JP2016141804A - セッケン系グリース - Google Patents

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義幸 末次
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Abstract

【課題】短時間で効率的に製造できるグリースを提供する。【解決手段】本発明のセッケン系グリースは、基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、前記混合液に102s−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする。また、他の本発明のセッケン系グリースは、増ちょう剤の前駆体1を含む基油と増ちょう剤の前駆体2を含む溶液を混合して混合液にするとともに、前記混合液に102s−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、セッケン系グリースに関する。
グリースは基本的に基油と増ちょう剤からなり、使用した増ちょう剤の種類によってセッケン系グリースと非セッケン系グリースとに分けられる。このうち前者のセッケン系グリースとしては、リチウム系グリースやカルシウム系グリースなどがあげられ、非セッケン系グリースとしてはウレア系グリースなどがあげられる。
セッケン系グリースは、製鉄設備、自動車部品、および家電製品などの軸受部潤滑用に広く使用されており重要である。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物と、炭素数10以上の高級脂肪酸または高級ヒドロキシ脂肪酸とから合成されたアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(a)と、エーテル系合成油(b)と、特定のエステル系合成油とからなるセッケン系グリース組成物が開示されている(特許文献1参照)。この文献において、塩(a)としては、実施例では12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いている。また、ジヒドロオキシ脂肪酸のリチウムセッケン、脂肪酸のリチウムセッケン、ほう酸ジリチウムおよびりん酸リチウムを含むリチウムコンプレックスグリースが開示されている(特許文献2参照)。
特開平1−308496号公報 特開平1−170691号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されたセッケン系グリースはいずれもグリース化に長時間を有し、エネルギー的にも製造コスト的にも改良の余地がある。
本発明は、短時間で効率的に製造できるグリースを提供するものである。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなセッケン系グリースを提供するものである。
本発明のセッケン系グリースは、基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする。
また、他の本発明のセッケン系グリースは、増ちょう剤の前駆体1を含む基油と増ちょう剤の前駆体2を含む溶液を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする。
本発明では、グリース化の際に反応系に非常に高いせん断速度が与えられるので、短時間で効率的に製造可能なセッケン系グリースを提供することができる。
本発明の実施形態において、増ちょう剤またはその前駆体を含んだ基油を用いた製造方法(グリース製造装置)の一例を示す概略断面図。 本発明の他の実施形態において、増ちょう剤の前駆体1を含んだ基油と増ちょう剤の前駆体2を含んだ溶液を用いた製造方法(グリース製造装置)の一例を示す概略断面図。 図1、図2の製造装置について、側面の概略と上面の概略をともに示す図。 本発明の他の実施形態において、グリース製造装置における側面の概略と上面の概略をともに示す図。
本発明者は、高速せん断の付与が可能なグリース製造装置(反応容器)を用いるとセッケン系グリースを短時間に製造可能であることを見いだした。本発明はこれらの知見をもとに完成されたものである。
本発明の一実施形態におけるセッケン系グリースは、基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする(以下、「第1実施形態」ともいう。)。
また、本発明の他の実施形態におけるセッケン系グリースは、増ちょう剤の前駆体1を含む基油と、増ちょう剤の前駆体2を含む溶液を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られることを特徴とする(以下、「第2実施形態」ともいう。)。
以下、第1実施形態および第2実施形態について詳細に説明する。なお、特に区別する必要がないとき、あるいは、誤解を生じないと思われるときは単に本実施形態と表現する。
(1)第1実施形態
〔グリース製造の原料〕
(基油)
第1実施形態で用いられる基油としては、特に制限はなく、通常のグリース製造に使用される鉱油系基油や合成系基油が挙げられる。これらは、単独で、または混合物として使用することができる。
鉱油系基油としては、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、および水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。また、合成系基油としては、ポリアルファオレフィン(PAO)系基油、その他の炭化水素系基油、エステル系基油、アルキルジフェニルエーテル系基油、ポリアルキレングリコール系基油(PAG)、アルキルベンゼン系基油などが挙げられる。基油の40℃動粘度は、10mm/s以上600mm/s以下であることが好ましく、20mm/s以上300mm/s以下であることがより好ましく、30mm/s以上100mm/s以下であることがさらに好ましい。
(増ちょう剤)
第1実施形態では、増ちょう剤または増ちょう剤の前駆体を基油に混合する。このような増ちょう剤としては、ケン化反応を必要としないコンプレックスグリース用の増ちょう剤が好ましい。例えば、カルシウムスルホネートコンプレックスセッケンが挙げられる。増ちょう剤の前駆体としては、グリース製造装置内あるいは、当該製造装置から排出された後に上記した増ちょう剤となる化合物であればよい。例えば、過塩基性カルシウムスルホネートが挙げられる。
〔グリースの製造方法〕
本実施形態におけるグリースの製造では、基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与える。
上述の混合液に付与する最低せん断速度は、好ましくは10−1以上、より好ましくは10−1以上である。最低せん断速度が高い方が増ちょう剤やその前駆体の分散状態が向上し、より均一なグリース構造となる。
ただし、装置の安全性、せん断等による発熱とその除熱の観点より、上述の混合液に付与する最低せん断速度は107−1以下であることが好ましい。
このようなせん断速度は、例えば、対向する壁面間の相対運動によりせん断を発生させる反応容器内に混合液を導入することで付与することができる。
このような高せん断速度を発生させることができるグリースの製造装置としては、例えば、図1に示すような構造の製造装置が挙げられる。図3は、図1の製造装置について、側面の概略と上面の概略をともに示したものである。
図1の製造装置は、極めて短時間で均一に高速せん断を付与できる構造を備えている。高速せん断は、高速回転部と装置内壁との隙間(ギャップa、b)により混合液に付与される。高速回転部は径が回転軸方向に一定でもよく(a=b)、ギャップが異なる構造であってもよい。このようなギャップは、高速回転部の径を回転軸方向で変えることにより、あるいは、高速回転部を円錐台状とし、テーパを設けた反応容器内壁に対しこの高速回転部を上下することにより調整してもよい。
さらにギャップが大きい部分を連続的に傾斜させたスクリュウまたはスパイラル形状とすることで押出能力を持たせてもよい。
また、図4は、図1と異なる態様のグリース製造装置を示したものであるが、ギャップが異なる部分(c、d)は、回転方向に配されている。この製造装置の場合、ギャップが大きい部分を回転軸に対して傾斜させることでスクリュウのような押出能力を持たせることができる。
上述の製造装置内において、混合液に与えるせん断における最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は70以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。混合液に対するせん断速度ができるだけ均一であることにより、増ちょう剤やその前駆体の分散がよくなり、均一なグリース構造となる。
ここで、最高せん断速度(Max)とは、混合液に対して付与される最高のせん断速度であり、最低せん断速度(Min)とは、混合液に対して付与される最低のせん断速度であって、図1に記載された反応容器を例にとると、下記のように定義されるものである。
Max=(高速回転部表面と容器内壁面とのギャップが最小になる部分における高速回転部表面の線速度/当該ギャップ)
Min=(高速回転部表面と容器内壁面とのギャップが最大になる部分における高速回転部表面の線速度/当該ギャップ)
なお、図1においては、Maxの計算におけるギャップがaであり、Minの計算におけるギャップがbである。
上記したように、Max/Minは、小さい方が好ましいので、理想的にはa=bである。すなわち、図1のタイプの反応容器であれば、高速回転部は上下に均一な直径を有する円柱状であることが最も好ましい。
本実施形態の製造方法は、基油と増ちょう剤またはその前駆体を含む混合溶液を用いるグリースの製造方法には全て適用できる。製造装置内の温度条件は用いる増ちょう剤やその前駆体によって異なるが、水を使用する場合は100℃以下が安全上好ましい。
本実施形態においては、製造装置内の混合液にさらに有機酸を混合してもよいし、あるいは混合液が製造装置から排出された後に混合液に有機酸を混合してもよい。このような有機酸としては例えば、ステアリン酸のような脂肪酸が挙げられる。
(2)第2実施形態
〔グリース製造の原料〕
(増ちょう剤の前駆体1を含む基油)
第2実施形態においても、基油は第1実施形態で用いたものを好適に使用することができ、増ちょう剤の前駆体である有機酸等を含んでいる。また、複合セッケン系グリースを作成する場合には、コンプレックス化剤を加えてもよい。
有機酸としては、脂肪酸が好適であり、脂肪酸としては、ラウリル酸、トリデシル酸、ミスチリル酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびエルカ酸等が挙げられる。なお、前記した各脂肪酸は、入手性、安定性などの理由により炭素数が12以上20以下であることが好ましい。また、コンプレックス化剤として、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、およびセバシン酸などを加えても良い。特に好適なコンプレックス化剤としてはアゼライン酸やセバシン酸が挙げられる。
(増ちょう剤の前駆体2を含む溶液)
第2実施形態においては、増ちょう剤の前駆体2としての金属水酸化物を水に溶解させた溶液が好ましく用いられる。そして、製造装置内で増ちょう剤が形成された後にグリース化が進行する。このような増ちょう剤としては、単一セッケングリース用、あるいはコンプレックスグリース用の増ちょう剤のいずれでもよい。例えば、カルシウムセッケン、リチウムセッケン、ナトリウムセッケン、カルシウムコンプレックスセッケン、およびリチウムコンプレックスセッケン、などが挙げられる。
増ちょう剤の前駆体2としては上記した増ちょう剤を形成できるものであればよい。例えば、有機酸(12−ヒドロキシステアリン酸、あるいは12−ヒドロキシステアリン酸とアゼライン酸などの組み合わせなど)を鉱油(基油)に溶解したものと、金属水酸化物(水酸化リチウムなど)を水に溶解した溶液とを製造装置内で混合・反応させて増ちょう剤とすることが挙げられる。上記した基油と溶液を用いてグリース化を行うには、例えば、図2のようなグリース製造装置を用いればよい。
〔グリースの製造方法〕
本実施形態におけるグリースの製造では、増ちょう剤の前駆体1を含む基油と、増ちょう剤の前駆体2を含む溶液を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上のせん断速度を与える。
上述の混合液に付与する最低せん断速度は、好ましくは10−1以上、より好ましくは10−1以上である。最低せん断速度が高い方が増ちょう剤やその前駆体の分散状態が向上し、より均一なグリース構造となる。
ただし、装置の安全性、せん断等による発熱とその除熱の観点より、上述の混合液に付与する最低せん断速度は107−1以下であることが好ましい。
このような最低せん断速度は、例えば、対向する壁面間の相対運動によりせん断を発生させる反応容器内に混合液を導入することで付与することができる。
このような高せん断速度を発生させることができるグリースの製造装置としては、例えば、図2に示すような構造の製造装置が挙げられる。図3は、図2の製造装置について、側面の概略と上面の概略をともに示したものである。図2の製造装置の内部構造は、図1の製造装置と全く同じであり、好ましい実施態様も第1実施形態で説明した通りである。また、図2と同じく図4の製造装置でも基油の流入口を2カ所に設けてもよい。
〔グリースの製造方法における後工程〕
第1実施形態および第2実施形態のいずれにおいても、上述した製造方法により得られたグリースに対し、さらに混練してもよい。この混錬には、通常のグリース撹拌装置を使用する。また混錬の際には通常グリース中かあら水を除くために加熱する。加熱温度は1120℃以上250℃以下が好ましく、より好ましくは140℃以上220℃以である。
(3)添加剤
本実施形態で得られたグリースには、発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、極圧剤、および防錆剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばアルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、およびアルキル化−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、および4,4−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、グリース全量基準で0.05質量%以上5質量%以下程度である。
極圧剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛,ジアルキルジチオリン酸モリブデン,無灰系ジチオカーバメートや亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメートなどのチオカルバミン酸類、硫黄化合物(硫化油脂、硫化オレフィン、ポリサルファイド、硫化鉱油、チオリン酸類、チオテルペン類、ジアルキルチオジピロピオネート類等)、リン酸エステル、亜リン酸エステル(トリクレジルホスフェート、トリフェニルフォスファイト等)などが挙げられる。極圧剤の好ましい配合量はグリース全量基準で0.1質量%以上、5質量%以下程度である。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ステアリン酸亜鉛、コハク酸エステル、コハク酸誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、亜硝酸ナトリウム、石油スルホネート、ソルビタンモノオレエート、脂肪酸石けん、およびアミン化合物などが挙げられる。防錆剤の好ましい配合量は、グリース全量基準で0.01質量%以上10質量%以下程度である。
以上のような各種添加剤は、単独で、または任意に数種を組み合わせて配合してもよい。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの記載内容に何ら制限されるものではない。具体的には、以下に示す各種の条件でグリースを製造し、得られたグリースの性状を評価した。
〔実施例1:カルシウムスルホネートコンプレックスグリース〕
ビーカーに、基油(鉱油)92g、過塩基性カルシウムスルホネート(過塩素酸法塩基価 400mgKOH/g)96g、酢酸2.0g、ヘキシレングリコール4g、および水10gを加えた。この混合液を流量1200mL/minで連続的に図1のグリース製造装置(高分散装置)に導入し、ただちに高速回転部により混合液に対しギャップ通過中に20,400s−1の最低せん断速度を付与した。またギャップ通過中の最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。
高速回転部を経由した混合液を500mLのセパラブルフラスコにとり、12−ヒドロキシステアリン酸8.0gを加え、80rpmで撹拌しながら120℃で30分加熱し水を蒸発させた。その後、180℃に温度を上げ、1時間半以上加熱し、ヘキシレングリコールが飛びきったことを確認して加熱を終了し放冷した。その後、得られたグリースにロールミルを2回かけた。グリースの製造に要した時間は2.5時間であった。最終的に得られたグリースの混和ちょう度(JIS K 2220)を測定するとともに、グリースをゴム膜透析することにより、基油成分と増ちょう剤成分に分離し、各室料を測定することで、グリース中の増ちょう剤の含有量(質量%)を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例2:リチウムセッケングリース〕
ビーカーに鉱油1200gと12−ヒドロキシステアリン酸89.3gを入れ90℃に加熱し、12-ヒドロキシステアリン酸溶液(A)を作製した。別のビーカーに水130g、水酸化リチウム一水和物12.9gを加え90℃に昇温しながら撹拌し水酸化リチウム水溶液(B)を作製した。(A)と(B)をそれぞれ1200mL/min、104mL/minで連続的に図2の高分散装置(製造装置)に導入し、ただちに高速回転部により混合液に対しギャップ通過中に20,400s−1の最低せん断速度を付与した。また、ギャップ通過中の最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。また上記した基油1と基油2の混合から最高せん断速度を混合液に付与するまでに時間は約1秒であった。高分散装置(製造装置)から吐出したグリース約200gを500mLセパラブルフラスコに取り、120℃で30分加熱した後、180℃に温度を上げ、水が飛びきったことを確認した(180℃に到達して30分後)。その後、さらに温度を210℃に上げ30分加熱した後、130℃に降温し、30分保持した後加熱を終了して放冷した。得られたグリースをロールミルに2回かけて混練した。グリースの製造に要した時間は3.0時間であった。最終的に得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
〔比較例1:カルシウムスルホネートコンプレックスグリース〕
500mLセパラブルフラスコに、鉱油92g、過塩基性カルシウムスルホネート(塩基価400mgKOH/g)96g、酢酸2.0g、12−ヒドロキシステアリン酸8.0g、ヘキシレングリコール4.0g、および水10gを加えた。この混合液を80rpmで撹拌しながら80℃で1.5時間加熱し過塩基性カルシウムスルホネートを変性させた後、温度を120℃に上げ30分加熱し水を蒸発させた。その後、180℃に温度を上げ、水が飛びきったことを確認して(180℃に到達して1.0時間後)加熱を終了し、放冷した。撹拌による最低せん断速度は0.4s−1で、最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は80であった。その後、得られたグリースをロールミルに2回かけて混練した。グリースの製造に要した時間は3.5時間であった。最終的に得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
〔比較例2:リチウムセッケングリース〕
500mLセパラブルフラスコに、鉱油184g、12-ヒドロキシステアリン酸13.7gを加え250rpmで撹拌しながら80℃で溶解した(A)。水20gに水酸化リチウム一水和物1.98gを加えて撹拌しながら80℃で1時間加熱した(B)。(A)に(B)を加え、80℃で1時間加熱した後、温度を120℃に上げて30分加熱した。その後、180℃に温度を上げ、水が飛びきったことを確認した(180℃に到達して30分後)。その後、さらに温度を210℃に上げ1時間加熱した後、130℃に降温し、30分保持した後加熱を終了して放冷した。撹拌による最低せん断速度は1.23s−1で、最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は81であった。その後、得られたグリースをロールミルに2回かけて混練した。グリースの製造に要した時間は4.0時間であった。最終的に得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
Figure 2016141804
〔評価結果〕
上記実験結果より、本実施形態の具体例である実施例1、2のグリースは、比較例1、2のグリースよりも、短時間で効率的に製造できていることがわかる。

Claims (11)

  1. 基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、
    前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られる
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  2. 請求項1に記載のグリースにおいて、
    前記増ちょう剤の前駆体が過塩基性カルシウムスルホネートである
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  3. 増ちょう剤の前駆体1を含む基油と増ちょう剤の前駆体2を含む溶液を混合して混合液にするとともに、前記混合液に10−1以上の最低せん断速度を与えて得られる
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  4. 請求項3に記載のグリースにおいて、
    前記増ちょう剤の前駆体1が有機酸であり、前記増ちょう剤の前駆体2が金属水酸化物である
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  5. 請求項4に記載のグリースにおいて、
    前記有機酸が脂肪酸である
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  6. 請求項5に記載のグリースにおいて、
    前記脂肪酸が炭素数12〜20である脂肪酸である
    ことを特徴とするセッケン系グリース
  7. 請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のグリースにおいて、
    前記金属水酸化物が水酸化リチウムである
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のグリースにおいて、
    前記最低せん断速度が10−1以下である
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のグリースにおいて、
    前記混合液に与える前記せん断速度における最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)が70以下である
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のグリースを、さらに混練する
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のグリースに対し、さらに80℃以上に加熱する
    ことを特徴とするセッケン系グリース。
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