JP2016141794A - 絶縁コーティング組成物、高電圧機器用の樹脂モールド製品、金属タンクおよびガス絶縁開閉装置 - Google Patents

絶縁コーティング組成物、高電圧機器用の樹脂モールド製品、金属タンクおよびガス絶縁開閉装置 Download PDF

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Abstract

【課題】永続的に絶縁破壊電圧が向上され、さらに耐トラッキング性が高められた絶縁被覆層を備える樹脂モールド製品および当該樹脂モールド製品を用いた絶縁開閉装置、ならびに、当該絶縁被覆層の形成に用いられる絶縁コーティング組成物を提供する。
【解決手段】絶縁塗料と、希釈溶剤と、これらに溶解せず、加熱によりガスを発生しない球状の平均粒径が10nm〜200μmの樹脂微粒子とから構成され、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち該微粒子を50重量%〜90重量%を含有する、粘度が20mPa・s〜300mPa・sである絶縁コーティング組成物、および当該絶縁コーティング組成物を用いた高電圧機器用樹脂モールド製品、ならびに絶縁開閉装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁コーティング組成物および当該絶縁コーティング組成物を用いた高電圧機器用の樹脂モールド製品および金属タンク、ならびにガス絶縁開閉装置に関する。
高電圧機器(たとえば、絶縁機器の開閉装置(絶縁開閉装置)に用いられるガス遮断器、真空遮断器、開閉器、断路器、変圧器、または、管路気中送電装置、その他の電気機器)用の樹脂モールド製品の絶縁支持または電気部材間の絶縁スペーサ、ブッシングなどの絶縁部材には、優れた耐熱性、耐薬品性、絶縁性および接着性を有するエポキシ樹脂が一般的に使用されている。高電圧機器では、通電の繰り返しによる影響で、これらの樹脂モールド製品の表面が放電により炭化し、電気を通し、機器の絶縁破壊が起こるトラッキングが発生する不具合がある。また、機器内で絶縁部材である樹脂モールド製品の表面に導電性異物が付着すると、絶縁性能が大きく低下することが知られている。
このような背景を踏まえ、絶縁部材である絶縁スペーサの表面にセラミックスを溶射して絶縁被覆を形成したり(たとえば特開平11−273480号公報(特許文献1)を参照)、絶縁部材の絶縁物表面に十点平均粗さRで30μm〜200μmの絶縁被膜を形成(たとえば特開2012−110206号公報(特許文献2)を参照)することで、表面への金属異物の付着を抑制し、絶縁性能の低下を抑制する技術が開示されている。また、たとえば国際公開第2013/121604号(特許文献3)には、絶縁部材の絶縁物表面に、部分放電の熱でガスを発生するアブレーション粉体を含有するエポキシ樹脂を塗布した後、その最外層をブラスト処理し粉体を表出させた被覆層を設けることにより、放電エネルギーをガス化で消費し、放電の伸展を抑え、絶縁破壊電圧を高め、導電性異物付着による絶縁性能の低下を抑制する技術が開示されている。
特開平11−273480号公報 特開2012−110206号公報 国際公開第2013/121604号
しかしながら、上述の特許文献1に示された絶縁被覆を形成する無機物の絶縁物であるセラッミクスは、樹脂モールド製品で通常使用するエポキシ樹脂などの有機物の絶縁物などに比べると誘電率が高い。このため、当該無機物の絶縁物で形成された絶縁被覆に導電性異物が付着した場合、その先端部近傍に形成されるトリプルジャンクションで発生する電界が高くなり、放電が発生しやすくなる問題があった。
また、特許文献2に示された樹脂被膜の粗面化は、汚染物質や異物の付着が起こり易く、また、粗面部の先端は脆く、弱い力で容易に削れるため、表面形状の維持が難しく、電界緩和寄与が一時的であり、また、発塵の問題があった。
さらに、特許文献3に示された、部分放電の熱によりガス化するアブレーション粉体の表出部は、部分放電エネルギーでのガス化により消失するため、絶縁破壊電圧を高める効果が一時的である問題があった。
上述した従来技術はまた、絶縁性能の低下を抑制することを目的としており、同時にトラッキング耐性を向上させる効果が小さいという問題点もあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、永続的に絶縁破壊電圧が向上され、さらに耐トラッキング性が高められた絶縁被覆層を備える樹脂モールド製品および当該樹脂モールド製品を用いた絶縁開閉装置、ならびに、当該絶縁被覆層の形成に用いられる絶縁コーティング組成物を提供することである。
本発明の絶縁コーティング組成物は、絶縁塗料と、希釈溶剤と、これらに溶解せず、加熱によりガスを発生しない平均粒径が10nm〜200μmの球状の樹脂微粒子とから構成され、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち該微粒子を50重量%〜90重量%を含有する、粘度が20mPa・s〜300mPa・sであることを特徴とする。
本発明はまた、上述した本発明の絶縁コーティング組成物を用いて形成された、表平均粗さRが0.1μm〜30μmの微小な凹凸を有する絶縁被覆層をその表面に備える、高電圧機器用の樹脂モールド製品および金属タンクについても提供する。
本発明はさらに、上述した本発明の高電圧機器用のモールド製品から構成されたガス遮断器、真空遮断器、開閉器、断路器および変圧器の変電機器が、絶縁ガスが充填された密閉容器内に設置された絶縁開閉装置についても提供する。
本発明によれば、絶縁塗料と、希釈溶剤と、これらに溶解せず、加熱によりガスを発生しない球状の平均粒径が10nm〜200μmの樹脂微粒子とから構成され、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち該微粒子を50重量%〜90重量%を含有する、粘度が20mPa・s〜300mPa・sである絶縁コーティング材料を樹脂モールド製品または金属タンクに塗布し、その表面に絶縁被覆層を形成することで、永続的な絶縁破壊電圧の向上に加えて、高電圧印加により生じる微小な火花放電による表面炭化を抑えることで耐トラッキング性を高められたものとなる。また、樹脂モールド製品または金属タンクの表面に形成された絶縁被覆層は、絶縁コーティング組成物に含まれる樹脂微粒子に起因した微量な凹凸をその表面側に有し、この凹凸により放電可能な沿面距離を長くでき、その絶縁性能を高めることができる。また、絶縁被覆層の凹凸により、表面滑り性が向上し、導電性異物の付着を抑制できる。仮に導電性異物が付着した場合でも、微小な凹凸により多点で接触するため、沿面での電界集中を緩和し、絶縁性能が高めることができる。このように、本発明によれば、上述した絶縁コーティング組成物を用いて絶縁被覆層を形成することで、耐トラッキング性、沿面破壊電圧を向上し、長寿命化および信頼性が向上された樹脂モールド製品または金属タンク、ならびに、これらを用いたガス絶縁開閉装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1の絶縁コーティング組成物を用いて形成された、本発明の実施の形態2による絶縁被覆層(塗膜)1を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3によるガス絶縁開閉装置10の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3による絶縁スペーサ12の、中心導体14に対し垂直な方向からみた正面図である。
<実施の形態1:絶縁コーティング組成物>
本実施の形態の絶縁コーティング組成物は、絶縁塗料と、希釈溶剤と、これらに溶解せず、加熱によりガスを発生しない樹脂組成物とを混合したものであり、樹脂モールド製品または金属タンクの表面に塗装して絶縁被覆層を形成するために用いられる。このような本実施の形態の絶縁コーティング組成物を用いて形成された絶縁被覆層をその表面に備える高電圧機器用の樹脂モールド製品または金属タンク(実施の形態2として後述)は、永続的な絶縁破壊電圧(沿面破壊電圧)の向上に加えて、高電圧印加により生じる微小な火花放電による炭化を抑えることで耐トラッキング性を高められたものとなる。
(樹脂微粒子)
本実施の形態の絶縁コーティング組成物に用いられる樹脂微粒子としては、高電圧印加により生じる微小な火花放電による炭化を防ぐため、その材質が上述した絶縁塗料および希釈溶剤(たとえば、シンナー)に溶解しない樹脂で構成される。このような樹脂微粒子としては、絶縁塗料および希釈溶剤との相容性が良い樹脂で形成された微粒子であれば特に制限なく用いることができる。絶縁塗料および希釈溶剤の少なくともいずれかに溶解してしまうような樹脂微粒子を用いた場合には、絶縁コーティング組成物を用いて形成された塗膜(絶縁被覆層)の表面に、樹脂微粒子の粒径に応じた微小な凹凸が形成されないため、耐トラッキング性、沿面破壊電圧の顕著な向上は得られない。
本実施の形態の絶縁コーティング組成物に用いられる樹脂微粒子の材質は、電気絶縁性があり、絶縁塗料および希釈溶剤に溶解しないスーパーエンジニアリングプラスチック、エンジニアリングプラスチック、汎用プラスチックの熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂やその硬化物からなるものが好ましい。絶縁塗料と混合した際、絶縁塗料の樹脂との相容性、接着性が良く、分散性を高めるという観点から、樹脂微粒子は、熱可塑性あるいは熱硬化性の非結晶性樹脂であることがより好ましい。しかしながら、結晶性樹脂であっても、絶縁塗料との相容性、接着性が良く、分散性が高いものであれば、単独でも使用できる。一般的に結晶性樹脂は塗料樹脂との相容性や接着性は、非結晶性樹脂に比べて劣るため、混合した後に微粒子がすぐに沈降し、塗装膜質にムラが生じやすい。
樹脂微粒子に用いられる非結晶性樹脂の好ましい具体例としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、架橋ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、架橋ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン・アクリル複合樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、アニリン樹脂、グアナミン樹脂は、アミノ樹脂であるなどが挙げられる。これらの樹脂微粒子は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの結晶性樹脂の樹脂微粒子を併用してもよい。また、複数の樹脂を用いた多層構造の微粒子でも良い。その場合、結晶性樹脂微粒子を単独で併用してもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
また、本実施の形態の絶縁コーティング組成物に用いられる樹脂微粒子は、耐トラッキング性、沿面破壊電圧を高める効果があるが、より耐トラッキング性を高めるには、高電圧印加により生じる微小な火花放電による炭化が少なくできることから、分子構造にベンゼン環などの芳香族基を有していない非芳香族性樹脂微粒子を用いることが好ましい。このような芳香族基を有していない非結晶性樹脂としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、アニリン樹脂、グアナミン樹脂は、アミノ樹脂、あるいはこれらの架橋樹脂がその好適な例として挙げられる。本実施の形態の絶縁コーティング組成物においては、これらの樹脂からなる樹脂微粒子を少なくとも1種含有するものであることが好ましい。
樹脂微粒子は市販される汎用の製品を使用しても良く、一例(製品名)として、タフチック(東洋紡社製)、エポスター(日本触媒社製)、トレパール(東レ社製)、カネエース(カネカ社製)、メタブレン(三菱レーヨン社製)、テクポリマー(積水化成社製)、ガンツパール、スタフィロイド、ゼフィアック(アイカ工業社製)、パラロイド、ウルトラロイド、シュアセル(ダウ社製)、ナイロンパウダー(住化エンバイロメンタルサイエンス社製)、アドバンセル(積水化成社製)、ダイニオン(3M社製)、ルブロン、ポリフロン(ダイキン)、オプトビーズ(日産化学工業)、アートパール(根上工業社製)やこれらの派生品などが挙げられる。
本実施の形態における樹脂微粒子は、その形状は、塗膜表面に平滑性を発現させるという理由からは、球状の樹脂微粒子が用いられる。球状の中でも、真球状の樹脂微粒子を用いることで、均一な塗膜表面が得られるという利点、ならびに、塗料との親和性が良く、配合による粘度上昇が低いため、充填量をより増加させることができるという利点があり、特に好ましい。
本実施の形態における樹脂微粒子は、絶縁塗料、希釈溶剤などの他の原料と均一に混合しやすく、混合後に沈降しにくいという理由、ならびに、塗膜(絶縁被覆層)の表面に微小な凹凸面を形成させるという理由から、その平均粒径は塗膜(絶縁被覆層)の厚みより小さくする必要があり、10nm〜200μmの範囲内とする。樹脂微粒子の平均粒径が10nm未満である場合には、塗装時に塗膜(絶縁被覆層)の表面に微小な凹凸が得られないためであり、また、樹脂微粒子の平均粒径が200μmを超えると、混合後にすぐに樹脂微粒子が絶縁塗料および希釈溶剤から分離しやすくなってしまうためである。塗膜の表面の微小な凹凸が安定して形成され、最表面の樹脂微粒子が弱い力で容易に脱落しないように形成するには、樹脂微粒子の平均粒径は、0.1μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、樹脂微粒子を凝集させずに分散させるという観点からは、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。なお、この樹脂微粒子の平均粒径は、たとえばレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製LA−960)を用いて測定された値を指す。また本実施の形態における樹脂微粒子は、上記範囲内における1つの平均粒径の樹脂微粒子を単独で用いてもよいし、上記範囲内における2種以上の平均粒径の樹脂微粒子を併用してもよい。
本実施の形態における樹脂微粒子の比誘電率は、当該絶縁コーティング組成物を用いてその上に絶縁被覆層を形成する樹脂モールド製品を構成する樹脂(通常、無機充填材含有エポキシ樹脂)の比誘電率より低いことが好ましい。このような比誘電率の樹脂微粒子を用いることで、耐トラッキング性、沿面破壊電圧の向上をより高めることができる。具体的には、樹脂モールド製品を構成する樹脂に含まれる無機充填材より低いものが好ましく、4.0以下がより好ましく、2.0〜3.5の範囲内であることが特に好ましい。比誘電率が4.0を超える樹脂微粒子を用いた場合には、絶縁部材の絶縁物である樹脂モールド製品を構成する樹脂(無機充填材含有エポキシ樹脂)の比誘電率との差が小さくなり、沿面破壊電圧の向上の効果が小さくなる虞がある。なお、樹脂微粒子および樹脂モールド製品を構成する樹脂の比誘電率は、たとえばLCRメータ(キーサイト・テクノロジー社製E4980A)を用いて測定された値を指す。また、本実施の形態の絶縁コーティング組成物における樹脂微粒子としては、全て同じ比誘電率の樹脂微粒子を用いるようにしてもよいし、比誘電率が異なる2種以上の樹脂微粒子を併用するようにしてもよい。
本実施の形態における絶縁コーティング組成物において、樹脂微粒子の含有率は、希釈溶剤を除く不揮発成分の50重量%〜90重量%とする。樹脂微粒子の含有率が希釈溶剤を除く不揮発成分の50重量%未満である場合には、樹脂微粒子が少な過ぎるため、塗膜(絶縁被覆層)の表面に微小凹凸が形成されない。一方、樹脂微粒子の含有率が希釈溶剤を除く不揮発成分の90重量%を超える場合には、バインダー樹脂となる絶縁塗料が少な過ぎるため、塗膜(絶縁被覆層)が脆くなってしまう。さらに、塗膜の最表面の微粒子が脱落せず、均一な平滑表面を得るには、樹脂微粒子の含有率は、希釈溶剤を除く不揮発成分の55重量%〜85重量%の範囲内であることが好ましく、バインダー樹脂の硬化強度を反映させるには、60重量%〜80重量%の範囲内であることがより好ましい。
(絶縁塗料)
本実施の形態の絶縁コーティング組成物に用いられる絶縁塗料は、絶縁部材の絶縁物(樹脂モールド製品)を構成する樹脂(通常、無機充填材含有エポキシ樹脂)と接着性が良く、かつ、当該モールド樹脂を変質させないもので、且つ、その塗膜(絶縁被覆層)にクラックが発生しない絶縁破壊電圧が10kV/mm以上の絶縁性の高い公知の絶縁塗料を特に制限なく好適に用いることができる。このような絶縁塗料の好ましい具体例としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系、ポリエステル系、アルキッド系、フェノール樹脂系、アクリルシリコーン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ブチルブチラール系、シアノアクリレート系、スチレンブタジエンゴム系、塩化ゴム系、アミノアルキッド系から選ばれる溶剤系塗料または水系塗料(水性ワニス、エマルション塗料、水溶性塗料)が挙げられる。塗料は、塗装するのに十分な可使時間を有すれば、1液タイプでも、硬化剤を分離した2液タイプでも構わない。これらの中でも、被着体である絶縁部材の絶縁物との濡れ性が高く、界面の接着性を確保するという理由から、接着性の高い絶縁塗料として、ポリエステル系、アルキッド系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フェノール樹脂系が特に好ましい。
絶縁塗料は、市販される汎用品を使用することができ、特に、電気装置、機械装置、パイプ、タンク、ドラム、鋼構造物などの内外部の塗装に適した絶縁性の工業用塗料が好ましい。例えば一例(製品名)として、アシム、ラスタイト、クリーンアミラック、メタルグリップ、エピコ、エポマリン、レタン、ネオフタリット、アクリック、ニューアクリキッド、エレクロン、エバクラッドハーベスト、エバクラッド、プラサフ(関西ペイント社製)、オルガエコプラサフ、ニッペパワーバインド、オルガエコ、ユニパックエコ、ニッペウレトップエコ、スーパーラックエコ、オルガネオ、スーパーラックネオ、オーデエコライン、ユニグランドEスマイル(日本ペイント社製)、ナヴァロン(オキツモ社製)、ボンフロン、オブリガードやこれらの派生品など(AGCコーテック社製)、エミーラック、コーロック、ロックIUウレタン、ロックホールド(ロックペイント社製)、カーボマスチック、カーボライン、グリーンノンソル、フロンエース、シロキサンエース、グリーンウレタン(ジャパンカーボライン社製)、アーキフロアー、セラミフロアー、ミラクフロアー、スペシャルフロアー(エスケー化研社製)、ゼッフル、ポリフロン、ネオフロン、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製)、ネオゴーセー(神東塗料社製)やこれらの派生品などが挙げられる。
本実施の形態の絶縁コーティング組成物を用いて形成された絶縁被覆層を備える高電圧機器用の樹脂モールド製品が、高温(たとえば80℃〜150℃の範囲の温度)に曝される場合には、絶縁塗料として熱硬化性樹脂塗料を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂塗料の硬化物は、上述のような高温に曝されたとしても溶融せず、耐熱性に優れ、また、耐薬品性にも優れるためである。
また、より耐トラッキング性を高めたい場合には、高電圧印加により生じる微小な火花放電による炭化が少なくさせるため、絶縁塗料の構成原料に、分子構造にベンゼン環などの芳香族基を有していないことが好ましい。
(希釈溶剤)
本実施の形態の絶縁コーティング組成物に用いられる希釈溶剤は、絶縁塗料を所定の濃度に希釈するために用いられる液体であり、塗装後には、形成された塗膜(絶縁被覆層)から揮発・蒸発して絶縁塗料の性能・効果を引き出すために完全に消滅する。このような希釈溶剤としては、各絶縁塗料に応じて、適した公知のシンナーを好適に用いることができる。
絶縁塗料として水性塗料を用いる場合、希釈溶剤としては水を好適に用いることができる。また絶縁塗料として油性塗料を用いる場合、希釈溶剤としては、基本的には、単体溶剤とよばれる溶剤をブレンドしたシンナーで、キシレン、トルエンなどの有機化合物、アルコール類、エステル類、ケトン類が主成分として配合されているラッカーシンナー、脂肪族有機化合物のミネラルスピリットやターペンが主成分となる塗料用シンナー、各種塗料などの成分に合った専用シンナーが挙げられ、市販される汎用品を使用することができる。例えば、関西ペイント社、日本ペイント社、大同塗料社、アサヒペン社、オキツモ社、エスケー化研社、ロックペイント社などの塗料メーカが販売している汎用塗料用シンナーや、絶縁塗料の種類に適合した専用シンナーを用いることができる。
本実施の形態の絶縁コーティング組成物は、上述した絶縁塗料および樹脂微粒子に、指定の混合物粘度になる量の希釈溶剤を添加し、攪拌機で樹脂微粒子が沈降することなく均一に分散するまで攪拌することで調製することができる。ここで、希釈溶剤の配合量は、絶縁塗料および樹脂微粒子と混合した際に、絶縁コーティング組成物の粘度が20mPa・s〜300mPa・sの範囲内となるような量とする。具体的には、粘度カップ(岩田NK−2、アネスト岩田株式会社製)による流出時間で、5秒間〜100秒間となるように調製する。絶縁コーティング組成物の粘度が20mPa・s未満(粘度カップによる流出時間が5秒間未満)である場合には、一度の塗装で得られる塗膜(絶縁被覆層)が薄くなり、ピンホールなどの欠陥が発生しやすくなってしまう。一方、絶縁コーティング組成物の粘度が300mPa・s(粘度カップによる流出時間が100秒間)を超える場合には、塗膜(絶縁被覆層)の厚みが不均一になりやすくなってしまう。被着体である絶縁部材の絶縁物との濡れ性を良くするという理由からは、絶縁コーティング組成物の粘度は、50mPa・s〜250mPa・sの範囲内であることが好ましく、80mPa・s〜200mPa・sの範囲内であることがより好ましい。
<実施の形態2:高電圧機器用の樹脂モールド製品および金属タンク>
次に、実施の形態1の絶縁コーティング組成物を用いて形成された絶縁被覆層を有する高電圧機器用の樹脂モールド製品および金属タンクについて説明する。ここで、図1は、本発明の実施の形態1の絶縁コーティング組成物を用いて形成された、本発明の実施の形態2による絶縁被覆層(塗膜)1を模式的に示す断面図である。本実施形態の高電圧機器用の樹脂モールド製品2および金属タンクは、実施の形態1として上述した絶縁コーティング組成物を用いて形成された絶縁被覆層1をその表面2aに備える。絶縁被覆層1は、絶縁塗料4中に樹脂微粒子3が分散された状態の塗膜として形成される。
その表面2aに絶縁被覆層1を形成する樹脂モールド製品2としては、たとえばモールド変圧器、真空遮断器、絶縁機器の開閉装置、管路気中送電装置、またはその他の電気機器の絶縁ブッシング、絶縁ロッド、絶縁ホルダー、絶縁フレーム、絶縁支持台、絶縁碍子、絶縁端子、絶縁サポート、絶縁スペーサなどが挙げられる。絶縁コーティング組成物は、これらの樹脂モールド製品の絶縁物表面に塗装するが、その塗装方法は、均一な塗膜が形成できる方法であれば良く、刷毛塗りやスプレー塗装が好ましく、更に好ましくはスプレー塗装である。塗装後、室温で乾燥できない場合は、樹脂モールド製品に影響を与えない温度、すなわち、樹脂モールド製品を構成する樹脂のガラス転移点より低い温度で加温し、乾燥してもよい。
絶縁コーティング組成物を用いて形成された塗膜(絶縁被覆層)1は、その表面1aが、樹脂微粒子3の粒径が反映された微小な凹凸を有することが好ましく、その表面の十点平均粗さRが0.1μm〜30μmであることがより好ましく、3μm〜20μmであることが特に好ましい。ここで、絶縁被覆層の表面の十点平均粗さRが0.1μm未満である場合には、導電性異物が付着した場合に多点で接触することができず、沿面での電界集中が緩和されず、絶縁性能を高めることができなくなる虞がある。また絶縁被覆層の表面の十点平均粗さRが30μmを超える場合には、粗面部の先端は脆く、弱い力で容易に削れるため、表面形状維持が難しく、電界緩和寄与が一時的で発塵の問題がある虞がある。なお、絶縁被覆層の表面の十点平均粗さRは、JISB0601−1994に規定された十点平均粗さRで定義したものとする。
絶縁コーティング組成物を用いて形成された塗膜(絶縁被覆層)1は、その厚み(最低膜厚)は、樹脂微粒子の平均粒径にも依存するが、1μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。絶縁被覆層の厚み(最低膜厚)が1μm未満である場合には、絶縁被覆層中にピンホールなど欠陥により、沿面耐電圧性能や耐トラッキング性能の向上が得にくい虞がある。また絶縁被覆層の厚み(最低膜厚)が300μmを超える場合には、内部応力が大きくなり、その表面に絶縁被覆層が形成された樹脂モールド製品などとの界面で剥離が起こる場合がある。
また、上述した実施の形態1による絶縁コーティング組成物は、接地金属タンクなどの金属タンクの内側表面に塗装し、絶縁被覆層を形成することで、金属タンク内面の絶縁性能が高めることができる。本実施の形態は、このように絶縁コーティング組成物を用いて形成された絶縁被覆層をその表面に備える金属タンクも包含する。このような絶縁被覆層を備える金属タンクは、特に、導電性異物が付着した場合でも、沿面の電界集中を緩和し、沿面破壊電圧を向上させることができる。
<実施の形態3:ガス絶縁開閉装置>
ここで、図2は、本実施の形態によるガス絶縁開閉装置10の一部を模式的に示す断面図であり、図3は、本発明の実施の形態による絶縁スペーサ12の、中心導体14に対し垂直な方向からみた正面図である。本実施の形態では、実施の形態2として記載した高電圧機器用の樹脂モールド製品から構成されたガス遮断器、真空遮断器、開閉器、断路器および変圧器が、絶縁が充填された密閉容器内に設置されたガス絶縁開閉装置についても提供するものである。また、本実施の形態のガス絶縁開閉装置は、絶縁ガスが充填された接地金属タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が固体絶縁物である絶縁スペーサにより支持されて前記接地金属タンクに固定されたガス絶縁開閉装置であって、前記絶縁スペーサと接地金属タンク内面が実施の形態1で記載した絶縁コーティング組成物で塗装されている(実施の形態2で記載した絶縁被覆層が形成されている)ことが好ましい。
図2に模式的に示される例のガス絶縁開閉装置10において、円筒状の金属容器により構成された接地金属タンク11は、所定の長さのものが、それぞれの端部のフランジ部11aにおいて図示しないボルトなどによって接続されている。フランジ部11aの接続面に、絶縁部材である円錐面(円錐の側面部)形状の絶縁スペーサ12が挟まされて、フランジ部11aと共にボルト締めされて固定されている。絶縁スペーサ12は、絶縁材料からなる絶縁部13と、中心部に設けられた中心導体14を有しており、この中心導体14の両側に高電圧導体15が接続されて支持されている。ここで、絶縁スペーサ12は、底面が円形、側面が円錐面となり、図2に示す絶縁部13は略円錐面形状となる。なお、絶縁部13が絶縁スペーサ12の主構成部として所定の厚みを持つことは言うまでもない。また、絶縁スペーサ12を構成する絶縁部13の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、硬化促進剤、及び、アルミナ、シリ力、フッ化アルミナ、水和アルミナなどの無機充填材の混合物を熱硬化したものである。フランジ部11aと絶縁スペーサ12の接続部は、気密を保って接続されており、接地金属タンク11の内部には絶縁ガスが充填されている。高電圧導体15と絶縁スペーサ12の中心導体14との接続部には、電界緩和シールド16が設けられている。高電圧導体15には、図示しない系統遮断器、断路器、接地器などが電気的に接続されており、これらの機器を含んだ装置で、ガス絶縁開閉装置が構成されている。
本実施の形態のガス絶縁開閉装置10では、絶縁スペーサ12の絶縁部13の表面に、実施の形態1として上述した絶縁コーティング組成物を、絶縁部13の表面に、刷毛塗りやスプレーで、十点平均粗さRで0.1μm〜30μmの微小な凹凸を有する1〜3000μmの厚み(最低膜厚)になるように塗装し、絶縁被覆層17aを形成する。
これにより、絶縁被覆層17aの表面は、低誘電率で球状の樹脂微粒子に由来する微小な凹凸を有し、放電可能な沿面距離を長くし、絶縁物13の沿面破壊電圧が高められる。また、その絶縁被覆層17aにより放電時の表面炭化が抑制され、耐トラッキング性が高まり、絶縁スペーサ12の信頼性を高めることができる。また、その絶縁被覆層17a表面が、含有する球状の樹脂微粒子に由来する微小な凹凸面となっており、表面滑り性が向上し、導電性異物の付着を抑制できる。付着した場合でも、微小な凹凸により多点で接触するため、沿面での電界集中を緩和し、絶縁性能が高めることができる。
絶縁スペーサ12の絶縁部13に絶縁被覆層17aを設けるだけでも、耐トラッキング性や絶縁性能が向上するが、接地金属タンク11の内面に、上記絶縁被覆層17aと同様に、実施の形態1に記載の絶縁コーティング組成物を塗装し、絶縁被膜層17bを形成するようにしてもよい。このように絶縁被覆層17bも形成することで、接地金属タンク11の内面にも同様の効果、すなわち絶縁性能が高めることができる。特に、導電性異物が付着した場合でも、沿面での電界集中を緩和し、沿面耐電圧を向上させることができる。
絶縁スペーサ12の絶縁部13と接地金属タンク11の内面の両方に上述した絶縁被膜層17a,17bを形成することで、ガス絶縁開閉装置10の金属容器の内側表面の沿面耐電圧性が高くなる。すなわち、接地金属タンク11の内側表面の電界を高めることができ、これによりガス絶縁開閉装置を小型化、高容量化に寄与することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
平均粒径30μmの真球状のシリコーン樹脂微粒子をアクリル系絶縁塗料に55重量%になるように混合し(希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を55重量%)、専用シンナーで希釈し、100mPa・sの粘度に調整した絶縁コーティング組成物を作製した。樹脂微粒子、絶縁塗料、専用シンナーはいずれも市販品を用いた。この絶縁コーティング組成物を、絶縁ブッシングのモールド樹脂(無機充填材含有エポキシ樹脂)で成形された絶縁物(樹脂モールド製品)表面に、エアースプレーで塗膜の厚みが300μmになるように塗装した後、80℃で10分間乾燥し、絶縁被覆層を形成した。
得られた絶縁被覆層について、JIS B0601−1994の規定に準拠し、レーザー顕微鏡VK−X250(キーエンス社製)を用いて、十点平均粗さR(μm)を測定した。形成した絶縁被覆層の表面に直径0.2mmで長さ3mmの微小な金属異物が付着した場合の沿面破壊電圧を測定し、未塗装の場合(絶縁被覆層を形成しなかった場合)と比較し、未塗装を1とした場合の沿面破壊電圧比を算出した。また、JIS C2134に準拠した条件で絶縁被覆層の表面に電極を配置し、この電極間に電圧を加え、一定の時間間隔で電解液(0.1±0.002% 塩化アンモニウム水溶液)を滴下するトラッキング評価を実施した。トラッキングが発生する開始電圧を、未塗装の場合と比較し、未塗装を1とした場合のトラッキング発生電圧比を算出した。結果を表1に示す。
<実施例2>
希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を70重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例2の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして絶縁被覆層を形成し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を85重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例3の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして絶縁被覆層を形成し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を47重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例1の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして絶縁被覆層を形成し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を95重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁コーティング組成物をそれぞれ調製した。この比較例2の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして絶縁被覆層を形成し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2016141794
表1から分かるように、実施例1〜3のいずれの場合も、未塗装の場合(絶縁被覆層を形成しなかった場合)と比較し、沿面破壊電圧もトラッキング発生開始電圧も向上していた。特に、樹脂微粒子の含有率が高いほど、その効果が大きい傾向が見られた。これは、樹脂微粒子の含有率が高いほど、絶縁被覆層の表面側に樹脂微粒子が存在する割合が大きいため、樹脂微粒子の低い比誘電率が及ぼす効果が増すためと考えられる。また、樹脂微粒子の含有率が高いほど、絶縁被覆層の表面における微小凹凸の周期が短く、金属異物が多点で接触することになり、沿面での電界集中を緩和し、沿面の絶縁性能が高めることができると考えられる。
これに対し、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を47重量%とした比較例1では、未塗装の場合と比較しても、沿面破壊電圧が低下した。これは、樹脂微粒子の含有率が少なすぎるため、絶縁被覆層の表面側における樹脂微粒子の密度が小さく、その表面の十点平均粗さRで0.05μmと小さくほぼ平坦になっており、導電性異物が付着した場合に、電界緩和の効果が小さく、沿面破壊電圧が劣化したと考えられる。また、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を95重量%とした比較例2では、塗料成分が少なく、絶縁ブッシング表面との接着性が悪いため、剥離が発生した。さらに、樹脂微粒子の固着性が低下し、その十点平均粗さRが32μmとなり、その大きな凹凸の影響で脆い絶縁被覆層となり、容易に樹脂微粒子が脱離し、異物が発生する問題が起こった。
<実施例4>
平均粒径5μmの真球状のポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子をエポキシ系絶縁塗料に70重量%になるように混合し(希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を70重量%)、専用シンナーで希釈し、200mPa・sの粘度に調整した絶縁コーティング組成物を作製した。樹脂微粒子、絶縁塗料、専用シンナーはいずれも市販品を用いた。この絶縁コーティング組成物を、絶縁スペーサのモールド樹脂(無機充填材含有エポキシ樹脂)で成形された絶縁物(樹脂モールド製品)表面に、エアースプレーで塗膜の厚みが500μmになるように塗装した後、50℃で30分間乾燥し、絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
<実施例5>
樹脂微粒子として真球状の平均粒径35μmのポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例5の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例4と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
<実施例6>
樹脂微粒子として真球状の平均粒径150μmのポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例6の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例4と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
<比較例3>
樹脂微粒子として真球状の平均粒径8nmのポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例3の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例4と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
<比較例4>
樹脂微粒子として真球状の平均粒径350μmのポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例4の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例4と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2016141794
表2から分かるように、実施例4〜6のいずれの場合も、未塗装の場合と比較し、沿面破壊電圧もトラッキング発生開始電圧も向上している。同一組成で同等の厚みで絶縁被覆層が形成されていれば、樹脂微粒子の平均粒径には関係なく、トラッキング開始電圧は、同程度の特性が得られることが判った。
これに対し、平均粒径8nmの樹脂微粒子を用いた場合(比較例3)、沿面破壊電圧が低下した。これは、樹脂微粒子の平均粒径が小さすぎるため、形成された絶縁被覆層の表面の十点平均粗さRが0.005μmと小さくほぼ平坦になっており、導電性異物が付着した場合に、電界緩和の効果が小さく、沿面破壊電圧が低下したと考えられる。また平均粒径が350μmの樹脂微粒子を用いた場合(比較例4)、沿面破壊電圧は向上しなかった。これは、塗料と混合後にすぐに樹脂微粒子が分離しやすく、塗装ムラが発生し、形成された絶縁被覆層の表面に均一な凹凸が得られなかった。また、形成された絶縁被覆層の表面の十点平均粗さRが35μmとなり、その大きな凹凸の影響で脆い絶縁被覆層となり、容易に樹脂微粒子が脱離し、異物が発生する問題が起こった。
<実施例7>
平均粒径80μmの真球状のポリメタクリル酸n−ブチル樹脂微粒子をウレタン系絶縁塗料に60重量%になるように混合し(希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を60重量%)、専用シンナーで希釈し、80mPa・sの粘度に調整した絶縁コーティング組成物を作製した。樹脂微粒子、絶縁塗料、専用シンナーはいずれも市販品を用いた。この絶縁コーティング組成物を、絶縁ロッドのモールド樹脂(無機充填材含有エポキシ樹脂)で成形された絶縁物(樹脂モールド製品)表面に、エアースプレーで塗膜の厚みが100μmになるように塗装した後、75℃で20分間乾燥し、絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
<実施例8>
厚みが500μmとなるように絶縁被覆層を形成したこと以外は、実施例7と同様にした。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
<実施例9>
厚みが1000μmとなるように絶縁被覆層を形成したこと以外は、実施例7と同様にした。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
Figure 2016141794
表3から分かるように、実施例7〜9のいずれの場合も、未塗装の場合と比較し、沿面破壊電圧もトラッキング発生開始電圧も向上しているが、絶縁被覆層の厚みが大きいほど、沿面破壊電圧が増加する傾向にあった。これは、低誘電率の絶縁被覆層を厚くすることで、基材である樹脂モールド製品を構成する樹脂の高い誘電率の影響を解離することができるためと考えられる。
<実施例10>
平均粒径30μmの真球状のポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子をエポキシ系絶縁塗料に75重量%になるように混合し(希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を75重量%)、専用シンナーで希釈し、21mPa・sの粘度に調整した絶縁コーティング組成物を作製した。樹脂微粒子、絶縁塗料、専用シンナーはいずれも市販品を用いた。この絶縁コーティング組成物を、絶縁ロッドのモールド樹脂(無機充填材含有エポキシ樹脂)で成形された絶縁物(樹脂モールド製品)表面に、エアースプレーで塗膜の厚みが200μmになるように塗装した後、50℃で3時間乾燥し、絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
<実施例11>
粘度を150mPa・sに調整したこと以外は実施例10と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例11の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
<実施例12>
粘度を295mPa・sに調整したこと以外は実施例10と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この実施例12の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
<実施例13>
平均粒径10μmの真球状のメラミン樹脂微粒子をアミノアルキッド系絶縁塗料に65重量%になるように混合し(希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を65量%)、専用シンナーで希釈し、50mPa・sの粘度に調整した絶縁コーティング組成物を作製した。樹脂微粒子、絶縁塗料、専用シンナーはいずれも市販品を用いた。この実施例13の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
Figure 2016141794
表4から分かるように、実施例10〜13のいずれの場合も、未塗装の場合と比較し、沿面破壊電圧もトラッキング発生開始電圧も向上している。
<比較例5>
粘度を19mPa・sに調整したこと以外は実施例10と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例5の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表5に示す。
<比較例6>
粘度を310mPa・sに調整したこと以外は実施例10と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例6の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表5に示す。
<比較例7>
希釈溶剤を除く不揮発成分のうち樹脂微粒子を92重量%とし、粘度を315mPa・sに調整したこと以外は実施例10と同様にして、絶縁コーティング組成物を調製した。この比較例7の絶縁コーティング組成物を用いて、実施例10と同様にして絶縁被覆層を形成した。形成された絶縁被覆層について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表5に示す。
Figure 2016141794
比較例5では、1回の塗装膜厚が薄いこともあり、絶縁被覆層の厚みを200μm形成するのに、塗装と乾燥を20回繰り返した。塗膜にはピンホールやボイドが形成され、その影響により沿面破壊電圧は逆に低下した。一方、比較例6の場合は、塗布膜厚のムラが大きく、その影響で乾燥後にクラックが発生した。また、比較例7では、塗膜のクラックに加えて、樹脂微粒子の含有率が高い影響で、樹脂微粒子の固着性が低下し、その表面の十点平均粗さRが45μmとなり、その大きな凹凸の影響で脆い塗膜となり、容易に微粒子が脱離し、異物が発生する問題が起こった。
<実施例14>
実施例11で調製した絶縁コーティング組成物(組成物Aとする)と、実施例13で調製した絶縁コーティング組成物(組成物Bとする)とを用いて、実施の形態3として記載した(図2、3を参照)ガス絶縁開閉装置10を作製した。ガス絶縁開閉装置10の絶縁スペーサ12の絶縁部13の表面に組成物Aをエアレススプレー装置で600μmの厚みになるように塗装した後、60℃で1時間乾燥し、絶縁被覆層17aを形成した。また、接地タンク11の内面に、組成物Bをエアレススプレー装置で20μmの厚みになるように塗装した後、60℃で1時間乾燥し、絶縁被膜層17bを形成した。
絶縁スペーサ12の絶縁被覆層17aの表面上と、接地タンク11内面の絶縁被膜層17bの表面上の一方、あるいは両方に導電性の金属異物を意図的に付着させ、実施例1と同様にして沿面破壊電圧を検証した。その結果、金属異物の付着場所に関係なく、絶縁被覆層17a,17bがない場合より、1.4倍の沿面破壊電圧が得られた。また、実施例1と同様にして絶縁スペーサ12に形成した絶縁被覆層17aの表面のトラッキング評価をしたところ、各々、絶縁被覆層17aがない場合より、1.6倍のトラッキングが発生する電圧を高めることができた。
1 絶縁被覆層(塗膜)、1a 塗膜表面、2 樹脂モールド製品、2a 樹脂モールド製品表面、3 樹脂微粒子、4 絶縁塗料、10 ガス絶縁開閉装置、11 接地タンク、11a 端部フランジ部、12 絶縁スペーサ、13 絶縁部(エポキシ樹脂)、14 中心導体、15 高圧導体、16 電界緩和シールド、17a 絶縁被覆層(コーティング)(絶縁物表面上)、17b 絶縁被覆層(コーティング)(接地タンク内面)。

Claims (12)

  1. 絶縁塗料と、希釈溶剤と、これらに溶解せず、加熱によりガスを発生しない球状の平均粒径が10nm〜200μmの樹脂微粒子とから構成され、希釈溶剤を除く不揮発成分のうち該微粒子を50重量%〜90重量%を含有する、粘度が20mPa・s〜300mPa・sである、絶縁コーティング組成物。
  2. 前記球状の樹脂微粒子の比誘電率は、当該絶縁コーティング組成物を用いてその上に絶縁被覆層を形成する樹脂モールド製品を構成する樹脂の比誘電率より低いことを特徴とする請求項1に記載の絶縁コーティング組成物。
  3. 前記樹脂微粒子が熱可塑性あるいは熱硬化性の非結晶性樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の絶縁コーティング組成物。
  4. 前記樹脂微粒子が、その分子構造に芳香族基を有していないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物。
  5. 前記樹脂微粒子が、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、アニリン樹脂、グアナミン樹脂は、アミノ樹脂、あるいはこれらの架橋樹脂からなる樹脂微粒子を少なくとも1種含有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物。
  6. 前記絶縁塗料が、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系、ポリエステル系、アルキッド系、フェノール樹脂系、アクリルシリコーン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ブチルブチラール系、シアノアクリレート系、スチレンブタジエンゴム系、塩化ゴム系、アミノアルキッド系から選ばれる溶剤系塗料または水系塗料であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物。
  7. 前記絶縁塗料が熱硬化性樹脂塗料であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物。
  8. 前記絶縁塗料が、その分子構造に芳香族基を有していないことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物を用いて形成された、表平均粗さRが0.1μm〜30μmの微小な凹凸を有する絶縁被覆層をその表面に備える、高電圧機器用の樹脂モールド製品および金属タンク。
  10. 注型成形用樹脂の金型成形から作製した、絶縁ブッシング、絶縁ロッド、絶縁ホルダー、絶縁フレーム、絶縁支持台、絶縁碍子、絶縁端子、絶縁サポートおよび絶縁スペーサから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の高電圧機器用の樹脂モールド製品。
  11. 請求項10に記載の高電圧機器用のモールド製品から構成されたガス遮断器、真空遮断器、開閉器、断路器および変圧器の変電機器が、絶縁ガスが充填された密閉容器内に設置されたガス絶縁開閉装置。
  12. 絶縁ガスが充填された接地金属タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が固体絶縁物である絶縁スペーサにより支持されて前記接地金属タンクに固定されたガス絶縁開閉装置であって、前記絶縁スペーサと接地金属タンク内面が請求項1〜8のいずれか1項に記載の絶縁コーティング組成物で塗装されていることを特徴とする請求項11に記載のガス絶縁開閉装置。
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