JPWO2019112018A1 - 車両用窓ガラス - Google Patents

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Abstract

二重像の量を低減でき、かつ上辺側でギラツキの発現を抑制でき、美感、又は意匠性の優れた車両用窓ガラスを提供する。車両に取り付けられる車両用窓ガラスであって、車両用窓ガラスは、面取りされた端部を有する一対のガラス板と、一対のガラス板を接合する中間膜とを有する合わせガラスで構成され、一対のガラス板のうち少なくとも一方は、上下方向における断面形状が、上辺側の板厚が下辺側の板厚よりも大きい楔形状を有し、かつ、前記合わせガラスが所定の取付角度θで車両に取り付けられた状態で、上辺側において、車内側の前記ガラス板と中間膜との下側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた下側仮想線DLと、車外側の前記ガラス板と前記中間膜との上側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた上側仮想線ULとの距離dが0.5mm以上0.95mm以下である。

Description

本発明は、車両用窓ガラスに関し、特にヘッドアップディスプレイに適した車両用窓ガラスに関する。
近年、自動車等の車両の運転手に情報表示する方法として、ヘッドアップディスプレイ(以下HUDという)が用いられている。HUDでは、各種情報が車両用窓ガラスに映し出される。しかしながら、車両用窓ガラスとして、2枚のガラス板が平行に配置された合わせガラスを用いた場合、映し出された像が二重像として見える欠点がある。
特許文献1には、二重像の量を低減するため、HUDの合わせガラスにおいて、楔状の断面形状を有する中間膜を用いることが開示されている。
日本特開平11−130481号公報
しかしながら、断面が楔形状の中間膜を使用した合わせガラスを車両用窓ガラスとして、車両に取り付けた場合、合わせガラスの上辺側において、車外側からギラツキが見える場合がある。このギラツキは、窓ガラス及び車両全体の美感又は意匠性を損なう懸念がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、HUDの二重像の量を低減でき、かつ上辺側におけるギラツキの発生を抑制でき、美感又は意匠性の高い車両用窓ガラスを提供することを目的とする。
本発明に係る車両用窓ガラスは、車両に取り付けられる車両用窓ガラスであって、前記車両用窓ガラスは、面取りされた端部を有する一対のガラス板と、前記一対のガラス板を接合する中間膜とを有する合わせガラスで構成され、前記一対のガラス板のうち少なくとも一方は、上下方向における断面形状が、上辺側の板厚が下辺側の板厚よりも大きい楔形状を有し、かつ、前記合わせガラスが所定の取付角度θで車両に取り付けられる状態を想定して傾けた状態で、上辺側において、車内側の前記ガラス板と前記中間膜との下側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた下側仮想線DLと、車外側の前記ガラス板と前記中間膜との上側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた上側仮想線ULとの距離dが0.5mm以上0.95mm以下である。
本発明の車両用窓ガラスによれば、HUDの二重像の量を低減でき、かつ上辺側でギラツキの発生を抑制でき、美感、又は意匠性を向上できる。
図1は車両に取り付けられた車両用窓ガラスの構成を示す説明図である。 図2の車両用窓ガラスの模式断面図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態により説明される。但し、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、基本的に、同様の機能を有する同様の要素である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、車両用窓ガラス10が、車両20に、取付角度θ(窓ガラス本体の水平方向の幅の中心点を、下辺から上辺まで順次結んだ線を中心線とし、該中心線と水平面(水平な地表面と平行な平面)とがなす角度)で取り付けられた状態を示している。図1に示されるように、車両用窓ガラス10は、HUD40の一部として用いられる。HUD40は、さらに表示機50を備えている。表示機50から出射された表示情報が、車両用窓ガラス10に表示される。運転者(不図示)は車両用窓ガラス10に表示された表示情報を視認することができる。
なお、本明細書において、方向、位置を表わす「上」「下」「内」「外」は、車両用窓ガラス10が車両20に取り付けられた際の「上」「下」「内」「外」を意味する。また、「水平方向」とは、水平な地表面に対する水平方向を意味する。
上述のように、HUD40に適用した車両用窓ガラス10を車両20に取り付けた場合、合わせガラス14(図2参照)の上辺側において、外光が反射され、車外側からギラツキが見える場合がある。この要因について検討したところ、合わせガラス14の上辺側の中間膜13(図2参照)の端面において外光が乱反射し、ギラツキが生じることがわかった。
一方、車両用窓ガラス10が取り付けられる車両20、及び観察者P(体格、位置等)により、ギラツキが認識される条件が変わる懸念がある。
そこで、発明者は、あり得るシチュエーション想定し、ギラツキの評価条件を決定し、決定した評価条件で評価した場合、中間膜13に関連する距離d(図2参照)を、特定の範囲にすることでギラツキを低減できることを見出した。さらに、中間膜13に関連する距離dを特定の範囲とするために、合わせガラス14の一方のガラス板を断面形状が楔形とすることにより、HUDの二重像の量も犠牲にならずに済むことも見出し、本発明に至った。
図1を参照に評価条件を説明する。車両用窓ガラス10が車両20に取り付けられた場合において、水平な地表面から車両用窓ガラス10の上辺までの上辺高さHuを2000mmとし、水平な地表面から観察者Pの目までの視線高さHeを1500mmとし、車両用窓ガラス10の上辺と観察者Pの目との水平方向の距離Wを1000mmとした。上辺高さHuは、平均的な車両20に取り付けられた際の高さを想定し、視線高さHeは1600mm程度の身長の人を想定し、距離Wは比較的近くから観察することを想定し、それぞれの数値を決定した。
これらの数値から視線高さHeから上辺高さHuを見上げる際の視線の角度θは、以下の式で求められる。
θ=arctan((Hu−He)/W)=arctan(500/1000)=arctan(1/2)
図2は、車両用窓ガラス10の模式断面図である。車両用窓ガラス10は、一対のガラス板11及び12と、一対のガラス板11及び12とを接合する中間膜13と、を有する合わせガラス14で構成される。ガラス板11が車外側に配置され、ガラス板12が車内側に配置される。
実施形態では、車外側のガラス板11は、上下方向における断面形状において、上辺側の板厚が下辺側の板厚よりも大きい楔形状を有している。一方、車内側のガラス板12は、上下方向における断面形状において、板厚が一定である形状を有している。なお、合わせガラス14は、2枚以上のガラス板を含んでもよく、2枚以上のガラス板の何れか1枚が楔形状の断面形状を有するガラス板であればよく、実施形態では、ガラス板11、及びガラス板12の何れか1枚が楔形状の断面形状を有するガラス板であればよい。
ガラス板11及び12は、無機ガラスであってもよいし、樹脂からなる有機ガラスであってもよい。無機ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス又は無アルカリガラス等が挙げられる。ソーダライムガラスとしては、グリーンガラス又はクリアガラス等が挙げられる。ガラス板11がグリーンガラスであると、中間膜13のギラツキが視認しにくくなり、本発明による効果との相乗効果によってギラツキが一層抑制されるため、好ましい。グリーンガラスとしては、Feに換算した全鉄量を0.4質量%以上有するものが好ましく、0.45質量%以上有するものがより好ましい。また、ガラス板11及び12を製造する方法については特に制限は無く、例えばフロート法で製造されたガラス板であってよい。ガラス板11及び12は物理強化、もしくは化学強化といった強化処理がされていてもよい。
ガラス板11及び12は、車両の前面部にHUD40の合わせガラス14として使用されるので、ガラス板11及び12は、中間膜13を介して合わせられた後、70%以上の可視光線透過率を有することが好ましい。
楔形状のガラス板11は、例えば、上辺側において1.8mm以上3.0mm以下の板厚を有することが好ましく、2.0mm以上2.8mm以下の板厚を有することがより好ましい。ガラス板11の上辺側の板厚が上記範囲内であると、飛び石による割れの抑制しつつ合わせガラス14の質量を抑制できる。楔形状のガラス板11の断面形状における楔角度は、0.1mrad以上0.7mrad以下が好ましく、0.2mrad以上0.6mrad以下がより好ましく、0.3mrad以上0.6mrad以下がさらに好ましい。ガラス板11の楔角度が上記範囲内であると、中間膜13に楔角を付与する必要が無く、すなわち中間膜13の上辺側の膜厚を厚くする必要が無く、HUDの二重像が優位に抑制できる。楔角度は、ガラス板の車両の上辺側と下辺側の板厚の差を、上辺と下辺間の長さで除して算出できる。
楔形状のガラス板11は、上辺側の端部11Aから下辺側の端部11Aの向かう途中に部分的に楔角がゼロ、すなわち平坦な部分を含んだり、また楔角度が一定ではなく変化したりしてもよい。
ガラス板12は、一定の板厚の断面形状を有することが好ましく、したがって、ガラス板12の対向する主面は平行、又は略平行であることが好ましい。ガラス板12は、例えば、1.1mm以上2.3mm以下の板厚を有することが好ましく、1.3mm以上2.0mm以下の板厚を有することがより好ましく、1.5mm以上1.8mm以下の板厚を有することがさらに好ましい。ガラス板12の板厚が上記範囲内であると、合わせガラス14の製造に適した剛性を有し、かつ質量を抑制できる。
ガラス板11は面取りされた端部11Aを備える。面取りされた端部11Aは欠け等の欠陥が発生することを抑制する。同様に、ガラス板12は面取りされた端部12Aを備える。車外側の楔形状のガラス板11の端部11Aは、1mm以上の長さLを有することが好ましい。端部11Aの長さLは、ガラス板11の先端から面取加工が施されている領域までの距離である。
なお、上辺側の端部11Aと下辺側の端部11Aの板厚は異なるが、上辺側の端部11Aと下辺側の端部11Aの形状が略同一であることが好ましい。ガラス板12は一定の厚みを有するものであることが好ましく、上辺側の端部12Aと下辺側の端部12Aの板厚は同じであり、上辺側の端部12Aと下辺側の端部12Aの形状が略同一であることが好ましい。
また、ガラス板11とガラス板12は所定の形状に湾曲していてもよい。
楔形状のガラス板11は、例えば、フロート法により製造することができる。溶融ガラスを溶融金属の上に連続的に供給し、溶融金属の上で流動させることにより帯板状のガラスリボンに成形する。ガラスリボンの幅方向両端部を一対のローラによって押さえ、一対のローラを回転させて、幅方向に引っ張ることにより、ガラスリボンの幅方向両端部から幅方向中央部に向かうほど、ガラスリボンの厚みを大きくすることができる。このガラスリボンを長手方向に沿って、例えば中央を切断することで、楔形状のガラス板11を得ることができる。なお、成形条件を調整すれば、幅方向両端部から幅方向中央部に向かうほど厚さが大きくなるガラスリボンや、幅方向一端部から幅方向他端部に向かうほど厚さが大きくなるガラスリボンも作製可能である。ガラスリボンの厚さは、ローラによる張力の他、ローラの周速度などで調整できる。
さらに、得られた楔形状のガラス板11の端部を、一つの回転砥石により面取り加工することにより、上辺側の端部11Aと下辺側の端部11Aの形状を略同一とすることができる。一つの回転砥石で研削することにより、効率良く楔形状のガラス板11を面取りすることができる。
中間膜13としては、ポリビニルアセタール系樹脂が好適に使用される。特に限定されないが、優れた透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性及び遮音性等の諸性能のバランスに優れる中間膜13が得られることから、ポリビニルアセタール系樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が好適に用いられる。これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。なお、中間膜13は、遮音層を相対的にヤング率が高いスキン層で挟持した遮音膜であってもよい。
図2に示されるように、中間膜13は、通常、一定の膜厚の断面形状を有する。つまり、中間膜13において、ガラス板11と接する面と、ガラス板12に接する面とは、平行、又は略平行である。上辺側での中間膜13の膜厚Tpは、0.65mm以上0.95mm以下が好ましく、0.7mm以上0.9mm以下がより好ましく、0.75mm以上0.9mm以下がさらに好ましい。膜厚Tpを上述の範囲とすることにより、後述する距離dを所定の範囲内にすることができる。尚、中間膜13は、上下方向における断面形状が、楔角度が小さければ上辺側の膜厚が下辺側の膜厚よりも大きい楔形状を有していてもよい。中間膜13の楔角度は0.3mrad以下が好ましく、0.25mrad以下がより好ましい。
次に、図1で説明した評価条件で決まる中間膜13に関連する距離dについて、図2を参照して説明する。合わせガラス14の上辺側において、車内側のガラス板12と中間膜13と下側境界DBLから水平方向に対してθ=arctan(1/2)の角度で斜め下方に下側仮想線DLを引く。車外側のガラス板11と中間膜13と上側境界UBLから水平方向に対してθ=arctan(1/2)の角度で斜め下方に上側仮想線ULを引く。下側仮想線DLと上側仮想線ULとの間隔を距離dとした。距離dは、図1で説明した評価条件の観察者Pから観察される中間膜13の上辺側の厚みを意味する。後述する実施例に示されるように、距離dが0.5mm以上0.95mmの範囲内の場合、ギラツキはほぼ観察されず、一方、距離dが0.5mm以上0.95mmの範囲外の場合、ギラツキが観察された。距離dの範囲が重要であることが理解できる。距離dは0.55mm以上0.9mm以下であることが好ましく、0.6mm以上0.9mm以下であることがより好ましく、0.65mm以上0.9mm以下であることがさらに好ましい。
合わせガラス14を構成する車外側のガラス板11の外側面を第1面及び内側面を第2面と、車内側のガラス板12の内側面を第3面及び外側面を第4面と便宜上称される。第2面の上辺側に黒セラと呼ばれる黒色印刷層に代表される着色層が印刷されていない場合、又は第2面の上辺の面取り部と非面取り部との境界から0.2mm以上の隙間を空けて黒色印刷層が印刷されている場合において、実施形態の距離dを0.5mm以上0.95mm以下にすることは有用である。黒色印刷層の印刷されない領域を介して、外光が中間膜13照射され、乱反射によるギラツキを生じさせる可能性を有するからである。第2面の面取り部と非面取り部との境界から0.25mm以上の隙間を空けて着色層が印刷されている場合、さらには第2面の面取り部と非面取り部との境界から0.3mm以上の隙間を空けて着色層が印刷されている場合、実施形態の距離dが一層有用である。
車両用窓ガラス10は、水平方向に対して20°以上55°以下の取付角度θで車両20に取り付けられると、本発明の効果が有効に発揮される。車両用窓ガラス10が同じ構成である場合、取付角度θが小さい程、観察者Pに観察される距離dは大きくなる。この場合、楔形状のガラス板11を用いることにより、楔形状の中間膜のみを利用する合わせガラスに比較して、中間膜13に関連する距離dを小さくすることが可能となる。車両用窓ガラス10が水平方向に対して20°以上50°以下の取付角度θで車両20に取り付けられる場合、さらには車両用窓ガラス10が水平方向に対して20°以上45°以下の取付角度θで車両20に取り付けられる場合、本発明の効果は一層有効である。
実施形態の好ましい態様について説明する。
ガラス板11、及びガラス板12の何れか1枚が楔形状の断面形状を有するガラス板であればよいが、実施形態の図2に示されるように、車外側のガラス板11が楔形状であることが好ましい。車外側のガラス板11を楔形状にすることにより、ガラス板11の上辺の端部11Aの板厚が大きくなる。その結果、面取り部分が深くなりやすいため端部11Aの長さLが大きくなる。ガラス板の端部は砥石等によって面取りされてもよい。砥石により面取りされた端部11Aはヘイズが大きく不透明なため、外光を遮り、ギラツキが発生しにくい。端部11Aの長さLは1mm以上であることが好ましく、1.1mm以上がより好ましく、1.2mm以上がさらに好ましく、1.3mm以上であることがさらに好ましい。
実施形態の図2に示されるように、中間膜13の上辺側の端部は断面が平坦な形状を有しているが、この端部の形状は、平坦ではなく、中央部が凹んだ凹部形状であることが好ましい。凹部形状とすることにより、ギラツキを抑制することができる。ガラス板11の車内側面と中間膜13とが接する上端部とガラス板12の車外側面と中間膜13とが接する上端部とを結んだ直線から、中間膜13の凹部までの最大距離が0.1mm以上であることが好ましく、0.13mm以上であることがより好ましく、0.16mm以上であることがさらに好ましい。
以下、本発明について、実施例を参照してより詳細に説明するが、本発明は以下実施例の構成によって限定されるものではない。
(合わせガラスの製造)
(実施例1)
フロート法によって一端から対向する他端に向かって板厚が変化するソーダライムの組成(クリアガラス)のガラス板を作製し、自動車のウインドシールドの形状に切り出した。外周部に面取り加工を行い、車外側のガラス板とした。車外側のガラス板の楔角度は0.33mradであり、上辺側の板厚は2.4mmであり、長さLは1.1mmであった。車内側のガラス板はソーダライム組成(クリアガラス)であり、一定の板厚を有し、ウインドシールド形状に切り出したものの上辺側の板厚は2.0mmであった。また、車内側のガラス板にも周囲に面取り加工を行った。
PVB単層の中間膜を車外側のガラス板と車内側のガラス板の主面で挟んだ状態でこの積層体を真空バッグに入れ、脱気した。その後予備圧着し、さらにオートクレーブにて加熱加圧を行い、最終的に冷却して合わせガラスとした。中間膜の上辺側での膜厚は0.75mmであり、下辺側での膜厚は0.7mmであった。合わせガラスの楔角度は0.37mradであった。中間膜の上辺側の端部は、図2に示すように、車外側のガラス板及び車内側ガラス板の面取り部と非面取り部との境界に位置させた。
上辺高さHuを2000mm、視線高さHeを1500mm、及び水平方向の距離Wを1000mmの評価条件、及び55°の取付角度になるように合わせガラスを検査台に設置した。本条件により、特定の観察者が車両に取り付けられた合わせガラスを観察する状態を再現した。距離dは0.66mmであった。
(実施例2)
実施例2の合わせガラスは、中間膜を上辺側での膜厚を0.90mmの断面楔形状とし、車外側ガラス板の楔角度と合計した合わせガラスの楔角度を0.50mrad、及び取付角度を25°としたことを除き、実施例1と同様の構成とした。距離dは0.90mmであった。
(比較例1)
比較例1の合わせガラスは、中間膜を上辺側での膜厚を1.15mm、楔角度を0.37mradとし、車外側のガラス板を2.0mmの均一な板厚とし、長さLを1.0mmとしたことを除き、実施例1と同様の構成とした。距離dは1.01mmであった。
(比較例2)
比較例2の合わせガラスは、中間膜を上辺側での膜厚を1.30mm、楔角度を0.5mradとし、車外側のガラス板を2.0mmの均一な板厚とし、取付角度を25°としたことを除き、実施例1と同様の構成とした。距離dは1.30mmであった。
(ギラツキの評価)
作製した合わせガラスを各評価条件において、目視で上辺側のギラツキの観察を行った。ギラツキがほぼ見えない場合を○、ギラツキが気になる場合を△、ギラツキが目立っている場合を×と評価した。表1には、実施例1、2及び比較例1、2の条件、及び評価結果が記載されている。
表1に示されるように、実施例1、2は○の評価結果であった。一方、比較例1は△の評価結果であり、比較例2は×の評価結果であった。
表1から明らかなように、実施例1、2の距離dは、ギラツキを抑制できる効果を奏することが確認できた。また、実施例1及び2の合わせガラスは、車外側面と車内側面で楔角度を有しており、HUDの二重像も顕著に抑制できた。
Figure 2019112018
なお、2017年12月7日に出願された日本特許出願2017−235284号の明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
10・・・車両用窓ガラス、11・・・ガラス板、11A・・・端部、12・・・ガラス板、12A・・・端部、13・・・中間膜、14・・・合わせガラス、20・・・車両、40・・・HUD、50・・・表示機、DBL・・・下側境界、DL・・・下側仮想線、P・・・観察者、UBL・・・上側境界、UL・・・上側仮想線、d・・・距離、L・・・長さ、W・・・距離、θ・・・取付角度、θ・・・角度

Claims (13)

  1. 車両に取り付けられる車両用窓ガラスであって、
    前記車両用窓ガラスは、面取りされた端部を有する一対のガラス板と、前記一対のガラス板を接合する中間膜とを有する合わせガラスで構成され、
    前記一対のガラス板のうち少なくとも一方は、上下方向における断面形状が、上辺側の板厚が下辺側の板厚よりも大きい楔形状を有し、
    かつ、前記合わせガラスが所定の取付角度θで車両に取り付けられた状態で、
    前記上辺側において、車内側の前記ガラス板と前記中間膜との下側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた下側仮想線DLと、車外側の前記ガラス板と前記中間膜との上側境界から水平方向に対してarctan(1/2)の角度で斜め下方に引いた上側仮想線ULとの距離dが0.5mm以上0.95mm以下であることを特徴とする車両用窓ガラス。
  2. 前記中間膜の上辺側の膜厚Tpが0.65mm以上0.95mm以下である請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  3. 車外側の前記ガラス板が楔形状の断面形状を有する請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記断面形状における楔角度が0.1mrad以上0.7mrad以下である、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
  5. 車外側の前記ガラス板の上辺側の前記端部の長さLが1mm以上である請求項1から4の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記中間膜の上辺側の端部が凹部形状を有する請求項1から5の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記取付角度θが20°以上55°以下である請求項1から6の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記中間膜は、上下方向における断面形状が、上辺側の膜厚が下辺側の膜厚よりも大きい楔形状を有する請求項1から7の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記中間膜は、断面形状における楔角が0.3mrad以下である請求項8に記載の車両用窓ガラス。
  10. 車外側の前記ガラス板がグリーンガラスである請求項1から9の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  11. 車外側の前記ガラス板がFeに換算した全鉄量を0.4質量%以上有する請求項10に記載の車両用窓ガラス。
  12. 車外側の前記ガラス板の上辺側の車内側面に着色層を有さない請求項1から11の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
  13. 車外側の前記ガラス板の上辺の車内側面の面取りされた領域と面取りされていない領域との境界部から0.2mm以上の隙間を空けて着色層を有する請求項1から12の何れか一項に記載の車両用窓ガラス。
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