JP2016140776A - スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 - Google Patents
スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016140776A JP2016140776A JP2015015884A JP2015015884A JP2016140776A JP 2016140776 A JP2016140776 A JP 2016140776A JP 2015015884 A JP2015015884 A JP 2015015884A JP 2015015884 A JP2015015884 A JP 2015015884A JP 2016140776 A JP2016140776 A JP 2016140776A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ether
- separation membrane
- membrane element
- skin layer
- alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D63/00—Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
- B01D63/10—Spiral-wound membrane modules
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/10—Supported membranes; Membrane supports
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/10—Supported membranes; Membrane supports
- B01D69/107—Organic support material
- B01D69/1071—Woven, non-woven or net mesh
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/12—Composite membranes; Ultra-thin membranes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D71/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D71/06—Organic material
- B01D71/56—Polyamides, e.g. polyester-amides
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/34—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyamides
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B5/00—Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
- B32B5/18—Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by features of a layer of foamed material
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G69/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
- C08G69/02—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
- C08G69/26—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A20/00—Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
- Y02A20/124—Water desalination
- Y02A20/131—Reverse-osmosis
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Polyamides (AREA)
Abstract
【課題】 本発明は、スパイラル型分離膜エレメントを船で輸送する際に、スパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管する必要がないスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を有する複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法に関し、
前記スキン層は、温水通水処理が施されており、
前記スキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であり、
前記スパイラル型分離膜エレメントを、冷蔵していない保管状態で輸送することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を有する複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法に関し、
前記スキン層は、温水通水処理が施されており、
前記スキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であり、
前記スパイラル型分離膜エレメントを、冷蔵していない保管状態で輸送することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポリアミド系樹脂を含むスキン層が多孔性支持体の表面に形成されている複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法に関する。かかるスパイラル型分離膜エレメントは、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。また、油田やシェールガス田などにおける排水処理に用いることができる。
複合半透膜はその濾過性能や処理方法に応じてRO(逆浸透)膜、NF(ナノ濾過)膜、FO(正浸透)膜と呼ばれ、超純水製造、海水淡水化、かん水の脱塩処理、排水の再利用処理などに用いることができる。
現在、複合半透膜としては、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミド樹脂を含むスキン層が多孔性支持体上に形成されたものが提案されている(特許文献1)。
複合半透膜は、通常、スパイラル型分離膜エレメントに加工して水処理等に用いられている。例えば、供給側流体を分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導く透過側流路材からなるユニットを有孔の中心管の周りに巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが知られている(特許文献2、3)。
製造したスパイラル型分離膜エレメントは、通常、船で輸送するため、赤道付近では高温環境下に曝されることになる。そして、スパイラル型分離膜エレメントが高温環境下に長期間曝されると水透過性が低下するという問題があった。そのため、スパイラル型分離膜エレメントを船で輸送する場合には、冷蔵保管しながら輸送する必要があった。しかし、スパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管するためには冷蔵設備が必要になるため、冷蔵設備を有する船を用いなければならないというデメリットがあった。また、スパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管すると手間やコストが余計にかかるというデメリットがあった。そのため、船で輸送する際に冷蔵保管する必要がなく、高温環境下に長期間曝された場合でも水透過性が低下することのないスパイラル型分離膜エレメントの開発が望まれていた。
一方、特許文献4では、水透過性、有機物阻止性能および塩阻止性能に優れた複合逆浸透膜を得るために、ポリアミド製薄膜を温度40〜100℃の水溶液に接触させることが記載されている。
また、特許文献5では、塩通過を低くするために、膜を水中にて40〜100℃にて30秒〜24時間加熱することが記載されている。
また、特許文献6では、高温安定性と高いイオン分離性能を併せ有する複合半透膜を得るために、架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことが記載されている。
本発明は、スパイラル型分離膜エレメントを船で輸送する際に、スパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管する必要がないスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す船輸送方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を有する複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法において、
前記スキン層は、温水通水処理が施されており、
前記スキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であり、
前記スパイラル型分離膜エレメントを、冷蔵していない保管状態で輸送することを特徴とするスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法、に関する。
前記スキン層は、温水通水処理が施されており、
前記スキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であり、
前記スパイラル型分離膜エレメントを、冷蔵していない保管状態で輸送することを特徴とするスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法、に関する。
スパイラル型分離膜エレメントは水の存在下で使用されるが、これまで実際の使用環境である水中でのスキン層の物性は検討されていなかった。本発明者は、新たな分析手法を採用して、水中でのスキン層の物性を検討したところ、意外にも、水中AFM(Atomic Force Microscope)でのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であるスキン層を用いた場合には、高温環境下(40℃以上)に長期間(300日以上)曝された場合であっても水透過性が低下しにくいスパイラル型分離膜エレメントが得られることを見出した。空気中でスキン層の弾性率を測定した場合には、水透過性の低下とスキン層の弾性率の相関関係ははっきりしなかったが、水中AFMでのフォースカーブ測定による新たな分析手法を採用することにより、水透過性の低下とスキン層の弾性率の相関関係が明確になった。
そして、本発明者は、スキン層に温水通水処理を施すことにより、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であるスキン層が得られることを見出した。なお、スキン層に温水通水処理を施すことにより、水中AFMでのフォースカーブ測定におけるスキン層の弾性率が100MPa以上になる理由は明らかではないが、温水通水処理によりポリアミド系樹脂の架橋構造が収縮して規則正しく配列するためと考えられる。
上記の通り、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であるスキン層を有する複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントは、高温環境下に長期間曝された場合であっても水透過性が低下しにくいため、当該スパイラル型分離膜エレメントを船で輸送する際に、当該スパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管する必要はなく、冷蔵していない保管状態で輸送することができる。
前記温水通水処理は、40〜60℃の温水を用いて1〜5時間行うことが好ましい。温水の温度が40℃未満の場合には、スキン層の弾性率が100MPa以上になり難くなる傾向にあり、一方、温水の温度が60℃を超える場合には、スパイラル型分離膜エレメントの水透過性が大きく低下しやすくなる傾向にある。また、処理時間が1時間未満の場合には、スキン層の弾性率が100MPa以上になり難くなる傾向にあり、一方、処理時間が5時間を超えても効果に影響しないため、製造効率の面で不利である。
前記スキン層は、多官能アミン成分を含むアミン溶液と多官能酸ハライド成分を含む有機溶液とを多孔性支持体上で接触させて界面重合させることにより形成され、前記接触は、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、ペンチルアルコール、アリルアルコール、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグリシジルエーテル、シネオール、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、トリオキサン、ジクロロエチルエーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、モノジクロロジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクロロヒドリンから選ばれる少なくとも一つの溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質の存在下で行われることが好ましい。
スキン層に温水通水処理を施すと熱によってスパイラル型分離膜エレメントの水透過性が10〜20%程度低下する。そのため、溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質の存在下でスキン層を形成することによってスパイラル型分離膜エレメントの初期の水透過性を向上させ、それにより、スキン層に温水通水処理を施すことによって起こるスパイラル型分離膜エレメントの水透過性の低下を補うことが好ましい。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法によれば、船で輸送する際にスパイラル型分離膜エレメントを冷蔵保管する必要がないため、船輸送にかかる手間やコストを削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を有する複合半透膜を内蔵している。
ポリアミド系樹脂は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させることにより得られる。
多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、n−フェニル−エチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、多官能酸ハライド成分との反応性の観点からピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、又は4−アミノメチルピペラジンを用いることが好ましく、ピペラジンを用いることがより好ましい。
多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。
多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。
芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。特に、トリメシン酸トリクロライドを用いることが好ましい。
また、ポリアミド系樹脂を含むスキン層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
スキン層を支持する多孔性支持体は、スキン層を支持しうるものであれば特に限定されず、通常平均孔径10〜500Å程度の微孔を有する限外濾過膜が好ましく用いられる。多孔性支持体の形成材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。かかる多孔性支持体の厚さは、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、多孔性支持体は織布、不織布等の基材による裏打ちにて補強されていている。
ポリアミド系樹脂を含むスキン層を多孔性支持体の表面に形成する方法は特に制限されず、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。界面縮合法とは、具体的に、多官能アミン成分を含有するアミン溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させて界面重合させることによりスキン層を形成し、該スキン層を多孔性支持体上に載置する方法や、多孔性支持体上での前記界面重合によりポリアミド系樹脂のスキン層を多孔性支持体上に直接形成する方法である。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
本発明においては、多官能アミン成分を含むアミン溶液と多官能酸ハライド成分を含む有機溶液とを多孔性支持体上で接触させて界面重合させることによりスキン層を形成する方法が好ましい。
アミン溶液中の多官能アミン成分の濃度は特に制限されないが、0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜4重量%である。多官能アミン成分の濃度が0.1重量%未満の場合にはスキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能アミン成分の濃度が5重量%を超える場合には、多官能アミン成分が多孔性支持体中に浸透しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなって透過流束が低下する傾向にある。
有機溶液中の多官能酸ハライド成分の濃度は特に制限されないが、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。多官能酸ハライド成分の濃度が0.01重量%未満の場合には、未反応多官能アミン成分が残留しやすくなったり、スキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなって塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能酸ハライド成分の濃度が5重量%を超える場合には、未反応多官能酸ハライド成分が残留しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
アミン溶液の溶媒としては、例えば、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、及びエチレングリコールなど)、及び水とアルコールとの混合溶媒などが挙げられる。
有機溶液の溶媒としては、水に対する溶解度が低く、多孔性支持体を劣化させず、多官能酸ハライド成分を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びノナン等の飽和炭化水素、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン置換炭化水素などを挙げることができる。好ましくは沸点が300℃以下、さらに好ましくは沸点が200℃以下の飽和炭化水素またはナフテン系溶媒である。有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
本発明においては、溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質の存在下でアミン溶液と有機溶液とを接触させることが好ましい。
溶解度パラメーターとは、液体のモル蒸発熱を△Hcal/mol、モル体積をVcm3 /molとするとき、(△H/V)1/2 (cal/cm3 )1/2で定義される量をいう。溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質としては、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、及び含硫黄化合物類などが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ネオペンチルグリコール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、ペンチルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジグリシジルエーテル、シネオール、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、ジクロロエチルエーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、メチル−t−ブチルエーテル、モノジクロロジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクロロヒドリン等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、エチルブチイルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、アリルクロライド、塩化アミル、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオラン等が挙げられる。
これらのうち、特にアルコール類、エーテル類が好ましい。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質は、アミン溶液に添加してもよく、有機溶液に添加してもよく、両溶液に添加してもよい。また、当該物質を予め多孔性支持体に含浸させておいてもよい。また、当該物質のガス雰囲気中で、アミン溶液と有機溶液とを多孔性支持体上で接触させてもよい。
アミン溶液に当該物質を添加する場合、添加量は10〜50重量%であることが好ましい。10重量%未満では透過流束を上げる効果は不十分であり、50重量%を超えると阻止率が低下する傾向となる。有機溶液に当該物質を添加する場合、添加量は0.001〜10重量%であることが好ましい。0.001重量%未満では透過流束を上げる効果は不十分であり、10重量%を超えると阻止率が低下する傾向となる。
アミン溶液又は有機溶液には、製膜を容易にしたり、得られる複合半透膜の性能を向上させるための目的で各種の添加剤を加えることができる。前記添加剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、重合により生成するハロゲン化水素を除去する水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びトリエチルアミン等の塩基性化合物、アシル化触媒などが挙げられる。
多孔性支持体上に前記アミン溶液を塗布してから前記有機溶液を塗布するまでの時間は、アミン溶液の組成、粘度及び多孔性支持体の表面層の孔径にもよるが、15秒以下であることが好ましく、さらに好ましくは5秒以下である。前記溶液の塗布間隔が15秒を超える場合には、アミン溶液が多孔性支持体の内部深くまで浸透・拡散し、未反応多官能アミン成分が多孔性支持体中に大量に残存する恐れがある。また、多孔性支持体の内部深くまで浸透した未反応多官能アミン成分は、その後の膜洗浄処理でも除去し難い傾向にある。なお、前記多孔性支持体上に前記アミン溶液を被覆した後、余分なアミン溶液を除去してもよい。
本発明においては、アミン溶液と有機溶液との接触後、多孔性支持体上の過剰な有機溶液を除去し、多孔性支持体上の形成膜を70℃以上で加熱乾燥してスキン層を形成することが好ましい。形成膜を加熱処理することによりその機械的強度や耐熱性等を高めることができる。加熱温度は70〜200℃であることがより好ましく、特に好ましくは100〜150℃である。加熱時間は30秒〜10分程度が好ましく、さらに好ましくは40秒〜7分程度である。
多孔性支持体上に形成したスキン層の厚みは特に制限されないが、通常0.05〜2μm程度であり、好ましくは、0.1〜1μmである。
また、複合半透膜の塩阻止性、透水性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。
本発明においては、スキン層を多孔性支持体の表面に形成した後、スキン層に温水通水処理を施す。温水通水処理に用いる温水の温度は特に制限されないが、通常40〜65℃程度であり、好ましくは40〜60である。温水通水処理の時間は特に制限されないが、1〜5時間であることが好ましく、より好ましくは3〜5時間である。温水通水処理は、膜状の複合半透膜に対して行ってもよく、複合半透膜をスパイラル状に加工して得られるスパイラル型分離膜エレメントに対して行ってもよい。
スパイラル型分離膜エレメントは、例えば、複合半透膜を二つ折りにした間に供給側流路材を配置したものと、透過側流路材とを積み重ね、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐ封止部を形成するための接着剤を複合半透膜の周辺部(3辺)に塗布して分離膜ユニットを作製し、この分離膜ユニットの単数または複数を中心管の周囲にスパイラル状に巻きつけて、更に分離膜ユニットの周辺部を封止することによって製造される。
前記製造方法により得られるスキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上である。弾性率は110MPa以上であることが好ましく、より好ましくは130MPa以上であり、さらに好ましくは150MPa以上である。
水中AFMでのフォースカーブ測定によるスキン層の弾性率の算出は、実施例に記載の方法で行う。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
〔評価及び測定方法〕
(水中AFMでのフォースカーブ測定によるスキン層の弾性率の算出)
作製したウェット状態の複合半透膜を2cm×2cmの大きさに切断したサンプル1を、アサイラムテクノロジー社製の液中測定用固定治具(Closed Fluid Cell)、固定ピン2、及び抑え板3を用いて、図1に示すように、固定治具のガラス板4上に固定した。その後、サンプル1上に超純水5を約100μl滴下した。
そして、サンプル1を垂直方向に移動させて、サンプル1のスキン層に、荷重をかけながら球形プローブ6を押し込み、そして引き離した際のカンチレバー7のたわみ又はそり(変位)をレーザー光8の変位としてフォトダイオードで検出してフォースカーブを測定し、装置付属のプログラムを用いて荷重とスキン層変形量に変換した。測定面積90μm×90μmの領域を20×20分割し、合計400点でフォースカーブを測定した。そして、荷重3μNの時のスキン層変形量の平均値を求めた。
測定装置及び測定条件は以下のとおりである。
・測定装置:MFP−3D(アサイラムテクノロジー社製)
・カンチレバー:ばね定数40N/m
・球形プローブ:ナノセンサーズ社製、先端曲率半径0.4μm、Silicon(100)、ポアソン比0.17、弾性率150GPa
・測定環境:超純水中
・押し込み速度、引き離し速度:4.0μm/s
・最大荷重:3μN
・測定n数:400
スキン層の弾性率Esample(MPa)は、下記ヘルツ弾性接触理論式に各数値を代入することにより求められる。
h=〔3/4[{(1−νprobe 2)/Eprobe}+{(1−νsample 2)/Esample}]〕2/3F2/3r-1/3
h:スキン層変形量(平均値)
νprobe:プローブのポアソン比0.17
νsample:サンプルのポアソン比0.35(樹脂の代表値として0.35を採用(固定値))
Eprobe:プローブの弾性率150GPa
Esample:サンプルの弾性率(MPa)
F:荷重3μN
r:プローブの先端曲率半径0.4μm
(水中AFMでのフォースカーブ測定によるスキン層の弾性率の算出)
作製したウェット状態の複合半透膜を2cm×2cmの大きさに切断したサンプル1を、アサイラムテクノロジー社製の液中測定用固定治具(Closed Fluid Cell)、固定ピン2、及び抑え板3を用いて、図1に示すように、固定治具のガラス板4上に固定した。その後、サンプル1上に超純水5を約100μl滴下した。
そして、サンプル1を垂直方向に移動させて、サンプル1のスキン層に、荷重をかけながら球形プローブ6を押し込み、そして引き離した際のカンチレバー7のたわみ又はそり(変位)をレーザー光8の変位としてフォトダイオードで検出してフォースカーブを測定し、装置付属のプログラムを用いて荷重とスキン層変形量に変換した。測定面積90μm×90μmの領域を20×20分割し、合計400点でフォースカーブを測定した。そして、荷重3μNの時のスキン層変形量の平均値を求めた。
測定装置及び測定条件は以下のとおりである。
・測定装置:MFP−3D(アサイラムテクノロジー社製)
・カンチレバー:ばね定数40N/m
・球形プローブ:ナノセンサーズ社製、先端曲率半径0.4μm、Silicon(100)、ポアソン比0.17、弾性率150GPa
・測定環境:超純水中
・押し込み速度、引き離し速度:4.0μm/s
・最大荷重:3μN
・測定n数:400
スキン層の弾性率Esample(MPa)は、下記ヘルツ弾性接触理論式に各数値を代入することにより求められる。
h=〔3/4[{(1−νprobe 2)/Eprobe}+{(1−νsample 2)/Esample}]〕2/3F2/3r-1/3
h:スキン層変形量(平均値)
νprobe:プローブのポアソン比0.17
νsample:サンプルのポアソン比0.35(樹脂の代表値として0.35を採用(固定値))
Eprobe:プローブの弾性率150GPa
Esample:サンプルの弾性率(MPa)
F:荷重3μN
r:プローブの先端曲率半径0.4μm
(透過流束の低下率)
作製した複合半透膜を所定の形状、サイズに切断したサンプルを平膜評価用のセルにセットする。0.2%のMgSO4を含みかつNaOHを用いてpH6.5〜7.0に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に0.9MPaの差圧を与えて膜に接触させる。この操作によって得られた透過水の透過速度を測定し、膜面積1平方メートル当たりの1日の透水量(立方メートル)から透過流束X(m3/m2・d)を算出した。当該サンプルを40℃の環境下で7日間保管し、その後、同様の方法で透過流束Yを算出した。透過流束の低下率は下記式により算出した。
透過流束の低下率(%)=〔(X−Y)/X〕×100
作製した複合半透膜を所定の形状、サイズに切断したサンプルを平膜評価用のセルにセットする。0.2%のMgSO4を含みかつNaOHを用いてpH6.5〜7.0に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に0.9MPaの差圧を与えて膜に接触させる。この操作によって得られた透過水の透過速度を測定し、膜面積1平方メートル当たりの1日の透水量(立方メートル)から透過流束X(m3/m2・d)を算出した。当該サンプルを40℃の環境下で7日間保管し、その後、同様の方法で透過流束Yを算出した。透過流束の低下率は下記式により算出した。
透過流束の低下率(%)=〔(X−Y)/X〕×100
比較例1
ピペラジン7水和物3.6重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、カンファースルホン酸6重量%、及び水酸化ナトリウム1.48重量%を水に溶解させてアミン溶液を調製した。そして、アミン溶液を多孔性支持体の表面に接触させた後、余分なアミン溶液を除去した。その後、多孔性支持体の表面のアミン溶液と、トリメシン酸クロライド0.42重量%及びt−ブタノール0.5重量%をIP1016(沸点106℃)に溶解させた有機溶液とを接触させた。その後、余分な有機溶液を除去し、120℃の熱風乾燥機中で3分間保持して、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を形成して複合半透膜を作製した。
ピペラジン7水和物3.6重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、カンファースルホン酸6重量%、及び水酸化ナトリウム1.48重量%を水に溶解させてアミン溶液を調製した。そして、アミン溶液を多孔性支持体の表面に接触させた後、余分なアミン溶液を除去した。その後、多孔性支持体の表面のアミン溶液と、トリメシン酸クロライド0.42重量%及びt−ブタノール0.5重量%をIP1016(沸点106℃)に溶解させた有機溶液とを接触させた。その後、余分な有機溶液を除去し、120℃の熱風乾燥機中で3分間保持して、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を形成して複合半透膜を作製した。
実施例1
比較例1で作製した複合半透膜に、40℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
比較例1で作製した複合半透膜に、40℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
実施例2
比較例1で作製した複合半透膜に、50℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
比較例1で作製した複合半透膜に、50℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
実施例3
比較例1で作製した複合半透膜に、60℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
比較例1で作製した複合半透膜に、60℃の温水を5時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。
実施例4
比較例1で作製した複合半透膜を用いてスパイラル型分離膜エレメントを作製した。作製したスパイラル型分離膜エレメントに、60℃の温水を3時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。なお、前記弾性率及び透過流束の測定においては、エレメントから複合半透膜を取り出して測定した。
比較例1で作製した複合半透膜を用いてスパイラル型分離膜エレメントを作製した。作製したスパイラル型分離膜エレメントに、60℃の温水を3時間通水して、スキン層に温水通水処理を施した。なお、前記弾性率及び透過流束の測定においては、エレメントから複合半透膜を取り出して測定した。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。また、油田やシェールガス田などにおける排水処理に用いることができる。
1:サンプル
2:固定ピン
3:抑え板
4:固定治具のガラス板
5:超純水
6:球形プローブ
7:カンチレバー
8:レーザー光
2:固定ピン
3:抑え板
4:固定治具のガラス板
5:超純水
6:球形プローブ
7:カンチレバー
8:レーザー光
Claims (4)
- 多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を有する複合半透膜を内蔵するスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法において、
前記スキン層は、温水通水処理が施されており、
前記スキン層は、水中AFMでのフォースカーブ測定により算出される弾性率が100MPa以上であり、
前記スパイラル型分離膜エレメントを、冷蔵していない保管状態で輸送することを特徴とするスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法。 - 前記ポリアミド系樹脂は、ピペラジンとトリメシン酸クロライドとの重合体を含む請求項1記載のスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法。
- 前記温水通水処理は、40〜60℃の温水を用いて1〜5時間行われる請求項1又は2記載のスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法。
- 前記スキン層は、多官能アミン成分を含むアミン溶液と多官能酸ハライド成分を含む有機溶液とを多孔性支持体上で接触させて界面重合させることにより形成され、前記接触は、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、ペンチルアルコール、アリルアルコール、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグリシジルエーテル、シネオール、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、トリオキサン、ジクロロエチルエーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、モノジクロロジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクロロヒドリンから選ばれる少なくとも一つの溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3)1/2の物質の存在下で行われる請求項1〜3のいずれかに記載のスパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015015884A JP2016140776A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 |
PCT/JP2016/051583 WO2016121599A1 (ja) | 2015-01-29 | 2016-01-20 | スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015015884A JP2016140776A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016140776A true JP2016140776A (ja) | 2016-08-08 |
Family
ID=56543214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015015884A Pending JP2016140776A (ja) | 2015-01-29 | 2015-01-29 | スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016140776A (ja) |
WO (1) | WO2016121599A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7072112B1 (ja) | 2021-11-05 | 2022-05-19 | 日東電工株式会社 | 複合半透膜、スパイラル型膜エレメント、水処理システム及び水処理方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3862184B2 (ja) * | 1996-12-05 | 2006-12-27 | 日東電工株式会社 | 複合逆浸透膜の製造方法 |
JP2005144211A (ja) * | 2003-11-11 | 2005-06-09 | Toray Ind Inc | 複合半透膜及びその製造方法ならびに流体分離素子の処理方法 |
JP2007000790A (ja) * | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Japan Organo Co Ltd | 分離膜の処理・保存方法および装置 |
EP2614881A1 (en) * | 2010-09-07 | 2013-07-17 | Toray Industries, Inc. | Separation membrane, separation membrane element, and method for producing separation membrane |
JP5758001B2 (ja) * | 2011-06-09 | 2015-08-05 | 旭化成メディカル株式会社 | 血液処理用中空糸膜及び中空糸膜型血液処理装置 |
-
2015
- 2015-01-29 JP JP2015015884A patent/JP2016140776A/ja active Pending
-
2016
- 2016-01-20 WO PCT/JP2016/051583 patent/WO2016121599A1/ja active Application Filing
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7072112B1 (ja) | 2021-11-05 | 2022-05-19 | 日東電工株式会社 | 複合半透膜、スパイラル型膜エレメント、水処理システム及び水処理方法 |
JP2023069193A (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-18 | 日東電工株式会社 | 複合半透膜、スパイラル型膜エレメント、水処理システム及び水処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2016121599A1 (ja) | 2016-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101327294B1 (ko) | 금속-유기 구조체를 포함하는 수처리용 분리막 및 이의 제조방법 | |
JP6259921B2 (ja) | 複合中空糸膜モジュールおよびその製造方法 | |
JP5804616B2 (ja) | 耐汚染性に優れたポリアミド系水処理分離膜、その製造方法、水処理モジュール及び水処理装置 | |
KR101546244B1 (ko) | 내염소성 고투과 수처리 분리막 및 그 제조 방법 | |
JP6774841B2 (ja) | 複合半透膜、及びスパイラル型分離膜エレメント | |
US20180333684A1 (en) | The one-step preparation process for thin film composite membrane using a dual (double layer)-slot coating technique | |
JP2016518982A (ja) | 塩除去率及び透過流量特性に優れたポリアミド系水処理分離膜及びその製造方法 | |
CN107922610B (zh) | 用于聚酰胺界面聚合的组合物和使用其制造反渗透膜的方法 | |
KR101114668B1 (ko) | 폴리아마이드 역삼투 분리막의 제조방법 및 그에 의해 제조된 폴리아마이드 역삼투 분리막 | |
US20130292325A1 (en) | Method for preparing reverse osmosis membrane, and reverse osmosis membrane prepared thereby | |
EP3088073B1 (en) | High-functional polyamide-based dry water treatment separator and method for manufacturing same | |
JP6437835B2 (ja) | 複合半透膜、スパイラル型分離膜エレメント、及びその製造方法 | |
JP5961643B2 (ja) | 複合分離膜とこれを用いた分離膜エレメント | |
JP2015147194A (ja) | 複合半透膜の製造方法 | |
US20200261860A1 (en) | Composite semipermeable membrane and method for manufacturing same | |
KR20130076498A (ko) | 초친수층을 포함하는 역삼투막 및 그 제조방법 | |
WO2016121599A1 (ja) | スパイラル型分離膜エレメントの船輸送方法 | |
JPWO2014003140A1 (ja) | 複合半透膜および複合半透膜エレメント | |
JP2017213501A (ja) | 複合半透膜および複合半透膜の製造方法 | |
WO2015118913A1 (ja) | スパイラル型分離膜エレメント | |
JP2009262089A (ja) | 複合半透膜の製造方法 | |
JP6456671B2 (ja) | 多孔性支持体、複合半透膜、及びスパイラル型分離膜エレメント | |
KR102524361B1 (ko) | 분리막의 제조방법, 분리막 및 수처리 모듈 | |
WO2023276642A1 (ja) | 正浸透膜モジュール、及びその製造方法 | |
CN113226527B (zh) | 复合半透膜 |