JP2016142632A - 電力計測装置および電流計測装置 - Google Patents

電力計測装置および電流計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力線を介して供給される電力の変動が激しい状況においても電力計測や電流計測を継続することができる電力計測装置および電流計測装置を提供する。【解決手段】 MCU105は、予め設定された計測周期に同期して、カレントトランス101を計測回路103に接続し、計測期間だけ計測回路103の出力電圧のA/D変換をA/D変換器104に実行させ、電力を算出する。計測期間後の充電期間では、カレントトランス101を充電回路107に接続し、充電回路107に2次電池108の充電を行わせる。MCU105は、計測期間内のA/D変換器104のA/D変換値に基づいて計測周期を設定する。【選択図】 図1

Description

この発明は、電力線を介して供給される電力を計測する電力計測装置と、電流を計測する電流計測装置とに関する。
この種の電力計測装置として、電力線を介して負荷に供給される電流に応じたアナログ信号を電磁誘導により発生し、このアナログ信号のA/D変換を行い、その結果得られるA/D変換値に基づいて電力を算出する装置がある(例えば特許文献1参照)。また、この種の電力計測装置の中には、計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を電磁誘導により発生し、この電流を2次電池やスーパーキャパシタ等のキャパシタに充電し、このキャパシタを電源として使用する構成のものがある。この電力計測装置によれば、商用電源やバッテリ等の電源からの電力供給を受けることなく、電力計測を行うことができる。また、このような構成を有する電流計測装置もある。
このような電力計測装置や電流計測装置は、キャパシタを電源としているため、電力計測中や電流計測中の消費電力量をなるべく少なくすることが求められる。そこで、従来の電力計測装置や電流計測装置では、図10に示すように、計測周期に同期して間欠的に電力や電流の計測を行う。図10に示すように、計測周期は、計測期間と充電期間とからなる。計測期間は、電力計測装置や電流計測装置が電力線に流れる1周期分の電流値を予め任意に設定した回数分だけサンプリングする期間であり、充電期間は、電力計測装置や電流計測装置が電力計測や電流計測を行うことなく電力線からの電磁誘導より得られる電流をキャパシタに充電する期間である。従来、この計測周期を、カレントトランスまたは電力線からの電磁誘導より供給可能な電流の下限値に合わせて設定していた。
特開2012−225767号公報
ところで、上述した従来の電力計測装置や電流計測装置では、カレントトランスからまたは電力線からの電磁誘導より供給可能な電流が上述した電流の下限値よりも低下した場合に、キャパシタから供給可能な電力量が不足し、電力計測や電流計測を継続することが困難になる問題があった。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、電力線を介して供給される電力の変動が激しい状況においても電力計測や電流計測を継続することができる電力計測装置および電流計測装置を提供することを目的としている。
この発明は、計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を発生してキャパシタに充電し、前記キャパシタを電源として前記電力線が供給する電力を計測する電力計測装置において、設定された計測周期で前記電力線に流れる電流値を計測する計測手段と、前記計測手段により計測される電流値に基づいて、前記電力線が供給する電力を算出するとともに、前記計測周期を設定する制御手段とを具備することを特徴とする電力計測装置を提供する。
また、この発明は、計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を発生してキャパシタに充電し、前記キャパシタを電源として前記電力線が供給する電流を計測する電流計測装置において、設定された計測周期で前記電力線に流れる電流値を計測する計測手段と、前記計測手段により計測される電流値に基づいて、前記計測周期を設定する制御手段とを具備することを特徴とする電流計測装置を提供する。
この発明によれば、計測手段により電力線に流れる電流値が計測され、この電流値に基づいて計測周期が設定されるため、電力線を介して供給される電力の変動が激しい状況においても、電力計測装置や電流計測装置を電力不足に陥らせることなく稼働を継続させ、電力計測や電流計測を継続させることができる。
この発明の第1実施形態である電力計測装置100の構成を示すブロック図である。 同実施形態において行われる電力計測装置100の初期設定の手順を示す図である。 同実施形態において電力計測装置100に初期設定される安定時間を説明するための図である。 同実施形態において電力計測装置100の動作を示すタイムチャートである。 同実施形態においてMCU105が実行するメインプログラムの処理内容を示すフローチャートである。 同実施形態においてMCU105が実行する通常計測処理の処理内容を示すフローチャートである。 同実施形態においてMCU105が実行するSleep処理の処理内容を示すフローチャートである。 同実施形態においてMCU105が実行する計測処理の処理内容を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態である電流計測装置200の構成を示すブロック図である。 従来の電力計測装置の動作を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態である電力計測装置100の構成を示すブロック図である。この電力計測装置100は、カレントトランス101、スイッチ102、計測回路103、A/D変換器104、MCU(Micrо Contrоller Unit;マイクロコントローラユニット)105、通信回路106、充電回路107、2次電池108および電源制御回路110を有している。なお、図1では、電力計測装置100の電力測定に必要な電圧測定に関する回路等は図示を省略している。
カレントトランス101は、電力線109に流れる交流電流に応じた交流電流を出力するトランスである。スイッチ102は、MCU105からの制御指令に従い、カレントトランス101の出力電流の供給先を計測回路103または充電回路107に切り換えるスイッチである。なお、図1では、MCU105とスイッチ102の接続の図示を省略している。
計測回路103は、カレントトランス101からスイッチ102を介して供給される交流電流に比例した交流電圧をA/D変換器104に出力する。A/D変換器104は、MCU105による制御の下、計測回路103から供給される交流電圧をサンプリングしてA/D変換し、その結果得られるA/D変換値をMCU105に出力する。本実施形態では、カレントトランス101、計測回路103およびA/D変換器104が、設定された計測周期で前記電力線に流れる電流値を計測する計測手段を構成している。
充電回路107は、カレントトランス101からスイッチ102を介して供給される交流電流を整流して直流電流を発生し、この直流電流により2次電池108を充電する回路である。電力計測装置100において、MCU105と通信回路106は、各々の電源端子が、2次電池108に接続されており、2次電池108を電源として動作する。なお、2次電池108に代えてスーパーキャパシタを電力計測装置100の電源としてもよい。
電源制御回路110は、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104への電力の供給/遮断を切り換えるスイッチ手段であり、本実施形態では、Pチャネル型のMOSFETにより構成されている。ここで、電源制御回路110であるMOSFETのソースおよびその背景をなすNウェルは2次電池108に接続され、ドレインは計測回路103とA/D変換器104の正電源端子に接続されている。この計測回路103とA/D変換器104の負電源端子は接地されている。そして、電源制御回路110であるMOSFETのゲートにはMCU105からゲート電圧が与えられる。MCU105は、このゲート電圧を制御することにより、電源制御回路110であるMOSFETのON/OFFを切り換え、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104へ電源電圧を供給し、或いはその電源電圧の供給を遮断する。なお、電源制御回路110は、Pチャネル型のMOSFETに限られるものではなく、スイッチとして機能するものであればよい。
MCU105は、各種のプログラムを記憶したROMと、ワークエリアとして使用するRAMと、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを有する。なお、図1では各々の図示は省略している。MCU105は、ROM内のプログラムを実行することにより、電力計測装置100内の各部を制御する。また、MCU105は、ROM内のプログラムを実行することにより、A/D変換器104から供給されるA/D変換値に基づいて電力線109に流れる電流値を算出し、この電流値と図示しない電圧測定回路から得られる電力線109の電圧値を乗算して電力値を算出し、この電力値を通信回路106に出力する。MCU105によって行われる制御のうち特徴的なものとして、計測周期の制御がある。本実施形態においてMCU105は、A/D変換器104から供給されるA/D変換値に基づいて、計測期間の周期である計測周期を制御する。すなわち、本実施形態において、MCU105は、計測手段により計測される電流値に基づいて、電力線109が供給する電力を算出するとともに、計測周期を設定する制御手段として機能する。なお、この制御については、説明の重複を避けるため、本実施形態の動作説明において詳細を明らかにする。通信回路106は、MCU105から入力された電力値を図示しないサーバに送信する。このサーバは、多くの電力計測装置100から送信される電力値を管理する装置である。
以上が、本実施形態による電力計測装置100の構成である。
図2は、本実施形態において行われる電力計測装置100の初期設定の手順を示す図である。この初期設定は、電力計測装置100の本稼働時に計測周期の制御等の各種の制御を行うために必要となるパラメータを電力計測装置100に予め設定する処理であり、電力計測装置100の出荷前に行われる。まず、電力線109に初期設定対象の電力計測装置100のカレントトランス101を装着し、電力線109に既知の交流電力を伝送させる。このとき、電力計測装置100のMCU105は、所定の計測周期で計測期間及び充電期間を繰り返し、1周期分の計測周期の計測期間内(すなわち、1サイクル分の計測期間内)にA/D変換器104から得られるA/D変換値と、充電期間に2次電池108に流れる充電電流を求め、両者間の関係を求める。そして、MCU105は、この両者間の関係に基づいて、計測期間内に得られるA/D変換値と、設定すべき計測周期とを対応付けるサンプリングテーブルを作成して不揮発性メモリに書き込む。以下、図2(a)〜(d)を参照して、この動作について説明する。
図2(a)は、この初期設定の動作における電力計測装置100の構成を示している。MCU105(図2(a)では図示略)は、計測期間中はスイッチ102によりカレントトランス101を計測回路103に接続し、充電期間中はスイッチ102によりカレントトランス101を充電回路107に接続する。
図2(b)は、計測期間および充電期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形を例示している。この例では時刻tにおいて計測期間から充電期間への切り換えが行われている。計測回路103および充電回路107をカレントトランス101の負荷として考えた場合、充電回路107は計測回路103よりも軽い負荷となっている。従って、充電期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅は、計測期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅よりも大きくなる。
ここで、充電期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅と、計測期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅との比は、充電回路107および計測回路103の負荷として重さの比により定まる。従って、計測期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅から充電期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅が定まる。また、充電期間に充電回路107によって2次電池108に流される充電電流の大きさは、充電期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形の振幅に依存する。従って、充電期間に充電回路107によって2次電池108に流される充電電流の大きさは、計測期間におけるカレントトランス101の出力電圧波形から求めることができる。そして、計測期間においてA/D変換器104から得られるA/D変換値は、計測期間内のカレントトランス101の出力電圧波形に比例した交流電圧波形を示すものとなる。従って、計測期間においてA/D変換器104から得られるA/D変換値に基づいて、充電期間に充電回路107によって2次電池108に流される充電電流の大きさを推定することができる。図2(c)には、このようにして計測期間内のA/D変換値から推定された充電電流iが例示されている。
ところで、充電期間は、この充電電流iの大きさに基づいて定めるべきである。何故ならば、電力計測装置100では、計測期間内に2次電池108の充電電荷のうちの一定量の電荷を消費することにより一定の電力量を消費する。そして、計測期間において消費される2次電池108の電荷を賄うのに必要な充電期間は、充電電流の平均値が大きくなる程短くなるからである。
そこで、本実施形態では、電力線109に各種の大きさの交流電力を伝送させる。そして、MCU105は、1種類の大きさの交流電流が伝送される都度、計測期間内にA/D変換器104から得られるA/D変換値よりカレントトランス101の出力電圧波形の振幅を推定し、その振幅の推定値から、計測期間において消費される2次電池108の電荷を賄うのに必要な充電期間を求める。さらにMCU105は、この充電期間に所定の時間長の計測期間を加えて計測周期を求める一方、計測期間内にA/D変換器104から得られるA/D変換値より代表値を求める。そして、MCU105は、電力線109を介して伝送された複数種類の大きさの交流電力の各々について求めたA/D変換値の代表値と計測周期を用いて、図2(d)に示すように、A/D変換値の代表値と計測周期とを対応付けるサンプリングテーブルを作成して不揮発性メモリに書き込むのである。なお、A/D変換値の代表値をどのように定めるかに関しては各種の態様が考えられるが、例えば、一定時間内のA/D変換値の実効値を代表値としてもよい。
また、初期設定において、MCU105は、計測回路103の安定時間を測定し、測定した安定時間を不揮発性メモリに設定する。ここで、図3(a)〜(c)を参照し、この安定時間の設定動作について説明する。図3(a)は電力計測装置100の構成の一部を示すブロック図であり、図3(b)はA/D変換器104が供給するA/D変換値を示すタイムチャートであり、図3(c)はMCU105から電源制御回路110のゲートに与えられるゲート電圧を示すタイムチャートである。まず、MCU105は、図3(c)に示すように、時刻tにおいて電源制御回路110をOFFからONに切り換える。これにより、2次電池108から計測回路103とA/D変換器104に電源電圧が供給されるようになる。しかし、図3(b)に示すように、時刻tにおいてA/D変換器104はMCU105に安定したA/D変換値を与えるわけではない。なぜなら、計測回路103の動作が不安定だからである。時刻tからある時間経過した時刻tになって、計測回路103の動作が安定し、A/D変換器104は安定したA/D変換値をMCU105に与えるようになる。そこで、MCU105は、時刻tから時刻tを引いた安定時間を算出し、不揮発性メモリに書き込む。
さらに、MCU105は、リファンレス計測用の計測期間とサンプリング回数(すなわち、A/D変換器104のA/D変換回数)とを不揮発性メモリに書き込む。リファレンス計測の詳細は後述するが、リファレンス計測用のサンプリング回数は、必ずしもサンプリングテーブルを作成した際の計測期間内のサンプリング回数と一致する必要はない。
以上が、電力計測装置100の初期設定である。
MCU105によって行われる電力計測装置100内の各部の制御の概略を説明する。図4は電力計測装置100の動作の概略を示すタイムチャートである。図4(a)は計測周期が計測期間と安定時間との合計よりも長いパターン1のタイムチャートであり、図4(b)は計測周期が計測期間と安定時間との合計以下であるパターン2のタイムチャートである。図4(a)と図4(b)に示すように電力計測装置100は計測周期を繰り返す。
MCU105は、新たな計測周期が始まると、まず、一定時間長の計測期間を開始する。この計測期間において、MCU105は、カレントトランス101をスイッチ102により計測回路103に接続し、計測回路103の出力電圧のA/D変換をA/D変換器104に実行させ、A/D変換器104から得られるA/D変換値に基づき、電力線109により伝送される交流電力を算出する。そして、計測期間が終了すると、MCU105は、充電期間を開始する。
図4(a)に示すパターン1では、計測期間が終了すると、MCU105は充電期間を開始し、カレントトランス101をスイッチ102により充電回路107に接続させ、充電回路107に2次電池108の充電を行わせる。また、MCU105は充電期間を開始すると、電源制御回路110をOFFとし、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104への電源電圧の供給を遮断する。次に、計測周期の終期から安定時間だけ前のタイミングになると、MCU105は安定時間と同じ時間長の安定化期間を開始し、電源制御回路110をONとし、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104への電源電圧の供給を再開する。この安定化期間は、計測回路103の動作を安定化させるための期間である。この安定化期間において、カレントトランス101はスイッチ102により充電回路107に接続されたままである。安定化期間が終了するまでに、計測回路103の動作が安定し、A/D変換器104から得られるA/D変換値が安定化する。そして、安定化期間が終了すると同時に充電期間も終了し、計測周期も終了する。そして、新たな計測周期の計測期間が始まる。MCU105は、新たな計測周期の計測期間が始まると、カレントトランス101をスイッチ102により計測回路103に接続する。
図4(b)に示すパターン2では、計測期間と安定時間の合計が計測周期以上であるので、安定化期間を設けることができない。この場合、計測期間が終了すると、MCU105は充電期間を開始する。この充電期間では、MCU105は、上述と同様に2次電池108の充電を行わせる。ただし、この時には、MCU105は電源制御回路110をOFFとせず、ONを維持したままである。すなわち、パターン2では、計測周期の全期間にわたって、MCU105は電源制御回路110をOFFとすることがなく、常にONとする。充電期間が終了すると、それと同時に計測周期も終了し、新たな計測周期の計測期間が始まる。MCU105は、上述と同様に、新たな計測周期の計測期間が始まると、カレントトランス101をスイッチ102により計測回路103に接続する。
本実施形態では、充電期間においてA/D変換を行わないので、2次電池108から計測回路103とA/D変換器104への電源電圧の供給を停止した方が消費電力を低減できて有利である。そのため、パターン1では、各計測周期において充電期間が開始されると、MCU105は、電源制御回路110をOFFとし、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104を切り離す。従って、電力計測装置100の消費電力を低減することができる。また、このパターン1では、計測周期の終期の安定時間だけ前のタイミングにおいて電源制御回路110をONとし、2次電池108を計測回路103およびA/D変換器104に接続する。従って、計測回路103の動作が安定したタイミングにおいて計測期間を開始することができ、電力線109の電力の計測精度を高めることができる。なお、パターン1において、充電期間中の全期間において計測回路103とA/D変換器104への電源電圧の供給を続行させてもよいが、その場合には、充電期間中の消費電力が増すために充電期間を長くせざるを得なくなり、結果的に計測周期も長くなる。そのため、電力計測装置100の測定精度が低下する。
次に、電力計測装置100の計測動作について説明する。図5は、MCU105が実行するメインプログラムの処理内容を示すフローチャートである。MCU105は、プログラムカウンタをRESETし(ステップS101)、ROM内の所定アドレスに格納されたイニシャル処理プログラムを実行して、RAM内に各種の制御用レジスタ、タイマ等を設定し、計測期間の値をRAMに格納する(ステップS102)。次にMCU105は、不揮発性メモリからサンプリングテーブルを読み出して、RAMに格納する(ステップS103)。さらにMCU105は、不揮発性メモリから安定時間を読み出して、RAMに格納する(ステップS104)。
次に、MCU105は、リファレンス計測を行う(ステップS105)。詳述すると、MCU105は、不揮発性メモリからリファレンス計測用の計測期間とサンプリング回数とを読み出して、RAMに格納する。そして、MCU105は、スイッチ102により、カレントトランス101の接続先を充電回路107から計測回路103に切り換え、リファレンス計測用の計測期間を開始する。このリファレンス計測用の計測期間において、MCU105は、リファレンス計測用のサンプリング回数分だけ計測回路103の出力電圧のA/D変換をA/D変換器104に行わせ、リファレンス計測用のA/D変換値を取得する。そして、取得したリファレンス計測用のA/D変換値を用いてA/D変換値の代表値を算出する。A/D変換値の代表値は、上述したように、例えばA/D変換値の実効値である。
次にMCU105は、RAM内のサンプリングテーブルを参照し、算出したA/D変換値の代表値に対応付けられた計測周期を読み出す。そして、この読み出した計測周期をRAM内に設定する(ステップS106)。
次にMCU105は、通常計測処理を実行する(ステップS107)。図6は、図5のステップS107において実行される通常計測処理の処理内容を示すフローチャートである。この通常計測処理において、MCU105は、まず、Sleep処理を実行する(ステップS201)。
図7は、このSleep処理の処理内容を示すフローチャートである。このSleep処理では、まず、MCU105は、スイッチ102に制御指令を与え、カレントトランス101の接続先を計測回路103から充電回路107に切り換え、2次電池108の充電を開始させる(ステップS211)。次に、MCU105は、図示しないクロックジェネレータがMCU105に供給するクロックを周波数の高いメインクロックから周波数の低いサブクロックに切り換え、自らをSleepモードにする(ステップS212)。そして、MCU105は、RAM内に設定された計測周期が計測期間と安定時間の合計よりも長いか否かを判断する(ステップS213)。
この判断結果が「YES」である場合、上述したパターン1に該当し、安定化期間を設けることが可能である。この場合、MCU105は、まず、電源制御回路110をOFFとし、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104への電源電圧の供給を遮断する(ステップS214)。次にMCU105は、RAM内に設定された計測周期から計測期間と安定時間とを差し引いた値をタイマ値としてタイマのコンペアレジスタに設定してタイマの計時を開始させる(ステップS215)。そして、MCU105は、タイマが計時を終了してインターバル割り込みの発生が生じたか否かを判断する(ステップS216)。この判断結果が「NO」である場合には、MCU105は、ステップS216の判断を繰り返す。インターバル割り込みが発生してステップS216の判断結果が「YES」になると、MCU105は、電源制御回路110をONとし、2次電池108から計測回路103およびA/D変換器104への電源電圧の供給を再開させる(ステップS217)。次にMCU105は、安定時間をタイマ値としてタイマのコンペアレジスタに設定してタイマの計時を開始させる(ステップS218)。そして、MCU105は、タイマが計時を終了してインターバル割り込みの発生が生じたか否かを判断する(ステップS219)。この判断結果が「NO」である場合には、MCU105は、ステップS219の判断を繰り返す。インターバル割り込みが発生してステップS219の判断結果が「YES」になると、MCU105は、Sleep処理(ステップS201)を終了する。
一方、ステップS213の判断結果が「NO」である場合、パターン2に該当し、安定化期間を設けることができない。この場合、MCU105は、電源制御回路110をONのまま維持し、2次電池108から計測回路103とA/D変換器104への電源電圧の供給を継続した状態で、RAM内に設定された計測周期から計測期間を差し引いた充電期間をタイマ値としてタイマのコンペアレジスタに設定してタイマの計時を開始させる(ステップS220)。そして、MCU105は、タイマが計時を終了してインターバル割り込みの発生が生じたか否かを判断する(ステップS221)。この判断結果が「NO」である場合には、MCU105は、ステップS221の判断を繰り返す。インターバル割り込みが発生してステップS221の判断結果が「YES」になると、MCU105は、Sleep処理(ステップS201)を終了する。
図6に示すように、MCU105は、Sleep処理(ステップS201)を終了すると、次に計測処理を実行する(ステップS202)。図8は、図6のステップS202において実行される計測処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、MCU105は、クロックをサブクロックからメインクロックに切り換え、自らを計測モードにし(ステップS301)、スイッチ102に制御指令を与え、カレントトランス101の接続先を充電回路107から計測回路103に切り換える(ステップS302)。次にMCU105は、計測を行い、計測対象である電力線109の1周期分の電流値に相当するA/D変換値を取得する(ステップS303)。次に、MCU105は、取得したA/D変換値から電力線109の電流値を算出し、この電流値と電圧測定回路から得られる電力線109の電圧値を乗算して電力値を算出する(ステップS304)。さらに、MCU105は、取得したA/D変換値からA/D変換値の代表値を算出し、そのA/D変換値の代表値を基にRAM内のサンプリングテーブルを参照し、このA/D変換値の代表値に対応付けられた計測周期を読み出す。そして、この読み出した計測周期をRAM内に設定し(ステップS306)、計測処理(ステップS202)を終了する。
図6に示すように、MCU105は、計測処理(ステップS202)を終了すると、図5の通常計測処理(ステップS107)を終了する。
図5において、通常計測処理(ステップS107)が終了すると、MCU105は、RESET操作が行われたか否かを判断する(ステップS108)。この判断結果が「YES」である場合、MCU105は、ステップS101からステップS106の処理を行って、通常計測処理(ステップS107)に進む。一方、ステップS108の判断結果が「NO」である場合、MCU105は、通常計測処理(ステップS107)を繰り返す。なお、RESET操作とは、具体的には、電力計測装置100の筐体に設けられたRESETボタンの押下またはサーバからのRESET信号の受信である。
以上が、電力計測装置100の計測動作である。
このように、本実施形態によれば、計測期間において得られたA/D変換値に基づいて計測周期が設定されるため、電力線を介して供給される電力の変動が激しい状況においても電力計測装置100を電力不足に陥らせることなく稼働を継続させ、電力の計測を継続させることができる。また、本実施形態によれば、安定時間と計測期間の和よりも計測周期が長い場合に、計測期間が始まる前に計測回路103の安定時間と同じ時間長の安定化期間だけ計測回路103およびA/D変換器104への電力供給を遮断するので、電力計測装置100の消費電力量を節約し、計測周期を長くすることができる。
<第2実施形態>
図9は、この発明の第2実施形態である電流計測装置200の構成を示すブロック図である。電流計測装置200は、電力線109を介して供給される電流値のみを計測する。図9では、図1におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図9と図1を比較すれば明らかなように、電流計測装置200は、スイッチ102を廃し、カレントトランス101と計測回路103の間に全波整流回路201を設け、計測回路103と充電回路107を直列に接続した点が電力計測装置100と異なっている。
全波整流回路201は、カレントトランス101が出力する交流電流を全波整流し、この結果得られる直流電流を計測回路103および充電回路107に供給する。計測回路103は、全波整流回路201から供給される直流電流に応じた直流電圧を出力する。A/D変換器104は、計測回路103が出力する直流電圧をサンプリングしてA/D変換し、A/D変換値を出力する。MCU105は、A/D変換器104が算出したA/D変換値から電力線109の電流の実効値を算出し、通信回路106に出力する。充電回路107は、全波整流回路201から供給される直流電流に応じた充電電流を2次電池108に供給し、2次電池108の充電を行う。
2次電池108の充電は、計測期間および充電期間の両方において行われる。計測期間では、A/D変換器104がA/D変換を行うが、充電期間では、A/D変換器104がA/D変換を行わない。従って、充電期間では、計測期間よりも消費電力が小さい。2次電池108の充電電圧を高く維持するためには、2次電池108に流す充電電流を大きくするか、計測周期に対して占める充電期間の比率を高くする必要がある。ここで、2次電池108に流れる充電電流は、計測期間において得られるA/D変換値に依存する。そこで、計測期間において得られるA/D変換値に基づいて、計測周期(すなわち、計測期間と充電期間の合計)を調整する。さらに詳述すると、計測期間において得られるA/D変換値が大きい場合、2次電池108に対する充電電流が大きいので、計測周期を短くして、計測周期に対して占める充電期間の比率を小さくする。一方、計測期間において得られるA/D変換値が小さい場合、2次電池108に対する充電電流が小さいので、計測周期を短くして計測周期に対して占める充電期間の比率を大きくする。
MCU105の初期設定は第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、充電回路107は計測回路103と直列に接続されている。そのため、第1実施形態では、計測期間が終了してから充電期間を開始していたが、本実施形態では、計測期間においても2次電池108を充電する。従って、本実施形態の電流計測装置200の計測周期は、第1実施形態の電力計測装置100の計測周期よりも短くなり、測定精度が向上する。
MCU105の動作も第1実施形態とほぼ同様であるが、本実施形態では、MCU105が実行するSleep処理および計測処理に第1実施形態と異なるところがある。詳述すると、本実施形態ではスイッチ102がないので、Sleep処理では図7に示すステップS211の処理内容が存在せず、計測処理では図8に示すステップS302の処理内容が存在しない。さらに、本実施形態は電流計測装置200であるので、計測処理での図8に示すステップS304では、MCU105はA/D変換値から電流値を算出する。これら以外は、MCU105の動作は第1実施形態と同様である。計測周期が計測期間と安定時間との合計よりも長い場合、すなわち図4(a)のパターン1の場合、MCU105は、計測期間の終了タイミングと、計測周期の終期から安定時間だけ前のタイミングとの間の期間、電源制御回路110をOFFとし、それ以外の期間、電源制御回路110をONとする。一方、計測周期が計測期間と安定時間との合計以下である場合、すなわち図4(b)のパターン2の場合、MCU105は、電源制御回路110を常にONとする。
以上のように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
100……電力計測装置、101……カレントトランス、102……スイッチ、103……計測回路、104……A/D変換器、105……MCU、106……通信回路、107……充電回路、108……2次電池、109……電力線、110……電源制御回路、200……電流計測装置、201……全波整流回路。

Claims (5)

  1. 計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を発生してキャパシタに充電し、前記キャパシタを電源として前記電力線が供給する電力を計測する電力計測装置において、
    設定された計測周期で前記電力線に流れる電流値を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測される電流値に基づいて、前記電力線が供給する電力を算出するとともに、前記計測周期を設定する制御手段と
    を具備することを特徴とする電力計測装置。
  2. 前記計測手段は、
    前記電力線に流れる電流に応じた電流を出力するカレントトランスと、
    前記カレントトランスが出力する電流に応じた電圧を出力する計測回路と、
    前記計測回路が出力する電圧をA/D変換するA/D変換器と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の電力計測装置。
  3. 前記キャパシタから前記計測手段への電源電圧の供給の制御を行う電源制御回路を具備し、
    前記制御手段は、前記計測が終了してから前記計測周期の終期よりも前記計測回路の安定化に要する時間だけ前のタイミングまでの期間、前記電源制御回路により前記キャパシタから前記計測手段への電源電圧の供給を遮断することを特徴とする請求項2に記載の電力計測装置。
  4. 前記A/D変換器が出力するA/D変換値と前記計測周期とを対応付けるサンプリングテーブルを記憶する記憶手段を具備し、
    前記制御手段は、前記サンプリングテーブルを参照することにより、前記計測周期を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の電力計測装置。
  5. 計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を発生してキャパシタに充電し、前記キャパシタを電源として前記電力線が供給する電流を計測する電流計測装置において、
    設定された計測周期で前記電力線に流れる電流値を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測される電流値に基づいて、前記計測周期を設定する制御手段と
    を具備することを特徴とする電流計測装置。
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