JP5676816B2 - ガス絶縁開閉装置およびその製造方法 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁ガスが充填された円筒状の接地タンク内に高電圧導体が絶縁支持されて配置されたガス絶縁開閉装置及びその製造方法に関するものである。
ガス絶縁開閉装置は、絶縁媒体として非常に絶縁性能に優れたSFガスが使用されていたが、温暖化係数が二酸化炭素の約24000倍と高いため、削減する方向に進んでいる。代替ガスとしては、窒素や二酸化炭素、ドライエアなどが使用されるが、絶縁性能がSFガスよりも劣る。
ガス絶縁開閉装置内に数mm程度の金属異物が存在した場合、絶縁構造部材の表面に付着する可能性があり、金属異物が付着すれば絶縁性能が大きく低下することが知られている。絶縁ガスとして上記代替ガスを使用する場合は、その低下の度合いがより大きくなる。金属異物対策として、金属異物を捕獲する装置を接地タンクの底部に設置する等の種々の方策が提案されているが、100%の捕獲性能を得ることは困難なため、絶縁構造部材に金属異物が付着した状態で試験電圧である雷波形電圧や開閉サージ電圧が課電された場合でも、それに耐えうるような設計にしておく必要がある。
このような背景をふまえ、絶縁構造部材(絶縁スペーサ)の絶縁性能を向上させたガス絶縁機器の従来の技術として、例えば、表面に沿って電圧が加わる可能性のある絶縁物を有する電気機器において、絶縁物の表面に、加熱されるとガスを発生するアブレーション材料で構成された被覆部を形成している技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第4373850号
従来のガス絶縁開閉装置においては、ガス絶縁母線の絶縁スペーサに被覆する熱可塑性樹脂である絶縁物の溶融温度が高く、その加工が難しかった。また、一般的に用いられている絶縁スペーサの材料であるエポキシ樹脂との接着性が悪いため、絶縁スペーサと熱可塑性樹脂との間に、電気的、機械的弱点となる界面が発生してしまう可能性があった。さらに、絶縁スペーサ表面に用いる材料のアブレーション能力を使用するためには沿面破壊を起こすほどの放電エネルギーが必要であり、沿面破壊を前提としているため、金属異物が付着した状態などで発生する部分放電エネルギーではアブレーション能力がないことは明らかである。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、絶縁スペーサの絶縁部表面に金属異物が付着した場合でも放電の発生を抑制でき、信頼性の高いガス絶縁開閉装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係わるガス絶縁開閉装置は、絶縁ガスが充填された接地タンク、上記接地タンク内の中央部に配置された高電圧導体、上記接地タンク内に配置され上記高電圧導体を支持する絶縁スペーサを含み、上記絶縁スペーサの表面は、加熱によってガスを発生するアブレーション材料よりなる粉体をエポキシ樹脂で固めた被覆膜で覆われ、上記被覆膜の最外層に上記粉体が表出した構成であることを特徴とするものである。
また、この発明に係わるガス絶縁開閉装置の製造方法は、絶縁ガスが充填された接地タンク内に、絶縁スペーサによって支持された高電圧導体が配置されたガス絶縁開閉装置の製造方法であって、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかの粉体を、エポキシ樹脂に混合して混合塗料を得る工程、上記混合塗料を上記絶縁スペーサの表面に塗布し、上記エポキシ樹脂を硬化させ、上記粉体を上記エポキシ樹脂で固めた被覆膜を得る工程を含むものである。
この発明のガス絶縁開閉装置によれば、部分放電のエネルギーは、被覆膜の最外層に表出したアブレーション特性を持つ粉体を溶融、蒸発または切削することで吸収されるため、放電の進展を抑制できガス絶縁開閉装置の信頼性を向上させることが可能である。
この発明のガス絶縁開閉装置の製造方法によれば、絶縁スペーサの表面に、粉体をエポキシ樹脂で固めた被覆膜を形成できるため、粉体の持つアブレーション特性によって放電の進展を抑制でき信頼性の高いガス絶縁開閉装置を得ることが可能となる。
この発明の上記以外の目的、特徴、観点及び効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ部分を示す断面図である。 図1の絶縁スペーサの絶縁部上に金属異物が付着した状態を示す拡大断面図である。 比較例の、絶縁スペーサの絶縁部表面に金属異物が付着した様子を示す拡大断面図である。 図1の絶縁スペーサの絶縁部表面に付着した金属異物の様子を説明する拡大断面図である。 ガス絶縁開閉装置を構成する絶縁スペーサの絶縁部に金属異物が付着した場合の絶縁破壊電圧を示した図である。 この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの別の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ部分を示す正面図である。 この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの絶縁部表面の電界分布図である。 この発明の実施の形態3によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ表面を被覆する被覆膜のブラスト処理前の断面構成図である。 特許文献1での実施の形態を模擬して検証した実験結果を示す図である。 この発明のガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ表面を被覆するナイロンの充填量を変化させて耐電圧を検証した実験結果を示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの部分を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)はタンクの軸方向に見た絶縁スペーサの部分の正面図である。また、図2は、図1の絶縁スペーサの表面の拡大断面図であり、金属異物が付着した状態を示している。
先ず、図1により、ガス絶縁開閉装置の概要を説明する。
円筒状の金属容器により構成された接地タンク1は、所定の長さのものが、それぞれの端部のフランジ1a部において図示しないボルト等によって接続されている。フランジ1aの接続面に、絶縁構造部材である円錐面(円錐の側面部)形状の絶縁スペーサ2が挟まれて、フランジ1aと共にボルト締めされて固定されている。絶縁スペーサ2は、絶縁材料からなる絶縁部3と、中心部に設けられた中心導体4を有しており、この中心導体4の両側に高電圧導体5が接続されて支持されている。
ここで、円錐が底面と側面によって囲まれた形状である場合に、底面が円形、側面が円錐面となり、図1の絶縁部3は、略円錐面形状となる。なお、絶縁部3が絶縁スペーサ2の主構成部として所定の厚みを持つことは言うまでもない。
また、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の材料としては、例えば、エポキシ、エポキシとアルミナ、エポキシとシリカ、エポキシとフッ化アルミナのいずれかが用いられる。
フランジ1aと絶縁スペーサ2の接続部は、気密を保って接続されており、接地タンク1の内部には絶縁ガスが充填されている。
高電圧導体5と絶縁スペーサ2の中心導体4との接続部には、電界緩和シールド6が設けられている。
高電圧導体5には、図示しない系統遮断器、断路器、接地器などが電気的に接続されており、これらの機器を含んだ装置で、ガス絶縁開閉装置が構成されている。
本願発明は、絶縁スペーサ2の絶縁部3の表面の構成に特徴を有している。次に、この絶縁部3の表面形状について説明する。
図1において、絶縁部3の絶縁ガスと接する表面には被覆膜3aが形成されている。すなわち、図1(a)中に太線で示している被覆膜(絶縁部被覆膜)3aが、加熱によってガスを発生するアブレーション特性を持つアブレーション材料である熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体と、エポキシ樹脂が混合されてなる層によって形成されている。熱可塑性樹脂であり、炭素と水素からなるポリマー樹脂の具体例としては、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、同46、同66、同6.10、同11、同12。以下、ナイロンとする。)、PMMA(Polymethyl Methacrylate:アクリル樹脂)がある。
図2は、図1の絶縁スペーサ2の絶縁部3上に金属異物7が付着した状態を示す拡大断面図であり、被覆膜3aを拡大した断面図である。図に示すように、被覆膜3aは、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかの粉体31と、エポキシ樹脂32とで構成され、粉体31がエポキシ樹脂32によって固められるとともに絶縁部3に接着するように、全体の膜厚が100μm〜1mmとなるように形成されている。
また、図2の被覆膜3aを構成するエポキシ樹脂32は、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂の粉体31と、これら粉体31と絶縁スペーサ2を結合するようなバインダーの役割を果たすように混合比を調整することが望ましい。
ここで、粉体31は、粒径1〜100μmであり、エポキシ樹脂32は、粉体31の粒径を維持するように硬化される。また、粉体31とエポキシ樹脂32の重量比率は、粉体31の方がエポキシ樹脂32よりも大きくなるように調整されている。
この実施の形態1では、被覆膜3aは、絶縁スペーサ2の絶縁ガスと接する表面全面に形成されたことを特徴としている。
ここで、被覆膜3aは、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかの粉体31を、エポキシ樹脂32に混合して混合塗料を得る工程、この混合塗料を絶縁スペーサ2の表面に塗布し、エポキシ樹脂32を硬化させ、エポキシ樹脂32内に粉体31が混合されてなる被覆膜3aを得る工程を経て形成される。
なお、混合塗料を塗布した絶縁スペーサ2を100℃以下で過熱し、粉体31を溶融させずに粒形状のままでエポキシ樹脂32を硬化させて被覆膜3aを形成している。
硬化後の被覆膜3aは、表面がエポキシ樹脂32の層で覆われている場合があるため、ブラスト処理を施し、被覆膜3aの表面のエポキシ樹脂32を削り取ることにより、粉体31を被覆膜3aの最外層に表出させている。
図2では、絶縁部3を覆う被覆膜3aに、長さが3mm程度以下で径方向の太さが0.2mm程度以下の細長い金属異物7が付着した場合を模式的に示している。
実施の形態1の構成によれば、例え金属異物7が被覆膜3aに付着した状態で、雷や開閉装置が働いた時に発生する開閉サージなどの電圧が課電されても、絶縁破壊事故が起こりにくく、信頼性の高いガス絶縁開閉装置を提供できる。
以下に、その作用効果について説明する。
先ず、ガス絶縁開閉装置において、その内部に存在する金属異物7の影響について説明する。上述のように、ガス絶縁開閉装置は、系統遮断器、断路器、接地器などを含んだ装置であり、絶縁スペーサ2のような絶縁構造部材に支えられた高電圧導体5が、円筒状の接地タンク1内に納められた同軸円筒状の構造である。高電圧導体5と接地タンク1の間は、高消弧性能と高絶縁性能を有する絶縁ガスが充填されている。
ガス絶縁開閉装置を構成するほとんどのパーツは、工場内のクリーンルームで組み立てられて現地へ輸送されるが、輸送限界等により一部は現地で組み立てられる。このため、現地組立時にガス絶縁開閉装置の中に金属異物7が紛れ込む可能性がある。
この金属異物7としては、例えば、接地タンク1同士を接続する際にボルトの通し穴に残っていたバリなどの金属片が考えられる。またそれとは別に、導体等の金属同士が開閉部分などで摺動する際に発生する場合もある。これら金属異物7の大部分は検査工程で取り除かれるが、長さが3mm程度以下で太さが0.2mm程度以下の金属異物7は発見が困難であり、検査で見落とされる場合がある。
金属異物7は、ガス絶縁開閉装置の運転が開始されるまでは、接地タンク1内部の底面に横たわっている。運転開始前の試験などで定格電圧よりも高い電圧を印加した場合に動き出し、接地タンク1の中心に絶縁スペーサ2で支持された高電圧導体5と接地タンク1との間で往復運動を繰り返し、その勢いで高電圧導体5の軸方向に動きまわる。その時、高電圧導体5を支えている絶縁スペーサ2の絶縁部3表面に付着する可能性がある。付着すると、金属異物7と絶縁材料と絶縁ガスの3つによりトリプルジャンクションが形成される。トリプルジャンクションは誘電率の関係により周囲と比較して高い電界が形成される部位である。
金属異物7が付着したままで、雷波形試験電圧や開閉装置の動作時に発生する開閉サージが課電されると、特に電界が高くなる金属異物7の先端部近傍のトリプルジャンクションの電界が放電電界を容易に越えてしまい放電が発生する。この時、絶縁スペーサ2の絶縁部3表面の沿面方向の電界も高くなっているため、放電は絶縁部3表面を進展して接地側と導体側を橋絡し、絶縁破壊事故が発生する。
従って、金属異物7の絶縁スペーサ2に付着してトリプルジャンクションで発生する部分放電の進展を抑制することが重要であり、これにより絶縁破壊の可能性を低下させることができる。
一般的に、絶縁スペーサ2等の絶縁構造部材の絶縁部3表面は滑らか(数μmオーダー)に仕上げられている。これは金属部材の凹凸面における電界上昇と同じ考え方によるものであり、少なからず絶縁材料の凹凸においても電界は集中してしまうので、同様な措置がとられているものである。この措置は、金属異物7が存在しない理想的な場合を想定したものであるが、上述のように、実使用環境では金属異物7が存在するので、上記のような比較的滑らかな仕上げでは、金属異物7の先端部近傍でトリプルジャンクションが形成される確率は高く、絶縁破壊電圧が低下することになる。このことを図3により説明する。
図3は、比較例として、従来のように比較的滑らかに仕上げられた絶縁スペーサの絶縁部表面(被覆膜で覆われていない)3bに金属異物7が付着した模式図である。図から分かるように、絶縁部表面3bの表面粗さRzが30μmに満たないような滑らかな場合では、図中の破線で囲って示すように、金属異物先端部7a近傍でトリプルジャンクション8が形成される確率が非常に高い。
本願発明では、絶縁部3表面に、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかのアブレーション材料よりなる粉体と、エポキシ樹脂が混在した層を被覆膜3aとして形成し、粉体の持つアブレーション性能により、金属異物先端部7aのトリプルジャンクション8で発生する部分放電の進展を抑制させたものである。
そこで、次に、本願発明の絶縁スペーサ2の作用について説明する。
図4は、実施の形態1による絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を被覆する被覆膜3aに金属異物7が付着した様子を示す部分拡大断面図である。
図中に示すように、アブレーション材料である熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体31は、少量のエポキシ樹脂32によって固められ、粉体31同士が結合されている。そのため、金属異物7と粉体31の層表面と絶縁ガスで構成されるトリプルジャンクション8の近傍で発生する部分放電によって、粉体31が加熱され、溶融、蒸発または切削されてガスが発生し、放電エネルギーがそのエネルギーに変換されるため、結果として部分放電の進展を抑制でき、絶縁スペーサ2の信頼性を高めることができる。
上記の効果を実験により検証し確認した。
図5は、実験結果によって得た、絶縁部3表面に上述のような微小な金属異物7が付着した場合の、絶縁スペーサ2表面に粉体31層を形成した場合(ナイロン粉体被覆あり)と、何もしない場合(ナイロン粉体被覆なし)の絶縁破壊電圧を示す図である。縦軸に絶縁破壊電圧(BDV比)を示し、横軸に種類を示している。
図5から分かるように、被覆膜3aがない場合のBDV比が1.0であるのに対し、被覆膜3aがある場合は、BDV比が約1.25と大きく、表面に本発明の塗装を施すことにより、沿面破壊電圧が大きくなっている。
この時の被覆膜3aの厚みはおよそ500μmであるが、絶縁スペーサ2の誘電率の影響を抑制して、トリプルジャンクション8の電界を低下させる効果を考慮すると、1mm程度の膜厚とするのが望ましい。
また、特許文献1には、熱可塑性樹脂により絶縁スペーサ沿面を被覆した場合に、アブレーション効果により、放電を絶縁スペーサから離す作用があることが記載されているが、ナイロン66を溶着させた層(本発明の被覆膜の最外層にナイロン粉体が表出した構成と異なる)を絶縁スペーサの沿面に形成して、その表面上に金属異物が付着した際の沿面耐電圧を検証したが、図11に示すとおり、本発明と違って金属異物に対する効果は認められなかった。また、粉体31とエポキシ樹脂32で構成される被覆膜3aにおけるそれぞれの重量比率は、微小放電による粉体31の溶融、蒸発または切削を起こりやすくさせるためには、粉体31の重量比率は5割より大きい方が望ましい。図12が検証結果を示すグラフである。図12は、横軸がナイロン粉体の混合比、縦軸がBDV比(耐電圧)である。図12に示すように、ナイロン粉体の混合比が1.0〜1.5の範囲、すなわち被覆膜3a内のナイロン粉体の重量比率が5割〜6割の範囲において、BDV比は1.0以上であり、ナイロン粉体の重量比率の増加に伴って一次関数的に耐電圧が増加する傾向が見られ、粉体31の重量比率が5割を超すと耐電圧が上昇することが判明した。
以上までの説明では、ガス絶縁開閉装置の高電圧導体5を支える絶縁構造部材は、図1のような円錐面形状の絶縁スペーサ2であった。絶縁スペーサ2には様々な形状のものがあるので、次に、絶縁スペーサの他の例について説明する。
図6はポスト形の絶縁スペーサ9を示す図であり、(a)は側面図、(b)は接地タンク1の軸方向に見た正面図を示している。ポスト形の絶縁スペーサ9は、絶縁部材からなる絶縁部10と、高電圧導体5の支持と電界緩和シールドを兼ねた導体支持部11と、固定部12とを有し、固定部12が接地タンク1の側壁に固定されて高電圧導体5が支持されている。この絶縁部10の絶縁ガスと接する表面部は、被覆膜10a(図中太線部)で覆われ、この被覆膜10aは、図2の場合と同様に、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体31と、エポキシ樹脂32からなる層により形成されるものである。
図7は、さらに他の例であり、三相一括の円板形の絶縁スペーサ13を示している。(a)は側面図、(b)は正面図である。図1と同等部分は同一符号で示し説明は省略する。絶縁スペーサ13は、絶縁部材からなる絶縁部14と、高電圧導体5を支持する中心導体15とを有しており、中心導体15の両側にそれぞれ高電圧導体5が接続されて支持され、接続部は電界緩和シールド6で覆われている。
絶縁部14の絶縁ガスと接する表面部には被覆膜14a(図中太線部)が形成され、上述の図2の場合と同様に熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂の粉体31とエポキシ樹脂32からなる被覆膜14aを形成することで、上記と同様な作用効果を得ることができる。
なお、絶縁スペーサ9、13の絶縁材料は、特別な材料を使用する必要はなく、絶縁スペーサ2で説明したものと同様に、エポキシ、エポキシとアルミナ、・・・等の従来から用いられている材料を使用すればよい。すなわち、本実施の形態の絶縁スペーサの絶縁部の材料は、特別な材料とする必要はなく、従来から多く用いられた絶縁材料を使用することで、安価に構成できる。
また、本願発明の被覆膜3a(10a、14a)は、従来のように溶融温度が高い熱可塑性樹脂の層を形成するものと比較して、熱可塑性樹脂を溶融させる必要がないため、施工時間の大幅な短縮、製作コストの大幅な削減につながる。
さらに、従来のような熱可塑性樹脂の膜上では金属異物7が付着した際に発生する部分放電の微小な放電エネルギーによって膜がアブレーションされる可能性は小さく、金属異物が付着した際の沿面耐電圧の向上にはつながらないが、本願発明の構成によればその心配がない。
以上のように、実施の形態1のガス絶縁開閉装置によれば、絶縁スペーサ2の絶縁部3の絶縁ガスと接する表面が、膜厚100μm〜1mmの、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂の粉体31とエポキシ樹脂32よりなる被覆膜3a(10a、14a)で覆われているので、絶縁スペーサ2の絶縁部3の表面に金属異物7が付着した場合でも、雷や開閉装置が働いた時に発生する開閉サージなどの電圧が課電された場合に最も電界が高くなる金属異物7の先端部で発生する部分放電の微小なエネルギーによって、粉体31が溶融、蒸発または切削され、そのエネルギーに放電エネルギーが吸収されるため放電の進展を抑制でき、ガス絶縁開閉装置の信頼性を向上させることができる。
また、絶縁スペーサ2の絶縁部3の材料の組成は、エポキシ、エポキシとアルミナ、エポキシとシリカ、エポキシとフッ化アルミナのいずれかとしたので、一般的に使用される絶縁材料を用いて、絶縁部3表面を粗面化した絶縁スペーサ2を安価に提供できる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置について説明する。ガス絶縁開閉装置の高電圧導体を支持する絶縁スペーサの基本的な形状は、実施の形態1の図1、図6及び図7と同等なので、図示及び構成の説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を、アブレーション性能を持つ被覆膜が被覆する範囲である。
図8は、実施の形態2のガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ部の正面図であり、実施の形態1の図1(b)に対応する図である。
実施の形態1では、図1のように、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の、絶縁ガスと接する表面全面に、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体31とエポキシ樹脂32を混合した混合層として被覆膜3a(10a、14a)を形成した。これに対し、本実施の形態2では、図8に示すように、絶縁スペーサ2を構成し、絶縁ガスと接する表面である絶縁部3の表面のうち、高電圧導体5の支持側から接地タンク1への固定側にかけて、支持側から略50%の範囲まで(両面とも)を被覆領域とし、この被覆領域を覆うように、実施の形態1で説明した図2と同等な構成の、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体31とエポキシ樹脂32よりなる被覆膜3cを形成したものである。
この実施の形態2では、絶縁スペーサ2の絶縁部3の、高電圧導体5を保持する中央部分から所定の広がりを持った範囲に被覆膜3cが形成され、例えば、図8のように、絶縁スペーサ2が、接地タンク1の中央部から内側面にかけて設けられる円錐面形状であり、円錐面の頂点近傍から略半分の高さまでの範囲が被覆膜3cによって覆われることを特徴としている。
図8に示した被覆膜3cを有したガス絶縁開閉装置の作用について説明する。
一般的に、絶縁スペーサ2において、高電圧導体5に取り付けられる電界緩和シールド6に近い絶縁スペーサ2の表面が特に電界が高くなり、金属異物7が付着した場合は沿面放電が特に発生しやすくなる。
図9は、図1で示したような円錐面形状の絶縁スペーサ2の場合の、絶縁部3表面の沿面方向の電界分布図である。図9において、破線で示すのは凹側の沿面電界分布であり、実線は凸側の沿面電界分布である。図9から、絶縁スペーサ2の両面の電界分布は、高電圧導体5側からの距離が、ともに50%以下の部位に最大電界を持っていることが分かる。
本実施の形態2では、絶縁スペーサ2の中央部分を被覆膜3cによって選択的に被覆しているため、効率よく絶縁スペーサ2表面の絶縁耐力を向上させることができる。
なお、絶縁スペーサの形状が、図6のようなポスト形の絶縁スペーサ9、および、図7のような円板形の絶縁スペーサ13の場合も、同様に、高電圧導体5の支持側から接地タンク1の固定側にかけて、高電圧導体5に近い側から略50%の範囲までを被覆すればよい。
以上のように、実施の形態2のガス絶縁開閉装置によれば、絶縁スペーサ2の絶縁部3が絶縁ガスと接する表面のうち、高電圧導体5の支持側から接地タンク1へ固定する固定側にかけて、支持側から略50%の範囲までが被覆されているので、絶縁スペーサ2の表面の最も電界が高くなるような位置に金属異物7が付着しても絶縁性能を低下させることなく、さらに絶縁スペーサ2表面の全体を被覆する場合に比べて、加工の作業時間が短縮されて製作の効率化が図れる。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1または2で説明したものと同等のガス絶縁開閉装置において、絶縁スペーサの絶縁部表面に形成する被覆膜3a(10a、14a)の形成方法に関するものである。ガス絶縁開閉装置の構成は、図1、図6、図7と同等なので、図示及び説明は省略する。
上述したように、被覆膜3a(10a、14a)は、アブレーション材料よりなる粉体31を、エポキシ樹脂32に混合して混合塗料を得る工程、この混合塗料を絶縁スペーサ2の表面に塗布し、エポキシ樹脂32を硬化させ、エポキシ樹脂32内に粉体31が混合されてなる被覆膜3aを得る工程を経て形成され、被覆膜3a成膜後も粉体31が粒形状を保っている。
先ず第1の被覆膜3a形成方法として、固形で粒形状のアブレーション材料よりなる粉体31として熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかと、液体の主剤および液体の硬化剤からなるエポキシ樹脂32とを混合した混合塗料をスプレーで絶縁部3(10、14)の表面に吹き付けて、その後、硬化炉にてエポキシ樹脂32のみを硬化させ、粉体31は溶融させることなく、粒径を保ったままの状態にて絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を被覆するものである。この時、使用するエポキシ樹脂は常温硬化または低温硬化(常温から100℃以下)のものを使用することで、下地となる絶縁スペーサ2の温度調整が必要なくなり、不要な加熱を抑えることができる。
次に、被覆膜3a形成の他の方法について説明する。
粉体31である熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかと、エポキシ樹脂32の主剤(固形の粒状)および硬化剤(固形の粒状)を混合させたもの、またはそれらを同時に絶縁部3の表面に吹き付けて、その後、硬化炉にてエポキシ樹脂32のみを硬化させ、溶融していない粉体31の粒径を保ったままの状態にて絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を被覆するものである。この時、例えば、使用するエポキシ樹脂32は常温硬化または低温硬化(常温から100℃以下)のものを使用する。
さらに他の方法として、予め主剤と硬化剤を混合した液体のエポキシ樹脂32を絶縁スペーサ2の絶縁部3表面にスプレーによる吹き付け、または刷毛などによる塗布を実施しておき、その後、固形で粒状のアブレーション材料よりなる粉体31として熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかをスプレーにより吹き付け、その後、硬化炉にてエポキシ樹脂32のみを硬化させ、溶融していない粉体31の粒径を保ったままの状態にて絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を被覆膜3aで被覆するものである。この時、例えば、使用するエポキシ樹脂32は常温硬化または低温硬化(常温から100℃以下)のものを使用する。
このような方法によれば、アブレーション材料よりなる粉体31を、粒形状を保ったまま絶縁スペーサ2の絶縁部3表面に付着させることができ、金属異物7の先端を発生起点とする部分放電の抑制を確実なものとすることが可能である。
また、常温硬化、低温硬化のエポキシ樹脂32を用いることにより高温の硬化炉を使用することがなく、消費エネルギーの節約および工期の短縮を可能とし、絶縁耐力を向上させた絶縁スペーサ2の製作が格段に容易になる。
また、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかよりなる粉体31およびエポキシ樹脂32の塗布に先立ち、絶縁スペーサ2の絶縁部3表面を予め、ショットブラストにより粗面化しておくとよい。
絶縁スペーサ2の材料であるエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂の定着のために使用するエポキシ樹脂の親和性はよいが、二つの絶縁物が結合している界面は、電気的に、機械的に弱点と成りうるため、ショットブラストにより粗面化した表面に熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかとエポキシ樹脂の層(被覆膜3a)を形成することで、電気的、機械的欠陥を予防することが可能となる。
なお、被覆膜3aは、ショットブラストによる粗面化で表面積を増大させた絶縁部3の表面に形成されるため、被覆膜3aに表出する粉体31の表出面積を増大させることができる。
ここで、被覆膜3aの最外層について以下のように考える。一般的な絶縁スペーサ2はアルミナ、シリカなどを充填材としたエポキシ樹脂にて製作されるが、その最外層は数十μmのエポキシ樹脂のみからなる層に覆われた状態となる。同様に、本発明のようにアブレーション材料よりなる粉体31とエポキシ樹脂32とを混合して塗布した場合には、図10に示すように、最外層にはエポキシ樹脂32のみの層が生成される場合がある。エポキシ樹脂32が被覆膜3aの最外層を覆っている場合、金属異物7が付着し、異物先端部で部分放電が発生したとしても、その放電エネルギーにてエポキシ樹脂32よりなる層は溶融、飛散するとは考えられない。そこで、粉体31とエポキシ樹脂32の混合比を調整して、できるだけ粉体31が表面に出るようにする必要がある。粉体31が表出することで、粉体31の熱容量が小さいため、金属異物先端の放電にて溶融する可能性を高くすることができる。また、粉体31が被覆膜3aの表面に出ることで、エポキシ樹脂32の接着強度も低下すると考えられ、部分放電にて、粉体31が飛散する可能性も高くなる。この確率を高めるために、ショットブラストなどで、粉体31とエポキシ樹脂32からなる表面層を粗面化すれば自ずと粉体31が表面に出る可能性が高くなり、部分放電にて粉体31が溶融、飛散しやすくなり、結果、耐電圧を高くすることが可能となる。
以上のように、実施の形態3のガス絶縁開閉装置の製造方法によれば、絶縁スペーサ2の絶縁部3の絶縁ガスと接する表面が、膜厚100μm〜1mmの被覆膜3a、つまり熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかの粉体31とエポキシ樹脂32とで覆われているので、絶縁スペーサ2の絶縁部3の表面に金属異物7が付着した場合でも、雷や開閉装置が働いた時に発生する開閉サージなどの電圧が課電された場合に最も電界が高くなる金属異物7の先端部で発生する部分放電の微小なエネルギーによって、アブレーション材料よりなる粉体31が溶融、蒸発または切削され、そのエネルギーに放電エネルギーが吸収されるため放電の進展を抑制でき、ガス絶縁開閉装置の信頼性を向上させることができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (13)

  1. 絶縁ガスが充填された接地タンク、上記接地タンク内の中央部に配置された高電圧導体、上記接地タンク内に配置され上記高電圧導体を支持する絶縁スペーサを含み、上記絶縁スペーサの表面は、加熱によってガスを発生するアブレーション材料よりなる粉体をエポキシ樹脂で固めた被覆膜で覆われ、上記被覆膜の最外層に上記粉体が表出した構成であることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 上記粉体は、熱可塑性樹脂によって構成されることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
  3. 上記粉体は、ガラスによって構成されることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
  4. 上記粉体は、セルロース樹脂によって構成されることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
  5. 上記粉体は、炭素と水素を含むポリマー樹脂によって構成されることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
  6. 上記粉体は、粒径1〜100μmであり、上記エポキシ樹脂は、上記粉体の粒径を維持するように硬化されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のガス絶縁開閉装置。
  7. 上記絶縁スペーサの主構成部は、エポキシ、エポキシとアルミナ、エポキシとシリカ、エポキシとフッ化アルミナのいずれかによって構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のガス絶縁開閉装置。
  8. 上記被覆膜の、上記粉体と上記エポキシ樹脂との重量比率は、上記粉体の方が上記エポキシ樹脂よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のガス絶縁開閉装置。
  9. 上記絶縁スペーサの上記絶縁ガスと接する表面全面に、上記被覆膜が形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のガス絶縁開閉装置。
  10. 上記被覆膜は、上記絶縁スペーサの上記高電圧導体を保持する中央部分から所定の広がりを持った範囲に形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉装置。
  11. 上記絶縁スペーサは、上記接地タンクの中央部から内側面にかけて設けられる円錐面形状であり、上記円錐面の頂点近傍から略半分の高さまでの範囲が上記被覆膜によって覆われることを特徴とする請求項10記載のガス絶縁開閉装置。
  12. 絶縁ガスが充填された接地タンク内に、絶縁スペーサによって支持された高電圧導体が配置されたガス絶縁開閉装置の製造方法であって、熱可塑性樹脂、ガラス、セルロース、炭素と水素から成るポリマー樹脂のいずれかの粉体を、エポキシ樹脂に混合して混合塗料を得る工程、上記混合塗料を上記絶縁スペーサの表面に塗布し、上記エポキシ樹脂を硬化させ、上記粉体を上記エポキシ樹脂で固めた被覆膜を得る工程を含み、上記被覆膜に、ブラスト処理を施し、上記被覆膜の表面の上記エポキシ樹脂を削り取ることにより、上記粉体を上記被覆膜の最外層に表出させることを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。
  13. 上記被覆膜を得る工程において、上記混合塗料を塗布した上記絶縁スペーサを100℃以下で過熱し、上記粉体を溶融させずに上記エポキシ樹脂を硬化させることを特徴とする請求項12記載のガス絶縁開閉装置の製造方法。
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