JP2016141915A - 低反発性に優れた網状構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見かけ密度が0.005〜0.30g/cm3、ヒステリシスロスが35〜85%、40℃圧縮残留歪が35%以下である網状構造体。
【選択図】なし
Description
(1)スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見かけ密度が0.005〜0.30g/cm3、ヒステリシスロスが35〜85%、40℃圧縮残留歪が35%以下である網状構造体。
(2)8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が15%以下である(1)に記載の網状構造体。
(3)圧縮試験による圧縮たわみ係数が2.5〜85.0、厚みが5〜300mmである(1)または(2)に記載の網状構造体。
(4)熱可塑性エラストマーに、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが含まれている(1)〜(3)のいずれかに記載の網状構造体。
(5)網状構造体の用途がクッション材、衝撃吸収材、または緩衝材である(1)〜(4)のいずれかに記載の網状構造体。
(6)スチレン系熱可塑性エラストマーと架橋剤を原料とし、溶融、押し出し工程を経て得られる(1)に記載の網状構造体の製造方法。
(7)網状構造体を形成後、網状構造体にエネルギーを与え、スチレン系熱可塑性エラストマーに架橋構造を導入する(6)に記載の網状構造体の製造方法。
本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見かけ密度が0.005〜0.30g/cm3、ヒステリシスロスが35〜85%、40℃圧縮残留歪が35%以下である網状構造体である。
さらに、フタル酸エステル系、トリメリット酸エステル系、脂肪酸系、エポキシ系、アジピン酸エステル系、ポリエステル系、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系の可塑剤、公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系などの光安定剤、帯電防止剤、過酸化物などの架橋剤、トリアリルイソシアヌレート、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物などの反応基を有する化合物、金属不活性剤、有機および無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機および無機系の顔料を添加することができる。また、耐熱耐久性や耐へたり性を向上させるために、熱可塑性エラストマーの分子量を上げることも効果的である。
試料を5cm×5cmの大きさに切断し、網状構造体からランダムに10箇所の線状体を約5mm採集した。採集した線状体を輪切り方向で切断し、繊維断面を、光学顕微鏡を適当な倍率で観察することで、繊維径を測定した(n=10の平均値)。
試料を5cm×5cmの大きさに切断し、網状構造体からランダムに10箇所の線状体を綺麗に輪切りになるように約0.5mm採集した。輪切りにした線状体を繊維軸方向に立てた状態でカバーガラスに載せて、光学顕微鏡で繊維断面を観察し、繊維の外周面積(a)と中空面積(b)を算出した。次式により中空率を算出した。
(中空率)=(b)/(a)(n=10の平均値)
但し、中空形状と中実形状が混在する場合は、中空形状のみの平均値を求めた。
樹脂を約5mm角以下の大きさに切断したものをサンプルとし、超音波と真空引きによって十分脱気させ、温度を30℃に制御した密度勾配管に静かに沈めて5時間後にフロートを基準にして密度を算出した(n=5の平均値)。なお、網状構造体から樹脂の密度を測定する際には、線状体部を約3mmの長さに切断したものをサンプルとする以外は樹脂の測定と同様に行った。
試料を8cm×10cmの大きさに切断し、無荷重で24時間放置した後、高分子計器製FD−80N型測厚器にて4か所の高さを測定して平均値を試料厚みとした。試料重さは、上記試料を電子天秤に載せて計測した。見かけ密度は、試料厚みから体積を求め、試料の重さを体積で除した値で示した(それぞれn=4の平均値)。
TAインスツルメント社製 示差走査熱量計(DSC)Q200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピーク(融解ピーク)温度を求めた。
TAインスツルメント社製 示差走査熱量計(DSC)Q200を使用し、昇降温速度20℃/分で0℃から200℃まで昇温し、200℃において2分間保持し、その後0℃まで降温せしめた際のベースラインの変化開始点をハードセグメントのガラス転移温度とした。但し、2点以上測定される場合は、高温度の変化開始温度をガラス転移温度とした。
スチレン含有率の決定は共鳴周波数500MHzの1H−NMR測定にて行った。測定装置にはBRUKER製 AVANCE500を用い、溶媒には重クロロホルムを使用した。さらにその溶媒には、重量の基準物質として、イソフタル酸ジメチルを添加した。また、繰り返し時間は十分にとった。
組成分析は、上記の方法に従い実施し、以下の方法で組成を決定した。
重クロロホルムを7.28ppmとした際に6.7〜7.3ppm付近のピークがスチレンに対応するピークである。解析にはその内、6.7〜6.9ppmのピーク(2H分)の積分値(=Aとする)を用いる。一方、ジメチルイソフタル酸は8.7(1H)、8.2(2H)、7.5(1H)、3.9ppm(3H)付近にピークが観測されるが、その内、試料構成成分と重ならないピークの積分値を用いる。仮に7.5ppmのピーク(積分値=B)を使用するとして、以下の式でスチレン含有率が算出できる。
(52×A×Y×100)/(194×B×X)(質量% vs 試料)
※試料量=X(mg)、測定溶液中に含まれるイソフタル酸ジメチルの重量をY(mg)とする。
試料を8cm×10cmの大きさに切断し、(4)に記載の方法で処理前の厚み(a)を測定した。厚みを測定したサンプルを50%圧縮状態に保持できる冶具に挟み、40℃に設定した乾燥機に入れ、22時間放置する。その後サンプルを取り出し、圧縮歪みを除き、室温で冷却して30分放置後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)とから、式{(a)−(b)}/(a)×100より40℃圧縮残留歪を算出した:単位%(n=3の平均値)。
試料を8cm×10cmの大きさに切断し、20℃±2℃の環境下に無荷重で24時間放置した後、20℃±2℃の環境下にあるオリエンテック社製テンシロンにてφ50mm、厚み3mmの加圧板を用いて、試料の中心部を10mm/minの速度で圧縮を開始し、荷重が0.3Nになる時の厚みを計測し、硬度計厚みとした。この時の加圧板の位置をゼロ点として、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮した後、速度100mm/minにて加圧板をゼロ点まで戻し、その状態で4分間保持する。4分経過後、引き続き速度100mm/minで硬度計厚みの25%ないし65%まで圧縮し、その際の荷重を測定し、各々25%圧縮時硬度、65%圧縮時硬度とした:単位N/φ50(n=3の平均値)。
圧縮たわみ係数は、(9)で測定した25%圧縮時硬度(a)および65%圧縮時硬度(b)を用いて下記の式にて算出した。
(圧縮たわみ係数)=(b)/(a):(n=3の平均値)
試料を8cm×10cmの大きさに切断し、(4)に記載の方法で処理前の厚み(a)を測定する。厚みを測定したサンプルを島津製作所製サーボパルサーにて、20℃±2℃環境下にて50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し、8万回のサイクル負荷を与えた。その後試料を取り出し、30分静置した後に処理後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)とから、式{(a)−(b)}/(a)×100より算出した:単位%(n=3の平均値)。
試料を8cm×10cmの大きさに切断し、20℃±2℃の環境下に無荷重で24時間放置した後、20℃±2℃の環境下にあるオリエンテック社製テンシロンにてφ50mm、厚み3mmの加圧板を用いて、試料の中心部を10mm/minの速度で圧縮を開始し、荷重が0.3Nになる時の厚みを計測し、硬度計厚みとする。この時の加圧板の位置をゼロ点として、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮し、ホールドタイム無しで同一速度にて加圧板をゼロ点まで戻し、その状態で4分間保持する(一回目の応力歪み曲線)。4分間ゼロ点で保持した後、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮し、ホールドタイム無しで同一速度にてゼロ点まで戻す(二回目の応力歪み曲線)。
二回目の圧縮時応力曲線の示す圧縮エネルギー(WC)、二回目の除圧時応力曲線の示す圧縮エネルギー(WC‘)とし、下記式に従ってヒステリシスロスを求めた。
ヒステリシスロス(%)=(WC−WC‘)/WC×100
WC=∫PdT(0%から75%まで圧縮したときの仕事量)
WC‘=∫PdT(75%から0%まで除圧したときの仕事量)
簡易的には、例えば図1のような応力歪み曲線が得られたら、パソコンによるデータ解析によって算出することができる。また、斜線部分の面積をWCとし、網掛け部分の面積をWC‘として、その面積比を切り抜いた部分の重さから求めることもできる(n=3の平均値)。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン、2−ブテンもしくはイソプレンを公知の方法で重合し、次いで酸化防止剤を0.5%練り込み後、ペレット化してスチレン系熱可塑性エラストマーA−1、A−2を得た。スチレン系熱可塑性エラストマーA−1は、スチレン共重合比率が19.7質量%、イソプレン共重合比率が80.3質量%、密度が0.935g/cm3であった。示差走査熱量計(DSC)で融点、ガラス転移点温度を測定したところ、明確な融点は見られず、ハードセグメントのガラス転移温度は81℃であった。スチレン系熱可塑性エラストマーA−2は、スチレン共重合比率が41.3質量%、2−ブテン共重合比率が30.3質量%、ブテン共重合比率が28.4質量%、密度が0.985g/cm3であった。示差走査熱量計(DSC)で融点、ガラス点移転点温度を測定したところ、明確な融点は見られず、ハードセグメントのガラス転移温度は79℃であった。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、メタロセン化合物を触媒として、プロピレン、エチレンとブテン、プロピレンとエチレンをそれぞれ公知の方法で重合し、次いで酸化防止剤を0.5質量%添加混合練り込み後、ペレット化してポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−1〜B−3を得た。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−1は、プロピレンが100質量%、密度が0.88g/cm3、融点が162℃であり、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−2は、エチレン共重合比率が91.4質重量%、ブテン共重合比率が8.6質量%、密度が0.92g/cm3、融点が122℃であり、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−3は、プロピレンが98.5質量%、エチレン共重合比率が1.5質量%で、密度が0.90g/cm3、融点が124℃であった。
熱可塑性エラストマーC−1は、スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を100質量部と、架橋剤として日本油脂株式会社製パーブチルP−40MB(K)を0.8質量部、架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を4質量部、可塑剤として出光興産株式会社製ダイアナプロセスオイルPW90を30質量部、炭酸カルシウムを30質量部添加し二軸スクリューにて混合反応させることにより得た。
幅方向96mm、厚み方向の幅31.2mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径3mm、内径2.6mmのトリプルブリッジ中空形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチ6mmの千鳥配列としたノズルを用いた。スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を90質量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−3を10質量%計量し、ペレット状態で良く混合した。さらにこれらの熱可塑性エラストマーに架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を4質量部加えて良く混合して原料とした。紡糸温度240℃にて、単孔吐出量を1.0g/minとなる条件でノズル下方に吐出させた。ノズル面下16cmの距離に冷却水を配し、ノズル直下に50mmの長さの保温筒を配した。冷却、引き取りとしては、幅300mmのステンレス性エンドレスネットを有する引き取り装置を、コンベアの一部が水面上に一部出るように配した。コンベアの間隔は平行に幅20mmとし、該溶融状態の吐出線状を曲がりくねらせル−プを形成して接触部分を融着させつつ3次元網状構造を形成させた。該溶融状態の網状構造体の両面を引取りコンベアで挟み込みつつ引き取り速度を0.7m/minで冷却水中へ引込み固化させ両面をフラット化した後、所定の大きさに切断し、70℃熱風にて30分間アニーリング処理した。その後、網状構造体をオフラインにて照射エネルギー10MeVの電子線を用いて照射エネルギーが100kGyになるように照射した。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が31%、繊維径が1.1mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.072g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが79.0%、40℃圧縮残留歪が26.0%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が4.6%、25%圧縮時硬度が3N/φ50mm、65%圧縮時硬度が29N/φ50mm、圧縮たわみ係数が9.7であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−2を100質量部に対し、架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を3質量部加えて良く混合し原料として用いた。単孔吐出量を1.5g/min、引き取り速度を1.2m/min、ノズル面−冷却水距離を26cm、保温筒は使用せず、アニーリング処理時間を20分とした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。その後、網状構造体をオフラインにて照射エネルギー10MeVの電子線を用いて照射エネルギーが60kGyになるように照射した。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が26%、繊維径が0.8mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.096g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが43.4%、40℃圧縮残留歪が30.2%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が11.1%、25%圧縮時硬度が7N/φ50mm、65%圧縮時硬度が55N/φ50mm、圧縮たわみ係数が7.9であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−2を80質量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−2を20質量%計量し、ペレット状態で良く混合して原料として用いた。紡糸温度を250℃、単孔吐出量を1.1g/min、引き取り速度を0.8m/min、ノズル面−冷却水距離を20cm、保温筒を使用せず、アニーリング処理時間を20分とした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。その後、網状構造体をオフラインにて照射エネルギー10MeVの電子線を用いて照射エネルギーが40kGyになるように照射した。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が24%、繊維径が0.8mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.092g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが37.9%、40℃圧縮残留歪が28.3%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が6.7%、25%圧縮時硬度が7N/φ50mm、65%圧縮時硬度が61N/φ50mm、圧縮たわみ係数が8.7であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−2を90質量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−1を10質量%計量し、架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を4質量部加えて良く混合し原料として用いた。単孔吐出量を1.2g/min、引き取り速度を0.8m/min、ノズル面−冷却水距離を24cm、保温筒を使用せず、アニーリング処理時間を20分とした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。その後、網状構造体をオフラインにて照射エネルギー10MeVの電子線を用いて照射エネルギーが140kGyになるように照射した。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が21%、繊維径が0.7mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.104g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが53.8%、40℃圧縮残留歪が17.8%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が4.1%、25%圧縮時硬度が9N/φ50mm、65%圧縮時硬度が41N/φ50mm、圧縮たわみ係数が4.6であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を、架橋剤として日本油脂株式会社製パーブチルP−40MB(K)を0.6質量部、架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を3質量部、可塑剤として出光興産株式会社製ダイアナプロセスオイルPW90を60質量部、帯電防止剤を1.0質量部混合して原料として用いた。孔径0.5mmのオリフィスを用い、保温筒を使用せず、紡糸温度を250℃、単孔吐出量を0.8g/min、ノズル面−冷却水距離を17cm、引取り速度を0.6m/min、アニーリング処理を行わなかった以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.5mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.074g/cm3、表面が平坦化された厚みが17mm、ヒステリシスロスが36.5%、40℃圧縮残留歪が8.1%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が2.5%、25%圧縮時硬度が2N/φ50mm、65%圧縮時硬度が23N/φ50mm、圧縮たわみ係数が11.5であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を、架橋剤として日本油脂株式会社製パーブチルP−40MB(K)を0.4質量部、可塑剤として出光興産株式会社製ダイアナプロセスオイルPW90を40質量部混合して原料として用いた。紡糸温度を240℃、ノズル直下に長さ50mmの保温筒を設置し、単孔吐出量を1.0g/min、ノズル面−冷却水距離を26cm、引き取り速度を0.5m/min、アニーリング処理を実施し、処理温度70℃、処理時間を30分とした以外、実施例5と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.5mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.061g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが41.0%、40℃圧縮残留歪が7.2%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が2.4%、25%圧縮時硬度が2N/φ50mm、65%圧縮時硬度が20N/φ50mm、圧縮たわみ係数が10.0であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を90質量%、スチレン系熱可塑性エラストマーA−2を10質量%計量し、架橋剤として日本油脂株式会社製パーブチルP−40MB(K)を0.8質量部、架橋助剤として日本化成株式会社製タイクWH−60を3質量部、可塑剤として出光興産株式会社製ダイアナプロセスオイルPW90を30質量部混合して原料とした。紡糸温度を240℃、ノズル直下に長さ50mmの保温筒を設置し、単孔吐出量を0.4g/min、ノズル面−冷却水距離を20cm、引き取り速度を0.8m/minとした以外、実施例5と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.5mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.044g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが44.3%、40℃圧縮残留歪が8.5%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が3.2%、25%圧縮時硬度が3N/φ50mm、65%圧縮時硬度が13N/φ50mm、圧縮たわみ係数が4.3であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を50質量%、熱可塑性エラストマーC−1を50質量%計量し、原料の状態でブレンドして原料として用いた。紡糸温度を240℃、保温筒を使用せず、単孔吐出量を2.0g/min、ノズル面−冷却水距離を16cm、引き取り速度を1.1m/min、アニーリング処理を実施し、処理温度70℃、処理時間を30分とした以外、実施例5と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.5mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.087g/cm3、表面が平坦化された厚みが19mm、ヒステリシスロスが57.3%、40℃圧縮残留歪が8.1%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が3.0%、25%圧縮時硬度が3N/φ50mm、65%圧縮時硬度が18N/φ50mm、圧縮たわみ係数が6.0であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を70質量%、熱可塑性エラストマーC−1を30質量%計量し、原料の状態でブレンドして原料として用いた。紡糸温度を240℃、保温筒を使用せず、単孔吐出量を2.0g/min、ノズル面−冷却水距離を16cm、引き取り速度を1.5m/min、アニーリング処理を実施し、処理温度70℃、処理時間を30分とした以外、実施例5と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.5mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.065g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが64.4%、40℃圧縮残留歪が9.5%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が2.8%、25%圧縮時硬度が4N/φ50mm、65%圧縮時硬度が27N/φ50mm、圧縮たわみ係数が6.8であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、低反発性、クッション性、耐久性に優れた網状構造体であった。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−2を用い、紡糸温度を240℃、ノズル面−冷却水距離を24cm、引き取り速度を1.0mm/minとした以外は、実施例5と同様にして網状構造体を得た。なお、電子線による架橋処理を行わなかった。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の繊維径が0.4mmの線状体で形成されおり、見かけ密度が0.068g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが50.1%、40℃圧縮残留歪が50.2%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が15.4%、25%圧縮時硬度が48N/φ50mm、65%圧縮時硬度が111N/φ50mm、圧縮たわみ係数が2.3であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、低反発性、クッション性、耐久性に劣る網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−2を用い、保温筒を無くし、ノズル面−冷却水距離を30cm、引き取り速度を0.8m/minとした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。アニーリング条件としては、70℃熱風にて20分間で行った。なお、電子線による架橋処理を行わなかった。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が27%、繊維径が0.6mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.094g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが48.9%、40℃圧縮残留歪が43.8%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が17.0%、25%圧縮時硬度が6N/φ50mm、65%圧縮時硬度が53N/φ50mm、圧縮たわみ係数が8.8であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、低反発性、クッション性、耐久性に劣る網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を90質量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−1を10質量%計量し、ペレット状態で良く混合して原料として用いた。紡糸温度を250℃、保温筒を無くし、ノズル面−冷却水距離を24cm、引取り速度を0.8m/min、アニーリング処理を無くした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。なお、電子線による架橋処理を行わなかった。
得られた網状構造体は、断面形状が円形の中空断面で中空率が31%、繊維径が0.9mmの線状体で形成されており、見かけ密度が0.092g/cm3、表面が平坦化された厚みが20mm、ヒステリシスロスが61.1%、40℃圧縮残留歪が43.3%、8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が11.8%、25%圧縮時硬度が2N/φ50mm、65%圧縮時硬度が70N/φ50mm、圧縮たわみ係数が35.0であった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、低反発性、クッション性、耐久性に劣る網状構造体であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーA−1を60質量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーB−2を40質量%計量し、ペレット状態で良く混合して原料として用いた以外、実施例1と同様にして紡糸したが、網状構造体を得ることが出来なかった。
Claims (7)
- スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見かけ密度が0.005〜0.30g/cm3、ヒステリシスロスが35〜85%、40℃圧縮残留歪が35%以下である網状構造体。
- 8万回定変位繰り返し圧縮後の残留歪が15%以下である請求項1に記載の網状構造体。
- 圧縮試験による圧縮たわみ係数が2.5〜85.0、厚みが5〜300mmである請求項1または2に記載の網状構造体。
- 熱可塑性エラストマーに、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが含まれている請求項1〜3のいずれかに記載の網状構造体。
- 網状構造体の用途がクッション材、衝撃吸収材、または緩衝材である請求項1〜4のいずれかに記載の網状構造体。
- スチレン系熱可塑性エラストマーと架橋剤を原料とし、溶融、押し出し工程を経て得られる請求項1に記載の網状構造体の製造方法。
- 網状構造体を形成後、網状構造体にエネルギーを与え、スチレン系熱可塑性エラストマーに架橋構造を導入する請求項6に記載の網状構造体の製造方法。
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