JP2016142406A - トルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】組み立て易くて、製造コストを低減でき、かつ、肉厚も確保し易くて、加工もし易く、かつ、摩擦係合面に適切な摩擦力を生成できて、液圧拡張室を画定するための溶接部の破断も抑制できるトルクリミッタを提供すること。【解決手段】筒部材2および軸部材1の夫々を、一体不可分の部材とする。筒部材2が、第1環状部61および第2環状部62を有するようにし、第1環状部61と第2環状部62とを、油圧拡張室26の一端側において、環状の第1溶接部71によって溶接接合する一方、油圧拡張室26の他端側において、環状の第2溶接部72によって溶接接合する。第1環状部61と第2環状部62とが、第1溶接部71および第2溶接部72の夫々において、筒部材2の軸方向に重なるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、トルクリミッタに関する。
従来、トルクリミッタとしては、特開2011−185401号公報(特許文献1)に記載されているものがある。図4は、その従来のトルクリミッタの軸方向の模式断面図である。
このトルクリミッタは、軸部材202の外周面220に筒部材201の内周面221を外嵌した上で、筒部材201の環状の油圧拡張室226に油を供給することによって、油圧拡張室226の油で筒部材201の内周面221を縮径するようになっている。そして、その縮径によって内周面221を軸部材202の外周面220に押し付けて、軸部材202と筒部材201とを摩擦結合することによって、トルクを伝達するようになっている。このトルクリミッタは、シャーバルブ206で油圧拡張室226内の油をシールしている。
軸部材202または筒部材201に所定値以上の負荷がかかって、筒部材201の内周面221が軸部材202の外周面220に対してスリップして、軸部材202に対して筒部材201が相対回転したときに、軸部材202の切断部209でシャーバルブ206の径方向外側の端部261を切断して、油圧拡張室226の油を外部に排出するようになっている。これにより、筒部材201の内周面221による軸部材202の外周面220の押圧を解除して、軸部材202と筒部材201の摩擦結合を解いて、トルクの伝達を遮断している。
このトルクリミッタは、筒部材201を、油圧拡張室226を有する第1の筒部材211と、摩擦係合面を有する第2の筒部材210とで構成している。第1の筒部材211は、二つの筒部材250,251を軸方向の一方側と他方側の二箇所で環状に溶接して形成されている。油圧拡張室226は、一方側の環状の溶接部270と、他方側の環状の溶接部271との間に設けられている。第1の筒部材211の内周面224で第2の筒部材210の外周面223を押圧することによって、第2の筒部材210の摩擦係合面(内周面221のこと)を軸部材202の摩擦係合面(外周面220のこと)と摩擦係合している。
このトルクリミッタは、筒部材201を二つの部材で構成しているから、油圧拡張室226の拡張で生じる力を、摩擦係合面に効率よく伝達できて、摩擦係合面に大きな摩擦力を生成できる。
2011−185401号公報
本発明者は、上記従来のトルクリミッタに関して次の課題を見出した。
すなわち、上記従来のトルクリミッタでは、筒部材201を二つの部材210,211で構成する必要があるから、製造コストが高いという問題がある。また、第1の筒部材211と第2の筒部材210とを冷やし嵌め等で嵌合しなければならないから、筒部材201のサイズが大きくなると、二つの筒部材210,211の加工や組立が難しくなる。また、筒部材201を、第1の筒部材211と、第2の筒部材210とで構成して部品点数が多いから、第1および第2の筒部材210,211の夫々の肉厚が薄くなる。したがって、第1および第2の筒部材210,211の肉厚が薄いことに起因して、第1および第2の筒部材210,211が加工時に歪み易くなり、第1および第2の筒部材210,211の加工が難しい。
一方、これらの問題を回避すべく、筒部材を一つの部材のみで構成した場合、摩擦係合面に十分な摩擦力を生じさせるため、筒部材を二部品で構成した場合との比較において、油圧拡張室内の油の圧力を高圧に設定する必要がある。しかしながら、この場合、油の圧力が高いことに起因して、油圧拡張室を形成する溶接部が破断し易くなる。
そこで、本発明の課題は、組み立て易くて、製造コストを低減でき、かつ、肉厚も確保し易くて、加工もし易く、かつ、摩擦係合面に適切な摩擦力を生成できて、液圧拡張室を画定するための溶接部の破断も抑制できるトルクリミッタを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のトルクリミッタは、
軸部材と、
この軸部材に外嵌した筒部材と
を備え、
上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、一体の部材であって、上記一方の部材は、その一方の部材と、上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材との間でトルクの伝達を行うときに、上記他方の部材の周面に押し付けられる周面と、その周面を上記他方の部材の周面に押し付けるための液圧拡張室とを有し、
上記一方の部材は、第1環状部と、上記第1環状部に上記液圧拡張室を介して対向する第2環状部とを有して、上記第1環状部と、上記第2環状部とは、上記液圧拡張室の一端側において、環状の第1溶接部によって溶接接合される一方、上記液圧拡張室の他端側において、環状の第2溶接部によって溶接接合され、
上記第1溶接部および上記第2溶接部の夫々において、上記第1環状部と上記第2環状部とは、上記一方の部材の軸方向に重なっていることを特徴としている。
尚、上記軸方向に重なるとは、軸方向から見たときに重なっていることを意味するものである。
後の実施例で詳述するように、本発明者は、公知の残留応力検査装置で、トルクリミッタの溶接部の周辺の応力を検査した。その結果、液圧拡張室の端部につながる液溜りの軸方向の角部に大きな引っ張り応力が生じていることを突き止めた。
本発明によれば、第1環状部と第2環状部とを溶接する第1および第2溶接部において、第1環状部と第2環状部とが、一方の部材の軸方向に重なっているから、第1および第2溶接部の夫々が、応力が高い上記液溜りの軸方向の角部から離れた位置に配置されることになる。したがって、第1および第2溶接部が破断しにくくなるから、液圧拡張室が従来よりも大きな液圧に耐えることができ、液圧拡張室の液圧を上げることができる。したがって、従来二部品で構成していた一方の部材を組み立てや加工が容易な一体不可分な一部品としても、摩擦係合面で十分な摩擦力を得ることができる。したがって、組み立て性および加工性を向上できて、製造コストを低減でき、かつ、押し付けられる周面に適切な摩擦力を生成できて、液圧拡張室を画定するための溶接部の破断も抑制できる。
また、一実施形態では、
上記一方の部材は、上記筒部材であり、
上記液圧拡張室は、上記筒部材の軸方向に延在し、
上記筒部材は、上記液圧拡張室の上記軸方向の一方側に連通すると共に、上記軸方向に延在する一方側液溜りを有すると共に、上記液圧拡張室の上記軸方向の他方側に連通すると共に、上記軸方向に延在する他方側液溜りを有し、
上記第1溶接部は、上記筒部材の外周面および上記一方側液溜りの内面に露出する一方、上記第2溶接部は、上記筒部材の内周面および上記他方側液溜りの内面に露出し、
上記筒部材の外周面において上記第1溶接部が露出している部分の外径は、上記筒部材の外周面において上記第2溶接部に上記筒部材の径方向に重なる部分の外径よりも小さい。
尚、上記径方向に重なるとは、径方向から見たとき重なることを意味するものである。
上記実施形態によれば、第1溶接部が、一方側液溜りの内面に露出し、一方側液溜りの内面にまで到達しているから、第1溶接部の強度を大きくできて、第1溶接部の破断を更に抑制できる。また、同様に、第2溶接部が、他方側液溜りの内面に露出し、他方側液溜りの内面にまで到達しているから、第2溶接部の強度を大きくできて、第2溶接部の破断を更に抑制できる。
また、上記実施形態によれば、筒部材の外周面において第1溶接部が露出している部分の外径が、筒部材の外周面において第2溶接部に筒部材の径方向に重なる部分の外径よりも小さいから、筒部材の材料コストを低減できると共に、第1溶接部を一方側液溜りの内面に容易に到達させることができる。
また、一実施形態では、
上記筒部材の内周面において上記第2溶接部が露出している部分は、上記軸部材に対して間隔をおいて位置している。
上記実施形態によれば、上記筒部材の内周面において第2溶接部が露出している部分は、軸部材に対して間隔をおいて位置しているから、第2溶接部が上記押し付けられる周面に露出することがなくて、第2溶接部が上記押し付けられる周面の一部を構成することがない。したがって、押し付けられる周面の材料特性の均質性を維持できて、押し付けられる周面に確実かつ十分な摩擦力を生成できる。
本発明のトルクリミッタによれば、組み立て性を向上できて、製造コストを低減でき、かつ、肉厚も確保し易くて、加工もし易く、かつ、摩擦係合面に適切な摩擦力を生成できて、液圧拡張室を画定するための溶接部の破断も抑制できる。
本発明の一実施形態のトルクリミッタの軸方向の模式断面図である。 残留応力検査装置で、トルクリミッタの油溜りの周辺の応力を検査したときの一検査結果を示す図である。 残留応力検査装置で、トルクリミッタの油溜りの周辺の応力を検査したときの一検査結果を示す図である。 従来のトルクリミッタの軸方向の模式断面図である。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のトルクリミッタの軸方向の模式断面図である。
このトルクリミッタは、一体不可分の軸部材1と、一体不可分の筒部材2と、シャーバルブ6と、玉軸受17および玉軸受18とを有する。上記筒部材2は、一方の部材を構成し、軸部材1は、他方の部材を構成している。
上記軸部材1は、略円筒状の外周面20を有する本体部8と、本体部8の外面から突出する断面略L字形状の切断部9とを有する。上記筒部材2は、軸部材1の外周面20に当接する略円筒状の内周面21を有する。筒部材2の内周面21は、他方の部材の周面に押し付けられる周面を構成し、軸部材1の外周面20は、他方の部材の周面を構成している。上記軸部材1の外周面20と、筒部材2の内周面21との間には、焼付き防止用の潤滑油が塗布されている。
上記筒部材2は、シャーバルブ取付穴50と、略筒部材2の軸方向に延在する環状の油圧拡張室26とを有する。油圧拡張室26は、液圧拡張室を構成している。上記シャーバルブ6は、シャーバルブ取付穴50に嵌入されている。上記シャーバルブ6は、一端部のみが開口したチューブ27を有している。このチューブ27は、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴50に嵌入されている状態で、略軸部材1の径方向に延在している。また、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴50に嵌入されている状態でチューブ27の閉鎖側の他端部は、筒部材2の外周面よりも径方向の外方に突出している。上記チューブ27の閉鎖側とは反対側の開口は、油圧拡張室26に連通している。上記シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴50に嵌入されている状態で、シャーバルブ6の他端部は、筒部材2の外周面よりも径方向の外方に突出している。
上記断面略L字形状の切断部9は、径方向延在部30と、軸方向延在部31とを有する。上記径方向延在部30は、略径方向に延びると共に、筒部材2の端面に軸方向に対向している。一方、上記軸方向延在部31は、径方向延在部30の径方向の外方の端部につながっている。上記軸方向延在部31は、筒部材2の外周面に沿って軸方向に延在している。上記シャーバルブ6の上記他端部は、切断部9の軸方向延在部31に周方向に重なっている。
上記筒部材2は、第1環状部61と、第1環状部61に油圧拡張室26を介して対向する第2環状部62とを有する。上記第1環状部61と、第2環状部62とは、油圧拡張室26の一端側において、環状の第1溶接部(溶接の溶け込み部)71によって溶接接合される一方、油圧拡張室26の他端側において、環状の第2溶接部(溶接の溶け込み部)72によって溶接接合されている。図1に示すように、上記第1溶接部71および第2溶接部72の夫々において、第1環状部61と第2環状部62とは、筒部材2の軸方向に重なっている(筒部材2の軸方向から見たときに重なっている)。
上記筒部材2は、一方側液溜りとしての一方側油溜り81と、他方側液溜りとしての他方側油溜り82とを有する。図1に示すように、上記一方側油溜り81は、油圧拡張室26の軸方向の一方側に連通する一方、他方側油溜り82は、油圧拡張室26の軸方向の他方側に連通している。上記一方側油溜り81および他方側油溜り82の夫々は、軸方向に延在している。図1に示すように、上記第1溶接部71は、筒部材2の外周面28および一方側油溜り81の内面の径方向の外方側に露出する一方、第2溶接部72は、筒部材2の内周面29および他方側油溜り82の内面の径方向の内方側に露出している。
図1に示すように、筒部材2の外周面28において第1溶接部71が露出している部分91の外径は、筒部材2の外周面28において第2溶接部72に筒部材2の径方向に重なる部分(筒部材2の径方向から見たときに重なる部分)92の外径よりも小さくなっている。筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出している部分93の内径は、筒部材2の内周面21の内径と一致している。一方、軸部材1の外周面が、外径が大きい外周面(摩擦係合面)20と、それよりも外径が小さい外周面部25とを有し、その外径が小さい外周面部25が、筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出する部分93に径方向に対向している。上記筒部材2の内周面29において第2溶接部が露出している部分93は、軸部材1に対して間隔をおいて位置している。
上記玉軸受17は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪40と、筒部材2の内面に内嵌固定された外輪41と、内輪40の軌道面と外輪41の軌道面と間に配置された玉42とを有している。また、上記玉軸受18は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪44と、筒部材2の内面に内嵌固定された外輪45と、内輪44の軌道面と外輪45の軌道面と間に配置された玉46とを有している。上記玉軸受17および18は、軸部材1が筒部材2に対して相対回転しているとき、軸部材1を筒部材2に対して回転自在に支持するようになっている。図1において、51,52は、シール部材を示す。シール部材51は、玉軸受17の軸方向の一方側の開口をシールし、シール部材52は、玉軸受18の軸方向の他方側の開口をシールしている。
上記構成において、軸部材1または筒部材2に所定値以下の負荷(トルクの伝達を行う範囲の負荷)がかかっている場合には、図示しないカプラを介して油圧拡張室26に注入されたのち密封された油圧拡張用の油で、筒部材2の内周面21(筒部材2の摩擦係合面に対応)を縮径して内周面21を軸部材1の外周面20(軸部材1の摩擦係合面に対応)に押し付けて、筒部材2の内周面21と、軸部材1の外周面20とを摩擦結合して軸部材1と筒部材2との間でトルクを伝達する。筒部材2の内周面21および軸部材1の外周面20の夫々は、摩擦係合面を構成している。
一方、軸部材1または筒部材2に所定値以上の負荷(トルクの伝達を行う範囲よりも大きな負荷)がかかって、軸部材1の外周面20が、筒部材2の内周面21に対してスリップして、軸部材1と筒部材2の軸回りの位置が変化した場合、切断部9がシャーバルブ6の上記他端部を切断して、油圧拡張室26内の油圧拡張用の油を、他端部が切断されたシャーバルブ6を介して外部に排出するようになっている。このようにして、軸部材1の外周面20に対する筒部材2の内周面21の押圧力をなくして、軸部材1と筒部材2の摩擦結合を解いてトルクの伝達を遮断するようになっている。このようにして、軸部材1または筒部材2に過負荷が生じた場合において、トルクの伝達を遮断して、トルクリミッタ装置に連結されている高価な機械を保護している。
図2および図3は、公知の残留応力検査装置で、トルクリミッタの油溜り181の周辺の応力を検査したときの一検査結果を示す図である。尚、図2および図3に示す油溜り181は、上記実施形態の一方側油溜り81に対応する油溜りである。また、図2および図3を参照して、右上のコラムにおいて矢印Aの向き(紙面の下側)で示すハッチングほど、引っ張り応力が高い部分を示している。
図2および図3に示すように、油圧拡張室126の軸方向に連通する軸方向に延在する油溜り181において、大きな応力(引っ張り応力)が軸方向の油圧拡張室126側とは反対側の湾曲部141に生成している。一方、図3に示すように、油溜り181の径方向の外方側の面151と、油溜り181の径方向の内方側の面152の周辺には、大きな応力が生成していない。したがって、油溜り181の径方向の外方側や内方側で溶接を行うと、その溶接部の破断を抑制できる。
上記実施形態によれば、第1環状部61と第2環状部62とを溶接する第1および第2溶接部71,72において、第1環状部61と第2環状部62とが、筒部材2の軸方向に重なっているから、第1および第2溶接部71,72の夫々を、油溜り81,82の径方向の外方側や内方側に配置できて、第1および第2溶接部71,72の夫々が、応力が高い油溜り81,82の軸方向の油圧拡張室26側とは反対側の湾曲部から離れた位置に配置されることになる。したがって、第1および第2溶接部71,72が破断しにくくなるから、油圧拡張室26が従来よりも大きな油圧に耐えることができ、油圧拡張室26の油の油圧を上げることができる。したがって、従来二部品で構成していた筒部材および軸部材のうちの一方の部材を、組み立てが容易な一体不可分な一部品としても、摩擦係合面20,21で十分な摩擦力を得ることができる。したがって、組み立て性を向上できて、製造コストを低減でき、かつ、摩擦係合面20,21に適切な摩擦力を生成できて、油圧拡張室26を画定するための溶接部71,72の破断も抑制できる。
また、従来二部品で構成していた、筒部材2を一部品とできるから、一方の筒部品と他方の筒部品との合わせ面の研磨加工が必要なく、組立が簡単になる。また、詳述しないが、従来との対比において、一方の筒部材に対して他方の筒部材を位置決めするための鍔部も省略できる。したがって、製造コストも低減できる。また、従来二部品で構成していた、筒部材を一部品とできるから、径方向の寸法も低減できて、径方向の寸法をコンパクトにできる。また、従来と異なり、油圧拡張室の両端の油溜りが軸方向に延在するため、油圧拡張室の径方向の大きさが少なくなり、結果として径方向の寸法を低減できる。このことから、材料費、加工費を低減できる。また、軸方向の一方側の溶接箇所を、筒部材2の軸方向の端面から筒部材2の外周面に変更できて、加工し易い構造とできる。
また、上記実施形態によれば、第1溶接部71が、一方側油溜り81の内面に露出し、一方側油溜り81の内面にまで到達しているから、第1溶接部71の強度を大きくできて、第1溶接部71の破断を更に抑制できる。また、同様に、第2溶接部72が、他方側油溜り82の内面に露出し、他方側油溜り82の内面にまで到達しているから、第2溶接部72の強度を大きくできて、第2溶接部72の破断を更に抑制できる。
また、上記実施形態によれば、筒部材2の外周面28において第1溶接部71が露出している部分91の外径が、筒部材2の外周面28において第2溶接部71に筒部材2の径方向に重なる部分92の外径よりも小さいから、筒部材2の材料コストを低減できると共に、第1溶接部71を一方側油溜り81の内面に容易に到達させることができる。
また、上記実施形態によれば、筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出している部分93は、軸部材1に対して間隔をおいて位置しているから、第2溶接部72が筒部材2の内周面(摩擦係合面)21に露出することがなくて、第2溶接部72が筒部材2の内周面(摩擦係合面)21の一部を構成することがない。したがって、内周面(摩擦係合面)21の材料特性の均質性を維持できて、摩擦係合面である軸部材1の外周面20および筒部材2の内周面21に確実かつ十分な摩擦力を生成できる。
また、上記実施形態によれば、筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出している部分が、筒部材2の摩擦係合面21よりも径方向の外方側に位置しているから、筒部材2の材料コストを低減できると共に、第2溶接部72を他方側油溜り82の内面に容易に到達させることができる。
尚、上記実施形態では、第1および第2溶接部(溶接部の溶け込み部)71,72の夫々が、油溜り81,82の内面に露出し、油溜り81,82に到達していた。しかし、第1および第2溶接部(溶接部の溶け込み部)の一方または両方は、油溜りの内面に露出しなくてもよく、油溜りに到達しなくてもよい。
また、上記実施形態では、筒部材2の外周面28において第1溶接部71が露出している部分91の外径が、筒部材2の外周面28において第2溶接部71に筒部材2の径方向に重なる部分92の外径よりも小さくなっていた。しかし、筒部材の外周面において第1溶接部が露出している部分の外径が、筒部材の外周面において第2溶接部に筒部材の径方向に重なる部分の外径と同一であってもよく、または、それよりも大きくてもよい。
また、上記実施形態では、軸部材1の外周面が、外径が大きい摩擦係合面20と、それよりも外径が小さい外周面部25とを有し、その外径が小さい外周面部25が、筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出する部分に間隔をおいた状態で径方向に対向するようにして、筒部材2の内周面29において第2溶接部72が露出する部分93が、軸部材1に接触しないようにした。しかし、筒部材の内周面が、内径が大きい、第2溶接部が露出する部分と、それよりも内径が小さい摩擦係合面とを有して、第2溶接部が露出する部分が、軸部材に接触しないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、筒部材2が一方の部材で、筒部材2にシャーバルブ取付穴50と、油圧拡張室26とが存在する一方、軸部材1が他方の部材で、軸部材1にシャーバルブ6の片側の端部を切断する切断部9が存在した。しかし、軸部材が一方の部材で、軸部材にシャーバルブ取付穴と、液圧拡張室とが存在する一方、筒部材が他方の部材で、筒部材にシャーバルブの片側の端部を切断する切断部が存在してもよい。尚、この構成は、例えば、軸部材に、軸部材の軸方向の端面に軸方向に開口しているシャーバルブ取付穴を設ける一方、筒部材に、軸部材の上記端面に沿うように径方向に延在する部分を設け、更に、その径方向に延在する部分の先端部に、シャーバルブ取付穴に嵌め込まれたシャーバルブにおいて軸部材の上記端面から軸方向に突出している端部に、軸部材の周方向に重なる切断部を設けることによって、容易に実現できる。
また、上記実施形態では、油圧拡張室26が環状の室であったが、液圧拡張室は、環状でなくてもよい。また、上記実施形態では、液圧拡張室としての油圧拡張室26に充填された液体が油であったが、液圧拡張室に充填される液体は、水等、油以外の如何なる液体でもよい。また、上記実施形態および変形例で説明した全ての構成のうちの二以上の構成を組み合わせて新たな実施形態を構築できることは、勿論である。
1 軸部材
2 筒部材
6 シャーバルブ
26 油圧拡張室
61 筒部材の第1環状部
62 筒部材の第2環状部
71 筒部材の第1溶接部
72 筒部材の第2溶接部
81 筒部材の一方側油溜り
82 筒部材の他方側油溜り
91 筒部材の外周面において第1溶接部が露出している部分
92 筒部材の外周面において第2溶接部に筒部材の径方向に重なる部分
93 筒部材の内周面において第2溶接部が露出している部分

Claims (3)

  1. 軸部材と、
    この軸部材に外嵌した筒部材と
    を備え、
    上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、一体の部材であって、上記一方の部材は、その一方の部材と、上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材との間でトルクの伝達を行うときに、上記他方の部材の周面に押し付けられる周面と、その周面を上記他方の部材の周面に押し付けるための液圧拡張室とを有し、
    上記一方の部材は、第1環状部と、上記第1環状部に上記液圧拡張室を介して対向する第2環状部とを有して、上記第1環状部と、上記第2環状部とは、上記液圧拡張室の一端側において、環状の第1溶接部によって溶接接合される一方、上記液圧拡張室の他端側において、環状の第2溶接部によって溶接接合され、
    上記第1溶接部および上記第2溶接部の夫々において、上記第1環状部と上記第2環状部とは、上記一方の部材の軸方向に重なっていることを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 請求項1に記載のトルクリミッタにおいて、
    上記一方の部材は、上記筒部材であり、
    上記液圧拡張室は、上記筒部材の軸方向に延在し、
    上記筒部材は、上記液圧拡張室の上記軸方向の一方側に連通すると共に、上記軸方向に延在する一方側液溜りを有すると共に、上記液圧拡張室の上記軸方向の他方側に連通すると共に、上記軸方向に延在する他方側液溜りを有し、
    上記第1溶接部は、上記筒部材の外周面および上記一方側液溜りの内面に露出する一方、上記第2溶接部は、上記筒部材の内周面および上記他方側液溜りの内面に露出し、
    上記筒部材の外周面において上記第1溶接部が露出している部分の外径は、上記筒部材の外周面において上記第2溶接部に上記筒部材の径方向に重なる部分の外径よりも小さいことを特徴とするトルクリミッタ。
  3. 請求項2に記載のトルクリミッタにおいて、
    上記筒部材の内周面において上記第2溶接部が露出している部分は、上記軸部材に対して間隔をおいて位置していることを特徴とするトルクリミッタ。
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