JP5583074B2 - ガス絶縁開閉装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ガス絶縁開閉装置内に数mm程度の金属異物が存在した場合、絶縁構造部材の表面に付着する可能性があり、金属異物が付着すれば絶縁性能が大きく低下することが知られている。絶縁ガスとして上記代替ガスを使用する場合は、その低下の度合いがより大きくなる。金属異物対策として、金属異物を捕獲する装置を接地タンクの底部に設置する等の種々の方策が提案されているが、100%の捕獲性能を得ることは困難なため、絶縁構造部材に金属異物が付着した状態で落雷などが発生した場合でも、それに耐えうるような設計にしておく必要がある。
また、絶縁スペーサの絶縁部の材料の組成は、エポキシ,エポキシとアルミナ,エポキシとシリカ,エポキシとフッ化アルミナのいずれかであり、絶縁部の絶縁ガスと接する表面が、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzで30μm〜200μmとなるように粗面化されているものである。
また、上記のブラスト処理に変えて、内面を粗面化した金型を使用して成型したものである。
また、上記のブラスト処理に変えて、内面を粗面化した金型を使用して成型したものである。
また、絶縁スペーサの絶縁部の材料の組成は、エポキシ,エポキシとアルミナ,エポキシとシリカ,エポキシとフッ化アルミナのいずれかであり、絶縁部の絶縁ガスと接する表面が、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzで30μm〜200μmとなるように粗面化されているので、一般的に使用される絶縁材料を用いて、絶縁部表面を粗面化した絶縁スペーサを安価に提供できる。
図1は、この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの部分を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)はタンクの軸方向に見た絶縁スペーサの部分の正面図である。また、図2は、図1の絶縁スペーサの表面の拡大断面図であり、金属異物が付着した状態を示している。
円筒状の金属容器により構成された接地タンク1は、所定の長さのものが、それぞれの端部のフランジ1a部において図示しないボルト等によって接続されている。フランジ1aの接続面に、絶縁構造部材である円錐形の絶縁スペーサ2が挟まれて、フランジ1aと共にボルト締めされて固定されている。絶縁スペーサ2は、絶縁材料からなる絶縁部3と、中心部に設けられた中心導体4を有しており、この中心導体4の両側に高電圧導体5が接続されて支持されている。
絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の材料としては、例えば、エポキシ,エポキシとアルミナ,エポキシとシリカ,エポキシとフッ化アルミナのいずれかが用いられる。
高電圧導体5と絶縁スペーサ2の中心導体4との接続部には、電界緩和シールド6が設けられている。
高電圧導体5には、図示しない系統遮断器、断路器、接地器などが電気的に接続されており、これらの機器を含んだ装置で、ガス絶縁開閉装置が構成されている。
図1において、絶縁部3の絶縁ガスと接する表面、すなわち、図1(a)中に太線で示している部分(以下、単に絶縁部表面3aと称す)には、微小な凹凸が形成されている。
図2は、図1の絶縁スペーサ2の絶縁部表面3aを拡大した断面図である。図に示すように、絶縁部表面3aには、JIS規格(JISB0601−1994)の十点平均粗さで表した場合、十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるような凹凸に粗面化されている。
また、このとき、図2中に示すA部のような、十点平均粗さRzを超える凸部の間隔を、1.5〜3.0mmの範囲内となるように形成するのが望ましい。
凹凸の形成方法については後述する。
実施の形態1の構成によれば、例え金属異物7が絶縁部表面3aに付着した状態で、雷や開閉装置が働いた時に発生する開閉サージなどの電圧が課電されても、絶縁破壊事故が起こりにくく、信頼性の高いガス絶縁開閉装置を提供できる。
以下にその作用効果について説明する。
この金属異物としては、例えば、接地タンク同士を接続する際にボルトの通し穴に残っていたバリなどの金属片が考えられる。またそれとは別に、導体等の金属同士が開閉部分などで摺動する際に発生する場合もある。これら金属異物の大部分は検査工程で取り除かれるが、長さが3mm程度以下で太さが0.2mm程度以下の金属異物は発見が困難であり、検査で見落とされる場合がある。
したがって、金属異物の先端部近傍にトリプルジャンクションを形成させないようにすることが重要であり、これにより絶縁破壊の可能性を低下させることができる。
図3は、比較説明のために、従来のように比較的滑らかに仕上げられた絶縁スペーサの絶縁部表面3bに金属異物7が付着した模式図である。図から分かるように、絶縁部表面3bの表面粗さRzが30μmに満たないような滑らかな場合では、図中の破線で囲って示すように、金属異物先端部7a近傍でトリプルジャンクション8が形成される確率が非常に高い。
そこで次に、本願発明の絶縁スペーサの作用について説明する。
図4は、実施の形態1による絶縁スペーサ2の絶縁部表面3aに金属異物7が付着した様子を示す部分断面図であり、図2と同等部分であるが、図3に対応させて拡大表示したものである。
図中に破線で囲って示すように、トリプルジャンクション8は、絶縁部表面3aに付着した金属異物7の最も電界が高くなる金属異物先端部7aの近傍に形成される確率が低下し(すなわち、金属異物先端部7a近傍から離れた箇所に形成される確立が増し)、電界の上昇を抑制できるため、結果として放電の発生を抑制でき、絶縁スペーサ2の信頼性を高めることができる。
図5は、実験結果によって得た、絶縁部表面に上述のような微小な金属異物が付着した場合の、絶縁部表面粗さと絶縁破壊電界の関係を示す図である。縦軸に絶縁破壊電界を示し、横軸に絶縁部表面粗さを示している。横軸の絶縁部表面粗さは、前記JIS規格の十点平均粗さRzで表したものである。
図から分かるように、絶縁部表面粗さが十点平均粗さRzで30μm以上になれば絶縁破壊電界が上昇しており、粗面化の効果が大きくなっている。
表面粗さの程度をあまり大きくすると、加工が難しくなり、また絶縁部沿面の耐電圧性
能が低下してくることから、十点平均粗さRzの上限は200μm程度とするのが望ましい。
上記の十点平均粗さRzの範囲を規定したことと相まって、雷電圧などが課電された場合に最も電界が高くなる先端部分付近にトリプルジャンクションが形成される確率が大幅に低下することで、電界上昇を効果的に抑制できる。
また、例え一部の金属異物7の先端部近傍でトリプルジャンクションが形成されたとしても、絶縁部表面3aにおけるトリプルジャンクション8を形成する領域、すなわち電界が高い領域が小さいため、橋絡するような放電には至らない。
図6はポスト形の絶縁スペーサ9を示す図であり、(a)は側面図、(b)は接地タンク1の軸線方向に見た正面図を示している。絶縁スペーサ9は、絶縁部材からなる絶縁部10と、高電圧導体5の支持と電界緩和シールドを兼ねた導体支持部11と、固定部12とを有し、固定部12が接地タンク1の側壁に固定されて高電圧導体5が支持されている。この絶縁部10の、絶縁ガスと接する絶縁部表面10a(図中太線部)を、図2の場合と同様に粗面化するものである。
絶縁部14の絶縁ガスと接する絶縁部表面14a(図中太線部)を、図2と同様に粗面化することで、上記と同様な作用効果を得ることができる。
また、背景技術の項で説明した特許文献1のように絶縁材料表面にセラミックス等の別の層を形成するものと比較して、絶縁材料表面に別の層を設けてないため、最も絶縁耐力が弱くなる部位である界面、すなわち、絶縁材料表面とその表面に形成する層との境界を形成しなくて済み、絶縁耐力の向上効果が大きくなる。
更に、セラミックス等の部材では、金属異物が付着した場合のトリプルジャンクションの電界は、本願のような絶縁材料と比較して、誘電率が1.5〜2.0倍高いので、放電発生の可能性も1.5〜2.0倍高くなってしまうが、本願発明の構成によればその心配がない。
次に、この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置について説明する。ガス絶縁開閉装置の高電圧導体を支持する絶縁スペーサの基本的な形状は、実施の形態1の図1、図6及び図7と同等なので、図示及び構成の説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、絶縁スペーサの絶縁部表面を粗面化する範囲である。
実施の形態1では、図1のように、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の、絶縁ガスと接する表面、すなわち絶縁部表面3aの全体を粗面化したが、これに対し、本実施の形態では、図8に示すように、絶縁スペーサを構成する絶縁部の、絶縁ガスと接する表面である絶縁部表面3aのうち、高電圧導体5の支持側から接地タンク1への固定側にかけて、支持側から略50%の範囲までを粗面化領域3c(両面とも)とし、実施の形態1で説明した図2と同等な形状に、粗面化したものである。
一般的に、絶縁スペーサにおいて、高電圧導体に取り付けられる電界緩和シールドに近い絶縁スペーサの表面が特に電界が高くなり、金属異物が付着した場合は沿面放電が特に発生しやすくなる。
図9は、図1で示したような円錐形の絶縁スペーサの場合の、絶縁部表面の沿面方向の電界分布示す図である。図において、破線で示すのは凹側の沿面電界分布であり、実線は凸側の沿面電界分布である。図9から、絶縁スペーサの両面の電界分布は、高電圧導体側からの距離が、ともに50%以下の部位に最大電界を持っていることが分かる。
本実施の形態では、絶縁スペーサ2の絶縁部表面3aの上記領域3cを粗面化しているため、効率よく絶縁スペーサ表面の絶縁耐力を向上させることができる。
次に、この発明の実施の形態3によるガス絶縁開閉装置について説明する。ガス絶縁開閉装置の高電圧導体を支持する絶縁スペーサの基本的な形状は、実施の形態1の図1、図6及び図7と同等なので、図示及び構成の説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、絶縁部表面の粗面化領域に正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着する点である。
図10は、実施の形態3のガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ部の正面図であり、実施の形態1の図1(b)に対応する図である。図1と同等部分は同一符号を付して説明は省略する。
絶縁被膜層16の表面は、JIS規格(JISB0601−1994)の十点平均粗さで表した場合、十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように形成する。
本実施の形態の場合は、絶縁部表面3a全体が粗面化領域であり、且つ、絶縁被膜層16を形成する領域となっている。
一般的にSF6ガスは、不平等電界下では、負極性の電圧よりも正極性の電圧が課電された場合において、その耐電圧性能は低く、SF6ガスを使用するガス絶縁開閉装置においても同様である。環境保護のためにSF6ガスの削減が進められているが、他のガス、例えば窒素、二酸化炭素、酸素などは単体での耐電圧性能は低いため、SF6ガスと混合して使用することでその性能低下を抑制する方法が一般的に用いられる。
このような混合ガスを使用した状況で絶縁スペーサの絶縁部表面3aに、図2のような金属異物7が付着した場合は、金属異物7先端近傍は不平等電界となるため、やはり正極性の電圧が発生する金属異物7の先端から部分放電が進展して、高電圧導体5もしくは接地タンク1と接続され、その後、高電圧導体5と接地タンク1が部分放電により接続され、破壊に至る。
よって、粗面化された絶縁スペーサ2の絶縁部表面3aに、上述のような正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着させた絶縁被膜層16を形成することにより、更なる耐電圧性能向上を実現できる。
この場合、常温硬化するエポキシ樹脂を使うとよい。また、絶縁スペーサの材料となるエポキシ樹脂は、耐用年数などが既知であり、これと同等のエポキシ樹脂を使用することで開発も容易である。
また、耐電圧性能の向上により絶縁スペーサを小形化することが可能となるので、ガス絶縁開閉装置のタンク径の縮小が可能となり、低コスト化を図ることができる。
次に、この発明の実施の形態4によるガス絶縁開閉装置について説明する。ガス絶縁開閉装置の高電圧導体を支持する絶縁スペーサの基本的な形状は、実施の形態1の図1、図6及び図7と同等なので、図示及び構成の説明は省略する。また、粗面化した絶縁スペーサの絶縁部表面に正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着させるのは実施の形態3と同様である。実施の形態3との相違点は、上記絶縁物質を被着させる範囲なので、以下、相違点を中心に説明する。
実施の形態3では、図10のように、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の、絶縁ガスと接する表面である絶縁部表面3a全体を粗面化すると共に、粗面化領域全体に、正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着させた絶縁被膜層16を形成したが、これに対し、本実施の形態では、図12に示すように、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の、絶縁ガスと接する絶縁部表面3a(=粗面化領域)のうち、高電圧導体5の支持側から接地タンク1への固定側にかけて、支持側から略40%の部位から略60%の部位の範囲(両面とも)を、正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着して絶縁被膜層17を形成する領域としたものである。絶縁被膜層17を構成する材料や被着方法は、実施の形態3で説明したものと同等である。
実施の形態2で説明したように、高電圧導体に取り付けられる電界緩和シールドに近い絶縁スペーサの表面が特に電界が高くなる。絶縁スペーサは雷波形電圧を考慮して設計するが、雷は正、負両方の極性があり、どちらの極性も同等な確率で課電されると考えてよい。金属異物が存在しない場合においては、高電圧導体5の電界緩和シールド6(図1参照)近傍が不平等電界になるため、その近傍に正極性に帯電しやすい絶縁物質が存在すると、かえって耐電圧性能を低下させる可能性がある。このことを考慮すると、先の図9に示す、沿面電界分布の中央付近、すなわち高電圧導体側から接地タンク側に向かって略40%から60%の領域に正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着するのが望ましい。このような観点から、本実施の形態では、図12に示すように、上述の範囲に絶縁被膜層17を形成しているため、効率よく絶縁スペーサ表面の絶縁耐力を向上させることができる。
また、絶縁スペーサ表面の粗面化領域全体に絶縁被膜層を形成する場合に比べて、加工の作業時間が短縮されて製作の効率化が図れる。
実施の形態5は、実施の形態1〜4で説明したものと同等のガス絶縁開閉装置において、絶縁スペーサの絶縁部の粗面化の方法に関するものである。したがって、ガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサの構成は、図1,図6〜図8,図10,図12と同等なので、図示及び説明は省略する。
ブラスト材としては、固体二酸化炭素、いわゆるドライアイス(商標)を使用するのがよい。ドライアイスは使用後昇華して二酸化炭素となってしまうため、ブラスト材が絶縁部表面3aに残留して絶縁耐力を低下させてしまうという問題を排除できる。
この方法によれば、表面を粗面化するために、機械加工など、時間と経費がかかるようなものを使うことなく、簡単で容易に絶縁スペーサの絶縁部表面を所望の表面形状に粗面化できる。
一般的に、絶縁スペーサは、中心導体や接地となる金属を埋め込んだ金型(図示せず)を使って、絶縁部を構成する絶縁材料を真空注型して成型する場合が多い。そこで、絶縁スペーサを成型する金型の内面を粗面化しておくことによって、注型作業と同時に絶縁部の表面を粗面化するものである。
金型内面の、絶縁部表面を成型する部位を、予め上記と同様の十点平均粗さ及び凸部の間隔に加工しておくことで、成型された絶縁スペーサの絶縁部表面に所望の表面形状(具体的には上記と同じ)を形成するものである。
金型内面を粗面化する方法としては、ブラスト処理,ローレット加工,サンディングマシーンを利用する等が考えられるが、特にブラスト処理が望ましい。
使用する絶縁材料は、例えば、従来から使用されている、エポキシ,エポキシとアルミナ,エポキシとシリカ,エポキシとフッ化アルミナのいずれかとする。
また、ブラスト処理は、ほぼ一様な凹凸を形成することが容易であるために、他の粗面化方法と比較して所望の凹凸を容易に、短時間で形成することが可能である。また、成型と同時に粗面化できるので、絶縁スペーサ毎に絶縁部表面をあらためて粗面化する工程が必要ないため、作業が少なくなり、絶縁耐力を向上させた絶縁スペーサの製作が格段に容易になる。
離型剤を塗布しない場合は、金型内面の粗面化した面において、注型時に硬化後の絶縁材料が金型表面から剥がれ難くなるアンカー効果が発生しやすくなり、金型から取り外した際に所望の凹凸が絶縁材料表面に形成されない場合が起こりうるが、粗面化した金型表面に離型剤を塗布しておくことで、金型と絶縁材料の間に離型剤の層が形成され、金型に固着することを防止でき、取り外しが容易になる。
次に、この発明の実施の形態6によるガス絶縁開閉装置について説明する。ガス絶縁開閉装置の高電圧導体を支持する絶縁スペーサの基本的な形状は、実施の形態1の図1、図6及び図7と同等なので、図示及び構成の説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、絶縁スペーサの絶縁部の絶縁ガスと接する表面に、厚さが50〜1000μmの絶縁被覆層をつくり、その絶縁被覆層の表面をJISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化するとともに、十点平均粗さを超える凸部の間隔が、1.5〜3.0mmの範囲内になるように形成したものである。
実施の形態1では、図2のように、絶縁スペーサ2を構成する絶縁部3の、絶縁ガスと接する表面、すなわち絶縁部表面を粗面化したが、これに対し、本実施の形態では絶縁部表面に、別途、正極性に帯電しやすい絶縁物、例えば、ポリアミド系樹脂(ナイロン6,同46,同66、同6.10、同11,同12)、PMMA(Polymethyl Methacrylate:アクリル樹脂)、ガラス、セロハンのいずれかを被着させた絶縁被覆層18を形成し、その絶縁被覆表面18aをJIS規格(JISB0601−1994)の十点平均粗さで表した場合、十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化したものである。
2 絶縁スペーサ(円錐形) 3 絶縁部
3a,3b 絶縁部表面 3c 粗面化領域
4 中心導体 5 高電圧導体
6 電界緩和シールド 7 金属異物
7a 金属異物先端部 8 トリプルジャンクション
9 絶縁スペーサ(ポスト形) 10 絶縁部
10a 絶縁部表面 11 導体支持部
12 固定部 13 絶縁スペーサ(円板形)
14 絶縁部 14a 絶縁部表面
15 中心導体 16,17, 絶縁被膜層
18 絶縁被覆層 18a 絶縁被覆表面。
Claims (17)
- 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの絶縁部の前記絶縁ガスと接する表面が、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzで30μm〜200μmとなるように粗面化され、前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が、1.5〜3.0mmの範囲内となるように形成されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの絶縁部の材料の組成は、エポキシ,エポキシとアルミナ,エポキシとシリカ,エポキシとフッ化アルミナのいずれかであり、
前記絶縁部の前記絶縁ガスと接する表面が、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzで30μm〜200μmとなるように粗面化されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの前記絶縁部が前記絶縁ガスと接する表面のうち、前記高電圧導体の支持側から前記接地タンクへ固定する固定側にかけて、前記支持側から略50%の範囲までが粗面化されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの前記絶縁部の前記粗面化された表面に、正極性に帯電しやすい絶縁物質を被着した絶縁被膜層が形成されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項4に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁被膜層は、粉体状にした前記絶縁物質がエポキシ樹脂と混合されて塗布されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項4又は請求項5に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記粗面化された表面のうち、前記高電圧導体の支持側から前記接地タンクへ固定する固定側にかけて、略40%から略60%までの範囲に、前記絶縁被膜層が形成されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置の製造方法において、
ブラスト処理により、前記絶縁スペーサの絶縁部の前記絶縁ガスと接する表面を、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化するとともに、前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が1.5〜3.0mmの範囲内となるように形成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置の製造方法において、
内面を粗面化した金型を使用して、前記絶縁スペーサの絶縁部の前記絶縁ガスと接する表面を、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化すると共に、前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が1.5〜3.0mmの範囲内となるように成型したことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。 - 請求項8に記載のガス絶縁開閉装置の製造方法において、
前記絶縁スペーサの前記絶縁部を構成する材料を前記金型に注入する前に、前記金型の粗面化した表面に離型剤を塗布しておくことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの絶縁部の前記絶縁ガスと接する表面に厚さ50〜1000μmの正極性に帯電しやすい材料からなる絶縁被覆層を付加して、前記絶縁被覆層の表面が、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzで30μm〜200μmとなるように粗面化されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項10に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が、1.5〜3.0mmの範囲内となるように形成されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項10又は請求項11に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁被覆層の材料として、ポリアミド系樹脂(ナイロン6,同46,同66,同6.10,同11,同12)、PMMA(Polymethyl Methacrylate:アクリル樹脂)、ガラス、セロハンのいずれかを使用することを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項10から請求項12のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁スペーサの前記絶縁被覆層が前記絶縁ガスと接する表面のうち、前記高電圧導体の支持側から前記接地タンクへ固定する固定側にかけて、前記支持側から略50%の範囲までが粗面化されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置において、
前記絶縁被覆層は、前記絶縁被覆層に使用される材料と前記絶縁部の材料との混合絶縁材料により形成されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置の製造方法において、
ブラスト処理により、前記絶縁スペーサの絶縁被覆層の前記絶縁ガスと接する表面を、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化すると共に、前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が1.5〜3.0mmの範囲内となるように形成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。 - 絶縁ガスが充填された接地タンク内に高電圧導体が配置され、前記高電圧導体が絶縁スペーサにより支持されて前記接地タンクに固定されたガス絶縁開閉装置の製造方法において、
内面を粗面化した金型を使用して、前記絶縁スペーサの絶縁被覆層の前記絶縁ガスと接する表面を、JISB0601−1994で規定される十点平均粗さRzが30μm〜200μmとなるように粗面化すると共に、前記十点平均粗さRzを超える凸部の間隔が1.5〜3.0mmの範囲内となるように成型したことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。 - 請求項16に記載のガス絶縁開閉装置の製造方法において、前記絶縁スペーサの前記絶縁被覆層を構成する材料を前記金型に注入する前に、前記金型の粗面化した表面に離型剤を塗布しておくことを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方法。
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