JP2016138690A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車に固定した際の各取付用ブラケットにかかる荷重を均一化しうる熱交換器を提供する。【解決手段】コンデンサ1は、熱交換管2、コルゲートフィン3、サイドプレート4、ヘッダタンク5,6、左右両上側取付用ブラケット8、および左右両下側取付用ブラケット9を備えている。両上側取付用ブラケット8の貫通穴8aの中心間の直線距離をL、両下側取付用ブラケット9の貫通穴9aの中心間の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数の等長の線分L1、R1に分けた場合、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している。コルゲートフィン3のフィンピッチが、正面から見て左右方向中心の左側および右側において変わっている。【選択図】図1
Description
この発明は、熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、各図面の上下、左右を上下、左右というものとする。
たとえば、カーエアコン用コンデンサに用いられる熱交換器として、凝縮部、凝縮部の下方に設けられた過冷却部、および凝縮部と過冷却部との間に設けられた受液器よりなり、かつ凝縮部から流出した冷媒が、受液器に入って気液に分離され、ついで過冷却部に入るようになっている熱交換器であって、長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間および上下両端の熱交換管の外側に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンと、上下両端のコルゲートフィンの外側に配置されてコルゲートフィンにろう付されたサイドプレートと、長手方向を上下方向に向けた状態で左右両側に配置されかつ熱交換管の左右両端部が接続された左右1対のヘッダタンクと、いずれか一方のヘッダタンクに固定された受液器とを備えた熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1には記載されていないが、特許文献1記載の熱交換器においては、上側サイドプレートまたはヘッダタンクの上下方向中心よりも上側部分に左右1対の上側取付用ブラケットが固定され、下側サイドプレートまたはヘッダタンクの上下方向中心よりも下側部分に左右1対の下側取付用ブラケットが固定され、上下両側の取付用ブラケットを利用して自動車に固定されるようになっている。
特許文献1記載の熱交換器によれば、受液器が一方のヘッダタンクに固定されているので、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中心よりも受液器が固定されたヘッダタンク側に偏っている。したがって、左側の2つの取付用ブラケットにおける締結具が通される貫通穴の中心と前記重心との距離、および右側の2つの取付用ブラケットにおける締結具が通される貫通穴の中心と前記重心との距離が異なることになり、取付用ブラケットを利用して自動車に固定した場合、左側の両取付用ブラケットと右側の両取付用ブラケットとにかかる荷重が不均一になる。その結果、取付用ブラケットの耐久性が低下するおそれがある。
この発明の目的は、上記問題を解決し、取付用ブラケットを利用して自動車に固定した際に、各取付用ブラケットにかかる荷重を均一化しうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間および上下両端の熱交換管の外側に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンと、上下両端のコルゲートフィンの外側に配置されてコルゲートフィンにろう付されたサイドプレートと、長手方向を上下方向に向けた状態で左右両側に配置されかつ熱交換管の左右両端部が接続された複数のヘッダタンクと、ヘッダタンクにおける熱交換コア部の上下方向中心よりも上側部分、または上側サイドプレートに固定された左右1対の上側取付用ブラケットと、ヘッダタンクにおける熱交換コア部の上下方向中心よりも下側部分、または下側サイドプレートに固定された左右1対の下側取付用ブラケットとを備えており、全取付用ブラケットを利用して自動車に固定されるようになされている熱交換器において、
左右両上側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数の等長の線分L1、R1に分けた場合、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している熱交換器。
左右両上側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数の等長の線分L1、R1に分けた場合、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している熱交換器。
2)少なくとも1つのコルゲートフィンにおける隣り合う波頂部間の間隔であるフィンピッチを、正面から見て左右方向中心の左側および右側において変えることによって、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置させられている上記1)記載の熱交換器。
3)左右1対のヘッダタンク、左右1対の上側取付用ブラケット、および左右1対の下側取付用ブラケットを備えており、左右方向中心の左側および右側のうち少なくともいずれか一方に、前記左右1対のヘッダタンク、前記左右1対の上側取付用ブラケット、および前記左右1対の下側取付用ブラケット以外の熱交換器用部品が配置され、コルゲートフィンを除いた質量が左右方向中心の左右両側で異なっており、少なくとも1つのコルゲートフィンにおける左右方向中心の左側および右側のうち前記質量が小さい側のフィンピッチが、同じく前記質量が大きい側のフィンピッチよりも狭くなっており、これにより全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置させられている上記2)記載の熱交換器。
上記1)〜3)の熱交換器によれば、左右両上側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数の等長の線分L1、R1に分けた場合、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置させられているので、左側の上下2つの取付用ブラケットにおける自動車への固定部と前記重心との距離、および右側の上下2つの取付用ブラケットにおける自動車への固定部と前記重心との距離が均一化される。したがって、取付用ブラケットを利用して自動車に固定した場合、左側の両取付用ブラケットと右側の両取付用ブラケットとにかかる荷重が均一化され、その結果取付用ブラケットの耐久性が向上する。
上記2)および3)の熱交換器によれば、左側の上下2つの取付用ブラケットにおける自動車への固定部と前記重心との距離、および右側の上下2つの取付用ブラケットにおける自動車への固定部と前記重心との距離を、比較的簡単な構成で均一化することが可能になる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、カーエアコン用のコンデンサに適用したものである。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
また、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
図1はこの発明の熱交換器を適用したコンデンサの実施形態1の全体構成を示し、図2および図3はその要部の構成を示す。
図1において、コンデンサ(1)は、凝縮部(1A)と、凝縮部(1A)の下方に設けられた過冷却部(1B)とよりなり、幅方向を通風方向に向けるとともに長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(2)と、隣り合う熱交換管(2)どうしの間および上下両端の熱交換管(2)の外側に配置されて熱交換管(2)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(3)と、上下両端のコルゲートフィン(3)の外側に配置されてコルゲートフィン(3)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(4)と、長手方向を上下方向に向けた状態で左右両側に配置されかつ熱交換管(2)の左右両端部が接続された複数、ここでは2つのアルミニウム製ヘッダタンク(5)(6)と、右側ヘッダタンク(6)に固定され、かつ凝縮部(1A)から流出した冷媒を流入させて気液に分離するとともに過冷却部(1B)に流出させるアルミニウム製受液器(7)(熱交換器用部品)と、熱交換管(2)、コルゲートフィン(3)およびサイドプレート(4)からなる熱交換コア部の上下方向中心よりも上方において左右両ヘッダタンク(5)(6)に固定された左右1対の上側取付用ブラケット(8)と、同じく熱交換コア部の上下方向中心よりも下方において左右両ヘッダタンク(5)(6)に固定された左右1対の下側取付用ブラケット(9)と、左右両ヘッダタンク(5)(6)のうち1つのヘッダタンク、ここでは左側ヘッダタンク(5)に接合されたアルミニウム製入口側配管部材(11)(熱交換器用部品)と、両ヘッダタンク(5)(6)のうち1つのヘッダタンク、ここでは左側ヘッダタンク(5)に接合されたアルミニウム製出口側配管部材(12)(熱交換器用部品)とを備えている。
コンデンサ(1)の凝縮部(1A)には、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P1)が設けられ、過冷却部(1B)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P2)が設けられている。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(2)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、凝縮部(1A)の熱交換パス(P1)を第1熱交換パスといい、過冷却部(1B)の熱交換パス(P2)を第2熱交換パスというものとする。両熱交換パス(P1)(P2)の全熱交換管(2)の左端部が左側ヘッダタンク(5)にろう付により接続され、同じく右端部が右側ヘッダタンク(6)にろう付により接続されている。
図2および図3に示すように、コルゲートフィン(3)は、波頂部(3a)、波底部(3b)、および波頂部(3a)と波底部(3b)とを連結する連結部(3c)よりなる。少なくとも1つのコルゲートフィン(3)、たとえば全コルゲートフィン(3)における隣り合う波頂部(3a)または波底部(3b)間の間隔であるフィンピッチは、正面から見て左右方向中心の左側および右側において異なっている。コルゲートフィン(3)の前記フィンピッチを正面から見て左右方向中心の左側および右側において異なったものにするには、全体が一体に成形されたコルゲートフィン(3)の左側部分および右側部分の前記フィンピッチを異なったものにする方法の他に、コルゲートフィン(3)を、左側構成部材と、左側構成部材とは別個に形成された右側構成部材により形成し、両構成部材の前記フィンピッチを異なったものにする方法がある。
左側ヘッダタンク(5)内および右側ヘッダタンク(6)内は、それぞれ第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(13)により上下両タンク部(5a)(5b)および(6a)(6b)に分割されており、両ヘッダタンク(5)(6)の上タンク部(5a)(6a)に第1熱交換パス(P1)の熱交換管(2)が通じさせられ、同じく下タンク部(5b)(6b)に第2熱交換パス(P2)の熱交換管(2)が通じさせられている。左側ヘッダタンク(5)の上タンク部(5a)に冷媒入口(図示略)が形成されるとともに、下タンク部(5b)に冷媒出口(図示略)が形成されており、入口側配管部材(11)が冷媒入口と通じるように左側ヘッダタンク(5)に接合され、出口側配管部材(12)が冷媒出口と通じるように左側ヘッダタンク(5)に接合されている。
受液器(7)は、アルミニウム製上連通部材(14)を介して右側ヘッダタンク(6)の上タンク部(6a)に通じさせられた冷媒流入口(図示略)と、アルミニウム製下連通部材(15)を介して右側ヘッダタンク(6)の下タンク部(6b)に通じさせられた冷媒流出口(図示略)とを有している。受液器(7)内には乾燥剤、フィルタなどが入れられている。
両上側取付用ブラケット(8)および両下側取付用ブラケット(9)は、それぞれ同一高さ位置において両ヘッダタンク(5)(6)に固定されており、自動車への固定に使用されるボルトなどの締結具が通される貫通穴(8a)(9a)を有している。ここでは、ボルトなどの締結具の中心、すなわち貫通穴(8a)(9a)の中心を、自動車への固定部というものとする。
全熱交換管(2)の寸法、両ヘッダタンク(5)(6)の寸法、両上側取付用ブラケット(8)の寸法および両下側取付用ブラケット(9)の寸法は、寸法公差の範囲内において同一である。
ここで、コンデンサ(1)の左側ヘッダタンク(5)に入口側配管部材(11)および出口側配管部材(12)が固定され、右側ヘッダタンク(6)に受液器(7)が固定されているので、コルゲートフィン(3)を除いた質量が左右方向中心の左右両側で異なっている。しかしながら、上述した少なくとも1つのコルゲートフィン(3)における左右方向中心の左側および右側のうち前記質量が小さい側のフィンピッチが、同じく前記質量が大きい側のフィンピッチよりも狭くなっていることにより、左右両上側取付用ブラケット(8)における締結具が通される貫通穴(8a)の中心間の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケット(9)における締結具が通される貫通穴(9a)の中心間の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数、ここでは5の等長の線分L1、R1に分けた場合、コンデンサ(1)の全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している。したがって、左側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)(自動車への固定部)の中心と前記重心との距離、および右側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)(自動車への固定部)の中心と前記重心との距離が均一化される。その結果、取付用ブラケット(8)(9)を利用して自動車に固定した場合、左側の両取付用ブラケット(8)(9)と右側の両取付用ブラケット(8)(9)とにかかる荷重が均一化され、取付用ブラケット(8)(9)の耐久性が向上する。
上述したコンデンサ(1)は、圧縮機、気液分離器、減圧器およびエバポレータなどとともに、フロン系冷媒を用いる冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして自動車に搭載される。
入口側配管部材(11)には圧縮機からの配管が接続され、出口側配管部材(12)には減圧器(膨張弁)への配管が接続される。入口側配管部材(11)および冷媒入口を通って左側ヘッダタンク(5)の上タンク部(5a)内に流入した冷媒は、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(2)内を右方に流れて右側ヘッダタンク(6)の上タンク部(6a)内に流入し、冷媒流入口および上連通部材(14)を経て受液器(7)内に流入する。受液器(7)内に流入した冷媒は、気相と液相とに分離される。受液器(7)内で分離された液相の冷媒は、下連通部材(15)および冷媒流出口を経て右側ヘッダタンク(6)の下タンク部(6b)に流入し、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(2)内を左方に流れる間に過冷却された後、左側ヘッダタンク(5)の下タンク部(5b)内に入り、冷媒出口および出口側配管部材(12)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
実施形態2
この実施形態は図4に示すものである。
実施形態2
この実施形態は図4に示すものである。
図4はこの発明の熱交換器を適用したコンデンサの実施形態2の全体構成を示す。
図4において、コンデンサ(20)の下側サイドプレート(4)に、左右1対のアルミニウム製下側取付用ブラケット(9)が左右方向に間隔をおいて固定されている。両下側取付用ブラケット(9)の貫通穴(9a)の中心と、コンデンサ(1)の左右方向中心との距離は等しくなっている。
その他の構成は実施形態1のコンデンサ(1)と同様である。
ここで、コンデンサ(20)の左側ヘッダタンク(5)に入口側配管部材(11)および出口側配管部材(12)が固定され、右側ヘッダタンク(6)に受液器(7)が固定されているので、コルゲートフィン(3)を除いた質量が左右方向中心の左右両側で異なっている。しかしながら、上述した少なくとも1つのコルゲートフィン(3)における左右方向中心の左側および右側のうち前記質量が小さい側のフィンピッチが、同じく前記質量が大きい側のフィンピッチよりも狭くなっていることにより、左右両上側取付用ブラケット(8)における締結具が通される貫通穴(8a)の中心間の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケット(9)における締結具が通される貫通穴(9a)の中心間の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数、ここでは5の等長の線分L1、R1に分けた場合、コンデンサ(1)の全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している。したがって、左側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)の中心と前記重心との距離、および右側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)の中心と前記重心との距離が均一化される。その結果、取付用ブラケット(8)(9)を利用して自動車に固定した場合、左側の両取付用ブラケット(8)(9)と右側の両取付用ブラケット(8)(9)とにかかる荷重が均一化され、取付用ブラケット(8)(9)の耐久性が向上する。
実施形態3
この実施形態は図5に示すものである。
実施形態3
この実施形態は図5に示すものである。
図5はこの発明の熱交換器を適用したコンデンサの実施形態3の全体構成を示す。
図5において、コンデンサ(30)は、凝縮部(30A)と、凝縮部(30A)の下方に設けられた過冷却部(30B)とよりなり、幅方向を通風方向に向けるとともに長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(2)と、隣り合う熱交換管(2)どうしの間および上下両端の熱交換管(2)の外側に配置されて熱交換管(2)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(3)と、上下両端のコルゲートフィン(3)の外側に配置されてコルゲートフィン(3)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(4)と、長手方向を上下方向に向けた状態で左右両側に配置されかつ熱交換管(2)の左右両端部が接続された複数、ここでは3つのアルミニウム製ヘッダタンク(31)(32)(33)と、上側サイドプレート(4)に左右方向に間隔をおいて固定された左右1対の上側取付用ブラケット(8)と、下側サイドプレート(4)に左右方向に間隔をおいて固定された左右1対の下側取付用ブラケット(9)と、いずれか1つのヘッダタンクに接合されたアルミニウム製入口側配管部材(11)(熱交換器用部品)と、いずれか1つのヘッダタンクに接合されたアルミニウム製出口側配管部材(12)(熱交換器用部品)とを備えている。
コンデンサ(30)の凝縮部(30A)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2)からなる少なくとも2つ、ここでは2つの熱交換パス(P1)(P2)が設けられ、過冷却部(30B)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P3)が設けられている。凝縮部(30A)に設けられた熱交換パス(P1)(P2)が冷媒凝縮パスとなり、過冷却部(30B)に設けられた熱交換パス(P3)が冷媒過冷却パスとなっている。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)を構成する全ての熱交換管(2)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、全熱交換パス(P1)(P2)(P3)を上から順に第1〜第3熱交換パスというものとする。
図示は省略したが、全コルゲートフィン(3)における隣り合う波頂部間の間隔であるフィンピッチは、実施形態1のコンデンサ(1)のコルゲートフィン(3)と同様に、正面から見て左右方向中心の左側および右側において異なっている。
コンデンサ(30)の左端側には、凝縮部(30A)の第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(2)の左端部がろう付により接続された第1ヘッダタンク(31)と、凝縮部(30A)の第2熱交換パス(P2)の全熱交換管(2)の左端部、および過冷却部(30B)の第3熱交換パス(P3)の全熱交換管(2)の左端部がろう付により接続された第2ヘッダタンク(32)とが、第2ヘッダタンク(32)が左右方向外側に位置するように別個に設けられている。第2ヘッダタンク(32)の下端は第1ヘッダタンク(31)の下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンク(31)の下端よりも上方でかつ第1ヘッダタンク(31)の上端よりも下方に位置しており、第2ヘッダタンク(32)における第1ヘッダタンク(31)の下端よりも下方に位置する部分に、第2熱交換パス(P2)および第3熱交換パス(P2)の全熱交換管(2)が接続されている。第2ヘッダタンク(32)が、凝縮部(30A)から流入した冷媒を貯留して気相と液相とに分離するとともに、液相主体の冷媒を過冷却部(30B)に供給する受液器(7)を兼ねており、その内部には乾燥剤、フィルタなどが入れられている。
第1ヘッダタンク(31)における第2ヘッダタンク(32)の上端よりも上方に位置する部分に冷媒入口(図示略)が形成されており、アルミニウム製入口側配管部材(11)が冷媒入口と通じるように第1ヘッダタンク(31)に接合されている。
コンデンサ(1)の右端部側には、第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)の全熱交換管(2)の右端部がろう付により接続される第3ヘッダタンク(33)が配置されている。第3ヘッダタンク(33)内は、第2熱交換パス(P2)と第3熱交換パス(P3)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(13)により上下両タンク部(33a)(33b)に分割されており、上タンク部(33a)に第1および第2熱交換パス(P1)(P2)の熱交換管(2)が通じさせられ、下タンク部(33b)に第3熱交換パス(P3)の熱交換管(2)が通じさせられている。第3ヘッダタンク(33)の下タンク部(33b)に冷媒出口(図示略)が形成されており、アルミニウム製出口側配管部材(12)が冷媒出口と通じるように第3ヘッダタンク(33)に接合されている。
第1ヘッダタンク(31)、第2ヘッダタンク(32)および第3ヘッダタンク(33)の少なくとも一部の寸法は異なっている。
第2および第3熱交換パス(P2)(P3)の全熱交換管(2)の左側端部は第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(2)の左端部よりも左方に突出しており、第2熱交換パス(P2)の上端の熱交換管(2)を除いた各熱交換管(2)の上下両側に配置されたコルゲートフィン(3)の左端部は、第1熱交換パス(P1)の隣り合う熱交換管(2)どうしの間に配置されたコルゲートフィン(3)および第1熱交換パス(P1)の上下両端の熱交換管(2)の外側に配置されたコルゲートフィン(3)の左端部よりも左方に突出している。
両上側取付用ブラケット(8)の貫通穴(8a)の中心と、コンデンサ(1)の左右方向中心との距離、および両下側取付用ブラケット(9)の貫通穴(9a)の中心と、コンデンサ(1)の左右方向中心との距離は等しくなっている。
第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(2)の寸法、第2および第3熱交換パス(P2)(P3)の全熱交換管(2)の寸法、両上側取付用ブラケット(8)の寸法および両下側取付用ブラケット(9)の寸法は、寸法公差の範囲内において同一である。また、第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(2)の各部寸法と、第2および第3熱交換パス(P2)(P3)の全熱交換管(2)の各部寸法とは、長さを除いて寸法公差の範囲内において同一である。
ここで、第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(2)の長さが第2および第3熱交換パス(P2)(P3)の全熱交換管(2)の長さと異なっていること、第2熱交換パス(P2)の上端の熱交換管(2)を除いた各熱交換管(2)の上下両側に配置されたコルゲートフィン(3)の長さが第1熱交換パス(P1)の隣り合う熱交換管(2)どうしの間に配置されたコルゲートフィン(3)および第1熱交換パス(P1)の上下両端の熱交換管(2)の外側に配置されたコルゲートフィン(3)の長さと異なっていること、コンデンサ(1)の第1ヘッダタンク(31)、第2ヘッダタンク(32)および第3ヘッダタンク(33)の少なくとも一部の寸法が異なっていること、第2ヘッダタンク(32)が受液器(7)を兼ねていること、第1ヘッダタンク(31)に入口側配管部材(11)が固定されていること、第3ヘッダタンク(33)に出口側配管部材(12)が固定されていることに起因して、コルゲートフィン(3)を除いた質量が左右方向中心の左右両側で異なっている。しかしながら、上述した少なくとも1つのコルゲートフィン(3)における左右方向中心の左側および右側のうち前記質量が小さい側のフィンピッチが、同じく前記質量が大きい側のフィンピッチよりも狭くなっていることにより、左右両上側取付用ブラケット(8)における締結具が通される貫通穴(8a)の中心間の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケット(9)における締結具が通される貫通穴(9a)の中心間の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数、ここでは5の等長の線分L1、R1に分けた場合、コンデンサ(1)の全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している。したがって、左側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)の中心と前記重心との距離、および右側の上下2つの取付用ブラケット(8)(9)における締結具が通される貫通穴(8a)(9a)の中心と前記重心との距離が均一化される。その結果、取付用ブラケット(8)(9)を利用して自動車に固定した場合、左側の両取付用ブラケット(8)(9)と右側の両取付用ブラケット(8)(9)とにかかる荷重が均一化され、取付用ブラケット(8)(9)の耐久性が向上する。
コンデンサ(30)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして自動車に搭載される。
入口側配管部材(11)には圧縮機からの配管が接続され、出口側配管部材(12)には減圧器(膨張弁)への配管が接続される。入口側配管部材(11)および冷媒入口を通って第1ヘッダタンク(31)内に流入した冷媒は、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(2)内を右方に流れて第3ヘッダタンク(33)の上タンク部(33a)内に流入し、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(2)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(32)内に流入する。第2ヘッダタンク(32)内に流入した冷媒は気相と液相とに分離される。第2ヘッダタンク(32)内で分離されたに液相の冷媒は、第3熱交換パス(P3)の熱交換管(2)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(33)の下タンク部(33b)内に入り、冷媒出口および出口側配管部材(12)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
この発明による熱交換器は、カーエアコンを構成する冷凍サイクルのコンデンサとして好適に用いられる。
(1)(20)(30):コンデンサ(熱交換器)
(2):熱交換管
(3):コルゲートフィン
(3a):波頂部
(3b):波底部
(3c):連結部
(4):サイドプレート
(5)(6)(31)(32)(33):ヘッダタンク
(7):受液器(熱交換器用部品)
(8):上側取付用ブラケット
(8a):貫通穴
(9):下側取付用ブラケット
(9a):貫通穴
(11):入口側配管部材(熱交換器用部品)
(12):出口側配管部材(熱交換器用部品)
(2):熱交換管
(3):コルゲートフィン
(3a):波頂部
(3b):波底部
(3c):連結部
(4):サイドプレート
(5)(6)(31)(32)(33):ヘッダタンク
(7):受液器(熱交換器用部品)
(8):上側取付用ブラケット
(8a):貫通穴
(9):下側取付用ブラケット
(9a):貫通穴
(11):入口側配管部材(熱交換器用部品)
(12):出口側配管部材(熱交換器用部品)
Claims (3)
- 長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間および上下両端の熱交換管の外側に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンと、上下両端のコルゲートフィンの外側に配置されてコルゲートフィンにろう付されたサイドプレートと、長手方向を上下方向に向けた状態で左右両側に配置されかつ熱交換管の左右両端部が接続された複数のヘッダタンクと、ヘッダタンクにおける熱交換コア部の上下方向中心よりも上側部分、または上側サイドプレートに固定された左右1対の上側取付用ブラケットと、ヘッダタンクにおける熱交換コア部の上下方向中心よりも下側部分、または下側サイドプレートに固定された左右1対の下側取付用ブラケットとを備えており、全取付用ブラケットを利用して自動車に固定されるようになされている熱交換器において、
左右両上側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をL、左右両下側取付用ブラケットにおける自動車への固定部の左右方向の直線距離をRとし、前記LおよびRを、左右方向中央部の線分が正面から見て重複部分を有するように、3以上の奇数の等長の線分L1、R1に分けた場合、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置している熱交換器。 - 少なくとも1つのコルゲートフィンにおける隣り合う波頂部間の間隔であるフィンピッチを、正面から見て左右方向中心の左側および右側において変えることによって、全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置させられている請求項1記載の熱交換器。
- 左右1対のヘッダタンク、左右1対の上側取付用ブラケット、および左右1対の下側取付用ブラケットを備えており、左右方向中心の左側および右側のうち少なくともいずれか一方に、前記左右1対のヘッダタンク、前記左右1対の上側取付用ブラケット、および前記左右1対の下側取付用ブラケット以外の熱交換器用部品が配置され、コルゲートフィンを除いた質量が左右方向中心の左右両側で異なっており、少なくとも1つのコルゲートフィンにおける左右方向中心の左側および右側のうち前記質量が小さい側のフィンピッチが、同じく前記質量が大きい側のフィンピッチよりも狭くなっており、これにより全体の重心の位置が、正面から見て左右方向中央部の線分L1、R1の前記重複部分の範囲内に位置させられている請求項2記載の熱交換器。
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-
2015
- 2015-01-27 JP JP2015013123A patent/JP2016138690A/ja active Pending
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