JP2016143231A - 自走式電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り越え得る段差か回避すべき段差かを単純な構成で確実に検出する自走式電子機器を提供する。【解決手段】床面の起伏に応じて上下方向に変位し機器を走行させる駆動輪22L、22Rと、変位を逐次検出する駆動輪センサ21R,21Lと、機器の駆動輪よりも前方に配置されて前方の床面までの高さを逐次検出する床面検出センサ18と、検出された高さを予め定められた閾値と比較して避けて走行すべき段差か否かを判断し、機器の走行を制御する走行制御部11aとを備え、走行制御部は、駆動輪の上下方向の変位に基づいて機器の前後方向における傾きの有無を推定し、その傾きの有無に応じて閾値を変更する。【選択図】図1

Description

この発明は、床面検出センサを備える自走式電子機器に関する。
センサを用いて障害物などを検出しつつ、床面上を自律走行しながら床面を掃除する、いわゆる自律走行型の電気掃除機(掃除ロボット)が知られている(例えば、特許文献1に記載の電気掃除機参照)。掃除機のほかにも、例えば室内の空気清浄、構内の警備、荷物の搬送等の作業を行うために自律走行するものが知られている。この明細書では自律走行機能を有するこれらの機器を自走式電子機器と呼ぶ。
自走式電子機器は、安全かつ確実な自律走行を行うために種々のセンサを備えている。例えば、前記特許文献1の掃除ロボットは、本体ケースの外周の前部ないし両側部に亘って配置され前方および側方の障害物(壁部)の有無および距離を非接触で検出する複数の測距センサ(距離検出手段)を備えている。さらに、本体ケースの進行方向側および反進行方向側の各位置で下部のクリアランスをそれぞれ検出する2つの段差センサ(検出手段および後部検出手段)を備えている。
特許文献1において、電気掃除機が備える制御手段は、検出手段の検出値および後部手段の各段差センサの検出値と変化量とに基づいて本体ケースの床面に対する前後方向の傾斜量を算出し、床面上の段差の乗り越えの可否を判断する。本体ケースが床面に対して前後方向に傾いたときには、段差センサにより検出する本体ケース下部のクリアランス値が本体ケースの傾きに応じて変動する。その変動を補正して段差の乗り越えの可否を判断する。
特開2014−226266号公報
自走式電子機器が乗り越えられる段差であっても、機器がその段差を乗り越えるときに機器の前方が上方へ持ち上がる。そのとき、機器の前端部において下部のクリアランスが水平状態より大きく検出される。機器の床面に対する傾きを考慮せずに下部のクリアランスを検出すると、そのときに乗り越えられない高さの段差であるとの誤った判断がなされてしまう。機器は段差を回避するために前進を中止して後退あるいは方向転換してしまう。
傾斜計や水準器用のセンサを装備すれば高精度の補正を実現し得るが、コスト的な負担が大きい。特許文献1は簡易な方法で傾斜量を算出する一つの態様として、前後の段差センサを用いる手法を示している。段差部以外の床面が水平であれば有効な手法であるが、常にそうとは限らない。
単純な構成で、機器の前後方向における傾斜を確実に検出する手法が求められる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、乗り越え得る段差か回避すべき段差かを単純な構成で確実に検出する自走式電子機器を提供するものである。
この発明は、床面の起伏に応じて上下方向に変位し機器を走行させる駆動輪と、前記変位を逐次検出する駆動輪センサと、機器の前記駆動輪よりも前方に配置されて前方の床面までの高さを逐次検出する床面検出センサと、検出された高さを予め定められた閾値と比較して避けて走行すべき段差か否かを判断し、機器の走行を制御する走行制御部とを備え、前記走行制御部は、前記駆動輪の上下方向の変位に基づいて機器の前後方向における傾きの有無を推定し、その傾きの有無に応じて前記閾値を変更する自走式電子機器を提供する。
この発明による自走式電子機器において、走行制御部は、前記駆動輪の上下方向の変位に基づいて機器の傾きの有無を推定し、その傾きの有無に応じて段差の判断に係る閾値を変更するので、乗り越え得る段差か回避すべき段差かを単純な構成で確実に検出できる。
この発明において、自走式電子機器は、自律的に走行する機能を有する電子機器である。その具体的な態様の一例は、自走式掃除機であるが、これに限定されない。
この発明において、床面は、その上を機器が走行し得る面である。床の材質は問わない。駆動輪センサは、駆動輪の上下方向の変位を検出するものであるが、ここで上下方向とは、機器の進行方向に垂直な方向であって、走行面が水平面の場合は鉛直方向である。走行面が水平面に対して傾いていれば、それに応じて上下方向も鉛直方向に対し傾いている。
床面検出センサは、機器の前方の床面までの高さを検出するが、この高さとは機器の前方の底面から床面までの前記上下方向に沿った距離である。その高さが閾値を超えていれば、走行制御部は機器が乗り越えられない高さの段差であると判断してその段差を避けて走行するように制御し、閾値以下であれば機器が乗り越え得る高さの段差であると判断して段差を通過して走行するように制御する。
また、前後方向とは、機器の走行に沿った方向であって、前方は機器が進行する方向であり、後方はそれと反対の方向である。
この発明の実施形態に係る自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。 この発明の一実施形態である自走式掃除機の外観斜視図である。 図2に示す自走式掃除機の底面図である。 図2に示す自走式掃除機の前後方向に沿った垂直断面図である。 図2に示す自走式掃除機の水平断面図である。 図2に示す自走式掃除機の駆動輪ユニットを含む箇所の垂直断面図である。 実施形態において、自走式電子機器の駆動輪ユニットが筐体に対し上下方向に変位する様子を示す第1の説明図である。(駆動輪が上側位置) 実施形態において、自走式電子機器の駆動輪ユニットが筐体に対し上下方向に変位する様子を示す第2の説明図である。(駆動輪が下側位置) 図7Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。(駆動輪が上側位置) 図7Bに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。(駆動輪が下側位置) 実施形態に係る駆動輪ユニットに含まれる駆動輪ホルダーを外面側から視た説明図である。 図9の駆動輪ホルダーを内面側から視た説明図である。 実施形態に係る駆動輪ユニットを上方から視た図である。 図9に示す駆動輪ホルダーの内部の機構を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第1の説明図である(段差に到達前の状態) 図13Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第2の説明図である(前端部が段差を通過する状態) 図14Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第3の説明図である(駆動輪が段差を通過する直前の状態) 図15Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第4の説明図である(駆動輪が段差を通過した直後の状態) 図16Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第5の説明図である(重心部が段差を通過した後の状態) 図17Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施形態に係る自走式掃除機が段差を通過する様子を示す第6の説明図である(後端部が段差を通過する状態) 図18Aに対応して駆動輪センサの様子を示す説明図である。 実施の形態2に係る駆動輪センサの様子を示す第1の説明図である。(駆動輪が上側位置) 実施の形態2に係る駆動輪センサの様子を示す第2の説明図である。(駆動輪が中間位置) 実施の形態2に係る駆動輪センサの様子を示す第3の説明図である。(駆動輪が上側位置)
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪自走式電子機器の具体的態様≫
はじめに、この発明の自走式電子機器の一例として自走式掃除機について説明する。
図1はこの発明の実施形態に係る自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。また、図2はこの発明の実施形態に係る自走式掃除機の外観斜視図であり、図3は図2に示す自走式掃除機の底面図である。また、図4は図2に示す自走式掃除機の前後方向に沿った垂直断面図である。図5は、図2に示す自走式掃除機の水平断面図である。
≪自走式掃除機の構成≫
図2および図3に示すように、実施の形態1に係る自走式掃除機1は、平盤形の筐体2を備える。なお、実施の形態1の場合、筐体2は円盤形であるが、これに限定されず、例えば平面視の形状が楕円形状あるいは多角形状であってもよい。
筐体2は、円形に形成された天板を含む。天板は、その前部を構成する天板前部2b1と、中間部から後部に亘って構成する蓋部2b2から構成され、蓋部2b2は天板前部2b1との境界側の側部に配置された図示しないヒンジ部を支点にして上方へ開く。天板前部2b1の前端部には、内部に配置された回路基板11Sの熱を逃がす複数の空気孔2b11が形成されている。
また、筐体2は環状に形成された側板および底板2aを含む。また、図4および図5に示すように筐体2は内部構造壁2dを含む。側板は、それぞれ円弧形の側板前半部2c1と側板後半部2c2とから構成される。側板前半部2c1はバンパーとして機能するよう、図示しない弾発部材を介して内部構造壁2dに対して移動可能に嵌め合わされている。側板前半部2c1には、側板前半部2c1の衝突を検出する衝突センサ14Cが内部に設けられている(図2〜図5に図示せず)。さらに、側板前半部2c1には、前方および左右斜め前方の3箇所に超音波受信部14Aが配置されると共に、3箇所の超音波受信部14Aの間の2箇所に超音波送信部14Bが配置されている。
さらに、筐体2の前部表面の外部から視認できる位置に誘導信号受信部24および充電用接続部13が設けられている。
筐体2は、底部の底板2aに設けられた吸込口31、後部の斜め上方に設けられた第1排気口32および外周部に設けられた第2排気口33を有し、筐体2の内部には集塵部15および電動送風機115が配置されている。集塵部15は、室内の塵埃を集める部分であり、集塵容器15aと、集塵フィルター15bとを備える。集塵容器15aには、吸込口31と連通する流入路に通じる流入口と、電動送風機115と連通するダクト部114に通じる排気口とが形成されている。
第2排気口33は、前方へ向かって開口し、集塵部15および電動送風機115を通過した空気流を略前方へ向けて吹き出すように構成されている。
自走式掃除機1の底面の前半部には、吸込口31の奥に配置された回転ブラシ9、吸込口31の左右斜め前方に形成されたサイドブラシ10と、吸込口31の左右斜め後方位置に形成された駆動輪(左駆動輪22Lおよび右駆動輪22R)が設けられている。回転ブラシ9およびサイドブラシ10は、ブラシモータ119によって駆動され回転する。また、底面の後半部の左右方向における中間位置には回動自在な後輪26が設けられている。後輪26の車輪は回転自在である。なお、図3と図4においては、後輪26が前方へ180°回動した状態を二点差線で記している。
自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面(走行面)上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する。自走式掃除機1は、障害検出部14により検出された障害物を自律的に回避して走行し、掃除が終了すると自律的に図示しない充電ステーションに帰還する機能を有する。
図1に示すように、この自走式掃除機1は、回転ブラシ9、サイドブラシ10、制御部11を有する回路基板11S、充電池12、充電用接続部13、障害検出部14、集塵部15を備える。さらに、ジャイロセンサ20(図2〜図5に図示せず)、左輪駆動モータ21L、右輪駆動モータ21R、左駆動輪22L、右駆動輪22R、誘導信号受信部24を備える。
左輪駆動モータ21L、左駆動輪22L、左駆動輪22Lの懸架部であってかつ左輪駆動モータ21Lの駆動力を左駆動輪22Lに伝達する駆動伝達機構および底板2aに結合されて前記駆動伝達機構を支持する支持部材は左駆動輪ユニット23Lを構成する。右輪駆動モータ21R、右駆動輪22R、右駆動輪22Rの懸架部であってかつ右輪駆動モータ21Rの駆動力を右駆動輪22Rに伝達する駆動伝達機構および底板2aに結合されて前記駆動伝達機構を支持する支持部材は右駆動輪ユニット23Rを構成する。
左輪駆動モータ21Lおよび右輪駆動モータ21Rは図示しないエンコーダを有しており、制御部11は、エンコーダの信号に基づいて自走式掃除機が走行した距離を取得する。さらにまた、報知部55、記憶部61、電動送風機115、ブラシモータ119およびイオン発生器120を備える。制御部11は、障害検出部14は、超音波受信部14A、超音波送信部14B、衝突センサ14Cおよび床面検出センサ18を備える。床面検出センサ18は、筐体2の底部における左右方向の中央かつ前端部および左右のサイドブラシ10の軸心位置にそれぞれ配置されている。
回路基板11Sは、左輪駆動モータ21Lを駆動する左輪ドライバ121L、右輪駆動モータ21Rを駆動する右輪ドライバ121R、電動送風機115を駆動する送風機ドライバ123およびブラシモータ119を駆動するブラシドライバ125を有する。
制御部11は、自走式掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。制御部11は、自走式掃除機1の走行を制御する走行制御部11aおよび壁際の障害物のない領域の広さを取得する見通し領域決定部11bとしての機能を包含する。
CPUは、後述する記憶部61に予め格納されRAMに展開された制御プログラムに基づいて処理を実行し、各ハードウェアを有機的に動作させてこの発明の清掃機能、走行機能などを実行する。
記憶部61は、自走式掃除機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムを記憶する不揮発性メモリである。この実施形態では、フラッシュメモリが用いられる。
障害検出部14、特に超音波受信部14Aおよび超音波送信部14Bは、自走式掃除機1が走行中に、室内の壁や机、いすなどの障害物に接触又は近づいたことを検出する部分であり、壁面や障害物を検出しながらそれに沿って自走式掃除機1が走行するために用いられる。また、超音波受信部14Aは、障害物までのおおよその距離を測定することができる。障害検出部14は、超音波受信部14Aおよび超音波送信部14Bを用いて障害物への近接を検出する。超音波受信部14Aおよび超音波送信部14Bに代えて、あるいは超音波受信部14Aおよび超音波送信部14Bと共に、赤外線測距センサなど他の方式の非接触センサを用いてもよい。
衝突センサ14Cは、自走式掃除機1が走行時に障害物と接触したことを検出するために、例えば、筐体2の側板前半部2c1の内部に配置される。CPUは、衝突センサ14Cからの出力信号に基づいて側板前半部2c1が障害物に衝突したことを知る。
各床面検出センサ18は下り階段等、自走式掃除機1が回避して走行すべき大きな段差を検出する。
CPUは、障害検出部14から出力された信号に基づいて、障害物や段差の存在する位置を認識する。認識された障害物や段差の位置情報に基づいて、その障害物や段差を避けて次に走行すべき方向を決定する。なお、左右の床面検出センサ18は、前方の床面検出センサ18が段差の検出に失敗した場合や故障した場合に下り階段を検出し、自走式掃除機1の下り階段への落下を防止する。
ジャイロセンサ20は、自走式掃除機1が走行するとき走行方向の情報を走行制御部11aに提供する。
左輪駆動モータ21Lは、左駆動輪22Lを回転および停止させ、右輪駆動モータ21Rは、右駆動輪22Rを回転および停止させる。左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rを独立して正逆両方向に回転させ得るように駆動モータを構成することにより、自走式掃除機1の前進、後退、旋回、加減速などの走行状態を実現している。
走行制御部11aは、右駆動輪22Rおよび左駆動輪22Lを同一方向に正回転させて、中央の超音波受信部14Aが配置されている前方へ自走式掃除機1を走行させる。また、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rを同一方向に逆回転して後退させ、互いに逆方向に回転させまたは互いに異なる速度で回転させることにより自走式掃除機1を旋回させる。互いに異なる速度は一方の駆動輪が停止する場合を含む。
例えば、走行制御部11aは、障害検出部14の各センサにより掃除領域の周縁に到達したと判断したら、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rを減速させた後に停止させる。その後、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rを互いに逆方向に回転させて自走式掃除機1を90°旋回させ、吸込口31の開口幅に略等しい距離だけ進んでさらに90°旋回させて元の進路と逆方向へ走行させる。つづら折り状に前述の旋回を繰り返して自走式掃除機1をジグザグ走行させて、清掃領域内をくまなく清掃できるように制御する。
また、障害検出部14が進路上の障害物を検出した場合、走行制御部11aは自走式掃除機1を減速もしくは停止させた後に旋回させて障害物を避けるように向きを変える。その障害物が検知されなくなるまで進んだら元の進路の延長上へ近ける方向へ自走式掃除機1を旋回させて走行を続ける。また、各床面検出センサ18が床面を検知しなくなった場合、自走式掃除機1を一旦停止させて後退および/または旋回させ、階段等の段差から落下しないように走行を制御する。このようにして、走行制御部11aは、設置場所の全体あるいは所望範囲全体に渡って障害物を避けながら自走式掃除機1を走行させる。
なお、この実施形態で、前方とは、自走式掃除機1の前進方向、即ち図3において後輪26から吸込口31へ向かう方向をいうものとし、後方とは、自走式掃除機1の後退方向、即ち図3において吸込口31から後輪26へ向かう方向をいうものとする。
誘導信号受信部24は、赤外線を受信するための赤外線センサであり、筐体2の前方部に配置される。誘導信号受信部24は、ドッキング・ステーションとしての充電台201の誘導信号送出部203から出射される位置標識信号(ビーコン)等を受信する。
制御部11は、充電台201の誘導信号送出部203から出射される信号を誘導信号受信部24で検知し、充電台201のある方向を認識する。走行制御部11aは、掃除が終了した場合、充電池12の充電残量が少なくなった場合、あるいは予め定められた清掃作業の期間が経過した場合などに、充電台201のある方向へ走行させて、自走式掃除機1を充電台201まで帰還させる。ただし、障害物があれば、それを避けながら充電台201の方向へ移動させる。
報知部55は、自走式掃除機1の状態をユーザに知らせるものである。この実施形態において、報知部55は、音を出力する音響出力回路とスピーカである。別の態様として、筐体2の上部、より具体的には例えば天板前部2b1や側板後半部2c2にLEDランプ等を用いた表示部を設けてもよい。さらに別の態様として、ユーザの所有するスマートフォン等通信機能を有する情報処理装置に情報を送る無線LAN等の通信ユニットを設けてもよい。
充電台201は、充電端子部202および誘導信号送出部203を備える。充電台201の充電端子部202と自走式掃除機1の充電用接続部13とを電気的に接触することにより、自走式掃除機1は充電台201からの電力の供給を受け、自走式掃除機1の充電池12が充電される。誘導信号送出部203は、ビーコン信号を生成する信号生成回路と生成された赤外光信号を放射するLEDからなる。
≪駆動輪ユニットおよびその取付構造≫
左駆動輪ユニット23Lおよび右駆動輪ユニット23Rは左右対称で対をなすので両者を総称して駆動輪ユニット23と記載する。また、一方の機構を説明すれば他方はそれと左右対称で自明であるから、以下の駆動輪ユニット23の記載は、左駆動輪ユニットで代表し右駆動輪ユニットについての説明は省略する。以下の説明における各部の名称および符号については左右の区別を省略することがある。
図6は、図2に示す自走式掃除機の左駆動輪ユニット23Lを含む箇所の前後方向に沿った垂直断面図である。
図7Aおよび図7Bは、この実施形態の自走式掃除機1における駆動輪ユニット23が筐体2に対して上下方向に変位する様子を示す説明図である。図8Aおよび図8Bは駆動輪ユニット23が筐体2に対して上下方向に変位する様子を示す別の説明図である。また、図9は駆動輪ユニット23のうち筐体2に対して上下に揺動(変位)する懸架部としての駆動輪ホルダー221を自走式掃除機1の外面側から視た説明図である。それに対して図10は、前記駆動輪ホルダー221を内面側から視た説明図である。図11は左駆動輪ユニット23Lに含まれる左輪駆動モータ21L、左駆動輪22Lおよび駆動輪ホルダー221を上方から視た説明図である。図12は図9に示す駆動輪ホルダーの内部構造を示す説明図である。なお、図7A〜図12は、左駆動輪ユニット23Lについてのみ示しているが、右駆動輪ユニット23Rはそれと左右対称である。
駆動輪ユニット23は、左駆動輪22Lと、左駆動輪22Lを左右方向の第1軸心P1を中心に回転可能に保持する駆動輪ホルダー221と、駆動輪ホルダー221に取り付けられた左輪駆動モータ21Lと、左輪駆動モータ21Lの駆動力を左駆動輪22Lに伝達する駆動伝達機構223とを有する。
駆動輪ホルダー221は、外周部の複数箇所にネジにて連結可能とするボス部をそれぞれ有する内側ケース部221aおよび外側ケース部221bを備える。その内部は駆動伝達機構223として第1ギヤ223a、第2ギヤ223b、第3ギヤ223b、第4ギヤ223c、第5ギヤ223c3および第6ギヤ223d2を収納するギヤ収納室221rとなっている。また、駆動輪ホルダー221は、内側ケース部221aに左輪駆動モータ21Lを嵌め入れる円筒部221a1を有している。
前記円筒部221a1は、内側ケース部221aの長手方向の一端(前端)側に設けられており、その位置に左輪駆動モータ21Lが嵌め入れられて固定される。内側ケース221aの前記円筒部221a1に対応するように、外側ケース部221bには、円筒部221bが形成されている。また、円筒部221a1の外周面の上部には、付勢部材241としての引っ張りバネの一端が引っ掛けられている。なお、第6ギヤ223d2の第1軸心P1と第1ギヤ223aの第2軸心P2とは平行である。即ち、左駆動輪22Lの軸心と左輪駆動モータ21Lの駆動軸m1とは平行である。
左輪駆動モータ21Lの駆動軸m1の駆動力は、第1ギヤ223a〜第5ギヤ223c3を介して第6ギヤ223d2に伝達される。第6ギヤ223d2と左駆動輪22Lとは一体で回転するように連結されている。これにより、左輪駆動モータ21Lの駆動力が左駆動輪22Lに伝達される。
図7Aおよび図8Aに示すように、自走式掃除機1は底板2aと結合された支持部材231および駆動輪ホルダー221を介して左右の駆動輪によって床面F上で支持される。このとき、筐体2の重量が駆動輪ユニット23にかかるため、円筒部221a1および221b1を回動軸として駆動輪ホルダー221が第2軸心P2を中心に揺動(変位)して左駆動輪22Lの大半が支持部材231内へ収納された状態となる。それと同時に、付勢部材241の前端が前方へ引っ張られる方向に移動する。
図9および図10に示すように、外側ケース部221bには、遮光板251が形成されている。駆動輪ホルダー221が円筒部221aおよび221bを中心に揺動すると、その揺動に伴って遮光板251が筐体2に対して変位する。図8Aに示すように、左駆動輪22Lが支持部材231内へ収納される方向へ揺動すると、遮光板251は下方(底板2aに近づく方向)へ変位する。筐体2内には駆動輪センサ253が配置されている。この実施形態で駆動輪センサ253はスリットを介して一対の受光部と発光部とが対向する透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタとも呼ばれる)である。駆動輪ホルダー221と一体に揺動する遮光板251が受光部と発光部の間に挿入されてスリットを塞ぐ位置にくると、スリットを介して発光部から受光部に至る光が遮られる。フォトセンサはその変化を検知する。図8Aに示すように、自走式掃除機1が水平な床面を走行して左駆動輪22Lが支持部材231内へ収納された状態で遮光板251はスリットから外れた位置にある。
この状態から、図7Bと図8Bに示すように、筐体2が床面Fに対して浮き上がると、付勢部材241の前端が後方へ引っ張られる。また、円筒部221a1、221b1を回動軸として駆動輪ユニット23が第2軸心P2を中心に揺動して左駆動輪22Lが支持部材231の外側へ突出した状態となる。このとき、駆動輪ユニット23の自重と付勢部材241の付勢力の両方によって左駆動輪22Lが床面Fに押し付けられるため、自重のみの場合よりも筐体2の段差乗り越え性能が向上している。
また、左駆動輪22Lが支持部材231の外側へ突出していくと、遮光板251は上方(底板2aから遠ざかる方向)へ変位する。左駆動輪22Lが所定の位置まで突出すると、遮光板251が駆動輪センサ253のスリットを塞ぐ。
このように駆動輪センサ253は左右の駆動輪の上下方向の変位をそれぞれ検出する。その一つの用途は、自走式掃除機1が床面の段差を乗り越える際の特徴的な変位を検出して自走式掃除機1の前後方向における傾きの有無を推定に用いる情報を提供することである。別の用途として次のようなものがある。床面の障害物に自走式掃除機1が乗り上げたり溝にはまり込んだりすると筐体2が走行面から持ち上がった状態に陥ることがある。そうすると、走行面との摩擦力、言い換えれば推進力が不足して自走式掃除機1が走行不能に陥る。その状態で駆動輪を回し続けると床面の一箇所を駆動輪が擦り続けてその床面を傷めてしまう。そこで、駆動輪が筐体から突出した状態を駆動輪センサ253で検出し、予め定められた走行期間または走行距離を超えてそのような突出状態が続いたら、走行制御部11aは駆動輪を停止させ床面へのダメージを防止する。この走行期間を第3走行期間と呼ぶ。第3期間は、具体的な数値の例として、30秒の期間であってもよい。後述の傾き検出にかかる第1期間よりも十分長い期間である。また、前述の走行距離を第3走行距離と呼ぶ。第3走行距離は、具体的な数値の例として、15メートルであってもよい。
この実施形態で、駆動輪センサ253は、傾きの有無の推定に用いる情報を提供する機能と、駆動輪が筐体から突出し続けて走行不能に陥っていることを検出する機能を兼ね備える。
≪段差通過の際に駆動輪センサを用いて機器の傾き有無を判定する手法≫
続いて、駆動輪センサ253を用いて段差を通過する場合の機器の傾きの有無を判定する手法を説明する。
図13A〜図18Bは、この実施形態に係る自走式掃除機1が段差を通過する様子を示す説明図である。図13A、図14A、図15A、図16A、図17Aおよび図18Aは、自走式掃除機1が床面Fの段差Sを通過する様子を示す側面図である。各図に対応する図13B、図14B、図15B、図16B、図17Bおよび図18Bは、そのときの駆動輪センサ253の様子を示す説明図である。
図13Aおよび図13Bに示すように、段差Sへの到達前、左右の駆動輪は自走式掃除機1の自重によって筐体2の内部にほぼ収容され、付勢部材241の張力と釣り合う位置にある。底部の回転ブラシ9は、適度な圧力で床面Fに接している。駆動輪ユニット23の遮光板251は、駆動輪センサ253のスリット部よりも下方にあってスリットから外れている。駆動輪センサ253のこの検知状態を便宜上オフ状態と呼ぶことにする。オフ状態は駆動輪が予め定められた位置よりも上側ある場合に対応する。これに対して遮光板251がスリット部に挿入されフォトインタラプタを遮光する状態をオン状態と呼ぶことにする。オン状態は駆動輪が前記位置よりも下側の位置にある場合に対応する。
走行制御部11aは、前端部の床面検出センサ18が検出する床面までの距離がh1を超えた場合、自走式掃除機1の進行方向を変更して前方の段差への転落を防止するが、図13Aにおいて前端部の床面までの高さはh1以下であるので前進を続ける。
段差Sは自走式掃除機1が通過し得る高さである。図14Aおよび図14Bに示すように、自走式掃除機1の前端部が段差Sに到達すると、自走式掃除機1の前端下部が段差Sの角に接しながら、駆動輪からの推進力によってせり上がる。このとき、駆動輪は図14Aおよび図14Bの状態よりも少しだけ筐体2から突出する。しかし、遮光板251は、依然として駆動輪センサ253のスリット部よりも下方にあってスリットから外れたままである。即ち、オフ状態を維持する。
図14Aにおいて前端部の床面までの高さはh1以下であるので前進を続ける。
自走式掃除機1がなお前進すると、やがて駆動輪が段差Sの手前に到達する。その期間、駆動輪は次第に筐体2から突出していく。それに伴って、駆動輪ユニット23の遮光板251が駆動輪センサ253のスリット部まで上昇していく。やがて、駆動輪センサ253がオフ状態からオン状態に遷移する。この時点では依然として走行制御部11aは、前端部の床面検出センサ18が検出する床面までの距離がh1を超えた場合、自走式掃除機1の進行方向を変更して前方の段差への転落を防止する。
その後、駆動輪センサ253のオン状態が予め定められた第1走行期間または第1走行距離を超えたら、走行制御部11aは、前端部の床面検出センサ18が検出する床面までの距離がh2を超えた場合(h2>h1)、自走式掃除機1の進行方向を変更して前方の段差への転落を防止する。即ち、回避走行すべき段差か否かの判断に適用する閾値を、傾きのない場合に適用するh1から傾きのある場合に適用するh2に変える。
駆動輪が段差Sの直前の位置に達すると、駆動輪の突出量が最大になる(図15Aおよび図15B参照)。駆動輪センサ253はオン状態である。即ち、予め定められたよりも下側にあることを示している。図15Aにおいて前端部の床面までの高さはh2以下であるので前進を続ける。この時点では自走式掃除機1の前方が上方へ持ち上がっており水平走行時よりも前端部が床面から離れている。もしも、閾値をh2に変更せずh1を適用したら、走行制御部11aは、回避走行すべきと判断してしまう。
さらに駆動輪が回転すると、駆動輪は段差Sの角部に乗り上げて上昇し、筐体2に収容される。遮光板251は、駆動輪センサ253のスリット部よりも下方に下降するので再びオフ状態になる(図16Aおよび図16B参照)。この時点では依然として走行制御部11aは、閾値としてh2を維持する。
その後、駆動輪センサ253のオフ状態が予め定められた第2走行期間または第2走行距離を超えたら、走行制御部11aは、閾値をh2からh1に変更する(h2>h1)。即ち、回避走行すべき段差か否かの判断に適用する閾値を、傾きのある場合に適用するh2から傾きのない場合に適用するh1に変える。もしも、駆動輪センサ253がオフ状態になって直ぐに閾値をh2からh1に変更したら、図16Aにおいて走行制御部11aは、回避走行すべきと判断してしまう。
駆動輪が段差Sを過ぎて前進すると、やがて後輪26が床面Fから持ち上がる(図17Aおよび図17B参照)。遮光板251は、依然として駆動輪センサ253のスリット部よりも下方にあってオフ状態が続く。
後輪26が段差Sを過ぎると(図18Aおよび図18B参照)、自走式掃除機1は図13Aおよび図13Bと同様、水平な床面Fを走行する状態に戻る。駆動輪センサ253も、図13Aおよび図13Bと同様に遮光板251がスリット部より下方にあってオフ状態を維持する。
図14A〜図16Aへ進む間に駆動輪センサ253がオン状態からオフ状態になる期間の具体的な数値が例えば3秒であるとする。これに対して第1走行期間が例えば2秒に定められる。このように第1走行期間を定めれば、駆動輪が下側の位置に変位して段差Sを通過するのを確実に検知できる一方で、細かな凹凸のある床面を走行する場合に駆動輪が下側の位置に変位しても段差であると誤検知するのを防止できる。さらに、第1走行期間は前述の第3走行期間(前述の数値例では30秒)より十分に短いので、段差の通過と駆動輪の空転とを確実に区別できる。
あるいは、図14A〜図16Aへ進む間に駆動輪センサ253がオン状態からオフ状態になるまでの走行距離の具体的な数値が、例えば15センチメートルであるとする。これに対して第1走行期間が例えば10センチメートルに定められる。このように第1走行距離を定めれば、駆動輪が下側の位置に変位して段差Sを通過するのを確実に検知できる一方で、細かな凹凸のある床面を走行する場合に駆動輪が下側の位置に変位しても段差であると誤検知するのを防止できる。さらに、第1走行距離は前述の第3走行距離(前述の数値例では15メートル)より十分に短いので、段差の通過と駆動輪の空転とを確実に区別できる。
これらの数値例は一例に過ぎず、自走式電子機器の設計者が機器の形状、走行速度、乗り越える段差の高さ等の要素を考慮して適宜決定すればよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、駆動輪センサ253は駆動輪が予め定められた上下方向の位置に対して上側にあるか下側にあるかを検出するに過ぎなかった。走行制御部11aは、駆動輪センサ253の二値的な検出に基づいて自走式掃除機1が前後方向に傾いているか否かを判断しそれぞれに対応する閾値を用いて、機器の前端部の床面までの距離が乗り越え可能な段差の高さの範囲内か回避走行すべき高さかを判断している。
実施の形態2では、駆動輪センサ253は、駆動輪の上下方向の位置が少なくとも上中下の3つの領域の何れに属するかを検出する。走行制御部11aは、駆動輪センサ253の段階的な検出に基づいて自走式掃除機1が前後方向に傾いている程度を判断しその程度に対応する閾値を用いて、機器の前端部の床面までの距離が乗り越え可能な段差の高さの範囲内か回避走行すべき高さかを判断する。
図19A、図19Bおよび図19Cは、この実施形態における駆動輪センサの様子をそれぞれ示す説明図である。図19Aは、駆動輪が上側の位置にある状態を示している。図19Cは、駆動輪が下側の位置にある状態を示している。図19Bは、駆動輪が両者の中間にある状態を示している。
駆動輪の上下方向における位置を上中下の三段階で検出する具体的な構成例を各図に示している。この実施形態で、駆動輪センサ253は、駆動輪ホルダー221の揺動中心である第2軸心P2の半径方向において互いに異なる位置にスリットを有する2つの透過型のフォトセンサ253aおよび253bからなる。
遮光板は、フォトセンサ253aおよびフォトセンサ253bに対して以下のように機能するようにその形状が決められている。まず、駆動輪が下側の位置にある場合(図19A参照)、遮光板251は、フォトセンサ253aおよびフォトセンサ253bの何れのスリットよりも下方にある。よって、両者は共にオフ状態である。
駆動輪が中間の位置にある場合(図19B参照)、遮光板251は、フォトセンサ253aのスリットを塞ぐ位置にあるが、フォトセンサ253bのスリットよりも下方にある。よって、フォトセンサ253aはオン状態であり、フォトセンサ253bはオフ状態である。
駆動輪が上側の位置にある場合(図19C参照)、遮光板251は、フォトセンサ253aおよびフォトセンサ253bの両方のスリットを塞ぐ位置にある。よって、両者は共にオン状態である。
自走式掃除機1が段差を超える場合、例えば図14A、図15Aに示すように床面F上にある後輪26を支点として前端部が持ち上がるので、駆動輪の筐体2からの突出量が大きいほど、自走式掃除機1の前端部がより上方に持ち上がっていると考えられる。走行制御部11aは、傾きの大きさに応じて乗り越えられる段差か否かの判定に用いる閾値を変更する。
駆動輪が下側の位置にある状態(傾きなしの状態)に対応する閾値をh1、駆動輪が中間の位置にある状態(傾きが小さい状態)に対応する閾値をhm、駆動輪が上側の位置にある状態(傾きが大きい状態)に対応する閾値をh2とする。このとき、h1<hm<h2の関係にある。
(その他の実施形態)
駆動輪センサ253の検出の段階をより多くするために、駆動輪センサとして用いるフォトセンサの数をさらに多くしてもよい。(実施の形態3)
また、透過型のフォトセンサに代えて反射型のフォトセンサを用いてもよく、フォトセンサ以外のセンサやスイッチで構成してもよい。(実施の形態4)
さらに、駆動輪センサ253としてアブソリュート型のロータリーエンコーダや変位量と変位方向を検出するロータリーエンコーダを用いて多段階の検出を行ってもよい。(実施の形態5)
実施の形態1および2では、左右の駆動輪に対応する駆動輪センサを何れも傾きを検出するセンサとして用いると共に駆動輪の空転を検出するセンサとして用いているが、それぞれの機能に対応するセンサを用いてもよい。その一態様として、左右の駆動輪センサの何れか一方を傾きの検出に用い、他方の駆動輪センサを駆動輪の空転の検出に用いてもよい。(実施の形態6)
以上に述べたように、
(1)この発明による自走式電子機器は、床面の起伏に応じて上下方向に変位し、機器を走行させる駆動輪と、前記変位を逐次検出する駆動輪センサと、機器の前記駆動輪よりも前方に配置されて前方の床面までの高さを逐次検出する床面検出センサと、検出された高さを予め定められた閾値と比較して避けて走行すべき段差か否かを判断し、機器の走行を制御する走行制御部とを備え、前記走行制御部は、前記駆動輪の上下方向の変位に基づいて機器の前後方向における傾きの有無を推定し、その傾きの有無に応じて前記閾値を変更する。
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(2)前記駆動輪センサは、前記駆動輪の上下方向の位置が予め定められた位置よりも上側か下側かを検出し、前記走行制御部は、前記駆動輪が下側の位置にある場合に機器が傾いていると判断し、前記駆動輪が上側の位置にある場合よりも大きな閾値を適用して、避けるべき段差か否かを判断してもよい。
このようにすれば、段差にさしかかった際に駆動輪が下側に変位することを利用して駆動輪が所定の位置より上側か下側かを検出し、乗り越え得る段差か回避すべき段差かを単純な構成で確実に検出できる。
(3)さらに、前記走行制御部は、前記駆動輪が予め定められた第1走行期間または第1走行距離を超えて下側の位置にあれば機器が傾いている場合のより大きな閾値に変更してもよい。このようにすれば、駆動輪が下側の位置にある状態が所定の期間または走行距離を超えているかに基づいて単なる床面の起伏と段差とを区別してより確実に段差の通過に伴う機器の傾きを検出できる。
(4)また、前記走行制御部は、機器が傾いた状態にあると判断した後に前記駆動輪が上側の位置に変位した場合、上側位置への変位から予め定められた第2走行期間または第2走行距離が経過してから、傾きのない場合のより小さな閾値に変更してもよい。このようにすれば、段差を乗り越えて機器が水平になる以前の状態であって、駆動輪が段差の角部に到達して上側に変位する間、機器が傾いている場合の閾値を適用するので、誤って機器が回避走行を始めるのを防ぐことができる。
(5)さらにまた、前記駆動輪センサは、上下方向に異なる少なくとも3つの領域の何れの位置に前記駆動輪があるかを逐次検出してその位置の変化を変位と検出し、前記走行制御部は前記領域の変化に応じて傾きの大きさを推定し、より大きく傾いている場合により大きな閾値を適用してもよい。
このようにすれば、駆動輪の変位の大きさに応じた複数の段階に対応した閾値を適用することによって、単に所定の位置より上側か下側かを検出する場合よりも高い精度で床面までの高さを検出することができる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:自走式掃除機、 2:筐体、 2a:底板、 2b1:天板前部、 2b11:空気孔、 2b2:蓋部、 2c1:側板前半部、 2c2:側板後半部、 2d:内部構造壁、 9:回転ブラシ、 10:サイドブラシ、 11:制御部、 11a:走行制御部、 11b:見通し領域決定部、 11S:回路基板、 12:充電池、 13:充電用接続部、 14:障害検出部、 14A:超音波受信部、 14B:超音波送信部、 14C:衝突センサ、 15:集塵部、 15a:集塵容器、 15b:集塵フィルター、 18:床面検出センサ、 20:ジャイロセンサ、 21L:左輪駆動モータ、 21R:右輪駆動モータ、 22L:左駆動輪、 22R:右駆動輪、 23:駆動輪ユニット、 23L:左駆動輪ユニット、 23R:右駆動輪ユニット、 24:誘導信号受信部、 26:後輪、 31:吸込口、 32:第1排気口、 33:第2排気口、 55:報知部、 61:記憶部、 114:ダクト部、 115:電動送風機、 119:ブラシモータ、 120:イオン発生器、 121L:左輪ドライバ、 121R:右輪ドライバ、 123:送風機ドライバ 125:ブラシドライバ
201:充電台、 202:充電端子部、 203:誘導信号送出部
221:駆動輪ホルダー、 221a:内側ケース部、 221b:外側ケース部、 221a1,221b1:円筒部、 221r:ギヤ収納室、 223a:第1ギヤ、 223b:第2ギヤ、 223b:第3ギヤ、 223c:第4ギヤ、 223c3:第5ギヤ、 223d2:第6ギヤ、 223:駆動伝達機構、 231:支持部材、 241:付勢部材、 251:遮光板、 253:駆動輪センサ、 253a,253b:フォトセンサ
F:床面、 S:段差、 m1:駆動軸、 P1:第1軸心、 P2:第2軸心

Claims (5)

  1. 床面の起伏に応じて上下方向に変位し機器を走行させる駆動輪と、
    前記変位を逐次検出する駆動輪センサと、
    機器の前記駆動輪よりも前方に配置されて前方の床面までの高さを逐次検出する床面検出センサと、
    検出された高さを予め定められた閾値と比較して避けて走行すべき段差か否かを判断し、機器の走行を制御する走行制御部とを備え、
    前記走行制御部は、前記駆動輪の上下方向の変位に基づいて機器の前後方向における傾きの有無を推定し、その傾きの有無に応じて前記閾値を変更する自走式電子機器。
  2. 前記駆動輪センサは、前記駆動輪の上下方向の位置が予め定められた位置よりも上側か下側かを検出し、
    前記走行制御部は、前記駆動輪が下側の位置にある場合に機器が傾いていると判断し、前記駆動輪が上側の位置にある場合よりも大きな閾値を適用して、避けるべき段差か否かを判断する請求項1に記載の自走式電子機器。
  3. 前記走行制御部は、前記駆動輪が予め定められた第1走行期間または第1走行距離を超えて下側の位置にあれば機器が傾いている場合のより大きな閾値に変更する請求項2に記載の自走式電子機器。
  4. 前記走行制御部は、機器が傾いた状態にあると判断した後に前記駆動輪が上側の位置に変位した場合、上側位置への変位から予め定められた第2走行期間または第2走行距離が経過してから、傾きのない場合のより小さな閾値に変更する請求項2または3に記載の自走式電子機器。
  5. 前記駆動輪センサは、上下方向に異なる少なくとも3つの領域の何れの位置に前記駆動輪があるかを逐次検出してその位置の変化を変位と検出し、
    前記走行制御部は前記領域の変化に応じて前記傾きの大きさを推定し、より大きく傾いている場合により大きな閾値を適用する請求項1〜4の何れか一つに記載の自走式電子機器。
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