以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組合せの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本発明の実施形態1に係る個人番号管理システムの構成を説明する図である。
このシステムでは、画像形成装置(画像処理装置)101、企業システム102、クライアント103がイントラネット104に存在し、これらはインターネット105を介して個人番号管理サーバ106(以下、管理サーバ)と通信する。ここでイントラネット104の装置101〜103と管理サーバ106とは、ブラウザや専用のアプリケーションを介して通信を行う。管理サーバ106は、HTTP、SOAP等のプロトコルに準拠したWebサービスを有している。このWebサービスでは、画像形成装置101からの個人番号の仮登録、企業システム102からの社員情報の登録や個人番号の取得、また、クライアント103からの個人番号の登録内容の取得リクエスト等を受け付ける。図示はしていないが、管理サーバ106には、各種データを保存しておくためのデータベースシステムやファイルシステムが存在する。
図2は、実施形態1に係る企業システム102、クライアント103、及び管理サーバ106のハードウェア構成を説明するブロック図である。企業システム102、クライアント103、管理サーバ106は、一般的な情報処理装置(いわゆるPC)のハードウェアで構成できる。このため図2では、その代表的な構成例を示し、この構成は、企業システム102、クライアント103及び管理サーバ106で共通である。
図2において、CPU201は、ROM203のプログラムROMに記憶されたブートプログラムを実行して、ハードディスク等の外部メモリ210からRAM202にOS(オペレーションシステム)やアプリケーションを展開する。こうしてCPU201は、RAM202に展開した、これらプログラムを実行することにより、後述する各フローチャートの処理を実行する各処理部として機能する。RAM202は、CPU201のメインメモリであり、上記プログラムの格納エリアに加えて、ワークエリアを提供している。キーボードコントローラ404は、キーボード208や図示しないポインティングデバイス(タッチパッド、タッチパネル、トラックボールなど)からの操作入力を制御する。表示制御部205は、表示部209への表示を制御する。ディスクコントローラ206は、各種データを記憶するハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ210へのアクセスを制御する。ネットワークコントローラ(NC)207はネットワークに接続され、そのネットワークに接続された他の機器との通信制御を実行する。
図3は、実施形態1に係る画像形成装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
画像形成装置101は、制御部301、操作部304、認証部305、NIC306、画像読取部307、印刷部308、記憶部312を備えている。制御部301はCPU309、RAM310、ROM311を有し、画像形成装置301全体を制御しており、また画像データを処理する画像処理部303を有する。操作部304は、例えばソフトウェアキーボード、タッチパネル、その他入出力装置を有し、各種の設定値の入力、及び表示を行うことができる。CPU309は、ROM311に記憶されたプログラムや、記憶部312からRAM310に展開されたアプリケーション等のプログラムを実行する。RAM310は、CPU309のメインメモリであり、CPU309のワークエリア等を提供している。画像読取部307は例えばスキャナ等を含み、紙文書(原稿、書類)等を読取ることにより電子データである紙文書の画像データを取得する。制御部301は、記憶部312に記憶された文書画像データを操作部304に出力して表示させる。また制御部301は同様に、記憶部312に記憶された文章画像データを印刷部308に出力して印刷させることができる。印刷部308は、文書画像データに従って文書画像を印刷する。また画像形成装置101は、NIC306を介してネットワークと接続し、ネットワークとの間でデータの送受信を可能とする。NIC306を介して得られたデータは操作部304に表示することも可能である。
図4は、実施形態1に係る画像形成装置101、企業システム102、クライアント103、及び管理サーバ106の機能を説明する機能ブロック図である。
まず画像形成装置101の機能について説明する。
画面表示部401は、通信部402を介して、管理サーバ106から取得したマークアップランゲージ(ML)(画面情報)や、入力受付部403によってユーザから受け付けた情報を操作部304の表示部に表示する。通信部402は、管理サーバ106と通信し、管理サーバ106へのログインや、個人番号の仮登録処理を実施する。書類スキャン部404は、画像読取部307を用いて書類の読み取りを行う。書類スキャン部404によって読み取られた書類の画像データは個人番号抽出部405に渡される。個人番号抽出部405は、書類スキャン部404で得られた画像データに個人番号が含まれているか否かを判定し、個人番号が含まれていると判定するとOCR等の技術を用いて、その個人番号を抽出する。個人番号抽出部405によって抽出された個人番号は検証部406に渡され、検証部406は、チェックディジットを用いて、個人番号抽出部405が抽出した個人番号の妥当性を検証する。この妥当性の検証の結果等は、画面表示部401により操作部304に表示される。ここで個人番号の登録では、法的に定められた書類の種別の組合せを用いる必要がある。例えば、個人番号通知カードを用いる場合には、運転免許証やパスポート等の顔写真付きの書類が必要となる。そこで、1つの書類がスキャンされた後に、有効組合せ取得部407は、スキャン済の書類の種別に対して、個人番号の登録に有効な書類の種別を管理サーバ106に問い合わせる。そして管理サーバ106から、個人番号の登録に有効な組合せとなる書類の種別を取得すると、操作部304に、次にスキャンする書類種別として表示する。個人情報抽出部408及び不整合チェック部409は、実施形態2に係る処理部であるため、実施形態1での説明を割愛する。なお、本実施形態では画面情報や入力受付部403によって受け付けた情報を操作部304の表示部に表示する例を説明するが、同様の情報を画像形成装置101に接続されたPCの表示部に表示してもよい。その場合、ユーザからの操作は、PCのマウスやキーボードなどの操作部から受け付ければよい。
次に、クライアント103の各処理部の機能について説明する。
クライアント103は、個人番号登録の承認作業を行う。承認作業は、例えば、画像形成装置のユーザが所属する企業の番号管理責任者が行う。この番号管理責任者として、例えば、そのユーザの上司、または、そのユーザが所属する企業の番号管理資格保持者、または人事部の部員が挙げられる。通信部421は、管理サーバ106から承認リクエストを取得し、また承認結果を管理サーバ106に送信する。画面表示部422は、通信部421が取得した承認リクエストの一覧や、各承認リクエストの内容を表示し、承認者が登録内容を確認するための画面を表示する。また入力受付部423は、キーボード208等の操作部を介して承認者からの入力を受け付ける。
次に企業システム102の各処理部の機能について説明する。
企業システム102は、管理サーバ106から個人番号を受信して、調書の作成作業を行う。通信部441は、管理サーバ106に対して、個人番号を取得するためのリクエストを送信するとともに、画像形成装置101へ印刷データを送信する。画面表示部442は、管理サーバ106から取得した個人番号取得用のマークアップランゲージの表示や、入力受付部443から調書を編集、或いは印刷指示するための画面を表示する。調書作成部444は、社員管理テーブル445のデータ及び管理サーバ106から受信した個人番号等に基づいて調書を作成する。
次に管理サーバ106の各処理部の機能について説明する。
画面生成部461は、画像形成装置101や、クライアント103等からのリクエストに応じて、表示部209に表示するためのデータ(例えばHTML等)を生成する。ログイン要求受信部462は、画像形成装置101、クライアント103や企業システム102からのログイン要求を受け付けると、ユーザ管理テーブル474で管理されているデータに基づいて、ユーザの認証処理を実施する。組合せ要求受信部463は、有効組合せ管理テーブル475に登録された種類の種別の組合せの内、有効組合せ取得部407からのリクエストに含まれる書類種別と対となる書類種別のリストを返却する。仮登録要求受信部464は、画像形成装置101からの個人番号の仮登録リクエストを受信する。その後、その受信したデータを、個人番号仮登録部465を介して、個人番号管理テーブル476に登録する。また仮登録が完了した場合には、承認者に通知するために、承認リクエスト発行部466は、社員情報管理テーブル477から承認者の情報(例えばメールアドレス)を取得して、その承認者に通知する。承認リクエスト取得部467は、仮登録状態の登録内容を個人番号管理テーブル476から取得してクライアント103に返却する。承認結果受信部468は、クライアント103からの承認結果を受信し、承認された時は仮登録状態の登録内容を本登録の状態に遷移させる。個人番号要求受信部469は、企業システム102からの個人番号の取得要求を受け付けると、その要求に応じて、個人番号管理テーブル476から個人番号を取得して企業システム102に返却する。社員情報登録部470は、企業システム102からのリクエストを受信し、ユーザ管理テーブル474及び社員情報管理テーブル477に、ユーザ(社員)のデータを登録する。具体的には、企業システム102のオペレータが、社員管理テーブル445から取得した社員データに、後述する社員情報管理テーブル477で定義されるデータ項目に相当する情報を付加し、通信部441を介して社員情報登録部470にリクエストを発行する。これにより社員情報登録部470は、社員情報管理テーブル477へのデータの登録に加え、後述するユーザ管理テーブル474に、企業コード及び社員ID(識別情報)を登録する。
次に、実施形態1に係るユーザ管理テーブル474、有効組合せ管理テーブル475、個人番号管理テーブル476、社員管理テーブル445、社員情報管理テーブル477のデータ構成例を表を参照して説明する。
表1は、実施形態1に係る管理サーバ106が管理しているユーザ管理テーブル474の一例を示す。
ユーザ管理テーブル474は、アカウント(A1)、パスワード(A2)、企業コード(A3)、社員ID(A4)の4つの要素を含む。アカウント(A1)及びパスワード(A2)は、画像形成装置101、企業システム102、クライアント103が、管理サーバ106が提供するサービスを利用する際に必要となるID及びパスワードである。アカウント(A1)は、社員情報登録部470がユーザ管理テーブル474に情報を登録する際に、各社員に対して自動で発行される。またパスワード(A2)は、企業システム102で予め設定されたものが一律で設定される。このパスワードは、各社員によって変更可能であるが、この方法については公知であるため、説明を割愛する。また、企業コード(A3)及び社員ID(A4)は、後述する社員情報管理テーブル477の各社員情報と、アカウント(A1)を紐付けるためのキーとなる。
表2は、実施形態1に係る管理サーバ106が管理している有効組合せ管理テーブル475に登録されている情報の一例を示す。
有効組合せ管理テーブル475は、書類種別1(B1)、書類種別2(B2)、書類種別3(B3)の3つを含む。書類種別1〜3の組合せで、登録に有効な組合せを表している。登録に必要な書類を大まかに分類すると、「個人番号が記載された書類」、「顔写真付きの身分証明書(運転免許証等)」、「顔写真無しの身分証明書(例えば、住民票等)」の3つが存在する。この中で、個人番号を登録する際には、写真と個人番号が記載された個人番号カードがあれば、そのカードの表と裏の画像をスキャンして読み取ることにより、そのユーザの個人番号を登録することができる。これに対して個人番号通知カードを使用する場合は、個人番号が記載された書類(個人番号通知カード)に加えて、1つ以上の顔写真付きの身分証明書、或いは2通以上の顔写真無しの書類(個人を特定できる書類)が必要となる。そのため個人番号カードがないときは、最小で2つ、最大で3つの書類のスキャンが必要となる。
例えば、個人番号通知カードと運転免許証(あるいはパスポート)があれば、これら2つの書類をスキャンするだけで済む。しかし個人番号通知カードと住民票の場合は、これらに加えて、更にもう一種類(例えば、年金手帳、保険証等)の書類のスキャンが必要となる。尚、登録に有効な書類の種別は、表2に列挙したものが全てではなく、実際は、法的に定められた書類種別の組合せが全て登録されている。組合せ要求受信部463は、画像形成装置101の有効組合せ取得部407から要求された書類の種別に基づいて、この有効組合せ管理テーブル475を参照する。そして、更に追加で読み取る必要のある書類の種別を取得して、その書類の種別を画像形成装置101の有効組合せ取得部407に返却する。
表3は、実施形態1に係る管理サーバ106の個人番号管理テーブル476に保存されている情報の一例を示す。
個人番号管理テーブル476は、社員ID(C1)、個人番号(C2)、続柄(C3)、利用目的(C4)、画像データ(C5)、ステータス(C6)の6つの要素を含む。社員ID(C1)は、後述する社員管理テーブル445の社員情報と個人番号を紐付けるためのキーとなる。次に個人番号(C2)は、本実施形態1で登録された個人番号である。また続柄(C3)は、対象の社員の扶養家族を含む続柄(本人、配偶者、子供)を示す項目である。利用目的(C4)は、企業システム102が、その社員の個人番号を利用可能な範囲を示す項目で、個人番号を社員から収集するときに予め各社員に対して開示されている内容が記録される。画像データ(C5)は、個人番号の登録作業において読み取られた書類の画像データである。この画像データは複数登録することができる。表3の例では、複数の{書類種別:画像データ}の組を画像データ(C5)の項目に登録しているが、これらのデータを別のテーブルで管理するような構成に変更してもよい。ステータス(C6)は、個人番号の登録状況を表す項目である。具体的には画像形成装置101からの登録リクエストを受け付けた場合は、ステータスが仮登録の状態となり、承認リクエストに対するクライアント103からの承認結果を受け付けて承認が確認されると、そのステータスが本登録となる。
表4は、実施形態1に係る企業システム102が管理している社員管理テーブル445の一例を示す。
社員管理テーブル445は、社員ID(D1)、氏名(D2)、続柄(D3)、所属(D4)の4つの要素を含む。社員ID(D1)は、企業内で一意に割り当てられる社員のIDであり、先に述べたユーザ管理テーブル474(表1)の社員ID(A4)に対応している。氏名(D2)は、社員の氏名を示す項目であり、続柄は対象社員の続柄を示す項目である。所属(D4)は、対象社員が企業内で所属する部署を示す属性である。ここで所属(D4)は、この社員管理テーブル445だけに登録されている。尚、表4は、上記の4つの要素を示しているが、これらに限らず、社員の情報を示す他の情報を含むようにしてもよい。
次に、実施形態1に係る管理サーバ106が管理している社員情報管理テーブル477について表5を参照して説明する。表5は、実施形態1に係る社員情報管理テーブル477の一例を示す。
社員情報管理テーブル477は、企業コード(E1)、社員ID(E2)、社員名(E3)、承認者ID(E4)、社員メールアドレス(E5)、承認者メールアドレス(E6)の6要素を含んでいる。企業コード(E1)には、管理サーバ106を利用する組織を一意に特定するための企業のIDが設定される。この企業コードは、管理サーバ106利用契約時などに発行されても良いし、自動でIDを払い出すような仕組みを別途作成してもよい。社員ID(E2)は、企業コード(E1)の企業内で、社員を一意に識別するためのIDである。また社員名(E3)にはその社員の氏名(E3)、社員メールアドレス(E5)には、その社員の連絡先であるメールアドレスが設定される、この社員メールアドレス(E5)に個人番号の登録通知をメールで発行する。承認者ID(E4)は、その企業内で、社員ID(E2)が示す社員の個人番号の登録を承認する承認者のIDである。この承認者は、企業単位、或いは企業内の所属部署ごとに設けられても良い。承認者メールアドレス(E6)には、承認者のメールアドレスが設定される。ここで設定される承認者メールアドレス(E6)に、承認リクエスト発行部466が承認依頼をメールで通知する。
次に、図5を参照して、本実施形態1に係るシステムにおける登録作業に関するUI例について説明する。
図5(A)は、実施形態1に係る画像形成装置101の操作部304に表示される、管理サーバ106が提供するサービスの利用を開始するためのID及びパスワードの入力画面の一例を示す図である。
ユーザは、この画面を介して、ユーザのIDとパスワードを、それぞれ入力欄511,512に入力してログインボタン513を押下する。ここで入力されたユーザIDとパスワードが、前述の管理サーバ106のユーザ管理テーブル474に登録された内容と一致すれば、そのユーザのログインが可能となる。
こうしてユーザのログインが成功すると、操作部304の表示部には、図5(B)に示すような、管理サーバ106が提供する機能の一覧521が表示される。尚、図5(B)に示した機能が全てではなく、管理サーバ106が提供する機能が増える度に、この画面上に表示される機能が増加する。以下、個人番号登録522が選択されたときのUIの遷移を図6を参照して説明する。
図6(A)は、図5(B)の画面で、ユーザが個人番号登録522を指示したときに操作部304に表示される画面例を示す図である。
この画面により、ユーザに、個人番号を登録するためにスキャンする書類の種別を選択させる。この画面を介してユーザは、これらからスキャンする書類の種別を選択した後、その書類を画像読取部307にセットしてOKボタン612を押下すると、その書類のスキャンが開始される。こうして書類のスキャンが完了すると、図6(B)に示すようなスキャンした書類の画像データを含む確認画面が表示される。図6(A)では、読み取り対象の書類として、個人番号通知カードが選択されている。
図6(B)は、例えば、個人番号が記載された書類を読み取った場合を示しており、ここでは図6(A)の画面での選択に対応して、個人番号通知カードを読み取った場合を示している。個人番号は、その読み取った個人番号通知カードの画像データから、OCRなどの技術を用いて抽出した個人番号の文字列621として表示される。ユーザは、ここで抽出された個人番号の文字列に誤りがあると判定した場合は、この画面を直接編集し、個人番号を、通知された正しい番号に訂正できる。併せて、この画面には、スキャンされた個人番号通知カードのイメージデータ622を表示することも可能である。こうしてユーザは、この画面に表示された内容を確認した後にOKボタン623を押下すると、例えば図7(A)に示すような、次にスキャンする書類種別の選択画面に遷移する。
図7(A)は、実施形態1に係る画像形成装置101の操作部304に表示される、ユーザに次にスキャンすべき書類種別の候補の一覧を提示する画面例を示す図である。この書類種別の一覧は、有効組合せ取得部407が取得した次にスキャンすべき書類種別に基づいて表示される。
この画面では、個人番号通知カードを読み取った後に、次に読み込む必要のある書類の一覧が表示されている。これは前述の表2の有効組合せ管理テーブル475を参照して得られたものである。ユーザはこの画面を介して、次にスキャンする書類の種別を選択し、その書類を画像読取部307にセットしてOKボタン712を押下すると、その書類の読み取りが実行される。図7(A)では、次にスキャンする書類として運転免許証が選択されている。こうして書類の読み取りが終了すると、例えば図7(B)で示すように、読み取った運転免許証の画像が表示される。
図7(B)は、図7(A)の画面で選択された書類(運転免許証)を読み取った場合のUI例の画面を表示している。
このように個人番号が記載されていない書類を読み取った場合は、前述の図6(B)で示すような個人番号621を表示せず、読み取った画像721だけが表示される。ユーザは、この画面でOKボタン722を押下すると、画像形成装置101の制御部301は、有効組合せ管理テーブル475に基づいて、個人番号の登録に必要な全ての書類の読み取りが終了しているかどうかを判定する。そして、必要な全ての書類の読み取りが完了していると判定すると、通信部402を介して、仮登録要求受信部464に、個人番号の仮登録の要求を発行する。
次に、図8を参照して、本実施形態1に係るクライアント103において承認者が承認作業を行うときのUI例について説明する。
図8(A)は、実施形態1に係るクライアント103で表示される承認依頼の一覧の表示例を示す図である。
承認者がクライアント103から管理サーバ106にログインすると、画像形成装置101の場合と同様に、図5(B)に示すような機能一覧の画面が表示部209に表示される。この画面を介してユーザが、機能一覧の中の個人番号承認523のリンクを押下すると、それが管理サーバ106に送られる。これにより管理サーバ106は、クライアント103に対して、例えば図8(A)に示すような、承認作業を行うべきユーザの一覧を送信して表示させる。
図8(A)のUI例では、依頼番号、依頼日時、及び氏名の3項目が表示されているが、他の項目が表示されていても良いし、いずれかの項目が無くても構わない。この画面に表示されたユーザの内、承認者がキーボード208等を操作して承認作業を行うユーザ812を選択すると、例えば図8(B)に示すような、承認作業を行うための画面に遷移する。
図8(B)では、図8(A)の画面で選択されたユーザ(A田一郎)812の情報と、そのユーザの個人番号821、及びスキャンされた書類(個人番号通知カードと運転免許証)の画像822,823が表示される。ここで承認者は、個人番号821と、スキャンされた書類の画像822,823に記載された個人番号が異なっていないかどうかや、スキャンされた書類の画像822,823が登録者本人のものかどうかをチェックする。そして問題ないと判定すると、承認者は承認ボタン824を押下する。こうして承認ボタン824が押下されると、クライアント103の通信部421を介して管理サーバ106に承認結果を通知する。このとき管理サーバ106は、通信部421より送信される承認結果を承認結果受信部468により受信し、その結果に応じて、個人番号管理テーブル476のステータス(C6)を変更する。一方、クライアント103の承認者は、図8(B)の画面で内容に不備があると判定した場合に差し戻しボタン825を押下する。これにより承認要求は不成功となり、その要求は画像形成装置101に差し戻される。
次に図9から図13を参照して、本実施形態1に係る個人番号の登録から利用までの処理の流れについて説明する。
図9は、実施形態1に係る企業システム102から管理サーバ106へ社員情報を登録する際の処理を説明するフローチャートである。尚、ここで、企業システム102と管理サーバ106のそれぞれの処理は、図2に示す企業システム102と管理サーバ106の各CPU201が、外部メモリ210からRAM202に展開したプログラムを実行することにより実現される。
まずS901で、企業システム102のCPU201は、管理サーバ106に対して、社員情報の登録リクエストを発行する。このリクエストには、表5に示すような情報が含まれている。
これによりS902で、管理サーバ106のCPU201は、企業システム102から発行された登録リクエストを受信する。次にS903に進み、管理サーバ106のCPU201は、その受信した登録リクエストに含まれる社員の情報を社員情報管理テーブル477に登録する(表5参照)。そしてS904に進み、管理サーバ106のCPU201は、S903で登録した各社員のメールアドレスに、個人番号を登録するように依頼する個人番号の登録依頼をメールで送信する。
図10は、実施形態1において、ユーザ(社員)が画像形成装置101を操作して、そのユーザの個人番号を管理サーバ106に登録するまでの処理の流れを説明するフローチャートである。
図11は、図10のS1011の登録処理を説明するフローチャートである。尚、ここで、画像形成装置101と管理サーバ106のそれぞれの処理は、画像形成装置101のCPU309と、管理サーバ106のCPU201が、各対応するRAMに展開したプログラムを実行することにより実現される。
図10において、まずS1001でCPU309は、図5(A)の画面を介して入力されたユーザのID及びパスワードを取得し、その入力されたユーザID及びパスワードを用いて、管理サーバ106にログイン要求を発行する。
これによりS1002で、管理サーバ106のCPU201は、受け付けたログイン要求のユーザID及びパスワードに基づいて、そのユーザの認証処理を実施する。ここでユーザの認証に成功した場合はS1003に進み、認証に失敗した場合はエラーメッセージなどを出力して、この処理を終了する。S1003で、管理サーバ106のCPU201は、画像形成装置101に対して、例えば図5(B)に示すような機能一覧画面を表示するように、その画面表示用URLへのリダイレクト命令を発行する。
これによりS1004で画像形成装置101のCPU309は、そのリダイレクト命令に従って管理サーバ106にアクセスする。これによりS1005で、管理サーバ106のCPU201は、そのリダイレクトされたアクセス、即ち、機能一覧画面の取得要求を受信する。そしてS1006に進み、管理サーバ106のCPU201は、その要求された機能一覧画面を表示するためのマークアップランゲージを生成して画像形成装置101に返却する。
こうしてS1007に進み、画像形成装置101のCPU309は、受信したマークアップランゲージに従って、操作部304の表示部に機能一覧画面(図5(B)参照)を表示する。次にS1008に進みCPU309は、その画面を介したユーザの操作に基づいて、選択された機能を検知する。そしてS1009に進みCPU309は、押下された機能が何れの機能であるかを判定し、押下された機能が個人番号登録522であった場合はS1011に進み、そうでないときはS1010に進む。S1010でCPU309は、その指示された機能に従った処理を実行して、この処理を終了する。尚、ここではS1010の処理の詳細な説明を省略する。
S1010でCPU309は、指示された個人番号の登録処理を管理サーバ106と協働で実行して、この処理を終了する。
次に、S1011の登録処理の詳細を図11のフローチャートを参照して説明する。
S1101でCPU309はNIC306を介して、管理サーバ106に対して、登録に有効な組合せとなる書類の種別の一覧の取得要求を発行する。そして、このとき、それまでに画像形成装置101でスキャンした全ての書類種別の情報も送信する。但し、この時点で、まだいずれの書類もスキャンしていない場合は、いずれの書類種別も設定しない。
これによりS1102で管理サーバ106のCPU201は、画像形成装置101から発行された、書類種別の一覧の取得要求を受信する。そしてS1103に進み管理サーバ106のCPU201は、有効組合せ管理テーブル475を参照して、S1101で発行された取得要求に含まれる、スキャン済の書類の種別をキーとして、その書類種別を含む組合せを取得して画像形成装置101に返却する。例えば、このとき書類の種別が空(未だ何もスキャンしていない)の場合は、全ての書類の種別を取得し返却する。一方、例えば「個人番号通知カード」がスキャン済で、かつ、表2の有効組合せが登録されていた場合は、「運転免許証」、「パスポート」、「住民票」、「年金手帳」、「保険証」、「水道局の請求書」、「電気料金の請求書」を含む書類一覧が返却される。また例えば、「個人番号通知カード」及び「住民票」がスキャン済の場合は、「年金手帳」、「保険証」を含む書類一覧が返却される。また例えば、「個人番号通知カード」及び「パスポート」がスキャン済の場合は、これ以上の書類の読み取りは不要であるため、書類種別の一覧を空にして返却する。
これによりS1104に進み画像形成装置101のCPU309は、返却された書類種別一覧に含まれる書類種別の数を確認する。ここで書類種別の数が「0」(空)であれば、必要な書類のスキャンが既に終了していて、追加スキャンの必要がないということになり、この場合はS1115に遷移する。一方、リストが空でない場合は追加スキャンの必要があるためS1105に遷移する。S1105でCPU309は、返却された書類種別の一覧を操作部304の画面上に表示する。ここでは、例えば図6(A)に示すようなUI画面が表示される。図6(A)の画面は、それまでに画像形成装置101でスキャンした書類がない場合を示す。一方、それまでに画像形成装置101でスキャンした書類(例えば個人番号通知カードがスキャン済)があるときは、図7(A)に示すようなUI画面が表示される。
次にS1106に進みCPU309は、操作部304に表示された、例えば図6(A)或いは図7(A)の画面を介して、ユーザが選択した書類種別を取得する。次にS1107に進みCPU309は、画像読取部307により、S1106で選択された書類を読み取る。
次にS1108に進みCPU309は、S1106でユーザが選択した書類が、個人番号が印刷された書類か否かを判定し、個人番号が印刷された書類であればS1109に進むが、そうでないときはS1118に遷移する。S1109でCPU309は、画像処理部303のOCR等の機能を使用して、S1107で読み取った書類の画像データから個人番号を抽出してS1110に進む。尚、ここでOCR等の技術は公知であるため、その説明を割愛する。S1110でCPU309は、S1109で抽出した個人番号の妥当性を、チェックディジットを用いて検証する。ここで検証の結果、個人番号として正しくないと判定するとS1111に遷移し、正しいと判定した場合はS1112に進む。S1111でCPU309は、操作部304の画面にアラートや、図6(B)の様な画面を表示して、ユーザに個人番号の訂正を促し、ユーザからの入力を受け付けるとS1112に進む。S1112でCPU309は、S1109で抽出した個人番号、或いはS1111で修正された個人番号をRAM310に保存する。次にS1113に進みCPU309は、S1107でスキャンして得られた画像データをRAM310に保存する。そしてS1114に進みCPU309は、S1101で送信した、スキャン済の書類種別の情報を更新してS1101に進む。
一方、S1106でユーザが選択した書類が、個人番号が印刷された書類でないときはS1118に進み、CPU309は、個人番号を取得済かどうかを判定する。個人番号を取得済であればS1113に進み、CPU309は、S1107でスキャンして得られた画像データをRAM310に保存してS1114に進む。一方、個人番号を取得済でないときはS1114に進み、スキャン済の書類種別の情報を更新してS1101に進む。これにより、最初に個人番号が記載された書類(個人番号カード、個人番号通知カード)を読み取らないときは、スキャン済の書類種別の情報が更新されるだけで、そのスキャンした画像データが記憶されない。これは不要となるかもしれない書類が読み取られて、その画像データによりRAM310のメモリ容量が無駄に消費されるのを防止するためである。尚、図6(A)の画面で、例えば最初に、個人番号カード(裏)、或いは個人番号通知カードのいずれかを選択しなければならいようにしておけば、S1118でNOと判定されることはなくなる。
こうして必要な書類のスキャンが終了するとS1104からS1115に進みCPU309は、NIC306を介して、管理サーバ106に、仮登録リクエストを発行する。このとき、スキャンした書類の画像データ、及び抽出した個人番号を管理サーバ106に送信する。
これによりS1116に進み、管理サーバ106のCPU201は、画像形成装置101から送信された仮登録リクエストを受信し、そのリクエストに含まれて個人番号及び画像データを個人番号管理テーブル476(表3参照)に保存する。そしてS1117に進み管理サーバ106のCPU201は、社員情報管理テーブル477(表5参照)から承認者の情報(メールアドレス)を取得し、その承認者に対して、その社員(ユーザ)の承認作業を依頼する承認作業依頼をメールで発行する。
以上説明した処理を行うことにより、ユーザは個人番号の登録に際して、次にスキャンすべき書類の種別を把握でき、簡単に個人番号の仮登録を行うことが可能となる。
次に図12を参照して、承認者による承認作業に関する処理を説明する。
図12は、実施形態1に係るクライアント103と管理サーバ106との間で実行される承認者による承認作業を説明するフローチャートである。尚、図12に示すフローチャートの前に、クライアント103から管理サーバ106へのログイン処理や機能一覧画面の表示及び承認機能の選択などの処理が含まれるが、これら処理は図10の画像形成装置101の場合と同じであるためその説明を割愛する。但し、この場合のログイン処理では、承認者は、その承認者のIDでログインする必要がある。図12では、そのログインに応答して管理サーバ106から送られる画面情報に基づいてクライアント103で機能一覧の画面が表示され、その中の承認機能が選択された以降の処理の流れで説明する。尚、ここで、クライアント103と管理サーバ106のそれぞれの処理は、クライアント103のCPU201と、管理サーバ106のCPU201が、各対応するRAMに展開したプログラムを実行することにより実現される。
まずS1201でクライアント103のCPU201は、管理サーバ106に対して、承認を要求するユーザの一覧の取得要求を発行する。このときクライアント103のCPU201は、管理サーバ106に対して、承認者のIDも併せて送信する。
これによりS1202で管理サーバ106のCPU201は、S1201で送信された承認者IDに対応する社員のIDを、社員情報管理テーブル477(表5)及びユーザ管理テーブル474から特定する。その後、個人番号管理テーブル476(表3参照)の中で、その社員IDに対応するステータス(C6)が仮登録となっているデータを取得する。そして、それらデータ(承認依頼を発行したユーザで、かつその承認者の承認が必要なユーザの一覧)を表示用のマークアップランゲージに整形してクライントに返却する。
これによりS1203に進みクライアント103のCPU201は、受信したマークアップランゲージに従って、承認依頼を発行したユーザの一覧(例えば図8(A)参照)を表示部209に表示する。そしてS1204に進みクライアント103のCPU201は、その表示された承認依頼を発行したユーザの一覧の中から、承認者が選択したユーザを検知する、そのユーザの詳細情報の取得要求を管理サーバ106に対して発行する。
これによりS1205に進み管理サーバ106のCPU201は、個人番号管理テーブル476から、そのユーザのデータを取得し、それらのデータを表示用のマークアップランゲージに整形してクライアント103に返却する。
これによりS1206に進みクライアント103のCPU201は、受信したマークアップランゲージに従って、例えば図8(B)に示すような承認依頼画面を表示する。次にS1207に進みクライアント103のCPU201は、承認者が、この画面上でボタンを押下したのを検知すると、その押下されたボタンが承認ボタン824或いは差し戻しボタン825かを判定する。承認ボタン824の押下を検知した場合はS1210に遷移し、差し戻しボタン825の押下を検知した場合はS1208に遷移する。S1208で、クライアント103のCPU201は、管理サーバ106に対して、個人番号を再登録するように依頼するメールの発行要求を送信する。これによりS1209に進み管理サーバ106のCPU201は、個人番号の登録を依頼するメールを、そのユーザに発行して、この処理を終了する。
一方、承認ボタン824が押下されるとS1210でクライアント103のCPU201は、管理サーバ106に対して、そのユーザを承認したことを送信する。これによりS1211に進み管理サーバ106のCPU201は、個人番号管理テーブル476に登録されている、そのユーザのデータのステータスを、仮登録から本登録に変更して、この処理を終了する。
以上説明した図12のフローチャートに従った処理を実施することで、クライアント103の承認者は、管理サーバ106からの承認要求に応じて、個人番号登録の承認作業を行うことができる。
次に図13を参照して、登録された個人番号の利用に関する処理を説明する。
図13は、実施形態1において、企業システム102が管理サーバ106が管理している個人番号を取得する処理の流れを説明するフローチャートである。尚、ここで、企業システム102と管理サーバ106のそれぞれの処理は、企業システム102のCPU201と、管理サーバ106のCPU201が、各対応するRAMに展開したプログラムを実行することにより実現される。
まずS1301で企業システム102のCPU201は、管理サーバ106に対して、個人番号の取得要求を発行する。このとき、この取得要求には、取得対象の社員IDが含まれている。
これによりS1302で管理サーバ106のCPU201は、企業システム102から送信された個人番号の取得要求を受信する。そして1303に進み管理サーバ106のCPU201は、取得対象の社員IDに対応する個人番号管理テーブル476のデータを参照する。そしてS1304に進み管理サーバ106のCPU201は、個人番号管理テーブル476に登録されている、その社員の個人番号のステータス(C6)を確認する。ここで、そのステータスが本登録であればS1305に進んで、その取得した社員の個人番号を企業システム102に送信するが、本登録でなければS1308に進み、エラーメッセージなどを企業システム102に返却して、処理を終了する。
S1306で企業システム102のCPU201は、管理サーバ106から送信された個人番号を受信する。そしてS1307に進み企業システム102のCPU201は、その受信した個人番号を用いて、帳票(例えば源泉徴収票等)を作成して、この処理を終了する。作成された帳票は、その後、企業システム102に保存され、CPU201によって、ネットワークを介して送信される。または、作成された帳票は、CPU201によってプリンタに送信されて、印刷される。
一方、エラーメッセージなどが返却されたときはS1309に進み企業システム102のCPU201は、エラーが発生したことをオペレータに通知して、この処理を終了する。
以上説明したように実施形態1によれば、ユーザは、画像形成装置101を使用して個人番号の登録に必要な書類を読み取らせて、そのユーザの個人番号を登録することができる。また、そのユーザが所属している企業システムは、その登録された個人番号を用いて、帳票などの生成が可能となる。
[実施形態2]
本発明に係る実施形態2について説明する。尚、実施形態2に係るシステム構成、及び画像形成装置101、企業システム102、クライアント103及び管理サーバ106等の構成は、いずれも基本的に前述の実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
実施形態2では、例えば、あるオペレータが画像形成装置101を使用して、複数の社員(ユーザ)の個人番号をまとめて登録する場合を考える。この場合、登録のための操作を行うオペレータは、複数の社員の個人番号の登録に必要な書類(例えば、個人番号カード、個人番号通知カード、運転免許証等)を保持しているため、誤って別の社員の書類を読み取ってしまう可能性がある。例えば、社員Aの個人番号通知カードと、社員Bの運転免許証との組合せで登録作業を行ってしまうことが考えられる。
そこで実施形態2では、書類をスキャンした時に、その書類が、先にスキャンした書類が特定する社員と同一の社員を特定する書類であるかどうかを判定する。そして同一の社員を特定する書類でない場合は、オペレータにその旨を提示して、正しい書類をスキャンするように促す。
実施形態2を実現するにあたって、前述の図4に示すように、画像形成装置101に、個人情報抽出部408及び不整合チェック部409の2つの処理部を追加する。個人情報抽出部408は、書類スキャン部404によって得られた画像データから、氏名や生年月日、住所等の個人を特定するための個人情報を抽出する。具体的な抽出方法に関しては、OCRなどの公知の技術を用いることができる。不整合チェック部409は、個人情報抽出部408が抽出した個人情報が、スキャンされた複数の書類間で一致するかどうかをチェックする。複数の書類間で抽出された個人情報が一致しない場合は、誤った社員の身分証明書等を読み取った可能性が高いため、オペレータにその旨を提示する。
図14は、実施形態2に係る画像形成装置101の操作部304に表示される書類不整合確認画面の一例を説明する図である。
不整合チェック部409が不整合を発見した時に、画面表示部401に表示されるUI例について説明する。この画面には、不整合が発見された書類の種別が表示されている。図14の例では、個人番号通知カードから抽出された氏名が「A田一郎」になっているのに対して、運転免許証から抽出された氏名が「B田二郎」となっている例を示している。また、この画面には、イメージ1412,1413で示すように、スキャンした書類の画像を表示しても良い。オペレータは、この画面を確認し、他の社員の書類を誤って読み取っていたと判断した場合は、再スキャンする書類をボタン1411で選択する。そしてオペレータは、その選択した書類を画像形成装置101にセットし、再スキャンボタン1414を押下する。
一方、例えばOCRの結果が誤っているだけで、スキャンした書類が正しいと判断した場合は、必要な修正などを行った後、承認依頼ボタン1415ボタンを押下する。これにより、承認依頼を発行することが可能となる。
図15は、実施形態2に係る図10のS1011の登録処理を説明するフローチャートである。尚、ここで、画像形成装置101と管理サーバ106のそれぞれの処理は、画像形成装置101のCPU309と、管理サーバ106のCPU201が、各対応するRAMに展開したプログラムを実行することにより実現される。尚、この処理は、基本的には図11で述べたフローチャートと同じであるため、同じ処理は図11と同じ参照番号を用いてその説明を割愛し、実施形態2に特有の処理についてのみ説明する。
S1501で、画像形成装置101のCPU309は、OCR等の技術を用いて、スキャンした書類から、氏名や生年月日、住所などの個人情報を抽出する。
そしてS1104で、登録有効な書類種別の全てを読み取るとS1502に進み、画像形成装置101のCPU309は、S1501で抽出した個人情報が、スキャンした全ての書類で一致しているか否かを判定する。ここでは、例えば氏名と名前の間のスペースの有無や、数字や漢数字の違いなどを吸収し、その程度の違いであれば、一致すると判定するようにしても良い。また、ある書類からは氏名のみ抽出でき、別の書類からは氏名と生年月日の2つが抽出できた場合には、抽出できた項目でのみ比較する。ここで、読み取った全ての書類の個人情報が一致する場合はS1504に遷移し、一致しない場合はS1503に遷移する。S1503で画像形成装置101のCPU309は、操作部304に、例えば図14に示したような書類の不整合を確認するための画面を表示する。
S1504で画像形成装置101のCPU309は、図14の画面で、承認依頼ボタン1415或いは再スキャンボタン1414のいずれかが押下されたかどうかを判定する。ここで承認依頼ボタン1415が押下されたことを検知するとS1115に遷移し、個人番号とスキャンにより得られた画像データを管理サーバ106に送信する。一方、再スキャンボタン1414が押下されたと判定したときはS1107に進み、図14の画面で選択された書類を再度読み取る。
以上説明したように実施形態2によれば、オペレータが、複数の社員(ユーザ)の個人番号をまとめて登録するとき、誤って別のユーザの書類をスキャンした場合に、オペレータに警告を出すことが可能となる。なお、本実施形態では、全ての書類を読み取ってから、スキャンした書類で個人情報が一致しているか否かを判定する例を説明したが、本発明は、これに限られない。例えば、各書類がスキャンされるS1501の処理の後に、それまでにスキャンされた書類で一致しているか否かを判定して、一致していないと判定した場合にユーザに警告してもよい。なお、一致していると判定した場合、S1108に処理を進めればよい。
[実施形態3]
上述した実施形態1,2では、読み取る書類の種別を選択してからその書類の読み取り(スキャン)を実行していたため、一つの書類ずつスキャンすることが前提となっている。これに対して、上述したように個人番号の登録では、複数の書類をスキャンする必要があり、ユーザは書類の読み取りに際して、種類を読み取る度に画像形成装置101の画像読取部307である原稿台上の書類を置き換える手間が発生する。これはユーザビリティの観点から好ましくない。
そこで実施形態3では、複数の書類をまとめて読み取ることを可能とする。つまり実施形態3では、1つの書類ずつをスキャンすることも、複数の書類を原稿台に並べて同時にスキャンすることも可能とする。複数種類の書類を纏めて読み取る場合は、1度のスキャンで個人番号の登録に必要な書類をまとめて読み取ることができ、スキャン作業におけるユーザの手間が省け、ユーザビリティが向上する。
また、個人番号の登録に必要な書類とその組み合わせは多岐にわたるため、ユーザがスキャンした書類が間違った組み合わせであったり、登録に必要な書類が揃っていない状態が発生すると考えられる。そこで実施形態3では、画像形成装置101でスキャンした書類を自動認識し、登録に必要な書類が揃っていない場合、ユーザに対して、どの書類が不足しているかを提示する。尚、ここでどの書類が不足しているかは、スキャンした書類の識別結果から判断する。このように、登録に必要な書類が揃っていない場合に、どの書類が不足しているかを提示することにより、ユーザは登録に必要な書類が揃っているかどうか、及びどの書類が不足しているのかを認識できる。以下、実施形態3を詳しく説明する。尚、実施形態3に係るシステム構成、及び画像形成装置101、企業システム102、クライアント103及び管理サーバ106等のハードウェア構成は、いずれも基本的に前述の実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
図16は、実施形態3に係る管理サーバ106と画像形成装置101の機能を説明する機能ブロック図である。尚、ここで前述の実施形態1の図4と共通する部分は同じ参照番号で示し、それらの説明を省略する。また、実施形態3に係るクライアント103と企業システム102と、それらに関する管理サーバ106の機能は、前述の図4と同様であるため図示していない。
まず、管理サーバ106が有する機能について説明する。
書類管理テーブル1601の一例を表6に示す。この書類管理テーブル1601は、個人番号を登録する際に、個人番号を確認できる個人番号を確認用の書類と身元確認用の書類として認められる書類を登録している。ここでは、書類を識別するための分類(F2)と番号(F3)、書類名(F4)、書類に出現するキーワード(F5)、テンプレート(F5)、抽出情報(F7)などが含まれている。テンプレート(F6)は、スキャンにより取り込んだ書類の画像データから情報を抽出する際に使用されるテンプレートに関する情報である。また抽出情報(F7)は、スキャンにより取り込んだ書類の画像データから抽出する情報である。この書類管理テーブル1601の項目は、必要に応じて追加または削除してもよい。また、テンプレート(F6)は、書類テンプレート1602と関連付けられている。テンプレートは、予め登録されているものだけでなく、書類管理情報受信部1603を介して、データの追加や削除が可能である。尚、表6において、分類(F2)は、個人番号を確認用書類と身元確認用の書類のそれぞれを分類したもので、その説明は後述する。
次に画像形成装置101の構成を説明する。
画像形成装置101の書類管理テーブル取得部1605は、管理サーバ106の書類管理情報受信部1603に書類管理テーブル1601の取得要求を送信する。書類管理情報受信部1603は、この取得要求に応答して、書類管理テーブル1601と書類テンプレート1602を画像形成装置101の書類管理テーブル取得部1605に送信する。こうして画像形成装置101は、その受信した書類管理テーブル1601を用いて、スキャンした画像データの識別や情報の抽出を行う。
次に書類画像管理テーブル1604の一例を表7に示す。書類画像管理テーブル1604は、個人番号を登録するために、画像形成装置101が画像読取部307で書類を読み取った際にCPU309によって作成される。表7の書類画像(G4)には、スキャンした書類の画像データの格納先とファイル名が記述され、その画像データに対してOCR(文字認識処理)実行した結果の格納先とファイル名がOCR結果(G5)に格納されている。また、各画像データが、どの書類であるかをOCR処理を用いて識別した結果は分類(G2)と番号(G3)の2つの項目によって保存される。ここで書類の分類(G2)と番号(G3)は、前述の表6の書類管理テーブル1601の分類(F2)と番号(F3)と対応しているため、スキャンして取り込んだ画像と書類の情報を結びつけることができる。従って、表6と表7の例では、表7のインデックス0の画像データは、個人番号通知カードを読み取った画像データであり、インデックス2の画像データは、運転免許証を読み取った画像データであることが分かる。詳しい処理内容は、フローチャートを参照して後述する。
実施形態3に係る画像形成装置101は、画像処理部1606、書類組合せ判定部1607、情報抽出部1608を有する。これらは管理サーバ106の書類管理テーブル1601と、画像形成装置101の書類画像管理テーブル1604の情報を参照して各々処理を行う。画像処理部1606は、スキャンにより得られた画像データを書類ごとに切り分け、各画像データに含まれる書類を識別する処理を担う。書類組合せ判定部1607は、スキャンされた書類の組み合わせが、個人番号の登録に必要な法的に定められた書類の組み合わせであるか否かを判定する。情報抽出部1608は、図4の個人番号抽出部405と個人情報抽出部408の処理をまとめて担う。実施形態3では、画像データから情報を抽出する処理において、個人番号とその他の個人情報とを区別しない。
続いて、実施形態3に係る処理の流れを説明する。実施形態1と実施形態2では、図10のS1011の登録処理は図11のフローチャートで説明したが、実施形態3に係る図10のS1011の登録処理は、図17のフローチャートのようになる。
図17は、実施形態3に係る図10のS1011の登録処理を説明するフローチャートである。尚、ここで、画像形成装置101と管理サーバ106のそれぞれの処理は、画像形成装置101のCPU309と、管理サーバ106のCPU201が、各対応するRAMに展開したプログラムを実行することにより実現される。尚、図17において、前述の図11と図15のフローチャートの工程(ステップ)と共通する工程は同じ参照番号で示し、それらの説明を省略する。
まずS1701では画像形成装置101のCPU309は、NIC306を介して、管理サーバ106に対して書類管理テーブル1601の取得を要求する。これによりS1702で管理サーバ106のCPU201は、画像形成装置101に書類管理テーブル1601を送信する。次にS1703に進み画像形成装置101のCPU309は、管理サーバ106から送信された書類管理テーブル1601を受信する。
次にS1704に進み画像形成装置101のCPU309は、例えば操作部304を介してユーザからスキャンの実行命令を受付けたかどうかを判定し、スキャンの実行命令を受付けるとS1705に進む。S1705でCPU309は、画像読取部307にセットされた書類の読み取りを実行する。尚、ここでは前述したように、ユーザは、画像読取部307の原稿台の上に複数の書類(例えば、個人番号通知カード、運転免許証等)を載置して、それら複数の書類を同時に読み取るものとする。
そしてS1706に進みCPU309は、その読み取って得られた画像データを画像処理部1606により処理させて、各書類に対応する画像データに分割する。ここでの画像データの分割は、射影ヒストグラム法などの公知の画像処理技術を用いることで実現することができる。こうして分割された画像データは、それぞれ独立した画像データ(以下、書類画像と呼ぶ)として扱い、表7に示すように、書類画像管理テーブル1604の書類画像(G4)欄に保存する。
次にS1707に進みCPU309は、書類画像のそれぞれに含まれる書類の種類、即ち、各書類画像がいずれの書類の画像であるかを識別する。この書類の識別処理(S1707)の詳細は、図18のフローチャートを参照して後述する。
次にS1708に進みCPU309は、S1707で識別した書類の組み合わせを確認する。個人番号の登録処理に必要な書類の組み合わせの条件を満たしているか、即ち、読み取った書類が、個人番号の登録を実行できる書類であるかを判定する。この判定方法の詳細は、図19のフローチャートを参照して後述する。
そしてS1708でCPU309は、登録に必要な書類が揃っていると判定するとS1710に進み、そうでないときはS1711に進む。S1710でCPU309は、書類画像のそれぞれから個人番号、氏名、生年月日、住所等の情報を抽出する。この処理の詳細は図20のフローチャートを参照して後述する。次にS1502に進みCPU309は、各書類画像から抽出した氏名、生年月日、住所等の個人情報を比較し、これら書類画像間で個人情報が一致しているかどうかを判定する。これはユーザが誤って、別のユーザの書類が混入させた状態で複数の書類を読み取っているかどうかを判定するものである。S1502でCPU309は、各書類画像間で個人情報が一致していると判定するとS1110に進み、一致しないと判定したS1503に進む。S1110では、前述の実施形態1と同様に、個人番号の数字の妥当性をチェックディジットを用いて検証し、正しくないと判定した場合はS1111に進んでユーザに修正を求める。一方、正しいと判定した場合はS1112に進み、前述の図11と同様に管理サーバ106に送信する。
S1711でCPU309は、操作部304を介してユーザに書類のスキャンを再び行うか否かを問う。ここでユーザが操作部304を介して、再度、スキャンを行う指示を入力した場合はS1704の処理に遷移する。また、ユーザが操作部304を介して、スキャンをキャンセルする指示を入力した場合は、画像形成装置101における個人番号の登録処理を終了する。
図18は、実施形態3に係る図17のフローチャートS1707の書類画像の識別処理を説明するフローチャートである。
先ずS1801でCPU309は、書類画像管理テーブル1604を参照して、識別処理を行っていない書類画像を取得する。次にS1802に進みCPU309は、その取得した書類画像に対してOCR処理を実行し、その書類画像に含まれる文字を全て抽出する。次にS1803に進みCPU309は、S1802で抽出した文字と、表6に示す書類管理テーブル1601に格納されている各書類のキーワード(F5)とを比較する。ここで各書類のキーワードとは、その書類に記載されている特徴的な文字列で、そのキーワードの有無により書類を一意に特定できるものである。そしてS1804に進みCPU309は、S1803で比較結果から、S1802で抽出した文字列が、ある書類のキーワードを全て含んでいるかどうかを判定する。例えば、書類画像が、書類管理テーブル1601(表6)に登録された個人番号通知カードのキーワード(通知カード、個人番号)の全てを含んでいる場合はS1805に進み、その書類画像は、個人番号通知カードの画像であると判定する。こうしてS1805でCPU309は、書類画像が示す書類の種別が特定できると、書類画像に対応する書類の種別を特定して、書類画像管理テーブル1604に登録する。次にS1806に進みCPU309は、書類画像管理テーブル1604に登録されている書類画像の中に、まだ識別されていない書類画像があるか否かを判定する。識別されていない書類画像があればS1801に進んで前述と同様の処理を実行し、全ての書類画像が処理済みとなると、この処理を終了する。またS1804でCPU309が、S1802で抽出した文字列が、ある書類のキーワードを全て含んでいないと判定するとS1806に進む。
このようにして、まとめて読み取った複数の書類画像のそれぞれが、どの書類に対応しているかを識別することにより、各書類画像から、個人番号の登録に必要な情報を取り出すことができる。また、まとめて読み取った複数の書類画像が、個人番号の特に必要な書類を全て含んでいるかどうかの判定にも使用できる。
図19は、実施形態3に係る図17のフローチャートS1708の書類画像の組合せの確認処理を説明するフローチャートである。
前述したように、個人番号の登録には個人番号が記載された個人番号確認用の書類が1つと、個人番号の登録手続きを行おうとしているユーザが、その個人番号の正しい持ち主であることを証明するための身元確認書類が必要である。個人番号確認用書類には、個人番号カード、個人番号通知カード、その他の個人番号が記載された公的書類(例えば個人番号付き住民票)等がある。個人番号を有する者は、必ず個人番号カードか、個人番号通知カードのいずれかを所持しており、両方を同時に所有することはない。また身元確認書類は2種類に大別することができ、一つは運転免許証のように顔写真を含む写真付の身元確認書類であり、他方は、被保険者証のように顔写真を含まない、写真なしの身元確認書類である。個人番号を登録する際は、写真付の身元確認書類であれば1種類だけ、写真なしの身元確認書類であれば、その他の書類を含めて計2種類の書類を提出する必要がある。
例えば表6の書類管理テーブル1601では、個人番号確認用書類、写真付身元確認書類、写真なし身元確認書類の区別を分類(F2)項目で表している。個人番号確認用書類である個人番号カード(裏)は分類「10」、個人番号通知カードは分類「11」、その他の個人番号確認用書類は分類「12」に分類されている。また身元確認書類に関しては、個人番号カード(表)は分類「20」、その他の写真付きの身元確認書類は分類「21」、写真なしの身元確認書類は分類「22」に分類されている。また、同じ分類に属する書類には、更に互いに異なる番号(F3)が割り当てられており、書類の種類は分類(F2)と番号(F3)によって管理できるようになっている。
図19の処理フローでは、CPU309は表6に示す書類画像管理テーブル1604の分類(F2)と番号(F3)を参照しながら処理を進める。
まずS1901でCPU309は、書類画像管理テーブル1604から個人番号確認用書類を検索し、S1707で識別した書類の中に、個人番号確認用書類があるかどうか判定する。あればS1902に進みCPU309は、S1707で識別した書類の中に、写真付きの身元確認書類があるか否かを判定する。ここで写真付きの身元確認書類があると判定するとS1903に進み、個人番号の登録に必要な書類が全て含まれていると判定して、登録に必要な書類が全て揃ったことを示すRAM310のフラグをオンにして、この処理を終了する。尚、このフラグは、後の図17のS1709で、必要な全ての書類が揃っているかどうかを判定する際に参照される。
またS1902でCPU309は、写真付きの身元確認書類がないと判定するとS1904に進み、2種類以上の写真なしの身元確認書類が存在しているかどうかを判定する。そして、それらが存在していると判定するとS1903に進んで、RAM310のフラグをオンにしてこの処理を終了する。
またS1904でCPU309は、2種類以上の写真なしの身元確認書類が存在していないと判定するとS1905に進み、CPU309は、個人番号確認用書類が個人番号カードであるか否かを判定する。そして、そうであればS1906に進みCPU309は、図21(A)に示すようなUI画面を操作部304に表示する。例えば、ユーザが、最初に個人番号カードの個人番号の記載面(裏面)のみをスキャンした場合、そのユーザの写真や氏名、住所等を記載している身元確認書類もスキャンするようユーザに伝える必要がある。このとき、身元確認書類は複数種類あるが、ユーザが個人番号カードを所持していることが分かっているため、この場合は、ユーザには足りない書類として個人番号カードの写真掲載面(表)をスキャンするように指示する。その結果、ユーザは必要な書類がひと目でわかり、また他の身元確認書類を新たに準備する必要もなく、少ない手間で個人番号の登録作業を進めることができる。
尚、ここでは個人番号カードの表面には、その個人の写真、氏名、生年月日、住所等が記載され、その裏側には、その個人の個人番号と氏名、生年月日が記載されているものとする。従って、図21(A)では、最初に個人番号カードの裏面が読み取られたと想定して、次はその個人番号カードの顔写真が記載されている表面を読み取るように指示している。
またS1905でCPU309は、個人番号確認用書類が個人番号カードでないと判定するとS1907に進み、CPU309は、その個人番号確認用書類が個人番号通知カードかどうかを判定する。ここで個人番号通知カードであると判定した場合はS1908に進みCPU309は、写真なし身元確認書類が1つあるかどうかを判定し、あればS1909に進んで、例えば図21(B)に示すようなUI画面を操作部304に表示して、この処理を終了する。図21(B)では、個人番号の登録に際しては、写真なし身元確認書類の場合は2種類の書類を読み取るように要求されているため、写真なし身元確認書類、或いは写真付の身元確認書類を、更に一つ読み取るように指示している。一方、S1908でCPU309は、写真なしの身元確認書類が1つもないと判定したときはS1910に進み、例えば図21(C)に示すようなUI画面を操作部304に表示して、この処理を終了する。図21(C)では、個人番号の登録に際しては、写真なし身元確認書類の場合は2種類の書類を、写真付の身元確認書類の場合は1つの書類を読み取るように要求されている。このため、写真付の身元確認書類の場合は1つ、写真なし身元確認書類の場合は2つの書類を読み取るように指示している。
またS1907でCPU309は、個人番号確認用書類が個人番号通知カードでないと判定した場合はS1911に進み、CPU309は、写真なし身元確認書類が1つ含まれているかどうか判定する。写真なし身元確認書類が1つ含まれているときはS1912に進み、例えば、図22(A)に示すようなUI画面を操作部304に表示して、この処理を終了する。図22(A)では、個人番号カード或いは個人番号通知カード以外の、個人番号を確認できる書類(例えば、個人番号付き住民票)が既に読み取られている。このため、もう一つの写真なし身元確認書類、或いは写真付の身元確認書類の読み取りが必要であることをユーザに提示している。
またS1911でCPU309が、写真なしの身元確認書類が存在していないと判定するとS1913に進み、CPU309は例えば図22(B)に示すようなUI画面を操作部304に表示して、この処理を終了する。図22(B)では、個人番号カード或いは個人番号通知カード以外の、個人番号を確認できる書類が既に読み取られているが、ユーザの身元を確認にできる書類が存在していない。このため、もう一つの写真付の身元確認書類、或いは写真なしの身元確認書類であれば2種類の書類の読み取りが必要であることをユーザに提示している。
次に、個人番号を確認できる書類が含まれていない場合の処理を説明する。
S1901でCPU309は、書類画像管理テーブル1604から個人番号確認用書類を検索し、S1707で識別した書類の中に個人番号を確認できる書類がないと判定するとS1914に進む。S1914でCPU309は、写真付きの身元確認書類があるかどうかを判定し、あればS1915に進んで、その書類が個人番号カード(表)かどうかを判定する。そうであればS1916に進みCPU309は、例えば図22(C)に示すように、個人番号カードの個人番号が記載されている面(裏面)を読み取るように指示する。
一方、S1915でCPU309が、個人番号カードでないと判定するとS1917に進みCPU309は、例えば図23(A)に示すようなUI画面を表示して、この処理を終了する。図23(A)では、身元確認ができているが、個人番号が取得できていないので、個人番号が記載された書類を提示して、それらの書類のいずれかを読み取るように指示している。
またS1914でCPU309は、写真付きの身元確認書類がないと判定した場合はS1918に進みCPU309は、写真なしの身元確認書類があるかどうかを判定する。ここで写真なしの身元確認書類があると判定した場合はS1919に進みCPU309は、それらが2種類以上あるかどうか判定する。ここで写真なしの身元確認書類が2種類以上あると判定するとS1917に進み、前述したように、例えば図23(A)のUI画面を操作部304に表示し、個人番号が記載された書類のいずれかを読み取るように指示して、この処理を終了する。一方、S1919でCPU309が写真なしの身元確認書類が1種類しかないと判定した場合はS1920に進み、例えば図23(B)に示すようなUI画面を表示して、この処理を終了する。図23(B)では、個人番号確認するための個人番号確認用書類と、身元を確認するための書類を提示して、それらの書類を読み取るように指示している。
更に、S1918でCPU309は、写真なしの身元確認書類がないと判定した場合はS1921に進み、例えば図23(C)に示すようなUI画面を表示して、この処理を終了する。図23(C)では、個人番号確認するための個人番号確認用書類と、身元を確認するための書類(写真なしの身元確認書類であれば2種類)を提示して、それらの書類を読み取るように指示している。
このような処理により、まとめて読み取った書類に個人番号の登録に必要な書類が全て含まれているかどうか、また、必要な書類が全て含まれていないときは、更にどのような種類の書類を読み取る必要があるかをユーザに知らせることができる。
図20は、実施形態3に係る図17のS1710において、書類画像から個人番号、氏名、生年月日、住所等の情報を抽出する処理を説明するフローチャートである。
まずS2001で画像形成装置101のCPU309は、書類画像管理テーブル1604を参照して、まだ情報の抽出処理を行っていない書類画像を取得する。次にS2002に進みCPU309は、書類画像管理テーブル1604を参照し、対象の書類画像がどの書類に対応しているかを示す、その書類画像の分類と番号を取得する。これは書類は種類によって記載されている情報が異なるため、その書類画像から抽出する情報や抽出方法も書類によって異なるためである。抽出する情報と抽出方法は書類管理テーブル1601に登録されている。実施形態3では。抽出方法として、書類のテンプレートを使用する方法と、使用しない方法の2つの方法を用いるが、書類画像から情報を抽出できるのであればどのような方法を使用しても良い。
次にS2003に進みCPU309は、S2001で取得した書類がテンプレートを有している書類の種類であるか否かを判定し、テンプレートがある場合はSS2004の処理に進む。例えば個人通知カードのテンプレートには、個人番号、氏名、生年月日、住所のそれぞれが個人番号通知カードのどの領域に記載されているかを示す情報が登録されている。従ってS2004でCPU309は、テンプレートを参照して、各領域ごとにOCR処理を実行して、各領域に記載されている情報を抽出してS2006に進む。一方、S2003でCPU309はテンプレートがないと判定した場合はS2005に進む。S2005でCPU309は、抽出したキーワードと、各情報の場所を示す座標情報等をもとに、書類管理テーブル1601(表F)の抽出情報(F7)の項目で指定された情報を書類画像から抽出してS2006に進む。ここでの情報の詳しい抽出方法は、本発明のポイントではないので省略する。S2006でCPU309は、書類画像管理テーブル1604に登録されている全ての書類画像から情報の抽出が行われたか否かを判定し、全ての書類画像からの情報の抽出が完了していなければS2001に戻る。こうして全ての書類画像からの情報の抽出が完了するまで上記処理フローを繰り返す。
以上説明した処理により、書類画像に含まれる個人番号や氏名、住所、生年月日などの情報を抽出することができる。
次に図19のフローチャートの説明で参照した、ユーザに対して、更に読み取りが必要な書類を知らせる画面の表示例を図21〜図23を参照して説明する。
図21(A)は、図17のS1906で表示される画面例を示す図で、ここでは足りない書類が個人番号カードの顔写真が載っている面(表)であることをユーザに提示するUI画面例を示している。
図21(B)は、図17のS1909で表示される画面例を示す図で、足りない書類が写真なし身元確認書類1種類、または写真付き身元確認書類1種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示するが、写真付証明書の一覧には個人番号カードは含まない。一覧に表示する書類は、CPU309が書類管理テーブル1601(表6)から抽出する。書類管理テーブル1601(表6)で該当する分類(F2)と番号(F3)から、書類画像管理テーブル1604(表7)に存在する分類(G2)と番号(G3)を除いたものが表示対象となる。以下に挙げるUI画面についても、同様の方法で一覧に表示する書類を決定する。
図21(C)は、図17のS1910で表示される画面例を示す図で、足りない書類が写真付き身元確認書類の1種類、または写真なし身元確認書類であれば2種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示するが、写真付身元確認書類の一覧には個人番号カードは含まない。
図22(A)は、図17のS1912で表示される画面例を示す図で、足りない書類が写真なし身元確認書類の1種類、または写真付き身元確認書類の1種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示する。
図22(B)は、図17のS1913で表示される画面例を示す図で、足りない書類が写真なし身元確認書類の1種類、または写真付き身元確認書類であれば2種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示する。
図22(C)は、図17のS1916で表示される画面例を示す図で、足りない書類が個人番号カードの個人番号記載面(裏面)であることをユーザに提示するUI画面例を示す。
図23(A)は、図17のS1917で表示される画面例を示す図で、足りない書類が個人番号確認用書類が1種類、であることをユーザに提示するUI画面である。このUI画面では、個人番号確認用書類の一覧を提示する。
図23(B)は、図17のS1920で表示される画面例を示す図で、足りない書類が個人番号確認用書類が1種類と、写真なし身元確認書類の1種類、又は写真付き身元確認書類の1種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、個人番号が取得できていないので、個人番号確認用書類の一覧と、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示する。
図23(C)は、図17のS1922で表示される画面例を示す図で、足りない書類が個人番号確認用書類が1種類と、写真付の身元確認書類であれば1種類、又は写真なしの身元確認書類であれば2種類であることをユーザに提示するUI画面例を示す。このUI画面では、個人番号確認用書類の一覧と、写真付きと写真なしの身元確認書類の一覧を提示する。
尚、上記実施形態では、ユーザが企業に属しているものとして説明したが、本発明はこれに限らず、個人単体でも良く、或いは団体や特定の法人等に属していても良い。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。