JP2016144139A - 積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低減した積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムを提供する。
【解決手段】積層型導波路は、第1誘電体層と、第1導電層と、第2導電層と、第2誘電体層と、第3誘電体層と、第1スロット及び第2スロットの内部で第2誘電体層に重ねられる第1パッチアンテナ及び第2パッチアンテナと、第3スロット及び第4スロットの内部で第3誘電体層に重ねられる第3パッチアンテナ及び第4パッチアンテナと、第2誘電体層の表面で第1パッチアンテナ及び第2パッチアンテナに接続される第1伝送路及び第2伝送路と、第3誘電体層の表面で第3パッチアンテナ及び第4パッチアンテナに接続される第3伝送路及び第4伝送路とを含み、第1パッチアンテナ及び第3パッチアンテナと、第2パッチアンテナ及び第4パッチアンテナとは、互いの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムに関する。
従来より、アンテナ部と給電線路部と接続導体から構成され、アンテナ部は、第1のスロットを有する第1の地導体、誘電体を有する第2の地導体、放射素子を有するアンテナ基板、誘電体を有する第3の地導体、第4の地導体からなる、平面アンテナモジュールがある。給電線路部は、第4の地導体、第5の地導体、給電基板、第6の地導体、第7の地導体からなり、接続導体は第2の導波管開口部からなる。平面アンテナモジュールは、高周波回路との接続導体、第7の地導体、第6の地導体、給電基板、第5の地導体、第4の地導体、第3の地導体、アンテナ基板、第2の地導体、第1の地導体の順に積層して構成される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2006/098054号
ところで、従来の平面アンテナモジュールは、構造が複雑であり、組み立ての際には高精度な位置合わせが要求されるため、製造コストが高いという課題がある。
そこで、製造コストを低減した積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の積層型導波路は、第1誘電体層と、前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される、第1パッチアンテナと、平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される、第2パッチアンテナと、平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される、第3パッチアンテナと、平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される、第4パッチアンテナと、前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路とを含み、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される。
製造コストを低減した積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムを提供することができる。
実施の形態1の積層型導波路100を含む無線通信モジュール50と無線通信システム500を示す図である。 実施の形態1の積層型導波路100を示す斜視透視図である。 図2に示す積層型導波路100を分解した状態を示す図である。 積層型導波路100を示す平面図である。 図4におけるA−A矢視断面を示す図である。 積層型導波路100のシミュレーションのモデルを示す図である。 Sパラメータと帯域幅のシミュレーション結果を示す図である。 シミュレーションに用いたモデルにおける電界の分布を示す図である。 長さPLと直径Srの組み合わせに対する、共振周波数Fc、Sパラメータ、BW1、BW2、BW4、BWの依存性を示す図である。 実施の形態2の積層型導波路200を示す斜視透視図である。 図10に示す積層型導波路200を分解した状態を示す図である。 積層型導波路200を示す平面図である。 図12におけるB−B矢視断面を示す図である。 積層型導波路200のシミュレーションのモデルを示す図である。 パッチアンテナ160Aの寸法と入力インピーダンスZ11との関係を示す特性図である。 幅Shを変化させた場合に得られるシミュレーション結果を表形式で纏めた図である。 積層型導波路200におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。 実施の形態2の変形例による積層型導波路のシミュレーションのモデルを示す図である。 実施の形態2の変形例の積層型導波路において幅Shを変化させたときのシミュレーション結果を表形式で纏めた図である。 実施の形態2の変形例の積層型導波路で幅Shを0.49mmに設定した場合のS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。 実施の形態2の変形例による積層型導波路200Aの構成を示す図である。
以下、本発明の積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の積層型導波路100を含む無線通信モジュール50と無線通信システム500を示す図である。図1(A)は、ブロック図、図1(B)は実装状態の一例を示す側面図である。
図1(A)に示すように、無線通信システム500は、アンテナ510と、無線通信モジュール50と、ベースバンド信号処理部520を有する。
無線通信モジュール50は、積層型導波路100と、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシックマイクロ波集積回路)モジュール51と、MMIC駆動回路52とを含む。
MMICモジュール51は、積層型導波路100に接続されて無線フロントエンド処理を行う装置である。MMICモジュール51は、増幅器、ミキサ、発振器(VCO:Voltage-Controlled Oscillator)、マルチプレクサ等が集積されており、アンテナ510から送信されるミリ波帯の高周波信号(以下、ミリ波)を生成し、アンテナ510で受信される反射信号と送信高周波信号の周波数の差を抽出する。
MMIC駆動回路52は、MMICモジュール51を駆動する回路である。
ベースバンド信号処理部520は、周波数の差に応じた低周波成分を処理して必要な情報を取り出す。ベースバンド信号処理部520は、信号処理部の一例である。
無線通信モジュール50の積層型導波路100は、簡易な構成で良好な伝送損失とアイソレーション特性を有するため、無線通信モジュール50の小型化、コスト削減を実現することができる。
また、無線通信システム500は、もう一つ別の無線通信システム500を用いて、2つの無線通信システム500でミリ波での通信を行うことができる。ミリ波での通信は、指向性を狭くすることができるので、多チャンネル化を図りやすい。
また、無線通信システム500をレーダ装置として用いてもよい。無線通信システム500がアンテナ510から放射する電波と、受信する電波との時間差に基づいて、物体までの距離を測定することができる。また、積層型導波路100が複数のチャンネル分の導波路を有し、無線通信システム500が複数のチャンネル分のアンテナ510を含めば、並列に配置される複数のアンテナ510で物体までの距離を測定することにより、距離の差に基づいて、物体の方向を検出することもできる。
また、図1(B)に示すように、無線通信システム500では、一例として、積層型導波路100の一方の表面100Aにアンテナ510が実装され、他方の表面100Bに、MMICモジュール51、MMIC駆動回路52、及びベースバンド信号処理部520が実装される。
積層型導波路100は、パッチアンテナ160A、170A、伝送路180A、190Aを含む。パッチアンテナ160Aと伝送路180Aは、表面100Aに形成されている。パッチアンテナ160Aは、伝送路180Aを介してアンテナ510に接続される。
パッチアンテナ170Aと伝送路190Aは、表面100Bに形成されている。パッチアンテナ170Aは、伝送路190Aを介してMMICモジュール51に接続される。MMICモジュール51は、表面100Bに形成される配線層53を介してMMIC駆動回路52に接続され、MMIC駆動回路52は、表面100Bに形成される配線層54を介してベースバンド信号処理部520に接続される。
パッチアンテナ160Aと170Aは、導波路を構築するため、アンテナ510とMMICモジュール51は、パッチアンテナ160Aと170Aによって構築される導波路を介して接続されている。
ここで、アンテナ510と、MMICモジュール51及びMMIC駆動回路52とを積層型導波路100に対して反対側に実装するのは、MMICモジュール51及びMMIC駆動回路52が発生する高周波信号をアンテナ510で受信しないようにするためである。
例えば、積層型導波路100の代わりに一般的な配線基板を用いて、パッチアンテナ160A及び170Aの代わりにコンタクトプラグ等を用いて、伝送路180Aと190Aとを接続しても、ミリ波をコンタクトプラグ等で伝送することは困難である。
このような理由から、表面100A側のパッチアンテナ160Aと、表面100B側のパッチアンテナ170Aとが導波路を構築する積層型導波路100を用いている。
以下、積層型導波路100の構成について説明する。
図2は、実施の形態1の積層型導波路100を示す斜視透視図である。図3は、図2に示す積層型導波路100を分解した状態を示す図である。図4は、積層型導波路100を示す平面図である。図5は、図4におけるA−A矢視断面を示す図である。なお、以下では、図2乃至図5に示すようにXYZ座標系(直交座標系)を定義する。
積層型導波路100は、誘電体層110、導電層120、誘電体層130、導電層140、誘電体層150、パッチアンテナ160A、160B、170A、170B、伝送路180A、180B、190A、190Bを含む。
ここでは、誘電体層110、導電層120、誘電体層130、導電層140、誘電体層150、パッチアンテナ160A、160B、170A、170B、及び、伝送路180A、180B、190A、190BがFR4(Flame Retardant 4)規格の配線基板によって実現される形態について説明する。
図2乃至図5には、配線基板によって実現される誘電体層110、導電層120、誘電体層130、導電層140、誘電体層150のうちの一部分を抜き出して示す。すなわち、誘電体層110、導電層120、誘電体層130、導電層140、誘電体層150は、実際には、図2乃至図5に示す平面視で矩形状の部分よりもさらにX軸方向及びY軸方向に伸延している。
誘電体層110は、誘電体(絶縁体)製である。誘電体層110は、第1誘電体層の一例である。誘電体層110としては、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させたコア材を用いてもよい。コア材としての誘電体層110の両面には、導電層120及び140が形成されている。
導電層120は、誘電体層110のZ軸正方向側の面に配設される。導電層120は、第1導電層の一例である。導電層120は、例えば、銅又はアルミニウム等の金属製であればよい。上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、導電層120として、コア材の一方の表面(Z軸正方向側の表面)に貼り付けられる銅箔を用いればよい。
導電層120は、スロット121A、121Bを有する。スロット121A、121Bは、それぞれ、第1スロット及び第2スロットの一例である。スロット121A、121Bは、平面視で円形であり、導電層120を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する開口部である。スロット121A、121Bの直径は互いに等しい。
スロット121A、121Bは、例えば、誘電体層110としてのコア材のZ軸正方向側の表面に貼り付けられる銅箔を、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
スロット121A及び121Bは、一例として、導電層120のY軸方向の幅の中心と開口部の中心とが一致し、かつ、導電層120のX軸方向の幅の中心点をY軸方向に通る線を対称軸として線対称になるように配置されている。
誘電体層130は、誘電体(絶縁体)製であり、導電層120のZ軸正方向側に積層される。誘電体層130は、第2誘電体層の一例である。上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、誘電体層130として、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ層を用いればよい。
導電層140は、誘電体層110のZ軸負方向側の面に配設される。導電層140は、第2導電層の一例である。導電層140は、例えば、銅又はアルミニウム等の金属製であればよい。上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、導電層140として、コア材のZ軸負方向側の表面に貼り付けられる銅箔を用いればよい。
導電層140は、スロット141A、141Bを有する。スロット141A、141Bは、それぞれ、第3スロット、第4スロットの一例である。スロット141A、141Bは、平面視で円形であり、導電層140を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する開口部である。スロット141A、141Bの直径は、導電層120に形成されるスロット121A、121Bの直径に等しい。
スロット141A、141Bは、例えば、誘電体層110としてのコア材のZ軸負方向側の表面に貼り付けられる銅箔を、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
スロット141A及び141Bは、一例として、導電層120のY軸方向の幅の中心と開口部の中心とが一致し、かつ、導電層120のX軸方向の幅の中心点をY軸方向に通る線を対称軸として線対称になるように配置されている。
すなわち、スロット141A、141Bは、それぞれ、平面視でスロット121A、121Bと位置が合わせられている。換言すれば、スロット141A、141Bは、それぞれ、平面視でスロット121A、121Bに対応する位置に形成されている。
誘電体層150は、誘電体層130と同様に誘電体(絶縁体)製であり、導電層140のZ軸負方向側に積層される。誘電体層150は、第3誘電体層の一例である。上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、誘電体層150として、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ層を用いればよい。
パッチアンテナ160A、160Bは、誘電体層130のZ軸正方向側の面において、平面視で、それぞれ、スロット121A、121Bの内部に収まるように配置される。パッチアンテナ160A、160Bは、それぞれ、第1パッチアンテナ、第2パッチアンテナの一例である。パッチアンテナ160A、160Bは、例えば、銅又はアルミニウム等の金属製であればよい。
上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、パッチアンテナ160A、160Bは、誘電体層130のZ軸正方向側の面に貼り付けられる銅箔を、例えば、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
パッチアンテナ160Aは、平面視で長方形(矩形)であり、長手方向の長さが、共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。パッチアンテナ160Aは、長手方向に平行な中心軸L1がX軸に対してなす角度θ1が45度になるように形成されている。
同様に、パッチアンテナ160Bは、平面視で長方形(矩形)であり、長手方向の長さが、共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。パッチアンテナ160Bは、長手方向に平行な中心軸L2がX軸に対してなす角度θ2が45度になるように形成されている。
角度θ1は、X軸に対して反時計回りに回転する方向の角度であり、角度θ2は、X軸に対して時計回りに回転する方向の角度である。このため、パッチアンテナ160Aと160Bは、X軸に対して、中心軸L1、L2が互いに逆方向に45度ずつ回転した位置関係にある。
また、パッチアンテナ160Aの長手方向における端部161Aには、伝送路180Aが接続されている。端部161Aは、中心軸L1上に位置するため、端部161Aは、パッチアンテナ160Aの短手方向(平面視で長手方向に直交する方向)の端辺の中心に位置する。ここで、長手方向において端部161Aの反対側の端部を端部162Aとする。
パッチアンテナ160Aは、上述のような構成を有するため、伝送路180Aからパッチアンテナ160Aに給電すると、端部161Aが給電点になる。また、このとき、端部161Aと162Aにおける電界が最大になり、端部161Aと162Aとの中点における電界がゼロになる。
すなわち、パッチアンテナ160Aは、端部161Aと162Aを結ぶ中心軸L1の方向に振幅が変化する正弦波状の電波をZ軸方向に放射する。
また、パッチアンテナ160Bの長手方向における端部161Bには、伝送路180Bが接続されている。端部161Bは、中心軸L2上に位置するため、端部161Bは、パッチアンテナ160Bの短手方向(平面視で長手方向に直交する方向)の端辺の中心に位置する。ここで、長手方向において端部161Bの反対側の端部を端部162Bとする。
パッチアンテナ160Bは、X軸に対する角度θ2がパッチアンテナ160Aの角度θ1と異なること以外は、パッチアンテナ160Aと同様である。このため、伝送路180Bからパッチアンテナ160Bに給電すると、端部161Bが給電点になる。また、このとき、端部161Bと162Bにおける電界が最大になり、端部161Bと162Bとの中点における電界がゼロになる。
すなわち、パッチアンテナ160Bは、端部161Bと162Bを結ぶ中心軸L2の方向に振幅が変化する電波をZ軸方向に放射する。
以上のようなパッチアンテナ160A、160Bに給電すると、パッチアンテナ160A、160Bには、中心軸L1、L2の伸延方向の電界Emが発生する。
パッチアンテナ170A、170Bは、誘電体層150のZ軸負方向側の面において、平面視で、それぞれ、スロット141A、141Bの内部に収まるように配置される。パッチアンテナ170A、170Bは、それぞれ、第3パッチアンテナ、第4パッチアンテナの一例である。パッチアンテナ170A、170Bは、例えば、銅又はアルミニウム等の金属製であればよい。
上述したように、誘電体層110としてコア材を用いる場合には、パッチアンテナ170A、170Bは、誘電体層150のZ軸負方向側の面に貼り付けられる銅箔を、例えば、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
パッチアンテナ170Aは、平面視で長方形(矩形)であり、長手方向の長さが、共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。パッチアンテナ170Aは、平面視におけるサイズがパッチアンテナ160Aと等しく、XY平面における位置がパッチアンテナ160Aと等しい。すなわち、パッチアンテナ170Aは、平面視でパッチアンテナ160Aと位置が一致した状態で完全に重なり合っている。
このため、パッチアンテナ170Aは、長手方向に平行な中心軸(中心軸L1と平面視で重複する中心軸)がX軸に対してなす角度が45度になるように形成されている。
同様に、パッチアンテナ170Bは、平面視で長方形(矩形)であり、長手方向の長さが、共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。パッチアンテナ170Bは、平面視におけるサイズがパッチアンテナ160Bと等しく、XY平面における位置がパッチアンテナ160Bと等しい。すなわち、パッチアンテナ170Bは、平面視でパッチアンテナ160Bと位置が一致した状態で完全に重なり合っている。
このため、パッチアンテナ170Bは、長手方向に平行な中心軸(中心軸L2と平面視で重複する中心軸)がX軸に対してなす角度が45度になるように形成されている。
すなわち、パッチアンテナ170Aと170Bは、X軸に対して、長手方向に平行な中心軸が互いに逆方向に45度ずつ回転した位置関係にある。
ここで、パッチアンテナ160Aの端部161A、162Aと平面視で同一の位置にあるパッチアンテナ170Aの長手方向における両端を端部171A、172Aとする。同様に、パッチアンテナ160Bの端部161B、162Bと平面視で同一の位置にあるパッチアンテナ170Bの長手方向における両端を端部171B、172Bとする。
パッチアンテナ170Aの長手方向における端部172Aには、伝送路190Aが接続されている(図3参照)。端部172Aは、長手方向と平行な中心軸上に位置するため、端部172Aは、パッチアンテナ170Aの短手方向(平面視で長手方向に直交する方向)の端辺の中心に位置する。
パッチアンテナ170Aは、上述のような構成を有するため、伝送路190Aからパッチアンテナ170Aに給電すると、端部172Aが給電点になる。また、このとき、端部171Aと172Aにおける電界が最大になり、端部171Aと172Aとの中点における電界がゼロになる。
すなわち、パッチアンテナ170Aは、端部171Aと172Aを結ぶ中心軸の方向に振幅が変化する正弦波状の電波をZ軸方向に放射する。このため、パッチアンテナ170Aは、パッチアンテナ160Aと通信することができる。なお、パッチアンテナ160Aと170Aは同じ角度で対応し、スロット121A、141Aの内部に収まるように配置することで、効率良く放射電磁界での通信は行いやすくなる。
また、パッチアンテナ170Bの長手方向における端部172Bには、伝送路190Bが接続されている。端部172Bは、長手方向に平行な中心軸上に位置するため、端部172Bは、パッチアンテナ170Bの短手方向(平面視で長手方向に直交する方向)の端辺の中心に位置する。
伝送路190Bからパッチアンテナ170Bに給電すると、端部172Bが給電点になる。また、このとき、端部171Bと172Bにおける電界が最大になり、端部171Bと172Bとの中点における電界がゼロになる。
すなわち、パッチアンテナ170Bは、端部171Bと172Bを結ぶ中心軸の方向に振幅が変化する電波をZ軸方向に放射する。このため、パッチアンテナ170Bは、パッチアンテナ160Bと通信することができる。なお、パッチアンテナ160Bと170Bは同じ角度で対応し、スロット121B、141Bの内部に収まるように配置することで、効率良く放射電磁界での通信は行いやすくなる。 伝送路180A、180Bの一端は、それぞれ、パッチアンテナ160A、160Bの端部161A、161Bに接続されている。また、伝送路180A、180Bの他端は、アンテナ装置又は集積回路等に接続される。伝送路180A、180Bは、それぞれ、第1伝送路、第2伝送路の一例である。なお、伝送路180A、180Bの他端に接続されるアンテナ装置又は集積回路等は、図2乃至図5では省略する。
伝送路180A、180Bは、誘電体層130を介して導電層120に積層されており、導電層120とマイクロストリップラインを構築する。伝送路180A、180Bの特性インピーダンスは、一例として、50Ωに設定されている。伝送路180A、180Bの一端と他端との間の長さは、パッチアンテナ160A、160Bの共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。
伝送路190A、190Bの一端は、それぞれ、パッチアンテナ170A、170Bの端部172A、172Bに接続されている。また、伝送路190A、190Bの他端は、高周波信号を発生する回路等に接続される。伝送路190A、190Bは、それぞれ、第3伝送路、第4伝送路の一例である。なお、伝送路190A、190Bの他端に接続される高周波信号を発生する回路等は、図2乃至図5では省略する。
伝送路190A、190Bは、誘電体層150を介して導電層140に積層されており、導電層140とマイクロストリップラインを構築する。伝送路190A、190Bの特性インピーダンスは、一例として、50Ωに設定されている。伝送路190A、190Bの一端と他端との間の長さは、パッチアンテナ170A、170Bの共振周波数における波長λの半分(λ/2)の電気長に設定されている。
以上のような構成を有する積層型導波路100において、パッチアンテナ160AがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向は、平面視でX軸に対して反時計回りの角度θ1(45度)をなす方向であり、パッチアンテナ160BがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向は、平面視でX軸に対して時計回りの角度θ2(45度)をなす方向である。
また、パッチアンテナ170AがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向は、パッチアンテナ160AがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向と等しく、パッチアンテナ170BがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向は、パッチアンテナ160BがZ軸方向に放射する電波の振幅の方向と等しい。
このため、パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とがなす角度は、90度である。すなわち、パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とは、直交する。
ここで、上述のようにパッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とは、直交している。
従って、パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波が、パッチアンテナ160B及び170Bの方に漏れても、パッチアンテナ160B及び170Bによって受信されることを抑制することができる。
これとは逆に、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波が、パッチアンテナ160A及び170Aの方に漏れても、パッチアンテナ160A及び170Aによって受信されることを抑制することができる。
すなわち、パッチアンテナ160A及び170Aと、パッチアンテナ160B及び170Bとを、平面視で互いの電界の振幅方向が直交するように配置することにより、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションを改善している。
このような構成により、パッチアンテナ160A及び170Aの導波路を伝送される電波と、パッチアンテナ160B及び170Bの導波路を伝送される電波との干渉が抑制される。
次に、図6乃至図9を用いて、シミュレーション結果について説明する。
図6は、積層型導波路100のシミュレーションのモデルを示す図である。図7は、Sパラメータと帯域幅のシミュレーション結果を示す図である。図8は、シミュレーションに用いたモデルにおける電界の分布を示す図である。
図6(A)に示すように、スロット121A、121B、141A、141Bの直径をSr、スロット121Aと121Bの中心間の距離をPD、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅をWとする。なお、角度θ1、θ2は、図4に示すものと同一である。
また、図6(B)に示すように、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さをPL、短手方向の長さをPSとする。
まず、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの短手方向の長さPSの最適値を求めたところ、長さPSが0.4mmのときに、入力インピーダンスZ11が50(Ω)に近い値が得られたため、ここでは長さPSを0.4mmに固定してシミュレーションを行うことにした。
パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さPLを1.0mm、短手方向の長さPSを0.4mm、厚さを0.1mm、スロット121A、121B、141A、141Bの直径Srを1.35mmに設定した。また、伝送路180A、180B、190A、190Bの線路長を共振周波数Fcが78.0GHzの場合のλ/4に設定し、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅Wを0.16mm、スロット121Aと121Bの中心間の距離PDを2.0mmに設定した。なお、伝送路180A、180B、190A、190Bの厚さは、0.1mmである。
また、誘電体層110の厚さを1mm、比誘電率を3.8、誘電体層130及び140の厚さを0.14mm、比誘電率を4.4、導電層120及び130として用いる銅箔の厚さを0.1mmに設定した。
ここで、S11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータを求めるにあたり、伝送路190AをPort1、伝送路180AをPort2、伝送路190BをPort3、伝送路180BをPort4に割り当てた。
また、比較用の積層型導波路のモデルとして、角度θ1、θ2をともに0度にしたモデルを用いた(図8(A)参照)。
図7(A)は、比較用の積層型導波路におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。図7(B)は、積層型導波路100におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。図7(C)は、図7(A)、(B)の内容を表形式で纏めた図である。
ここでは、帯域幅BW1として、S11パラメータの値が−10dB未満の帯域を評価した。帯域幅BW2として、S21パラメータの値が−6dBより高い帯域を評価した。また、帯域幅BW4として、S41パラメータとS42パラメータの値がともに−22dB未満の帯域を評価した。
図7(A)に示す比較用の積層型導波路におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性では、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、7.0GHz、0.2GHzであった。
BW4の値が特に小さいことから、Port1とPort4、及び、Port2とPort4との間で信号が伝送されていることが分かる。換言すれば、Port1とPort2との間の伝送路に、Port4が干渉していることが分かる。
図8(A)は、比較用の積層型導波路のモデルにおける電界の分布を示し、図8(B)は、積層型導波路100のモデルにおける電界の分布を示す図である。図8(A)に示すように、角度θ1、θ2をともに0度にした比較用の積層型導波路のモデルでは、パッチアンテナ160A、160BはX軸に平行である。
図8(A)では、電界が大きい領域ほど濃いグレーで示し、電界が小さい領域ほど白又は薄いグレーで示す。
図8(A)に示すように、比較用の積層型導波路のモデルでは、Port1からPort2に信号を流した場合に、Port4の方にも濃いグレーで表される強い電界が生じており、Port1とPort2との間の伝送路に、Port4が干渉していることが分かる。
このように、比較用の積層型導波路のモデルでは、Port1とPort2との間の伝送路に、Port4が干渉していることが分かった。
これに対して、図7(B)に示す積層型導波路100におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性では、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、2.0GHz、3.7GHzであった。
BW4の値が特に改善されていることから、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が抑制され、ある程度のレベルのアイソレーションが改善されたことが分かる。
また、図8(B)に示すように、積層型導波路100のモデルでは、Port1からPort2に信号を流した場合に、Port4の方には濃いグレーで表される強い電界が生じておらず、Port1とPort2との間の伝送路から、Port4が分離されていることが分かる。
このように、積層型導波路100のモデルでは、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が抑制され、ある程度のレベルのアイソレーションが改善されたことが分かった。
以上の結果は、図7(C)に示す通りである。角度θ1、θ2をともに0度にした比較用の積層型導波路では、共振周波数fcが78.0GHzの場合のS21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−2.5dB、−18.6dB、−15.1dBであった。
また、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、7.0GHz、0.2GHzであった。帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、81.2GHz〜81.4GHzの0.2GHzであった。
これに対して、角度θ1、θ2をともに45度にした積層型導波路100では、共振周波数fcが78.0GHzの場合のS21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−2.9dB、−24.9dB、−27.0dBであった。
すなわち、比較用の積層型導波路に比べて、約6dB〜約12dB程度改善されており、アイソレーションが改善されていることが分かった。
また、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、6.0GHz、3.7GHzであった。帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示すのは、75.0GHz〜78.7GHzの3.7GHzの帯域であった。
図9は、長さPLと直径Srの組み合わせに対する、共振周波数Fc、Sパラメータ、BW1、BW2、BW4、BWの依存性を示す図である。
図9(A)に示すように、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さPLと、スロット121A、121B、141A、141Bの直径Srとを変化させたところ、次のことが分かった。
長さPLを1.0mmに固定して、直径Srを1.08mm、1.22mm、1.35mmと大きくしたところ、図9(B)に示すように、共振周波数Fcは低下し、直径Srが1.35mmのときに78.2GHzになった。
S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値には、すべて良好な値が得られた。
BW1の値は、スロット121A、121B、141A、141Bの直径Srが大きくなるに従って増大した。電波の漏れが増大することにより、BW1の値が増大した。これに対して、BW2の値には、あまり変化が見られなかった。
また、BW4の値は、スロット121A、121B、141A、141Bの直径Srが大きくなるに従って、低下した。これは、直径Srの増大に伴って、スロット121A、121B、141A、141Bから積層型導波路100の外部に漏れる電波が増大したためと考えられる。
なお、BW1、BW2、BW3、BW4の直径Srに対する依存性は、図9(C)に示す通りである。
また、直径Srを1.35mmに固定して、長さPLを1.0mm、1.1mm、1.2mmと大きくしたところ、共振周波数Fcは低下した。
S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、比較的良好な値が得られた。
以上、実施の形態1では、所謂配線基板の構造を利用して、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とを含む積層型導波路100を実現した。
従って、実施の形態1によれば、製造コストを低減した積層型導波路100、無線通信モジュール50、及び、無線通信システム500を提供することができる。
また、実施の形態1の積層型導波路100では、上述のように、パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とを直交させた。
従って、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションを改善し、導波路を伝送される電波同士の干渉を抑制した積層型導波路100を提供することができる。
なお、パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とが直交する形態には、限定されない。
パッチアンテナ160A及び170Aが放射する電波の振幅の方向と、パッチアンテナ160B及び170Bが放射する電波の振幅の方向とがなす角度は、90度±15度程度であれば、導波路同士の干渉がかなり抑制され、アイソレーションが改善されることがシミュレーションによる傾向から分かっている。
また、積層型導波路100は、例えば、図1(B)に示すように、一方の表面100Aにアンテナ510を実装し、他方の表面100Bに、MMICモジュール51及びMMIC駆動回路52が実装されるような場合に、MMICモジュール51及びMMIC駆動回路52が発生する高周波信号がアンテナ510に受信されにくく、非常に有効的である。
なお、以上では、積層型導波路100が、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bとスロット121A、121B、141A、141Bとによって構築される2チャンネル分の導波路を含む形態について説明した。
しかしながら、積層型導波路100は、さらに多くのパッチアンテナ及びスロットを含むことにより、3チャンネル以上の導波路を含むような構成であってもよい。
<実施の形態2>
図10は、実施の形態2の積層型導波路200を示す斜視透視図である。図11は、図10に示す積層型導波路200を分解した状態を示す図である。図12は、積層型導波路200を示す平面図である。図13は、図12におけるB−B矢視断面を示す図である。なお、以下では、図10乃至図13に示すようにXYZ座標系(直交座標系)を定義する。
実施の形態2の積層型導波路200は、実施の形態1の積層型導波路100のスロット121A、121B、141A、141Bをそれぞれ2分割するブリッジを追加した構成を有する。このため、積層型導波路100の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
積層型導波路200は、誘電体層110、導電層220、誘電体層130、導電層240、誘電体層150、パッチアンテナ160A、160B、170A、170B、伝送路180A、180B、190A、190Bを含む。
ここでは、誘電体層110、導電層220、誘電体層130、導電層240、誘電体層150、パッチアンテナ160A、160B、170A、170B、及び、伝送路180A、180B、190A、190BがFR4規格の配線基板によって実現される形態について説明する。
誘電体層110の両面には、導電層220及び240が形成されている。
導電層220は、スロット221A、221Bと、ブリッジ222A、222Bを有する。スロット221A、221Bは、それぞれ、2つある。ブリッジ222A、222Bは、ともに第1ブリッジ部の一例である。
ブリッジ222A、222Bは、それぞれ、2つずつあるスロット221A、221Bの間に渡されている。スロット221A、221Bは、実施の形態1のスロット121A、121Bを、それぞれ、ブリッジ222A、222Bで2分した構成を有する。
ブリッジ222Aは、2つのスロット221Aがなす仮想的な円の中心を通り、かつ、中心軸L1と直交するように配置される。仮想的な円は、実施の形態1のスロット121Aの開口と等しい。
ブリッジ222Bは、2つのスロット221Bがなす仮想的な円の中心を通り、かつ、中心軸L1と直交するように配置される。仮想的な円は、実施の形態1のスロット121Bの開口と等しい。
このため、ブリッジ222A、222Bは、それぞれ、図12に示すように、平面視でパッチアンテナ160A、160B(の長手方向)と直交する。
このようなブリッジ222A、222Bによってそれぞれ2分されるスロット221A、221Bは、例えば、誘電体層110としてのコア材のZ軸正方向側の表面に貼り付けられる銅箔を、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
導電層240は、スロット241A、241Bと、ブリッジ242A、242Bを有する。スロット241A、241Bは、それぞれ、2つある。ブリッジ242A、242Bは、ともに第2ブリッジ部の一例である。
ブリッジ242A、242Bは、それぞれ、2つずつあるスロット241A、241Bの間に渡されている。スロット241A、241Bは、実施の形態1のスロット141A、141Bを、それぞれ、ブリッジ242A、242Bで2分した構成を有する。
ブリッジ242Aは、2つのスロット241Aがなす仮想的な円の中心を通り、かつ、パッチアンテナ170Aの長手方向に平行な中心軸と直交するように配置される。仮想的な円は、実施の形態1のスロット141Aの開口と等しい。
ブリッジ242Bは、2つのスロット241Bがなす仮想的な円の中心を通り、かつ、パッチアンテナ170Bの長手方向に平行な中心軸と直交するように配置される。仮想的な円は、実施の形態1のスロット141Bの開口と等しい。
このため、ブリッジ242A、242Bは、それぞれ、平面視でパッチアンテナ170A、170B(の長手方向)と直交する。
スロット241A、241Bは、それぞれ、平面視でスロット221A、221Bと位置が合わせられている。換言すれば、スロット241A、241Bは、それぞれ、平面視でスロット221A、221Bに対応する位置に形成されている。このため、ブリッジ242A、242Bは、それぞれ、平面視でブリッジ222A、222Bと位置が合わせられている。
このようなブリッジ242A、242Bによってそれぞれ2分されるスロット241A、241Bは、例えば、誘電体層110としてのコア材のZ軸負方向側の表面に貼り付けられる銅箔を、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすることによって形成することができる。
ブリッジ222A、222Bは、それぞれ、パッチアンテナ160A、160BがZ軸方向に放射する電波の振幅が変動する方向(中心軸L1、L2の伸延方向)に直交する方向に伸延している。
このため、ブリッジ222A、222Bの電位は、ブリッジ222A、222Bの伸延方向において一定である。
従って、パッチアンテナ160A、160Bの幅方向に電界Esが漏れたとしても、パッチアンテナ160A、160Bの幅方向に漏れる電界Esの変動は、ブリッジ222A、222Bによって制限される。このため、パッチアンテナ160A、160Bには、中心軸L1、L2の伸延方向の電界Emが主体的に発生する。
また、ブリッジ222A、222Bは、2つずつあるスロット241A、241Bの仮想的な円の中心を通るため、パッチアンテナ160A、160Bの長手方向の中心点を通る。従って、ブリッジ222A、222Bの電位は、ブリッジ222A、222Bの伸延方向において、0(V)になる。
従って、ブリッジ222A、222Bは、それぞれ、パッチアンテナ160A、160Bの長手方向に生じる電界の振幅を殆ど制限しない。
また、ブリッジ242A、242Bとパッチアンテナ170A、170Bとの関係は、ブリッジ222A、222Bとパッチアンテナ160A、160Bとの関係と同様である。
このため、パッチアンテナ170A、170Bの幅方向に電界が漏れたとしても、パッチアンテナ170A、170Bの幅方向に漏れる電界の変動は、ブリッジ242A、242Bによって制限される。
また、ブリッジ242A、242Bは、それぞれ、パッチアンテナ170A、170Bの長手方向に生じる電界の振幅を殆ど制限しない。
以上より、実施の形態2によれば、パッチアンテナ160A及び170Aと、パッチアンテナ160B及び170Bとを、平面視で互いの電界の振幅方向が直交するように配置することにより、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションを改善することができる。これは、実施の形態1の積層型導波路100と同様である。
また、実施の形態2によれば、以上のような効果に加えて、パッチアンテナ160A、160B、180A、180Bの幅方向に電界が漏れたとしても、幅方向に漏れる電界の変動は、ブリッジ222A、222B、242A、242Bによって制限される。
ブリッジ222A、222B、242A、242Bは、それぞれ、パッチアンテナ160A、160B、180A、180Bの長手方向に生じる電界の振幅を殆ど制限しない。
従って、実施の形態2によれば、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションをさらに改善した積層型導波路200を提供することができる。
次に、図14乃至図17を用いて、シミュレーション結果について説明する。
図14は、積層型導波路200のシミュレーションのモデルを示す図である。図15は、パッチアンテナ160Aの寸法と入力インピーダンスZ11との関係を示す特性図である。図14(A)に示すように、スロット221A、221B、241A、241Bの直径をSr、スロット221Aと221Bの中心間の距離をPD、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅をWとする。これは、図6(B)と同様である。
また、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅をShとする。なお、角度θ1、θ2は、図4に示すものと同一である。
また、図14(B)に示すように、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さをPL、短手方向の長さをPSとする。これは、図6(B)と同様である。
まず、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さPLを1.0mm、厚さを0.1mmに設定し、短手方向の長さPSを変化させたところ、図15に示すような入力インピーダンスZ11の特性を得た。
図15に示すように、短手方向の長さPSを0.4mmから0.9mmまで変化させたところ、入力インピーダンスZ11は、約65(Ω)から約108(Ω)まで変化した。長さPSが0.4mmのときに、最も50(Ω)に近い値が得られたため、以後は長さPSを0.4mmに固定してシミュレーションを行うことにした。
ここで、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの長手方向の長さPLを1.0mm、短手方向の長さPSを0.4mm、厚さを0.1mm、スロット221A、221B、241A、241Bの直径Srを1.35mmに設定した。また、伝送路180A、180B、190A、190Bの線路長を共振周波数Fcが78.0GHzの場合のλ/4に設定し、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅Wを0.03mm、スロット221Aと221Bの中心間の距離PDを2.0mmに設定した。なお、伝送路180A、180B、190A、190Bの厚さは、0.1mmである。
また、誘電体層110の厚さを1mm、比誘電率を3.8、誘電体層130及び140の厚さを0.14mm、比誘電率を4.4、導電層120及び130として用いる銅箔の厚さを0.1mmに設定した。
まず、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅Shを変化させたところ、図16のような結果を得た。
図16は、幅Shを変化させた場合に得られるシミュレーション結果を表形式で纏めた図である。
ここでは、帯域幅BW1として、S11パラメータの値が−10dB未満の帯域を評価した。帯域幅BW2として、S21パラメータの値が−6dBより高い帯域を評価した。また、帯域幅BW4として、S41パラメータとS42パラメータの値がともに−22dB未満の帯域を評価した。
積層型導波路200において、幅Shを0mm、0.37mm、0.49mmに設定してシミュレーションを行った。なお、幅Shが0mmは、ブリッジ222A、222B、242A、242Bが存在しない場合であり、実施の形態1の積層型導波路100の構成に相当する。
幅Shが0mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−2.9dB、−24.9dB、−27.0dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、6.0GHz、3.8GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、75.0GHz〜78.8GHzの3.8GHzであった。
幅Shが0.37mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−4.6dB、−31.4dB、−27.0dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、7.7GHz、7.6GHz、5.6GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、75.2GHz〜80.6GHzの5.6GHzであった。
幅Shが0.49mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−3.1dB、−34.5dB、−25.2dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、6.2GHz、6.4GHz、3.8GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、75.0GHz〜78.8GHzの3.8GHzであった。
以上のように、幅Shが0.37mmの場合に、BWが5.6という最も良好な値を示した。幅Shが0mmの場合と幅Shが0.49mmの場合のBWは、ともに3.8であった。
これより、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅Shは、太すぎずに適度な幅に設定することが良好なアイソレーション特性を得るために重要であることが分かった。
次に、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅Shを0.37mmに設定して、図17に示すようにSパラメータを求めた。
図17は、積層型導波路200におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。
図17に示す積層型導波路200におけるS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性では、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、7.7GHz、7.6GHz、5.6GHzであった。
BW2とBW4が特に改善されていることから、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が実施の形態1の積層型導波路100よりもさらに抑制され、アイソレーションがさらに改善されたことが分かる。
このように、積層型導波路200のモデルでは、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が実施の形態1の積層型導波路100よりもさらに抑制され、アイソレーションがさらに改善されたことが分かった。
以上のように、実施の形態2によれば、ブリッジ222A、222B、242A、242Bを設けることにより、パッチアンテナ160A、160B、180A、180Bの幅方向に電界が漏れたとしても、幅方向に漏れる電界の変動が制限され、良好なアイソレーション特性を得ることができる。
従って、実施の形態2によれば、パッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、パッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションをさらに改善した積層型導波路200を提供することができる。
なお、以上では、スロット221A、221B、241A、241Bにブリッジ222A、222B、242A、242Bがそれぞれ形成される形態について説明した。しかしながら、スロット221A、241Aのみにブリッジ222A、242Aがそれぞれ形成され、スロット221B、241Bにはブリッジ222B、242Bが形成されなくてもよい。
次に、図18乃至図20を用いて、実施の形態2の変形例による積層型導波路のシミュレーション結果について説明する。
図18は、実施の形態2の変形例による積層型導波路のシミュレーションのモデルを示す図である。
実施の形態2の変形例の積層型導波路は、実施の形態2の積層型導波路200のパッチアンテナ160A、160B、180A、180Bの形状を長方形から正六角形に平行したものである。以下では、変形例の積層型導波路の各構成要素について、実施の形態2の積層型導波路200の各構成要素と同一符号を用いて説明する。
図18に示すように、スロット221A、221B、241A、241Bの直径をSr、スロット221Aと221Bの中心間の距離をPD、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅をWとする。
また、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅をShとする。なお、角度θ1、θ2は、図4に示すものと同一である。
また、図18(B)に示すように、六角形のパッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの電界の振幅が生じる方向の長さをR1、長さR1の方向に直交する方向の長さをR2とする。また、六角形のパッチアンテナ160A、160B、170A、170Bの電界の振幅が生じる方向(長さR1の方向)に対して直交しない4つの辺のなす角度をθ3とする。
ここで、長さR1を1.0mm、長さR2を1.15mm、角度θ3を30度、厚さを0.1mm、スロット221A、221B、241A、241Bの直径Srを1.35mmに設定した。また、伝送路180A、180B、190A、190Bの線路長を共振周波数Fcが78.0GHzの場合のλ/4に設定し、伝送路180A、180B、190A、190Bの線幅Wを0.03mm、スロット221Aと221Bの中心間の距離PDを2.0mmに設定した。なお、伝送路180A、180B、190A、190Bの厚さは、0.1mmである。
また、誘電体層110の厚さを1mm、比誘電率を3.8、誘電体層130及び140の厚さを0.14mm、比誘電率を4.4、導電層120及び130として用いる銅箔の厚さを0.1mmに設定した。
まず、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅Shを0.0mm、0.37mm、0.49mm、0.61mmに変化させたところ、図19のような結果を得た。
なお、幅Shが0mmは、ブリッジ222A、222B、242A、242Bが存在しない構成に相当する。
図19は、実施の形態2の変形例の積層型導波路において幅Shを変化させたときのシミュレーション結果を表形式で纏めた図である。
ここでは、帯域幅BW1として、S11パラメータの値が−10dB未満の帯域を評価した。帯域幅BW2として、S21パラメータの値が−6dBより高い帯域を評価した。また、帯域幅BW4として、S41パラメータとS42パラメータの値がともに−22dB未満の帯域を評価した。
幅Shが0mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−5.3dB、−22.2dB、−28.8dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、3.8GHz、2.1GHz、1.4GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、77.0GHz〜78.4GHzの1.4GHzであった。
幅Shが0.37mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−3.2dB、−27.7dB、−25.6dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、4.4GHz、2.4GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、76.4GHz〜78.8GHzの2.4GHzであった。
幅Shが0.49mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−3.2dB、−32.6dB、−27.6dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz、4.8GHz、5.4GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、75.8GHz〜79.6GHzの4.4GHzであった。
幅Shが0.61mmの場合には、共振周波数Fcが78.0GHzになる点において、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの値は、それぞれ、−3.9dB、−37.8dB、−23.2dBであった。また、BW1、BW2、BW4は、それぞれ、6.5GHz、4.6GHz、3.4GHzであった。このため、帯域幅BW1、BW2、BW4のすべてが上述した評価基準よりも良好な値を示す帯域BWは、76.0GHz〜79.4GHzの3.4GHzであった。
以上より、幅Shが0.49mmの場合に、BWが4.4という最も良好な値を示した。
これより、ブリッジ222A、222B、242A、242Bの幅Shは、太すぎずに適度な幅に設定することが良好なアイソレーション特性を得るために重要であることが分かった。
図20は、実施の形態2の変形例の積層型導波路で幅Shを0.49mmに設定した場合のS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性を示す図である。
ここでは、帯域幅BW1として、S11パラメータの値が−10dB未満の帯域を評価した。帯域幅BW2として、S21パラメータの値が−6dBより高い帯域を評価した。また、帯域幅BW4として、S41パラメータとS42パラメータの値がともに−22dB未満の帯域を評価した。
図20に示すS11パラメータ、S21パラメータ、S41パラメータ、S42パラメータの周波数特性では、帯域幅BW1、BW2、BW4は、それぞれ、8.0GHz以上(BW1≧8.0)、4.8GHz、5.4GHzであった。
BW2とBW4が特に改善されていることから、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が実施の形態1の積層型導波路100よりもさらに抑制され、アイソレーションがさらに改善されたことが分かる。
このように、実施の形態2の変形例の積層型導波路のモデルでは、Port1とPort2との間の伝送路と、Port4との干渉が実施の形態1の積層型導波路100よりもさらに抑制され、アイソレーションがさらに改善されたことが分かった。
以上のように、実施の形態2の変形例によれば、六角形のブリッジ222A、222B、242A、242Bを設けることにより、パッチアンテナ160A、160B、180A、180Bの幅方向に電界が漏れたとしても、幅方向に漏れる電界の変動が制限され、良好なアイソレーション特性を得ることができる。
従って、実施の形態2の変形例によれば、六角形のパッチアンテナ160A及び170Aによって構築される導波路と、六角形のパッチアンテナ160B及び170Bによって構築される導波路とのアイソレーションをさらに改善した積層型導波路を提供することができる。
図21は、実施の形態2の変形例による積層型導波路200Aの構成を示す図である。
積層型導波路200Aは、図10に示す積層型導波路200に、シールドピン250を追加したものである。
シールドピン250は、図21では3本あり、パッチアンテナ160A、160B、170A、170Bとスロット221A、221B、241A、241Bとによって構築される2チャンネル分の導波路同士の間において、X軸に沿って配列されている。シールドピン250は、誘電体層110、導電層220、誘電体層130、導電層240、誘電体層150をZ軸方向に貫通しており、導電層120と導電層140に接続される。シールドピン250の両端は、誘電体層130及び150の表面に表出する。
このようなシールドピン250を用いれば、チャンネルの異なる導波路同士の間のアイソレーション特性をより改善することができる。
なお、シールドピン250の両端は、誘電体層130及び150の表面に表出していなくてもよく、導電層220と240との間に形成されていてもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の積層型導波路、無線通信モジュール、及び、無線通信システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
を含み、
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路。
(付記2)
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナの電界の振幅方向と、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナの電界の振幅方向とが直交するように配置される、付記1記載の積層型導波路。
(付記3)
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナの電界の振幅方向と、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナの電界の振幅方向とがなす角度は、90度±15度である、付記1又は2記載の積層型導波路。
(付記4)
前記第1導電層は、前記第1スロットを2以上のスロット部に分割する第1ブリッジ部を有し、
前記第1ブリッジ部の伸延方向は、前記電界の振幅方向と異なる、付記1乃至3のいずれか一項記載の積層型導波路。
(付記5)
前記第1ブリッジ部の前記伸延方向は、平面視で、前記電界の振幅方向に対して90度なす方向である、付記4記載の積層型導波路。
(付記6)
前記第2導電層は、前記第3スロットを2以上のスロット部に分割する第2ブリッジ部を有し、
前記第2ブリッジ部の伸延方向は、前記電界の振幅方向と異なる、付記4又は5記載の積層型導波路。
(付記7)
前記第2ブリッジ部の前記伸延方向は、平面視で、前記電界の振幅方向に対して90度なす方向である、付記6記載の積層型導波路。
(付記8)
前記第1パッチアンテナ、前記第2パッチアンテナ、前記第3パッチアンテナ、及び前記第4パッチアンテナは、平面視で、矩形又は多角形の形状を有する、付記1乃至7のいずれか一項記載の積層型導波路。
(付記9)
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、それぞれ、等しい形状を有する、付記1乃至7のいずれか一項記載の積層型導波路。
(付記10)
前記第1伝送路、前記第2伝送路、前記第3伝送路、及び前記第4伝送路は、マイクロストリップライン又はコプレーナ導波路である、付記1乃至9のいずれか一項記載の積層型導波路。
(付記11)
前記第1誘電体層、前記第1導電層、及び前記第2導電層を積層方向に貫通し、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットと、前記第3スロット及び前記第4スロットとの間に形成される、導電体製の1又は複数のシールドピンをさらに含む、付記1乃至10のいずれか一項記載の積層型導波路。(図21)
(付記12)
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
を含み、
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路と、
前記積層型導波路の前記第1伝送路及び前記第2伝送路、又は、前記第3伝送路及び前記第4伝送路に接続され、前記積層型導波路で伝送される送信信号及び受信信号の無線フロントエンド処理を行う集積回路と
を備える、無線通信モジュール。
(付記13)
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
を含み、
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路と、
前記積層型導波路の前記第1伝送路及び前記第2伝送路に接続され、ミリ波を放射するアンテナと、
前記積層型導波路の前記第3伝送路及び前記第4伝送路に接続され、前記積層型導波路で伝送されるミリ波信号の無線フロントエンド処理を行う集積回路と
前記集積回路に接続されて前記ミリ波信号のベースバンド信号処理を行う信号処理部と
を備える、無線通信システム。
(付記14)
前記アンテナは、前記第2誘電体層に実装され、前記集積回路は、前記第3誘電体層に実装される、付記9記載の無線通信システム。
(付記15)
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
を含み、
前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路と、
前記積層型導波路の前記第1伝送路及び前記第2伝送路に接続され、ミリ波を放射するアンテナと、
前記積層型導波路の前記第3伝送路及び前記第4伝送路に接続され、前記積層型導波路で伝送されるミリ波信号の無線フロントエンド処理を行う集積回路と
前記集積回路に接続されて前記ミリ波信号のベースバンド信号処理を行う信号処理部と
を備える、レーダシステム。
100 積層型導波路
50 無線通信モジュール
500 無線通信システム
110 誘電体層
120 導電層
121A、121B、141A、141B スロット
130 誘電体層
140 導電層
150 誘電体層
160A、160B、170A、170B パッチアンテナ
180A、180B、190A、190B 伝送路
200 積層型導波路
220 導電層
240 導電層
221A、221B、241A、241B スロット
222A、222B、242A、242B ブリッジ

Claims (10)

  1. 第1誘電体層と、
    前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
    前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
    前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
    前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
    平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
    平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
    平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
    平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
    を含み、
    前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路。
  2. 前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナの電界の振幅方向と、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナの電界の振幅方向とが直交するように配置される、請求項1記載の積層型導波路。
  3. 前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナの電界の振幅方向と、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナの電界の振幅方向とがなす角度は、90度±15度である、請求項1又は2記載の積層型導波路。
  4. 前記第1導電層は、前記第1スロットを2以上のスロット部に分割する第1ブリッジ部を有し、
    前記第1ブリッジ部の伸延方向は、前記電界の振幅方向と異なる、請求項1乃至3のいずれか一項記載の積層型導波路。
  5. 前記第1ブリッジ部の前記伸延方向は、平面視で、前記電界の振幅方向に対して90度なす方向である、請求項4記載の積層型導波路。
  6. 前記第2導電層は、前記第3スロットを2以上のスロット部に分割する第2ブリッジ部を有し、
    前記第2ブリッジ部の伸延方向は、前記電界の振幅方向と異なる、請求項4又は5記載の積層型導波路。
  7. 前記第2ブリッジ部の前記伸延方向は、平面視で、前記電界の振幅方向に対して90度なす方向である、請求項6記載の積層型導波路。
  8. 第1誘電体層と、
    前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
    前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
    前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
    前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
    平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
    平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
    平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
    平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
    を含み、
    前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路と、
    前記積層型導波路の前記第1伝送路及び前記第2伝送路、又は、前記第3伝送路及び前記第4伝送路に接続され、前記積層型導波路で伝送される送信信号及び受信信号の無線フロントエンド処理を行う集積回路と
    を備える、無線通信モジュール。
  9. 第1誘電体層と、
    前記第1誘電体層の第1面に配設され、第1スロット及び第2スロットを有する第1導電層と、
    前記第1誘電体層の前記第1面とは反対の第2面に配設され、平面視で前記第1スロット及び前記第2スロットにそれぞれ対応する位置に形成される第3スロット及び第4スロットを有する第2導電層と、
    前記第1導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第2誘電体層と、
    前記第2導電層を介して前記第1誘電体層に積層される第3誘電体層と、
    平面視で前記第1スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第1パッチアンテナと、
    平面視で前記第2スロットの開口内に収まるように、前記第2誘電体層に重ねて形成される第2パッチアンテナと、
    平面視で前記第3スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第3パッチアンテナと、
    平面視で前記第4スロットの開口内に収まるように、前記第3誘電体層に重ねて形成される第4パッチアンテナと、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第1パッチアンテナの第1端に接続される、第1伝送路と、
    前記第2誘電体層に重ねて形成され、前記第2パッチアンテナの第1端に接続される、第2伝送路と、
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第1パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第3パッチアンテナに接続される第3伝送路と
    前記第3誘電体層に重ねて形成され、平面視で前記第2パッチアンテナの前記第1端とは反対の第2端の側において、前記第4パッチアンテナに接続される第4伝送路と
    を含み、
    前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとは、前記第1パッチアンテナ及び前記第3パッチアンテナと、前記第2パッチアンテナ及び前記第4パッチアンテナとの干渉が抑制されるように、平面視で互いの電界の振幅方向が角度をなすように配置される、積層型導波路と、
    前記積層型導波路の前記第1伝送路及び前記第2伝送路に接続され、ミリ波を放射するアンテナと、
    前記積層型導波路の前記第3伝送路及び前記第4伝送路に接続され、前記積層型導波路で伝送されるミリ波信号の無線フロントエンド処理を行う集積回路と
    前記集積回路に接続されて前記ミリ波信号のベースバンド信号処理を行う信号処理部と
    を備える、無線通信システム。
  10. 前記アンテナは、前記第2誘電体層に実装され、前記集積回路は、前記第3誘電体層に実装される、請求項9記載の無線通信システム。
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