JP2016139116A - 頭部装着型表示装置、表示方法 - Google Patents

頭部装着型表示装置、表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能な頭部装着型表示装置を提供すること。
【解決手段】本頭部装着型表示装置は、映像を表示する映像表示部と、前記映像を装着者の眼に導く光学手段と、外光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記外光の透過率を可変し、前記眼に達する前記外光の強度を調整する調光フィルタと、前記光強度検出手段で得た前記外光の光強度に基づいて、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を調節する制御部と、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、頭部装着型表示装置、及び頭部装着型表示装置に映像を表示する表示方法に関する。
従来、使用者の頭部に装着され、表示した映像の光と外界からの光を眼に導いて、映像と外界の像を提供する頭部装着型表示装置(所謂、ヘッドマウントディスプレイ)が知られている。
このような頭部装着型表示装置の一例として、周囲の景色と一対の小型ディスプレイに映し出される映像とを、一対の反射ミラーと一対の接眼レンズと偏光ビームスプリッタからなる光学系を介して光学的に重ねて見えるように構成した装置が挙げられる。この装置では、偏光ビームスプリッタの前方に、透過率を可変できる減光シャッタが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の装置では、減光シャッタにより映像のコントラストを確保して視認性は改善できるものの、減光シャッタにより必要以上の映像コントラストとなる場合や、必要以上の映像輝度となる場合がある。これにより、前者は装置を介して見る背景が見え難くなり、後者は消費電力が大きくなるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能な頭部装着型表示装置を提供することを目的とする。
本頭部装着型表示装置は、映像を表示する映像表示部と、前記映像を装着者の眼に導く光学手段と、外光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記外光の透過率を可変し、前記眼に達する前記外光の強度を調整する調光フィルタと、前記光強度検出手段で得た前記外光の光強度に基づいて、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を調節する制御部と、を有することを要件とする。
開示の技術によれば、装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能な頭部装着型表示装置を提供できる。
本実施の形態に係る表示装置の外観を例示する斜視図である。 装着者が表示装置を装着した様子を例示する左側面図である。 装着者が表示装置を装着した様子を例示する平面図である。 本実施の形態に係る表示装置の構成を部分的に例示する模式図である。 調光フィルタの構造を例示する断面図である。 外光の光強度A、透過光の光強度B、及び映像の光強度Cの関係について説明する図である。 調光フィルタの透過率と映像表示部のディスプレイ輝度の調節について説明する図である。 調光フィルタの透過率の変化を例示する図である。 視認性の測定について説明する図である。 外光の光強度がA1であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。 外光の光強度がA2(A2<A1)であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。 外光の光強度がA3(A3>A1)であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。 制御部に予め記憶された調節テーブルの例である。 視認性の官能評価の一例の結果を示す図である。 図14を光強度比に対する映像の視認性レベルとしてプロットし直した図である。 映像の種類による光強度比に対する映像の視認性レベルのカーブの違いを例示する図である。 映像表示部の光源の駆動電圧と光強度検出手段の検出値との関係を例示する図である。 制御部に予め記憶された調節テーブルの他の例である。 外光の明るさとセンサの出力電圧との関係を例示する図である。 調光フィルタの駆動電圧と調光フィルタの透過率との関係を例示する図である。 自動調節を行う制御部のブロックを例示する図である。 階調数を下げた場合の効果について説明する写真の例である。
以下、図面を参照して、実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、本実施の形態に係る表示装置の外観を例示する斜視図である。図2は、装着者が表示装置を装着した様子を例示する左側面図である。図3は、装着者が表示装置を装着した様子を例示する平面図である。図4は、本実施の形態に係る表示装置の構成を部分的に例示する図である。
図1〜図4を参照するに、表示装置1は、主に、映像表示部10と、光学部20と、導光板30と、調光フィルタ40と、ハーフミラー50と、センサ60と、制御部70とを有しており、人間(装着者100)の頭部に装着可能な頭部装着型表示装置である。表示装置1は、例えば、眼鏡に類する形状とすることができる。
表示装置1は、左右に1組ずつ略対称に設けられたフロント1a及びテンプル1bにより構成されている。フロント1aは、例えば、導光板30により構成することができ、映像表示部10、光学部20、制御部70等は、例えば、テンプル1bに内蔵することができる。なお、図4では、左眼用の構成を例示しているが、表示装置1は右眼用としても同様の構成を有している。
表示装置1は、調光フィルタ40を介して外部から入射する光(外界の映像)をハーフミラー50を透過させて、表示装置1の装着者100に視認させると共に、それに重畳させて映像表示部10からの映像を装着者100に視認させることが可能な装置である。以下、表示装置1の各構成要素について説明する。
映像表示部10は、例えば、液晶表示素子であり、光源から赤色光、緑色光及び青色光を含む光を発生させ、光源からの光を拡散させて光学部20に向けて出射する。映像表示部10が液晶表示素子である場合、例えば、映像表示部10の背面側(光学部20側とは反対側)にはバックライト80(映像表示部10の光源)が配される。バックライト80の発する光の強さを制御部70で制御することで、映像表示部10に表示させる映像の光強度(輝度)を調節することができる。
なお、映像表示部10に表示させる映像は、例えば、表示装置1の外部から有線や無線で供給することができる。或いは、表示装置1に着脱可能な記憶部(メモリーカード等)を設け、記憶部を介して映像を供給する構成にしてもよい。
光学部20は、映像表示部10から出射された光を導光板30に導く部分であり、例えば、レンズ21やミラー22を有している。光学部20は、複数のレンズを有する構成としてもよいし、プリズム等を用いる構成としてもよい。
導光板30は、光学部20から出射された光を内壁面で反射させながらハーフミラー50に導光する部分である。導光板30は、光学部20から出射された光の波長に対して透過性を有する樹脂等により形成されている。ハーフミラー50は、導光板30からの光を表示装置1の背面側に反射し、表示装置1の装着者100の眼(図4では左眼100L)の方向に出射する部分である。なお、光学部20、導光板30、及びハーフミラー50は、映像表示部10が表示する映像を装着者100の眼に導く光学手段の代表的な一例である。
調光フィルタ40は、外部から表示装置1に入射する光(外光)の透過率を電気的に可変し、装着者100の眼に達する外光の強度を調整する部分である。調光フィルタ40は、例えば、導光板30の前面(装着者100の眼とは反対側)に、装着者100の視野を覆う形で設けられている。調光フィルタ40は、例えば、エレクトロクロミック素子を用いて構成できる。エレクトロクロミック素子は、例えば、可視光に対して透明なガラス基板上若しくはプラスチック基板上に形成することができる。調光フィルタ40としてエレクトロクロミック素子を用いることで、周囲の明るさが変化しても、瞬時に調光フィルタ40が応答して、視認性を見やすい状態で一定に保つことができる。
ここで、図5を参照しながら、調光フィルタ40の構造の一例について説明する。調光フィルタ40は、表示基板41上に酸化チタン粒子膜42及び表示層43を形成し、10μm程度のスペーサ44を介して対向基板45を貼り合わせたセル構造とすることができる。セル構造内には、電解液として、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・テトラシアノボレートが封入されている。
表示基板41としては、例えば、ITOをスパッタで製膜して導電層を形成した60mm×60mm程度のガラス基板を用いることができる。酸化チタン粒子膜42は、例えば、表示基板41の導電層の上面に酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製SP210)をスピンコート法等により塗布し、120℃程度の温度で15分間程度アニール処理を行うことによって形成できる。
表示層43は、例えば、酸化チタン粒子膜42上に下記の構造式(化1)で示される化合物の1wt%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液を塗布液としてスピンコート法等により塗布する。そして、120℃程度の温度で5分間程度アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜42を構成する酸化チタン粒子表面にエレクトロクロミック化合物を吸着させて形成できる。対向基板45としては、例えば、酸化発色する色素をスピンコート塗布したITO付きガラス基板を用いることができる。
なお、例えば、図5に示す調光フィルタ40を他の構成部と独立に作製し、フロント1aに着脱可能な構造としてもよい。これにより、調光フィルタ40を消耗度に応じて交換可能となるため、表示装置1を常に見やすい状態に維持することができる。
図1〜図4の説明に戻り、センサ60は、外光の光強度(表示装置1の周囲の明るさ)を検出するセンサである。光強度を測定する物理量としては、照度と輝度があり、本実施の形態では、センサ60として照度センサ又は輝度センサを用いることができる。具体的には、センサ60としては、例えば、フォトダイオード等を用いることができる。センサ60は、例えば、フロント1a上に取り付けることができる。センサ60は、本発明に係る光強度検出手段の代表的な一例である。
制御部70は、センサ60で得た外光の光強度に基づいて、調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の光源の光強度を調節する部分である。制御部70は、これ以外の様々な機能を有していても構わない。制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリ等を含むように構成することができる。
この場合、制御部70の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。制御部70のCPUは、必要に応じてRAMからデータを読み出したり、格納したりできる。但し、制御部70の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、制御部70は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
電源90は、映像表示部10、調光フィルタ40及び制御部70等に電力を供給する部分である。電源90としては、例えば、ボタン電池等を用いることができる。なお、映像表示部10を駆動させるための電源(バックライト80を駆動させるための電源も含む)と、調光フィルタ40を駆動させるための電源に同一の電源90を用いることにより、表示装置1を軽量化することができる。但し、電源90を表示装置1に内蔵せずに、表示装置1の外部から電源を供給する構成にしてもよい。
図6は、外光の光強度A、調光フィルタ40で減光された透過光の光強度B、及び映像表示部10から送られた映像の光強度Cの関係を示している。透過光の光強度Bに比べて映像の光強度Cが大きいほど、表示される映像は見やすくなる。但し、透過光の光強度Bが小さくなりすぎると周辺の実像が見えにくくなる。
そこで、表示装置1では、図7に示すように、センサ60で外光の光強度Aをモニタし、モニタ結果を制御部70に入力する。そして、制御部70は、センサ60のモニタ結果と、制御部70のRAM等に予め記録された調節テーブルとに基づいて、調光フィルタ40の透過率(これにより透過光の光強度Bを調節)と、映像表示部10の映像輝度(映像の光強度C)とを同時に自動調節する。
調光フィルタ40の透過率は、制御部70から調光フィルタ40に定電圧を印加する時間により調節できる。つまり、定電圧を印加する時間により、調光フィルタ40の表示層43の電荷量(電流の時間積算)を制御して表示層43の着色度を変えることで、調光フィルタ40の透過率を調節できる。
図8は、調光フィルタ40の透過率の変化を例示する図である。図8では、2Vの定電圧を印加して調光フィルタ40の表示層43を発色させている。図8より、例えば、調光フィルタ40の透過率を30%にしたければ、2Vの定電圧を1.5秒間印加すればよいことがわかる。又、調光フィルタ40の透過率を10%にしたければ、2Vの定電圧を5秒間印加すればよいことがわかる。
但し、調光フィルタ40の透過率は時間とともに変化する場合がある。そのため、調光フィルタ40の透過率を検知する透過率検知手段を設け、制御部70は、透過率検知手段の検知結果に基づいて、調光フィルタ40の透過率を所望の値に自動修正することが好ましい。これにより、長時間同じ周囲の明るさでも、表示装置1の視認性を変化させずに映像を表示できる。透過率検知手段による検知及び制御部70による自動修正は、例えば、一定時間間隔で行うことができる。透過率検知手段としては、例えば、フォトダイオード等を用いることができる。
一方、映像表示部10の映像輝度(映像の光強度C)は、バックライト80の発する光の強さを制御部70で制御することで調節できる。例えば、バックライト80としてLED(Light Emitting Diode)を用い、PWM(Pulse Width Modulation)調光する場合を考える。この場合には、制御部70からの指令によりLEDをON/OFFするパルス幅(デューティ比)を変えることで、映像輝度を調節できる。
次に、調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の映像輝度の調節例について説明する。
まず、それぞれの外光の光強度(減光光量)での映像輝度に対する視認性を測定した。具体的には、図9に示すように、LED白色リング照明501を外光に模して、眼の位置に分光光度計502のファイバプローブ503を配置した。そして、LED白色リング照明501で明るさを変えながら、又、映像表示の明るさを変えながら、分光光度計502でRGB映像のスペクトルを測定した。
又、減光するために調光フィルタ40のエレクトロクロミック素子の着色濃度を制御部70で電気的に制御して透過率を変えて同様にRGB映像のスペクトルを測定した。そして、個々のスペクトルから3刺激値XYZに基づいて、xy色度を出して、RGBのxy座標からRGB面積を映像コントラストとして算出した。この面積が大きいほど視認性が高いと言える。これとは別に、予め、官能評価を行い、RGB面積がどの値で視認性が良好か、不良かを求めておいた。
図10は、外光の光強度がA1であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。図10において、(1)の曲線は、調光フィルタ40が消色状態(透過光の光強度B1≒外光の光強度A1)の場合を示している。又、(2)の曲線は、調光フィルタ40が発色状態で透過率が10%(透過光の光強度B1=外光の光強度A1×1/10)の場合を示している。又、(3)の直線は、図9を参照して説明した検討結果から導いた視認性が良好な場合を示している。
図10より、例えば、映像輝度がC11である場合には、調光フィルタ40を消色状態として外光の光強度A1をほとんど減光しないときに視認性が良好となる。又、映像輝度がC11より小さいC12である場合には、調光フィルタ40の透過率を10%とすることで、視認性が良好となる。
言い換えれば、調光フィルタ40の透過率を調節することで、良好な視認性を維持したまま、映像輝度(映像の光強度C)をC11からC12に減らすことが可能である。従って、センサ60により外光の光強度A1を検出した場合には、調光フィルタ40の透過率が10%、映像輝度(映像の光強度C)がC12となるように調節すればよい。これにより、映像輝度(映像の光強度C)を減らしても、良好な視認性を維持できる。つまり、装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能となる。
図11は、外光の光強度がA2(A2<A1)であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。図11において、(1)の曲線は、調光フィルタ40が消色状態(透過光の光強度B2≒外光の光強度A2)の場合を示している。又、(2)の曲線は、調光フィルタ40が発色状態で透過率が50%(透過光の光強度B2=外光の光強度A2×1/2)の場合を示している。又、(3)の直線は、図9を参照して説明した検討結果から導いた視認性が良好な場合を示している。
図11より、例えば、映像輝度がC21である場合には、調光フィルタ40を消色状態として外光の光強度A2をほとんど減光しないときに視認性が良好となる。又、映像輝度がC21より小さいC22である場合には、調光フィルタ40の透過率を50%とすることで、視認性が良好となる。
このように、外光の光強度が比較的小さい場合には、調光フィルタ40の透過率を減らしすぎると、周囲の実像が見えにくくなる。そこで、センサ60により比較的小さい外光の光強度A2を検出した場合には、調光フィルタ40の透過率が50%、映像輝度(映像の光強度C)がC22となるように調節すればよい。これにより、映像輝度(映像の光強度C)を減らしても、良好な視認性を維持できる。つまり、装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能となる。
図12は、外光の光強度がA3(A3>A1)であるときの映像輝度と視認性との関係を例示する図である。図12において、(1)の曲線は、調光フィルタ40が消色状態(透過光の光強度B3≒外光の光強度A3)の場合を示している。又、(2)の曲線は、調光フィルタ40が発色状態で透過率が10%(透過光の光強度B3=外光の光強度A3×1/10)の場合を示している。又、(3)の直線は、図9を参照して説明した検討結果から導いた視認性が良好な場合を示している。
このように、外光の光強度が比較的大きい場合には、映像輝度の最大であるC3の場合でも外光を減光しないと視認性は不良のレベルであるが、透過率を10%にすると視認性が良好なレベルになる。但し、この場合、映像輝度はC3のままであり、視認性は向上するが、消費電力を低減する効果はない。しかしながら、図10や図11の例では消費電力を低減する効果は明らかであり、表示装置1が装着者の視認性を損なわずに消費電力を低減可能な装置であることに変わりはない。
図13は、制御部に予め記憶された調節テーブルの例である。センサ60により外光の光強度Aを検出し、検出結果に基づいて、制御部70が図13の調節テーブルにより調光フィルタ40の透過率(透過光の光強度B)及び映像輝度(映像の光強度C)を調節することで、視認性を維持したまま映像輝度を減らすことが可能となる。
図13の例では、外光の光強度が比較的低い第1の範囲(外光の光強度Aが1000lx未満)にあるときは、映像表示部10の映像輝度を一定にして、外光の光強度が高くなるに従って調光フィルタ40の透過率を段階的に低くしている。又、外光の光強度が比較的高い第2の範囲(外光の光強度Aが1000lx以上)にあるときは、調光フィルタ40の透過率を一定にして(例えば、透過率を最小値に固定して)、外光の光強度が高くなるに従って映像表示部10の光源の光強度を段階的に高くしている。
但し、これには限定されず、第1の範囲と第2の範囲との間に第3の範囲を設け、第3の範囲では、外光の光強度が高くなるに従って調光フィルタ40の透過率を段階的に低くすると共に、映像表示部10の輝度を段階的に高くするように制御してもよい。
なお、視認性が良好であると感じる調光フィルタの透過率と映像輝度との関係には個人差がある。従って、調節テーブルを複数記憶しておき、装着者がスイッチ等を用いて任意に切り替え可能な構成としておくと、より好ましい。これにより、周囲の明るさが変化しても、装着者それぞれの視認性を維持しながら、常に最小限の消費電力で映像を表示できる。
以上のように、表示装置1では、センサ60で得た外光の光強度に基づいて、調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の映像輝度を調節する。これにより、表示装置1の装着者が表示された映像を見やすいと感じる状態を維持しながら(装着者の視認性を損なわずに)、最小限の消費電力で映像を表示させることができる。その結果、表示装置1の電池による連続駆動時間を長くすることができる。
又、表示装置1の周囲の明るさが変化しても映像の視認性が変化せず、常に最小限の消費電力で映像を表示することができる。
又、映像輝度を低めに設定できるため、眼に入る光の強度が強くなり、眼精疲労を引き起こすおそれを低減できる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、所定の式に基づいて調節テーブルを簡単かつ正確に作成する例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
発明者らは、下記の式(1)及び(2)を導いた。以下では、式(1)及び(2)の導出と、式(1)及び(2)の技術的意義を中心に説明する。
T=(C×k)/(D×A)・・・(1)
D=−log((Lmax−L0)/(Lmax−Lmin))・・・(2)
但し、式(1)及び(2)において、T:調光フィルタ40の透過率、C:映像の光強度、A:表示装置1の入射面での外光の光強度、Lmax:見やすさレベルの最大値、Lmin:見やすさレベルの最小値、L0:見やすさレベルの閾値、k:映像係数、である。
まず、図1等に示した表示装置1を用い、多数の被験者に対して、様々な明るさの外光環境のもと、調光フィルタ40の透過率を変えながら、文字映像や写真映像に対して、5段階で視認性の官能評価を実施した。
図14は、視認性の官能評価の一例の結果を示す図である。図14は、外光12000ルクスの環境で、表示装置1を用いて、調光フィルタ40の透過率を5%、10%、15%に変化させたときの文字映像の視認性の結果を示したものであり、映像の視認性レベルを縦軸、映像の光強度を横軸としている。
図14に示すように、映像の光強度が高いほど映像の視認性レベルは高く、かつ、調光フィルタ40の透過率を低くして外光を遮蔽するほど映像の視認性レベルは高い。この結果から、本発明者らは、図6で説明した透過光の光強度Bと映像の光強度Cとの比が、映像の視認性に依存すると考えた。
そこで、映像の光強度C(映像光量)と、透過光の光強度B(表示装置1を透過後の外光の光強度)との光強度比を『光強度比=映像の光強度C/透過光の光強度B』と定義した。なお、夫々の光強度は照度センサの計測値若しくは輝度センサの計測値とした。又、映像の光強度は、白ベタ映像のときの光強度とした。
図15は、図14を光強度比に対する映像の視認性レベルとしてプロットし直した図である。図15に示すように、調光フィルタ40の各透過率(5%、10%、15%)での視認性レベルは同一カーブに全て乗り、光強度比により視認性レベルは一意的に決まる。これは、本発明者らが発見したものである。
更に、外光1000ルクスから50000ルクスの環境でも同様の実験を行った。そして、外光1000ルクスから50000ルクスの範囲内の、どの外光の明るさでも図15の光強度と映像の視認性レベルのカーブに一致し、外光がどの明るさであっても、視認性は、本発明者らが定義した光強度比で決まることを確認した。
又、図16に示すように、文字映像のように2階調しかない映像と、写真映像のように多階調からなる中間調映像では、光強度比に対する映像の視認性レベルのカーブが異なり、視認性を上げるには、中間調映像の方が光強度比を高くする必要があることがわかった。
発明者らは、これらの視認性官能評価実験に基づいて、図14や図15のグラフが式(3)及び(4)として表されることを導き出した。
L=Lmax−(Lmax−Lmin)×exp(−k×光強度比)・・・(3)
光強度比=C/(A×T)・・・(4)
但し、式(3)及び(4)において、T:調光フィルタ40の透過率、C:映像の光強度、A:表示装置1の入射面での外光の光強度、L:映像の見やすさレベル、Lmax:見やすさレベルの最大値、Lmin:見やすさレベルの最小値、k:映像係数、である。
式(3)及び(4)から、Lの値として、映像の視認性レベルの閾値L0を選ぶことで、逆に、視認性に必要な調光フィルタ40の透過率を求めることができる。それが、上記の式(1)及び(2)となる。
式(1)及び(2)において、映像の光強度Cは、導光板30の眼と対向する面での光強度検出手段の検出値を意味する。しかし、光強度検出手段が眼に干渉するため、導光板30の眼と対向する面に光強度検出手段を常時設けるのは困難である。そこで、図17に示すように、予め、全面白ベタ映像の表示時に、導光板30の眼と対向する面に光強度検出手段を設置して、映像表示部10の光源の駆動電圧と光強度検出手段の検出値との関係を測定した。なお、光強度検出手段としては、照度センサが適するが、輝度センサを用いても構わない。
これにより、導光板30の眼と対向する面に光強度検出手段を常時設けなくても、光源の駆動電圧の値から映像表示部10の映像の光強度Cの値を算出することができる。つまり、図17をテーブルデータとして、演算回路において、映像表示部10の光源の電圧値から映像表示部10の映像の光強度Cを算出することができる。但し、図17を作成する場合、外光の光強度を検出するセンサ60と全く同じセンサを用いる必要がある。
式(1)及び(2)において、映像の視認性レベルは、5段階でも10段階でも構わない。例えば、5段階では、映像の視認性レベルの最大値は「5」で、最小値は「1」となる。映像の視認性レベルの閾値は、概ね、最大値の80%が適し、映像の視認性レベルが5段階の場合には閾値は「4」程度が好ましい。
式(1)及び(2)の映像係数kは、表示する映像により決める係数であり、文字映像では概ね「15〜50」、写真映像等の中間調映像では概ね「5〜15」の値とすることが好ましい。
このように、式(1)及び(2)を用いることで、光強度検出手段の検出値と映像表示部10の光源の駆動電圧の値とをマトリックスとする調光フィルタ40の透過率を決定する調節テーブルを簡単かつ正確に作成することができる。これにより、視認性の改善が可能となる。
本発明者らは、式(1)及び(2)で算出した調光フィルタ40の透過率に対して、±20%の範囲で値が増減しても、視認性に問題がないことを確認した。従って、作成された調節テーブルにおいて、調光フィルタ40の透過率は、式(1)及び(2)で算出された値に完全に一致する必要はなく、式(1)及び(2)で算出された透過率に対して、±20%の誤差の範囲内の透過率が適する。
[実施例2−1]
以下の条件により、図1の構成の表示装置1を作製した。
・表示装置本体(フロント1a、テンプル1b):moverio BT−200(エプソン社)
・調光フィルタ40:図8の特性を有するエレクトロクロミック素子
・センサ60:アナログ照度センサIC(BH1600FVC ローム社)
・表示映像:白色の文字の画像(20ポイント文字)
式(1)及び(2)で、A=センサ60の信号電圧値、Lmax=5、Lmin=1、L0=4、k=40、C=光強度検出手段としてセンサ60と同じものを用いて図17を作成し、映像表示部10の光源の駆動電圧の値から換算したセンサ60の信号電圧値、とした。外光の光強度(センサ信号60の電圧値)と映像の光強度(映像表示部10の光源の駆動電圧の値)とのマトリックスからなる調光フィルタ40の透過率の調節テーブル(図18)を作成し、図7に示す制御部70の調節テーブルとした。図18において、EC駆動電圧とは、調光フィルタ40の駆動電圧である。
なお、図19に、市販照度計(コニカミノルタ社製)を用いて測定した外光の明るさに対するセンサ60の出力電圧値の関係を示す。又、図20に、今回作製したエレクトロクロミック素子による調光フィルタ40の駆動電圧と透過率の関係を示す。これら、図19及び図20も制御部70内においてテーブルデータとして用いた。
図7に示す制御部70を備えた表示装置1を用い、作成した図18の調節テーブルに基づいて制御を行い、1万ルクスの屋外において、文字映像を表示したところ、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40が作動し、文字をはっきり視認できた。
[実施例2−2]
式(1)及び(2)において『k=10』とし、表示映像は、風景画像(256階調)とした以外は、実施例2−1と同様とした。
そして、実施例2−1と同様にして調節テーブルを作成し、図7に示す制御部70を備えた表示装置1を用い、作成した調節テーブルに基づいて制御を行い、1万ルクスの屋外において、風景画像を表示した。その結果、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40が作動し、風景画像をはっきり視認できた。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、式(1)及び(2)に基づいてセンサ60からの信号により演算回路において調節テーブルを随時作成する。そして、作成された調節テーブルに基づいて映像の視認性レベル(見やすさレベル)が閾値以上となるように調光フィルタ40の透過率と映像の光強度を自動調節する例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図21は、自動調節を行う制御部のブロックを例示する図であり、式(1)及び(2)に基づいて、センサ60の光強度検出値と、その検出値から映像表示部10の光源の光強度を決めるための電圧と、調光フィルタ40の透過率を決めるための電圧を制御する回路構成の例である。
制御部70は、センサ電圧検知回路71と、映像認識処理回路72と、光源電圧制御回路73と、調光フィルタ電圧制御回路74と、演算回路75とを有する。センサ電圧検知回路71は、表示装置1のセンサ60の光強度に応じた信号電圧値を検知し、検知結果を演算回路75に出力する回路である。
映像認識処理回路72は、映像データに基づいて映像の種類(文字映像、写真映像、動画映像等)を認識し、その種類を演算回路75に出力する回路である。光源電圧制御回路73は、演算回路75の指令に基づいて、映像表示部10の光源の駆動電圧を制御する回路である。調光フィルタ電圧制御回路74は、演算回路75の指令に基づいて、調光フィルタ40の駆動電圧を変えて透過率を制御する回路である。
演算回路75は、センサ電圧検知回路71と映像認識処理回路72からの入力信号に基づいて、式(1)及び(2)に基づく演算を行い、最適な映像表示部10の光源の駆動電圧と調光フィルタ40の駆動電圧を算出して随時調節テーブルを作成する。そして、作成した調節テーブルに基づいて、光源電圧制御回路73と調光フィルタ電圧制御回路74に指令を送る。光源電圧制御回路73は映像表示部10の光源の光強度を多段階で自動調節し、調光フィルタ電圧制御回路74は調光フィルタ40の透過率を多段階で自動調節する。
本実施の形態によれば、センサ60から外光の光強度Aの情報を取得し、式(1)及び(2)に基づいて調節テーブルを随時作成し、作成した調節テーブルに基づいて、調光フィルタ40の透過率と映像の光強度を自動調節する。これにより、外光の光強度に応じた膨大な複数の調節テーブルを用意する必要がなくなり、制御部70の記憶容量を小さくすると共に、処理回路を小型化できる。又、調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の映像の光強度を自動調節する処理速度が格段に速くなる。
[実施例3−1]
図21の制御部70を表示装置1に用いた以外は、実施例2−1と同様とした。具体的には、センサ60からの入力信号値及び映像認識処理回路72からの入力信号値に基づいて、演算回路75において、外光に最も適する視認性を得るための調光フィルタ40の駆動電圧と映像表示部10の光源の駆動電圧を算出した。そして、演算回路75において、各々最適な調光フィルタ40の透過率と映像の明るさとに調整した。なお、演算に際して、図19及び図20のデータをテーブルデータとして参照するようにプログラミングした。
1000ルクスの室内、1万ルクスの木陰、4万ルクスの炎天下において、文字映像を表示したところ、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40の透過率と映像の明るさが自動的に調整され、その明るさの下でも、文字をはっきり視認できた。
[実施例3−2]
式(1)及び(2)において『k=10』とし、表示映像は、風景画像(256階調)とした以外は、実施例3−1と同様とした。
1000ルクスの室内、1万ルクスの木陰、4万ルクスの炎天下において、文字映像を表示したところ、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40の透過率と映像の明るさが自動的に調整され、その明るさの下でも、風景画像をはっきり視認できた。
〈第4の実施の形態〉
第4の実施の形態では、映像表示部に映像を表示する前に調光フィルタの制御を開始する例を示す。なお、第4の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
人の眼には、暗順応と明順応とがある。暗順応は、明るい環境から暗い環境に変化した場合、明るい環境での眼の感度を暗い環境での眼の感度に順応させることである。これは、瞳孔の対光反射と網膜の光感度に起因し、暗順応には一定の時間がかかる。このため、明るい場所から暗い場所に急に移動した場合、暗い場所の様子が認識できないことがある。
晴天の屋外において常時表示装置1を着用する場合、常に調光フィルタ40が作動して、眼に強い光が入射しない場合は、映像の視認性は良好である。しかし、例えば、晴天の屋外に長時間滞在し、時折、表示装置1を使用する場合、眼の暗順応に時間がかかるため、調光フィルタ40が作動しても暫くの時間は映像がよく認識できないおそれがある。
明るい環境で、時折、表示装置1を利用する場合のこの問題を解決するため、表示装置1の利用時に表示装置1のスイッチを入れると、まず、暗い条件に眼の感度が順応する時間内は、映像を表示せずに調光フィルタ40のみを制御して作動させる。その後、映像を表示させる。これらの機能を表示装置1の制御部70に組み込む。
表示装置1を装着した時点で、調光フィルタ40のみ制御する時間は概ね1分くらいが適する。そのとき、調光フィルタ40の透過率は最小になることが望ましく、2%〜5%になるよう制御する。調光フィルタ40のみを制御する時間が過ぎた後は、外光の光強度に基づいて、映像が視認できるよう調光フィルタ40と映像表示部10の光源の光強度を最適な値に制御する。
本実施の形態によれば、調光フィルタ40が先に機能して、眼に入射する外光を遮光し、暗いところに眼が慣れてくるタイミングで映像を表示するため、人の眼の暗順応に対処し、夏の晴天のように非常に明るい環境での映像の視認性を改善することができる。
[実施例4−1]
演算回路75に、ユーザが表示装置1を装着してメインスイッチを入れると、自動的に調光フィルタ40が透過率5%で1分間作動するようにプログラムした以外は、実施例3−1と同様とした。
外光の明るさ5万ルクスの晴天下で、表示装置1を装着し、メインスイッチを入れると、直ちに調光フィルタ40が作動し、1分間映像が出ない状態で、少し濃いサングラスのように外光を遮光した。1分後、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の光源の光強度が調整された状態で写真映像が表示され、映像をはっきり認識できた。
なお、比較のため、メインスイッチを入れても調光フィルタ40が直ちに作動しないようにして、上記と同じく、外光の明るさ5万ルクスの晴天下で、表示装置1を装着した。その場合、スイッチを入れると、暫くして、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の光源の光強度が調整され、写真映像を表示したが、10分間は写真映像がよく視認できなかった。
〈第5の実施の形態〉
第5の実施の形態では、外光の光強度と調光フィルタの透過率とに基づいて映像表示部に表示する映像の階調数を変化させる例を示す。なお、第5の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
夏の晴天のように非常に明るい環境下では、表示装置1において、映像を視認するためには、調光フィルタ40の透過率を相当小さくする必要がある。例えば、6万ルクスの環境下では、調光フィルタ40の透過率を2%程度にしないと一般の写真映像は視認できないことを本発明者らは視認性実験から掴んでいる。
しかし、調光フィルタ40の透過率2%では、映像は視認できるが、逆に、周りの外部環境が見えづらくなり、歩行や映像を見ながらの作業に支障をきたすおそれがある。一方、6万ルクスの環境下で、文字映像の場合、調光フィルタ40の透過率が10%でも文字の視認が可能なことを、本発明者らは視認性実験から掴んでいる。透過率10%なら、歩行や作業に全く支障がない。
上記の違いは、文字映像の場合、2値階調であるのに対し、写真映像は256階調等の多階調であり、階調数の多さである。階調数が多いと映像のコントラストが下がり、視認性が低くなる。この問題を解決するため、本実施の形態では、表示装置1の制御部70に、外光の光強度Aと調光フィルタ40の透過率に基づいて映像表示部10が表示する映像のガンマ値を補正する映像補正手段を設ける。
表示装置1で写真やグラフィック映像を視る目的が、歩行中の地図によるナビゲーションや作業指示の確認である場合、映像の再現性は意味がなく、例えば目的地までのルートのポイント地点や作業指示ポイント部分が認識できればよいことになる。本発明者らはこの点に着目し、写真やグラフィックのコントラストを極端に高くして、例えば、256階調を3階調から5階調程度まで下げることで、調光フィルタ40の透過率10%でも6万ルクスの晴天で、映像の中でポイントとなる部分を視認できることを見出した。
図21の映像認識処理回路72に、外光の光強度Aと調光フィルタ40の透過率に基づいて、映像の階調数を変化させる機能を持たせる。例えば、外光の光強度Aが1万ルクスであり、調光フィルタ40の透過率が10%で、元の映像の階調数が256の場合、映像認識処理回路72により階調数を10に下げる処理を行う。又、外光の光強度Aが6万ルクスであり、調光フィルタ40の透過率が5%で、元の映像の階調数が256の場合、映像認識処理回路72により階調数を4に下げる処理を行う。外光の光強度A、調光フィルタ40の透過率、及び下げるべき階調数との関係は、例えば、テーブルとして記憶しておけばよい。
本実施の形態によれば、外部が見える範囲の調光フィルタ40の透過率(5%以上)で、非常に明るい外光下での中間調映像の視認性が改善し、外部の視認性と映像の視認性が両立可能となる。
[実施例5−1]
映像認識処理回路72に、外光の明るさに基づいて、表示する映像の階調数を変えるプログラムを組み込んだ以外は、実施例3−1と同様とした。
図22(a)に示す写真は、オリジナルの写真(階調数256)で、所定の明るさの環境下で、破線Dの枠内の部分を表示装置1において認識できればOKとする。
図22(b)は、外光5万ルクスの環境下で、センサ60からの信号に基づいて、映像認識処理回路72において階調数を40に下げた写真である。外光の明るさ5万ルクスの晴天下で、表示装置1を装着し、映像を表示したところ、外光の光強度に基づいて調光フィルタ40の透過率と映像表示部10の光源の光強度が調整された状態で図22(b)に示す写真映像が表示され、破線Dの枠内の部分をはっきり認識できた。
又、比較のため、外光の明るさ5万ルクスの晴天下で、図22(a)の状態で映像を表示した場合、破線Dの枠内に何が写っているのかはっきり認識できなかった。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 表示装置
1a フロント
1b テンプル
10 映像表示部
20 光学部
21 レンズ
22 ミラー
30 導光板
40 調光フィルタ
41 表示基板
42 酸化チタン粒子膜
43 表示層
44 スペーサ
45 対向基板
50 ハーフミラー
60 センサ
70 制御部
71 センサ電圧検知回路
72 映像認識処理回路
73 光源電圧制御回路
74 調光フィルタ電圧制御回路
75 演算回路
80 バックライト
90 電源
100 装着者
100L 左眼
特許第3371156号

Claims (15)

  1. 映像を表示する映像表示部と、
    前記映像を装着者の眼に導く光学手段と、
    外光の光強度を検出する光強度検出手段と、
    前記外光の透過率を可変し、前記眼に達する前記外光の強度を調整する調光フィルタと、
    前記光強度検出手段で得た前記外光の光強度に基づいて、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を調節する制御部と、を有する頭部装着型表示装置。
  2. 前記制御部は、
    前記外光の光強度が第1の範囲にあるときは、前記映像表示部の光源の光強度を一定にして、前記外光の光強度が高くなるに従って前記調光フィルタの透過率を段階的に低くし、
    前記外光の光強度が前記第1の範囲よりも光強度が高い第2の範囲にあるときは、前記調光フィルタの透過率を一定にして、前記外光の光強度が高くなるに従って前記映像表示部の光源の光強度を段階的に高くする請求項1記載の頭部装着型表示装置。
  3. 前記第2の範囲では、前記調光フィルタの透過率が最小値に固定される請求項2記載の頭部装着型表示装置。
  4. 前記制御部は、前記外光の光強度と、前記調光フィルタの透過率と、前記映像表示部の光源の光強度との関係を示す調節テーブルを予め記憶しており、前記調節テーブルに基づいて、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を調節する請求項1乃至3の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  5. 前記制御部は、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を多段階で調節する機能を備え、
    前記光強度検出手段で得た外光の光強度の情報と、前記調節テーブルとに基づいて、前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度を自動調節する請求項4記載の頭部装着型表示装置。
  6. 前記調節テーブルにおける前記調光フィルタの透過率は、下記の式(1)及び(2)で算出されるTに対して±20%の範囲内の値である請求項5記載の頭部装着型表示装置。
    T=(C×k)/(D×A)・・・(1)
    D=−log((Lmax−L0)/(Lmax−Lmin))・・・(2)
    但し、式(1)及び(2)において、T:調光フィルタの透過率、C:映像の光強度、A:表示装置の入射面での外光の光強度、Lmax:見やすさレベルの最大値、Lmin:見やすさレベルの最小値、L0:見やすさレベルの閾値、k:映像係数、である。
  7. 前記制御部は、下記式(1)及び(2)に基づいて、前記光強度検出手段からの信号により前記調節テーブルを随時作成し、作成された前記調節テーブルに基づいて、見やすさレベルが閾値以上となるように前記調光フィルタの透過率と前記映像表示部の光源の光強度とを自動調節する請求項5又は6記載の頭部装着型表示装置。
    T=(C×k)/(D×A)・・・(1)
    D=−log((Lmax−L0)/(Lmax−Lmin))・・・(2)
    但し、式(1)及び(2)において、T:調光フィルタの透過率、C:映像の光強度、A:表示装置の入射面での外光の光強度、Lmax:見やすさレベルの最大値、Lmin:見やすさレベルの最小値、L0:見やすさレベルの閾値、k:映像係数、である。
  8. 前記調節テーブルが複数記憶されており、
    前記装着者は、複数の前記調節テーブルを任意に切り替え可能である請求項4乃至7の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  9. 前記制御部は、前記映像表示部に映像を表示する前に前記調光フィルタの制御を開始する請求項1乃至8の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  10. 前記制御部は、前記光強度検出手段が検出した外光の光強度と、前記調光フィルタの透過率とに基づいて、前記映像表示部に表示する映像の階調数を変化させる請求項1乃至9の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  11. 前記調光フィルタの透過率を検知する透過率検知手段を有し、
    前記制御部は、前記透過率検知手段の検知結果に基づいて、前記調光フィルタの透過率を修正する請求項1乃至10の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  12. 前記映像表示部を駆動させるための電源と、前記調光フィルタを駆動させるための電源に同一の電源を用いた請求項1乃至11の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  13. 前記調光フィルタは、エレクトロクロミック素子を備えている請求項1乃至12の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  14. 前記調光フィルタが着脱可能である請求項1乃至13の何れか一項記載の頭部装着型表示装置。
  15. 映像を表示する映像表示部と、前記映像を装着者の眼に導く光学手段と、を有する頭部装着型表示装置に映像を表示する表示方法であって、
    外光の光強度を検出するステップと、
    前記外光の光強度に基づいて、前記外光の透過率と前記映像表示部の光源の光強度を調節するステップと、を有する表示方法。
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