24本である。ステント本体部2の大きさは特に限定されないが、例えば、拡径した状態において、直径が10~25mmであり、長さが30~250mmである。
また、延出部22の延出長さは、好ましくは7mm~30mmである。
線材20としては、生分解性、非生分解性の合成樹脂繊維や、形状記憶性を有さない金属のワイヤ等、特に限定されないが、本実施形態では、体内で分解されて体外に排出されやすい生分解性の繊維を用いた。生分解性の繊維としては、L-乳酸、D-乳酸、DL-乳酸、ε-カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ―バレロラクトン、グリコール酸、トリメチレンカーボネート、パラジオキサノン等のモノマーから合成されるホモポリマー、コポリマー、及びそれらのブレンドポリマーが挙げられる。特に、ポリ-L-乳酸(PLLA)又は乳酸-カプロラクトン共重合体(P(LA/CL))、もしくはこれらのブレンドポリマーからなる繊維を用いることが好ましい。尚、非生分解性の線材としては、ポリエステル、ポリウレタン等を用いることができる。また、形状記憶性を有さない金属の線材としては、マグネシウムやマグネシウム合金、ステンレス鋼を用いることができる。
線材20は、モノフィラメント糸であってもよいし、マルチフィラメント糸であってもよい。また、線材20は、撚りをかけていてもよいし、かけていなくてもよい。生体内の狭窄部においてステント本体部2の径方向外側から加わる圧力に対する反発力を強くする観点から、線材20はモノフィラメント糸であることが好ましく、本実施形態では、線材20としてモノフィラメント糸を用いた。
線材20として生分解性の繊維を用いる場合、その直径は、0.05~0.4mmであることが好ましい。生分解性の繊維(線材20)の直径が0.05mm未満であると、ステント1Aの強度が低下する傾向にある。生分解性の繊維(線材20)の直径が0.4mmを超えると、縮径した状態における径が大きくなることで、デリバリーシステム等の細管状の部材にステント1Aを収納し難くなる傾向にある。生分解性の繊維(線材20)の直径の上限は、内径が細いデリバリーシステムに収納する観点から、0.3mmであることが更に好ましい。生分解性の繊維(線材20)の直径の下限は、高い強度を維持する観点から、0.2mmであることがより好ましい。本実施形態では、線材20として、直径が0.25mmの生分解性の繊維を用いた。
拡径機構3は、ステント本体部2を縮径した状態から拡径した状態に変形させると共にステント本体部2を拡径した状態に維持する。この拡径機構3は、図2A~図2Cに示すように、リング部材31と、係止部32と、紐状部材33と、を備える。
リング部材31は、ステント本体部2を構成する線材20(生分解性の繊維)と同様の生分解性繊維、又は非生分解性合成樹脂繊維等の線材により構成され、ステント本体部2の内部に配置される。また、リング部材31を構成する線材の両端部がステント本体部2(筒状部21)を構成する線材20に結び付けられることでリング状に形成される。リング部材31を非生分解性材料により構成した場合には、体内においてリング部材31が分解されないため、ステント本体部2の拡径状態をより好適に保てる。
また、リング部材31は、後述の係止部32と係合する部分が挿通される第1チューブ311を備えていてもよい。これにより、リング部材31において紐状部材33が掛けられて引っ張られる部分を第1チューブ311により補強することができる。
ステント本体部2におけるリング部材31の取り付け位置は、ステント本体部2を好適に拡径させる観点から、延出部22が配置されていない先端側の端部に近い位置であることが好ましい。
係止部32は、ステント本体部2を構成する線材20(生分解性の繊維)と同様の生分解性繊維、又は非生分解性合成樹脂繊維等の線材によってステント本体部2の基端側に突出した細長いループ状に形成されるループ部材321と、このループ部材321が挿通される第2チューブ322と、を備える。係止部32は、ステント本体部2の基端側の端部に配置される。係止部32は、基端側に突出しているので、後述する紐状部材33の操作により、リング部材31を係止可能となる。係止部32を非生分解性材料により構成した場合には、体内において係止部32が分解されないため、ステント本体部2の拡径状態をより好適に保てる。
係止部32は、ループ部材321が挿通される第2チューブ322を備えることにより、ループ部材321が補強され、更に、係止部32の幅が小さくなることでリング部材31を係合させる動作を容易に行うことができる。
ステント本体部2における係止部32の取り付け位置は、ステント本体部2を好適に拡径させる観点から、筒状部21の基端側の端部に近い位置であることが好ましい。例えば、係止部32は、ステント本体部2における筒状部21の基端を構成する2本の線材20の接続部位から先端側に網目を1つ~3つ分ずれた交点近傍に取り付けることができる。
紐状部材33は、ステント本体部2を構成する線材20(生分解性の繊維)と同様の生分解性繊維、非生分解性合成樹脂繊維、又は金属製の線材により構成される。紐状部材33の一端部331は、係止部32が挿通可能な環状に形成される。紐状部材33を金属製の線材により構成した場合、紐状部材33を伸び縮みしにくくできるため、体内においてステント本体部2をより正確な位置に留置できる。
より詳細には、本実施形態では、図2Bに示すように、紐状部材33の一端部331に係止部32を挿通することにより、紐状部材の一端部331は係止部32にステント本体部2の基端側の方向に取り外し可能に接続される。そして、紐状部材33は、係止部32との接続部分からステント本体部2の外側を通り、この係止部32の近傍において、ステント本体部2(筒状部21)の網目を通って筒状部21の内側に入る(図2BのA部分参照)。
次いで、紐状部材33は、筒状部21の内側をステント本体部2の先端側に向かって延び、リング部材31に挿通された後、折り返される(図2BのB部分参照)。次いで、紐状部材33は、筒状部21の内側をステント本体部2の基端側に向かって延び、係止部32の近傍において、ステント本体部2の網目(筒状部21の外側から内側に入った網目と同じ網目)を通って筒状部21の外側に出る(図2BのC部分参照)。そして、紐状部材33の他端側は、ステント本体部2の基端側に延びる。
即ち、本実施形態では、紐状部材33は、先端側においてステント本体部2(筒状部21)の内側を延びる部分と、係止部32との接続部の近傍においてステント本体部2を挿通する部分と、ステント本体部2を挿通する部分よりも基端側においてステント本体部2の外側を延びる部分と、を有する。
図3を参照して、リング部材31と係止部32とが係合し、紐状部材33が係止部32から取り外される動作について説明する。
図3(a)に示すように、紐状部材33がリング部材31に挿通された状態のまま、紐状部材33の他端部を基端側に引っ張ると、リング部材31と係止部32とが近接する方向に近付く。リング部材31が係止部32よりも先端側にあるときは、紐状部材の一端部331は、係止部32において先端側に引っ張られた状態であり、紐状部材33は、係止部32に接続されたままである。
次いで、図3(a)の状態から更に紐状部材33の他端部を基端側に引っ張ると、図3(b)に示すように、リング部材31は、紐状部材33の一端部331と共に基端側に移動する。更に紐状部材33の他端部を基端側に引っ張ると、図3(c)に示すように、リング部材31の基端側の端部及び紐状部材33の一端部331は、係止部32の基端側の端部に到達する。
また、紐状部材33は、図2Bに示すように、係止部32との接続部からステント本体部2の外側を通り、この係止部32の近傍において、ステント本体部2(筒状部21)の網目を通って筒状部21の内側に入り筒状部21の内側をステント本体部2の先端側に向かって延びる。そして、リング部材31に挿通された後、折り返されて筒状部21の内側をステント本体部2の基端側に向かって延び、紐状部材33が外側から内側に入った網目と同じ網目を通って筒状部21の外側に出ている。これにより、図3(a)及び(b)に示すように、紐状部材33に引っ張られたリング部材31は、係止部32の近傍において、網目を通ってステント本体部2の内部から外部に出てくる。
次いで、図3(d)に示すように、リング部材31は、紐状部材33から離れると共に、係止部32を外側から内側に乗り越えて、係止部32と係合する。係止部32を乗り越えたリング部材31は、ステント本体部2(筒状部21)の復元力(軸方向に伸びようとする力)により先端側に引っ張られて係止部32に係止される。
紐状部材33の他端部を更に基端側に引っ張ると、図3(e)に示すように、紐状部材33の一端部331は係止部32から取り外される。
上述の拡径機構3は、ステント本体部2の周方向に等間隔で複数配置される。本実施形態では、図1に示すように、拡径機構3は2つ配置される。
以上の拡径機構3によれば、ステント本体部2が縮径した状態において、紐状部材33をステント本体部2の基端側に引っ張ることにより、リング部材31と係止部32とが近接する方向に移動すると共にリング部材31と係止部32とが係合してステント本体部2を拡径した状態に維持し、拡径後、更に紐状部材33をステント本体部2の基端側に引っ張ることにより、紐状部材33の一端部331は係止部32から取り外される。
アンカー部材4Aは、図1に示すように、線材40により環状に構成されており、ステント本体部2の線材20により形成される網目を縫うように、周方向に沿って取り付けられる。また、アンカー部材4Aは、ステント本体部2のうち、前述の拡径機構3によりステント本体部2の網目が密となって拡径した状態に維持される部分に取り付けられる。アンカー部材4Aは、少なくとも2つの突出部41を有し、突出部41が周方向に均等に配置されることが好ましく、本実施形態では、図4に示すように、ステント本体部2の径方向外側に向かって突出する突出部41を有する凹多角形状に形成される。
アンカー部材4Aを構成する線材40は、ステント本体部2を構成する線材20よりも強度が大きいものであれば、特に限定されない。本実施形態では、線材40として、ステント本体部2を構成する線材20と同様の生分解性の繊維を用いた。生分解性の繊維としては、L-乳酸、D-乳酸、DL-乳酸、ε-カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ―バレロラクトン、グリコール酸、トリメチレンカーボネート、パラジオキサノン等のモノマーから合成されるホモポリマー、コポリマー、及びそれらのブレンドポリマーが挙げられる。特に、ポリ-L-乳酸(PLLA)又は乳酸-カプロラクトン共重合体(P(LA/CL))、もしくはこれらのブレンドポリマーからなる繊維を用いることが好ましい。
線材40は、モノフィラメント糸であってもよいし、マルチフィラメント糸であってもよい。また、線材40は、撚りをかけていてもよいし、かけていなくてもよい。生体内の狭窄部両端の健常部において径方向外側及び軸方向から加わる圧力に対する反発力を強くする観点から、線材40はモノフィラメント糸であることが好ましい。
線材40として生分解性の繊維を用いる場合、その直径は、0.05~1.00mmとすることが好ましい。生分解性の繊維(線材40)の直径が0.05mm未満であると、アンカー部材4Aとしての強度が低下する傾向にある。生分解性の繊維(線材40)の直径が1.0mmを超えると、後述する縮径方法においても縮径した状態における径が大きくなることで、デリバリーシステム等の細管状の部材にステント1Aを収納し難くなる傾向にある。よって、生分解性の繊維(線材40)の直径の上限は、内径が細いデリバリーシステムに収納する観点から、0.6mmであることが更に好ましい。生分解性の繊維(線材40)の直径の下限は、高い強度を維持する観点から、0.1mmであることがより好ましい。
本実施形態では、アンカー部材4Aの線材40として、ポリ-L-乳酸のモノフィラメントを用いた。また、端部アンカー部材としてアンカー部材4Aを用いたので、線材40の直径は、ステント本体部2の線材20の直径0.25mmよりも大きい0.5mmとした。このように、ステント本体部2を構成する線材20とアンカー部材4Aを構成する線材40とを別部材とすることで、ステント本体部2の線材20を、デリバリーシステムに収納可能となるように細く構成し、アンカー部材4Aの線材40を、デリバリーシステムへの収納性に影響を与えない範囲で必要な強度を備えるように太く構成することができる。
線材40として、生分解性の繊維等のクセ付けが可能な合成樹脂繊維を用いた場合、以下のようにしてアンカー部材4Aを作製することができる。線材40として、ステント本体部2の拡径状態における円周よりも長い合成樹脂繊維を用意して、端部同士を図示しないチューブでつなぎ合わせて環状に構成する。次いで、環状に構成された合成樹脂繊維を所定の位置で折り曲げてクセ付けることで、図4に示すような凹多角形状に形成されたアンカー部材4Aを得ることができる。
また、線材40として、形状記憶合金のワイヤを用いてもよい。この場合、図4に示すような所定の形状に形状記憶されたアンカー部材4Aは、デリバリーシステムに収納時に軸方向に沿って変形させても合成樹脂繊維のようにクセ付けされず、ステント1Aがデリバリーシステムから放出されるだけで元の形状に復元される。
ここで、ステント本体部2の一端部又は両端部に取り付けられるアンカー部材4Aを端部アンカー部材と称するものとする。端部アンカー部材は、ステント1Aを狭窄部Nに留置する際に狭窄部Nの端部の健常部に配置されて、アンカー部材4Aの突出部41が狭窄部Nに引っ掛かることにより、ステント1Aの狭窄部Nからの逸脱を低減する。例えば、ステント1Aが腸管に適用される場合、アンカー部材4Aは腸管の蠕動運動に曝される。よって、蠕動運動によりステント1Aが狭窄部Nをすり抜けてしまわないように、アンカー部材4Aは、ステント本体部2が拡径した状態において、狭窄部Nの径よりも大きく、健常部の径と同程度又は少し大きい径を有することが好ましい。また、アンカー部材4Aの突出部41は、径方向の圧縮や軸方向のたわみに対して強度を有することが好ましい。
本実施形態では、端部アンカー部材としてアンカー部材4Aを、ステント本体部2においてリング部材31が取り付けられた箇所よりも基端側に網目を1つ分ずれた箇所に取り付けた。
次に、図5を参照して、ステント1Aの縮径方法について説明する。図5A~図5Cにおいて、(a)は、ステント1Aの縮径過程の側面図を、(b)は、(a)に対応するアンカー部材4Aのみの模式図を示す。
図5Aは、ステント1Aが外力を受けずに、拡径も縮径もされていない状態(以下、自然状態とする)を示す。前述したように、アンカー部材4Aは、ステント本体部2の線材20により形成される網目を縫うようにステント本体部2に組み込まれて取り付けられており、ステント本体部2に接着材等により固定されていない。そのため、アンカー部材4Aは、ステント本体部2の網目内で軸方向に沿って、ある程度自由に動かすことができる。
図5Bに示すように、図5Aに示す状態から、ステント本体部2を径方向に圧縮して縮径させると、ステント本体部2の網目は軸方向に大きくなる。アンカー部材4Aは、網目内で軸方向に沿って動かすことができるので、容易に紙面上側の突出部41を軸方向に沿って先端側に、紙面下側の突出部41を軸方向に沿って基端側に倒すことができる。
図5Cに示すように、図5Bに示す状態から、更に、ステント本体部2を径方向に圧縮して縮径させると、ステント本体部2の網目は軸方向に更に大きくなる。よって、アンカー部材4Aの突出部41を更に軸方向に沿って倒すことができ、また、ステント本体部2の内部に挿通された部分も、軸方向に沿って倒すことができる。
このように、アンカー部材4Aをステント本体部2の径方向に沿った略正凹多角形の状態(図4及び図5A参照)から、ステント本体部2の軸方向に沿って伸びた形状(図5C参照)に変形させることで、ステント1Aを縮径した状態とすることができる。アンカー部材4Aは、ステント本体部2に対して接着材等により固定されていないので、図5Cに示す伸びた形状に変形させてステント1Aをデリバリーシステムに収納する際に、所定の形状にクセ付けされた場所以外で折り曲げられることがなくなる。
また、ステント1Aの縮径方法について、図6に示すようにアンカー部材4Aを軸方向に沿って倒してもよい。具体的には、図6(a)に示す状態から、紙面上側及び下側の2つの突出部41を軸方向の基端側に、紙面手前側と奥側の2つの突出部41を軸方向の先端側に向けて倒すことで(図6(b)参照)、図5で示した縮径方法のようにアンカー部材4Aの手前側と奥側の突出部41の先端が引き伸ばされることなく、ステント1Aを縮径した状態とすることができる。
このように、アンカー部材4Aにおいてクセ付けられた角度が鋭角の場合には折り曲げて、また、クセ付けられた角度が鈍角の場合には引き伸ばして、ステント1Aを縮径した状態とすることで、図5で説明した縮径方法に比べて、アンカー部材4Aがクセ付けられた形状に近い状態でステント1Aをデリバリーシステムに収納することができる。
次に、図2及び図5を参照して、内視鏡及びデリバリーシステムを用いてステント1Aを消化管等の狭窄部Nに留置する方法について簡単に説明する。
図5Cに示すように、ステント1Aは、アンカー部材4Aがステント本体部2の軸方向に沿って倒れた状態で不図示のデリバリーシステムにリング部材31が取り付けられた側が先端側となるように収納される。内視鏡を消化管等の狭窄部Nに接近させた後、デリバリーシステムを鉗子口から内視鏡の内部に挿入して狭窄部Nに接近させ、前述の拡径機構3を動作させて、図2Cに示すようにステント1Aを狭窄部Nに留置する。
拡径機構3の紐状部材33を基端側に引く動作によりステント本体部2を拡径させて行くと、ステント本体部2の網目が軸方向に密となって行く。これに従い、アンカー部材4Aは、ステント本体部2の線材20により挟まれて、突出部41が軸方向に沿った状態から徐々に起き上がって径方向外側に突出した状態、即ち、展開した状態となる。図2Cに示すように、ステント本体部2の網目が軸方向に密となった状態(拡径した状態)で、拡径機構3のリング部材31と係止部32とが係合することによりステント本体部2が固定されると共に、線材20により挟まれるアンカー部材4Aも、突出部41が径方向外側に展開した状態で固定されて、狭窄部Nの端部の健常部に突出部41が配置される。その結果、狭窄部Nが再狭窄することが防止されると共に、アンカー部材4Aにより狭窄部Nからのステント1Aの逸脱が低減される。
以上説明した第1実施形態のステント1Aによれば、以下のような効果を奏する。
(1)ステント1Aを、本体部2と、ステント本体部2を縮径した状態から拡径した状態に変形させると共に拡径した状態に維持する拡径機構3と、線材40により構成されステント本体部2の網目を縫うようにステント本体部2の周方向に沿って取り付けられステント本体部2が拡径した状態においてステント本体部2から径方向外側に向かって突出する突出部41を有する環状のアンカー部材4Aと、を含んで構成した。これにより、ステント1Aを細管状の部材に収納時には、ステント本体部の軸方向に沿ってアンカー部材4Aを変形させてステント1Aを縮径した状態とすることができ、ステント1Aの拡径時には、ステント本体部2の径方向外側に突出部41を突出させた状態でアンカー部材4Aをステント本体部2に固定できる。よって、ステント1Aが狭窄部Nに留置された場合に、アンカー部材4Aの突出部41が展開して、ステント1Aの狭窄部Nからの逸脱を低減することができる。
(2)アンカー部材4Aを、ステント本体部2の一端部(先端側の端部)に取り付けた。これにより、アンカー部材4Aは、ステント1Aを留置する際に狭窄部Nの先端部の健常部に配置されて、ステント1Aの先端側からの負荷に対してアンカー部材4Aの突出部41が狭窄部Nに引っ掛かることにより、ステント1Aの狭窄部Nからの逸脱を低減することができる。
(3)ステント本体部2を、生分解性の線材20により構成した。これにより、ステント1Aを狭窄部Nに留置後、一定期間経過後に、ステント本体部2は体内で分解され、ステント1Aを構成する部材は分解されて体外に排出される。よって、ステント1Aは良性の狭窄疾患に好適に用いられる。
(4)アンカー部材4Aを、ステント本体部2を構成する線材20よりも太い生分解性の線材40により構成した。これにより、デリバリーシステムに収納可能となるように細く構成されたステント本体部2の線材20よりも、アンカー部材4Aの線材40を、デリバリーシステムへの収納性に影響を与えない範囲で必要な強度を備えるように太く構成することができる。よって、ステント1Aをデリバリーシステムへの収納性を備えつつ、アンカー部材4Aを、強度を有したものとすることができる。
(5)拡径機構3を、ステント本体部2の内部に配置されると共に、ステント本体部2の先端部に取り付けられるリング部材31と、ステント本体部2の基端部に設けられ、ステント本体部2の基端側に突出してリング部材31を係止可能な係止部32と、リング部材31に挿通され、一端部が係止部32に接続され、他端部がステント本体部2の基端側に延びる紐状部材33と、を備えるものとし、ステント本体部2が縮径した状態において、紐状部材33の他端部がステント本体部2の基端側に引っ張られることにより、リング部材31と係止部32とが近接する方向に移動すると共にリング部材31と係止部32とが係合してステント本体部2が拡径した状態に維持されるものとした。これにより、紐状部材33を基端側に引っ張るだけで、ステント本体部2を拡径させて固定することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るステント1Bについて、図7~図9を参照して説明する。ステント1Bのうち、ステント1Aと同様の構成については、ステント1Aで付したものと同一の符号を付して説明を省略する。
ステント1Bは、ステント本体部2と、拡径機構3と、アンカー部材4Bと、を備える。第2実施形態は、ステント1Bがアンカー部材4Bとしてステント本体部2の基端部にも端部アンカー部材を備える点、及びステント本体部2の中央部にも2つのアンカー部材を備える点で第1実施形態と異なり、また、先端部に配置されるアンカー部材4B(410)とリング部材31との位置関係が異なる。
アンカー部材4Bは、図7に示すように、端部アンカー部材としてステント本体部2の先端側に取り付けられるアンカー部材410と、基端側に取り付けられるアンカー部材420と、ステント本体部2の中央部の先端側に取り付けられるアンカー部材430と、中央部の基端側に取り付けられるアンカー部材440と、を含んで構成される。
アンカー部材4B(410~440)は、第1実施形態で説明した作製方法と同様の方法により、また、アンカー部材4Aと同様の線材40によりそれぞれ環状に構成されており、ステント本体部2の線材20により形成される網目を縫うように、周方向に沿ってそれぞれ取り付けられる。また、アンカー部材4Bは、ステント本体部2のうち、前述の拡径機構3によりステント本体部2の網目が密となって拡径した状態に維持される部分に取り付けられる。
端部アンカー部材としてのアンカー部材410及び420は、図9に示すように、ステント本体部2の径方向外側に向かって2つの突出部41を有する菱形状に形成される。ステント本体部2の先端側に配置されるアンカー部材410は、図8A及び図8Bに示すように、リング部材31の取り付け箇所を含む周に沿って取り付けられる。具体的には、アンカー部材410の突出部41が、リング部材31を挿通するように配置される。言い換えると、リング部材31が、アンカー部材410の突出部41に掛けられた状態となっている。このように、アンカー部材410の突出部41を配置することで、拡径機構3によりステント本体部2を拡径した状態としたときに、アンカー部材410の突出部41が、リング部材31とステント本体部2を構成する線材20との間に挟まれるので、ステント本体部2が拡径した状態に維持される部分のうち最も先端側にアンカー部材410を配置することができる。
ここで、ステント本体部2の一端部又は両端部以外の箇所(以下、ステント中央部とする)に取り付けられるアンカー部材4B(430及び440)を中央部アンカー部材と称するものとする。中央部アンカー部材は、ステント1Bの留置の際に狭窄部Nに配置されて、突出部41が狭窄部Nに食い込むことにより、ステント1Bが狭窄部Nに留まるよう作用する。中央部アンカー部材は、健常部よりも径が小さい狭窄部Nに配置されるため、端部アンカー部材の径よりも小さく構成してもよい。また、中央部アンカー部材は、端部アンカー部材よりも柔軟な部材、即ち強度が小さい部材(一例として、端部アンカー部材と同様の線材でその線材よりも径が小さい線材)により構成してもよい。また、中央部アンカー部材の取付け個数に制限はなく、取り付けなくてもよいが、1つ以上の中央部アンカー部材を取り付けることが好ましい。また、中央部アンカー部材を複数配置する場合、突出部41が軸方向に一直線上に並ぶように配置してもよいし、ずらして配置してもよいが、ステント本体部2の中央部に軸方向について均等に中央部アンカー部材が一定間隔で配置されることが好ましい。また、中央部アンカー部材の形状(突出部41の個数)や、径の大きさ、素材、強度等は、それぞれ異なっていてもよい。
本実施形態では、端部アンカー部材としてアンカー部材410を、リング部材31の取り付け箇所を含む周に沿って取り付け、端部アンカー部材としてアンカー部材420を、ステント本体部2において係止部32が取り付けられた箇所よりも先端側に網目を1つ分ずれた箇所に取り付けた。また、中央部アンカー部材としてステント本体部2の先端側から順に2つのアンカー部材430及び440を中央部に軸方向について均等に取り付けた。
本実施形態では、アンカー部材4Bの線材40として、ポリ-L-乳酸のものフィラメントを用いた。アンカー部材4Bのうち、端部アンカー部材としてのアンカー部材410及び420を構成する線材40の直径は、ステント本体部2の線材20の直径0.25mmよりも大きい0.5mmとした。また、中央部アンカー部材としてのアンカー部材430及び440を構成する線材40の直径は、ステント本体部2の線材20の直径0.25mmよりも大きく端部アンカー部材410及び420を構成する線材40の直径0.5mmよりも小さい0.3mmとした。このように、ステント本体部2を構成する線材20とアンカー部材4Bを構成する線材40とを別部材とすることで、ステント本体部2の線材20を、デリバリーシステムに収納可能となるように細く構成し、アンカー部材4Bの線材40を、デリバリーシステムへの収納性に影響を与えない範囲で、端部アンカー部材及び中央部アンカー部材としてそれぞれ必要な強度を備えるように太く構成することができる。
ステント1Bの縮径方法について、第1実施形態で説明した方法と同様の方法により各アンカー部材410~440が干渉しないようにそれぞれの突出部41を軸方向に倒して、ステント1Bを縮径した状態とすることができる。
以上説明したステント1Bを拡径機構3の紐状部材33を基端側に引く動作によりステント本体部2を拡径させて行くと、ステント本体部2の網目が軸方向に密となっていく。これに従い、アンカー部材4B(410~440)は、それぞれがステント本体部2の線材20により挟まれて、突出部41が軸方向に沿った状態から徐々に起き上がって径方向外側に突出した状態、即ち、展開した状態となる。図8Bに示すように、ステント本体部2の網目が軸方向に密となった状態(拡径した状態)で、拡径機構3のリング部材31と係止部32とが係合することによりステント本体部2が固定されると共に、線材20により挟まれるそれぞれアンカー部材4B(410~440)も、突出部41が径方向外側に展開した状態で固定されて、狭窄部Nの端部の健常部にアンカー部材410及び420の突出部41が配置され、狭窄部Nにアンカー部材430及び440の突出部41が配置される。その結果、狭窄部Nが再狭窄することが防止されると伴に、アンカー部材4Bにより狭窄部Nからのステント1Bの逸脱が低減される。
以上説明した第2実施形態のステント1Bによれば、前述した(1)、(3)~(5)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(6)アンカー部材4B(410及び420)を、ステント本体部2の両端部に取り付けた。これにより、アンカー部材4B(410及び420)は、ステント1Bを留置する際に狭窄部Nの両端部の健常部に配置されて、ステント1Bの先端側からの負荷には先端側に配置されたアンカー部材410の突出部41が狭窄部Nに引っ掛かることにより、また、ステント1Bの基端側からの負荷には基端側に配置されたアンカー部材420の突出部41が狭窄部Nに引っ掛かることにより、ステント1Bの狭窄部Nからの逸脱を低減することができる。
(7)ステント1Bを、ステント本体部2の中央部に配置されるアンカー部材4B(430、440)を含んで構成した。これにより、ステント1Bの留置の際にアンカー部材4B(430、440)が狭窄部Nに配置されて、突出部41が狭窄部Nに食い込むことにより、ステント1Bが狭窄部Nに留まるよう作用して、ステント1Bの狭窄部Nからの逸脱を更に低減することができる。
(8)アンカー部材4B(410)を、ステント本体部2のうちリング部材31が取り付けられる箇所を含む周に沿って取り付け、リング部材31の近傍に配置される突出部41を、リング部材31に挿通するものとした。これにより、ステント本体部2を拡径した状態において、アンカー部材4B(410)をリング部材31とステント本体部2を構成する線材20との間に挟んで固定することができる。即ち、ステント本体部2において拡径して変形可能な部分のうち、最も先端側にアンカー部材4B(410)を取り付けることができる。よって、先端側で健常部に配置される拡径部分が短くなるので、ステント1Bの軸方向の長さを有効に使うことができる。また、アンカー部材410の突出部41を、リング部材31を挿通するように配置した。これにより、リング部材31を引っ張るときに、リング部材31の内部にアンカー部材410を配置できるので、リング部材31がアンカー部材410により2点で支持され、リング部材31をねじれにくくできる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るステント1Cについて、図10A及び図10Bを参照して説明する。ステント1Cのうち、ステント1A、1Bと同様の構成については、ステント1A、1Bで付したものと同一の符号を付して説明を省略する。
ステント1Cは、ステント本体部2Cと、拡径機構3と、アンカー部材4Cと、を備える。第3実施形態は、ステント本体部2Cの構成がステント1A、1Bにおけるステント2の構成と異なる。
ステント本体部2Cは、筒状部21Cと延出部22とを備え、縮径した状態と拡径した状態との間で変形可能に構成される。延出部22は、ステント本体部2Cの基端側に配置される。
筒状部21Cは、第1実施形態及び第2実施形態における筒状部21と同様に複数本の線材20により網目状に編み込まれて円筒状に構成され、外周に線材20によって形成され且つ規則正しく配列される菱形の空孔を多数有する。筒状部21Cの網目は、ステント本体部2Cが縮径した状態において、軸方向に粗となり、ステント本体部2Cが拡径した状態において、軸方向に密となる。ステント本体部2を形成する線材の本数は、本実施形態においては16本とした。
筒状部21C(ステント本体部2C)は、軸方向の中央部に相対的に編目が密である第1のピッチ部分211と、軸方向の端部に相対的に(第1のピッチ部分よりも)編目が粗である第2のピッチ部分212とを備える点が、第1実施形態及び第2実施形態におけるステント本体部2と異なる。本実施形態では、ステント本体部2Cは、先端側(X方向側)の一端に第2のピッチ部分212を有するが、基端側の一端に第2のピッチ部分212を有する構成であってもよい。
本明細書においてはピッチを次のように定義する。ピッチとは、1本の線材20が径方向に1周するときの軸方向の長さを言う。即ち、図10Aに示すように、ステント本体部2Cに外力が加えられていない場合、相対的に編目が密である第1のピッチ部分211のピッチは、相対的に編目が粗である第2のピッチ部分212のピッチに比べて小さい状態となる。また、ステント本体部2Cを縮径させるときは、第1のピッチ部分211、第2のピッチ部分212は共にピッチが増大し、拡径させるときは、共にピッチが縮小する。
筒状部21Cは、編目の粗密、即ち異なるピッチの第1のピッチ部分211及び第2のピッチ部分212を備えることにより、拡径機構3により、ステント本体部2Cを軸方向に縮小させ、図10Bに示す拡径した状態にすると、第1のピッチ部分211及び第2のピッチ部分212はそれぞれ異なる径に拡大される。
具体的には、第1のピッチ部分211及び第2のピッチ部分212において、軸方向に収縮させる前は第2のピッチ部分212の方がピッチは大きいが、軸方向に収縮させると、両者のピッチが略等しくなる。その結果、第1のピッチ部分211の拡径後の径よりも、第2のピッチ部分212の拡径後の径の方が大きくなり、図10Bに示すように、ステント本体部2Cは、拡径した状態において、先端部に、ステント本体部2Cの中央部の径よりも大きい径を有する大径部を備える。大径部の形状は、拡径した状態における中央部よりも径が大きければ、図10Bに示すようなダンベル形状の他、フレア形状等、どのような形状であってもよい。
アンカー部材4Cは、図10A及び図10Bに示すように、端部アンカー部材としてステント本体部2Cの先端側の第2のピッチ部分212に取り付けられる。本実施形態では、端部アンカー部材として、ステント本体部2Cの先端部のみにアンカー部材を取り付けたが、アンカー部材を両端部に取り付けてもよい。また、中央部アンカー部材は取り付けなかったが、第2実施形態と同様に、中央部アンカー部材を取り付けてもよい。
アンカー部材4Cは、第1実施形態で説明した作製方法と同様の方法により、また、アンカー部材4A、4Bと同様の線材40により環状に構成されており、ステント本体部2Cの線材20により形成される網目を縫うように、周方向に沿って取り付けられる。
ステント1Cの縮径方法については、第1実施形態で説明した方法と同様の方法によりアンカー部材4Cの突出部41を軸方向に倒して、ステント1Cを縮径した状態とすることができる。
以上説明したステント1Cを拡径機構3の紐状部材33を基端側に引く動作によりステント本体部2Cを拡径させていくと、ステント本体部2Cの網目が軸方向に密となって行く。これに従い、アンカー部材4Cは、ステント本体部2Cが備える筒状部21Cにおける第2のピッチ部分212の線材20により挟まれて、突出部41が軸方向に沿った状態から徐々に起き上がって径方向外側に突出した状態、即ち、展開した状態となる。図10Bに示すように、ステント本体部2Cの網目が軸方向に密となった状態(拡径した状態)で、拡径機構3のリング部材31と係止部32とが係合することによりステント本体部2が固定されると共に、大径部(第2のピッチ部分212)の線材20により挟まれるアンカー部材4Cも、突出部41が径方向外側に展開した状態で固定されて、狭窄部Nの端部の健常部に突出部41が配置される。また、本実施形態においては、ステント1Cが拡径した状態において、端部アンカー部材としてのアンカー部材4Cのステント本体部2C、即ち大径部(第2のピッチ部分212)からの突出長さが、第1実施形態及び第2実施形態において拡径した状態における端部アンカー部材のステント本体部2からの突出長さよりも短くなる。即ち、狭窄部Nの端部の健常部に配置される端部アンカー部材の径が同じであっても、ステント本体部からの突出長さが異なるため、径方向の圧縮や軸方向のたわみに対して、アンカー部材4Cの突出部41は、第1実施形態及び第2実施形態におけるアンカー部材の突出部41よりも大きい強度を備える。その結果、狭窄部Nが再狭窄することが防止されると共に、アンカー部材4Cにより狭窄部Nからのステント1Cの逸脱が更に低減される。
以上説明した第3実施形態のステント1Cによれば、前述した(1)~(5)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(9)ステント本体部2Cを、拡径した状態において、一端部又は両端部にステント本体部2Cの中央部の径よりも大きい径を有する大径部(第2のピッチ部分212)を備えるものとし、アンカー部材4Cは、大径部(第2のピッチ部分212)に取り付けられるものとした。これにより、ステント1Cが拡径した状態において、端部アンカー部材としてのアンカー部材4Cのステント本体部2C、即ち大径部(第2のピッチ部分212)からの突出長さを、大径部を有さない構成に比べて短くすることができるので、径方向の圧縮や軸方向のたわみに対して、アンカー部材4Cの突出部41の強度を大きくすることができる。
次に、アンカー部材の形状の変形例について、図11を参照して説明する。図11(a)~(c)は、拡径も縮径もしていない状態のステント1D~1Fをそれぞれ正面から見た図を示す。
アンカー部材は、第1実施形態~第3実施形態で説明した凹多角形状や菱形状の他、ステント本体部を構成する線材20の本数に合わせた突出部41を有することが望ましい。具体的には、ステント本体部を構成する線材20の本数が2の倍数であれば、アンカー部材は、少なくとも2つの突出部41を有することが好ましく、3の倍数であれば、少なくとも3つの突出部41を有することが好ましい。また、アンカー部材は、最大で線材20の本数の半分の数の突出部41を有することができる。
図11(a)は、ステント本体部2Dを構成する線材20の本数が3の倍数の18本であり、アンカー部材4Dが突出部41を3つ備える凹六角形状の一例を示す。図11(b)は、ステント本体部2Eを構成する線材20の本数が2の倍数の16本であり、アンカー部材4Eが突出部41を最大の8つ備える凹16角形状の一例を示す。図11(c)は、ステント本体部2Fを構成する線材20の本数が3の倍数の18本であり、アンカー部材4Fが突出部41を最大の9つ備える凹18角形状の一例を示す。
図11(b)及び(c)に示す例のように、アンカー部材(4E、4F)が有する突出部41の数が多い場合は、ステント(1E、1F)を縮径する際に、隣接する突出部41を交互に軸方向の先端側と基端側に倒すことにより、突出部41を先端側又は基端側の一方のみに倒す場合に比べて、突出部41の重なりを半分とすることができる。即ち、図11(b)は、交互に倒す場合は、突出部41が先端側及び基端側にそれぞれ4つ重なり、一方のみに倒す場合は、突出部41が8つ重なる。図11(c)は、交互に倒す場合は、突出部41が先端側に4つ(又は5つ)、基端側に5つ(又は4つ)重なり、一方のみに倒す場合は、突出部41が先端側又は基端側に9つ重なる。よって、アンカー部材が有する突出部41の数が多い場合であっても、隣接する突出部41を交互に軸方向の先端側と基端側に倒すことにより、アンカー部材を径方向に小さくすることができるので、ステントをデリバリーシステムに収納することができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係るステント1Gについて、図12~図14を参照して説明する。ステント1Gのうち、ステント1A~ステント1Fと同様の構成については、ステント1A~1Fで付したものと同一の符号を付して説明を省略する。
ステント1Gは、ステント本体部2と、拡径機構3と、アンカー部材4Gと、を備える。第4実施形態のステント1Gは、アンカー部材4Gの構成においてステント1A~1Fと異なる。
尚、第4実施形態では、アンカー部材4Gを端部アンカー部材として用いる例を示すが、中央部アンカー部材として用いてもよい。また、ステント本体部の構成は、一例として第1実施形態で説明したものと同様の構成とするが、第3実施形態で説明した大径部を備えるステント本体部の構成としてもよい。
アンカー部材4Gは、図12A及び図12Bに示すように、第1実施形態で説明した場合と同様に、端部アンカー部材としてステント本体部2の先端側の端部に取り付けられる。本実施形態では、端部アンカー部材として、ステント本体部2の先端部のみにアンカー部材を取り付けたが、アンカー部材を両端部に取り付けてもよい。また、中央部アンカー部材は取り付けなかったが、第2実施形態と同様に、中央部アンカー部材を取り付けてもよい。
アンカー部材4Gは、第1実施形態で説明した作製方法と同様の方法により、また、アンカー部材4A~4Fと同様の線材40により環状に構成されており、アンカー部材4A~4Fにおける突出部41とは異なる構成の突出部42を備えている。アンカー部材4Gは、ステント本体部2の線材20により形成される網目を縫うように、周方向に沿って取り付けられる。
図13を参照しながら、突出部42の構成について、詳細に説明する。図13は、狭窄部Nの端部の健常部に配置されたステント本体部2及びアンカー部材4Gの模式的な断面図である。
突出部42は、線材40がループ状に構成されて形成される。具体的には、線材40を交差させてループを形成した。ここで、本実施形態では、線材40を交差させることで突出部42をループ状に形成している。これにより、ステント1Gを縮径状態から拡径状態とする際にアンカー部材4Gを、折り畳まれた状態から容易に展開された状態とすることができる。尚、突出部42は、線材40を交差させずに、いわゆるΩ(オメガ)形状のようにループ状に形成してもよい。
本実施形態のアンカー部材4Gは、凸多角形状に形成され、ステント本体部2を構成する網目に取り付けられる部分の線材40が略直線状になっている。よって、図4に示した凹多角形状のアンカー部材4Aの構成に比べて、ステント本体部2の側面に沿った状態でアンカー部材4Gを配置することができ、ステント1Gの内側の空洞をより広く確保することができる。
ところで、消化管等の生体管路壁との接点を多くしてアンカー部材が更に逸脱しにくいように構成する場合、変形例で示したように、アンカー部材の形状を凹多角形状とし、突出部の数を増やせばよい。一方、ステントの内側の空洞を広く確保するためには、アンカー部材の形状としては、凹多角形状よりも凸多角形状であることが好ましい。しかしながら、アンカー部材の形状を角数の多い凸多角形状とすると、生体管路壁と十分に接するまでアンカー部材の径を大きくすることが困難となる。
そこで、アンカー部材4Gを凸多角形状とし突出部42がループ状に形成されるように構成することで、生体管路壁との接点を多くすることができると共に、アンカー部材4Gの径を大きくすることができ、ステント1Gの狭窄部Nから逸脱を更に低減することができる。
尚、アンカー部材の形状を凹多角形状とし、突出部をループ状に形成した場合であっても、アンカー部材の径を大きくできるという効果が得られる。
ステント1Gの縮径方法について、図14を参照して説明する。
本実施形態では、アンカー部材4Gは凸多角形状に形成されるので、図6で説明した縮径方法と同様の方法で縮径させることが好ましい。具体的には、図14(a)に示す状態から、図14(b)に示すように、紙面上側及び下側の2つの突出部42を軸方向の基端側に、紙面手前側と奥側の2つの突出部41を軸方向の先端側に向けて倒す、即ち、隣り合う突出部42がステント本体部2の軸方向について反対側を向くように倒すことで、ステント1Gを縮径した状態とすることができる。
また、アンカー部材4Gの突出部42はループ状に構成されているため、折り畳まれてもクセ付けされにくく、展開しやすい構造となっている。よって、ステント1Gを縮径状態から拡径状態とする際には、アンカー部材4Gは、折り畳まれた状態から容易に展開された状態となる。
以上説明した第4実施形態のステント1Gによれば、前述した(1)~(9)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(10)アンカー部材4Gの突出部42は、線材40がループ状に構成されて形成されるものとした。これにより、アンカー部材4Gの径を、ループ状としない場合に比べて大きくすることができる。また、ステント1Gを縮径状態から拡径状態とする際には、アンカー部材4Gは、折り畳まれた状態から容易に展開された状態とすることができる。
(11)アンカー部材4Gを、凸多角形状に形成されるものとした。これにより、ステント1Gを生体管路に留置する際に、アンカー部材4Gは、生体管路壁との接点が多くなるともに径を大きくすることができるので、ステント1Gの狭窄部Nから逸脱を更に低減することができる。
以上、本発明のステントの好ましい実施形態及び変形例につき説明したが、本発明は、上述の実施形態及び変形例に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態~第4実施形態では、拡径機構の一例として、リング部材と、係止部と、紐状部材と、を備えるものとしたが、これに限らない。例えば、拡径機構を、ステント本体部の先端側に一端が接続されてステント本体部の基端側に延びる紐状部材と、この紐状部材に形成される係止部と、ステント本体部の基端側に環状に形成されて紐状部材が挿通される環状部と、を含んで構成してもよい。この場合、紐状部材を基端側に引っ張ってステント本体部を拡径させ、また、係止部を環状部に係止させることで拡径状態を維持させた後、紐状部材は所定の位置にて切断される。即ち、拡径機構は、ステント本体部を拡径すると共に拡径した状態を維持できるものであればどのような構成であってもよい。
また、第2実施形態では、アンカー部材4B(410)を、ステント本体部2のうちリング部材31が取り付けられる箇所を含む周に沿って取り付け、リング部材31の近傍に配置される突出部41を、リング部材31に挿通させたが、これに限らない。即ち、アンカー部材をステント本体部におけるリング部材が取り付けられる箇所よりも若干基端側に配置し、突出部をリング部材に挿通させてもよい。即ち、リング部材をアンカー部材よりも先端側に取り付け、アンカー部材の突出部をリング部材に挿通させることで、リング部材をねじれにくくできる。
また、第1実施形態~第4実施形態では、ステントとして、生分解性の繊維により構成した生分解性ステントを用いたがこれに限らない。即ち、拡径機構を備えるステントであれば、生分解性を有さない合成樹脂繊維を用いてステントを構成してもよく、また、形状記憶合金ではない、即ち、自己拡張能力を有さない金属製ステントに適用することも可能である。
また、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、端部アンカー部材として一端部のみアンカー部材を取り付ける構成としたが両端部に取り付けてもよい。
また、第3実施形態では、大径部をステント本体部の一端部のみに備える構成としたが、両端部に備えていてもよい。
また、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、アンカー部材の突出部をリング部材に挿通させない構成としたが、第2実施形態と同様に、アンカー部材をリング部材の取り付け箇所を含む周に沿って取り付けて、突出部をリング部材に挿通させる構成としてもよい。
また、第3実施形態では、ステント本体部が備える筒状部が第1のピッチ部分及び第2のピッチ部分を備えることにより、ステントが拡径した状態において一端部に大径部を備える構成としたが、これに限らない。ステントが拡径した状態において一端部又は両端部に大径部を備える形状であれば、ステント本体部の形状はどのような形状であっても構わない。
また、第1実施形態~第4実施形態では、アンカー部材を構成する線材として生分解性の繊維を用いる例を示したがこれに限らない。線材として形状記憶合金のワイヤを用いてもよい。
1A、1B、1C、1G ステント
2、2C ステント本体部
3 拡径機構
4A、4B、4C、4G アンカー部材
20 線材
21、21C 筒状部
22 延出部
31 リング部材
32 係止部
33 紐状部材
40 線材
41 突出部
211 第1のピッチ部分
212 第2のピッチ部分(大径部)
N 狭窄部

Claims (11)

  1. 線材により網目状に編み組みされて円筒状に構成され、縮径した状態から拡径した状態に変形可能なステント本体部と、
    前記ステント本体部に接続され且つ前記ステント本体部を縮径した状態から拡径した状態に変形させると共に該ステント本体部を拡径した状態に維持する拡径機構と、
    線材により構成され、前記ステント本体部の網目を縫うように、前記ステント本体部のうち前記拡径機構により拡径した状態に維持される部分に周方向に沿って取り付けられ、前記ステント本体部が拡径した状態において、該ステント本体部から径方向外側に向かって突出する突出部を有する環状のアンカー部材と、
    を備えるステントであって、
    前記ステント本体部が縮径した状態において、前記アンカー部材は、前記ステント本体部の網目内で前記ステント本体部の軸方向に沿って移動可能であり、前記ステント本体部の軸方向に沿って変形させることが可能であり、
    前記拡径機構により前記ステント本体部が拡径した状態において、前記ステント本体部の網目が前記ステント本体部の軸方向に密になり、前記アンカー部材は、前記突出部が径方向外側に向かって突出した状態で、前記ステント本体部の前記線材により軸方向に挟まれて固定されるステント。
  2. 前記アンカー部材は、前記ステント本体部の一端部又は両端部に配置される請求項1に記載のステント。
  3. 前記アンカー部材は、前記ステント本体部の中央部に配置される請求項1又は2に記載のステント。
  4. 前記ステント本体部は、拡径した状態において、一端部又は両端部に前記ステント本体部の中央部の径よりも大きい径を有する大径部を備え、
    前記アンカー部材は、前記大径部に取り付けられる請求項1~3のいずれかに記載のステント。
  5. 前記ステント本体部は、生分解性の線材により構成される請求項1~4のいずれかに記載のステント。
  6. 前記アンカー部材は、前記ステント本体部を構成する前記線材よりも太い生分解性の線材により構成される請求項1~5のいずれかに記載のステント。
  7. 線材により網目状に編み組みされて円筒状に構成され、縮径した状態から拡径した状態に変形可能なステント本体部と、
    前記ステント本体部に接続され且つ前記ステント本体部を縮径した状態から拡径した状態に変形させると共に該ステント本体部を拡径した状態に維持する拡径機構と、
    線材により構成され、前記ステント本体部の網目を縫うように、前記ステント本体部のうち前記拡径機構により拡径した状態に維持される部分に周方向に沿って取り付けられ、前記ステント本体部が拡径した状態において、該ステント本体部から径方向外側に向かって突出する突出部を有する環状のアンカー部材と、
    を備えるステントであって、
    前記ステント本体部が縮径した状態において、前記アンカー部材は、前記ステント本体部の軸方向に沿って変形させることが可能であり、
    前記拡径機構により前記ステント本体部が拡径した状態において、前記アンカー部材は、前記突出部が径方向外側に向かって突出した状態で、前記ステント本体部の前記線材により軸方向に挟まれて固定され、
    前記拡径機構は、
    前記ステント本体部の内部に配置されると共に、該ステント本体部の先端部に取り付けられるリング部材と、
    前記ステント本体部の基端部に設けられ、前記ステント本体部の基端側に突出して前記リング部材を係止可能な係止部と、
    前記リング部材に挿通され、一端部が前記係止部に接続され、他端部が前記ステント本体部の基端側に延びる紐状部材と、を備え、
    前記ステント本体部が縮径した状態において、前記紐状部材の前記他端部が前記ステント本体部の基端側に引っ張られることにより、前記リング部材と前記係止部とが近接する方向に移動すると共に該リング部材と前記係止部とが係合して前記ステント本体部が拡径した状態に維持されるステント。
  8. 前記アンカー部材は、前記ステント本体部のうち前記リング部材が取り付けられる箇所を含む周に沿って取り付けられ、前記リング部材の近傍に配置される前記突出部は、前記リング部材に挿通される請求項7に記載のステント。
  9. 前記突出部は、線材が折り曲げられて形成される請求項1~8のいずれかに記載のステント。
  10. 前記突出部は、線材がループ状に構成されて形成される請求項1~8のいずれかに記載のステント。
  11. 前記アンカー部材は、凸多角形状に形成される請求項10に記載のステント。
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