JP2016144996A - 車両用ミラーのホルダー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着材を貼り付ける際に空気を抜くことができるようにしながら、長期間に亘って粘着材がホルダーから剥がれないようにする。【解決手段】ミラーの裏面が粘着材によって貼り付けられる車両用ミラーのホルダー構造において、ホルダー10における粘着材が貼り付けられる貼付面11bには、蛇行する溝13〜16が形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に設けられる車両用ミラーのホルダー構造に関するものである。
従来より、例えば自動車に設けられる車両用ミラーはホルダーに保持された状態で車両の各部に組み付けられている。この種の車両用ミラーとしては、例えば特許文献1、2に開示されているように、樹脂製の板状ホルダーに対してミラーを粘着シートによって貼り付けるように構成されたものが知られている。
特許文献1、2のホルダーにおける粘着シートが貼り付けられる面には、複数の溝が形成されており、これら溝によって粘着シートとホルダーとの間の空気を外部に排出することが可能になっている。特許文献1のホルダーには、その略中央を中心点とした同心円状に延びる溝と、その中心点を通って放射状に延びる溝とが形成されている。また、特許文献2のホルダーには、上下方向に直線状に延びる複数の溝が形成されている。
特開2013−163450号公報 特開2013−163451号公報
ところで、車室外に設けられる車両用ミラーの場合、雨や埃等がかかることがあるとともに、夏季の炎天下に放置されたり、冬場の凍結が起こるような雰囲気に置かれたりすることがあり、このようなことが繰り返されると、粘着シートの接着力の低下が問題となる。また、特許文献1、2のようにホルダーに複数の溝を形成した場合には、接着面積が減少することによる接着力の低下がより大きな問題となる。また、車室内に設けられるミラーであっても、埃が付着したり、車室内の温度や湿度が大きく変化するものなので同様に接着力が低下し易いという問題が起こり得る。
また、特許文献1のホルダーには、円状に延びる溝と、縦方向及び横方向に延びる溝とが形成されているので、円状に延びる溝と、縦方向及び横方向に延びる溝とが互いに交差することになる。複数の溝が交差すると、粘着シートが貼り付けられる面が複数に分割されて1つ当たりの面が小さな面となる。そして、各面の角部にはそれぞれエッジができることになり、そのエッジの数が多くなる。エッジができると、粘着シートはその部分から剥がれやすくなるので、エッジの数が増えれば増えるほど、粘着シートの剥離の懸念が大きくなる。特に、上述したように水や埃が付着したり、温度や湿度の変化が大きいと、エッジ部分からの剥離がより一層起こりやすくなる。
また、特許文献2では、直線状に延びる溝だけが形成されているので、粘着シートを貼り付ける際に空気を抜く範囲を広くしようとすると溝の数を多くして密に配置しなければならない。溝の数を多くすると粘着シートが貼り付けられる面が複数に分割されて小さな面となるので、特許文献1のものと同様に多数のエッジができて粘着シートの剥離の懸念が大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘着材を貼り付ける際に空気を抜くことができるようにしながら、長期間に亘って粘着材がホルダーから剥がれないようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、蛇行しながら延びる溝をホルダーに形成するようにした。
第1の発明は、
ミラーの裏面が粘着材によって貼り付けられる車両用ミラーのホルダー構造において、
上記ホルダーにおける上記粘着材が貼り付けられる貼付面には、蛇行する溝が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、貼付面の溝が蛇行しているので、溝の数が少なくても、貼付面の広い範囲に亘って溝が存在することになる。よって、粘着材を貼り付ける際に貼付面と粘着材との間の各部から空気を抜くことが可能になるので、ミラーがホルダーにしっかりと貼り付けられる。また、貼付面の溝が蛇行していることで、その貼付面の縁は曲線で構成されることになる。したがって、貼付面には従来例のようなエッジができ難く、粘着材がエッジ部分から剥離する懸念が小さくなる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記貼付面は上下方向に延び、
上記溝は、上記貼付面の上縁部から下縁部まで延び、該貼付面の上縁部及び下縁部で開放されていることを特徴とする。
この構成によれば、粘着材を貼付面に貼り付ける際に、粘着材と貼付面との間の空気が溝の上部及び下部から確実に排出されるようになる。
第3の発明は、第2の発明において、
上記貼付面には、第1溝及び第2溝が上記貼付面の幅方向に所定の間隔をあけて並ぶように形成され、
上記第1溝は、上記貼付面の上から下に向かって該貼付面の幅方向一側へ屈曲した後、幅方向他側へ屈曲するように延び、
上記第2溝は、上記貼付面の上から下に向かって該貼付面の幅方向他側へ屈曲した後、幅方向一側へ屈曲するように延びていることを特徴とする。
この構成によれば、貼付面において、第1溝と第2溝との間隔の広い部分と狭い部分とが形成される。第1溝と第2溝との間隔の広い部分が存在することで、粘着材が剥離し難くなる。
第1の発明によれば、ホルダーにおける粘着材が貼り付けられる貼付面に蛇行する溝を形成したので、粘着材を貼り付ける際に貼付面と粘着材との間の各部から空気を抜くことができるとともに、長期間に亘って粘着材がホルダーから剥離しないようにすることができる。
第2の発明によれば、溝が貼付面の上縁部から下縁部まで延び、該貼付面の上縁部及び下縁部で開放されているので、粘着材と貼付面との間の空気を確実に排出することができる。
第3の発明によれば、貼付面において第1溝と第2溝との間隔の広い部分を形成することができるので、粘着材が貼付面から剥離し難くすることができる。
実施形態に係る車両用ミラーのホルダー構造が適用された車両を左斜め後方から見た斜視図である。 室内ミラーユニットを後方から見た図である。 室内ミラーユニットの分解斜視図である。 ミラーが貼り付けられたホルダーを前方から見た図である。 (a)はホルダーを後方から見た図であり、(b)は(a)のVb−Vb線断面図である。 変形例1に係るホルダーの斜視図である。 変形例2に係るホルダーの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ミラーのホルダー構造が適用された車両100を左斜め後方から見た斜視図である。この車両100はワンボックスタイプの乗用自動車であり、図示しないが右側に運転席が設けられ、左側に助手席が設けられている。また、運転席及び助手席の後方には後部座席が設けられている。そして、車両100の左側のフロントピラーの車室内側には、フロントピラートリム101が設けられている。フロントピラートリム101の下端部には、室内ミラーユニット1が設けられている。この室内ミラーユニット1は、運転席の乗員がフロントピラートリム101よりも車両後方を視認するためのものである。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」という。
図3に示すように、室内ミラーユニット1は、ミラー2と、粘着材3と、ホルダー10と、ベース20とを備えている。ミラー2は、略矩形に近い形状であり、略上下方向に延び、反射面は後に向いている。ミラー2の上縁部及び下縁部は左右方向に互いに略平行に延びている。ミラー2の右縁部は上下方向に延びる一方、ミラー2の左縁部は下側へ行くほど左に位置するように若干傾斜して延びている。
粘着材3は、従来から周知の両面粘着テープ等からなるものである。粘着材3の外形状は、略矩形状であり、ミラー2の裏面の形状よりも小さく設定されている。粘着材3はミラー2の裏面の中央部に貼り付けられている。
ホルダー10は、樹脂材を射出成形してなるものであり、全体として板状に形成されている。図4に示すように、ホルダー10は、板状の本体部11と、上側ボス12と、下側ボス13とを備えており、これらは一体成形されている。ホルダー10の本体部11の外形状はミラー2の外形状よりも小さく、かつ、粘着材3の外形状よりも大きく設定されている。本体部11の下縁部は左右方向に延びる一方、上縁部は右側へ行くほど上に位置するように傾斜して延びている。また、本体部11の右縁部は上下方向に延びる一方、左縁部は上側へ行くほど右に位置するように傾斜して延びている。本体部11の左縁部の上部は湾曲している。また、本体部11の右縁部には、上下方向中央部に切欠部11aが形成されている。
本体部11の後面は、ミラー2の裏面が粘着材3によって貼り付けられる貼付面11bである。ミラー2が本体部11に貼り付けられた状態では、本体部11の周縁部の内側にミラー2の周縁部が位置するように配置されており、従って、図4に示すように前側から見たときにミラー2の周縁部が全周に亘って本体部11の外側に位置することになる。
上側ボス12及び下側ボス13は、後述するネジ30が螺合するものであり、本体部11の前面から前方へ突出するように設けられている。上側ボス12は、ホルダー10の本体部11の左右方向(幅方向)中央部よりも左寄りに配置されている。上側ボス12の外周面には複数のリブ12aが放射状に突出している。リブ12aは本体部11の前面に連なっている。
また、下側ボス13は、上側ボス12よりも下で、かつ、本体部11の左右方向中央部よりも右寄りに配置されている。下側ボス13の外周面にも複数のリブ13aが放射状に突出しており、本体部11の前面に連なっている。
ホルダー10の本体部11の前面には、上下方向に延びる縦リブ11cが形成されている。縦リブ11cは、本体部11の左右方向中央部近傍を通って上下方向に延びている。また、ホルダー10の本体部11の前面には、左右方向に延びる横リブ11dが形成されている。横リブ11dは、本体部11の上下方向中央部近傍を通って左右方向に延びている。また、ホルダー10の本体部11の前面には、傾斜リブ11eが形成されている。傾斜リブ11eは、左側へ行くほど上に位置するように傾斜しており、その左側に上側ボス12が一体化し、その右側に下側ボス13が一体化している。
また、ホルダー10の本体部11の前面の周縁部には、前方へ突出して全周に亘って延びる突条部11fが形成されている。突条部11fには、縦リブ11c、横リブ11d及び傾斜リブ11eの端部が一体化している。
図5に示すように、ホルダー10の本体部11の貼付面11bには、第1溝13、第2溝14、第3溝15及び第4溝16が貼付面11bの左右方向(幅方向)に所定の間隔をあけて並ぶように形成されている。第1溝13、第2溝14、第3溝15及び第4溝16は、貼付面11bの上縁部から下縁部まで延び、該貼付面11bの上縁部及び下縁部でそれぞれ開放されている。
貼付面11bにおいて、第1溝13は最も左に配置され、第4溝16は最も右に配置され、第2溝14は第1溝13と第2溝16との間で左寄りに配置され、第3溝15は第2溝14と第4溝16との間に配置されている。第1溝13、第2溝14、第3溝15及び第4溝16は左右方向に蛇行しながら延びている。
すなわち、第1溝13は、貼付面11bの上から下に向かって該貼付面11bの左側(幅方向一側)へ屈曲した後、右側(幅方向他側)へ屈曲し、さらに左側へ屈曲、右側へ屈曲を繰り返して延びている。また、第2溝14は、貼付面11bの上から下に向かって該貼付面11bの右側(幅方向他側)へ屈曲した後、左側(幅方向一側)へ屈曲し、さらに右側へ屈曲、左側へ屈曲を繰り返して延びている。第1溝13と第2溝14とは左右対称形状であり、従って、第1溝13と第2溝14との間隔の広い部分と狭い部分とが上下方向に交互に形成されることになる。
また、第3溝15は第1溝13と同様に屈曲し、また、第4溝16は第2溝14と同様に屈曲している。従って、第2溝14と第3溝15との間隔も広い部分と狭い部分とが上下方向に交互に形成されることになり、第3溝15と第4溝16との間隔も広い部分と狭い部分とが上下方向に交互に形成されることになる。
図3に示すベース20は、樹脂材からなるものであり、フロントピラートリム101の下部に設けられる。ベース20の周壁部21は、前側へ延びている。ベース20の後壁部22には、ミラー2が嵌まる形状の凹部23が後側へ開口するように形成されている。凹部23の開口周縁部は、ミラー2の周縁部の形状に対応しており、ミラー2が組み付けられた状態ではミラー2の周縁部と凹部23の開口周縁部とが一致する。
凹部23の底面23aには、ホルダー10を挿入するためのホルダー挿入孔24が形成されている。ホルダー挿入孔24の周縁部は、ホルダー10の本体部11の周縁部の形状に対応しており、本体部11がホルダー挿入孔24の内方に位置するようになっている。ベース20には、ホルダー挿入孔24の内方に、ホルダー10を取り付けるための取付壁部25が形成されている。取付壁部25は上下方向に延びている。取付壁部25には、ネジ30がそれぞれ挿通する上側挿通孔25aと下側挿通孔25bとが形成されている。上側挿通孔25aと下側挿通孔25bは、それぞれ、ホルダー10の上側ボス12と下側ボス13の形成位置と一致するように配置される。
上記のように構成されたミラー2をベース20に取り付ける場合には、まず、ミラー2を粘着材3によってホルダー10の貼付面11bに貼り付ける。このとき、貼付面11bには、第1〜第4溝13〜16が蛇行するように形成されているので、溝の数が少なくても粘着面11bの広い範囲に第1〜第4溝13〜16が存在している。これにより、粘着材3を貼付面11bに貼り付ける際に貼付面11bと粘着材3との間の各部から空気を抜くことが可能になるので、ミラー2がホルダー10にしっかりと貼り付けられる。
そして、ミラー2と一体化したホルダー10をベース20に取り付ける際には、ホルダー10をベース20のホルダー挿入孔24に挿入するとともに、ミラー2を凹部23に嵌める。その後、ネジ30をベース20の前側から上側挿通孔25aと下側挿通孔25bにそれぞれ挿入してホルダー10の上側ボス12と下側ボス13に螺合する。
この車両用ミラー2のホルダー構造によれば、ホルダー10の貼付面11bの第1〜第4溝13〜16が蛇行しているので、粘着材3を貼り付ける際に貼付面11bと粘着材3との間の各部から空気を抜くことができ、ミラー2をホルダー10にしっかりと貼り付けることができる。また、貼付面11bの第1〜第4溝13〜16が蛇行していることで、その貼付面11bの縁は曲線で構成されることになる。したがって、貼付面11bには従来例のようなエッジができ難く、粘着材3がエッジ部分から剥離する懸念が小さくなる。よって、長期間に亘って粘着材3がホルダー10から剥離しないようにすることができる。
また、第1〜第4溝13〜16が貼付面11bの上縁部から下縁部まで延び、該貼付面11bの上縁部及び下縁部で開放されているので、粘着材3と貼付面11bとの間の空気を確実に排出することができる。
また、第1溝13と第2溝14を左右対称形状に形成したことで、貼付面11bにおいて第1溝13と第2溝14との間隔の広い部分を形成することができる。この間隔の広い部分では粘着材3の粘着幅を広く確保できるので、粘着材3が貼付面11bから剥離し難くなる。
また、図6に示す変形例1のように、第1〜第4溝13〜16が上端から下端まで同じ方向に屈曲するように蛇行していてもよい。
また、図7に示す変形例2のように、多数の溝17を設けてもよい。この変形例2では、溝17の屈曲度合いが上記実施形態の第1〜第4溝13〜16の屈曲度合いよりも緩やかになっている。
尚、上記実施形態では、本発明を室内ミラーユニット1に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、例えば車両の側部に配設される車両用サイドミラー等においてミラーをホルダーに取り付ける場合に適用することができる。
また、上記実施形態では、第1〜第4溝13〜14が上下方向に延びるように形成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば左右方向や斜めに延びるように形成してもよい。また、貼付面11bに形成する溝の数は特に限定されるものではなく、例えば3つ以下であってもよい。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用ミラーのホルダー構造は、例えば室内ミラーユニットや車両用サイドミラー等に適用することができる。
1 室内ミラーユニット
2 ミラー
10 ホルダー
11b 貼付面
13〜16 第1〜第3溝

Claims (3)

  1. ミラーの裏面が粘着材によって貼り付けられる車両用ミラーのホルダー構造において、
    上記ホルダーにおける上記粘着材が貼り付けられる貼付面には、蛇行する溝が形成されていることを特徴とする車両用ミラーのホルダー構造。
  2. 請求項1に記載の車両用ミラーのホルダー構造において、
    上記貼付面は上下方向に延び、
    上記溝は、上記貼付面の上縁部から下縁部まで延び、該貼付面の上縁部及び下縁部で開放されていることを特徴とする車両用ミラーのホルダー構造。
  3. 請求項2に記載の車両用ミラーのホルダー構造において、
    上記貼付面には、第1溝及び第2溝が上記貼付面の幅方向に所定の間隔をあけて並ぶように形成され、
    上記第1溝は、上記貼付面の上から下に向かって該貼付面の幅方向一側へ屈曲した後、幅方向他側へ屈曲するように延び、
    上記第2溝は、上記貼付面の上から下に向かって該貼付面の幅方向他側へ屈曲した後、幅方向一側へ屈曲するように延びていることを特徴とする車両用ミラーのホルダー構造。
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