以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
図1には、本発明の第一実施形態の外装パネル1が示されている。外装パネル1は、図2Aや図3Dに示すように、壁や屋根等の下地材2に取り付けて用いられ、建物の外装構造を形成する。つまり、外装構造は、外壁構造や屋根構造等である。以下では、外装パネル1を壁の外装材として用いる場合を例として説明する。そして、以下では、平面視にて、下地材2に対して外装パネル1が位置する側を前方とし、その反対側を後方とし、この前後方向に直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。図1及び図2Aでは、矢印X1で示す方向が右方向であり、矢印Y1で示す方向が前方であり、矢印Z1で示す方向が上方である。
外装パネル1は、上下方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とし、前後方向を厚み方向とするパネルである。外装パネル1は、山部と谷部とが左右方向に交互に形成された、いわゆる角波板である。外装パネル1は、吊り子3を用いて下地材2に取り付けられる。下地材2は、横胴縁等の横架材や、縦胴縁等の柱や、板材である。図2Aには、下地材2として、横架材を用いた場合を図示している。
外装パネル1は、表側(つまり前方)に突出するように湾曲した突条部4を備える。突条部4の裏側には、吊り子3を引っ掛けることのできる引掛け部5が形成されている。突条部4は、本実施形態では、外装パネル1のうち左右方向の中央部に位置する。
突条部4は、突条部4の突出方向の先端に位置する前壁部40と、突条部4の両側に位置する一対の側壁部41,42とを有する。側壁部41が、突条部4の左側に位置し、側壁部42が、突条部4の右側に位置する。
本実施形態では、両側壁部41,42の一部を、外側方に突出するように略U字状に湾曲した形状とすることで、引掛け部5が形成されている。引掛け部5は、内側方に開口する凹状に形成されている。引掛け部5は、両側壁部41,42に上下方向に亘って設けられている。本実施形態では、引掛け部5は、両側壁部41,42の前端部にそれぞれ位置する。
左の側壁部41の前端部に形成された引掛け部5は、側壁部41の前後方向の中央部や後端部よりも左側に突出するように、略U字状に湾曲した形状であり、内側にある凹部が右方向に開口している。そして、右の側壁部42の前端部に形成された引掛け部5は、側壁部42の前後方向の中央部や後端部よりも右側に突出するように、略U字状に湾曲した形状であり、内側にある凹部が左方向に開口している。
更に、本実施形態では、外装パネル1は、突条部4の右側に、平坦部10、突出部11、平坦部12、接続部6、及び折り返し部13を、この順に備える。更に、外装パネル1は、突条部4の左側に、平坦部14、突出部15、平坦部16、係止部7、及び固定部17を、この順に備える。外装パネル1は、上記の各構成4,6,7,10〜17を、上下方向に亘って備える。
平坦部10、12、14、16は、外装パネル1の谷部を構成する部分であり、いずれも平坦な板状である。平坦部10、12、14、16は、左右幅が略同じである。突条部4、接続部6、突出部11、15は、外装パネル1の山部を構成する部分であり、いずれも平坦部10、12、14、16よりも表側(つまり前方)に突出するように湾曲している。
突出部11、15は、突条部4よりも突出長さが短く、突条部4の前壁部40よりも後方に位置する。突出部11、15は、突条部4よりも左右幅が長い。突出部11、15は、左右の端部が傾斜しており、左右の端部を除く部分が平坦であり、この平坦部分が平坦部10、12、14、16に対して平行である。突出部11、15は、同大同形である。
接続部6は、突条部4と同様の外形を有する。詳しくは、接続部6は、接続部6の突出方向の先端に位置する前板部60と、接続部6の両側に位置する一対の側板部61,62とを有する。側板部61が、接続部6の左側に位置し、側板部62が、接続部6の右側に位置する。
接続部6には、両側板部61,62の一部を、外側方に突出するように略U字状に湾曲した形状とすることで、被係止部8が形成されている。被係止部8は、内側方に開口する凹状に形成されている。被係止部8は、両側板部61,62に上下方向に亘って設けられている。本実施形態では、被係止部8は、両側板部61,62の前端部にそれぞれ位置する。
左の側板部61の前端部に形成された被係止部8は、側板部61の前後方向の中央部や後端部よりも左側に突出するように、略U字状に湾曲した形状であり、内側にある凹部が右方向に開口している。そして、右の側板部62の前端部に形成された被係止部8は、側板部62の前後方向の中央部や後端部よりも右側に突出するように、略U字状に湾曲した形状であり、内側にある凹部が左方向に開口している。
右の側板部62の後端部には、この側板部62の左側に沿うように折り返し部13が連続している。
係止部7は、図2Cに示すように、表側(つまり前方)に突出するように、外装パネル1の一部を平断面略L字状に折り重ねたものである。係止部7は、被係止部8に対応した形状を有する。係止部7は、表側に突出する突片部70と、突片部70の前端部から右方向に突出する差込片部71とを有する。差込片部71は、突片部70に対して垂直である。係止部7は、右の被係止部8の左方向に開口する凹部に差込片部71が入り込むことで、被係止部8に引っ掛かる。
固定部17は、平坦な板状であり、平坦部10、12、14、16と同じ前後位置に位置する。固定部17は、外装パネル1を下地材2に固定するねじ等の固定具9が打ち込まれる部位である。
以上説明した外装パネル1は、例えば、1枚の鋼板を、ロール成形加工機等によって折り曲げ加工することによって形成される。外装パネル1は、例えば左右幅が914mm、厚みが0.4mm〜0.6mmの鋼板を折り曲げ加工して、働き幅L1が700mmとなるように形成される。ここで、働き幅L1は、外装パネル1を左右方向に並べて複数枚設置したときに、外部に露出する部分の左右幅である。鋼板は、カラー亜鉛鉄板、フッ素樹脂塗装鋼板、アルミメッキ鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、塩ビ鋼板、耐酸被覆鋼板、カラーアルミ、カラーステンレス鋼板等である。なお、外装パネル1は、湾曲した形に成形されたものであってもよい。また、外装パネル1は、金属以外の他の材質で成形されたものであってもよい。
吊り子3は、突条部4の引掛け部5に対応した形状を有する。本実施形態では、吊り子3は、図2Bに示すように、下地材2に載置される固定片部30と、固定片部30の右端部から前方に突出した突片部31と、突片部31の前端部から右方向に突出した差込片部32とを有する。固定片部30、突片部31、差込片部32はいずれも板状である。突片部31は、固定片部30に対して垂直であり、差込片部32は、突片部31に対して垂直であり、固定片部30と差込片部32とは平行である。吊り子3は、ねじ等の固定具90により固定片部30が下地材2に固定される。吊り子3は、ある一定以上の強度を有し、風から受ける外力程度では変形しないものである。
本実施形態では、吊り子3は、上下方向に長尺な部材であり、上下長さが、外装パネル1の上下長さと略同じである。なお、吊り子3は、上下方向に短尺なものであってもよい。その場合には、外装パネル1は、上下方向に互いに距離を置いて配置される複数の吊り子3を用いて、下地材2に取り付けられる。
吊り子3は、例えば、1枚の鋼板を、ロール成形加工機やプレス機械等によって折り曲げ加工することによって形成される。吊り子3は、例えば、表面に防水加工が施されていない金属板で形成される。なお、吊り子3は、合成樹脂製であってもよい。また、吊り子3は、外装パネル1を形成する鋼板と同じ材質であってもよい。ただし、この場合、吊り子3を形成する鋼板の厚みは、外装パネル1を形成する鋼板の厚みに比べて大きいほうが好ましい。
固定具9,90は、例えば、表面に防水加工が施されていない金属製のねじである。なお、固定具9,90は、合成樹脂製のねじであってもよいし、表面に防水加工が施された金属製のねじであってもよい。
続いて、本実施形態の外装パネル1を用いた外装構造の施工方法の一例について説明する。
まず、図3Aに示すように、固定具90で吊り子3の固定片部30を下地材2に固定し、その後、突条部4の内側のスペースに吊り子3が位置するように、外装パネル1を下地材2に当てる。
次いで、図3Bに示すように、外装パネル1を左方向にスライドさせて、吊り子3の差込片部32を、突条部4の右の引掛け部5の凹部に差し込み、吊り子3の突片部31を突条部4の右の側壁部42に当てる。この状態で、外装パネル1の左端の固定部17を、固定具9を用いて下地材2に固定する。これにより、外装パネル1は、左端部と左右方向の中央部とがそれぞれ、下地材2に取り付けられる。このとき、外装パネル1の平坦部10、12、14、16は、下地材2に接し、接続部6の右の側板部62の後端部は、下地材2から僅かに離れて位置する。ここで、外装パネル1の左右方向の中央部は、突条部4の引掛け部5に差し込まれた吊り子3の差込片部32によって、前方への位置ズレが抑えられる。
なお、外装パネル1の右端部は、下地材2に固定した他の吊り子3の差込片部32を、接続部6の右の被係止部8の凹部に差し込むことで、下地材2に取り付けるようにしてもよい。
次いで、下地材2に設置済の外装パネル1の左側に、新たな外装パネル1を設置する。以下では、下地材2に設置済の外装パネル1を設置済パネル100と記載し、新たな外装パネル1を新パネル101と記載する。
詳しくは、まず、図3Cに示すように、下地材2のうち、設置済パネル100よりも左の所定の箇所に、固定具90で新たな吊り子3の固定片部30を固定する。その後に、新パネル101を、突条部4の内側のスペースに新たな吊り子3が位置し、接続部6の内側のスペースに設置済パネル100の係止部7が位置するように、下地材2に当てる。
次いで、この新パネル101を左方向にスライドさせて、図3Dに示すように、新たな吊り子3の差込片部32を、新パネル101の突条部4の右の引掛け部5の凹部に差し込み、新たな吊り子3の突片部31を新パネル101の突条部4の右の側壁部42に当てる。そしてこのとき、設置済パネル100の係止部7の差込片部71を、新パネル101の接続部6の右の被係止部8の凹部に差し込み、設置済パネル100の係止部7の突片部70を新パネル101の接続部6の右の側板部62に当てる。この状態で、新パネル101の左端部の固定部17を、固定具9を用いて下地材2に固定する。これにより、新パネル101は、左端部と左右方向の中央部と右端部とがそれぞれ、下地材2に取り付けられる。
以上のように、下地材2に対して、右側から順に外装パネル1を複数枚取り付けることによって、下地材2に複数の外装パネル1が左右方向に並んで取り付けられた外装構造が形成される。
以上説明した本実施形態の外装構造では、外装パネル1を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、吊り子3と固定具90)が、外装パネル1と下地材2との間に位置して、外装パネル1によって覆い隠される。そのため、本実施形態の外装構造では、固定部材を覆うキャップ部材が別途必要とならない。したがって、本実施形態の外装構造では、キャップ部材を用いることなく、固定部材の外部への露出を抑えることができる。
また、本実施形態の外装構造では、左右に隣接する2枚の外装パネル1は、右側の外装パネル1の係止部7が、左側の外装パネル1の接続部6の右の被係止部8に引掛けられて、接続される。ここで、右側の外装パネル1の左端の固定部17を下地材2に固定する固定具9は、左側の外装パネル1の接続部6によって覆い隠される。そのため、本実施形態の外装構造では、外装パネル1の左端を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、固定具9)の外部への露出も抑えることができる。
また、本実施形態の外装構造では、左右に隣接する2枚の外装パネル1の接続部分に位置する接続部6を、突条部4と同様の外形を有するものとしたことで、この接続部分が目立ちにくい仕様となっている。
なお、上述した本実施形態の外装構造では、突条部4の右の引掛け部5と、接続部6の右の被係止部8とを利用して、外装パネル1を下地材2に取り付けたものであったが、これに限定されない。つまり、突条部4の左の引掛け部5と、接続部6の左の被係止部8とを利用して、外装パネル1を下地材2に取り付けてもよい。この場合、吊り子3は左右逆にして下地材2に固定すればよい。また、この場合、外装パネル1の係止部7は、差込片部71が突片部70の前端部から左方向に突出するように設けられることが好ましい。
続いて、図4に示す本発明の第二実施形態の外装パネル1及びこの外装パネル1を用いた外装構造について説明する。以下では、第一実施形態の外装パネル1及び外装構造と同様の構成については、図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
第二実施形態の外装パネル1では、突条部4は、右の側壁部42にのみ引掛け部5が形成されており、左の側壁部41には引掛け部5が形成されていない。そして、接続部6は、右の側板部62にのみ被係止部8が形成されており、左の側板部61には被係止部8が形成されていない。
なお、本実施形態の外装パネル1を用いた外装構造の施工方法については、第一実施形態の外装構造の施工方法と同様であるため、説明を省略する。
以上説明した本実施形態の外装構造においても、外装パネル1を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、吊り子3と固定具90)が、外装パネル1と下地材2との間に位置して、外装パネル1によって覆い隠される。したがって、本実施形態の外装構造では、キャップ部材を用いることなく、固定部材の外部への露出を抑えることができる。また、本実施形態の外装構造では、外装パネル1の左端を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、固定具9)の外部への露出も抑えることができる。
また、本実施形態の外装パネル1では、第一実施形態の外装パネル1に比べて、省略した引掛け部5と被係止部8の長さの分だけ働き幅L2を広くとることができる。例えば、左右幅が914mm、厚みが0.4mm〜0.6mmの鋼板を折り曲げ加工して、外装パネル1を形成した場合に、働き幅L2が700mm以上となるように形成することができる。
続いて、図5A乃至図5Cに示す本発明の第三実施形態の外装パネル1及びこの外装パネル1を用いた外装構造について説明する。以下では、第一実施形態の外装パネル1及びこの外装パネル1を用いた外装構造と同様の構成については、図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
第三実施形態の外装パネル1は、図5A及び図5Bに示すように、係止部7を備えていない。つまり、外装パネル1では、平坦部16と固定部17とが係止部7を介さずに連続している。本実施形態の外装構造は、外装パネル1の固定部17の前面に固定される吊り子103を更に備える。
吊り子103は、外装パネル1の固定部17を下地材2に固定する固定具9を用いて、固定部17に固定される。吊り子103は、接続部6の右の被係止部8に対応した形状を有する。
本実施形態では、吊り子103は、固定部17に載置される固定片部104と、固定片部104の右端部から前方に突出した突片部105と、突片部105の前端部から右方向に突出した差込片部106とを有する。固定片部104、突片部105、差込片部106はいずれも板状である。突片部105は、固定片部104に対して垂直であり、差込片部106は、突片部105に対して垂直であり、固定片部104と差込片部106とは平行である。吊り子103は、固定具9により固定片部104が固定部17に固定される。
吊り子103は、吊り子3よりも、前後長さが、外装パネル1の厚み(つまり固定部17の厚み)の分だけ短い。つまり、吊り子103の突片部105の前後長さは、吊り子3の突片部31の前後長さよりも外装パネル1の厚み(つまり固定部17の厚み)の分だけ短い。吊り子103は、吊り子3と同様の材質であり、吊り子3と同様の方法で形成される。
なお、本実施形態の外装パネル1を用いた外装構造の施工方法については、第一実施形態の外装構造の施工方法と略同様であるため、異なる部分のみ詳しく説明する。
本実施形態の外装構造の施工方法では、外装パネル1の左端部の固定部17を固定具9で下地材2に固定するときに、吊り子103の固定片部104を固定部17の前面に重ねて、固定片部104と固定部17とを固定具9で下地材2に固定する。
そして、設置済パネル100の左側に新パネル101を設置するときに、図5Cに示すように、設置済パネル100に固定された吊り子103の差込片部106を、新パネル101の接続部6の右の被係止部8の凹部に差し込み、吊り子103の突片部105を接続部6の右の側板部62に当てる。この状態で、新パネル101の左端の固定部17の前面に、新たな吊り子103の固定片部104を重ねて、この固定片部104と固定部17とを固定具9で下地材2に固定する。
以上説明した本実施形態の外装構造においても、外装パネル1を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、吊り子3と固定具90)が、外装パネル1と下地材2との間に位置して、外装パネル1によって覆い隠される。したがって、本実施形態の外装構造では、キャップ部材を用いることなく、固定部材の外部への露出を抑えることができる。また、本実施形態の外装構造では、外装パネル1の左端を下地材2に対して固定する固定部材(つまり、吊り子103と固定具9)の外部への露出も抑えることができる。
また、本実施形態の外装パネル1では、第一実施形態の外装パネル1に比べて、省略した係止部7の長さの分だけ働き幅L3を広くとることができる。例えば、左右幅が914mm、厚みが0.4mm〜0.6mmの鋼板を折り曲げ加工して、外装パネル1を形成した場合に、働き幅L3が700mm以上となるように形成することができる。
以上、添付図面に基づいて説明したように、本発明の第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、吊り子3を用いて下地材2に取り付けられる外装パネルである。外装パネル1は、表側に突出するように湾曲した突条部4を備える。突条部4の裏側には、吊り子3を引っ掛けることのできる引掛け部5が形成されている。
上記の構成のように、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、突条部4の裏側に、吊り子3を引っ掛けることにできる引掛け部5を形成したことで、下地材2にねじ等の固定具で固定された吊り子3に引掛け部5を引掛けることによって、下地材2に取り付けることができる。このとき、外装パネル1を下地材2へ固定するために用いられる固定部材(吊り子3と固定具)は、外装パネル1と下地材2との間に位置し、外部に対して露出しないため、別途、固定部材を覆うキャップ部材が必要とならない。そのため、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、キャップ部材を用いることなく、下地材2への固定に用いられる固定部材の外部への露出を抑えることができる。
更に、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一乃至第三実施形態の外装パネル1では、突条部4は、突条部4の先端に位置する前壁部40と、突条部4の両側に位置する一対の側壁部41,42とを有する。一対の側壁部41,42のうち少なくとも一方の側壁部42の一部を、外側方に突出するように湾曲した形状とすることで、引掛け部5が凹状に形成されている。
上記の付加的な構成のように、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、突条部4の裏側に形成される引掛け部5を、突条部4の側壁部41,42の一部を、外側方に突出するように湾曲した形状としている。そのため、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、下地材2に固定した吊り子3が、突条部4の内側のスペースに位置するように下地材2に当てて、その後、側方にスライドさせることで、吊り子3を引掛け部5に差し込ませて引掛けて、下地材2に取り付けることができる。このとき、第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、吊り子3が引掛け部5に差し込まれた状態となるため、下地材2から離れる方向に位置ズレにしにくくなる。
また、第一乃至第三実施形態の外装構造は、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、第一乃至第三実施形態の外装構造は、下地材2と、下地材2に固定される吊り子3と、下地材2に取り付けられる外装パネル1とを備える。外装パネル1は、表側に突出するように湾曲した突条部4と、突条部4の裏側に形成される引掛け部5とを有する。突条部4の内側のスペースに吊り子3が位置し、吊り子3が引掛け部5に引っ掛かった状態で、外装パネル1が下地材2に取り付けられる。
上記の構成のように、第一乃至第三実施形態の外装構造は、外装パネル1の突条部4の内側のスペースに吊り子3が位置し、吊り子3が引掛け部5に引っ掛かった状態で、外装パネル1が下地材2に取り付けられる。そのため、第一乃至第三実施形態の外装構造では、吊り子3と吊り子3を下地材2に対して固定する固定具とが外装パネル1で覆われて外部に露出せず、別途、吊り子3と固定具を覆うキャップ部材が必要とならない。したがって、第一乃至第三実施形態の外装構造は、キャップ部材を用いることなく、下地材2への固定に用いられる固定部材(つまり吊り子3と固定具)の外部への露出を抑えることができる。
更に、第一乃至第三実施形態の外装構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一乃至第三実施形態の外装構造では、突条部4は、突条部4の先端に位置する前壁部40と、突条部4の両側に位置する一対の側壁部41,42とを有する。一対の側壁部41,42のうち少なくとも一方の側壁部41の一部を、外側方に突出するように湾曲した形状とすることで、引掛け部5が凹状に形成される。吊り子3が、引掛け部5に入り込み、吊り子3が引掛け部5に引っ掛かった状態で、外装パネル1が下地材2に取り付けられる。
上記の付加的な構成のように、第一乃至第三実施形態の外装構造では、外装パネル1の突条部4の裏側に形成される引掛け部5を、突条部4の側壁部41,42の一部を、外側方に突出するように湾曲した形状としている。そのため、第一乃至第三実施形態の外装構造では、下地材2に固定した吊り子3が、突条部4の内側のスペースに位置するように外装パネル1を下地材2に当てて、その後、外装パネル1を側方にスライドさせることで、吊り子3を引掛け部5に差し込ませて引掛けて、外装パネル1を下地材2に取り付けることができる。このとき、第一乃至第三実施形態の外装構造では、吊り子3が引掛け部5に入り込んだ状態となるため、外装パネル1が下地材2から離れる方向に位置ズレしにくくなる。
また、第一乃至第三実施形態の外装構造では、吊り子3や吊り子103やこれらの下地材2に固定する固定具9,90が外部に露出しないため、吊り子3や吊り子103や固定具9,90は外装パネル1のように防水仕様とする必要がなく、安価に製造することができる。
なお、上述した実施形態では、外装パネル1は、左右方向の中央部にのみ突条部4を有するものであったが、外装パネル1は、突条部4を複数有していてもよい。
また、上述した第一乃至第三実施形態の外装パネル1では、引掛け部5が、突条部4の側壁部41,42の前端部を、外側方に略U字状に湾曲させて形成したものであったが、引掛け部5は、他の形状のものであってもよい。この場合、吊り子3は、引掛け部5の形状に合った他の形状であってもよい。
また、上述した第一乃至第三実施形態の外装パネル1では、被係止部8は、引掛け部5と同様の形状であり、係止部7は吊り子3と類似した形状であったが、これに限定されない。つまり、接続部6が突条部4と同じ外形を有していればよく、被係止部8と係止部7は、引掛け部5及び吊り子3とは別の様態で接続されるものであってもよい。
また、上述した第一乃至第三実施形態の外装パネル1は、突出部11、15を備えるものであったが、外装パネル1は、突出部11、15を備えていなくてもよい。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。