JP2016142368A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み付け性の確保を、少ない部材点数で実現することができる摩擦係合装置を提供すること。
【解決手段】圧力プレート23と摩擦プレート24とが積層される積層方向の一端に配置され、クラッチハウジング21のスプライン内溝21aに係合するスプライン外歯25aが形成されるエンドプレート25と、圧力プレート23と摩擦プレート24の前記積層方向にエンドプレート25を押圧するシリンダピストン33と、を備えたクラッチCR,CLにおいて、エンドプレート25は、圧力プレート23及び摩擦プレート24に対して相対回転可能に構成され、スプライン内溝21aには、エンドプレート25のスプライン外歯25aの前記積層方向の移動を規制する規制溝21bが、スプライン内溝21aに対して直交する方向に形成されることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の変速機などが備えるクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置に関し、詳細には、プレートの抜けを防止する構造を備えた摩擦係合装置に関する。
車両に搭載された自動変速機は、油圧式の摩擦係合装置(クラッチ又はブレーキ)を備えている。この種の摩擦係合装置として、例えば、特許文献1に示すように、摩擦係合装置のハウジング(ケーシング)と、ハウジング内に重ねて配列された複数の摩擦プレートと、複数の摩擦プレートにおける積層方向の一端側に配置したエンドプレートと、複数の摩擦プレートを積層方向の他端側からエンドプレート側に押し付ける油圧ピストンと、油圧ピストンとエンドプレートとの間に設置したリターンスプリングとを備えたものがある。油圧ピストンは、作動油の油圧でエンドプレート側に移動することで摩擦プレートを押圧する一方、リターンスプリングの付勢力で摩擦プレートから離間する方向に移動するようになっている。
ここで、複数の摩擦プレートをエンドプレートとともにハウジングに組み付ける際に、エンドプレートがハウジングから抜け落ちないように構成することで、組み付け性が高まることとなる。特許文献1では、ハウジングのエンドプレート側の端部の内周にはサークリップを嵌め込むための溝が形成されており、ハウジングのエンドプレート側の端部の内周にサークリップを嵌め込んでいた。サークリップがあることで、ハウジングに組み付けられたエンドプレートが抜け落ちることを防止し、エンドプレートに保持されるプレートの抜け落ちも防止することができる。
しかしながら、サークリップは組み付け時のエンドプレートの抜け落ち防止のために配設される部材であるため、組み付けた後は不要な部品となってしまう。また、組み付け性確保のために駆動に不要な部材をハウジングに組み付けることで、ハウジングの小型化の阻害になるという問題もある。また、サークリップを組み付ける工程を必須とすると、組み付けに必要な工数も増加させることとなる。
特開2014−185767号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、組み付け性の確保を少ない部材点数で実現した摩擦係合装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかる摩擦係合装置(CR,CL)は、ハウジング(21)と、ハウジング(21)の内部においてスプライン結合されたハブ(22)とハウジング(21)の内周に形成される係合溝(21a)に対して係合する係合歯(23a)が外周に形成される円形環状の複数の圧力プレート(23)と、ハブ(22)の外周に形成される係合溝(22a)に対して係合する係合歯(24a)が内周に形成され複数の圧力プレート(23)の間に介挿される円形環状の複数の摩擦プレート(24)と、圧力プレート(23)と摩擦プレート(24)とが積層される積層方向の一端に配置され、ハウジング(21)の係合溝(21a)またはハブ(22)の係合溝(22a)に係合する係合歯(25a)が形成されるエンドプレート(25)と、圧力プレート(23)と摩擦プレート(24)の前記積層方向にエンドプレート(25)を押圧する押圧部材(33)と、を備えた摩擦係合装置(CR,CL)において、エンドプレート(25)は、圧力プレート(23)及び摩擦プレート(24)に対して相対回転可能に構成され、係合溝(21a,22a)には、エンドプレート(25)の係合歯(25a)の前記積層方向の移動を規制する規制部(21b,22b)が、係合溝(21a,22a)に対して直交する方向に形成されることを特徴とする。
このように、エンドプレート(25)が、圧力プレート(23)及び摩擦プレート(24)に対して相対回転可能に構成し、規制部(21b,22b)が係合溝(21a,22a)に対して直交する方向に形成されると、組み付け時に、係合歯(25a)を規制部(21b,22b)にて規制される位置に配置しておけば、係合歯(25a)の積層方向の移動が規制され、エンドプレート(25)がハウジング(21)から抜け落ちることがない。また、組み付け後にハウジング(21)を回転させることで、係合歯(25a)が規制部(21b,22b)から離脱して係合溝(21a,22a)に入り込むこととなる。ここで、エンドプレート(25)は押圧部材(33)により押圧される部材であり、クラッチの締結や解除に用いられる部材であるところ、上述のようにエンドプレート(25)の係合歯(25a)を可動式とすることで、抜け落ち防止の作用を付加することができる。これにより、従来のサークリップのようにもっぱら抜け落ち防止のために用いる部材を必要とすることがなくなり、部材点数を削減することができる。よって、組み付け性の確保を少ない部材点数で実現することができる。
また、係合歯(25a)は、圧力プレート(23)及び摩擦プレート(24)の組み付け時には規制部(21b,22b)によって軸方向の移動が規制される規制位置(L1)に位置し、ハウジング(21)とハブ(22)とが相対回転することで係合溝(21a,22a)と係合する係合位置(L2)に移動することとしてもよい。このように、ハウジング(21)とハブ(22)とを相対回転させることで係合歯(25a)の位置を変える構成とすれば、組み付け後にハウジング(21)とハブ(22)とが相対回転すれば、係合歯(25a)を係合位置(L2)にすることができ、組み付けの工数を削減することができる。
さらに、係合歯(25a)を、ハウジング(21)とハブ(22)とが相対回転することで、規制位置(L1)から係合位置(L2)へ移動させ、且つ押圧部材(33)により前記積層方向に押圧する構成とすれば、係合位置(L2)で押圧部材(33)がエンドプレート(25)を押圧し続けるため、係合歯(25a)が不可逆的に係合溝(21a,22a)に位置し続けることとなる。これにより、エンドプレート(25)のハウジング(21)及びハブ(22)からの抜けを確実に防止することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる摩擦係合装置によれば、組み付け性の確保を少ない部材点数で実現することができる。
本発明の一実施形態にかかるクラッチを有する駆動力伝達装置を示す主断面図である。 クラッチ(右クラッチ)周辺の詳細構成を示す拡大断面図である。 クラッチ(左クラッチ)の外観を示す斜視図である。 クラッチハウジングの斜視図であり、(a)が全体斜視図であり、(b)がスプライン内溝と規制部との関係を示す拡大図(Z視図)である。 クラッチハウジングの断面図であり、(a)が全体断面図で(b)が拡大断面図である。 圧力プレートとエンドプレートとの位置関係を示す拡大斜視図であり、(a)が圧力プレートとエンドプレートの係合歯の位相が揃った状態を示す図であり、(b)が圧力プレートとエンドプレートの係合歯の位相が異なった状態を示す図である。 プレート組み付け時のエンドプレートとクラッチハウジングの係合状態を示す図であり、(a)がプレートをクラッチハウジングに挿入したばかりの状態、(b)が抜け防止の措置をとった状態を示す。 トルク伝達時のエンドプレートとクラッチハウジングの係合状態を示す図であり、(a)が抜け防止の状態、(b)が抜け防止の解除が行われた状態を示す。 他の実施形態に係るクラッチ周辺の拡大断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるクラッチCR,CL(摩擦係合装置)を有する駆動力伝達装置を示す主断面図である。本実施形態では、クラッチCR,CLを駆動力伝達装置1に適用した例を示す。駆動力伝達装置1は、エンジン(図示せず)から伝達された駆動力によって回転駆動されるプロペラシャフト(図示せず)に連結されたピニオンシャフト2と、ピニオンシャフト2の先端に形成されたピニオンギア3と、ピニオンギア3と噛み合っているリングギア4とを備える。また、リングギア4は、左車軸6L及び右車軸6Rと同軸上に配置されている中空の回転入力軸5の外周に取り付けられている。従って、エンジン及びプロペラシャフトを介してピニオンシャフト2が回転駆動されると、ピニオンギア3とリングギア4を介して回転入力軸5へと駆動力が伝達されて、回転入力軸5が回転するようになっている。
回転入力軸5において、リングギア4が取り付けられている側の端部には、回転入力軸5と左車軸6Lとの間で駆動力の伝達を行う左クラッチCLが設けられており、反対側の端部には、回転入力軸5と右車軸6Rとの間で駆動力の伝達を行う右クラッチCRが設けられている。回転入力軸5の回転が左クラッチCLと右クラッチCRに伝達されるようになっている。駆動力伝達装置1のケーシング10内には、回転入力軸5の軸方向における中央に配置されたギヤ室15が形成されている。また、ケーシング10内の左右には、それぞれ、ギヤ室15の両側に配置された一対の右クラッチ室16及び左クラッチ室17が形成されている。これにより、駆動力伝達装置1のケーシング10は、上記のギヤ室15と一対の右クラッチ室16、左クラッチ室17とを備える3分割室構造になっている。
ギヤ室15には、上記のピニオンギア3及びリングギア4が設置されており、右クラッチ室16には右クラッチCRが、左クラッチ室17には左クラッチCLが配置されている。さらに、右クラッチ室16には、左クラッチCL及び右クラッチCRなどに作動油を供給するためのバルブボディ51及びリニアソレノイドバルブ52などを含む作動油供給部50が設置されている。バルブボディ51には、モータ53の駆動で動作するオイルポンプ54から作動油が供給されるようになっている。また、バルブボディ51及びリニアソレノイドバルブ52から右クラッチCRに作動油を導くための作動油通路55が形成されている。この作動油通路55は、バルブボディ51及びリニアソレノイドバルブ52から出た作動油を回転入力軸5の軸内を通して右クラッチCRに導くように形成されている。なお、図示は省略するが、バルブボディ51及びリニアソレノイドバルブ52から出た作動油は、回転入力軸5の軸内を通って左クラッチCLにも導かれるようになっている。
また、ギヤ室15には、オイルストレーナ57が設置されている。オイルストレーナ57は、下面に作動油を吸入するための吸込口(図示せず)を有しており、当該吸込口からギヤ室15内に溜まった作動油を吸い込むようになっている。
図2は、クラッチ(右クラッチCR)周辺の詳細構成を示す拡大断面図である。図2では、右クラッチCRの前方側の半分を拡大した図を示す。右クラッチCRは、回転入力軸5の端部に結合された略円筒状のクラッチハウジング21(ハウジング)と、クラッチハウジング21の内部において右車軸6Rの端部にスプライン結合されたクラッチハブ22(ハブ)と、クラッチハウジング21内で軸方向に沿って複数を交互に積層した摩擦材である圧力プレート23及び摩擦プレート24を備えている。圧力プレート23は外周端にスプライン外歯23a(係合歯)を有し、スプライン外歯23aが、クラッチハウジング21の内周に形成されるスプライン内溝21a(係合溝)に対してスプライン係合している。一方、摩擦プレート24は内周端にスプライン内歯24a(係合歯)を有し、スプライン内歯24aが、クラッチハブ22の外周に形成されるスプライン外溝22a(係合溝)に対してスプライン係合している。
圧力プレート23と摩擦プレート24の積層方向におけるシリンダピストン33(押圧部材)の側の端部には、エンドプレート25が設置されている。エンドプレート25は、圧力プレート23と摩擦プレート24とが積層される積層方向の一端に配置され、クラッチハウジング21のスプライン内溝21aに係合するスプライン外歯25a(係合歯)が形成される。クラッチハウジング21は、軸方向におけるシリンダピストン33側の端部に開口部21Aを有している。スプライン内溝21aの開口部21A側の端部には、スプライン内溝21aと直交する方向に形成される規制溝21b(規制部)がある。これについては後に詳述する。なお、クラッチハウジング21とクラッチハブ22との間には、それらを相対回転可能に支持するクラッチベアリング26が設置されている。
開口部21Aに対向して設置されたシリンダピストン33は、ピストンハウジング41に収容されている。ピストンハウジング41には、その中心部に略円形の開口部41dが設けられており、該開口部41dの周囲には、軸方向に沿って右クラッチCR側に突出する円筒状のフランジ部41cが形成されている。
フランジ部41cの外径側には、シリンダピストン33を収容した収容部43が形成されている。収容部43は、ピストンハウジング41の圧力プレート23及び摩擦プレート24側の面を軸方向に窪ませてなる円形環状の凹部である。シリンダピストン33は、収容部43内に設置された円形環状の外形を有する板状の部材である。シリンダピストン33とエンドプレート25との間には、スラストニードルベアリング29が介在しており、シリンダピストン33とエンドプレート25は、相対回転可能かつ軸方向に一体に移動可能になっている。ピストンハウジング41の収容部43の内面とシリンダピストン33との隙間には、作動油による油圧を発生させるためのピストン室42が画成されている。また、図示は省略するが、ピストン室42には、オイルポンプ54(図1参照)からの作動油が導入される油路が連通している。
クラッチのクラッチハウジング21及びエンドプレート25の構造を詳細に説明する。まず、クラッチハウジング21周辺の外観を説明する。図3は、クラッチ(左クラッチCL)の外観を示す斜視図である。図3では左クラッチCLを例示するが右クラッチCRも同様の構成であり、回転方向が異なるのみである。図3に示すように、クラッチは外側にクラッチハウジング21が配設され、その開口部21Aの中央にクラッチハブ22が配設されている。そして、クラッチハウジング21の内周側でクラッチハブ22の外周側には、円形環状の複数の圧力プレート23と摩擦プレート24が交互に介挿される(図1及び図2参照)。この場合、上述のように、圧力プレート23はクラッチハウジング21のスプライン内溝21aに係合し、摩擦プレート24はクラッチハブ22のスプライン外溝22aに係合する。クラッチハウジング21の開口部21Aの手前側端部には、エンドプレート25のスプライン外歯25aが、クラッチハウジング21のスプライン内溝21aにて係合している。
また、エンドプレート25は、クラッチハウジング21に対して相対回転可能に構成されるため、クラッチハウジング21に対して図3に示す矢印Ra,Rb方向に回転し得る。例えば、クラッチハウジング21は、駆動力の主入力時に矢印R1方向に回転するが、この場合にエンドプレート25は、相対的に矢印R1方向と反対方向である矢印Ra方向に回転することになる。
圧力プレート23及びエンドプレート25が組み付く、クラッチハウジング21の構成について説明する。図4は、クラッチハウジング21の斜視図であり、(a)が全体斜視図であり、(b)がスプライン内溝21aと規制溝21bとの関係を示す拡大図(Z視図)である。図4(a)は図3のクラッチハブ22、エンドプレート25を外し、圧力プレートと摩擦プレートを省略した状態の図である。図4(a)に示すように、開口部21Aを有して略円筒状に形成されるクラッチハウジング21の外周側の内側の全周には、圧力プレート23及び摩擦プレート24を組み付ける方向(図における矢印D1方向)に沿って、スプライン内溝21aが形成される。それぞれのスプライン内溝21aの幅は、圧力プレート23のスプライン外歯23aの幅と同等であるため、クラッチハウジング21と圧力プレート23とはスプライン係合する。
また、図4(b)に示すように、それぞれのスプライン内溝21aには、クラッチハウジング21の開口部21A側の端部に、スプライン内溝21aに対して直交する方向に、規制溝21bが形成される。規制溝21bは、後述のように、エンドプレート25のスプライン外歯25aが入り込んだ場合、圧力プレート23と摩擦プレート24との積層方向(組み付け方向及び図4(a)の矢印D1方向と平行な方向)の動きを規制することとなる。エンドプレート25の動きについての詳細は後述する。図5は、クラッチハウジング21の断面図であり、(a)が全体断面図で(b)が拡大断面図である。図5(a)及び(b)の断面は、図4(b)のA−A断面に該当する。図5(a)に示すように、クラッチハウジング21を開口部21A側から見た場合、規制溝21bが、クラッチハウジング21の全周にわたってスプライン内溝21aに隣接して形成される。
エンドプレート25のスプライン外歯25aと、圧力プレート23のスプライン外歯23aの位置関係を説明する。図6は、圧力プレート23とエンドプレート25との位置関係を示す拡大斜視図であり、(a)が圧力プレート23とエンドプレート25の係合歯の位相が揃った状態を示す図であり、(b)が圧力プレート23とエンドプレート25の係合歯の位相が異なった状態を示す図である。複数の圧力プレート23に形成されたスプライン外歯23aは、クラッチハウジング21のスプライン内溝21a(図5参照)内に図中の矢印D1方向に組みつけられ、全てがスプライン内溝21aに対して係合しているので、複数の圧力プレート23のそれぞれのスプライン外歯23aの位相は、図6(a)及び(b)に示すように、常に揃っている。一方、エンドプレート25は、上述のように、圧力プレート23及び摩擦プレート24に対して相対回転可能に構成される。これにより、エンドプレート25のスプライン外歯25aは、全ての圧力プレート23のスプライン外歯23aに対して相対回転する。なお、摩擦プレート24はクラッチハブ22のスプライン外溝22aに対してスプライン内歯24a(図2参照)によって係合しており、全てのスプライン内歯24aの位相が揃っている。
組み付け時のエンドプレート25のクラッチハウジング21に対する係合について、図6及び図7を用いて説明する。図7は、プレート組み付け時のエンドプレート25とクラッチハウジング21の係合状態を示す図であり、(a)がプレートをクラッチハウジング21に挿入したばかりの状態、(b)が抜け防止の措置をとった状態を示す。まず、クラッチハウジング21に対して、圧力プレート23、摩擦プレート24、エンドプレート25を組み付ける際には、圧力プレート23と摩擦プレート24を交互に重ねて、組み付け方向(図6(a)における矢印D1方向)に組み付ける。この場合、圧力プレート23のスプライン外歯23aとエンドプレート25のスプライン外歯25aは、いずれもクラッチハウジング21のスプライン内溝21aに沿って組み付けられるため、スプライン外歯23aとスプライン外歯25aの位相は揃った状態(図6(a)の状態)である。この状態では、エンドプレート25のスプライン外歯25aは、図7(a)に示すように、スプライン外歯23aと同じくクラッチハウジング21のスプライン内溝21aに係合している。これをスプライン外歯25aがスプライン内溝21aに係合する係合位置L2とする。
ここで、図7(b)に示すように、エンドプレート25を矢印Rb方向に回すと、エンドプレート25のスプライン外歯25aが矢印Rb方向に回動し、クラッチハウジング21の規制溝21bに嵌まり込む。規制溝21bはスプライン内溝21aと直交する方向にのみ形成されているため、規制溝21bに嵌まり込んだスプライン外歯25aは、組み付け方向(図6(a)の矢印D1方向)に動くことがない。これをスプライン外歯25aの組み付け方向への移動が規制される規制位置L1とする。このように、クラッチハウジング21の開口部21Aの端部側にあるエンドプレート25の組み付け方向の移動を規制することで、交互に積層するように組み付けられた圧力プレート23及び摩擦プレート24がエンドプレート25によって保持され、圧力プレート23及び摩擦プレート24の抜けを防止する。
トルク伝達時のエンドプレート25のクラッチハウジング21に対する係合について、図6及び図8を用いて説明する。図8は、トルク伝達時のエンドプレート25とクラッチハウジング21の係合状態を示す図であり、(a)が抜け防止の状態、(b)が抜け防止の解除が行われた状態を示す。抜け防止の措置をとった状態においては、図8(a)に示すように、スプライン外歯25aは規制位置L1にとどまっている。
ここで、回転入力軸5(図1参照)が回転(主回転)すると、図8(b)に示すように、トルク伝達時には、クラッチハウジング21が矢印R1方向に回転する。これに伴い、クラッチハウジング21に係合された圧力プレート23及び摩擦プレート24も矢印R1方向に回転する。ここで、エンドプレート25はシリンダピストン33(図2参照)に押圧されて動かないものの、クラッチハウジング21に対しては矢印Ra方向に相対回転することとなる。これにより、スプライン外歯25aは、クラッチハウジング21のスプライン内溝21aに係合する係合位置L2に移動する。さらに、エンドプレート25は、上述のようにシリンダピストン33に押圧されているため、図8(b)に示す係合位置L2に移動した後、圧力プレート23と摩擦プレート24とが積層される積層方向に押圧される。
以上説明したように、本実施形態のクラッチCR,CLでは、エンドプレート25が、圧力プレート23及び摩擦プレート24に対して相対回転可能に構成し、規制溝21bがスプライン内溝21aに対して直交する方向に形成されるため、組み付け時に、スプライン外歯25aを規制溝21bにて規制される位置に配置しておけば、スプライン外歯25aの積層方向の移動が規制され、エンドプレート25がクラッチハウジング21から抜け落ちることがない。また、組み付け後にクラッチハウジング21を回転させることで、スプライン外歯25aが規制溝21bから離脱してスプライン内溝21aに入り込むこととなる。ここで、エンドプレート25はシリンダピストン33により押圧される部材であり、クラッチの締結や解除に用いられる部材であるところ、上述のようにエンドプレート25のスプライン外歯25aを可動式とすることで、抜け落ち防止の作用を付加することができる。これにより、従来のサークリップのようにもっぱら抜け落ち防止のために用いる部材を必要とすることがなくなり、部材点数を削減することができる。よって、組み付け性の確保を少ない部材点数で実現することができる。
また、スプライン外歯25aは、圧力プレート23及び摩擦プレート24の組み付け時には規制溝21bによって軸方向の移動が規制される規制位置L1に位置し、クラッチハウジング21とクラッチハブ22とが相対回転することでスプライン内溝21aと係合する係合位置L2に移動することとしてもよい。このように、クラッチハウジング21とクラッチハブ22とを相対回転させることでスプライン外歯25aの位置を変える構成とすれば、組み付け後にクラッチハウジング21とクラッチハブ22とが相対回転すれば、スプライン外歯25aを係合位置L2にすることができ、組み付けの工数を削減することができる。
さらに、スプライン外歯25aを、クラッチハウジング21とクラッチハブ22とが相対回転することで、規制位置L1から係合位置L2へ移動させ、且つシリンダピストン33により前記積層方向に押圧する構成とすれば、係合位置L2でシリンダピストン33がエンドプレート25を押圧し続けるため、スプライン外歯25aが不可逆的にスプライン内溝21aに位置し続けることとなる。これにより、エンドプレート25のクラッチハウジング21からの抜けを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態ではエンドプレート25の係合をクラッチハウジング21に対して行ったが、クラッチハブ22に対して行ってもよい。図9は、他の実施形態に係るクラッチ周辺の拡大断面図である。図9に示すように、クラッチハブ22のスプライン外溝22aに、エンドプレート25のスプライン内歯25bを形成し、前記積層方向の移動を規制する規制溝22b(規制部)を、スプライン外溝22aに対して直交する方向に形成することとしてもよい。
1 …駆動力伝達装置
2 …ピニオンシャフト
3 …ピニオンギア
4 …リングギア
5 …回転入力軸
6L …左車軸
6R …右車軸
16 …右クラッチ室
17 …左クラッチ室
21 …クラッチハウジング
21A …開口部
21a …スプライン内溝(係合溝)
21b …規制溝
22 …クラッチハブ
22a …スプライン外溝(係合溝)
22b …規制部
23 …圧力プレート
23a …スプライン外歯(係合歯)
24 …摩擦プレート
24a …スプライン内歯(係合歯)
25 …エンドプレート
25a …スプライン外歯(係合歯)
25b …スプライン内歯(係合歯)
29 …スラストニードルベアリング
33 …シリンダピストン
41 …ピストンハウジング
CL …左クラッチ
CR …右クラッチ
D1 …組み付け方向(圧力プレート23及び摩擦プレート24の積層方向)
L1 …規制位置
L2 …係合位置

Claims (3)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの内部においてスプライン結合されたハブと
    前記ハウジングの内周に形成される係合溝に対して係合する係合歯が外周に形成される円形環状の複数の圧力プレートと、
    前記ハブの外周に形成される係合溝に対して係合する係合歯が内周に形成され前記複数の圧力プレートの間に介挿される円形環状の複数の摩擦プレートと、
    前記圧力プレートと前記摩擦プレートとが積層される積層方向の一端に配置され、前記ハウジングの前記係合溝または前記ハブの前記係合溝に係合する係合歯が形成されるエンドプレートと、
    前記圧力プレートと前記摩擦プレートの前記積層方向に前記エンドプレートを押圧する押圧部材と、を備えた摩擦係合装置において、
    前記エンドプレートは、前記圧力プレート及び前記摩擦プレートに対して相対回転可能に構成され、
    前記係合溝には、前記エンドプレートの前記係合歯の前記積層方向の移動を規制する規制部が、前記係合溝に対して直交する方向に形成される
    ことを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 前記係合歯は、前記圧力プレート及び摩擦プレートの組み付け時には前記規制部によって軸方向の移動が規制される規制位置に位置し、前記ハウジングと前記ハブとが相対回転することで前記係合溝と係合する係合位置に移動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦係合装置。
  3. 前記係合歯は、前記ハウジングと前記ハブとが相対回転することで、前記規制位置から前記係合位置へ移動し、且つ前記押圧部材により前記積層方向に押圧される
    ことを特徴とする請求項2に記載の摩擦係合装置。
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