JP2016146408A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子に用いた場合、蒸着やスピンコートにより製膜が可能であり、かつ優れた性能((高いガラス転移温度、高い発光効率、低電圧駆動、高色純度、長寿命、深い赤色(長波長))を発揮し、特に赤色発光材料に好適に用いることができる発光材料を提供する。【解決手段】3,6−ジチオフェニルピロロ〔3,4−c〕ピロール−1,4(2H,5H)−ジオン誘導体と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を含んでなる発光材料。【選択図】なし

Description

本発明は平面光源や表示に使用される新規な有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と略記)用材料およびその用途に関する。さらに詳しくは、有機EL素子に用いた場合、蒸着やスピンコートにより製膜が可能であり、かつ優れた性能(高いガラス転移温度、高い発光効率、低電圧駆動、高色純度、長寿命、深い赤色(長波長発光))を発揮し、特に赤色発光材料に好適に用いることができる有機EL素子用材料に関する。
近年、有機EL素子においては、素子の長寿命化が求められている。素子の寿命に影響を及ぼす原因は様々な因子が考えられるが、その一つとして、素子を構成する材料のガラス転移温度(Tg)が、素子の寿命に大きな影響を及ぼすものと考えられている。すなわち、素子の使用環境や駆動時の発熱などにより、素子の温度が構成する材料のTgを上回ると、構成する材料の結晶化が起こり、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生することが指摘されている。そのため、より高いTgを示す材料が求められてきた(非特許文献1)。
この有機EL素子の中でも、特に赤色発光を示す有機EL素子は、その有用性から様々な材料を用いた素子の研究が進められてきたが、ホスト材料の中に微量のドーパントを共蒸着などの方法によって混入させて発光層を形成し、ドーパントからの発光を得るという方法が有効な方法として検討されている(非特許文献2)。この方法では、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーパントに用いて橙色から赤色の発光が得られる有機EL素子を報告している。
また、赤色顔料として知られる1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロール構造を有する化合物を用いた有機EL素子については、幾つかの特許が報告されている(特許文献1〜6)。しかしながら、いずれも、ベンゼン環を有する1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロール構造である。
これに対し、ピロール環、フラン環をやチオフェン環というヘテロ環を有する1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロール誘導体の吸収波長が長波長化すると報告されている(特許文献7)。しかしながら、結晶性が高い為、素子の寿命が短く、実用的な材料とはいい難いという欠点があった。
特開平2−296891号公報 特開平5−320633号公報 特開2001−139940号公報 WO03/048268号パンフレット 特開2003−155286号公報 特開2010−235870号公報 特開2006−117591号公報
Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年 Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年
本発明の課題は、従来技術に述べた赤色の高輝度発光を得るための有機EL素子では、4H−ピラン誘導体をドーパントに用いた有機EL素子は、CIE1931色度座標系のx値が0.58〜0.62程度の橙色あるいは橙味赤色の発光であり、0.62以上の赤色や深赤色ではなく、加えて、駆動電圧が高く発光効率が低いというという問題があった。また、1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロール構造を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子では、色純度の高い素子を作成することができるものの、分子の凝集性が高いため濃度消光が起き易く、ドーピング濃度の制御が重要な問題となっている。そのため、濃度消光などの不具合を起こさずに、高い発光効率と長い寿命を示す高色純度の深い赤色発光を得ることができる有機EL素子用材料が求められていた。
本発明者らは、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を含んでなる発光材料に関する。

一般式[1]
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。)
一般式[2]
(式中、R9およびR10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11〜R16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。)
一般式[3]
(式中、Xは、硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、
Yは、水素原子もしくは置換基を有する炭素原子、または、窒素原子を表し、
17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R17およびR18は互いに環を形成しても良い。)
一般式[4]
(式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、
20〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R21およびR22は互いに環を形成しても良い。)
また、本発明は、一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料が、下記一般式[5]、および/または下記一般式[6]で表される材料である上記の発光材料に関する。
一般式[5]
(式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、R26およびR27は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
28〜R41は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
一般式[6]
(式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、R42およびR43は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
44〜R57は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
また、本発明は、一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料が、下記一般式[7]、および/または下記一般式[8]で表される材料である上記の発光材料に関する。
一般式[7]
(式中、R58およびR59は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
60〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
一般式[8]
(式中、R64およびR65は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
66〜R69は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、上記の発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
本発明の化合物を含む有機EL素子用材料は、その材料の特定の構造故に、色純度が高く深い(長波長な)赤色発光を有し、濃度消光を起こしにくく、高い発光輝度と長い寿命を両立できることを特徴としている。さらにこの材料を用いて作成した有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能である。とりわけ、深い赤色により、クロロフィルの吸収帯に適合した農業用光源、ヘモグロビンの酸素有無による赤〜近赤外の吸光特性の違いを利用した医療用センサ、といった従来技術では難しい用途に好適に用いることが出来る。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
本発明における有機EL素子の実施形態は多岐に渡るが、その内の一形態を此処に説明すると、一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料とを含む発光材料を用いた有機EL素子であり、ここで、前記材料の固体膜とは、材料の単独の膜である。この固体膜の光励起発光スペクトルとは、その薄膜に励起光を照射したときの光励起発光スペクトルをいう。
光励起発光スペクトルを得るための励起光は、対象とする材料単独膜が光吸収を有する波長を用いる。
一般に、光励起発光は蛍光であるが、イリジウム錯体や白金錯体等の一部の化合物では、重原子効果によって燐光での発光が得られる。
また、上記の固体膜の光励起発光スペクトルが二つ以上のピークを有する場合、最も発光強度が強いピークの波長をもって固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長とする。
本発明においては、発光に関し、化合物または材料組成物からの発光として、(1)溶液からの光励起発光、(2)固体膜の光励起発光、(3)素子からのEL発光、の3種類があるが、これらは分子の状態と励起様式が異なるだけで現象としては同じものである。したがって、状態や様式の区別が必要ない場合は、特に断りのない限り、単に発光と記す。ただし、素子そのものや素子を構成する膜に関する発光は特に断りのない限り、全てEL発光のことである。
本発明における有機EL素子の一形態としては、一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料が発光層におけるドーパント材料であり、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料はホストである。ドーパント材料の励起機構をホスト材料からのエネルギー移動と捉えた場合、ホストの発光スペクトルと、ドーパントの吸収スペクトルとの重なりが大きいことが理想的である。ドーパントのストークスシフト(吸収ピーク波長と発光ピーク波長の差)を考慮すると、赤色発光のドーパントに対しては、黄色から赤色程度の発光スペクトルを有するホストが好ましいことがわかる。
具体的なピーク波長では、短波長側のピーク波長が550nm以上であれば、赤色の発光が得られる有機EL素子用の発光層のホスト化合物として好適である。長波長側については、ドーパントの吸収スペクトルよりホストの発光スペクトルの長波長側の面積が大きい場合は、面積的に超過した分のエネルギー移動が期待できないので、ドーパントの吸収ピーク波長よりホストの発光ピーク波長が短いことが好ましいが、他方、ホストのスペクトルが幅広い場合にはドーパントのスペクトル範囲を十分カバーすることになるので、面積での重なりが大きければ多少のロスが生じてもドーパント自体の特性とホストとの相性によっては、ドーパントを添加しないホストのみの層を発光させるより、色純度の向上だけでなく、発光輝度や効率の大幅な向上が望める。
しかし、ホストの発光スペクトルの630nm以上の領域は、赤色発光のドーパントを添加した際には、ドーパントにエネルギー移動せずに直接赤色から赤色の発光を出すことになるので、この領域が大きいと色純度を悪化させることになる。そのため、ホストの発光ピーク波長は630nm以下であり、しかもできるだけ630nm以上の領域の面積が少ないことが好ましい。ホストとドーパントの組み合わせが合わない場合は、ともに発光強度の強いもの同士であっても、ホストからドーパントへのエネルギー移動がうまくいかないため良好な結果が得られず、場合によってはホストからの発光が残るために目的とする色調が得られないことがある。
また、一般式[1]、および/または一般式[2]で表されるドーパント材料の単独膜は、同種分子が近接することによって励起エネルギーが失活してしまうために発光強度が低下する「濃度消光」が起こりやすく、かつ、ドーパントの単独膜の発光スペクトルは素子で用いられるドーピング膜のそれよりかなり長波長化する場合が多い。ドーパントとなる化合物は、通常のEL素子発光膜としてホストとなる化合物に対し、0.01〜10重量%程度含まれているが、ドーパントの配合割合により発光スペクトルが若干変化し、これに伴って、スペクトルの面積分布も若干変わる。
ホスト材料の固体膜を得るための成膜は蒸着やスピンコーティングなど後述する素子にする時に用いる成膜法により行えばよいが、単に光励起発光スペクトルの観測だけでなく、成膜適性を把握することになるので、素子化時と同じ成膜法を用い、条件もできるだけ揃えておくことが好ましい。
固体膜の光励起発光スペクトルでは、膜の性状や装置の仕様によっては、励起光の膜面その他での乱反射によって装置の検出部に到達してしまう散乱光の影響を除くことが難しい場合も多いため、測定後のデータ処理によって散乱光部分を除いてもよく、あるいは、400〜800nmの範囲にこだわらず、400nm以上の散乱光を避けてそれより長波長部分からのスペクトルで判断することも必要な場合もある。
有機EL素子の発光色は、使用するITOおよび有機層の膜厚が可視光域の波長とほぼ同じオーダーであるため、光の干渉効果を受けやすいことが知られている。このため、同じ化合物を用いても、ITOの膜厚が異なるか、または発光層のみならず正孔注入層や電子注入層などを含む有機層の構成や膜厚を変えていくと、色度が大きく変化する場合があり、固体膜の光励起発光スペクトルを素子の発光層と同じ膜厚で測定しても、化合物間での光励起発光スペクトルの序列とEL発光スペクトルの序列に逆転が生じることも時にはある。逆にこの効果を積極的に利用することにより色度を目標とする数値に近づけることも可能となる。
発光層におけるホストとドーパントの関係は、成膜機能と発光機能という機能的観点から捉えるものであり、単に量的比率を示すものではないが、通常は、ホストとドーパントとの合計に対して、ホストの成膜性を十分に生かし、ドーパントを濃度消光させずに効率的に発光させるという観点から、ホストの割合が50重量%〜99.99重量%、より好ましくは90重量%〜99.9重量%である。
反対にドーパントの割合は、通常は、50重量%以下、好ましくは25重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
上記以外の形態としては、発光アシストドーパント材料を用いることが可能であり、このアシストドーパント材料は、ホスト材料からドーパント材料にエネルギー移動を円滑に行わせる役目を有する。この代表例として、電子情報通信学会技術研究報告.OME、有機エレクトロニクス100(651)、13-18、2001-03-02や、表面技術.V.56、No.5、2005等が報告されている。
本願においても、実施形態の一つとして、発光層に一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料や、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料以外の成分を含んで良く、また、その成分がホスト材料やアシストドーパント材料の機能を果たしても良い。さらに、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料が、アシストドーパント材料の機能を果たしても良い。
本発明における有機EL素子の他の一形態としては、一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料が発光層におけるドーパント材料であり、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料はアシストドーパントである。この場合、ホスト材料としては、従来公知の発光材料、あるいは、アシストドーパントとは別の、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を用いることが出来る。
ドーパントと、アシストドーパントと、ホストとからなる発光層でのホストの割合は、50重量%〜99.9重量%が好ましく、65重量%〜95重量%が特に好ましい。
また、ドーパントと、アシストドーパントと、ホストとからなる発光層での、ドーパントとアシストドーパントの重量比としては、1:20〜1:1が好ましい。
上記有機EL素子は、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料と一般式[1]、および/または一般式[2]で表されるドーパント材料以外の成分、たとえば、フィルム形成能を高めるために配合する後述する各種のポリマー、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料と一般式[1]、および/または一般式[2]で表されるドーパント材料以外の発光材料、正孔注入材料、電子注入材料、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の各種の添加剤を含んでいてもよい。
本発明におけるホスト材料として用いることができる具体的な化合物としては、アルミニウムや亜鉛などの金属のキノリノール錯体、ベンゾオキサゾール錯体、ベンゾチアゾール錯体、ベンゾイミダゾール錯体、ベンゾトリアゾール錯体などのベンゾアゾール系金属錯体、ビススチリル誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ベンジジン型トリフェニルアミン誘導体、スチリルアミン型トリフェニルアミン誘導体、ジアミノアントラセン型トリフェニルアミン誘導体、ジアミノフェナントレン型トリフェニルアミン誘導体、ルブレン、クマリン系色素、フタロペリノン、ナフタロペリノン、キナクリドン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体などのポリマー材料、テルビウムなどの希土類金属錯体、イリジウムなどの金属錯体等である三重項状態の関与する発光材料など、黄色から赤色発光を示す材料の数多くのものが候補として挙げられる。このなかのキノリノール錯体、ベンゾアゾール系錯体、ビススチリル系誘導体、トリフェニルアミン誘導体などは、比較的単純な構造のものは青色から青緑色の光励起発光を有するため、緑色から黄色の発光材料として用いるためには、縮合芳香環や複素環の導入、環拡大、あるいは極性、特に電子供与性の置換基を付けることにより光励起発光を長波長化することが好ましい。
この中でもホスト材料の一成分として特に有効なものとして、ペリレン環を有する化合物が挙げられる。その理由として、ペリレン環を有する化合物が比較的単純な構造の置換基の付与により特に固体状態で黄色の強い発光を有する化合物を得やすく、発光スペクトルが広い波長に広がっているものが多くて短波長、長波長側それぞれに裾を引く。
本発明の一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料は固体状態ではそれほど強い蛍光を発せず、薄膜の着色性が強いが、溶液にすると非常に強い赤色蛍光を示し、しかも発光スペクトルが比較的狭い材料となっている。
以下に、一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料について詳細に説明する。
一般式[1]で表される有機EL素子用材料において、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
本発明でいうR1およびR2の未置換のアルキル基としては、直鎖状アルキル基と環状アルキル基、及び脂肪族複素環基があり、直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18の直鎖状アルキル基があげられる。
また、環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基といった炭素数3〜18のシクロアルキル基があげられる。
また、置換アルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ベンジル基、4−ビフェニリルメチル基、4−(p−ターフェニリル)メチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、9−フェナントリルメチル基、9−アントリルメチル基、2−フェネチル基、2−(4−ビフェニリル)エチル基、2−{4−(p−ターフェニリル)}エチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基、2−(9−フェナントリル)エチル基、2−(9−アントリル)エチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−ビフェニリル)プロピル基、3−{4−(p−ターフェニリル)}プロピル基、3−(1−ナフチル)プロピル基、3−(2−ナフチル)プロピル基、3−(9−フェナントリル)プロピル基、3−(9−アントリル)プロピル基、2−チエニルメチル基、2−ベンゾ[b]チエニルメチル基、2−ナフト[2,3−b]チエニルメチル基、2−フリルメチル基、(2H−ピラン−3−イル)メチル基、1−イソベンゾフラニルメチル基、1−メチル−2−ピロリルメチル基、1−メチル−2−イミダゾリルメチル基、2−ピラジニルメチル基、2−ピリジルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、3−ピリダジニルメチル基、3-メチルシクロヘキシル基、3.5−ジメチルシクロヘキシル基等があげられる。
また、脂肪族複素環基としては、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基、1,4−ジオキサニル基、2−テトラヒドロフリル基、2−モルホリノ基、4−モルホリノ基、ピペリジノ基等の炭素数3〜18の1価の脂肪族複素環基があげられる。
本発明でいうR1およびR2の未置換のアリール基としては、単環、縮合環、環集合炭化水素基、および芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜18の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の炭素数10〜18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、環集合炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の炭素数12〜18の環集合炭化水素基が挙げられる。
さらに、芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、N−カルバゾリル基、
N−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基といった炭素数2〜18の芳香族複素環基が挙げられる。
本発明でいうR1およびR2の未置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜14のアルコキシカルボニル基が好ましい。このようなものとして、以下の例には限定されないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
本発明でいうR1およびR2の未置換のアリ−ルオキシカルボニル基としては、炭素数2〜14のアリ−ルオキシカルボニル基が好ましい。このようなものとして、以下の例には限定されないが、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の未置換のアルキル基としては、R1およびR2における未置換のアルキル基と同義である。
本発明でいうR3〜R8の未置換のアリール基としては、R1およびR2における未置換のアリール基と同義である。
本発明でいうR3〜R8の未置換のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基といった炭素数1〜8のアルコキシル基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の未置換のアリ−ルオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜14のアリ−ルオキシ基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の未置換のチオアルコキシル基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオブトキシ基、tert−チオブトキシ基、チオオクチルオキシ基、tert−オクチルチオキシ基といった炭素数1〜8のチオアルコキシル基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の未置換のチオアリ−ルオキシ基としては、チオフェノキシ基、4−tert−ブチルチオフェノキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、9−アンスリルチオキシ基といった炭素数6〜14のチオアリ−ルオキシ基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の置換シリル基としては、置換もしくは未置換のアルキル基、または、置換もしくは未置換のアリール基によって置換されたシリル基であり、モノアルキルシリル基、モノアリールシリル基、ジアルキルシリル基、ジアリールシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基等といった置換シリル基が挙げられる。
ここで、モノアルキルシリル基としては、モノメチルシリル基、モノエチルシリル基、モノブチルシリル基、モノイソプロピルシリル基、モノデカンシリル、モノイコサンシリル基、モノトリアコンタンシリル基等のモノアルキルシリル基が挙げられる。
また、モノアリールシリル基としては、モノフェニルシリル基、モノトリルシリル基、モノナフチルシリル基、モノアンスリルシリル基等のモノアリールシリルが挙げられる。
また、ジアルキルシリル基としては、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジブチルシリル基、ジオクチルシリル基、ジ
デカンシリル基等のジアルキルシリル基が挙げられる。
また、ジアリールシリル基としては、ジフェニルシリル基、ジトリルシリル基等のジアリールシリルが挙げられる。
また、トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基等のトリアルキルシリル基が挙げられる。
また、トリアリールシリル基としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基等のトリアリールシリル基が挙げられる。
本発明でいうR3〜R8の置換アミノ基としては、モノ置換アミノ基とジ置換アミノ基があり、モノ置換アミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基が、ジ置換アミノ基としては、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基等の炭素数2〜26の置換アミノ基が挙げられる。
一般式[2]で表される有機EL素子用材料において、R9およびR10の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基としては、R1およびR2における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基と同義である。
一般式[2]で表される有機EL素子用材料において、R11〜R16の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基としては、R3〜R8における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
一般式[3]および一般式[4]の、R17〜R18、及びR20〜R22の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基としては、R3〜R8における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
一般式[3]および一般式[4]のYは、水素原子を有する炭素原子、置換基を有する炭素原子、または窒素原子である。炭素原子が有してもよい置換基は、上述の、置換基もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基である。
一般式[5]および一般式[6]で表される有機EL素子用材料において、R26およびR27、R42およびR43の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシ
カルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基としては、R1およびR2における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基と同義である。
一般式[5]および一般式[6]で表される有機EL素子用材料において、R28〜R41、及びR44〜R57の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基としては、R3〜R8における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
一般式[7]および一般式[8]で表される有機EL素子用材料において、R58およびR59、R64およびR65の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基は、R1およびR2における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、および、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基と同義である。
一般式[7]および一般式[8]で表される有機EL素子用材料において、R60〜R62、及びR66〜R69の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基としては、R3〜R8における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
上に述べた、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコキシル基、チオアリ−ルオキシ基、シリル基、または、アミノ基は、さらに、一般式[1]で記述した置換基によって置換されていても良い。また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
また、R17〜R18、R20〜R21は隣接した置換基同士が互いに結合して環を形成しても良く、この具体例としては、ベンゼン環、シクロヘキシル環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環を形成する等があげられる。
また、R3〜R8の少なくとも1つ、および、R11〜R16の少なくとも1つは、一般式[3]もしくは一般式[4]で表される置換基であり、特に、R3およびR6のどちらか一方、並びに、R12およびR15のどちらか一方に一般式[3]もしくは一般式[4]が結合した場合は、一般式[3]もしくは一般式[4]が電子供与性置換基としての挙動を示し、これに基づく電子的な効果として分子の吸収波長の長波長化を引き起こす。
また、その一般式[3]もしくは一般式[4]が置換する個数は、R3およびR6、並びに、R12およびR15の位置が置換されることにより、最も長波長化(深い赤色化)が可能となる。しかし、これら有機EL素子用材料の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成する場合の蒸着性が悪くなる懸念が考えられるためである。
以下、表1に本発明の有機EL素子用材料として用いることができる一般式[1]もしくは一般式[2]で表される有機EL素子用材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
次に、本発明で使用される、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料について説明する。
本願の、一般式[1]、および/または一般式[2]、もしくは、一般式[5]、およ
び/または一般式[6]、もしくは、一般式[7]、および/または一般式[8]で表される材料が有する吸収スペクトルのピークやその前後などの主要部分が存在する550〜630nmの範囲に対し、本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料は、その光励起発光が重なる。
上記条件に合う材料として、モノアミノペリレン誘導体、ジアミノペリレン誘導体、ペリレン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、ピロメテン錯体、ピラン誘導体、ナフタセン誘導体、スチリル誘導体、イリジウム錯体、白金錯体等が挙げられる。
本発明を限定するものではないが、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料が発する光励起発光としては、蛍光、燐光、さらにNature Communications 5,Article number:4016等で報告されている熱活性化遅延蛍光(TADF)などが挙げられ、これらの発光が複合していても良い。
以下、モノアミノペリレン誘導体について、詳細を示す。また、ペリレン構造を有する有機EL素子については、例えば、特開平10−251633号公報、特開平11−144869号公報、特開2001−11031号公報、特開2001−176664号公報、特開2002−129043号公報、特開2003−201472号公報が知られている。
本願で示す、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のモノアミノペリレン誘導体は、下記一般式[9]で表される。
一般式[9]
(式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
101〜R111は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、または、置換シリル基を表す。)
また、一般式[9]で表される材料において、Ar1およびAr2の未置換のアルキル基、未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
また、一般式[9]で表される材料において、R101〜R111の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオ
アルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコキシル基、チオアリ−ルオキシ基、または、シリル基は、一般式[1]および[2]記述した置換基によって置換されていても良い。
以下、表2に本発明で用いることができる一般式[9]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表2
以下、ジアミノペリレン誘導体について、詳細を示す。また、ジアミノペリレン構造を有する有機EL素子については、例えば、特開2002−3833号公報が知られている。
本願で示す、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のジアミノペリレン誘導体は、下記一般式[10]および一般式[11]で表される。
一般式[10]
(式中、Ar3〜Ar6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
112〜R121は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換の
チオアリ−ルオキシ基、または、置換シリル基を表す。)
また、一般式[10]で表される材料において、Ar3〜Ar6の未置換のアルキル基、未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
また、一般式[10]で表される材料において、R112〜R121の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコキシル基、チオアリ−ルオキシ基、または、シリル基は、一般式[1]および[2]で記述した置換基によって置換されていても良い。
一般式[11]
(式中、Ar7〜Ar10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
122〜R131は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、または、置換シリル基を表す。)
また、一般式[11]で表される材料において、Ar7〜Ar10の未置換のアルキル基、未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
また、一般式[11]で表される材料において、R122〜R131の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコ
キシル基、チオアリ−ルオキシ基、または、シリル基は、一般式[1]および[2] で記述した置換基によって置換されていても良い。
以下、表3に本発明で用いることができる一般式[10]および一般式[11]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表3
以下、ジベンゾ[f,f’]ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン誘導体について、詳細を示す。また、ジベンゾ[f,f’]ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン誘導体を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、特開平10−330295号公報、特開平11−233261号公報、特開2000−48958号公報、特開2000−86549号公報が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のジベンゾ[f,f’]ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン誘導体は、下記一般式[12]で表される。
一般式[12]
(式中、R132〜R151は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、または、置換シリル基を表す。)
また、一般式[12]で表される材料において、R132〜R151の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、未置換のアリ−ルオキシ基、未置換のチオアルコキシル基、未置換のチオアリ−ルオキシ基、および、置換シリル基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコキシル基、チオアリ−ルオキシ基、または、シリル基は、一般式[1]および[2]で記述した置換基によって置換されていても良い。
以下、表4に本発明で用いることができる一般式[12]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表4
以下、ジケトピロロピロール誘導体について、詳細を示す。また、ジケトピロロピロール構造を有する有機EL素子については、例えば、WO2003−048268、特開2006−160982号公報、特開2006−160982号公報が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のジケトピロロピロール誘導体は、下記一般式[13]で表される。
一般式[13]
(式中、Ar11〜Ar14は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
152およびR153は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表す。)
また、一般式[13]で表される材料において、Ar11〜Ar14の未置換のアルキル基、未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
また、一般式[13]で表される材料において、R152およびR153の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシカルボニル基、未置換のアリ−ルオキシカルボニル基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基は、一般式[1]および[2]で記述した置換基によって置換されていても良い。
以下、表5に本発明で用いることができる一般式[13]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表5
以下、ピロメテン誘導体について、詳細を示す。さらに、ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、特開2000−208265号公報、特開2000−208266号公報、特開2000−208267号公報、特開2000−208268号公報、特開2000−208269号公報、特開2000−208270号公報、特開2000−208271号公報、特開2000−208272号公報、特開2000−208273号公報、特許第3129200号公報、特開2001−223081号公報、特開2001−223082号公報、特開2001−257077号公報、特開2001−297881号公報、特開2001−307884号公報、特開2002−134274号公報、特開2002−134275号公報、特開2003−12676号公報が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のピロメテン誘導体は、下記一般式[14]で表される。
一般式[14]
(式中、R154〜R160は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換アミノ基を表す。)
また、一般式[14]で表される材料において、R154〜R160の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、または、置換アミノ基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、置換アミノ基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アミノ基は、一般式[1]および[2]で記述した置換基によって置換されていても良い。
以下、表6に本発明で用いることができる一般式[14]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表6
以下、ピラン誘導体について、詳細を示す。さらに、ピラン誘導体を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、C.H.Chenら著,Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年発行に記載されている方法では、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーパントに用いて橙色から赤色の発光が得られる有機EL素子を報告している。また、この類似構造として特開平11−292875号広報が知られている。
本願で示す、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のピラン誘導体は、下記一般式[15]で表される。
一般式[15]
(式中、R161〜R167は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換シリル基、シアノ基、ニトロ基、または、置換アミノ基を表し、
168およびR169は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表す。また、R161とR162、R165とR168、R166とR169は互いに環を形成しても良い。
また、一般式[15]で表される材料において、R161〜R167の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、置換シリル基、および、置換アミノ基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
また、一般式[15]で表される材料において、R168およびR169の未置換のアルキル基、未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基、チオアルコキシル基、シリル基、または、アミノ基は、一般式[1]および[2]で記述した置換基によって置換されていても良い。また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
以下、表7に本発明で用いることができる一般式[15]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表7
以下、ナフタセン誘導体について、詳細を示す。また、ナフタセン誘導体を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、特開2002−97465号広報、特開2002−167578号広報、特開2002−167579号広報が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のナフタセン誘導体は、下記一般式[16]で表される。
一般式[16]
(式中、Ar15〜Ar18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
170〜R177は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換シリル基、シアノ基、ニトロ基、または、置換アミノ基を表す。)
また、一般式[16]で表される材料において、Ar15〜Ar18の未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアリール基と同義である。
また、一般式[16]で表される材料において、R170〜R177の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、未置換のアルコキシル基、置換シリル基、および、置換アミノ基は、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基未置換のアルコキシル基、置換シリル基、および、置換アミノ基と同義である。
以下、表8に本発明で用いることができる一般式[16]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表8
以下、スチリル誘導体について、詳細を示す。また、スチリル誘導体を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、例えば、特開平05-121168号広報、特開平06-9953号広報、特開平06-100857号広報、特開平06-207170号広報、WO2003−037836号広報、特開2009−4761等が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のスチリル誘導体は、下記一般式[17]で表される。
一般式[17]
(式中、Ar20〜Ar22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアリール基を表し、
Ar23は、2価の連結基を表す。)
また、一般式[17]で表される材料において、Ar20〜Ar22の未置換のアリール基は、一般式[1]および[2]における未置換のアリール基と同義である。
上に述べたアリール基は、さらに、一般式[1]で記述した置換基によって置換されていても良い。また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。また、アリール基に置換しても良い置換基として、シアノ基がある。
また、一般式[17]で表される材料において、Ar23は2価の連結基を表し、その具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
以下、表9に本発明で用いることができる一般式[17]で表される材料の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表9
以下、イリジウム錯体、白金錯体について、詳細を示す。また、イリジウム錯体、白金錯体を有する化合物をドーパントに用いた有機EL素子として、従来の一重項励起状態を利用した有機EL素子に比べ、効率が大幅に改善された三重項励起状態からの発光を利用がネイチャー395巻、151ページ、1998年や、アプライド・フィジクス・レターズ、75巻、4ページ、1999年、J.Am.Chem.Soc.、123巻、4304ページ、2001年等に報告され、注目を集めている。具体的な材料としては、特開2010-161071号広報が知られている。
本願で示す固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料のイリジウム錯体は、下記一般式[18]で表される。
一般式[18]
(式中、R180〜R189は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、R180〜R183、R184〜R187は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成しても良い。nとmは、それぞれ0〜3の整数を表し、nとmの和は3である。)
また、一般式[18]で表される材料において、R180〜R189の未置換のアルキル基、未置換のアリール基、一般式[1]および[2]における未置換のアルキル基、未置換のアリール基と同義である。
上に述べたアルキル基、アリール基は、さらに、一般式[1]で記述した置換基によって置換されていても良い。また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
以下、表10に本発明で用いることができる一般式[18]で表される材料、および白金錯体の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表10
ところで、有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良く、いくつかの層が繰り返し積層されていても良い。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述の多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法があげられる。
正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。これら正孔注入材料や正孔輸送材料は、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい必要がある。このような正孔注入層としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2/V・秒であるものが好ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料と混合して使用することができる、他の正孔注入材料および正孔輸送材料としては、上記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
このような正孔注入材料や正孔輸送材料としては、具体的には、例えばトリアゾ−ル誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾ−ル誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾ−ル誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリ−ルアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリ−ルアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾ−ル誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマ−(特にチオフェンオリゴマ−)等を挙げることができる。
正孔注入材料や正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報)、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)を用いることもできる。例えば、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル等や、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスタ−バ−スト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。また、正孔注入材料として銅フタロシアニンや水素フタロシアニン等のフタロシアニン誘導体もあげられる。さらに、その他、芳香族ジメチリデン系化合物
、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入材料や正孔輸送材料の材料として使用することができる。
芳香族三級アミン誘導体の具体例としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−N−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−フェニル)−N,N’−ジ(1−ナフチル)ベンジジン、N,N’−ビス(4’−フェニル(1−ナフチル)アミノ−4−フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−フェニル(1−ナフチル)アミノ−4−フェニル)−N,N’−ジ(1−ナフチル)ベンジジン等があげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも使用することができる。
以下、表11に正孔注入材料として特に好ましい例を示す。
表11
また、本発明の化合物(有機EL素子用材料)と共に用いることが出来る正孔輸送材料としては、下記表12に示す公知の化合物もあげられる。
表12
この正孔注入層を形成するには、上述の化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコ−ト法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化するが、正孔注入層の膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。
一方、電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロ−ル誘導体、トリアリ−ルホスフィンオキシド誘導体、カルシウムアセチルアセトナ−ト、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにド−プした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行)や、第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例と
してあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、シロ−ル誘導体、トリアリ−ルホスフィンオキシド誘導体があげられる。本発明に使用可能な好ましい金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体が好適である。8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体の具体例としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(1−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(2−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(フェノラ−ト)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−シアノ−1−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(1−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(2−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(フェノラ−ト)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−シアノ−1−ナフトラ−ト)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)クロロアルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(o−クレゾラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)ガリウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)ガリウム、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)ガリウム、トリス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(1−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(2−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(フェノラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−シアノ−1−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(1−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(2−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(フェノラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−シアノ−1−ナフトラ−ト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(o−クレゾラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−ヒドロキシキノリナ−トリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナ−ト)ベリリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナ−ト)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾ−ル誘導体、チアゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、チアジアゾ−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾ−ル、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾ−ル、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾ−ル、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル))ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾ−ル、2,5−ビス(1−ナフチル
)−1,3,4−チアジアゾ−ル、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)。)ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾ−ル、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾ−ル、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
含窒素芳香族複素環基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、2−ピラジル基、1−イミダゾリル基等の1価の含窒素単環芳香族複素環基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、2−キナゾリル基、4−キナゾリル基、5−キナゾリル基、2−キノキサリル基、5−キノキサリル基、6−キノキサリル基、1−インドリル基、9−カリバゾリル基等の1価の含窒素縮合環芳香族複素環基、2,2’−ビピリジル−3−イル基、2,2’−ビピリジル−4−イル基、3,3’−ビピリジル−2−イル基、3,3’−ビピリジル−4−イル基、4,4’−ビピリジル−2−イル基、4,4’−ビピリジル−3−イル基等の1価の含窒素環集合芳香族複素環基があげられる。
以下、表13にオキサジアゾール誘導体の具体例を示す。
表13
以下、表14にトリアゾール誘導体の具体例を示す。
表14
以下、表15にシロール誘導体の具体例を示す。
表15
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
また、本発明の発光材料を発光層に使用する場合、他の材料をホスト材料やドーパントをとして含有していても構わない。この場合の、本発明の発光材料に対するドーパントの濃度は本発明の発光材料材料に対して0.001〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、0.01〜10重量%の範囲で含有されることがより好ましく、0.1〜5重量%の範囲で含有されることがさらに好ましい。
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO2 、ZnO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/□以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200Nmである。
本発明の有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカ−ボネ−ト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエ−テルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フロ−コ−ティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナ−フィルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782やS.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固
体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明の有機EL素子に印加する電流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率良く発光させることが望ましい。
本発明の有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明の有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式としては、3色塗り分け方式、色変換方式、カラーフィルター方式があげられる。3色塗り分け方式では、シャドウマスクを使った蒸着法や、インクジェット法や印刷法があげられる。また、特表2002−534782やS.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているレーザー熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI法ともいわれる)も用いることができる。色変換方式では、青色発光の発光層を使って、蛍光色素を分散した色変換(CCM)層を通して、青色より長波長の緑色と赤色に変換する方法である。カラーフィルター方式では、白色発光の有機EL素子を使って、液晶用カラーフィルターを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明の有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極及び陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
以上述べたように、本有機EL素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す深い赤色発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
本発明の有機EL素子用材料の合成方法
尚、1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロールの合成法は、Journal of
Coatings Technology,60,37(1988)記載の方法を参考にした。
N-アルキル置換された、1,4−ジケトピロロ(3,4−c)ピロールの合成法は、特開平7−188234記載の方法を参考にした。
まず、本発明の合成例を説明するが、本発明はこれら合成例になんら限定されるものではない。
合成例2
有機EL素子用材料(2)の合成方法
反応式1〜反応式4に従って化合物(2)を合成した。
反応式1
以下、反応式1を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、tert-ペンチルアルコール200ml中、攪拌下に水素化ナトリウム(60%)9.6g( 0.24mol) 及び2−シアノチオフェン25g ( 0.25mol) を室温で添加する。その後、100℃ まで加熱昇温し、この温度においてコハク酸ジイソプロピル16g( 0.08mol)を滴下した。滴下中、反応物の温度は100℃に維持した。滴下終了後、副生するイソプロピルアルコールを系外に除去しながら、同温度において3時間攪拌を行った。その後60℃ まで冷却し、この温度において酢酸21g及びメタノール300gの混合液を滴下し、滴下終了後、0.5時間60℃加熱を施した。次にろ過し、メタノールにより洗浄した後に60℃ で乾燥した。更にメタノール中、60℃ において30分間加熱した後に熱時ろ過し、メタノール洗浄を施した。60℃ で乾燥することにより暗赤色粉末として、(III)を19g得た。
反応式2
以下、反応式2を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(III) で表される化合物(9g)をジメチルアセトアミド230g中に懸濁し、攪拌下に50℃ まで加熱する。この温度においてtert− ブトキシナトリウム8.64g を添加し、50℃ において30分間攪拌する。次に、1−ブロモ−2−エチルヘキサン25gを滴下し、滴下終了後、50℃ において2時間攪拌を行なう。反応液を室温まで冷却し、水1000gとメタノール800gの混合液中に徐々に注入すると暗赤色の個体が析出し、懸濁状態となる。室温下に1時間攪拌を行ない、ろ過、水洗浄、メタノール洗浄を施したのち乾燥を行ない、暗赤色粉末として、(V)を13.5g得た
反応式3
以下、反応式3を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(V) で表される化合物(5g)をクロロホルム100g中に懸濁し、攪拌下に0℃ まで冷却する。この温度においてN−ブロモスクシニックイミド(NBS)3.74g を添加し、室温に戻し12時間攪拌する。反応
液を室温まで冷却し、水1000gとメタノール800gの混合液中に徐々に注入すると暗赤紫色の個体が析出し、懸濁状態となる。室温下に1時間攪拌を行ない、ろ過、水洗浄、メタノール洗浄を施したのち乾燥を行ない、暗赤紫色粉末として(VI)を3.5g得た。
反応式4
以下、反応式4を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(VI) で表される化合物1.6g(2.4mmol)、ベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸1.014g(5.7mmol)、エタノール10ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1g、炭酸カリウム(2M水溶液)10g、エチレングリコールジメチルエーテル30gを4つ口フラスコに加え、6時間加熱還流した。その後、反応液をメタノール400ml中に注入し、析出した固体を濾取し、熱真空乾燥させ、青色粉末として化合物(2)を0.57g得た。得られた粗成生物は、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物(2)は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)、 1H‐NMR、および13C‐NMR(日本電子製、ECX−400P)によって同定した。
尚、化合物(3)の合成に使用したベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸は、市販の試薬を用いた。
合成例1、3〜56
以下に示す反応式5〜13を組み合わせて、表1中の化合物を合成した。
反応式5
反応式5中、R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式6
反応式6中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式7
反応式7中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
4〜R5、R7〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R4〜R5、R7〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式8
反応式8中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式9
反応式9中、R11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11〜R16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式10
反応式10中、R9およびR10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11〜R16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式11
反応式11中、R9およびR10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
11およびR13は、R14およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11およびR13は、R14およびR16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
反応式12
反応式12中、R9およびR10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換の
アリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11〜R16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。
以上の反応式(5)〜(12)を組み合わせて得られた本発明の化合物の構造については、合成例1と同様、マススペクトル、1H−NMR、13C−NMRによって同定した。合成した化合物のマススペクトルの測定結果を表16に示す。尚、化合物番号は本明細書中の表1に記載したものと同じである。
表16
固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長確認。
実施例1
洗浄した石英ガラス基板に、表2の化合物H−1を30nmの厚さで真空蒸着を行った。真空蒸着法は10-6Torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。得られた蒸着膜付き石英基板に関して、光励起による発光のスペクトルを測定した。得られた発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの範囲であるかを判別した結果、範囲内であることを確認した。
実施例2〜108
表2の化合物H−1の代わりに、表9に示した化合物を用いた以外は、実施例1と同様に蒸着膜付き石英基板を作成し、光励起による発光のスペクトルを測定した。得られた発光のピーク波長が550〜630nmの範囲であるかを判別した結果を表17に示す。
比較例1〜2
表2の化合物H−1の変わりに下記化合物(A)〜(B)を用いた以外は、実施例1と
同様に蒸着膜付き石英基板を作成し、光励起による発光のスペクトルを測定した。得られた発光のピーク波長が550〜630nmの範囲であるかを判別した結果を表17に示す。
表17
有機EL素子の実施例
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。真空蒸着法は10-6Torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。また、素子の発光特性評価においては、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
作成した有機EL素子の発光効率として外部量子効率ηexpを以下の方法で測定した。直流電源を用いて所定の電圧を印加し、印加直後に素子に流れる電流量、分光放射輝度を測定した。分光放射輝度はミノルタ社製の分光放射輝度計CS−1000を用いて測定した。発光効率ηexpは、分光放射輝度スペクトルを上記分光放射輝度計で計測し、得られた分光放射輝度スペクトルからランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率ηexp(単位:%)を算出した。外部量子効率の測定は、有機EL素子に12.5mA/cm2の電流密度で通電して実施している。また、繰り返し使用時の安定性試験として、40℃の環境で、1000cd/m2の初期輝度で定電流のもと連続駆動させた際に輝度が初期値に対して半減するのに要した時間を有機EL素子の輝度半減寿命として評価をした。また、素子の発光色は上記の分光放射輝度計にて実施した。
実施例109
洗浄したITO電極付きガラス板上に、α−NPDを真空蒸着して膜厚50nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物(1)と表2の化合物H−1とを3:97の重量比で真空蒸着して膜厚40nmの発光層を得た。次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを1nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、高色純度で深い赤色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.67であった。この素子の外部量子効率は4.4%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。。
実施例110〜実施例204
表1の化合物(2)および表2の化合物H−1の代わりに表18に示す化合物をそれぞれ用いる以外は、全て実施例109と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表18に示す。また、これらの素子のCIE1931色度座標でのx値はすべて0.65以上であった。
比較例3
表1の化合物(2)の代わりに下記化合物(C)を用いる以外は、全て実施例109と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子は橙色発光を示しCIE1931色度座標でのx値は0.62未満であった。この素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表18に示す。
比較例4
表2の化合物H−1の変わりに前記化合物(A)を用いる以外は、全て実施例109と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子は黄色発光を示しCIE1931色度座標でのx値は0.62未満であった。この素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表18に示す。
比較例5
表2の化合物H−1の変わりに前記化合物(B)を用いる以外は、全て実施例109と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子は水色発光を示しCIE1931色度座標でのx値は0.62未満であった。この素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表18に示す。
表18
実施例205
洗浄したITO電極付きガラス板上に、表12の化合物HTM−4を真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物(2)と、表4の化合物H−25と、表2の化合物H−1とを3:7:90の重量比で真空蒸着して膜厚40nmの発光層を得た。次いで表15の化合物ES−1を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを0.5nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、高色純度で深い赤色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.66であった。この素子の、外部量子効率は3.3%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。
実施例206〜実施例414
表1の化合物(2)と、表4の化合物H−25と、表2の化合物H−1との代わりに表19に示す化合物をそれぞれ用いる以外は、全て実施例205と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子のこの素子の、外部量子効率と輝度半減寿命の測定結果を表19に示す。なお、一部の実施例で用いた化合物(D)を下記に記す。また、これらの素子のCIE1931色度座標でのx値はすべて0.65以上であった。
表19
実施例415
洗浄したITO電極付きガラス板上に、Heraeus社製Clevios(登録商標) P VP CH 8000(社録商標)をスピンコートして、膜厚50nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物(1)と表2の化合物H−1とを3:97の重量比で固形分濃度2wt%のトルエン溶液に調整し、その溶液をスピンコートして正孔輸送相上に膜厚70nmの発光層を積層した。次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を蒸着して膜厚15nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを1nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、深い赤色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.66であった。この素子の外部量子効率は3.7%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。
実施例416〜実施例510
表1の化合物(1)および表2の化合物H−1の代わりに表20に示す化合物をそれぞれ用いる以外は、全て実施例415と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表20に示す。また、CIE1931色度座標でのx値は全ての素子で0.65以上であった。
表20
実施例511
洗浄したITO電極付きガラス板上に、Heraeus社製Clevios(登録商標)P VP CH 8000をスピンコートして、膜厚60nmの正孔輸送層を得た。次い
で、表1の化合物(3)と、表4の化合物H−25と、表2の化合物H−1とを3:7:90の重量比で固形分濃度1.5wt%のトルエン溶液に調整し、その溶液をスピンコートして正孔輸送相上に膜厚50nmの発光層を積層した。次いで、表14の化合物ET−6を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを1nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、深い赤色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.66であった。この素子の外部量子効率は2.9%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。
実施例512〜実施例720
表1の化合物(3)と、表4の化合物H−25と、表2の化合物H−1との代わりに、表21に示す化合物をそれぞれ用いる以外は、全て実施例511と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子の外部量子効率と輝度半減寿命を表21に示す。また、全ての素子でCIE1931色度座標でのx値は0.65以上であった。
表21
実施例721
表2の化合物H−1の代わりに、下記化合物(E)を用いた以外は、実施例1と同様に蒸着膜付き石英基板を作成し、光励起による発光のスペクトルを測定した。得られた発光のピーク波長が550〜630nmの範囲であるかを判別し、550〜630nmの範囲内であることを確認した。
実施例722
洗浄したITO電極付きガラス板上に、表12の化合物HTM−2を真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物(2)と、前記の化合物(E)と、前記化合物(D)とを1:14:85の重量比で真空蒸着して膜厚50nmの発光層を得た。次いで表13の化合物EX−9を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを0.5nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、高色純度で深い赤
色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.66であった。この素子の、外部量子効率は3.1%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。
実施例723
表2の化合物H−1の代わりに、下記化合物(F)を用いた以外は、実施例1と同様に蒸着膜付き石英基板を作成し、光励起による発光のスペクトルを測定した。得られた発光のピーク波長が550〜630nmの範囲であるかを判別し、550〜630nmの範囲外であることを確認した。
実施例724
洗浄したITO電極付きガラス板上に、表12の化合物HTM−2を真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物(2)と、表3の化合物H−14と、前記の化合物(F)と、前記化合物(D)とを、0.5:3.5:11:85の重量比で真空蒸着して膜厚50nmの発光層を得た。次いで表13の化合物EX−9を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを0.5nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、高色純度で深い赤色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.66であった。この素子の、外部量子効率は2.8%であり、輝度半減寿命は500時間以上であった。
比較例6
表3の化合物H−14の代わりに、前記化合物(F)を用いた場合の材料の比率に合わせて、表1の化合物(2)と、前記の化合物(F)と、前記化合物(D)とを、0.5:14.5:85の重量比で真空蒸着して発光層を得た以外は、実施例724と同様に有機EL素子を作成した。この素子について通電試験を行ったところ、橙色のEL発光が得られ、CIE1931色度座標でのx値は0.62未満であった。この素子の、外部量子効率は0.8%であり、輝度半減寿命は13時間であった。
以上のように、本発明の発光材料を用いることにより、高い性能の有機EL素子が作成できる。比較例に対して格段に高い性能が発揮されることは明らかであり、有機EL素子の高い発光効率、低駆動電圧化、長寿命化、高色純度で、CIE1931色度座標でx値が0.65以上の深い赤色が達成できる。これは、本発明の、一般式[1]、および/ま
たは一般式[2]で表される材料と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を含んでなる発光材料を用いることで、素子内部でのエネルギー移動が優れたものとなり、一般式[1]、および/または一般式[2]で表される材料からの発光が効率よく得られるとともに、一般式[1]、および/または一般式[2]以外の材料からの発光が十分に抑制されたことによると考えられる。
本発明者らは、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式[]、および/または下記一般式[]で表される材料と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を含んでなる発光材料に関する。
また、本発明は、一般式[]、および/または一般式[]で表される材料が、下記一般式[7]、および/または下記一般式[8]で表される材料である上記の発光材料に関する。

Claims (4)

  1. 下記一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料と、固体膜の光励起発光スペクトルのピーク波長が550〜630nmの間である材料を含んでなる発光材料。
    一般式[1]
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R3〜R8のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。)
    一般式[2]
    (式中、R9およびR10は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R11〜R16のいずれかは、一般式[3]または一般式[4]で示される置換基を表す。)
    一般式[3]
    (式中、Xは、硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、Yは、水素原子もしくは置換基を有する炭素原子、または窒素原子を表し、R17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R17およびR18は互いに環を形成しても良い。)
    一般式[4]
    (式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、
    20〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換もしくは未置換のチオアルコキシル基、置換もしくは未置換のチオアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。ただし、R21およびR22は互いに環を形成しても良い。)
  2. 一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料が、下記一般式[5]、および/または下記一般式[6]で表される材料である請求項1記載の発光材料。
    一般式[5]
    (式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、R26およびR27は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    28〜R41は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
    一般式[6]
    (式中、Xは、それぞれ独立に硫黄原子、もしくは酸素原子を表し、R42およびR43は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    44〜R57は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
  3. 一般式[1]、および/または下記一般式[2]で表される材料が、下記一般式[7]、および/または下記一般式[8]で表される材料である請求項1または2記載の発光材料。
    一般式[7]
    (式中、R58およびR59は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    60〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
    一般式[8]
    (式中、R64およびR65は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    66〜R69は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、置換シリル基、または、置換アミノ基を表す。)
  4. 陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、請求項1〜3いずれか記載の発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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