JP2016140271A - にんじん飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】なるべく余計な製造工程や添加物を加えることなく、風味が良好で保存安定性の良好なにんじん濃縮液及びその製造方法の提供。【解決手段】にんじん搾汁液の129〜171%濃縮液であって、Brix値が9〜12で平均粒子径1〜40μmの粒子を含有するにんじん濃縮液。得られるにんじん濃縮液が、Brix値9〜12であり、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有するにんじん濃縮液の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、にんじん濃縮液及びその製造方法に関する。
従来、にんじん飲料には、にんじんのストレート搾汁(100%)を使用したものや、濃縮還元タイプのもの(濃縮したにんじん搾汁液に水を加えて、濃縮前の濃度に戻したもの)等が存在する。例えばにんじん搾汁液を高濃度(6〜7倍)に濃縮し、これに加水して、にんじんのストレート搾汁換算で100%の濃度のにんじん飲料を製造している。また、一般的に、にんじん飲料としてはにんじんのストレート搾汁換算で100%以下の飲料しか販売されていない。
また、風味の良いにんじん飲料の製造方法としては、にんじんを破砕又は切断し、加熱により酵素失活した後、二軸異方向回転型エクストルーダーに供して搾汁する方法(特許文献1)、にんじんのペクチンエステラーゼ活性及びペクチナーゼ活性を失活させるため、70〜80℃にブランチングした後搾汁する方法(特許文献2)等が報告されている。
特開平06−217744号公報 特開平10−313835号公報
しかしながら、従来の高濃度のにんじん濃縮液に加水して製造したにんじん飲料は、搾汁液の濃縮工程における過度の加熱により土臭さを感じやすくなって風味が低下するとともに、沈殿が発生して保存安定性が低下する問題がある。また、酵素失活させるために過度な加熱工程を経て得られたにんじん飲料は、加熱臭が生じ、風味が低下する問題がある。また、健康志向の高まりから、なるべく添加物を加えないことが求められていた。
従って、本発明の課題は、なるべく余計な製造工程や添加物を加えることなく、風味が良好で保存安定性の良好なにんじん濃縮液及びその製造方法を提供することにある。
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、にんじん搾汁液を低度に濃縮することにより、粒子径が増大せず、平均粒子径1〜40μmの小さな粒子を含有するにんじん濃縮液が得られ、得られたにんじん濃縮液は土臭さがなく、にんじんの爽やかさを有し、保存しても風味の変化が少なく、且つ、沈殿の発生も抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕にんじん搾汁液の129〜171%濃縮液であって、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有するにんじん濃縮液。
〔2〕Brix値が9〜12である〔1〕記載のにんじん濃縮液。
〔3〕〔1〕又は〔2〕記載のにんじん濃縮液を含有する飲料。
〔4〕にんじん搾汁液を129〜171%に濃縮する工程を含むことを特徴とするにんじん濃縮液の製造方法。
〔5〕得られるにんじん濃縮液が、Brix値9〜12であり、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有する〔4〕記載のにんじん濃縮液の製造方法。
〔6〕〔4〕又は〔5〕記載の製造方法で得られたにんじん濃縮液を用いて製造することを特徴とする飲料の製造方法。
本発明のにんじん濃縮液は、にんじんの甘さや爽やかさを有し風味が良好で、保存による風味の変化が少なく、かつ沈殿が生じない。また、本発明のにんじん濃縮液は、余計な製造工程を含まず、添加物を加えていないため、新鮮なニンジンの風味が活かされている。
実施例1における55℃7日間保存後の粒度分布測定結果を示す。 比較例1における55℃7日間保存後の粒度分布測定結果を示す。
本発明のにんじん濃縮液は、にんじん搾汁液の129〜171%濃縮液であって、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有することを特徴とする。
本発明のにんじん濃縮液は、にんじん搾汁液を129〜171%に濃縮したものである。濃縮率が129%未満では、濃厚感が弱く感じる。一方、濃縮率が171%を超えると、甘さが強くなりすぎ、後口でにんじんの甘味が残るようになる。特に好ましい濃縮率は140〜160%である。
本発明のにんじん濃縮液のブリックス値(以下、Brix値)は、にんじんの甘さや濃厚感を得る点から、9〜12であることが好ましい。特に好ましいBrix値は9.8〜11.2である。
ここでBrix値は、20%のショ糖溶液の質量百分率に相当する値であり、Brix屈折計で測定される糖度であり、固形分濃度の目安となる。
本発明のにんじん濃縮液には、にんじんの粒子が含まれ、その平均粒子径は1〜40μmであることが、保存安定性と風味の点で重要である。ここで、平均粒子径とは、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(株式会社島津製作所製)により測定した粒子の粒度分布のメディアン径を指す。平均粒子径が1μm未満のにんじん濃縮液は、通常のにんじん搾汁製造では得難く、平均粒子径が40μmを超えると、沈殿を生じる傾向がある。また、平均粒子径が40μmを超えることがにんじんの土臭さを感じやすくし、保存による芋っぽさや加熱臭を生じさせる要因となっていることが本発明者らの研究により明らかとなった。より好ましい平均粒子径は1〜30μmであり、さらに好ましくは1〜20μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。
本発明のにんじん濃縮液中のにんじん粒子の粒子分布は0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜20μmであり、0.2〜10μmであることがさらに好ましい。沈殿が発生しやすくなって保存安定性が低下し、にんじんの土臭さを感じ易くなり、保存による芋っぽさや加熱臭を生じ易くさせると考えられるため、濃縮液中のにんじん粒子の粒子分布は40μm以上の粒子を含まないことが好ましく、40〜300μmの粒子を含まないことがさらに好ましい。
本発明のにんじん濃縮液は、にんじんの搾汁液を129〜171%に濃縮する工程を含む製造方法により得られる。
まず、にんじんの搾汁液は、常法例えば、生のにんじんを必要により剥皮、洗浄し、手作業で余分な部分のトリミングを行い、スライサーでカットし、ブランチング槽でブランチングした後、ハンマークラッシャーで破砕し、ダブルカントデカンターやパルパーフィニッシャー等の搾汁装置により搾汁することで得られる。ここで得られる100%にんじん搾汁液のBrix値は、通常6〜9(収穫時期、品種、にんじんの生産場所の影響等により異なる)である。なお、にんじんとしては、特に限定されないが、例えば、五寸にんじん、金時にんじん、ミニキャロット、紫にんじん、黄色いにんじん、スティックタイプニンジン等の種類を用いることができる。
次に、にんじん搾汁液を129〜171%に濃縮する。ここで、一度高度濃縮(例えば600%)した後に、129〜171%になるように希釈してもよいが、高度濃縮するとにんじん濃縮液中の粒子径が増大するので、高度濃縮はしないことが望ましい。また、高度濃縮すると濃縮液に過度の熱負荷がかかり、にんじんの土臭さや加熱臭が生じるので、低度濃縮することが好ましく、直接所望の濃度まで濃縮することがさらに好ましい。にんじん搾汁液を直接129〜171%に濃縮するか、又は300%以下に濃縮した後に129〜171%に希釈するのが好ましく;にんじん搾汁液を直接129〜171%に濃縮するか、又は200%以下に濃縮した後に129〜171%に希釈するのがより好ましく;にんじん搾汁液を直接129〜171%に濃縮するのがさらに好ましい。また、所望の濃度まで直接濃縮するため、にんじん濃縮液には加水しないことが好ましい。
ここで濃縮法としては、蒸発濃縮法、凍結濃縮法、逆浸透膜濃縮法等が挙げられ、簡便で製造効率の良い点から、蒸発濃縮法が好ましい。蒸発濃縮に用いる装置としては、減圧濃縮機が挙げられ、濃縮条件として、蒸気圧を0〜1.2kg/cm2に設定することが好ましく、蒸気の流量を5000〜6000kg/hに設定することが好ましい。特に、蒸気圧を0.9kg/cm2、蒸気の流量を5000kg/hに設定するのが好ましい。
また、本発明のにんじん濃縮液及び/又は当該にんじん濃縮液を含むにんじん飲料は、粒子径の安定化、繊維質の微細化、のどごしの改善等の目的で均質化処理を施してもよい。ただし、均質化処理の程度によっては、にんじんの土臭さが生じることがあるので、均質化処理の程度は低いほうが好ましく、均質化処理をしないことがさらに好ましい。均質化処理に用いる装置としては高圧ホモゲナイザー、コロイドミル、ホモミキサー、超音波ホモゲナイザー等が挙げられ、これらの均質化処理装置による処理は、例えば高圧ホモゲナイザーの圧力を合計20MPa(一次圧15MPa、二次圧5MPa)以下とするのが好ましく、合計15MPa(一次圧10MPa、二次圧5MPa)以下とするのが好ましく、合計5MPa(一次圧5MPa、二次圧0MPa)以下とするのがさらに好ましい。
本発明のにんじん濃縮液には、添加物は不要に添加しないことが望ましい。にんじん濃縮液のpHとしては5.4〜6.0が好ましい。
得られたにんじん濃縮液は、そのまま飲料とすることもできるが、pHを調整する目的で酸性成分、例えばアスコルビン酸、クエン酸、りんご酸、酒石酸、乳酸、酢酸、グルコン酸等の酸味料、レモン、白ブドウ、アップル、グレープ、グレープフルーツ、オレンジ、うめ、ピーチ、パイナップル等の有機酸を含んだ果汁、またはこれらの濃縮果汁等を添加してもよい。なお、これらの酸性成分は単独で用いても良いし、複数組み合わせて用いても良い。なお、にんじん濃縮液と酸性成分を混合したにんじん飲料のpHとしては4.3以下が好ましく、pH4.0〜4.3とするのがさらに好ましい。また、にんじん飲料を製造する際には、にんじん濃縮液の良好な風味が水によって薄まってしまうので、加水工程を含まないことが好ましい。
また、にんじん濃縮液は、さらに他の成分、例えばトマト汁、果実汁、野菜汁と混合して野菜ジュース、野菜・果実ミックスジュース、にんじんミックスジュース、にんじん飲料としてもよい。また、乳やはっ酵乳等と混合して乳飲料、乳性飲料、発酵乳飲料、通常飲料に配合される種々の成分と混合して清涼飲料としてもよい。これらのような飲料は紙パック、PETボトル、スチール缶等に充填することにより容器詰飲料とすることができる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1
(1)五寸にんじん(100%搾汁液中のBrix値は7)を剥皮、洗浄した。これをスライサーでカットし、トリミングして、ブランチング槽(95℃)で15分間ブランチングした。次にハンマークラッシャーにて破砕し、ダブルカントデカンター(ダム:12mm)により搾汁し、にんじん搾汁液(Brix値7)を得た。次いで、にんじん搾汁液を減圧濃縮機(APV社製、蒸気圧0.9kg/cm2、蒸気の流量5000kg/h)でBrix値10.5(濃縮率150%)まで低度に濃縮した。得られたにんじん濃縮液に濃縮レモン果汁(Brix値44)を添加しpHを4.2に調整し、にんじん飲料を得た。
比較例1
五寸にんじんを剥皮、洗浄した。これをスライサーでカットし、トリミングして、ブランチング槽(95℃)で15分間ブランチングした。次にハンマークラッシャーにて破砕し、ダブルカントデカンター(ダム:12mm)により搾汁し、にんじん搾汁液(Brix値7)を得た。次いでにんじん搾汁液を減圧濃縮機(APV社製、蒸気圧4.0kg/cm2、蒸気の流量5000kg/h)でBrix値42(濃縮率600%)まで高度に濃縮した。さらにこれに水を加えてBrix値10.5(濃縮率150%)に調整し、濃縮レモン果汁(Brix値44)を添加しpHを4.2に調整し、にんじん飲料を得た。
試験例1
実施例1及び比較例1で得られたにんじん飲料について製造日の粒子径、液状(沈殿の有無)、風味を評価した。さらに、これらのにんじん飲料の55℃で3日間及び7日間保存後の前記性状も評価した。粒子径は(1)に示す方法で測定し、液状、風味はそれぞれ(2)、(3)に示す基準で判断した。得られた結果を表1〜表3に示す。また、粒子径の測定により得られた粒度分布測定結果で実施例1の55℃7日間保存後の結果を図1、比較例1の55℃7日間保存後の結果を図2に示す。なお図中の左側縦軸Qは積算分布(%)であり、右側縦軸qは頻度分布(%)である。ここで、55℃3日間保存は室温で2〜3ヶ月程度、55℃7日間保存は室温で半年程度の保存に相当する。
(1)粒子径の測定
液温を20℃にしたサンプルを十分に攪拌して、均一にした後、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(株式会社島津製作所製)を用いて屈折率(1.60−0.10i)の条件で、1000μmまでのにんじん飲料中の粒子について測定した。
(2)液状の判断基準
− :沈殿は一切見られず良好な状態
+ :沈殿はごくわずかに見られる、問題はない
++ :沈殿はわずかに見られる、問題はない
+++ :沈殿が確認され、やや多い
++++:沈殿は多量に確認される
(3)風味
にんじんの風味として、土臭さや加熱臭が生じているか否かを評価した。
表1〜表3より、高度に濃縮することにより粒子径の増大化が生じ、平均粒子径が40μmを超える粒子を有するにんじん飲料は、土臭さがあり、保存により芋っぽい臭いや加熱臭が生じ、また沈殿が発生した。これに対し、Brix値10.5(濃縮率150%)に直接濃縮したにんじん濃縮液を用いた平均粒子径1〜40μmのにんじん飲料は、風味が良好で、保存後も風味の変化が少なく、沈殿も発生しないことが明らかになった。
図1,2より、実施例1ではにんじん粒子の分布は0.2〜10μmの範囲にしか存在していないが、比較例1では粒子径が0.2〜20μmの範囲と、40〜300μmの範囲ににんじん粒子が分布していた。粒子径が40μm以上のにんじん粒子の分布が多いことにより、風味の低下や保存安定性の低下が生じたと考えられるため、粒子の分布は40μm以下であることが好ましいことが明らかになった。
試験例2
風味が良好なにんじん濃縮液の濃度を検討するため、五寸にんじんの高度濃縮にんじん濃縮液(Brix値42)をBrix値8〜13(濃縮率114〜186%)までそれぞれ希釈し、濃縮レモン果汁(Brix値44)と混合してpHを4.2に調整したにんじん飲料を用い、風味を評価した。各飲料について、にんじんの濃厚感を5段階で評価した(濃厚感が弱い+〜+++++濃厚感が強い)。また、下記基準により風味を評価した。結果を表4に示す。
(官能検査の評価基準)
◎:濃厚感があり、にんじんの甘味が際立ち、良好である
○:濃厚感があり、にんじんの甘味が良い。
△:濃厚感があるが、にんじんの甘味が後口でやや残る。
▲:濃厚感はやや弱いが、にんじんの甘味が良い。
×:濃厚感が弱い、又はにんじんの甘味が弱い。
表4より、濃縮率が129〜171%のにんじん濃縮液を用いたにんじん飲料は濃厚感があり、にんじんの甘さが良好な飲料であり、濃縮率が140〜160%のにんじん濃縮液を用いたにんじん飲料はさらに濃厚感と甘味が良好な飲料であった。Brix値としては、Brix値9〜12のにんじん濃縮液を用いたにんじん飲料は、濃厚感があり、にんじんの甘さが良好な飲料であり、Brix値9.8〜11.2のにんじん濃縮液を用いたにんじん飲料はさらに濃厚感と甘味が良好な飲料であった。一方、濃縮率129%を下回るもの、Brix値として9を下回るものでは甘味は良いが、濃厚感が弱かった。また、濃縮率171%を超えるもの、Brix値として12を超えるものでは、にんじんの甘味が後口に残ってしまう問題があった。
試験例3
比較例1で得られたにんじん搾汁液(Brix値7)に、ホモゲナイザーを用いて合計15MPa(一次圧10MPa、二次圧5MPa)の条件で均質化処理を行った後、濃縮し、高度にんじん濃縮液(Brix値42)を得た。この高度にんじん濃縮液に水を添加してBrix値10.5(濃縮率150%)に調整し、濃縮レモン果汁(Brix値44)を添加してpHを4.2に調整し、にんじん飲料を得た(比較例2)。比較例1で得られたにんじん飲料と、比較例2のにんじん飲料を15名のパネラーにより香り及びおいしさを評価した。その結果、均質化処理をしていない比較例1が、香り及びおいしさが良好であると答えたパネラーが多かった。均質化処理を行うことはにんじん搾汁液や、にんじん濃縮液の風味を低下させると考えられるため、均質化処理の条件は低度であるか、均質化処理を行わない方が風味は損なわれないことが明らかになった。
なお、比較例2は均質化処理を濃縮工程前に行っているので、粒子径が比較例1と同様に増大していると考えられる。
実施例2
実施例1で得られたにんじん飲料をスチール缶(160mL)に充填し、容器詰にんじん飲料を得た。

Claims (6)

  1. にんじん搾汁液の129〜171%濃縮液であって、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有するにんじん濃縮液。
  2. Brix値が9〜12である請求項1記載のにんじん濃縮液。
  3. 請求項1又は2記載のにんじん濃縮液を含有する飲料。
  4. にんじん搾汁液を129〜171%に濃縮する工程を含むことを特徴とするにんじん濃縮液の製造方法。
  5. 得られるにんじん濃縮液が、Brix値9〜12であり、平均粒子径1〜40μmの粒子を含有する請求項4記載のにんじん濃縮液の製造方法。
  6. 請求項4又は5記載の製造方法で得られたにんじん濃縮液を用いて製造することを特徴とする飲料の製造方法。
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