JP2016142234A - ポンプ装置、車体挙動制御用の液圧制御システム、及び、ポンプ装置の製造方法 - Google Patents

ポンプ装置、車体挙動制御用の液圧制御システム、及び、ポンプ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐久性が向上された、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置を得るものである。また、そのようなポンプ装置が組み込まれている車体挙動制御用の液圧制御システムを得るものである。また、そのようなポンプ装置の製造方法を得るものである。
【解決手段】本発明に係るポンプ装置は、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置27であって、モータ51と、モータ51のシャフト64に偏心して保持されている偏心部と、を有する駆動機構31と、シャフト64が回転する際に偏心部の外周面に向かって付勢されるピストン72と、を備え、偏心部の外周面は、ダイアモンドライクカーボンによって被覆されているものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置と、そのポンプ装置が組み込まれている車体挙動制御用の液圧制御システムと、そのポンプ装置の製造方法と、に関するものである。
従来の車体挙動制御用の液圧制御システムとして、例えば、駆動機構と、その駆動機構によって駆動されるピストンと、を有するポンプ装置を備えているものがある。駆動機構は、モータと、そのモータのシャフトに偏心して保持されている偏心部と、を含む。また、シャフトが回転する際に、ピストンは、偏心部の外周面に向かって付勢されており、その端部が偏心部の外周面に当接する状態である。モータのシャフトが回転すると、シャフトの軸と、偏心部の外周面のうちのピストンの端部が当接する箇所と、の距離が変化することとなって、ピストンがその軸方向に沿ってピストン運動を行うように駆動される(例えば、特許文献1を参照。)。
国際公開第2005/025033号(段落[0013]〜[0018]、図1〜図4)
従来の車体挙動制御用の液圧制御システムのポンプ装置では、シャフトが回転する際に、偏心部の外周面と、その外周面に当接するピストンの端部と、の間に摩擦が生じて、ピストンにその軸方向と直交する方向の力が作用する。そして、ピストンがそのような力が作用した状態でピストン運動を行うと、ピストンの側部の隙間を塞ぐシール材に生じる摩耗が増大して、その隙間からモータのハウジング内にブレーキ液が流入する等の現象が生じやすくなってしまう。つまり、従来の車体挙動制御用の液圧制御システムのポンプ装置では、ピストンの側部の隙間を塞ぐシール材に摩耗が生じやすい構造であるため、耐久性が低いという問題点があった。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、耐久性が向上された、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置を得るものである。また、そのようなポンプ装置が組み込まれている車体挙動制御用の液圧制御システムを得るものである。また、そのようなポンプ装置の製造方法を得るものである。
本発明に係るポンプ装置は、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置であって、モータと、前記モータのシャフトに偏心して保持されている偏心部と、を有する駆動機構と、前記シャフトが回転する際に前記偏心部の外周面に向かって付勢されるピストンと、を備え、前記偏心部の外周面は、ダイアモンドライクカーボンによって被覆されているものである。
また、本発明に係る車体挙動制御システム用の液圧制御ユニットは、上記のポンプ装置が組み込まれているものである。
また、本発明に係るポンプ装置の製造方法は、車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置の製造方法であって、前記ポンプ装置は、モータと、前記モータのシャフトに偏心して保持されている偏心部と、を有する駆動機構と、前記シャフトが回転する際に前記偏心部の外周面に向かって付勢されるピストンと、を備え、前記偏心部は、前記シャフトと別体であり、チャンバ内に、前記シャフトに取り付けられる前の前記偏心部が該偏心部の軸方向に複数重ねられている状態で、前記偏心部の外周面にダイアモンドライクカーボンを付着させるものである。
本発明に係るポンプ装置では、偏心部の外周面と、その外周面に当接するピストンの端部と、の間にダイアモンドライクカーボン(以降「DLC」と記載)が介在するため、それらの間に生じる摩擦が低減されて、ピストンの側部の隙間を塞ぐシール材に生じる摩耗が低減される。そのため、その隙間からモータのハウジング内にブレーキ液が流入する等の現象が生じやすくなってしまうことが抑制されて、耐久性が向上される。また、更に、本発明に係るポンプ装置では、DLCが偏心部の外周面に付着されている。例えば、ピストンが軸方向の前後を区別できないような形状である場合には、光学機器等を用いてピストンの両端部のうちのどちらの端部にDLCが付着されているかを識別した上で、ピストンをシリンダに組み込む必要がある。しかし、本発明に係るポンプ装置のように、DLCが偏心部の外周面に付着されている場合には、その識別が必ずしも必要ではなくなる。つまり、本発明に係るポンプ装置では、生産性の低下、製造コストの増大等を抑制しつつ耐久性を向上したい場合であっても、例えば、軸方向の前後を区別できないような形状のピストン等を採用することができるため、設計自由度が向上される。
実施の形態1に係る液圧制御システムの、構成を示す図である。 実施の形態1に係る液圧制御システムの、液圧制御ユニットの構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の製造方法を示す図である。 比較例に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の製造方法を示す図である。 実施の形態2に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。
以下に、本発明に係る車体挙動制御用の液圧制御システムについて、図面を用いて説明する。
なお、以下で説明する構成、製造方法等は、一例であり、本発明に係るポンプ装置及び車体挙動制御用の液圧制御システムは、そのような構成、製造方法等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に、同一の符号を付している、又は、符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。また、重複する説明については、適宜簡略化又は省略している。
実施の形態1.
以下に、実施の形態1に係る液圧制御システムを説明する。
<液圧制御システムの構成>
実施の形態1に係る液圧制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る液圧制御システムの、構成を示す図である。
図1に示されるように、液圧制御システム100は、モータサイクル(自動二輪車又は自動三輪車)の車体挙動制御に用いられるものである。液圧制御システム100が、自動車、トラック等の他の車両の車体挙動制御に用いられるものであってもよい。液圧制御システム100は、例えば、アンチロックブレーキシステムとして用いられてもよく、また、横滑り防止システムとして用いられてもよく、また、トラクションコントロールシステムとして用いられてもよい。
液圧制御システム100は、液圧制御ユニット1を備えている。液圧制御ユニット1は、後述される基体10を有し、その基体10に、例えば、第1マスタシリンダポート11と、第2マスタシリンダポート12と、フロントホイールシリンダポート13と、リアホイールシリンダポート14と、が形成されている。例えば、第1マスタシリンダポート11には、ブレーキ液管83を介して、ハンドルレバー81と連動する第1マスタシリンダ82が接続され、第1マスタシリンダ82には、第1リザーバ84が接続される。例えば、第2マスタシリンダポート12には、ブレーキ液管88を介して、フットペダル86と連動する第2マスタシリンダ87が接続され、第2マスタシリンダ87には、第2リザーバ89が接続される。例えば、フロントホイールシリンダポート13には、ブレーキ液管94を介して、前輪91のフロントブレーキパッド92を駆動するフロントホイールシリンダ93が接続される。例えば、リアホイールシリンダポート14には、ブレーキ液管99を介して、後輪96のリアブレーキパッド97を駆動するリアホイールシリンダ98が接続される。
また、液圧制御ユニット1は、第1EV弁21(込め弁)と、第1AV弁22(弛め弁)と、第1アキュムレータ23と、第2EV弁24と、第2AV弁25と、第2アキュムレータ26と、ポンプ装置27と、圧力センサ28と、制御装置29と、を有する。ポンプ装置27は、駆動機構31と、複数のポンプエレメント32と、を有する。
後述される基体10には、例えば、第1内部流路41と、第2内部流路42と、第3内部流路43と、第4内部流路44と、が形成されている。第1内部流路41は、第1マスタシリンダポート11とフロントホイールシリンダポート13との間を連通させるものであり、その途中部には、第1EV弁21が設けられている。第2内部流路42は、第1内部流路41の第1EV弁21の上流側と下流側とを連通させるものであり、その途中部には、上流側から順に第1AV弁22と第1アキュムレータ23とポンプエレメント32とが設けられている。第3内部流路43は、第2マスタシリンダポート12とリアホイールシリンダポート14との間を連通させるものであり、その途中部には、第2EV弁24が設けられている。第4内部流路44は、第3内部流路43の第2EV弁24の上流側と下流側とを連通させるものであり、その途中部には、上流側から順に第2AV弁25と第2アキュムレータ26とポンプエレメント32とが設けられている。
第1EV弁21と、第1AV弁22と、第2EV弁24と、第2AV弁25と、は、例えば、周知の2位置型電磁弁である。また、複数のポンプエレメント32は、共通の駆動機構31によって駆動される。第1EV弁21と、第1AV弁22と、第2EV弁24と、第2AV弁25と、駆動機構31と、は、制御装置29に接続されており、制御装置29からの制御信号に基づいて駆動される。また、圧力センサ28は、制御装置29に接続されており、制御装置29には圧力センサ28の検出信号が入力される。
液圧制御システム100がアンチロックブレーキシステムとして用いられる場合には、制御装置29は、例えば、以下のように動作する。なお、以下では、前輪91をアンチロックブレーキ制御する場合を説明しているが、同様の動作によって、後輪96をアンチロックブレーキ制御してもよい。
制御装置29は、ハンドルレバー81の操作によって通常のブレーキ制御がなされている際に、前輪91のロック又はロックの可能性を検知すると、アンチロックブレーキ制御を開始する。
制御装置29は、第1EV弁21を閉止させて、フロントホイールシリンダ93へのブレーキ液の供給を遮断して、フロントホイールシリンダ93の増圧を止める。また、制御装置29は、第1AV弁22を開放させて、フロントホイールシリンダ93から第1アキュムレータ23へのブレーキ液の流動を可能にし、駆動機構31を動作させてポンプエレメント32を駆動させて、フロントホイールシリンダ93の減圧を行う。これにより、前輪91のロックが解除又は回避される。制御装置29は、フロントホイールシリンダ93の所定量の減圧がなされたと判断すると、第1AV弁22を閉止させ、短時間の間、第1EV弁21を開放させて、フロントホイールシリンダ93の増圧を行う。制御装置29は、増減圧を複数回繰り返した後に、第1EV弁21を開放させて、アンチロックブレーキ制御を終了し、通常のブレーキ制御に戻る。
つまり、液圧制御ユニット1は、マスタシリンダ(第1マスタシリンダ82、第2マスタシリンダ87)からホイールシリンダ(フロントホイールシリンダ93、リアホイールシリンダ98)に供給されるブレーキ液の圧力制御を行うものである。また、ポンプ装置27は、液圧制御ユニット1におけるブレーキ液の圧力制御の駆動源として機能する。
<液圧制御ユニットの構成>
実施の形態1に係る液圧制御システムの液圧制御ユニットの構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係る液圧制御システムの、液圧制御ユニットの構成を示す分解斜視図である。
図2に示されるように、基体10は、例えば、略直方体形状の金属製のブロックであり、その1つの側面に、内部流路(第1内部流路41、第2内部流路42、第3内部流路43、第4内部流路44)に連通する、第1マスタシリンダポート11と、第2マスタシリンダポート12と、フロントホイールシリンダポート13と、リアホイールシリンダポート14と、が形成されている。
基体10には、第1マスタシリンダポート11と第2マスタシリンダポート12とフロントホイールシリンダポート13とリアホイールシリンダポート14とが形成されている側面と対向する側面から、第1アキュムレータ23と、第2アキュムレータ26と、が組み込まれる。
また、基体10には、その前面から、第1EV弁21と、第1AV弁22と、第2EV弁24と、第2AV弁25と、圧力センサ28と、が組み込まれる。また、基体10の前面には、制御装置29が、第1EV弁21と第1AV弁22と第2EV弁24と第2AV弁25と圧力センサ28とに、電気的に接続されるように取り付けられる。制御装置29の一部又は全てが、基体10以外に取り付けられていてもよい。
また、基体10には、その互いに対向する2つの側面のそれぞれから、ポンプ装置27のポンプエレメント32が組み込まれる。ポンプエレメント32は、シリンダ71と、ピストン72と、ばね73と、シール材74と、を有する。ピストン72は、ばね73を介在させた状態で、シリンダ71に挿入される。つまり、ピストン72は、シリンダ71から出る方向に付勢される状態になるように取り付けられる。ピストン72は、液圧等の他の手段によってシリンダ71から出る方向に付勢されてもよい。シール材74は、ピストン72の側部の隙間を塞ぐものであり、例えば、断面がX形状のリングである。
また、基体10の後面には、ポンプ装置27の駆動機構31が取り付けられる。駆動機構31は、モータ51と、偏心部52と、を有する。基体10の後面に駆動機構31が取り付けられると、偏心部52が複数のポンプエレメント32のピストン72の端部間に位置する状態になる。
<ポンプ装置の構成>
実施の形態1に係る液圧制御システムのポンプ装置の構成について説明する。
図3は、実施の形態1に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。
図3に示されるように、モータ51は、例えば、ハウジング61と、ハウジング61の内側に固定されているステータ62と、コイル等で構成されるロータ63と、ロータ63と共に回転するシャフト64と、を有する。基体10の後面に駆動機構31が取り付けられると、シャフト64が複数のポンプエレメント32のピストン72の端部間に突出する状態になる。
シャフト64の、複数のポンプエレメント32のピストン72の端部間に位置する領域には、偏心部52としてのベアリング52aが保持されている。ベアリング52aの内側リングは、シャフト64と共に回転し、外側リングは、シャフト64と共に回転しない。内側リングの外周面の軸は、内側リングの内周面の軸から偏心量dだけ偏心している。ベアリング52aの外側リングの内周面及び外周面の軸は、内側リングの外周面の軸と同軸である。ベアリング52aは、シャフト64への直接的な取付けによって保持されていてもよく、また、他の部材を介在させた状態での取付けによって保持されていてもよい。
複数のポンプエレメント32は、ピストン72のピストン運動の延長線上にシャフト64の軸が位置するように配設されるとよい。ピストン72は、少なくともシャフト64が回転する際に、例えばばね73によって、ベアリング52aの外周面、つまりベアリング52aの外側リングの外周面に向かって付勢され、その端部がベアリング52aの外周面に当接する。シャフト64が回転すると、シャフト64の軸と、ベアリング52aの外周面のうちのピストン72の端部が当接する箇所と、の距離が変化することとなって、ピストン72がその軸方向に沿ってピストン運動を行うように駆動される。
ベアリング52aの外周面に、DLCが付着されている。ピストン72のベアリング52aの外周面に当接する側の端部にも、DLCが付着されていてもよく、また、付着されていなくてもよい。また、ピストン72の側部にも、DLCが付着されていてもよく、また、付着されていなくてもよい。
<ポンプ装置の製造方法>
実施の形態1に係る液圧制御システムのポンプ装置の製造方法について説明する。
図4は、実施の形態1に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の製造方法を示す図である。
図4に示されるように、チャンバ150内に配設されたベアリング52aに、CVD法、PVD法等によって、DLCを付着させる。チャンバ150内には、複数のピン152が設けられているツリー151が配設されている。複数のベアリング52aが、その中空部、つまり内側リングの内周面とピン152との係合によって、その軸方向に重ねられている状態で位置決めされた後に、その外周面にDLCが付着される。ベアリング52aが磁性体である場合には、ツリー151及びピン152のうちの少なくとも一方の一部又は全てが磁石であり、複数のベアリング52aが、その磁石の磁力によって、その軸方向に重ねられている状態で位置決めされてもよい。
<液圧制御システムの作用>
実施の形態1に係る液圧制御システムの作用について説明する。
ポンプ装置27では、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCが介在する。そのため、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間に生じる摩擦が低減されて、ピストン72の側部の隙間を塞ぐシール材74に生じる摩耗が低減される。そのため、その隙間からモータ51のハウジング61内にブレーキ液が流入する等の現象が生じやすくなってしまうことが抑制されて、耐久性が向上される。
更に、ポンプ装置27では、DLCが偏心部52の外周面に付着されている。そのため、以下のような作用が奏される。
図5は、比較例に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の製造方法を示す図である。
例えば、DLCをピストン72の偏心部52の外周面に当接する側の端部に付着させて、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCを介在させる場合には、図5に示されるように、チャンバ150内に配設されているツリー151の溝部に、ピストン72が縦置きされる。また、ツリー151の一部又は全てを磁石にし、その磁石の磁力によって、ピストン72が縦置きされる。しかし、例えば、ピストン72が軸方向の前後を区別できないような形状である場合には、光学機器等を用いてDLCがピストン72の両端部のうちのどちらの端部に付着されているかを識別した上で、ピストン72をシリンダ71に組み込む必要がある。
一方、ポンプ装置27のように、DLCを偏心部52の外周面に付着させて、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCを介在させる場合には、その識別が必ずしも必要ではなくなる。つまり、ポンプ装置27では、生産性の低下、製造コストの増大等を抑制しつつ耐久性を向上したい場合であっても、例えば、軸方向の前後を区別できないような形状のピストン72等を採用することができるため、設計自由度が向上される。
また、ポンプ装置27では、DLCが偏心部52の外周面に付着されており、更に、ピストン72が複数である。DLCをピストン72の偏心部52の外周面に当接する側の端部に付着させて、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCを介在させる場合には、1つのポンプ装置27に設けられるピストン72の数が多くなると、その分だけチャンバ150を大型化する等の処置が必要となり、1つのポンプ装置27を製造するために要するコストが増加してしまう。一方、DLCを偏心部52の外周面に付着させて、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCを介在させる場合には、その処置が必ずしも必要ではなくなる。つまり、ポンプ装置27では、生産性の低下、製造コストの増大等を抑制しつつ耐久性を向上することが可能である。なお、1つのポンプ装置27に設けられるピストン72の数は、1つであってもよい。そのような場合であっても、上述の作用が奏される。
また、ポンプ装置27では、DLCを偏心部52の外周面に付着させて、偏心部52の外周面と、その外周面に当接するピストン72の端部と、の間にDLCを介在させるものであるため、チャンバ150内に、偏心部52がその軸方向に複数重ねられている状態で、その外周面にDLCを付着させる製造方法を採用することができる。そのため、例えば、図5に示されるような場合と比較して、密集して配設することが可能であるため、生産性の低下、製造コストの増大等を抑制しつつ耐久性を向上することが可能となる。
また、ポンプ装置27では、偏心部52がベアリング52aであり、ベアリング52aの外側リングは、シャフト64と共に回転しない。そのため、偏心部52の外周面に付着されているDLCと、そのDLCに当接するピストン72の端部と、の間に生じる摩擦が低減されて、DLCに摩耗が生じることが抑制されることとなって、耐久性が更に向上される。
また、ポンプ装置27では、偏心部52がベアリング52aであるため、チャンバ内に、その中空部とピン152との係合によって位置決めする製造方法を採用することができる。そのため、偏心部52を位置決めするための機構を簡素化して、製造コストの増大を抑制することが可能となる。
実施の形態2.
以下に、実施の形態2に係る液圧制御システムについて説明する。
なお、実施の形態1に係る液圧制御システムと重複する説明は、適宜省略している。
<ポンプ装置の構成>
実施の形態2に係る液圧制御システムのポンプ装置の構成について説明する。
図6は、実施の形態2に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。
図6に示されるように、シャフト64の、複数のポンプエレメント32のピストン72の端部間に位置する領域には、偏心部52としての板52bが保持されている。板52bは、シャフト64と共に回転する。板52bは、例えば、円板であり、板52bの外周面の軸は、シャフト64の軸から偏心量dだけ偏心している。板52bが、例えば、シャフト64の軸と同軸の楕円板等であってもよい。つまり、偏心部52には、局所的にシャフト64と偏心するものも含まれる。例えば、板52bは、シャフト64と別体であり、シャフト64の外周面に連結される貫通穴を有する。シャフト64と板52bとが、一体化されていてもよい。つまり、板52bは、シャフト64に一体化されて保持されていてもよい。
ピストン72は、少なくともシャフト64が回転する際に、例えばばね73によって、板52bの外周面に向かって付勢され、その端部が板52bの外周面に当接する。シャフト64が回転すると、シャフト64の軸と、板52bの外周面のうちのピストン72の端部が当接する箇所と、の距離が変化することとなって、ピストン72がその軸方向に沿ってピストン運動を行うように駆動される。
板52bの外周面に、DLCが付着されている。ピストン72の板52bの外周面に当接する側の端部にも、DLCが付着されていてもよく、また、付着されていなくてもよい。また、ピストン72の側部にも、DLCが付着されていてもよく、また、付着されていなくてもよい。
<液圧制御システムの作用>
実施の形態2に係る液圧制御システムの作用について説明する。
ポンプ装置27では、偏心部52が板52bであり、板52bは、シャフト64と共に回転する。そのため、偏心部52の外周面に付着されているDLCの、ピストン72の端部が当接する箇所が分散されることとなって、DLCに局所的な摩耗が生じることが抑制されて、耐久性が更に向上される。
ポンプ装置27では、偏心部52が貫通穴を有する板52bであり、図4に示されるような、チャンバ内に、その貫通穴とピン152との係合によって位置決めする製造方法を採用することができる。そのため、偏心部52を位置決めするための機構を簡素化して、製造コストの増大を抑制することが可能となる。
実施の形態3.
以下に、実施の形態3に係る液圧制御システムについて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2に係る液圧制御システムと重複する説明は、適宜省略している。
<ポンプ装置の構成>
実施の形態3に係る液圧制御システムのポンプ装置の構成について説明する。
図7は、実施の形態3に係る液圧制御システムの、ポンプ装置の構成を示す断面図である。なお、図7では、偏心部52がベアリング52aである場合を示しているが、そのような場合に限定されず、例えば、偏心部52が板52bであってもよい。
図7に示されるように、偏心部52の外周面のうちの、ピストン72の端部が当接する箇所を基準とするモータ51のハウジング61に近い側に、フランジ部52Aが設けられている。フランジ部52Aが、ベアリング52aの外側リング又は板52bと一体化されていてもよく、また、別体であってもよい。
<液圧制御システムの作用>
実施の形態3に係る液圧制御システムの作用について説明する。
ポンプ装置27では、偏心部52の外周面のうちの、ピストン72の端部が当接する箇所を基準とするモータ51のハウジング61に近い側に、フランジ部52Aが設けられている。そのため、偏心部52の外周面に付着されているDLCの摩耗粉が、モータ51のハウジング61の内部に侵入することが抑制されて、耐久性が更に向上される。
また、ポンプ装置27では、偏心部52の外周面にフランジ部52Aが設けられているにも関わらず、図4に示されるような、チャンバ150内に、偏心部52がその軸方向に複数重ねられている状態で、その外周面にDLCを付着させる製造方法を採用することができるため、生産性の低下、製造コストの増大等を抑制しつつ耐久性を向上することが可能である。
以上、実施の形態1〜実施の形態3について説明したが、本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、実施の形態の全て又は一部を組み合わせることも可能である。
1 液圧制御ユニット、10 基体、11 第1マスタシリンダポート、12 第2マスタシリンダポート、13 フロントホイールシリンダポート、14 リアホイールシリンダポート、21 第1EV弁、22 第1AV弁、23 第1アキュムレータ、24 第2EV弁、25 第2AV弁、26 第2アキュムレータ、27 ポンプ装置、28 圧力センサ、29 制御装置、31 駆動機構、32 ポンプエレメント、41 第1内部流路、42 第2内部流路、43 第3内部流路、44 第4内部流路、51 モータ、52 偏心部、52a ベアリング、52b 板、52A フランジ部、61 ハウジング、62 ステータ、63 ロータ、64 シャフト、71 シリンダ、72 ピストン、73 ばね、74 シール材、81 ハンドルレバー、82 第1マスタシリンダ、83 ブレーキ液管、84 第1リザーバ、86 フットペダル、87 第2マスタシリンダ、88 ブレーキ液管、89 第2リザーバ、91 前輪、92 フロントブレーキパッド、93 フロントホイールシリンダ、94 ブレーキ液管、96 後輪、97 リアブレーキパッド、98 リアホイールシリンダ、99 ブレーキ液管、100 液圧制御システム、150 チャンバ、151 ツリー、152 ピン。

Claims (10)

  1. 車体挙動制御用の液圧制御システムに組み込まれるポンプ装置であって、
    モータと、前記モータのシャフトに偏心して保持されている偏心部と、を有する駆動機構と、
    前記シャフトが回転する際に前記偏心部の外周面に向かって付勢されるピストンと、
    を備え、
    前記偏心部の外周面は、ダイアモンドライクカーボンによって被覆されている、
    ポンプ装置。
  2. 前記ピストンは、複数である、
    請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記偏心部は、ベアリングである、
    請求項1又は2に記載のポンプ装置。
  4. 前記偏心部は、板である、
    請求項1又は2に記載のポンプ装置。
  5. 前記偏心部の外周面のうちの、前記ピストンの端部が当接する箇所を基準とする前記モータのハウジングに近い側に、フランジ部が設けられている、
    請求項1〜4の何れか一項に記載のポンプ装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のポンプ装置が組み込まれている、
    車体挙動制御用の液圧制御システム。
  7. 車体挙動制御用の液圧制御ユニットに組み込まれるポンプ装置の製造方法であって、
    前記ポンプ装置は、
    モータと、前記モータのシャフトに偏心して保持されている偏心部と、を有する駆動機構と、
    前記シャフトが回転する際に前記偏心部の外周面に向かって付勢されるピストンと、
    を備え、
    前記偏心部は、前記シャフトと別体であり、
    チャンバ内に、前記シャフトに取り付けられる前の前記偏心部が該偏心部の軸方向に複数重ねられている状態で、前記偏心部の外周面にダイアモンドライクカーボンを付着させる、
    ポンプ装置の製造方法。
  8. 前記偏心部は、ベアリングであり、
    前記ダイアモンドライクカーボンで被覆される前の前記ベアリングを、該ベアリングの中空部と前記チャンバ内に配設されているピンとの係合によって位置決めする、
    請求項7に記載のポンプ装置の製造方法。
  9. 前記偏心部は、前記シャフトと連結する貫通穴を有する板であり、
    前記ダイアモンドライクカーボンで被覆される前の前記板を、前記貫通穴と前記チャンバ内に配設されているピンとの係合によって位置決めする、
    請求項7に記載のポンプ装置の製造方法。
  10. 前記偏心部は、磁性体を含み、
    前記ダイアモンドライクカーボンで被覆される前の前記偏心部を、前記チャンバ内に配設されている磁石の磁力によって位置決めする、
    請求項7〜9の何れか一項に記載のポンプ装置の製造方法。
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