JP2016138033A - 圧電磁器組成物、圧電素子および圧電振動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物、圧電素子及び圧電振動装置を提供する。【解決手段】 本発明の圧電磁器組成物は、一般式が、Pba(Yb2/3W1/3)x(Zn1/2W1/2)y(TizZr1−z)1−x−yO3で表され、x,y,z,aが、0.005≦x≦0.080.03≦y≦0.150.45≦z≦0.550.97≦a≦1.03を満足する複合ペロブスカイト型化合物を含んでいる。【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電磁器組成物およびこれを用いた圧電素子、圧電振動装置に関するものである。
従来からチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とした圧電磁器組成物が知られており、このPZT系圧電磁器組成物は耐熱性や経時変化に優れることから、例えば共振子や振動子、アクチュエータ、音響部品等に用いられている(例えば特許文献1を参照)。
特開平05−017218号公報
特許文献1の圧電磁器組成物は、電気機械結合係数及び耐熱性が高く、しかも共振周波数の温度係数の小さいものである。具体的には、電気機械結合係数kpが60.4%〜62.0%、耐熱温度が300℃〜310℃、共振周波数の温度係数が20ppm/℃〜30ppm/℃程度である。
ところが特許文献1の圧電磁器組成物は、誘電率εrが1090〜1190であることから、圧電定数d31は120pm/V〜140pm/Vと推定され、また機械的品質係数Qmは100〜140である。このような圧電磁器組成物で圧電体層が形成された圧電素子を例えば音響発生器などの圧電振動装置に用いた場合、圧電定数d31が小さいことから音圧が低く、また、機械的品質係数Qmが高いことから周波数−音圧特性においてピークとディップとの差が大きく音質が低下するおそれがある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物、圧電素子及び圧電振動装置を提供することを目的とする。
本発明の圧電磁器組成物は、一般式が、
Pb(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−y
で表され、a,x,y,zが、
0.97≦a≦1.03
0.005≦x≦0.08
0.03≦y≦0.15
0.45≦z≦0.55
を満足する複合ペロブスカイト型化合物を含むことを特徴とする。
また本発明の圧電素子は、上記の圧電磁器組成物からなる圧電体層と、内部電極層とが積層されてなることを特徴とする。
また本発明の圧電振動装置は、上記の圧電素子と、該圧電素子が取り付けられており、該圧電素子の振動によって振動する振動板とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物を実現することができる。
(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図、(b)は(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。 本実施形態の圧電振動装置の一例を示す概略斜視図である。
以下、本実施形態の圧電磁器組成物の一例について説明する。
本実施形態の圧電磁器組成物は、一般式が、Pb(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−yで表され、a,x,y,zが、0.97≦a≦1.03、0.005≦x≦0.08、0.03≦y≦0.15、0.45≦z≦0.55を満足する複合ペロブスカイト型化合物を含んでいる。
本実施形態の圧電磁器組成物における複合ペロブスカイト型化合物は、金属元素として少なくともPb、Yb、W、Zn、Ti、Zrを含むチタン酸ジルコン酸鉛系の材料であり、一般式を、Pb(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−yで表わすことができる。
ここで、後述する一部置換される場合を除いて、複合ペロブスカイト型化合物のAサイトであるPbにおいて、aが0.97≦a≦1.03の範囲外では圧電定数d31が低下し、圧電磁器組成物として十分な変位量が得られなくなる傾向がある。このような圧電磁器組成物を圧電振動装置として例えば音響発生器に用いた場合、音圧が低いことが予想される。したがって、0.97≦a≦1.03を満足する必要がある。
一方、この複合ペロブスカイト型化合物のBサイトである(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−yにおいて、xが0.005≦x≦0.08の範囲外では圧電定数d31が低下し、圧電磁器組成物として十分な変位量が得られなくなる傾向がある。また、yが0.03≦y≦0.15の範囲外でも圧電定数d31が低下し、圧電磁器組成物として十分な変位量が得られなくなる傾向がある。また、zが0.45≦z≦0.55の範囲外でも圧電定数d31が低下し、圧電磁器組成物として十分な変位量が得られなくなる傾向がある。これに加えてzが0.45≦z≦0.55の範囲外では、Qmが増大することで、周波数−音圧特性においてピークとディップとの差が大きくなり、音質が低下するおそれがある。したがって、0.005≦x≦0.08、0.03≦y≦0.15、0.45≦z≦0.55も満足する必要がある。
このように、a,x,y,zが、0.97≦a≦1.03、0.005≦x≦0.08、0.03≦y≦0.15、0.45≦z≦0.55を満足する複合ペロブスカイト型化合物を含んでいることで、圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物を実現することができる。
なお、圧電磁器組成物に含まれる金属元素の割合は、例えばICP分析や蛍光X線分析を用い、必要により原子吸光分析を併用して測定することができる。
本実施形態の圧電磁器組成物は、例えば、原料としてPbO、ZrO、TiO、Yb、ZnO、WOの各原料粉末を所定量秤量し、ボールミル等で10〜24時間湿式混合し、次いで、この混合物を乾燥した後、600〜800℃で1〜3時間仮焼し当
該仮焼物を再びボールミル等で粉砕する。その後、この粉砕物に有機バインダーを混合し、プレス成形、ドクターブレード法等の公知の成形法で成形体を作成し、これらを大気中において950〜1250℃で1〜3時間焼成することにより得られる。
ここで、本実施形態の圧電磁器組成物は、上記の複合ペロブスカイト型化合物100質量部に対して、副成分としてAl、Si、Naのうちの少なくとも一種を、0.001質量部≦Al≦0.3質量部、0.005質量部≦Si≦0.06質量部、0.01質量部≦Na≦0.2質量部の割合で含んでいてもよい。
Al量に関して、上記の複合ペロブスカイト型化合物100質量部以上0.3質量部以下の範囲内であれば、高温高湿下および冷熱サイクルでの圧電d定数の変動を抑制することができる。
また、Si量に関して、上記の複合ペロブスカイト型化合物100質量部に対して0.005質量部以上0.06質量部以下の範囲内であれば、高温高湿下での圧電d定数の変動を抑制することができる。
また、Na量に関して、上記の複合ペロブスカイト型化合物100質量部に対して0.01質量部以上0.2質量部以下の範囲内であれば、高温高湿下および冷熱サイクルでのでの圧電d定数の変動を抑制することができる。
なお、上記AlおよびNaは、少なくともその一部が、複合ペロブスカイト型化合物に固溶してもよい。例えば、Alが3価イオンとして複合ペロブスカイト型化合物のBサイトに固溶することで、酸素空孔が生じ焼結が促進する。また、Naが1価イオンとして複合ペロブスカイト型化合物のAサイトに固溶することで、酸素空孔が生じ焼結が促進する。このため、磁器の緻密化が向上して粒界からの水分の侵入を防止できるため、高温高湿下での圧電d定数の変動を抑制するのに効果的である。
また、Alが3価イオンとして固溶する、またはNaが1価イオンとして固溶することで酸素空孔が生じると、ドメインウォール(分域壁)にピン止め効果が働き、ドメインウォール(分域壁)の変動を抑制できるため、冷熱サイクルでの圧電d定数の変動を抑制するのに効果的である。
また、SiがSiOとして粒界で液相化することで、拡散速度が向上して焼結が促進する。よって、本実施形態の圧電磁器組成物により作製される圧電磁器の焼結性が向上し、粒界からの水分の侵入を防止できるため、高温高湿下での圧電d定数の変動を抑制するのに効果的である。
さらに、本実施形態の圧電磁器組成物は、上記の複合ペロブスカイト型化合物のAサイトであるPbの一部がBa、Sr、Caのうちの少なくとも一種で置換されており、その置換量の合計がモル比で0.16以下であってもよい。
この場合、圧電磁器組成物における複合ペロブスカイト型化合物は、一般式が、(Pba−b−c−dBaSrCa)(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−yで表され、このAサイトにおけるa、b、c、dについて、0.97≦a+b+c+d≦1.03を満足するものである。
Pbの一部をBa、Sr、Caのうちの少なくとも一種で置換することにより、結晶格子に歪を設けることができ、PZT系材料の分極反転を誘発し易くなる。よって、温度変化による共振周波数の変動を低減でき、かつ圧電特性を向上できる。Ba、Sr、Caの
置換量の合計がモル比で0.16を超えると圧電定数d31が低下し、圧電磁器組成物として十分な変位量が得られなくなる傾向がある。また、冷熱サイクルの共振周波数の変化率を低減する効果が得られ難くなる傾向がある。
上述の圧電磁器組成物は圧電素子に用いることができる。次に、本実施形態の圧電素子の一例について説明する。
図1(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図、図1(b)は図1(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。
本実施形態の圧電素子1は、上述の圧電磁器組成物からなる圧電体層11と、Agを90質量%以上含む導体からなる内部電極層12とが積層されてなるものである。より具体的には、複数の圧電体層11及び複数の内部電極12が積層された平面視矩形状の積層体13と、複数の内部電極12の一方の端部を一層おきに接続する接続電極14と、接続電極14によって複数の内部電極12と電気的に接続された表面電極15とを備えている。
積層体13は、平面(上面)から見た主面の形状が矩形状の板状体である。
積層体13を構成する複数の圧電体層11は、上述の圧電磁器組成物を用い、圧電体層11の1層の厚みは、低電圧で駆動させるために、例えば0.01〜0.1mmに設定される。
また、積層体13を構成する複数の内部電極12は、複数の圧電体層11と交互に積層されて圧電体層11を上下から挟んでおり、それらの間に挟まれた圧電体層11に駆動電圧を印加するものである。図1に示す複数の内部電極12は、交互に設けられた第1の内部電極121と第2の内部電極122とを含んでいる。これらの材料として、例えば低温焼成に適した銀や銀−パラジウムを主成分とする導体、あるいは銅、白金などを含む導体を用いることができるが、これらにセラミック成分やガラス成分を含有させてもよい。特に、低温焼成が可能となるように銀を90質量%以上含む導体からなるのが好ましい。
また、図1に示す積層体13は、第1の内部電極121と電気的に接続された第1の表面電極151と、第2の内部電極122と電気的に接続された第2の表面電極152とを含んでいる。表面電極15は積層体13の少なくとも一方主面に設けられていて、図1に示す例では、第1の表面電極151は積層体13の両主面に設けられ、第2の表面電極152は積層体13の一方主面(上側の主面)だけに設けられている。第1の表面電極151を主面に設けることで、積層体13の最外の圧電体層11を内部電極122と第1の表面電極151とで挟むことになり、最外の圧電体層11に駆動電圧を印加して圧電素子の振動に寄与させることができる。第1の表面電極151および第2の表面電極152の形成材料としては、銀や銀にシリカを主成分としたガラス等を含有させた銀化合物、ニッケルなどを用いることができる。
また、積層体13には、複数の内部電極12の一方の端部を一層おきに接続する接続電極14が設けられている。具体的には、第1の内部電極121および第1の表面電極151を電気的に接続する第1の接続電極141と、第2の内部電極122および第2の表面電極152を電気的に接続する第2の接続電極142とを含んでいる。図1では、積層体13の側面、より具体的には矩形板状の積層体13の対向する端面に第1の接続電極141、第2の接続電極142が設けられている。接続電極14の形成材料としては、表面電極15と同様の、銀や銀にシリカを主成分としたガラス等を含有させた銀化合物、ニッケルなどを用いることができる。
なお、図1では、表面電極15と内部電極12とを電気的に接続する接続電極14は、層体13の端面に形成された側面電極であるが、この側面電極にかえて、内部電極層12の一方の端部および圧電体層11を貫通する貫通導体であってもよい。このとき、第1の内部電極121と電気的に接続された貫通導体が第2の内部電極122と電気的に接続されないように、第2の内部電極122の他方の端部と積層体13の端面との間に所望の間隙があればよい。
また、圧電素子としては、本例のような積層構造のものに限られず、単層の圧電体の両主面に電極が設けられた構成のものでもよい。
圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物からなる圧電体層を備えた圧電素子1は、1000℃以下の低温焼成により低コスト化が可能で、かつ圧電特性の大きな圧電素子となる。また、大きな変位量および大きな発生力を有するものとすることができる。
上述の圧電素子は圧電振動装置に用いることができる。次に、本実施形態の圧電振動装置の一例について説明する。
図2は、本実施形態の圧電振動装置の一例を示す概略斜視図であり、本実施形態の圧電振動装置10は、上述の圧電素子1と、該圧電素子1が取り付けられており、該圧電素子1の振動によって振動する振動板2とを備えている。
圧電素子1は、電圧の印加を受けて振動することによって振動板2を励振する励振器であり、圧電素子1の主面と振動板2の主面とがエポキシ系樹脂等の接着剤、両面テープなどにより接合され、圧電素子1が屈曲振動することにより、圧電素子1が振動板に一定の振動を与えることができる。
振動板2は、圧電素子1の振動によって圧電素子1とともに振動するようになっている。
この振動板2は樹脂や金属等の種々の材料を用いて形成することができ、例えば厚さ10〜500μmのポリカーボネートやアクリル等の樹脂板、SUSや黄銅等の金属板、ガラス板で構成することができる。また、振動板2の形状は特に制限はなく、矩形板状などの多角形板状のもの以外に、円形板状や楕円形板状のものであってもよい。
このような圧電振動装置10は、振動板2を振動させるものであればその用途は限定されないが、例えば振動によって音を発生させる音響発生器として用いることができる。例えば、携帯端末等の電子機器に用いられてよく、携帯端末の筐体の一部またはディスプレイのカバーなどが振動板2として機能するようになっていてもよい。
本実施形態の圧電振動装置は、圧電d定数が大きく、かつ機械的品質係数Qmが低い圧電磁器組成物からなる圧電体層を備えた圧電素子1を用いて構成されていることから、特に音響発生器として用いた場合に、高音圧で高音質を有するものとすることができる。
以下、圧電素子の実施例について説明する。
本実施形態の圧電磁器組成物による圧電体を備えた圧電素子を以下のように作製した。
具体的には、原料粉末としてPbO、ZrO、TiO、Yb、ZnO、WO
の各原料粉末を、焼結体の各成分の割合が表1に示すように所定量秤量し、ZrOボールを用いたボールミルで湿式混合し、乾燥した後、700℃で3時間仮焼し、当該仮焼物を再びボールミルで粉砕する。その後、この粉砕物に有機バインダーを混合し、得られた粉末を1.5t/cmの圧力で直径16mm、厚さ2mmの寸法からなる円板にプレス成形した。更に、これらの成形体を700℃で3時間脱脂し、MgOからなる容器内に密閉し、大気中1050℃で3時間焼成した。
得られた焼結体を研磨して厚み1.0mmの円板を形成した。さらに、この円板をダイシングで切断し、長さ12mm、幅3mm、厚さ1mmの矩形板状の圧電体を得た。この圧電体の両主面にAgペーストを焼き付けることにより電極を形成し、80℃のシリコンオイル中で2.5kV/mmの直流電圧を10分間印加して分極処理して圧電素子を作製した。そして、この圧電素子について、圧電定数d31およびQmを評価した。
測定項目としては、aを矩形板状圧電素子の長辺方向の長さ、bを矩形板状圧電素子の
短辺方向の長さ、tを矩形板状圧電素子の厚み、ρを焼結体の密度、Cpを周波数1kHzに対する静電容量、Frを共振周波数、Faを反共振周波数、Rを共振抵抗とし、これらによって求められる圧電定数d31およびQmを評価した。
具体的には、a、b、tはマイクロメーターを用いて測定し、ρはアルキメデス法を用いて測定し、Cp、Fr、Fa、Rはインピーダンス/ゲインフェーズアナライザを用いて測定したうえで、a、b、t、ρ、Cp、Fr、Faの数値から求められる圧電定数d
31を評価した。また、Cp、Fr、Fa、Rの数値から求められる機械的品質係数Qmを評価した。
なお、d31[pm/V]は230以上の高い値となっているものを良好な結果であるとし、機械的品質係数Qmは60以下の低い値となっているものを良好な結果であるとした。その結果を表1および表2に示す。
あわせて、一部の試料については、高温高湿試験および冷熱サイクル試験を行った。具体的には、85℃、85%、耐久時間1000hの高温高湿試験、−55℃にて30min、105℃にて30min、1000サイクルの冷熱サイクル試験を行った。
また、共振周波数の温度変化の測定を行った。具体的には、高温高湿試験または、冷熱サイクル試験前の共振周波数をFrとし、試験後の共振周波数をFr´とする。共振周波数の温度変化△Fr[%]は△Fr=100*|Fr´−Fr|/Frで求めた。FrおよびFr´はインピーダンスアナライザーを用いて測定した。
これらの結果を表1および表2に示す。なお、評価結果において、測定していない項目はハイフンで表示した。また、Pbの置換についても置換されていないものについてはハイフンで表示した。また、Al、Si、Naについても含まれていないものについてはハイフンで表示した。
Figure 2016138033
Figure 2016138033
表1および表2によれば、本実施形態の圧電磁器組成物による圧電体を備えた圧電素子では、大きな圧電d定数、低い機械的品質係数Qmを実現することができることがわかる。
なお、複合ペロブスカイト型化合物100質量部に対して、Al、Si、Naのうちの少なくとも一種が、0.001質量部≦Al≦0.3質量部、0.005質量部≦Si≦0.06質量部、0.01質量部≦Na≦0.2質量部の割合の範囲外である場合には、高温高湿試験前後のd31の変化率△d31(1)、冷熱サイクル試験前後のd31の変化率△d31(2)が高くなる傾向があることが確認された。
また、Pbの一部がBa、Sr、Caのうちの少なくとも一種で置換されており、その置換量の合計がモル比で0.16を超えて置換された場合は、共振周波数の温度変化が0.1%を超えて高くなることが確認された。
1・・・圧電素子
11・・・圧電体層
12・・・内部電極層
121・・・第1の内部電極層
122・・・第2の内部電極層
13・・・積層体
14・・・接続電極
141・・・第1の接続電極
142・・・第2の接続電極
15・・・表面電極
151・・・第1の接続電極
152・・・第2の接続電極
2・・・振動板
10・・・圧電振動装置

Claims (5)

  1. 一般式が、
    Pb(Yb2/31/3(Zn1/21/2(TiZr1−z1−x−y
    で表され、a,x,y,zが、
    0.97≦a≦1.03
    0.005≦x≦0.08
    0.03≦y≦0.15
    0.45≦z≦0.55
    を満足する複合ペロブスカイト型化合物を含むことを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 前記複合ペロブスカイト型化合物100質量部に対して、Al、Si、Naのうちの少なくとも一種を、
    0.001質量部≦Al≦0.3質量部
    0.005質量部≦Si≦0.06質量部
    0.01質量部≦Na≦0.2質量部
    の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器組成物。
  3. 前記Pbの一部がBa、Sr、Caのうちの少なくとも一種で置換されており、その置換量の合計がモル比で0.16以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電磁器組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電磁器組成物からなる圧電体層と、内部電極層とが積層されてなることを特徴とする圧電素子。
  5. 請求項4に記載の圧電素子と、該圧電素子が取り付けられており、該圧電素子の振動によって振動する振動板とを備えていることを特徴とする圧電振動装置。
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