JP2016143538A - 網目状導電体、網目状導電体を備えた導電体付シートおよび網目状導電体を備えた発熱板 - Google Patents

網目状導電体、網目状導電体を備えた導電体付シートおよび網目状導電体を備えた発熱板 Download PDF

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Abstract

【課題】電熱線の不可視性を向上させるとともに、断線が少なく且つガラスとの密着性も良好な網目状導電体を提供する。
【解決手段】電圧が印加されると発熱する発熱板に用いられる網目状導電体40であって、前記網目状導電体は、金属材料からなる導電性細線41によって複数の開口領域44を画成するパターンを有し、導電性細線の少なくとも一方の表面に、亜鉛からなる防錆層42が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、網目状導電体、網目状導電体を備えた導電体付シートおよび網目状導電体を備えた発熱板に関する。
従来、車両のフロントウィンドウやリアウィンドウ等の窓ガラスに用いるデフロスタ装置として、窓ガラス全体にタングステン線からなる電熱線を配置したものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。この従来技術では、窓ガラス全体に配置された電熱線に通電し、その抵抗加熱(ジュール熱、Joule heat)により窓ガラスを昇温させて、窓ガラスの曇りを取り除いて、または、窓ガラスに付着した雪や氷を溶かしたり、水滴を蒸発させて、乗員の視界を確保することができる。
特開2013−173402号公報 特開平8−72674号公報
上述のように、従来技術のデフロスタ装置では、電熱線としてタングステン線を用いている。そしてこの場合、タングステンの高い電気抵抗率に起因して電熱線の電気抵抗が高くなりすぎることを防止するために、電熱線の断面積を大きくしている。そのため、タングステン線を用いた電熱線は、観察者に視認されやすい。電熱線がドライバー等の観察者に視認されることは、観察者による窓ガラスを介した視認性を悪化させる。
上記の課題に対して、出願人は先の出願において、タングステンよりも電気抵抗の低い銅箔等の金属箔をフォトリソグラフイ方によりエッチングして導電性細線を含む網目状導電体を作製し、これをデフロスタ装置の電熱線として用いることにより、電熱線の不可視性を向上できることを提案した。そして今般、銅箔をフォトリソグラフイ方によりエッチングして銅細線を含む網目状導電体を作製する際に、防錆処理として銅箔表面に亜鉛メッキを施すことにより、予想外にも、断線のない良好な網目状導電体が得られるとともに、該網目状導電体をガラスに組み込んだ場合であっても、ガラスとの密着性が向上して気泡の混入が抑制できるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づくものであり、したがって、本発明の目的は、電熱線の不可視性を向上させるとともに、断線が少なく且つガラスとの密着性も良好な網目状導電体を提供することである。
本発明による網目状導電体は、電圧が印加されると発熱する発熱板に用いられる網目状導電体であって、
前記網目状導電体は、金属材料からなる導電性細線によって複数の開口領域を画成するパターンを有し、
前記導電性細線の少なくとも一方の表面に、亜鉛からなる防錆層が設けられているものである。
本発明による網目状導電体において、前記導電性細線が、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属または2種以上の合金からなるものであってよい。
本発明による網目状導電体において、前記防錆層の厚みが10nm以上、100nm以下であってもよい。
本発明による別の態様による導電体付シートは、透明基材と、前記透明基材上に設けられた上記網目状導電体と、を備えるものである。
本発明による導電体付シートにおいて、前記透明基材が、厚み25μm以上、75μm以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムからなるものであってよい。
また、本発明の別の実施態様による発熱板は、上記網目状導電体を用いた発熱板であって、
一対のガラス板と、
前記一対のガラス板の間に配置される網目状導電体とを備え、
前記網目状導電体と前記一対のガラス板とが、接合層を介して積層されているものである。
本発明による発熱板において、前記接合層が、ポリビニルブチラール樹脂からなるものであってよい。
また、本発明の別の態様においては、上記発熱板を備えた乗り物も提供される。
本発明の網目状導電体によれば、自動車等のデフロスタ装置として使用される発熱板において、電熱体の不可視性を向上させるとともに、断線が少なく且つガラスとの密着性を向上させた発熱体を実現できる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、発熱板を備えた乗り物を概略的に示す斜視図である。特に図1では、乗り物の例として発熱板を備えた自動車を概略的に示している。 図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図である。 図3は、図2の発熱板の横断面図である。 図4は、網目状導電体の一例を示す横断面図である。 図5は、発熱板の網目状導電体のパターン形状の一例を示す平面図である。 図6は、発熱板の網目状導電体のパターン形状の他の例を示す平面図である。 図7は、図6の網目状導電体の一部を拡大して示す図である。 図8は、導電体付シートの一例を示す横断面図である。 図9は、発熱板の製造方法の変形例を説明するための図である。 図10は、発熱板の製造方法の変形例を説明するための図である。 図11は、発熱板の製造方法の変形例を説明するための図である。 図12は、発熱板の製造方法の他の変形例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「導電体付シート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
本明細書において、「接合」とは、完全に接合を完了する「本接合」だけでなく、「本接合」の前に仮止めするための、いわゆる「仮接合」をも含むものとする。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図13は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。先ず、導電体付シートを備えた発熱板について説明する。図1は、発熱板を備えた自動車を概略的に示す図であり、図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図であり、図3は、図2の発熱板の横断面図である。
図1に示されているように、乗り物の一例としての自動車1は、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等の窓ガラスを有している。ここでは、フロントウィンドウ5が発熱板10で構成されているものを例示する。また、自動車1はバッテリー等の電源7を有している。
この発熱板10をその板面の法線方向から見たものを図2に示す。また、図2の発熱板10のIII−III線に対応する横断面図を図3に示す。図3に示された例では、発熱板10は、一対のガラス板11,12と、一対のガラス板11,12の間に配置された網目状導電体40と、ガラス板11,12と網目状導電体40とを接合する接合層13とを有している。なお、図1および図2に示した例では、発熱板10は湾曲しているが、図3および図10〜図13では、図示の簡略化および理解の容易化のために、発熱板10およびガラス板11,12を平板状に図示している。
網目状導電体40は、網目状導電体40に通電するための銅線等からなる配線部15と接続される。配線部15は、バッテリー等の電源7に導電体30を電気的に接続する配線として機能する。図2および図3に示した例では、バッテリー等の電源7から、配線部15を介して導電体30に通電し、導電体30を抵抗加熱により発熱させる。網目状導電体40で発生した熱は接合層13を介してガラス板11,12に伝わり、ガラス板11,12が温められる。これにより、ガラス板11,12に付着した結露による曇りを取り除くことができる。また、ガラス板11,12に雪や氷が付着している場合には、この雪や氷を溶かすことができる。したがって、乗員の視界が良好に確保される。
ガラス板11,12は、特に自動車のフロントウィンドウに用いる場合、乗員の視界を妨げないよう可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。このようなガラス板11,12の材質としては、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等が例示できる。ガラス板11,12は、可視光領域における透過率が90%以上であることが好ましい。ここで、ガラス板11,12の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。なお、ガラス板11,12の一部または全体に着色するなどして、可視光透過率を低くしてもよい。この場合、太陽光の直射を遮ったり、車外から車内を視認しにくくしたりすることができる。
また、ガラス板11,12は、1mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。このような厚みであると、強度および光学特性に優れたガラス板11,12を得ることができる。
ガラス板11,12と導電体付シート20とは、接合層13を介して接合されている。このような接合層13としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。また、接合層13は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。典型的な接合層としては、ポリビニルブチラール(PVB)からなる層を例示することができる。接合層13の厚みは、0.15mm以上0.7mm以下であることが好ましい。
なお、発熱板10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、1つの機能層が2以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、発熱板10のガラス板11,12、接合層13や、後述する導電体付シート20の透明基材30の少なくとも1つに機能を付与するようにしてもよい。発熱板10に付与され得る機能としては、一例として、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、赤外線遮蔽(反射)機能、紫外線遮蔽(反射)機能、偏光機能、防汚機能等を例示することができる。
次に、上記したような発熱体に使用される網目状導電体40について、図4を参照しながら説明する。図4は、網目状導電体40の一例を示す横断面図であり、図2に示した発熱体の一部を構成している。網目状導電体40は、金属材料からなる導電性細線41によって複数の開口領域44を画成するパターンを有している。パターン形状については後に詳述する。
導電性細線41は、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン等の金属、及び、ニッケル−クロム合金、真鍮、青銅等のこれら例示の金属の中から選択した二種以上の金属の合金の一以上を例示することができる。このような金属材料からなる導電性細線41を所望のパターン形状にして網目状導電体40とするには、例えば、透明基材等の支持体上に、接着剤等の保持層を介して金属箔を積層した後、フォトリソグラフイ法によって金属箔をエッチングすることにより行われる。金属箔の厚さは、1μm以上50μm以下とすることができる。
フォトリソグラフイ法は、金属箔の表面に、所望のパターン形状を有するレジスト層を設けておき(マスキング)、レジスト層で覆われていない部分の金属箔がエッチング(腐食)により除去され、その後、アルカリ液等によりレジスト層を除去して洗浄することにより、金属箔を所望パターンに加工する手法である。上記のマスキングは、例えば、感光性レジストを金属箔の上に塗布するか、あるいはドライフィルムレジストを金属箔上に積層し、所望パターンの版(フォトマスク)にて露光して、現像、硬膜処理などを施してベーキングすることによりレジスト層が形成される。また、金属箔のエッチングするエッチング液は、金属箔を構成する金属材料にもよるが、銅箔である場合は塩化第二鉄または塩化第二銅の溶液が好ましく用いられる。ここで、エッチングの際に金属箔にレジスト層が密着していないと、エッチング液が、金属箔とレジスト層との間に滲入するため、本来はエッチングされてはいけない部分(すなわち、導電性細線となる部分)もエッチングされてしまう場合がある。特に、細線によって複数の開口領域を画成するパターンに金属箔をエッチングする場合、上記のようなエッチング液の滲入により、細線が断線したりする場合がある。また、レジスト層としてドライフィルムレジストを用いた場合には、細線の断線が顕著であった。
本発明においては、予め金属箔の表面に亜鉛からなる防錆層を設けておき、防錆層の上にレジスト層を設けてエッチングを行うことで、細線によって複数の開口領域を画成するパターンであっても、細線の断線が生じないことが判明した。その理由は定かではないが、亜鉛からなる防錆層を設けることにより、防錆層とレジスト層との密着性が向上したためと考えられる。亜鉛からなる防錆層は、亜鉛を公知の電解メッキあるいは無電解メッキ法により形成することができる。その厚さとしては、1nm以上、1000nm以下、好ましくは、10nm以上、100nm以下である。
防錆層としては、レジスト層と接する面(即ち、金属箔の最表面)に亜鉛からなる防錆層が設けられていればよく、金属箔と亜鉛からなる防錆層との間には、従来公知の防錆処理が施されていてもよい。例えば、金属箔上に、亜鉛からなる防錆層を形成する前に、ニッケルや銅酸化物の層を設けてもよいし、クロメート処理やシランカップリング処理を行ってもよい。
上記のようにして得られた網目状導電体は、導電性細線41の少なくとも一方の表面に、亜鉛からなる防錆層42が設けられていることになる。導電性細線幅が50〜100μm程度の細線であっても、亜鉛からなる防錆層42が設けられていることにより、断線のない網目状導電体40を実現することができる。また、上記したように、網目状導電体40はポリビニルブチラール等の接合層13を介して一対のガラス板11,12の間に挟持して発熱板10とされるが、予想外にも、導電性細線41の表面に亜鉛からなる防錆層42を設けることにより接合層13との密着性が向上し、その結果、気泡等の混入がない透明性に優れた発熱板10を実現できることが判明した。そのため、導電性細線の一方の表面(即ち、レジスト層と接していた側)だけでなく、他方の表面にも亜鉛からなる防錆層を形成することが好ましい。
また、金属箔をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、金属箔の一部分に、金属酸化物や金属硫化物からなる被膜を形成することにより、金属箔の一方の面に暗色膜を設けることができる。暗色化処理(黒化処理)により粗面化された暗色膜表面の微細な凹凸に接合層を構成する樹脂材料が入り込むため、いわゆるアンカー効果により、暗色膜と接合層とが強固に接合される。これにより、より一層密着性に優れる発熱板とすることができる。
図5〜図7を参照して、網目状導電体40のパターンについて説明する。図5および図6は、いずれも導電体付シート20をそのシート面の法線方向から見た平面図である。図7は、図6の網目状導電体40の一部を拡大して示す図である。
網目状導電体40は、バッテリー等の電源7から、配線部15および接続部16を介して通電され、抵抗加熱により発熱する。そして、この熱が接合層13,14を介してガラス板11,12に伝わることで、ガラス板11,12が温められる。なお、図示は略すが、通常は、配線部15は電源7と網目状導電体40の接続部(バスバー電極)16との間に開閉器が挿入(直列に接続)される。そして、発熱板10の加熱が必要な時のみ開閉器を閉じて網目状導電体40に通電する。また、発熱板10の加熱が不要な時は、開閉器を開き、網目状導電体40への電流を遮断する。電源7としては、自動車に設置する場合は、附帯する鉛蓄電池、リチウムイオン蓄電池等の電池を利用することができるが、別途専用の電源(電池、発電機等)を用いても良い。電動機を動力とする鉄道車両の場合は架線から給電された電力を適宜の電圧及び電流に変換して用いることもできる。
図5に、網目状導電体40のパターン形状の一例を示す。図5に示された例では、一対の接続部16を連結する複数の導電性細線41を有している。図示された例では、複数の導電性細線41は、それぞれ波線状のパターンで一方の接続部16から他方の接続部16へ延在している。複数の導電性細線41は、当該導電性細線41の延在方向と非平行な方向に、互いから離間して配列されている。とりわけ、複数の導電性細線41は、当該導電性細線41の延在方向と直交する方向に配列されている。各導電性細線41は、波線状のパターンの他に、直線状、折れ線状または正弦波状等のパターンで一対の接続部16の間を延びていてもよい。
図6および図7に、網目状導電体40のパターン形状の他の例を示す。図6および図7に示された例では、網目状導電体40の導電性細線41は、多数の開口領域44を画成するメッシュ状のパターンで配置されている。網目状導電体40は、2つの分岐点43の間を延びて、開口領域44を画成する複数の接続要素45を含んでいる。すなわち、網目状導電体40の導電性細線41は、両端において分岐点43を形成する多数の接続要素45の集まりとして構成されている。
図6および図7に示された例では、網目状導電体40の多数の開口領域44は、繰返し規則性(周期的規則性)を有しない形状およびピッチで配列されている。とりわけ図示された例では、多数の開口領域44が、ボロノイ図における各ボロノイ領域と一致するように配列されている。言い換えると、網目状導電体40の各接続要素45は、ボロノイ図におけるボロノイ領域の各境界と一致している。また、網目状導電体40の各分岐点43は、ボロノイ図におけるボロノイ点と一致している。なお、このボロノイ図は、例えば特開2012−178556号公報に開示されているような公知の方法によって得られるので、ここではボロノイ図の作成方法についての詳細な説明は省略する。
網目状導電体が、正方格子配列やハニカム配列等の、繰返し規則性(周期的規則性)を有する形状およびピッチで配列された多数の開口領域を有する場合、この多数の開口領域の配列の繰返し規則性に起因して、光芒が視認されることがある。光芒とは、例えば自動車のフロントウィンドウに対向車のヘッドライトの光が入射した場合等、発熱板に対して観察者と反対側から光が入射したときに、発熱板上で筋状等の所定のパターンに分散されて観察される現象であり、とりわけ網目状導電体の多数の開口領域が繰返し規則性を有する形状およびピッチで配列されている場合に、光芒が目立ちやすくなる傾向がある。そして、この光芒がドライバー等の観察者に視認されることは、観察者による発熱板を介した視認性を悪化させる。一方、図5および図6に示されているような、繰返し規則性(周期的規則性)を有しない形状およびピッチで配列された多数の開口領域44を有する網目状導電体40によれば、発熱板10に光芒が生じることを効果的に抑制することができる。
図6および図7に示された網目状導電体40では、1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均が3.0より大きく4.0未満となっている。このように1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均が3.0より大きく4.0未満となっている場合、ハニカム配列から規則性を崩したパターンとすることができる。1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均を3.0より大きく4.0未満とした場合、開口領域44の配列を不規則化して、開口領域44が繰返規則性(周期性)を持って並べられた方向が安定して存在しないようにすることが可能となり、結果として、発熱板10に光芒が生じることをより効果的に抑制することができる。同時に、接続要素45の配列が、ハニカム配列を基準としていることから、接続要素45が均一に分散され、結果として、発熱ムラを効果的に抑制することも可能となる。
なお、1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均は、厳密には、網目状導電体40内に含まれる全ての分岐点43について、延び出す接続要素45の数を調べてその平均値を算出することになる、ただし、実際的には、導電性細線41によって画成された1つあたりの開口領域44の大きさ等を考慮した上で、1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の全体的な傾向を反映し得ると期待される面積を持つ1区画内において、調査すべき対象の数のばらつきの程度を考慮して適当と考えられる数の分岐点43について、各分岐点43から延び出す接続要素45の数を調べてその平均値を算出し、算出された値を当該網目状導電体40についての1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均値として取り扱うようにしてもよい。例えば、網目状導電体40の300mm×300mmの領域内に含まれる100箇所の分岐点43から延び出す接続要素45の数を光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて計数して算出した平均値を、当該網目状導電体40についての1つの分岐点43から延び出す接続要素45の数の平均値として取り扱うことができる。
図6および図7に示された網目状導電体40では、網目状導電体40は、4本、5本、6本および7本の接続要素45によって周囲を取り囲まれた開口領域44をそれぞれ含み、網目状導電体40に含まれた開口領域44のうち、6本の接続要素45によって周囲を取り囲まれた開口領域44が最も多くなっている。すなわち、6本の接続要素45によって周囲を取り囲まれた開口領域44が、他の本数の接続要素45によって周囲を取り囲まれた開口領域44と比較して、より多く網目状導電体40に含まれている。
このような網目状導電体40では、開口領域44の配列が、同一形状の正六角形を規則的に配置してなるハニカム配列から、各開口領域の形状および配置の規則性を崩した配列、言い換えると、ハニカム配列を基準として各開口領域の形状および配置をランダム化した配列とすることができる。これにより、開口領域44の配列に明らかな粗密が生じてしまうことを抑制することができ、多数の開口領域44を概ね均一な密度で、すなわち概ね一様に分布させることができる。結果として、発熱ムラを効果的に抑制することができる。また、開口領域44の配列を完全に不規則化すること、すなわち、開口領域44が規則的に配列された方向が存在しないようにすることが、安定して可能となる。したがって、発熱板10に光芒が生じることをさらに効果的に抑制することができる。
なお、1つの開口領域44を取り囲む接続要素45の数は、厳密には、網目状導電体40内に含まれる全ての開口領域44について、当該開口領域44を取り囲む接続要素45の数を調査することになる、ただし、実際的には、導電性細線41によって画成された1つあたりの開口領域44の大きさ等を考慮した上で、1つの開口領域44を取り囲む接続要素45の数の全体的な傾向を反映し得ると期待される面積を持つ1区画内において、調査すべき対象の数のばらつきの程度を考慮して適当と考えられる数の開口領域44について、各開口領域44を取り囲む接続要素45の数を調べ、周囲を取り囲む接続要素45の本数ごとの開口領域44の数を積算するようにしてもよい。例えば、網目状導電体40の300mm×300mmの領域内に含まれる100個の開口領域44のそれぞれを取り囲む接続要素45の数を光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて計数し、周囲を取り囲む接続要素45の本数ごとの開口領域44の数を積算した値を用いて、当該網目状導電体40について。何本の接続要素45によって周囲を取り囲まれた開口領域44が最も多くなっているかを判定することができる。
上述した実施の形態では、網目状導電体40に含まれる複数の接続要素45は、それぞれ発熱板10の板面の法線方向から見て直線状(直線分)をなしていたが、これに限らず、複数の接続要素45のうちの少なくとも一部が、発熱板10の板面の法線方向から見て直線状以外の形状、例えば曲線状または折れ線状の形状を有してもよい。具体的には、円弧状、放物線状、波線状、ジグザグ状、曲線と直線との組み合わせ等の形状を有してもよい。とりわけ、2つの分岐点43の間を直線(直線分)として接続する接続要素45が、複数の接続要素45のうちの20%未満である、すなわち、複数の接続要素45のうちの80%以上が直線(直線分)以外の形状を有している、ことが好ましい。
このような、直線(直線分)以外の形状の接続要素45を含む網目状導電体40によれば、曲線状、折れ線状等の形状を有する接続要素45の側面に入射した光は、当該側面で乱反射する。これにより、当該接続要素45の側面に一定の方向から入射した光(対向車のヘッドライトの光や太陽光等)が、その入射方向に対応して当該側面で一定の方向に反射することが抑制される。したがって、この反射光がドライバー等の観察者に視認されて、接続要素45を有する網目状導電体40が観察者に視認されることを、抑制することができる。結果として、網目状導電体40が視認されることによる、観察者による窓ガラスを介した視認性の悪化を抑制することができる。
また、上述した実施の形態では、網目状導電体40は、ボロノイ図に基づいて決定された、すなわち多数の開口領域44が繰返し規則性(周期的規則性)を有しない形状およびピッチで配列された、パターンを有しているが、このようなパターンに限られず、網目状導電体40は、三角形、四角形、六角形等の同一形状の開口領域が規則的に配置されたパターン、異形状の開口領域が規則的に配置されたパターン等、種々のパターンを用いてもよい。
次に、上記した網目状導電体を備えた導電体付シート20について説明する。導電体付シート20は、図8に示すように、シート状の透明基材30と、透明基材30上に形成された網目状導電体40と、を有している。透明基材30上に直接網目状導電体40を設けてもよいが、両者の密着性を向上させるために保持層31を介して、透明基材30上に網目状導電体40を設けてもよい。
導電体付シート20は、ガラス板11,12と略同一の平面寸法を有して、発熱板10の全体にわたって配置されてもよいし、運転席の正面部分等、発熱板10の一部にのみ配置されてもよい。
シート状の透明基材30は、保持層31および網目状導電体40を支持する基材として機能する。透明基材30は、可視光線波長帯域の波長(380nm〜780nm)を透過する一般に言うところの透明である電気絶縁性の基板である。図2、図7および図8に示された例では、透明基材30は、ガラス板11,12と略同一の寸法を有して、略台形状の平面形状を有している。
透明基材30に含まれる樹脂としては、可視光を透過し、保持層31および網目状導電体40を適切に支持し得るものであればいかなる樹脂でもよいが、好ましくは熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース)等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂、AS樹脂等を挙げることができる。とりわけ、アクリル樹脂やポリ塩化ビニルは、エッチング耐性、耐候性、耐光性に優れており、好ましい。
また、透明基材30は、網目状導電体40の保持性や、光透過性等を考慮すると、30μm以上、300μm以下の厚みを有していることが好ましく、25μm以上、75μm以下であることがより好ましい。とりわけ、透明基材30の厚みが25μm以上、75μm以下の範囲内であれば、導電体付シート20を用いて湾曲したガラス板に網目状導電体40を挟持する際に、形状追従性が良好となる。
保持層31は、透明基材30と網目状導電体40との接合性を向上し、網目状導電体40を保持する機能を有する。保持層31は、例えば、透明な電気絶縁性の樹脂シートを透明基材30上に積層して形成することもできるし、透明基材30上に樹脂材料を塗布することにより形成することもできる。このような保持層31としては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、2液硬化性ウレタン接着剤、2液硬化性エポキシ接着剤等を用いることができる。また、後述のように、導電体付シート20を接合層13を介してガラス板11に接合(仮接合)した後に透明基材30を剥離する場合、保持層31に剥離層を含ませるようにしてもよい。
保持層31の厚さは、光透過性や、透明基材30と網目状導電体40との接合性等を考慮して、1μm以上100μm以下とすることができる。好ましくは、保持層31の厚さを1μm以上15μm以下とすることができる。
次に、導電体付シート20を用いて図3に示したような発熱体10を製造する方法について説明する。発熱板10は、ガラス板11、接合層13、導電体付シート20、接合層14、ガラス板12をこの順に重ね合わせ、加熱・加圧することにより製造することができる。発熱板の製造方法の一例として、まず接合層13をガラス板11に、接合層14をガラス板12に、それぞれ仮接着する。次に、ガラス板11,12の接合層13,14が仮接着された側が、それぞれ導電体付シート20に対向するようにして、接合層13が仮接着されたガラス板11、導電体付シート20、接合層14が仮接着されたガラス板12をこの順に重ね合わせ、加熱・加圧する。これにより、ガラス板11、導電体付シート20およびガラス板12が、接合層13,14を介して接合され、図3に示す発熱板10が製造される。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図9〜図12を参照して、発熱板10の製造方法の変形例について説明する。図9〜図12は、発熱板10の製造方法の変形例を順に示す断面図である。
まず、導電体付シート20を作製する。導電体付シート20は、上述した製造方法の一例において説明した方法により作製することができる。
次に、接合層13をガラス板11に仮接着する。次に、ガラス板11の接合層13が仮接着された側が、導電体付シート20に対向するようにして、接合層13が仮接着されたガラス板11を、導電体付シート20の網目状導電体40の側から重ね合わせ、加熱・加圧する。これにより、図9に示すように、ガラス板11および導電体付シート20が、接合層13を介して接合(仮接合または本接合)される。
次に、図10に示されているように、導電体付シート20の透明基材30を除去する。例えば、保持層31が剥離層を含むように形成されている場合、導電体付シート20の透明基材30を、この剥離層を用いて網目状導電体40および接合層13から剥離することができる。
剥離層としては、例えば界面剥離型の剥離層、層間剥離型の剥離層、凝集剥離型の剥離層等を用いることができる。界面剥離型の剥離層としては、透明基材30との密着性と比べて、網目状導電体40および接合層13との密着性が相対的に低い剥離層を好適に用いることができる。このような層としては、シリコーン樹脂層、フッ素樹脂層、ポリオレフィン樹脂層等が挙げられる。また、網目状導電体40および接合層13との密着性と比べて、透明基材30との密着性が相対的に低い剥離層を用いることもできる。層間剥離型の剥離層としては、複数層のフィルムを含み、網目状導電体40および接合層13や、透明基材30との密着性と比べて、当該複数層間相互の密着性が相対的に低い剥離層を例示することができる。凝集剥離型の剥離層としては、連続相としてのベース樹脂中に分散相としてのフィラーを分散させた剥離層を例示することができる。
剥離層として、透明基材30との密着性と比べて、網目状導電体40および接合層13との密着性が相対的に低い層を有する界面剥離型の剥離層を用いた場合、剥離層と網目状導電体40および接合層13との間で剥離現象が生じる。この場合、剥離層が、網目状導電体40および接合層13側に残らないようにすることができる。すなわち、透明基材30は、剥離層とともに除去される。このようにして透明基材30および剥離層が除去されると、網目状導電体40の開口領域43内に、接合層13が露出するようになる。
その一方で、剥離層として、網目状導電体40および接合層13との密着性と比べて、透明基材30との密着性が相対的に低い界面剥離型の剥離層を用いた場合には、剥離層と透明基材30との間で剥離現象が生じる。剥離層として、複数層のフィルムを有し、網目状導電体40および接合層13や、透明基材30との密着性と比べて、当該複数層間相互の密着性が相対的に低い層間剥離型の剥離層を用いた場合には、当該複数層間で剥離現象が生じる。剥離層として、連続相としてのベース樹脂中に分散相としてのフィラーを分散させた凝集剥離型の剥離層を用いた場合には、剥離層内での凝集破壊による剥離現象が生じる。
最後に、ガラス板11、接合層13および網目状導電体40に、接合層14を介してガラス板12を重ね合わせ、加熱・加圧する。具体的には、接合層14をガラス板12に仮接着し、次いで、ガラス板12の接合層14が仮接着された側が、網目状導電体40および接合層13に対向するようにして、ガラス板11、網目状導電体40および接合層13、接合層14が仮接着されたガラス板12をこの順に重ね合わせ、加熱・加圧する。これにより、ガラス板11、網目状導電体40、ガラス板12が、接合層13,14を介して接合(本接合)され、図11に示す発熱板10が製造される。
図11に示された発熱板10によれば、導電体付シート20を用いて発熱板10を製造した場合であっても、発熱板に透明基材30が含まれないようにすることができる。これにより、発熱板10全体の厚みを小さくすることができる。また、発熱板10内の界面数を低減することができる。したがって、光学特性の低下すなわち視認性の低下を抑制することができる。
次に、図12を参照して、発熱板10の製造方法の他の変形例について説明する。図12は、発熱板10の製造方法の他の変形例を順に示す断面図である。
まず、上述の発熱板10の製造方法の変形例と同様の工程により、ガラス板11および導電体付シート20が、接合層13を介して接合(仮接合)されたものを作製し、ここから透明基材30を除去する。すなわち、上述の発熱板10の製造方法の変形例で図16を参照して説明した、ガラス板11、網目状導電体40および接合層13が積層されたものを得る。
次に、ガラス板11、接合層13および網目状導電体40、ガラス板12をこの順に重ね合わせ、加熱・加圧する。これにより、ガラス板11と網目状導電体40とが接合層13を介して接合(本接合)され、且つ、ガラス板11とガラス板12とが接合層13を介して接合(本接合)される。そして、図12に示す発熱板10が製造される。
図12に示された発熱板10によれば、導電体付シート20を用いて発熱板10を製造した場合であっても、発熱板10が透明基材30および接合層14を含まないようにすることができる。これにより、発熱板10全体の厚みをさらに小さくすることができる。また、発熱板10内の界面数をさらに低減することができる。したがって、光学特性の低下すなわち視認性の低下をさらに効果的に抑制することができる。加えて、網目状導電体40とガラス板12とが接触しているので、網目状導電体40によるガラス板12の加熱効率を上げることができる。
発熱板10は、自動車1のリアウィンドウ、サイドウィンドウやサンルーフに用いてもよい。また、自動車以外の、鉄道車両、航空機、船舶、宇宙船等の乗り物の窓あるいは扉の透明部分に用いてもよい。
さらに、発熱板10は、乗り物以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅等の建物の窓、冷蔵庫、展示箱、戸棚等の收納乃至保管設備の窓あるいは扉の透明部分等に使用することもできる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
実施例1
表面に厚さ30nmの亜鉛メッキを施した厚さ10μmの銅箔を用いて、メッキ層を設けた側とは反対側の面が接着するように、厚さが100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4300(東洋紡績社製、商品名)と、2液硬化型ポリウレタン系接着剤でラミネートし、56℃で4日間エージングすることにより積層体を得た。
続いて、フォトリソグラフイ法による網目状導電体の形成は、マスキングからエッチングまでを連続的に行う、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを流用して行った。具体的には、まず、銅箔の亜鉛メッキ層表面にドライフィルムレジストを貼り合わせ、所望のパターン版及び高圧水銀灯を用いて密着露光された。続いて水現像を行い、硬膜処理した後、100℃でベーキングを行った。
次に、エッチング液として液温40℃、塩化第二鉄溶液をスプレイ法で吹きかけることによってエッチングを行い、水洗によりレジストを剥離し、洗浄した後、100℃で乾燥することにより、表面に亜鉛メッキが施された銅細線によって複数の開口領域を画成するパターンを有する網目状導電体を得た。
得られた網目状導電体の銅細線の表面に存在する元素を、X線光電子分光法により確認した。X線光電子分光装置として、島津製作所社製のESCA−3400を用いた。測定条件は以下の通りとした。
入射X線:AlKα(非単色化X線)
測定領域:6mmφ
X線出力:150W(10kV・15mA)
X線光電子分光法により確認された元素定量結果は、下記の表1に示される通りであった(表中の−は、未検出であったことを示す)。
比較例1
実施例1において、表面に厚さ30nmのニッケルメッキを施した厚さ10μmの銅箔を用いた以外は実施例1と同様にして網目状導電体を作製し、実施例1と同様にして網目状導電体の銅細線の表面に存在する元素分析を行った。X線光電子分光法により確認された元素定量結果は、下記の表1に示される通りであった(表中の−は、未検出であったことを示す)。
Figure 2016143538
<密着性評価>
実施例1および比較例1において、マスキングする前の試料(即ち、銅箔のメッキ層表面にドライフィルムレジストを貼り合わせたサンプル)を準備し、1mm間隔の縦横10区分の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、幅24mmの粘着性テープ(ニチバン社製「セロテープ」(登録商標))を貼った後に剥がし、マス状の剥がれの程度を評価した。100個の碁盤目のマスのうち、剥がれがなかったマスの数によって、網目状導電体とPETフィルムとの密着性の評価を行った。評価結果は表2に示される通りであった。
Figure 2016143538
1 自動車
5 フロントウィンドウ
7 電源
10 発熱板
11 ガラス板
12 ガラス板
13 接合層
14 接合層
15 配線部
16 接続部
20 導電体付シート
30 透明基材
31 保持層
40 網目状導電体
43 分岐点
44 開口領域
45 接続要素

Claims (8)

  1. 電圧が印加されると発熱する発熱板に用いられる網目状導電体であって、
    前記網目状導電体は、金属材料からなる導電性細線によって複数の開口領域を画成するパターンを有し、
    前記導電性細線の少なくとも一方の表面に、亜鉛からなる防錆層が設けられてなる、網目状導電体。
  2. 前記導電性細線が、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属または2種以上の合金からなる、請求項1に記載の網目状導電体。
  3. 前記防錆層の厚みが10nm以上、100nm以下である、請求項1または2に記載の網目状導電体。
  4. 透明基材と、前記透明基材上に設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載の網目状導電体と、を備える導電体付シート。
  5. 前記透明基材が、厚み25μm以上、75μm以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムからなる、請求項4に記載の導電体付シート。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の網目状導電体を用いた発熱板であって、
    一対のガラス板と、
    前記一対のガラス板の間に配置される網目状導電体とを備え、
    前記網目状導電体と前記一対のガラス板とが、接合層を介して積層されている、発熱板。
  7. 前記接合層が、ポリビニルブチラール樹脂からなる、請求項6に記載の発熱板。
  8. 請求項6または7に記載の発熱板を備えた乗り物。
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