JP2016145594A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密封性能に優れ、かつ低フリクション性能が良く、シールリップ部が適度に摩耗するまでの時間を短縮することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】 転がり軸受は、内外輪1,2間に形成される軸受空間Sを密封するシール部材5を備える。シール部材5は、外径端が外輪2に固定され、内径端側に内輪1の外周面1bに締代δを持って接するシールリップ部9を有する。シールリップ部9の先端部分12は、軸受を回転状態で使用することで摩耗して前記内輪の前記外周面に対し非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる高摩耗材からなる。シールリップ部9の内輪1の外周面1bに接する面に環状の油溝14を設ける。【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、自動車のトランスミッション等に用いられる転がり軸受に関する。
自動車のトランスミッション内にはギアの摩耗粉等の異物が混在するため、従来のトランスミッション用の軸受は、接触タイプの密封板(シール部材)を設けて軸受空間への異物の侵入を防いでいた。このような接触タイプのシール部材で軸受空間を密封する場合、軸受空間への異物の侵入は防げるが、シールトルクが発生する。トランスミッション用の軸受には、軸受空間内に異物が侵入するのを防止する密封性能、およびシール部材と回転側軌道輪との摩擦抵抗によるシールトルクを抑える低フリクション性能の両方が求められる。
そこで、回転側軌道輪におけるシール部材のシールリップ部が摺接する摺接面にショットピーリング処理を施すことで、前記摺接面に潤滑油を保持させて流体膜を形成し、密封性能を確保しつつシールトルクの低減を図ることが提案されている(例えば特許文献1)。
また、シールリップ部を摩耗し易い高摩耗材で製作し、軸受の運転初期にシールリップ部の先端部分を摩耗させて、シールリップ部と回転側軌道輪との間に最適なラビリンスすきまを形成することが提案されている(例えば特許文献2)。摩耗完了後の実使用時には、ラビリンスすきまによって異物侵入が防止されると共に、シール部材が非接触シールとなって、シールトルクが低く抑えられ、自動車の省燃費化への効果が見込める。
特開2013−36493号公報 特開2007−170882号公報
特許文献1の構成では、トルク低減効果に限界があり、満足するトルク低減効果が得られない。また、特許文献2の構成は、摩耗完了後には満足するトルク低減効果が得られるが、トランスミッション内の使用環境によって摩耗が完了するまでの時間にバラツキがある。このため、出荷前や出荷後における慣らし運転の時間の調整が難しく、慣らし運転の時間を長めにとらなければならなかった。
この発明の目的は、密封性能に優れ、かつ低フリクション性能が良く、シールリップ部が適度に摩耗するまでの時間を短縮することができる転がり軸受を提供することである。
この発明の転がり軸受は、回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備え、前記シール部材は、外径端が前記外輪に固定され、内径端側に前記内輪の外周面に締代を持って接するシールリップ部を有し、このシールリップ部のうちの少なくとも前記内輪の外周面に接する先端部分が、軸受を回転状態で使用することで摩耗して前記内輪の前記外周面に対し非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる高摩耗材からなり、前記シールリップ部の前記内輪の外周面に接する面に環状の油溝が設けられていることを特徴とする。
この構成によると、シールリップ部のうちの少なくとも内輪の外周面に接する先端部分が高摩耗材からなるため、軸受を回転状態で使用することで、シールリップ部の先端部分が早期に摩耗する。シールリップ部が摩耗するためには、内輪とシールリップ部との間に介在する油の量が少ない方が、摩擦係数が高くなるため有利である。この構成のように、シールリップ部の内輪の外周面に接する面に環状の油溝が設けられていると、内輪の回転に伴う遠心力で内輪とシールリップ部との間に介在する油が油溝に誘導され、内輪とシールリップ部との間に介在する油の量が減少する。内輪とシールリップ部との間に介在する油は、シールリップ部の側面から遠心力で外径側へ流れるが、内輪とシールリップ部との接触面はある程度の幅があるため、接触面の幅方向の中間部分の油は側面へは逃げ難い。このような油も、前記油溝があると油溝へ流れる。これにより、内輪とシールリップ部間の油膜が零または零に近い状態となる。その結果、内輪とシールリップ部との摩擦係数が高くなり、シールリップ部の摩耗がより一層促進され、シールリップ部の先端部分が内輪の外周面に対して非接触か軽接触となるまでの時間が短縮される。
摩耗完了後は、シールリップ部の先端部分が内輪の外周面に対して非接触か軽接触となるため、シールトルクがほとんど発生しない。摩耗完了後におけるシールリップ部の先端部分と内輪の外周面との間の微細なすきまは、ラビリンスすきまとして作用し、軸受空間への異物の侵入を防止する。
この発明において、前記シールリップ部がゴム材からなっていてもよい。
ゴム材からなるシールリップ部の弾性を利用してシールリップ部の先端部分が締代を持った状態で内輪の外周面に接触するように、シール部材を外輪に固定する。内輪の回転に伴ってシールリップ部の先端部分が摩耗するのに従ってシールリップ部が正規の姿勢に戻り、摩耗が完了して時点でシールリップ部の先端部分と内輪の外周面との間に最適なラビリンスすきまが形成される。
前記シール部材が、環状の芯金と、この芯金に一体に固着されて一部または全体が前記シールリップ部となるゴム材とを有する場合、前記芯金の全体に前記ゴム材が加硫成形により固着されていてもよく、前記芯金の内径部にのみ前記ゴム材が加硫成形により固着されていてもよい。
前者の場合、シール部材の外径端を外輪に設けられたシール取付溝に弾性変形した状態で嵌合固定することで、外輪とシール部材の外径端との密封性を高めることができる。後者の場合、ゴム材の使用量を少なくすることができる。
この発明において、前記シールリップ部の前記先端部分が前記内輪の外周面にラジアル接触していてもよい。
ラジアル接触していると、油溝の深さ方向が外径方向となるので、内輪の回転に伴う遠心力で内輪とシールリップ部との間に介在する油が油溝に誘導され易い。これにより、内輪とシールリップ部との摩擦係数が高くなり、シールリップ部の摩耗が促進される。
この発明において、前記内輪の外周面は軸方向に面する環状の段面を有し、前記シールリップ部の前記先端部分が前記段面にアキシアル接触していてもよい。
アキシアル接触している場合、油溝の深さ方向が軸方向となるが、内輪の回転に伴う遠心力で内輪とシールリップ部との間に介在する油が油溝の外径側の縁に寄せ集められ、油溝の外径側の壁面に沿って油溝の内部へ誘導される。これにより、内輪とシールリップ部との摩擦係数が高くなり、シールリップ部の摩耗が促進される。
前記転がり軸受が、自動車のトランスミッションに用いられるものであっても良い。この場合、軸受の運転により最適なラビリンスすきまが形成されるため、トランスミッション内におけるギアの摩耗粉等の異物が、軸受内に侵入することを防止できる。また、シール部材により生じるトルクが低減され、自動車の省燃費化を図ることが可能となる。
この発明の転がり軸受は、回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備え、前記シール部材は、外径端が前記外輪に固定され、内径端側に前記内輪の外周面に締代を持って接するシールリップ部を有し、このシールリップ部のうちの少なくとも前記内輪の外周面に接する先端部分が、軸受を回転状態で使用することで摩耗して前記内輪の前記外周面に対し非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる高摩耗材からなり、前記シールリップ部の前記内輪の外周面に接する面に環状の油溝が設けられているため、密封性能に優れ、かつ低フリクション性能が良く、シールリップ部が適度に摩耗するまでの時間が短縮することができる。
この発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。 (A)は同転がり軸受のシール部材付近の拡大断面図、(B)は同シール部材のシールリップ部付近の部分拡大図である。 (A)同シールリップ部の先端部分の摩耗前の状態を示す断面図、(B)は摩耗完了後の状態を示す断面図である。 同シール部材のシール成形型の断面図である。 この発明の異なる実施形態に係る転がり軸受のシール部材付近の断面図である。 この発明のさらに異なる実施形態に係る転がり軸受のシールリップ部付近の断面図である。 図1に示す転がり軸受をトランスミッションに用いた例の概略図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。
図1に示すように、この転がり軸受は、軌道輪である内外輪1,2と、これら内外輪1,2の各軌道面1a,2a間に介在する複数の転動体3と、これら転動体3を保持する保持器4と、内外輪1,2間に形成される環状の軸受空間Sの両端を密封する2つのシール部材5とを備えている。軸受空間Sにはグリースが初期封入される。この転がり軸受は、転動体3を玉とした深溝玉軸受であり、内輪1を回転輪とし、外輪2を固定輪とした内輪回転タイプである。
図2(A)に示すように、前記シール部材5は、外径端が外輪2の内周面に設けられシール取付溝2bに嵌合固定され、内径端側のシールリップ部9が内輪1の円筒状の外周面1bにラジアル接触している。シール部材5は、環状の芯金6と、この芯金6に一体に固着される弾性部材7とを有する。これら芯金6および弾性部材7の大部分により、シール部材本体8が構成され、弾性部材7の残余の部分、この例では弾性部材7の内径端側部分により前記シールリップ部9が構成される。この例では、弾性部材7は、芯金6の後記立板部6bの内側面を除き芯金6の全体を覆うように設けられる。シール部材5は、例えば、ゴム材を加硫成形して形成され、この加硫成形時に金属製の芯金6が弾性部材7に接着される。
芯金6は、外径側から順次、円筒部6aと、立板部6bと、傾斜部6cとを有する。立板部6bが内外輪1,2の端面よりも軸方向内側で同端面と略平行に配置される。この立板部6bの外径端に、円筒部6aが繋がり、これら立板部6bと円筒部6aとで断面L字形状を成す。円筒部6aと、この円筒部6aの外周面に設けられる外周部7a(弾性部材7の一部)とでなるシール部材5の外径端が、シール部材本体8の外径端となる。このシール部材本体8の外径端が、前記シール取付溝2bに嵌合固定される。このとき、外周部7aは、シール取付溝2bに弾性変形した状態で固定され、外輪2とシール部材本体8の外径端との密封性をより高めている。立板部6bの内径端には、内径側に向かうに従って軸方向内側に傾斜する傾斜部6cが繋がっている。
芯金6における、立板部6bの外表面は均一な薄肉形状の覆い部7bで覆われ、傾斜部6cの内外表面はそれぞれ覆い部7c,7dで覆われている。前記覆い部7c,7dの内径端が、シール部材本体8の内径端となる。このシール部材本体8の内径端に、内輪1の外周面に接するシールリップ部9が設けられる。弾性部材7は、前記外周部7a、覆い部7b,7c,7d、およびシールリップ部9を有する。
図2(A)の部分拡大図である図2(B)に示すように、シールリップ部9は、外径側から内径側へと順に続く基端部分10、中間部分11、および先端部分12を有する。これら各部分10,11,12は一体に形成されている。なお、同図では、先端部分12が内輪1の外周面1bに食い込んでいるように図示しているが、実際には、先端部分12は、シール装着状態で内輪1の外周面1bに対し締代δを持った状態で接触している。
基端部分10は、シール部材本体8に繋がる部分であり、芯金6の傾斜部6cとほぼ同じ角度で内径側へ延びている。つまり、基端部分10における軸受空間S側の内側面および逆側の外側面は、それぞれ内径側に向かうに従って軸方向内側に至るように傾斜する断面形状に形成されている。また、基端部分10は、内径側つまり先端部分12に向かうに従って薄肉となる断面形状を成す。なお、前記断面は、軸受軸心を含む平面で切断して見た断面である。
中間部分11は、基端部分10と先端部分12とを繋ぐ部分であり、基端部分10および先端部分12と比べて軸方向の厚みが薄くなっている。これにより、シールリップ9の全体の断面形状が、径方向の中間部である中間部分11で軸方向にくびれた形状となっている。また、シールリップ9は、軸受空間Sに対する外側の面に逃し凹部13が生じるように、中間部分11で屈曲したV字状の屈曲形状となっている。
先端部分12は、軸方向内側部で中間部分11に繋がる軸方向に幅広な形状であり、外径端から軸方向外側へ突出する軸方向突出部12aが設けられている。先端部分12の内周面つまり内輪1の外周面1bに対向する面は、外形が軸方向の中央部が内径側に膨らんだ曲線からなる断面形状であり、この内周面に、軸方向に並んで複数(例えば3つ)の環状の油溝14が等間隔で設けられている。図の例の場合、各油溝14は、底部へ行くほど若干幅が狭くなる形状であり、底面は円筒面とされている。各油溝14の深さはそれぞれ異なるが、底面の径方向位置はいずれも同じである。
先端部分12は、この軸受を回転状態で使用することで摩耗して内輪1に対して非接触となるか接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる高摩耗材からなる。高摩耗材は例えば高摩耗ゴム材からなる。高摩耗材を構成する他の材料として、樹脂材、固体潤滑材、不織布、軟鋼等を適用しても良い。この例では、先端部分12のみが高摩耗材からなっているが、この例に限定されるものではない。例えば、先端部分12および中間部分11が高摩耗材からなるものとしても良いし、先端部分12、中間部分11、および基端部分10にわたるシールリップ部9全体が高摩耗材からなるものとしても良い。
シール部材5を軸受に組込んだ状態において、締代δの分だけ先端部分12が弾性変形することで、先端部材12の内周面が内輪1の外周面1bにラジアル接触している。この状態で内輪1が回転することにより、シールリップ部9の先端部分12が摩耗する。
摩耗のメカニズムについて説明する。
前述のように、シールリップ部9を断面V字状の屈曲形状としたことで、先端部分12が内輪1の外周面1bに接するとき、先端部分12に内輪1への反力つまり押付け力が作用する。換言すれば、シールリップ部9を、軸受空間Sに対する外側の面に逃がし凹部13が生じるように、中間部分11で屈曲したV字状の屈曲形状とすることで、シールリップ部9が中間部分11で屈曲するばねのようになり、一定の径方向の押付け力を与える。つまり、シールリップ部9の弾性変形により、先端部分12を一定の押付け力で内輪1の外周面1bに押し付けることで摩耗が安定して進行する。先端部分12の摩耗が進むと、それに追従するように中間部分11の曲がりがシール部材組付け前の状態に戻ろうとするため、先端部分12の摩耗が連続して進行する。
シールリップ部9の先端部分12が高摩耗材からなるため、先端部分12が早期に摩耗する。加えて、先端部分12の内周面に油溝14を設けたことで、後述する理由により、摩耗が促進される。これらのことから、シールリップ部9の先端部分12が内輪1の外周面1bに対して非接触か軽接触となるまでの時間が短縮される。
油溝14を設けると摩耗が促進される理由を説明する。
シールリップ部9の先端部分12が摩耗するためには、内輪1と先端部分12との間に介在する油の量が少ない方が、摩擦係数が高くなるため有利である。先端部分12の内周面に油溝14が設けられていると、内輪1の回転に伴う遠心力で、図3(A)に矢印で示すように、内輪1と先端部分12との間に介在する油が油溝14に誘導されて、内輪1と先端部分12との間に介在する油の量が減少する。内輪1とシールリップ部9との間に介在する油は、シールリップ部9の側面から遠心力で外径側へ流れるが、内輪1とシールリップ部9との接触面はある程度の幅があるため、接触面の幅方向の中間部分の油は側面へは逃げ難い。このような油も、前記油溝14があると油溝14へ流れる。これにより、内輪1と先端部分12間の油膜が零または零に近い状態となる。その結果、内輪1と先端部分12との摩擦係数が高くなり、先端部分12の摩耗がより一層促進されるのである。
シールリップ部9の先端部分12が内輪1の外周面1bに対し非接触または軽接触となるまで摩耗すると、内輪1に対するシールリップ部3の反力が「零」に近づいて、先端部分12の摩耗は完了する。摩耗完了後には、図3(B)に示すように、先端部分12と前輪1との間に微小なラビリンスすきまδsが形成される。なお、このラビリンスすきまδsは、全周に渡って均等に形成されるとは限らず、円周方向の一部にだけ形成される場合もある。
ラビリンスすきまδsが形成されることで、以下の効果が得られる。
(1)シールトルクが低減される。
(2)従来品に対して、軸受の自己昇温が下がる。
(3)軸受の自己昇温が下がることで、従来使用していたオイルよりもさらに低粘度のオイ
ルを選択できる。
(4)トランスミッション全体の損失低減が見込める。
(5)ラビリンスすきまδsのため、軸受寿命に影響するような粒径の大きい異物が、軸受内に侵入することを防げる。
図4に示すように、前記シール部材5を成形するシール成形型20は、例えば、組合わされる2個の金型21,22を有する。これら金型21,22のうち一方の金型21は、シール部材5の内側面部分を成形する環状のキャビティ部分23を有し、他方の金型22は、同シール部材5の外側面部分を成形する環状のキャビティ部分24を有する。これら2個の金型21,22を互いに組み合わせた状態で、シール部材5を成形するキャビティ25が形成される。シール成形型20において、キャビティ25の外周側部分、内周側部分に隣接して、弾性部材7の材料を前記キャビティ25に注入する環状のゲート26,27がそれぞれ設けられている。
前記高摩耗ゴム材が適用されるシールリップ部9の先端部分12と、高摩耗でないゴム材が適用される弾性部材7の他の部位とは、シール成形型20により、例えば、二色成形により成形される。先ず、キャビティ25の外周側部分に隣接するゲート26から高摩耗でないゴム材を注入し、一次側となる弾性部材7の前記他の部位を成形する。次に、キャビティ25の内周側部分に隣接するゲート27から高摩耗ゴム材を流し込み、二次側となるシールリップ部9の先端部分12を成形する。なお、先にキャビティ25の内周側部分に隣接するゲート27から高摩耗ゴム材を流し込み、突起部分12を成形した後、キャビティ25の外周側部分に隣接するゲート26から高摩耗でないゴム材を注入し、先端部分12以外の部位を成形しても良い。いずれにしても、同一のシール成形型20により、高摩耗ゴム材からなる先端部分12と、高摩耗でないゴム材からなるその他の部位とを一体に成形し得る。
図5はシール部材の異なる例を示す。このシール部材5は、図1のシール部材5と同様に、環状の芯金6と、この芯金6に一体に固着されたゴム材からなる弾性部材7とを有するが、図1のシール部材5と異なり、芯金6の内径部にのみに弾性部材7が加硫成形により固着されている。この芯金6の内径部に固着された弾性部材7における芯金6よりも内径側の部分が、シールリップ部9となる。芯金6は、円筒部6aの軸方向内側端から外径側へ延びる取付部6dを有し、この取付部6dが外輪2のシール取付溝2bに嵌合固定される。このように、シールリップ部9を構成する上で必要な箇所にだけゴム材を使用すれば、ゴム材の使用量を少なくすることができる。
図6はシール部材のさらに異なる例を示す。図のように、内輪1の外周面1bに軸方向に面する環状の段面1cを設け、この段面1cにシール部材5のシールリップ部9の先端部分12をアキシアル接触させてある。この場合、前記段面1cに接触する面、すなわち先端部分12の軸方向内側を向く面に油溝14が設けられる。ラジアル接触する場合と異なり、油溝14の深さ方向が軸方向となるが、内輪1の回転に伴う遠心力で内輪1と先端部分12との間に介在する油が油溝14の外径側の縁に寄せ集められ、油溝14の外径側の壁面に沿って油溝14の内部へ誘導される。図の例の場合、油溝14の深さ方向が、若干外径側寄りに傾斜した軸方向であるため、油溝14の内部へ誘導され易い。これにより、内輪1と先端部分12との間に介在する油の量が減少し、内輪1と先端部分12との摩擦係数が高くなるため、先端部分12の摩耗が促進される。
図7は、図1の転がり軸受を自動車のトランスミッションに組み込んだ一例を示す概略図である。同図はオートマチックトランスミッションの例である。ケース43の軸方向両端に転がり軸受BR1,BR1の各外輪が嵌合され、これら軸受BR1,BR1の内輪に、メインシャフト44の両端がそれぞれ回転自在に支持されている。ケース43に、カウンターシャフト45が前記メインシャフト44と平行に設けられている。このカウンターシャフト45は、メインシャフト44のギア部に噛み合うギア部を有し、前記ケース23に軸受を介して回転自在に支持されている。運転中は、ケース43内に貯えられている潤滑油によるオイル潤滑が行われる。
このように転がり軸受BR1,BR1を、自動車のトランスミッションに組み込んだ場合、トランスミッション内におけるギアの摩耗粉等の異物が、軸受内に侵入することを確実に防止することができ、かつシールリップ部の締代にかかわらず、シール部材を十分にかつ確実に摩耗させて、低トルク化を図ることができる。シール部材により生じるトルクの低減を図れるので、自動車の省燃費化を図ることが可能となる。
なお、いずれかの実施形態に係る転がり軸受を、無断変速式トランスミッションや、手動変速式トランスミッションに用いても良い。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…内輪
1a…軌道面
1b…外周面
1c…段面
2…外輪
2a…軌道面
3…転動体
5…シール部材
6…芯金
7…弾性部材(ゴム材)
9…シールリップ部
12…先端部分
14…油溝
S…軸受空間
δ…締代

Claims (7)

  1. 回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備えた転がり軸受において、
    前記シール部材は、外径端が前記外輪に固定され、内径端側に前記内輪の外周面に締代を持って接するシールリップ部を有し、このシールリップ部のうちの少なくとも前記内輪の外周面に接する先端部分が、軸受を回転状態で使用することで摩耗して前記内輪の前記外周面に対し非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる高摩耗材からなり、前記シールリップ部の前記内輪の外周面に接する面に環状の油溝が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受において、前記シールリップ部がゴム材からなる転がり軸受。
  3. 請求項2に記載の転がり軸受において、前記シール部材は、環状の芯金と、この芯金に一体に固着されて一部または全体が前記シールリップ部となるゴム材とを有し、前記芯金の全体に前記ゴム材が加硫成形により固着された転がり軸受。
  4. 請求項2に記載の転がり軸受において、前記シール部材は、環状の芯金と、この芯金に一体に固着されて一部または全体が前記シールリップ部となるゴム材とを有し、前記芯金の内径部にのみ前記ゴム材が加硫成形により固着された転がり軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受において、前記シールリップ部の前記先端部分が前記内輪の外周面にラジアル接触する転がり軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受において、前記内輪の外周面は軸方向に面する環状の段面を有し、前記シールリップ部の前記先端部分が前記段面にアキシアル接触する転がり軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6に記載の転がり軸受において、自動車のトランスミッションに用いられる転がり軸受。
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