JP2016144273A - 電池監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池監視装置に接続される複数の電池セルの数が変わったとしても、制御プログラムや回路構成などを変更せず対応できる電池監視装置を提供する。
【解決手段】直列接続された複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定し、他の電池セルよりセル電圧の高い電池セルの電荷を複数の放電回路4のうちの少なくとも1の放電回路で放電させる電池監視装置1において、制御部5と総電圧測定端子2とセル電圧測定端子3とを備え、放電回路4はスイッチを含み、セル電圧測定端子3に接続されており、制御部5は、総電圧測定値を取得し、放電回路4に含まれるスイッチをオン状態とし、スイッチがオン状態とされている放電回路が接続されているセル電圧測定端子3の端子間電位差測定値を取得し、端子間電位差測定値と総電圧測定値とに基づき、判定対象異常があるか否か判定し、判定対象異常がないと判定した場合、接続されたセル数を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】直列接続された複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定し、他の電池セルよりセル電圧の高い電池セルの電荷を複数の放電回路4のうちの少なくとも1の放電回路で放電させる電池監視装置1において、制御部5と総電圧測定端子2とセル電圧測定端子3とを備え、放電回路4はスイッチを含み、セル電圧測定端子3に接続されており、制御部5は、総電圧測定値を取得し、放電回路4に含まれるスイッチをオン状態とし、スイッチがオン状態とされている放電回路が接続されているセル電圧測定端子3の端子間電位差測定値を取得し、端子間電位差測定値と総電圧測定値とに基づき、判定対象異常があるか否か判定し、判定対象異常がないと判定した場合、接続されたセル数を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、直列に接続された複数の電池セルを監視する電池監視装置に関する。
従来、直列に接続された複数の電池セルを監視し、他の電池セルよりもセル電圧が高い電池セルが有った場合、放電回路を介して当該電池セルを放電させることによりセル電圧を他の電池セルに合わせるように制御する電池監視装置の構成が知られている(特許文献1)。
上記のような電池監視装置において、電池監視装置側の端子の数と複数の電池セルの端子の数とは一致し、それぞれ対応して接続されるように構成される。ここで、電池監視装置に接続される電池セルの数が変わる場合がある。接続される電池セルの数が減少して、電池監視装置側の端子の一部が開放状態となる場合、開放状態となった端子を含む端子間の電位差を測定するとその測定値が不定値となり、電池セルの状態を正しく推定できなくなる。したがって、この場合には、開放状態となった端子が存在しないものとして取り扱えるように電池監視装置の制御プログラムを変更する必要がある。または、監視対象となる電池セルの数を電池監視装置に通知する構成を設けるなど回路構成を変更する必要がある。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、電池監視装置に接続される電池セルの数が変わったとしても、制御プログラムや回路構成などを変更せず対応できる電池監視装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る電池監視装置は、
直列接続された複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定し、他の電池セルよりセル電圧の高い電池セルの電荷を複数の放電回路のうちの少なくとも1の放電回路で放電させる電池監視装置において、
制御部と、
前記複数の電池セルの両端に接続される1対の総電圧測定端子と、
前記複数の電池セルそれぞれの端子に接続される複数のセル電圧測定端子と、
を備え、
前記複数の放電回路のそれぞれは、前記制御部によりオン状態とするように制御されるスイッチを含み、前記複数のセル電圧測定端子のうちの1対のセル電圧測定端子に接続されており、
前記制御部は、
前記1対の総電圧測定端子間の電位差を測定することによって総電圧測定値を取得し、
前記複数の放電回路のそれぞれに含まれる前記スイッチをオン状態とし、
前記スイッチがオン状態とされている放電回路が接続されている1対のセル電圧測定端子の端子間電位差を測定することによって、複数の端子間電位差測定値のそれぞれを取得し、
前記複数の端子間電位差測定値と前記総電圧測定値とに基づき、前記セル電圧測定端子と前記複数の電池セルそれぞれの端子との間の接続異常、前記総電圧測定端子と前記複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常のうち少なくとも1を含む判定対象異常があるか否か判定し、
前記判定対象異常がないと判定した場合、前記複数の端子間電位差測定値それぞれに基づいて、接続された電池セルの数を判定することを特徴とする。
直列接続された複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定し、他の電池セルよりセル電圧の高い電池セルの電荷を複数の放電回路のうちの少なくとも1の放電回路で放電させる電池監視装置において、
制御部と、
前記複数の電池セルの両端に接続される1対の総電圧測定端子と、
前記複数の電池セルそれぞれの端子に接続される複数のセル電圧測定端子と、
を備え、
前記複数の放電回路のそれぞれは、前記制御部によりオン状態とするように制御されるスイッチを含み、前記複数のセル電圧測定端子のうちの1対のセル電圧測定端子に接続されており、
前記制御部は、
前記1対の総電圧測定端子間の電位差を測定することによって総電圧測定値を取得し、
前記複数の放電回路のそれぞれに含まれる前記スイッチをオン状態とし、
前記スイッチがオン状態とされている放電回路が接続されている1対のセル電圧測定端子の端子間電位差を測定することによって、複数の端子間電位差測定値のそれぞれを取得し、
前記複数の端子間電位差測定値と前記総電圧測定値とに基づき、前記セル電圧測定端子と前記複数の電池セルそれぞれの端子との間の接続異常、前記総電圧測定端子と前記複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常のうち少なくとも1を含む判定対象異常があるか否か判定し、
前記判定対象異常がないと判定した場合、前記複数の端子間電位差測定値それぞれに基づいて、接続された電池セルの数を判定することを特徴とする。
また、本発明の第2の観点に係る電池監視装置は、
前記制御部は、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和と前記総電圧測定値との差が所定値以上である場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
前記制御部は、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和と前記総電圧測定値との差が所定値以上である場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
また、本発明の第3の観点に係る電池監視装置は、
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最下位のセル電圧測定端子から順番に、最下位の電池セルの負極側端子から前記最上位の電池セルの正極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする。
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最下位のセル電圧測定端子から順番に、最下位の電池セルの負極側端子から前記最上位の電池セルの正極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする。
また、本発明の第4の観点に係る電池監視装置は、
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最下位の端子間電位差測定値から最上位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて上位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも上位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最下位の端子間電位差測定値から最上位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて上位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも上位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
また、本発明の第5の観点に係る電池監視装置は、
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最上位のセル電圧測定端子から順番に、最上位の電池セルの正極側端子から前記最下位の電池セルの負極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする。
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最上位のセル電圧測定端子から順番に、最上位の電池セルの正極側端子から前記最下位の電池セルの負極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする。
また、本発明の第6の観点に係る電池監視装置は、
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最上位の端子間電位差測定値から最下位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて下位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも下位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最上位の端子間電位差測定値から最下位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて下位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも下位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする。
本発明の第1の観点に係る電池監視装置によれば、電池監視装置に接続される複数の電池セルの数が可変となる場合であっても、制御プログラムや回路構成などを変更せず対応できる電池監視装置を提供することができる。
本発明の第2の観点に係る電池監視装置によれば、測定値に誤差が含まれる場合でも接続異常があるか否か判定することができる。
本発明の第3の観点に係る電池監視装置によれば、電池監視装置と電池セルとの接続の順番が分かりやすく接続間違いを減らすことができる。また接続異常があるか否か判定することが容易になる。
本発明の第4の観点に係る電池監視装置によれば、電池監視装置と電池セルとの接続パターンのうち様々なパターンについて、接続異常があるか否か判定することができる。
本発明の第5の観点に係る電池監視装置によれば、電池監視装置と電池セルとの接続の順番が分かりやすく接続間違いを減らすことができる。また接続異常があるか否か判定することが容易になる。
本発明の第6の観点に係る電池監視装置によれば、電池監視装置と電池セルとの接続パターンのうち様々なパターンについて、接続異常があるか否か判定することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態の説明)
図1は、本実施形態に係る電池監視装置1の概略図である。電池監視装置1は、直列接続された複数の電池セル6(以下、セル6)を有するバッテリに接続され、複数のセル6それぞれのセル電圧を測定し、他のセルよりセル電圧が高いセルを放電回路で放電させる。本実施形態において、セル6は、例えばリチウムイオン電池などの二次電池であるが、これに限られない。また、本実施形態において、複数のセル6は最大でN個のセル6−1〜6−Nを含むものとする。電池監視装置1は、総電圧測定端子2(2a,2b)と、セル電圧測定端子3(3−0〜3−N)と、バイパススイッチ4(4−1〜4−N)と、制御部5とを備える。
図1は、本実施形態に係る電池監視装置1の概略図である。電池監視装置1は、直列接続された複数の電池セル6(以下、セル6)を有するバッテリに接続され、複数のセル6それぞれのセル電圧を測定し、他のセルよりセル電圧が高いセルを放電回路で放電させる。本実施形態において、セル6は、例えばリチウムイオン電池などの二次電池であるが、これに限られない。また、本実施形態において、複数のセル6は最大でN個のセル6−1〜6−Nを含むものとする。電池監視装置1は、総電圧測定端子2(2a,2b)と、セル電圧測定端子3(3−0〜3−N)と、バイパススイッチ4(4−1〜4−N)と、制御部5とを備える。
総電圧測定端子2は、バッテリの正極側及び負極側、すなわち複数のセル6の両端にそれぞれ接続される1対の総電圧測定端子2a、2bを含む。セル電圧測定端子3は、複数のセル6それぞれの端子に接続される。セル電圧測定端子3は、複数のセル6の最大個数であるN個のセルそれぞれの端子に接続できるように、少なくとも(N+1)個のセル電圧測定端子3−0〜3−Nを含む。好ましくは、複数のセル電圧測定端子3−0〜3−Nはそれぞれ、最下位である0番目のセル電圧測定端子3−0から、最上位であるN番目のセル電圧測定端子3−Nまで、順位を定められる。
バイパススイッチ4は、複数のセル電圧測定端子3のうちの1対のセル電圧測定端子に接続されている。好ましくは、バイパススイッチ4は、少なくともセル電圧測定端子3の個数から1少ない個数含まれる。すなわち、セル電圧測定端子3が(N+1)個のセル電圧測定端子3−0〜3−Nを含む場合、好ましくは、バイパススイッチ4は少なくともN個含まれる。また好ましくは、バイパススイッチ4は、まず1対のセル電圧測定端子3−0及び3−1の間に接続され、次に1対のセル電圧測定端子3−1及び3−2の間に接続され、以下順番に、1対のセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nの間まで接続される。また好ましくは、複数のバイパススイッチ4のそれぞれは、1対のセル電圧測定端子3−0及び3−1の間に接続される1番目のバイパススイッチ4−1から、1対のセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nの間に接続されるN番目のバイパススイッチ4−Nまで順位を定められる。図2は、バイパススイッチ4の構成を示す図である。バイパススイッチ4は、スイッチ部41と容量調整抵抗部42とを含む。スイッチ部41は、接点が機械的に開閉するメカニカルリレーであってもよいし、トランジスタ等の電子回路により構成される半導体リレーであってもよいが、これらに限られない。スイッチ部41は制御部5に接続され、制御部5によってオン状態とするように、又はオフ状態とするように制御される。本実施形態においては、スイッチ部41がオン状態とされている場合、導通しているものとする。容量調整抵抗部42は、スイッチ部41とセル電圧測定端子3の間に配置される電気抵抗である。容量調整抵抗部42の抵抗値は監視対象となるセルの電圧などに応じて定められる。
制御部5は、電池監視装置1に接続されたバッテリに含まれる複数のセル6のそれぞれのセル電圧を測定する。複数のセル6のそれぞれのセル電圧を互いに比較し、セル電圧が高いセルがあった場合は、当該セルに接続されている1対のセル電圧測定端子3の間に接続されているバイパススイッチ4を用いて当該セルに放電させる。すなわち、当該セルに対応するバイパススイッチ4のスイッチ部41をオン状態にして導通させ、容量調整抵抗部42で電力を消費することにより、当該セルのセル電圧を低くする。この場合、バイパススイッチ4は、当該セルを放電させる放電回路として用いられている。したがって、本実施形態においては、バイパススイッチ4は放電回路として取り扱う。
また、制御部5は、1対の総電圧測定端子2a,2b間の電位差及び1対のセル電圧測定端子3の端子間の電位差を測定し、その測定値に基づき、種々の判定を行う。また、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3の端子間の電位差を測定する際に、測定の対象となる1対のセル電圧測定端子3の間に接続されるバイパススイッチ4のスイッチ部41をオン状態にして測定する。このようにすることで、測定の対象となる1対のセル電圧測定端子3のうち少なくとも1のセル電圧測定端子3がどこにも接続されていない、すなわちオープンの状態であっても、バイパススイッチ4が導通していることによって測定値は不定とならず、0Vが測定される。一方で、測定の対象となる1対のセル電圧測定端子3が複数のセル6のうち1のセル6の端子に接続されている場合であっても、バイパススイッチ4の容量調整抵抗部42の抵抗値を十分高い値としておくことによって、該セル6のセル電圧の測定に影響を与えないようにすることができる。また、本実施形態において、セル6の電圧は負の値とならないため、制御部5は正の電位差のみ測定可能であるものとする。端子間の電位差が負の値である場合は、その測定値は負の値として測定されず0として測定される。さらに、制御部5は、測定値や制御用の変数を格納する記憶部51を備える。
ここで、電池監視装置1がN個のセル6−1〜6−Nを有するバッテリに接続される場合の各端子の対応関係を説明する。図3は、電池監視装置1がN個のセルを有するバッテリに接続された場合のブロック図である。N個のセル6−1〜6−Nは直列接続されている。好ましくは、N個のセル6−1〜6−Nは、負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位まで、すなわち、負極側の端にある1番目のセル(最下位のセル)6−1から、正極側の端にあるN番目のセル(最上位のセル)まで順位を定められている。電池監視装置1の1対の総電圧測定端子2a及び2bは、直列接続されたN個のセル6−1〜6−Nの両端、すなわち、最上位のセル6−Nの正極側及び最下位のセル6−1の負極側にそれぞれ接続される。N個のセル6−1〜6−Nそれぞれの端子は、電池監視装置1の複数のセル電圧測定端子3−0〜3−Nのそれぞれに接続される。N個のセル6−1〜6−Nは、両端2箇所とセル間の(N−1)箇所とを合わせた(N+1)箇所の端子を有するので、(N+1)個のセル電圧測定端子3−0〜3−Nは過不足なく接続される。好ましくは、N個のセル6−1〜6−Nのそれぞれと複数のセル電圧測定端子3−0〜3−Nのそれぞれとは、順番通りに接続される。すなわち、最下位のセル6−1の負極側とセル電圧測定端子3−0とが接続され、最下位のセル6−1の正極側(最下位の1つ上位のセル6−2の負極側でもある)とセル電圧測定端子3−1とが接続される。続けて順番に上位のセル6とセル電圧測定端子3とが接続される。最終的に、最上位のセル6−Nの負極側(最上位の1つ下位のセル6−(N−1)の正極側でもある)とセル電圧測定端子3−(N−1)とが接続され、最上位のセル6−Nの正極側とセル電圧測定端子3−Nとが接続される。
上記のように接続された状態において、電池監視装置1の制御部5は、1対の総電圧測定端子2a,2b間の電位差を測定して、バッテリ(複数のセル6)の総電圧測定値、すなわちN個のセルの総電圧測定値を取得する。また、制御部5は、複数のセル電圧測定端子3のうちの1対のセル電圧測定端子3の端子間の電位差(以下、端子間電位差)をそれぞれ測定して、複数の端子間電位差測定値のそれぞれを取得する。N個のセル6−1〜6−Nそれぞれの端子に対して(N+1)個のセル電圧測定端子3−0〜3−Nが過不足なく接続されている場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、N個のセル6−1〜6−Nそれぞれのセル電圧である。
次に、電池監視装置1が(N−1)個のセルを有するバッテリに接続される場合の各端子の対応関係を説明する。図4は、電池監視装置1が(N−1)個のセルを有するバッテリに接続された場合のブロック図である。前述のN個のセルを有するバッテリの場合と同様に、(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)は直列接続されている。好ましくは、(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)は、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位まで、すなわち、負極側の端にある1番目のセル(最下位のセル)6−1から、正極側の端にある(N−1)番目のセル(最上位のセル)まで順位を定められている。電池監視装置1の1対の総電圧測定端子2a及び2bは、直列接続された(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)の両端、すなわち、最上位のセル6−(N−1)の正極側及び最下位のセル6−1の負極側にそれぞれ接続される。(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)それぞれの端子N個と電池監視装置1の(N+1)個のセル電圧測定端子3−0〜3−NのうちのN個とが接続される。この際、セル6−1〜6−(N−1)それぞれの端子は必ずいずれかのセル電圧測定端子に接続される。すなわち、最下位のセル6−1の負極側端子から最上位のセル6−(N−1)の正極側端子までの全ての端子は、セル電圧測定端子3と接続される。好ましくは、セル電圧測定端子3−0〜3−(N−1)が接続され、セル電圧測定端子3−Nは接続されない。また好ましくは、(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)それぞれの端子とN個のセル電圧測定端子3−0〜3−(N−1)とは、それぞれ順番通りに接続される。すなわち、図4に示されているように、最下位のセル6−1の負極側とセル電圧測定端子3−0とが接続され、最下位のセル6−1の正極側(最下位の1つ上位のセル6−2の負極側でもある)とセル電圧測定端子3−1とが接続される。続けて順番に上位のセル6とセル電圧測定端子3とが接続される。最終的に、最上位のセル6−(N−1)の負極側(最上位の1つ下位のセル6−(N−2)の正極側でもある)とセル電圧測定端子3−(N−2)とが接続され、最上位のセル6−(N−1)の正極側とセル電圧測定端子3−(N−1)とが接続される。そして、セル電圧測定端子3−Nは接続されない。このように、電池監視装置1が(N−1)個のセルを有するバッテリに接続された場合、(N+1)個のセル電圧測定端子3のうちの1個はどこにも接続されない。
図4に示されるように接続された状態において、電池監視装置1の制御部5は、1対の総電圧測定端子2a,2bの間の電位差を測定して、バッテリ(複数のセル6)の総電圧測定値、すなわち(N−1)個のセルの総電圧測定値を取得する。また、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差をそれぞれ測定して、複数の端子間電位差測定値のそれぞれを取得する。図4に示されるように(N−1)個のセル6−1〜6−(N−1)それぞれの端子に対してN個のセル電圧測定端子3−0〜3−(N−1)が接続され、1個のセル電圧測定端子3−Nが接続されていない場合、1対のセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nの端子間電位差測定値を除き、複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、(N−1)個のセル6−0〜6−(N−1)それぞれのセル電圧の測定値である。一方、1対のセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nの端子間電位差は、セル電圧測定端子3−Nがどこにも接続されないため、いずれのセルのセル電圧でもなく不定値である。ここで、上述の通り、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する際に、測定の対象となる1対のセル電圧測定端子3の間に接続されるバイパススイッチ4のスイッチ部41をオン状態にして測定する。このようにすることで、1対のセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nの端子間電位差測定値は、0Vとなる。
なお、図4に示した例では、電池監視装置1が(N−1)個のセルを有するバッテリに接続される場合として、最下位のセル6−1とセル電圧測定端子3−0及び3−1とを最初に接続し、順番に上位のセルを接続した。しかし、この接続方法とは異なり、最上位のセル6−(N−1)とセル電圧測定端子3−(N−1)及び3−Nとを最初に接続し、順番に下位のセルを接続してもよい。この場合、電池監視装置1の複数のセル電圧測定端子3のうちセル電圧測定端子3−0を除く全てが複数のセル6それぞれの端子に接続される。すなわち、セル電圧測定端子3−0はどこにも接続されない。この場合、1対のセル電圧測定端子3−0及び3−1の間の端子間電位差測定値を除き、複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、各セル、すなわち(N−1)個のセル6−0〜6−(N−1)それぞれのセル電圧である。一方、1対のセル電圧測定端子3−0及び3−1の間の端子間電位差は、セル電圧測定端子3−0がどこにも接続されないため、いずれのセルのセル電圧でもなく不定値である。ここで、上述の通り、制御部5は、端子間電位差を測定する際に、測定の対象となる1対のセル電圧測定端子3の間に接続されるバイパススイッチ4のスイッチ部41をオン状態にして測定する。このようにすることで、セル電圧測定端子3−0及び3−1の端子間電位差測定値は、0Vとなる。
電池監視装置1がi個(i=1〜(N−2))のセルを有するバッテリに接続される場合も(N−1)個のセルを有するバッテリに接続される場合と同様である。ただし、i=1〜(N−2)のいずれの場合であっても、セル電圧測定端子3をセルに接続する際に、好ましくは、最下位のセル電圧測定端子3−0又は最上位のセル電圧測定端子3−Nから順番に接続する。すなわち、最下位でも最上位でもないセル電圧測定端子3−1や3−(N−1)から接続し始めることはない。また好ましくは、最下位のセル電圧測定端子3−0から順番に接続する場合に、途中でj番目のセル電圧測定端子3−j(j=1〜(i−1))を接続せず飛ばすことはないものとする。また、最上位のセル電圧測定端子3−Nから順番に接続する場合であっても、好ましくは、途中でj番目のセル電圧測定端子3−j(j=(N−i+1)〜(N−1))を接続せず飛ばすことはないものとする。好ましくは、これらの規則に反する接続が行われた場合、後述するように接続異常があるとして判定される。このように接続方法に規則を定めることにより、電池監視装置と電池セルとの接続の順番が分かりやすく接続間違いを減らすことができる。また接続異常があるか否か判定することが容易になる。
ここで、本実施形態に係る電池監視装置1が、1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する動作を説明する。図5は、電池監視装置1の制御部5が端子間電位差を順番に測定する動作を示すフローチャートである。まず、制御部5は、測定制御用に変数nを定義し、n=1とする(ステップS10)。次に、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの間の端子間電位差を測定するために、該1対のセル電圧測定端子3の間に接続されたバイパススイッチ4−nのスイッチ部41をオン状態にする(ステップS11)。次に、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの端子間電位差を測定し、端子間電位差測定値Vnを取得する(ステップS12)。1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nがそれぞれセル6の端子に接続されている場合、Vnは該セルのセル電圧の測定値である。また、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの少なくとも1のセル電圧測定端子3がオープンである場合、測定に際してバイパススイッチ4−nがオン状態になっていることにより、端子間電位差測定値は不定とならず、端子間電位差測定値は0Vとなる。好ましくは、端子間電位差測定値Vnは、該Vnの測定の際に測定の対象であった1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nのうち上位のセル電圧測定端子に定められた順位に応じて順位を定められる。この場合、Vnの順位はn番目となる。次に、制御部5は、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの間に接続されたバイパススイッチ4−nのスイッチ部41をオフ状態にする(ステップS13)。次に、制御部5は、変数nに1を加算する(ステップS14)。次に、制御部5は、変数nがn>Nを満たすかどうか判定する(ステップS15)。n>Nを満たす場合(ステップS15:Y)、制御部5は、1対の総電圧測定端子2a及び2b間の電位差を測定して総電圧測定値Vtotalを取得し(ステップS16)、測定を終了する。n>Nを満たさない場合(ステップS15:N)、制御部5は、ステップS11に戻り、測定を継続する。
図5のフローチャートでは、変数nの値がn=1から始まり、n=Nまで順番に測定しているが、この順序を逆にしてもよい。すなわち、ステップS10においてn=Nとし、ステップS14において変数nから1を減算し、ステップS15においてn<1を満たすかどうか判定するようにしてもよい。
さらに、変数nの値が1〜Nの間でどのような順序で変化してもよい。すなわち、最終的に、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの端子間電位差をn=1〜Nについて全て測定して、複数の端子間電位差測定値Vnの全てを取得できれば、その測定順序は任意である。このようにすることによって、セル電圧を測定する際に測定順序が制限されず、測定の自由度を高めることができる。以下、端子間電位差測定値Vnについては、n=1の場合V1、n=Nの場合VN、n=N−1の場合VN−1とそれぞれ表すものとする。なお、図5のフローチャートに従えば、1対のセル電圧測定端子3について順番に端子間電位差を測定するが、これに限られず、複数対のセル電圧測定端子3について一括で端子間電位差を測定することも考えられる。このようにすることによって、セル電圧の測定時間を短縮することができる。
本実施形態に係る電池監視装置1が端子間電位差を測定する動作において、好ましくは、種々の測定値又は変数は、制御部5に備えられる記憶部51に格納される。
上記フローチャートに係る説明で述べたように、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nのうち少なくとも1のセル電圧測定端子3がセル6の端子に接続されていない場合であっても、端子間電位差測定値は不定値とならず、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの間の端子間電位差測定値は0Vとなる。複数のセル電圧測定端子3のうちの一部がオープンとなるのは、例えば、複数のセル6に含まれるセルの数が変化して、セル6それぞれの端子の数がセル電圧測定端子3の数と一致しなくなる場合である。すなわち、バイパススイッチ4をオン状態にして端子間電位差を測定することによれば、セル6の数が変化しても、電池監視装置1の構成及び制御方法を変更することなく、端子間電位差測定値が不定値となることを避けることができる。
次に、本実施形態に係る電池監視装置1が、複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて、異常があるか否か判定する動作を説明する。ここで、異常があるか否か判定される対象(以下、判定対象異常という)は、セル電圧測定端子3と複数のセル6それぞれの端子との間の接続異常、総電圧測定端子と複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常のうち少なくとも1つを含む。電池セルの異常とは、例えば、セル内部での短絡であったり、セル電圧の異常な低下であったりする。ここで、判定対象異常があるか否か判定する動作においては、好ましくは、接続方法に応じて、端子間電位差測定値Vnの値を判定する順序が制限される。例えば、セル電圧測定端子3−Nがどこにも接続されていない状態で複数の端子間電位差測定値のそれぞれが取得された場合、電池監視装置1は、V1からVNまで順番に判定する。あるいは、セル電圧測定端子3−0がどこにも接続されていない状態で複数の端子間電位差測定値のそれぞれが取得された場合、電池監視装置1は、VNからV1まで順番に判定する。セル電圧測定端子3−0及び3−Nがともに接続されている状態で複数の端子間電位差測定値のそれぞれが取得された場合は、V1から順番に判定してもよいし、VNから順番に判定してもよい。
図6は、電池監視装置1の制御部5が、判定対象異常があるか否か判定する動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、V1から順番に判定する構成となっている。すなわち、このフローチャートに係る動作は、好ましくは、セル電圧測定端子3−Nがどこにも接続されていない状態、又は、セル電圧測定端子3−0及び3−Nがともに接続されている状態で複数の端子間電位差測定値のそれぞれが取得された場合に適用可能である。まず、制御部5は、リセット動作として、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumを0にし、0V検出済みフラグを0にし、セル電圧検出異常フラグを0にする(ステップS20〜S22)。次に、制御部5は、判定制御用に変数nを定義し、n=1とする(ステップS23)。次に、制御部5は、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumに、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの間の端子間電位差測定値Vnを加算する(ステップS24)。
次に、制御部5は、Vn=0であるかどうか判定する(ステップS25)。Vn=0である場合(ステップS25:Y)、制御部5は、0V検出済みフラグを1にし(ステップS26)、ステップS29に進む。Vn=0ではない場合(ステップS25:N)、制御部5は、0V検出済みフラグが1であるかどうか判定する(ステップS27)。0V検出済みフラグが1である場合(ステップS27:Y)、制御部5は、セル電圧検出異常フラグを1にする(ステップS28)。0V検出済みフラグが1ではない場合(ステップS27:N)、制御部5は、ステップS29に進む。
次に、制御部5は、変数nに1を加算する(ステップS29)。次に、制御部5は、変数nがn>Nを満たすかどうか判定する(ステップS30)。n>Nを満たさない場合(ステップS30:N)、制御部5は、ステップS24に戻って動作を継続する。n>Nを満たす場合(ステップS30:Y)、制御部5は、セル電圧異常フラグが0であるかどうか判定する(ステップS31)。セル電圧異常フラグが0でない(1である)場合(ステップS31:N)、制御部5は、判定対象異常があると判定する異常判定をして動作を終了する。セル電圧異常フラグが0である場合(ステップS31:Y)、制御部5は、総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとが等しいか否か判定する(ステップS32)。総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとが等しい場合(ステップS32:Y)、制御部5は、判定対象異常がないと判定する正常判定をして動作を終了する。前述の通り、判定対象異常がないということは、セル電圧測定端子3と複数のセル6それぞれの端子との間の接続異常、総電圧測定端子と複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常がないことである。総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとが等しくない場合(ステップS32:N)、制御部5は、判定対象異常があると判定する異常判定をして動作を終了する。前述の通り、判定対象異常があるということは、セル電圧測定端子3と複数のセル6それぞれの端子との間の接続異常、総電圧測定端子と複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常のうち少なくとも1つの異常があるということである。好ましくは、これらの異常のうち、実際にどのような異常が発生しているかは、別途の方法で確認する。
ステップS32においては、好ましくは、総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとの差が所定値未満であるか否か判定する。すなわち、好ましくは、総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとの差が所定値未満である場合(ステップS32:Y)、制御部5は、判定対象異常がないと判定する正常判定をして動作を終了する。また好ましくは、総電圧測定値Vtotalと複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumとの差が所定値以上である場合(ステップS32:N)、制御部5は、判定対象異常があると判定する異常判定をして動作を終了する。なお、所定値とは、好ましくは数mV程度の値であるが、これに限られず、測定対象のセルのセル電圧に応じて定められる。このように所定値を設けて判定することによって、測定値に誤差が含まれる場合でも異常があるか否か判定することができる。
図6のフローチャートに係る動作が正常判定で終了した場合、電池監視装置1は、接続されているセルの数を判定することができる。すなわち、電池監視装置1に接続されているセルの数は、Vn=0ではないVnの数を数えることで判定できる。あるいは、図6のフローチャートに係る動作において、Vnが初めて0となったときのnの値が記憶されていれば、電池監視装置1に接続されているセルの数は、n−1に等しい。
上述の通り、図6のフローチャートに係る動作は、V1から順番に判定する構成となっている。図6のフローチャートを修正して、VNから順番に判定する構成とするには、ステップS23においてn=Nとし、ステップS29において変数nから1を減算し、ステップS30においてn<1を満たすかどうか判定する。このように修正したフローチャートに係る動作は、セル電圧測定端子3−0がどこにも接続されていない場合、又は、セル電圧測定端子3−0及び3−Nがともに接続されている場合に適用可能である。
本実施形態に係る電池監視装置1が、判定対象異常があるか否か判定し、接続されているセルの数を判定する動作において、好ましくは、種々の測定値、変数、又はフラグは、制御部5に備えられる記憶部51に格納される。
本実施形態に係る電池監視装置1は、接続されているセルの数を判定した後、接続されているセルの監視動作を開始する。
上述の通り、本実施形態に係る電池監視装置1によれば、電池監視装置1に接続される電池セルの数が変化して、セル電圧測定端子の一部がオープンになっても、制御プログラムや回路構成などを変更せずに、異常があるか否か判定できる。また、異常がない場合、接続される電池セルの数を判定できる。そして、接続される電池セルの監視動作を実行できる。
(異常判定の実施例)
本実施形態に係る電池監視装置1が、判定対象異常があると判定する場合について具体的な例を説明する。図7〜11は、各異常パターンを示すブロック図である。これらの例は、バッテリが3個のセル6−1〜6−3を有しているものとする。また、セル6−1、6−2、6−3のセル電圧をそれぞれE1(V)、E2(V)、E3(V)(E1,E2,E3>0)とする。通常、E1、E2、E3の値は、それぞれほぼ同じ値に保たれている。また、上述の通り、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの端子間電位差測定値は、Vn(n=1〜N)である。本実施例においては、端子間電位差測定値にはハード上の制約から上限Emax(V)が定められるものとする。セル6のセル電圧の特性上、EmaxとE1、E2、E3との間にはそれぞれ、Emax<E1+E2、Emax<E2+E3、Emax<E1+E3が成り立つものとする。
本実施形態に係る電池監視装置1が、判定対象異常があると判定する場合について具体的な例を説明する。図7〜11は、各異常パターンを示すブロック図である。これらの例は、バッテリが3個のセル6−1〜6−3を有しているものとする。また、セル6−1、6−2、6−3のセル電圧をそれぞれE1(V)、E2(V)、E3(V)(E1,E2,E3>0)とする。通常、E1、E2、E3の値は、それぞれほぼ同じ値に保たれている。また、上述の通り、1対のセル電圧測定端子3−(n−1)及び3−nの端子間電位差測定値は、Vn(n=1〜N)である。本実施例においては、端子間電位差測定値にはハード上の制約から上限Emax(V)が定められるものとする。セル6のセル電圧の特性上、EmaxとE1、E2、E3との間にはそれぞれ、Emax<E1+E2、Emax<E2+E3、Emax<E1+E3が成り立つものとする。
(異常パターンA)
図7(a)は、セル電圧測定端子3の順番が入れ替わって接続された場合のブロック図を示す。すなわち、本来は、セル6−2の負極側端子、正極側端子には、それぞれセル電圧測定端子3−1、3−2が接続されるべきところ、それぞれセル電圧測定端子3−2、3−1が接続されている。まず、電池監視装置1の制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差をそれぞれ測定する。この場合、V1=Emax(V)、V2=0(V)、V3=Emax(V)となる。V2については、端子間電位差(端子間の実電位差)が−E2(V)であるが、上述の通り、制御部5は正の電圧のみ測定可能としているので、端子間電位差が負の値である場合は、端子間電位差測定値が0(V)となる。V1及びV3については、端子間電位差がE1+E2(V)及びE2+E3(V)であるが、上述の通り、ハード上の制約があり、端子間電位差測定値がその上限であるEmax(V)となる。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図7(b)の表にまとめて記載されている。図7(b)の第1列は測定している端子を示し、第2列は測定対象のセルを示している。また、図7(b)の第3列は実際のセル電圧を示し、第4列は実際に接続されている状態における端子間電位差(端子間の実電位差)を示す。そして、図7(b)の第5列は端子間電位差測定値を示す。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい、複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンAの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=3のループのステップS28において、V3=E2+E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において判定対象異常があると判定する。なお、異常パターンAの場合、端子間電位差測定値の総和Vsum=Emax+Emax(V)であり、セルの総電圧測定値Vtotalと一致しないので、ステップS32の判定対象異常があるか否かの判定条件(以下、異常判定条件)も満たしている。
図7(a)は、セル電圧測定端子3の順番が入れ替わって接続された場合のブロック図を示す。すなわち、本来は、セル6−2の負極側端子、正極側端子には、それぞれセル電圧測定端子3−1、3−2が接続されるべきところ、それぞれセル電圧測定端子3−2、3−1が接続されている。まず、電池監視装置1の制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差をそれぞれ測定する。この場合、V1=Emax(V)、V2=0(V)、V3=Emax(V)となる。V2については、端子間電位差(端子間の実電位差)が−E2(V)であるが、上述の通り、制御部5は正の電圧のみ測定可能としているので、端子間電位差が負の値である場合は、端子間電位差測定値が0(V)となる。V1及びV3については、端子間電位差がE1+E2(V)及びE2+E3(V)であるが、上述の通り、ハード上の制約があり、端子間電位差測定値がその上限であるEmax(V)となる。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図7(b)の表にまとめて記載されている。図7(b)の第1列は測定している端子を示し、第2列は測定対象のセルを示している。また、図7(b)の第3列は実際のセル電圧を示し、第4列は実際に接続されている状態における端子間電位差(端子間の実電位差)を示す。そして、図7(b)の第5列は端子間電位差測定値を示す。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい、複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンAの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=3のループのステップS28において、V3=E2+E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において判定対象異常があると判定する。なお、異常パターンAの場合、端子間電位差測定値の総和Vsum=Emax+Emax(V)であり、セルの総電圧測定値Vtotalと一致しないので、ステップS32の判定対象異常があるか否かの判定条件(以下、異常判定条件)も満たしている。
なお上述の異常パターンAにおいては、最上位ではないセル6の端子に接続されているセル電圧測定端子3が入れ替わって接続されている。ここで、最上位のセル6、図7(a)で言えばセル6−3に接続されているセル電圧測定端子3−3とその1つ下位の端子3−2とが入れ替わって接続される場合は、セル電圧検出異常フラグは0のままである。しかしながら、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+Emax(V)となり、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)とは一致しないため、制御部5は、判定対象異常があると判定する。
(異常パターンB)
図8(a)は、セル電圧測定端子3の順番が1つとばされて接続された場合のブロック図を示す。すなわち、セル電圧測定端子3−2がとばされて、オープンになっている。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=0(V)、V4=E3(V)となる。V2及びV3については、セル電圧測定端子3−2がオープンであり、単にバイパススイッチ4−2及び4−3で短絡されているため、測定値が0(V)となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図8(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンBの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=4のループのステップS28において、V4=E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において異常があると判定する。なお、異常パターンBの場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致しないので、ステップS32の異常判定条件も満たしている。
図8(a)は、セル電圧測定端子3の順番が1つとばされて接続された場合のブロック図を示す。すなわち、セル電圧測定端子3−2がとばされて、オープンになっている。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=0(V)、V4=E3(V)となる。V2及びV3については、セル電圧測定端子3−2がオープンであり、単にバイパススイッチ4−2及び4−3で短絡されているため、測定値が0(V)となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図8(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンBの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=4のループのステップS28において、V4=E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において異常があると判定する。なお、異常パターンBの場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致しないので、ステップS32の異常判定条件も満たしている。
本実施形態においては、電池監視装置1がi個(i=1〜(N−2))のセルを有するバッテリに接続される場合、上述の通り、セル電圧測定端子3をセルに接続する際に、セル電圧測定端子3−0又は3−Nから順番に接続するものとしている。この規則に反して、例えば、セル電圧測定端子3−0を飛ばして、セル電圧測定端子3−1から接続し始めた場合、制御部5は、本異常パターンBと同様に判定対象異常に含まれる接続異常があると判定する。
(異常パターンC)
図9(a)は、セル電圧測定端子3とセル6の端子とを結ぶ配線が断線している場合のブロック図を示す。すなわち、セル電圧測定端子3−2がオープンになっている。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=0(V)となる。V2及びV3については、セル電圧測定端子3−2がオープンであり、単にバイパススイッチ4−2及び4−3で短絡されているため、測定値が0(V)となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図9(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンCの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後、Vn=0が続くため、セル電圧検出異常フラグは0のままである。したがって、制御部5は、ステップS31において判定対象異常がないと判定し(ステップS31:Y)、ステップS32に進む。続いてステップS32において、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致しないので、制御部5は、判定対象異常があると判定する。
図9(a)は、セル電圧測定端子3とセル6の端子とを結ぶ配線が断線している場合のブロック図を示す。すなわち、セル電圧測定端子3−2がオープンになっている。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=0(V)となる。V2及びV3については、セル電圧測定端子3−2がオープンであり、単にバイパススイッチ4−2及び4−3で短絡されているため、測定値が0(V)となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E2+E3(V)となる。これらの測定値は、図9(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンCの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後、Vn=0が続くため、セル電圧検出異常フラグは0のままである。したがって、制御部5は、ステップS31において判定対象異常がないと判定し(ステップS31:Y)、ステップS32に進む。続いてステップS32において、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致しないので、制御部5は、判定対象異常があると判定する。
なお上述の異常パターンCにおいては、最上位のセル6−3に接続されているセル電圧測定端子3−2が断線している。ここで、最上位のセル6−3に接続されていないセル電圧測定端子、例えばセル電圧測定端子3−1が断線した場合は、セル電圧検出異常フラグが1となって異常があると判定する。さらに、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しないとの異常判定条件も満たしている。
(異常パターンD)
図10(a)は、総電圧測定端子2とセル6の端子とを結ぶ配線が断線している場合のブロック図を示す。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=E2(V)、V3=E3(V)となる。また、制御部5は、総電圧を測定する。この場合、総電圧測定端子2がオープンのため、総電圧測定値Vtotalは不定となる。これらの測定値は、図10(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンDの場合、n=4のループのステップS26において、V4=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後、Vn=0が続くため、セル電圧検出異常フラグは0のままである。したがって、制御部5は、ステップS31において判定対象異常がないと判定し(ステップS31:Y)、ステップS32に進む。続いてステップS32において、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E2+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalが不定であることによって、VsumとVtotalとが一致しないので、制御部5は、判定対象異常があると判定する。
図10(a)は、総電圧測定端子2とセル6の端子とを結ぶ配線が断線している場合のブロック図を示す。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=E2(V)、V3=E3(V)となる。また、制御部5は、総電圧を測定する。この場合、総電圧測定端子2がオープンのため、総電圧測定値Vtotalは不定となる。これらの測定値は、図10(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンDの場合、n=4のループのステップS26において、V4=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後、Vn=0が続くため、セル電圧検出異常フラグは0のままである。したがって、制御部5は、ステップS31において判定対象異常がないと判定し(ステップS31:Y)、ステップS32に進む。続いてステップS32において、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E2+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalが不定であることによって、VsumとVtotalとが一致しないので、制御部5は、判定対象異常があると判定する。
(異常パターンE)
図11(a)は、1対のセル電圧測定端子3の間で短絡している場合のブロック図を示す。すなわち、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡している。なお、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡するのではなく、接続先のセル6−2の内部で短絡するなど、セルの側に異常がある場合も異常パターンEに当てはまる。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=E3(V)となる。V2については、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡しているために端子間の電位差がなく、端子間電位差測定値が0となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E3(V)となる。これはセル6−2が1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とを通じて短絡されており、総電圧測定時にもセル6−2のセル電圧E2が反映されないためである。これらの測定値は、図11(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンEの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=3のループのステップS28において、V3=E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において判定対象異常があると判定する。なお、異常パターンEの場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致するので、ステップS32の異常判定条件は満たしていない。
図11(a)は、1対のセル電圧測定端子3の間で短絡している場合のブロック図を示す。すなわち、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡している。なお、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡するのではなく、接続先のセル6−2の内部で短絡するなど、セルの側に異常がある場合も異常パターンEに当てはまる。まず、制御部5は、図5のフローチャートにしたがい1対のセル電圧測定端子3の端子間電位差を測定する。この場合、V1=E1(V)、V2=0(V)、V3=E3(V)となる。V2については、1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とが短絡しているために端子間の電位差がなく、端子間電位差測定値が0となっている。また、総電圧測定値Vtotal=E1+E3(V)となる。これはセル6−2が1対のセル電圧測定端子3−1と3−2とを通じて短絡されており、総電圧測定時にもセル6−2のセル電圧E2が反映されないためである。これらの測定値は、図11(b)の表にまとめて記載されている。表の内訳は図7(b)と同様である。次に、制御部5は、図6のフローチャートにしたがい複数の端子間電位差測定値Vnと総電圧測定値Vtotalとに基づいて判定対象異常があるか否か判定する。異常パターンEの場合、n=2のループのステップS26において、V2=0(V)に対応して0V検出済みフラグが1となる。その後n=3のループのステップS28において、V3=E3(V)に対応してセル電圧検出異常フラグが1となる。したがって、制御部5は、最終的にステップS31において判定対象異常があると判定する。なお、異常パターンEの場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsum=E1+E3(V)であり、総電圧測定値Vtotalと一致するので、ステップS32の異常判定条件は満たしていない。
(異常パターンのまとめ)
上記異常パターンはいずれも、セル電圧検出異常フラグが1となった場合(ステップS31:N)、又は、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しない場合(ステップS32:N)に含まれる。図12は、各異常パターンがどの異常判定条件にあてはまるかまとめた表である。図12は異常判定条件をP1及びP2で表している。P1はセル電圧検出異常フラグに対応しており、セル電圧検出異常フラグが0であればP1=0、1であればP1=1である。P2は複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致するか否かという条件に対応しており、一致すればP2=0、一致しなければP2=1である。この表には、異常パターンA、Cにおける例外についても記載している。一つは、異常パターンAにおいて、最上位のセル6−3に接続されているセル電圧測定端子3−2と3−3とが入れ替わった場合である。この場合、セル電圧検出異常フラグは0のままであるが、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しないため、制御部5は、判定対象異常があると判定する。もう一つは、異常パターンCにおいて、最上位のセル6−3に接続されていないセル電圧測定端子3−0又は3−1が断線した場合である。この場合、セル電圧検出異常フラグが1となって、制御部5は、判定対象異常があると判定する。なお、この場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しないという異常判定条件も満たす。
上記異常パターンはいずれも、セル電圧検出異常フラグが1となった場合(ステップS31:N)、又は、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しない場合(ステップS32:N)に含まれる。図12は、各異常パターンがどの異常判定条件にあてはまるかまとめた表である。図12は異常判定条件をP1及びP2で表している。P1はセル電圧検出異常フラグに対応しており、セル電圧検出異常フラグが0であればP1=0、1であればP1=1である。P2は複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致するか否かという条件に対応しており、一致すればP2=0、一致しなければP2=1である。この表には、異常パターンA、Cにおける例外についても記載している。一つは、異常パターンAにおいて、最上位のセル6−3に接続されているセル電圧測定端子3−2と3−3とが入れ替わった場合である。この場合、セル電圧検出異常フラグは0のままであるが、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しないため、制御部5は、判定対象異常があると判定する。もう一つは、異常パターンCにおいて、最上位のセル6−3に接続されていないセル電圧測定端子3−0又は3−1が断線した場合である。この場合、セル電圧検出異常フラグが1となって、制御部5は、判定対象異常があると判定する。なお、この場合、複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和Vsumと総電圧測定値Vtotalとが一致しないという異常判定条件も満たす。
このように、本実施形態に係る判定方法によれば、電池監視装置1と複数のセル6との接続パターンのうち様々なパターンについて、判定対象異常があるか否か判定することができる。また、上述の異常判定条件P1及びP2のいずれの条件を満たすかにより、異常判定の原因となった異常パターンを絞り込むことができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正をおこなうことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 電池監視装置
2 総電圧測定端子
2a 正極側総電圧測定端子
2b 負極側総電圧測定端子
3 セル電圧測定端子
3−0〜3−N 0番目〜N番目のセル電圧測定端子
4 バイパススイッチ(放電回路)
4−1〜4−N 1番目〜N番目のバイパススイッチ
41 スイッチ部
42 容量調整抵抗部
5 制御部
51 記憶部
6 セル(電池セル)
6−1〜6−N 1番目〜N番目のセル(電池セル)
2 総電圧測定端子
2a 正極側総電圧測定端子
2b 負極側総電圧測定端子
3 セル電圧測定端子
3−0〜3−N 0番目〜N番目のセル電圧測定端子
4 バイパススイッチ(放電回路)
4−1〜4−N 1番目〜N番目のバイパススイッチ
41 スイッチ部
42 容量調整抵抗部
5 制御部
51 記憶部
6 セル(電池セル)
6−1〜6−N 1番目〜N番目のセル(電池セル)
Claims (6)
- 直列接続された複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定し、他の電池セルよりセル電圧の高い電池セルの電荷を複数の放電回路のうちの少なくとも1の放電回路で放電させる電池監視装置において、
制御部と、
前記複数の電池セルの両端に接続される1対の総電圧測定端子と、
前記複数の電池セルそれぞれの端子に接続される複数のセル電圧測定端子と、
を備え、
前記複数の放電回路のそれぞれは、前記制御部によりオン状態とするように制御されるスイッチを含み、前記複数のセル電圧測定端子のうちの1対のセル電圧測定端子に接続されており、
前記制御部は、
前記1対の総電圧測定端子間の電位差を測定することによって総電圧測定値を取得し、
前記複数の放電回路のそれぞれに含まれる前記スイッチをオン状態とし、
前記スイッチがオン状態とされている放電回路が接続されている1対のセル電圧測定端子の端子間電位差を測定することによって、複数の端子間電位差測定値のそれぞれを取得し、
前記複数の端子間電位差測定値と前記総電圧測定値とに基づき、前記セル電圧測定端子と前記複数の電池セルそれぞれの端子との間の接続異常、前記総電圧測定端子と前記複数の電池セルの両端との間の接続異常、又は前記複数の電池セルの異常のうち少なくとも1を含む判定対象異常があるか否か判定し、
前記判定対象異常がないと判定した場合、前記複数の端子間電位差測定値それぞれに基づいて、接続された電池セルの数を判定することを特徴とする電池監視装置。 - 請求項1に記載の電池監視装置において、
前記制御部は、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれの総和と前記総電圧測定値との差が所定値以上である場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする電池監視装置。 - 請求項1又は2に記載の電池監視装置において、
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最下位のセル電圧測定端子から順番に、最下位の電池セルの負極側端子から前記最上位の電池セルの正極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする電池監視装置。 - 請求項3に記載の電池監視装置において、
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最下位の端子間電位差測定値から最上位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて上位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも上位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする電池監視装置。 - 請求項1又は2に記載の電池監視装置において、
前記複数の電池セルのそれぞれは、直列接続されている状態における負極側から数えた順番に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記複数のセル電圧測定端子のそれぞれは、最下位から最上位までの順位を定められ、最上位のセル電圧測定端子から順番に、最上位の電池セルの正極側端子から前記最下位の電池セルの負極側端子までの全ての端子と接続されることを特徴とする電池監視装置。 - 請求項5に記載の電池監視装置において、
前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれは、該端子間電位差測定値を取得するために用いた前記1対のセル電圧測定端子のうち上位のセル電圧測定端子に定められる順位に応じて最下位から最上位までの順位を定められ、
前記制御部は、
最上位の端子間電位差測定値から最下位の端子間電位差測定値まで順番に、前記複数の端子間電位差測定値のそれぞれが0であるか否か判定し、
前記複数の端子間電位差測定値のうち1の端子間電位差測定値が0であると判定した場合であって、さらに続けて下位の端子間電位差測定値が0であるか否か判定し、
0である端子間電位差測定値よりも下位の端子間電位差測定値のうち少なくとも1の端子間電位差測定値が0ではないと判定した場合、前記判定対象異常があると判定することを特徴とする電池監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015017113A JP2016144273A (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | 電池監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015017113A JP2016144273A (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | 電池監視装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016144273A true JP2016144273A (ja) | 2016-08-08 |
Family
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016144273A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016178748A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | 日産自動車株式会社 | 組電池の制御装置 |
CN106772090A (zh) * | 2016-12-28 | 2017-05-31 | 深圳市共济科技股份有限公司 | 蓄电池监测系统的组网分析方法及组网分析系统 |
JP2021027729A (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-22 | 株式会社デンソー | 電池監視システム |
-
2015
- 2015-01-30 JP JP2015017113A patent/JP2016144273A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN106772090A (zh) * | 2016-12-28 | 2017-05-31 | 深圳市共济科技股份有限公司 | 蓄电池监测系统的组网分析方法及组网分析系统 |
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JP2021027729A (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-22 | 株式会社デンソー | 電池監視システム |
JP7167878B2 (ja) | 2019-08-06 | 2022-11-09 | 株式会社デンソー | 電池監視システム |
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