JP2016141241A - 車両のフロントウインドガラス周辺構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも下端側の周縁部分に帯状遮光膜21が形成されたフロントウインドガラス4と、このフロントウインドガラス4よりも前側に配設されたワイパ装置10とを備え、フロントウインドガラス4が、帯状遮光膜21の上端よりも上側に形成されたドット状遮光膜22を有し且つ帯状遮光膜21の上端部がワイパ装置10の上端部分よりも低い位置に設定され、ドット状遮光膜22が、フロントウインドガラス面に沿う上下方向の幅が車幅方向端部側程狭くなるように形成され且つフロントウインドガラス4の左右両端側の周辺部分に形成されるドット状遮光膜22に連続的に連なるように構成された。
【選択図】 図7
Description
特に、フロントウインドガラスの下端側の周縁部分に形成された帯状遮光膜は、前席乗員からのボンネット裏面に向かう視線及び外部からのフロントウインドガラス下端部のカウル部への接着部やダッシュボード前端部とフロントウインドガラス内面との間に向かう視線を遮ることにより見栄えを向上させることが主な機能の1つである。
運転者は、走行中、フロントウインドガラスを通して外部の景色や物体を視ているため、フロントウインドガラスの透過歪が許容値以上の場合、煩わしさを感じることがある。
また、運転者と同様に、助手席乗員も透過歪を認知した場合、煩わしさを感じている。
そこで、フロントウインドガラスの透過歪を緩和する技術が提案されている。
これにより、遮光膜が形成された膜形成部と遮光膜が形成されていない非膜形成部との熱吸収率の変化傾向を緩やかにすることができ、フロントウインドガラスの透過歪を改善している。
第1に、帯状遮光膜を備えたフロントウインドガラスの歪は、帯状遮光膜のガラス面に沿う内側方向幅に拘らず、帯状遮光膜の内側境界部から内側方向へ所定距離(例えば20cm)の範囲に殆どが発生する傾向がある。
また、ドット状遮光膜に起因した歪による透過歪への影響は極めて小さい。
第2に、フロントウインドガラスの歪部分を通して静止物体を視る場合、フロントウインドガラスの歪部分を通して移動物体を視る場合に比べてフロントウインドガラスの透過歪を認識し難い傾向がある。
しかし、運転者の視界内に存在するドット状遮光膜、所謂視界に対するドットの占有率が大きくなることから、運転者が煩わしさを感じる虞がある。
ドット状遮光膜の内側方向幅を小さくすることによって、運転者の視界からドットを減少させ、ドットに起因した運転者の視野の阻害を回避できるが、ドットの除去によりフロントウインドガラスの歪が再び発現する虞がある。
前記帯状遮光膜の上端部が前記ワイパ装置の上端部分よりも低い位置に設定されているため、帯状遮光膜の境界部を低い位置に配設しながら前席乗員からのボンネット裏面に向かう視線及び外部からのフロントウインドガラス下端部のカウル部への接着部やダッシュボード前端部とフロントウインドガラス内面との間に向かう視線を遮る見栄え向上機能を維持することができる。
しかも、帯状遮光膜の上側境界部を低い位置に設定しているため、ドット状遮光膜の上下方向幅を確保しても運転者の視界に対するドットの占有率を小さくすることができ、運転者はドット状遮光膜近傍部分を通して静止物体であるワイパ装置を視認するため、フロントウインドガラスの透過歪の影響を受け難くすることができる。
この構成によれば、外部からのピラートリム等の内装材の継ぎ目に向かう視線を遮ることができ見栄え向上と運転者の視界確保とを両立することができる。
この構成によれば、帯状遮光膜による視野遮断感を緩和しつつ、ドット状遮光膜よりも上側部分においてドット状遮光膜に起因した歪を低減することができる。
この構成によれば、帯状遮光膜による視野遮断感を緩和しつつ、ドット状遮光膜よりも上側部分においてドット状遮光膜に起因した歪を一層低減することができる。
以下の説明は、本発明を車両Vに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
尚、運転者から視て、車両前後方向を前後方向とし、左右方向を左右方向として説明する。
まず、車両Vの前部車体構造について説明する。
図1〜図3に示すように、車両Vの前部には、エンジンルーム(図示略)の上方を覆うボンネット1と、このボンネット1の前方において左右方向に延びるように配設されたフロントバンパ2と、車体側部の外壁部を構成するフロントフェンダ3と、ボンネット1の後方において前傾配置されたフロントウインドガラス4と、このフロントウインドガラス4の左右両側において前傾配置された左右1対のフロントピラー5等が設けられている。
図4〜図8に示すように、フロントウインドガラス4は、3次元曲面を有すると共に正面視にて略台形形状に形成されている。このフロントウインドガラス4は、一方のガラス面の周縁部分に周縁部に沿った帯状遮光膜21と、この帯状遮光膜21の内側(ガラス面に沿ってフロントウインドガラス4の中心側)において周縁部に沿ったドット状遮光膜22とが形成されている。尚、帯状遮光膜21とドット状遮光膜22は、フロントウインドガラス4の周縁部の全周に亙って形成されているが、少なくともフロントウインドガラス4の下端側の周縁部分に形成されていれば良い。
この平面合わせガラスの一方のガラス面の周縁部分にセラミックペーストによって帯状遮光膜21に対応した帯状塗布層とドット状遮光膜22に対応したドット状塗布層とを印刷する。そして、帯状塗布層とドット状塗布層とが印刷された平面合わせガラスを3次元曲面を成形可能な成形型に載置した後、加熱することにより成形型を用いて自重曲げ成形している。この時、平面合わせガラスがガラスの軟化点温度近傍まで昇温されるため、帯状塗布層とドット状塗布層は、熱により夫々焼成される。
これにより、帯状遮光膜21とドット状遮光膜22とを備えた3次元曲面形状のフロントウインドガラス4が成形される。
帯状遮光膜21は、内側方向側端部にフロントウインドガラス4の周縁部に略平行な境界部Lを有している。
図6に示すように、インスツルメントパネル8の左右方向中間部分の上端壁から下側境界部Lbまでの離隔距離は、フロントピラートリム9の中段部分の右端部から左側境界部Lcまでの離隔距離よりも小さく形成されている。
フロントウインドガラス4の歪は、帯状遮光膜21の内側方向幅に拘らず、境界部Lから内側方向へ所定距離(例えば20cm)の範囲に殆ど生じているため、図9に示すように、前席乗員は、歪領域Sを通して格納状態のワイパ装置10(ワイパブレード17)を視認している。尚、本実施例では、フロントウインドガラス4に歪が生じる境界部Lから内側方向へ20cmまでの範囲を歪領域Sと規定している。
図8に示すように、ドット状遮光膜22の下端側部分の左右方向中間部には、左右方向に配列されたドット行が9行に設定されている。そして、ドット状遮光膜22の下端側部分の内側方向幅、所謂下側境界部Lbから最内側のドット行までの間隔は、16mmに設定されている。それ故、歪領域Sの下端側部分の左右方向中間部では、略80%の領域にドット状遮光膜22が形成されている。尚、ドット状遮光膜22の左右両端側部分の中段部には、上下方向に配列されたドット列が2行形成されている。
本フロントウインドガラス周辺構造によれば、フロントウインドガラス4が、帯状遮光膜21の下側境界部Lbよりも上側に形成されたドット状遮光膜22を有するため、フロントウインドガラス4の歪が生じ易い帯状遮光膜21の下側境界部Lbから上側領域にドット状遮光膜22を形成してフロントウインドガラス4の透過歪を改善することができる。
帯状遮光膜21の下側境界部Lbがワイパ装置10のワイパブレード17よりも低い位置に設定されているため、帯状遮光膜21の下側境界部Lbを低い位置に配設しながら前席乗員からのボンネット1裏面に向かう視線及び外部からの固定部材7に向かう視線を遮る見栄え向上機能を維持することができる。
しかも、帯状遮光膜21の下側境界部Lbを低い位置に設定しているため、ドット状遮光膜22の内側方向幅を確保しても運転者の視界に対するドットの占有率を小さくすることができ、運転者はドット状遮光膜22近傍部分を通して静止物体であるワイパブレード17を視認するため、フロントウインドガラス4の透過歪の影響を受け難くすることができる。即ち、透過歪が存在する領域であっても、前席乗員から視てその向こう側が自車の一部(例えばボンネット1やカウルグリル等)であれば、その歪を知覚することは稀である。一方、前席乗員から視てその向こう側が前方道路や周囲の建築物等の場合には、これら本来の自然な姿が変形して視えることから、乗員は歪の存在を鋭敏に知覚する。更に、走行に伴ってこれらが一方向に流れると、直前まで見えていた対象物が歪領域に入ると同時に変形してしまうことから、歪を動的に知覚することになり、この不快感が大きくなるからである。
1〕前記実施形態においては、ドット状遮光膜22のドット形成密度が均一に設定された例を説明したが、境界部Lからの離隔距離に応じてドット形成密度を変更しても良い。
図10に示すように、ドット状遮光膜22Aの複数のドットは、均一の直径に設定され、上下方向に隣り合うドット同士は、均一の間隔離隔するように配設されている。
左右方向に隣り合うドット同士は、下側境界部Lbから離隔する程間隔が広くなるように配設することにより、下側境界部Lbから離隔する程ドット形成密度が小さくなるように形成されている。
これにより、帯状遮光膜21による視野遮断感を緩和しつつ、ドット状遮光膜22Aよりも内側部分においてドット状遮光膜22Aに起因した歪を低減することができる。
ドット状遮光膜22Bの複数のドットは、下側境界部Lbから離隔する程小径に形成されると共に隣り合うドット同士の離隔距離が大きくなるように設定されている。
これにより、ドット形成密度を小さくすることができ、帯状遮光膜21による視野遮断感を緩和しつつ、ドット状遮光膜22Bよりも内側部分においてドット状遮光膜22Bに起因した歪を一層低減することができる。
L 境界部
Lb 下側境界部
4 フロントウインドガラス
10 ワイパ装置
21 帯状遮光膜
22,22A,22B ドット状遮光膜
Claims (4)
- 少なくとも下端側の周縁部分に帯状遮光膜が形成されたフロントウインドガラスと、このフロントウインドガラスよりも前側に配設されたワイパ装置とを備えた車両のフロントウインドガラス周辺構造において、
前記フロントウインドガラスが、前記帯状遮光膜の上端よりも上側に形成されたドット状遮光膜を有し且つ前記帯状遮光膜の上端部が前記ワイパ装置の上端部分よりも低い位置に設定されたことを特徴とする車両のフロントウインドガラス周辺構造。 - 前記ドット状遮光膜は、前記フロントウインドガラス面に沿う上下方向の幅が車幅方向端部側程狭くなるように形成され且つ前記フロントウインドガラスの左右両端側の周辺部分に形成されるドット状遮光膜に連続的に連なることを特徴とする請求項1に記載の車両のフロントウインドガラス周辺構造。
- 前記ドット状遮光膜は上側程ドット形成密度が小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のフロントウインドガラス周辺構造。
- 前記ドット状遮光膜のドットは上側程ドット径が小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両のフロントウインドガラス周辺構造。
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