JP2016137447A - イオン状シリカ含有水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン状シリカ含有水を前段の逆浸透膜装置で処理し、その濃縮水を後段の逆浸透膜装置で再度処理する場合において、前段の逆浸透膜装置からの濃縮水のpH制御によらずに後段の逆浸透膜装置においてシリカの析出を抑制する。
【解決手段】イオン状シリカ含有水は、第1逆浸透膜装置20での処理によりイオン状シリカが分離された第1透過水と第1濃縮水とに分離される。添加装置40から平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを供給した第1濃縮水を第2逆浸透膜装置30で再度処理すると、イオン状シリカが分離された第2透過水とコロイダルシリカを含む第2濃縮水とに分離される。第2逆浸透膜装置30において第2濃縮水のイオン状シリカ濃度が過飽和状態になったとき、過飽和部分のイオン状シリカがコロイダルシリカを核として重合し、第2濃縮水のイオン状シリカ濃度が低下することから、第2逆浸透膜装置30でのシリカの析出が抑制される。
【選択図】図1
【解決手段】イオン状シリカ含有水は、第1逆浸透膜装置20での処理によりイオン状シリカが分離された第1透過水と第1濃縮水とに分離される。添加装置40から平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを供給した第1濃縮水を第2逆浸透膜装置30で再度処理すると、イオン状シリカが分離された第2透過水とコロイダルシリカを含む第2濃縮水とに分離される。第2逆浸透膜装置30において第2濃縮水のイオン状シリカ濃度が過飽和状態になったとき、過飽和部分のイオン状シリカがコロイダルシリカを核として重合し、第2濃縮水のイオン状シリカ濃度が低下することから、第2逆浸透膜装置30でのシリカの析出が抑制される。
【選択図】図1
Description
本発明は、イオン状シリカ含有水の処理方法、特に、イオン状シリカを含む水からイオン状シリカを分離するための処理方法に関する。
イオン状シリカを溶解成分として含む天然水、例えば、湖沼水、河川水または地下水を取水原とする水道水や工業用水を給水用や循環用の用水として用いるボイラやクーリングタワーは、用水と触れる箇所においてイオン状シリカの析出によるシリカスケールが生成し、これが熱交換等の諸機能を低下させる原因となる。そこで、ボイラやクーリングタワーにおいては、逆浸透膜装置を用いて上記取水原からの原水を処理することでイオン状シリカなどの溶解成分をはじめとする夾雑成分が除去された透過水とイオン状シリカなどの夾雑成分を含む濃縮水とに分離し、その透過水を用水として用いることがある。
ところが、逆浸透膜装置を用いて原水を処理すると、濃縮水においてイオン状シリカ濃度が高まることからイオン状シリカがシリカとして析出し、それが逆浸透膜装置の膜面におけるシリカスケールの生成やファウリング発生の原因となって逆浸透膜装置の機能低下をもたらす。そこで、逆浸透膜装置は、通常、回収率、すなわち、原水に対して得られる透過水の割合を抑えることで濃縮水のイオン状シリカ濃度が溶解度未満になるよう制御し、それによってシリカの析出を抑制している。しかし、回収率の抑制は、濃縮水量の増加をもたらし、結果的にその廃棄量を増加させることになって原水の利用効率を損なう。
そこで、逆浸透膜装置による原水の処理では、例えば特許文献1に記載のように、前段の逆浸透膜装置からの濃縮水を後段の逆浸透膜装置を用いて再度処理し、その透過水を原水に循環することで原水の利用効率を高める方法が検討されている。このように逆浸透膜装置を2段階で用いる処理方法は、前段の逆浸透膜装置の回収率を抑えることで当該逆浸透膜装置の機能低下を避けることができる。しかし、後段の逆浸透膜装置は、前段の逆浸透膜装置からの夾雑成分濃度が高まった濃縮水の処理を負担するため、シリカの析出によるシリカスケールの生成やファウリングが発生しやすく、短期間のうちに処理機能が低下する。
そこで、特許文献1に記載の方法は、前段の逆浸透膜装置からの濃縮水について、必要により酸を添加するなどしてpHを6以下に制御するとともにスケール分散剤等を添加し、後段の逆浸透膜装置でのシリカの析出を抑制している。
しかし、後段の逆浸透膜装置へ送る濃縮水のpHを6以下にすると、当該濃縮水や原水に溶存している炭酸イオン(CO3 2−)や重炭酸イオン(HCO3 −)が逆浸透膜を透過しやすい遊離炭酸(H2CO3)や溶解二酸化炭素(CO2.aq)に変換され、これらが後段の逆浸透膜装置からの透過水の水質低下を招く。このような透過水は、原水に循環して再利用されることから、原水の水質を低下させ、前段の逆浸透膜装置の負担を高めることになる。また、pH調整のための酸の添加やpHの監視が必要となることが多いため、煩雑であって不経済になりやすい。
本発明は、イオン状シリカを含む水を前段の逆浸透膜装置において処理し、その濃縮水を後段の逆浸透膜装置を用いて再度処理する処理方法において、前段の逆浸透膜装置からの濃縮水のpH制御によらずに後段の逆浸透膜装置においてシリカの析出を抑制できるようにするものである。
本発明は、イオン状シリカを含む水からイオン状シリカを分離するための処理方法に関するものであり、この処理方法は、イオン状シリカ含有水を第1逆浸透膜装置へ送って処理し、第1透過水と第1濃縮水とに分離する工程と、第1濃縮水を第2逆浸透膜装置において処理し、第2透過水と第2濃縮水とに分離する工程とを含み、第2濃縮水に対して平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを添加する。第1濃縮水は、例えば、pHが6を上回るものである。
この処理方法において、第1逆浸透膜装置によりイオン状シリカを含む水を処理することで得られる第1透過水は、イオン状シリカが分離されたものであることから所要の用水として用いられる。一方、第1逆浸透膜装置での処理による第1濃縮水は、第2逆浸透膜装置によりさらに処理することで一部が第2透過水となり、この第2透過水は、イオン状シリカが分離されたものであることから所要の用水として利用可能である。第2濃縮水は、上記平均粒径のコロイダルシリカを添加すると、第2逆浸透膜装置においてイオン状シリカがシリカとして析出しやすい過飽和状態になったとき、コロイダルシリカを核として過飽和部分のイオン状シリカが重合する。この結果、第2濃縮水においてイオン状シリカ濃度が低下し、第2逆浸透膜装置においてシリカの析出が抑制される。
この処理方法では、例えば、第1逆浸透膜装置へ送るイオン状シリカ含有水に対して第2透過水を循環して混合する。また、この処理方法では、通常、第1濃縮水の一部を第1逆浸透膜装置へ送るイオン状シリカ含有水に対して循環して混合するとともに、第2濃縮水の一部を第2逆浸透膜装置へ送る第1濃縮水に循環して混合する。
他の観点に係る本発明は、イオン状シリカを含む水からイオン状シリカを分離するための処理装置に関するものであり、イオン状シリカ含有水の送水経路と、送水経路からのイオン状シリカ含有水を処理して第1透過水と第2濃縮水とに分離するための第1逆浸透膜装置と、第1逆浸透膜装置からの第1濃縮水を処理して第2透過水と第2濃縮水とに分離するための第2逆浸透膜装置と、第2濃縮水に対して平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを添加するための添加装置とを備えている。
この処理装置において、第1逆浸透膜装置において送水経路からのイオン状シリカを含む水を処理することで得られる第1透過水は、イオン状シリカが分離されたものであることから所要の用水として用いられる。一方、第1逆浸透膜装置での処理による第1濃縮水は、第2逆浸透膜装置においてさらに処理することで一部が第2透過水となり、この第2透過水は、イオン状シリカが分離されたものであることから所要の用水として利用可能である。第2濃縮水は、添加装置から上記平均粒径のコロイダルシリカを添加すると、第2逆浸透膜装置においてイオン状シリカがシリカとして析出しやすい過飽和状態になったとき、添加されたコロイダルシリカを核として過飽和部分のイオン状シリカが重合する。この結果、第2濃縮水においてイオン状シリカ濃度が低下し、第2逆浸透膜装置においてシリカの析出が抑制される。
この処理装置は、例えば、第2透過水を送水経路へ循環するための水路をさらに備えている。また、この処理装置は、通常、送水経路からの水に第1濃縮水の一部を循環して混合するための循環経路と、第1逆浸透膜装置からの第1濃縮水に第2濃縮水を循環して混合するための循環経路とをさらに備えている。
本発明に係る処理方法および処理装置は、前段の第1逆浸透膜装置からの第1濃縮水を処理するための後段の第2逆浸透膜装置において、第1濃縮水のpH制御によらずにシリカの析出を抑制することができる。
図1を参照して、本発明の処理装置の一形態を説明する。図において、処理装置1は、湖沼水、河川水または地下水を取水原とする水道水や工業用水などの、溶存成分としてイオン状シリカを含む原水からイオン状シリカを分離し、ボイラへの給水や密閉式クーリングタワーの循環水として用いられる用水を調製するためのものであり、送水経路10、第1逆浸透膜装置20、第2逆浸透膜装置30および添加装置40を主に備えている。
送水経路10は、原水の供給源(図示省略)からの原水を第1逆浸透膜装置20に対して供給するための経路である。
第1逆浸透膜装置20は、送水経路10からの原水を処理するためのものであり、第1逆浸透膜モジュール211と第1ポンプ212とを備えている。第1逆浸透膜モジュール211は、単一または複数の逆浸透膜エレメント(図示省略)を備えたものであり、第1処理水路220および送水路230が連絡している。逆浸透膜エレメントを形成する逆浸透膜は、通常、孔径が0.5nm程度の微孔を全面に有しており、原水に含まれる分子量が数十程度の微細な夾雑成分の透過を阻止可能である。
第1ポンプ212は、送水経路10からの原水を加圧して第1逆浸透膜モジュール211へ送るためのものである。送水経路10からの原水は、この第1ポンプ212により逆浸透膜での浸透圧以上に加圧された状態で第1逆浸透膜モジュール211へ供給されることで処理され、一部が逆浸透膜エレメントを透過する。これにより、原水は、逆浸透膜エレメントにおいて、イオン状シリカ等の溶存成分をはじめとする夾雑成分が除去された第1透過水と、夾雑成分濃度が高まった第1濃縮水とに分離される。
第1処理水路220は、ボイラやクーリングタワーなどへの用水の供給部に対し、第1逆浸透膜モジュール211からの第1透過水を送るための経路である。送水路230は、第1逆浸透膜モジュール211において生成した第1濃縮水を第2逆浸透膜装置30へ送るための経路であり、第1逆浸透膜モジュール211側から第1循環経路231および第1制御弁232をこの順に備えている。
第1循環経路231は、第1逆浸透膜モジュール211からの第1濃縮水の一部を送水経路10へ循環させるためのものであり、送水路230から分岐するとともに第1調整弁233を有しており、第1ポンプ212の上流側において送水経路10に連絡している。第1調整弁233は、第1濃縮水の循環流量や第1逆浸透膜モジュール211内の圧力を調整するためのものである。
第1制御弁232は、第1逆浸透膜モジュール211から送水路230を通じて第2逆浸透膜装置30へ送られる第1濃縮水の流量を制御するためのものである。
第2逆浸透膜装置30は、送水路230からの第1濃縮水を処理するためのものであり、第2逆浸透膜モジュール311と第2ポンプ312とを備えている。第2逆浸透膜モジュール311は、第1逆浸透膜モジュール211と同様のものであり、第2処理水路320および排水路330が連絡している。
第2ポンプ312は、送水路230からの第1濃縮水を加圧して第2逆浸透膜モジュール311へ送るためのものである。送水路230からの第1濃縮水は、この第2ポンプ312により逆浸透膜での浸透圧以上に加圧された状態で第2逆浸透膜モジュール311へ供給されることで処理され、一部が逆浸透膜エレメントを透過する。これにより、第1濃縮水は、第2逆浸透膜モジュール311の逆浸透膜エレメントにおいて、イオン状シリカ等の溶存成分をはじめとする夾雑成分が除去された第2透過水と、夾雑成分濃度がさらに高まった第2濃縮水とに分離される。
第2処理水路320は、第2逆浸透膜モジュール311からの第2透過水を送水経路10へ循環するための経路であり、第1循環経路231の上流側において送水経路10に連絡している。排水路330は、第2逆浸透膜モジュール311において生成した第2濃縮水を当該モジュールから排出するための経路であり、第2逆浸透膜モジュール311側から第2循環経路331および第2制御弁332をこの順に備えている。
第2循環経路331は、第2逆浸透膜モジュール311からの第2濃縮水の一部を送水路230へ循環させるためのものであり、排水路330から分岐するとともに第2調整弁333を有しており、第2ポンプ312の上流側において送水路230に連絡している。第2調整弁333は、第2濃縮水の循環流量や第2逆浸透膜モジュール311内の圧力を調整するためのものである。
第2制御弁332は、第2逆浸透膜モジュール311から排水路330を通じて廃棄される第2濃縮水の流量を制御するためのものである。
添加装置40は、送水路230から第2逆浸透膜装置30へ送られる第1濃縮水に対し、シリカの析出抑制剤を供給するためのものであり、送水路230に対する第2循環経路331の連絡点の下流側であって、第2ポンプ312の上流側に設けられている。
ここで用いられる析出抑制剤は、BET法またはNaOH滴定法により測定した平均粒径が30nm未満、好ましくは15nm以下、特に好ましくは4〜6nmのコロイダルシリカ、すなわち、BET法またはNaOH滴定法により測定した平均粒径が30nm未満、好ましくは15nm以下、特に好ましくは4〜6nmのシリカ(SiO2)粒子を水中に分散状態で含む分散液である。なお、平均粒径が10nm以下のコロイダルシリカについては、測定精度の点でシアーズ法での測定値を参照するのが好ましい。コロイダルシリカにおいて、シリカの含有量は特に限定されるものではないが、通常はシリカ含有量が5〜50重量%程度のものが好ましい。
コロイダルシリカとしては、市販のものを使用することができる。例えば、日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」(シアーズ法により測定した平均粒径4〜6nm)、同社の商品名「スノーテックスST−30」(BET法により測定した平均粒径10〜15nm)、日揮触媒化成株式会社の商品名「カタロイドSI−550」(NaOH滴定法により測定した平均粒径4〜6nm)、同社の商品名「カタロイドSI−30」(NaOH滴定法により測定した平均粒径10〜14nm)、扶桑化学工業株式会社の商品名「クォートロンPL−1」(BET法により測定した平均一次粒径15nm)などを使用することができる。
次に、上述の処理装置1の動作を説明する。処理装置1において、供給源の原水は、第1ポンプ212により吸引されて送水経路10を流通し、逆浸透膜での浸透圧以上に加圧された状態で第1逆浸透膜モジュール211へ供給される。第1逆浸透膜モジュール211に供給された原水は、逆浸透膜により処理され、イオン状シリカ等の夾雑成分が分離された第1透過水と、夾雑成分の濃度が高まった第1濃縮水とに分離される。第1透過水は、第1処理水路220からボイラやクーリングタワーなどに対する用水の供給部へ送られる。一方、第1濃縮水は、第1逆浸透膜モジュール211へ供給される原水に圧されて送水路230へ流れる。送水路230へ流れた第1濃縮水は、一部が第1循環経路231へ流れ、送水経路10を流れる原水に合流する。また、送水路230へ流れた第1濃縮水の一部は、第1制御弁232を通じて第2逆浸透膜装置30へ送られる。
送水路230へ流れた第1濃縮水は、第2ポンプ312により吸引され、逆浸透膜での浸透圧以上に加圧された状態で第2逆浸透膜モジュール311へ供給される。第2逆浸透膜モジュール311に供給された第1濃縮水は、逆浸透膜により処理され、イオン状シリカ等の夾雑成分が分離された第2透過水と、夾雑成分の濃度がさらに高まった第2濃縮水とに分離される。第2透過水は、第2処理水路320へ流れ、送水経路10を流れる原水に合流する。このように、第2透過水は第1透過水を生産するための水源として再利用されることから、処理装置1は原水の利用効率を高めることができる。
一方、第2濃縮水は、第2逆浸透膜モジュール311へ供給される第1濃縮水に圧されて排水路330へ流れる。排水路330へ流れた第2濃縮水は、一部が第2循環経路331へ流れ、送水路230を流れる第1濃縮水に合流する。また、排水路330へ流れた第2濃縮水の一部は、第2循環経路331へ循環せずに第2制御弁332を通じて廃棄される。
このような処理装置1の運転中、第1逆浸透膜装置20は、第1制御弁232により第2逆浸透膜装置30へ送られる第1濃縮水の流量を制御するとともに第1循環経路231から送水経路10に循環する第1濃縮水の流量を第1調整弁233により調整することで第1透過水の流量(F2)を調整し、それによって回収率を調節することができる。回収率とは、送水経路10から第1逆浸透膜モジュール211へ供給される原水の流量(F1)に対する第1透過水の流量(F2)の割合(%)(すなわち、F2/F1×100)をいう。
第1逆浸透膜装置20において回収率を高めると、それに従って第1透過水量が増加し、原水の利用効率を高めることができるが、同時に第1濃縮水において夾雑成分濃度の上昇が不可避であることから、第1濃縮水において原水に由来のイオン状シリカ濃度が過飽和状態になり得る。この場合、第1濃縮水においてシリカが析出し、それが第1逆浸透膜モジュール211の膜面でのスケール生成やファウリングの原因となることから、第1逆浸透膜モジュール211では経時的に透過水量が減少する。また、回収率を高め過ぎると、濃縮倍率が高まることから、第1透過水の水質が悪化する。したがって、第1逆浸透膜装置20は、イオン状シリカ濃度が過飽和状態になるような高回収率を維持しながら長期間に亘って連続運転するのが困難である。
そこで、第1逆浸透膜装置20の運転では、第1濃縮水のイオン状シリカ濃度が過飽和状態にならないよう、回収率を抑制的に制御する。これにより、第1逆浸透膜モジュール211は、第1濃縮水においてシリカの析出が抑制され、膜面でのスケールやファウリングが生じにくくなり、良好な水質の第1透過水を長期間に亘って安定に生産することができる。
一方、第2逆浸透膜装置30は、第2制御弁332により第2濃縮水の廃棄量を制御するとともに第2循環経路331から送水路230に循環する第2濃縮水の流量を第2調整弁333により調整することで第2処理水路320から送水経路10へ流れる第2透過水の流量(F4)を調整し、それによって回収率を調節することができる。ここでの回収率とは、送水路230から第2逆浸透膜モジュール311へ供給される第1濃縮水の流量(F3)に対する第2透過水の流量(F4)の割合(%)(すなわち、F4/F3×100)をいう。
第2逆浸透膜装置30において回収率を高めると、それに従って排出路330から第2制御弁332を通じて廃棄する第2濃縮水の量を抑制することができるとともに、送水経路10へ循環させる第2透過水量が増加することから、処理装置1全体として原水の利用効率を高めることができるが、同時に第2濃縮水は、夾雑成分濃度の上昇が不可避であることから、原水に由来のイオン状シリカ濃度が過飽和状態になり得る。この場合、第2濃縮水においてシリカが析出し、それが第2逆浸透膜モジュール311の膜面でのスケール生成やファウリングの原因となることから、第2逆浸透膜モジュール311では経時的に第2透過水量が減少する。したがって、第2逆浸透膜装置30は、イオン状シリカ濃度が過飽和状態になるような高回収率を維持しながら長期間に亘って連続運転するのが困難であり、第1逆浸透膜装置20が安定に第1透過水を生産している間であっても第2逆浸透膜モジュール311において逆浸透膜エレメントの交換が必要になる。
そこで、送水路230から第2逆浸透膜装置30へ供給される第1濃縮水に対し、添加装置40から析出抑制剤を供給する。供給された析出抑制剤は、第1濃縮水とともに第2逆浸透膜モジュール311へ供給され、結果的に第2濃縮水中に添加されて留まることから、第2濃縮水での濃度が高まる。そして、第2濃縮水において過飽和部分のイオン状シリカは、析出抑制剤に含まれるコロイダルシリカを核として重合が進行する。これにより、第2濃縮水は、イオン状シリカ濃度が低下し、同濃度の過飽和状態が解消されることから、シリカの析出が抑制される。この結果、第2逆浸透膜装置30は、第2逆浸透膜モジュール311でのシリカスケールの生成やファウリングが抑えられ、第2逆浸透膜モジュール311からの第2透過水量が低下しにくくなることから、長期間に亘って安定的に連続運転することができる。
なお、コロイダルシリカは、その平均粒径が逆浸透膜の孔径よりも十分に大きく、また、逆浸透膜面上を流れる濃縮水のせん断力を受けやすいことから、それ自体、或いは、それを核としてイオン状シリカの重合が進行した場合においても、ファウリングの原因物質となりにくい。
析出抑制剤は、添加装置40から第1濃縮水への供給量を多くするのに従って第2濃縮水でのシリカの析出抑制効果を高めることができるが、通常、第2濃縮水おいて、シリカとしての濃度が50〜500mgSiO2/L程度になるように供給量を設定するのが好ましい。第2濃縮水での析出抑制剤のこのような濃度を達成可能であれば、析出抑制剤は、送水路230から第2逆浸透膜装置30へ流れる第1濃縮水に対して適宜供給することができる。すなわち、析出抑制剤は、添加装置40から第1濃縮水に対して少しずつ連続的に供給されてもよいし、同装置から比較的多量の一定量が断続的に供給されてもよい。また、第2逆浸透膜モジュール311において第2濃縮水のシリカ濃度を測定するためのセンサを設け、このセンサでのシリカ濃度の測定結果に基づいて添加装置40から第1濃縮水に対する析出抑制剤の供給を制御することもできる。
なお、析出抑制剤は、平均粒径が小さなコロイダルシリカを用いた場合、特に、平均粒径が4〜6nmのコロイダルシリカを用いた場合、第1濃縮水に対する供給量を抑えて効果的にシリカの析出を抑制可能である。
処理装置1において、送水路230から第2逆浸透膜装置30へ供給する第1濃縮水および第2逆浸透膜装置30の第2濃縮水は、pHの制御が不要である。すなわち、処理装置1は、特許文献1に記載の先行技術と異なり、第2逆浸透膜装置30での第2濃縮水のpHが6を上回るとき、典型的には同pHが6〜8程度の中性付近の場合であっても、第2濃縮水でのシリカの析出を効果的に抑制することができる。このため、第2濃縮水に溶存している炭酸イオンや重炭酸イオンは逆浸透膜を透過しやすい遊離炭酸や溶解二酸化炭素に変換されるのが抑えられ、処理装置1は第2透過水の水質を高めることができる。
また、処理装置1は、原水、第1濃縮水、第2濃縮水および第2透過水の温度調整が不要であり、これらの水が常温(5〜38℃程度)の状態で運転することができる。
さらに、処理装置1において、送水経路10から第1逆浸透膜装置20へ供給される原水および送水路230から第2逆浸透膜装置30へ供給される第1濃縮水は、例えば、硬度分によるスケールの抑制、菌類の繁殖抑制またはスライムの生成抑制などの目的のため、スケール抑制剤、殺菌剤またはスライム抑制剤などの薬剤を適宜供給することもできる。添加装置40から第1濃縮水に供給するシリカの析出抑制剤はこれらの他の薬剤と反応しにくいことから、同析出抑制剤および他の薬剤は、それぞれ安定に独立して機能し得る。なお、シリカの析出抑制剤は、他の薬剤が混合された複合剤であってもよい。
上述の実施の形態の処理装置1では、送水路230に添加装置40を設け、送水路230から第2逆浸透膜装置30へ送られる第1濃縮水に対してシリカの析出抑制剤を供給することで第2濃縮水に対してシリカの析出抑制剤を添加しているが、添加装置40は処理装置1の他の部位に配置することもできる。例えば、第2循環経路331に添加装置40を配置し、第2循環経路331を循環する第2濃縮水に対して析出抑制剤を供給するよう変更することができる。この場合、第2濃縮水に供給された析出抑制剤は、第2濃縮水が送水路230から第2逆浸透膜装置30へ送られる第1濃縮水に合流することで、第2逆浸透膜装置30の第2濃縮水に添加されることになる。また、送水経路10に添加装置40を配置し、第1逆浸透膜装置20へ送られる原水に対して析出抑制剤を供給するよう変更することもできる。この場合、原水に供給された析出抑制剤は、第1逆浸透膜装置20において原水が第1透過水と第1濃縮水とに分離されたときに第1濃縮水側に留まり、この第1濃縮水が送水路230を通じて第2逆浸透膜装置30へ送られることから、結果的に第2逆浸透膜装置30において第2濃縮水に対して添加されることになる。第1逆浸透膜装置20へ送られる原水に対して析出抑制剤を供給する場合、添加装置40の設置部位は、第1循環経路231または第2処理水路320に変更することができる。第1循環経路231に添加装置40を配置したとき、析出抑制剤は、循環する第1濃縮水に対して供給されることになり、この第1濃縮水が送水経路10を流れる原水に合流することで原水に対して供給される。一方、第2処理水路320に添加装置40を配置したとき、析出抑制剤は、循環する第2透過水に対して供給されることになり、この第2透過水が送水経路10を流れる原水に合流することで原水に対して供給される。
また、上述の実施の形態の処理装置1では、原水の利用効率を高めるために第2透過水を第2処理水路320から送水経路10へ循環させているが、第2透過水は、送水経路10へ循環させず、その水質に応じて所要の用水として用いることもできる。
[実験例]
実験例1
図2に示す処理装置の試験装置500を作成し、この試験装置500を用いて8種類のモデル原水(モデル原水A〜Hの8種類)を個別に処理した。試験装置および各モデル原水の仕様は次の通りである。
実験例1
図2に示す処理装置の試験装置500を作成し、この試験装置500を用いて8種類のモデル原水(モデル原水A〜Hの8種類)を個別に処理した。試験装置および各モデル原水の仕様は次の通りである。
<試験装置>
試験装置500は、モデル原水の送水経路510および逆浸透膜装置520を備えている。逆浸透膜装置520は、送水経路510からのモデル原水を処理するためのものであり、逆浸透膜モジュール521とポンプ522とを備えている。逆浸透膜モジュール521は、東レ株式会社の逆浸透膜(商品名「TMG10」)を5.0cm×2.8cmの大きさに切り取り、これをセルホルダに挟み込むことで作成したものであり、処理水路523および排水路524が連絡している。ポンプ522は、送水経路510からのモデル原水を加圧して逆浸透膜モジュール521へ供給するためのものである。
試験装置500は、モデル原水の送水経路510および逆浸透膜装置520を備えている。逆浸透膜装置520は、送水経路510からのモデル原水を処理するためのものであり、逆浸透膜モジュール521とポンプ522とを備えている。逆浸透膜モジュール521は、東レ株式会社の逆浸透膜(商品名「TMG10」)を5.0cm×2.8cmの大きさに切り取り、これをセルホルダに挟み込むことで作成したものであり、処理水路523および排水路524が連絡している。ポンプ522は、送水経路510からのモデル原水を加圧して逆浸透膜モジュール521へ供給するためのものである。
処理水路523は、逆浸透膜モジュール521からの透過水を排出するための経路である。排水路524は、逆浸透膜モジュール521において生成した濃縮水を当該モジュールから排出するための経路であり、逆浸透膜モジュール521側から循環経路525および排水制御弁526をこの順に備えている。循環経路525は、逆浸透膜モジュール521からの濃縮水の一部を送水経路510へ循環させるためのものであり、排水路524から分岐するとともに調整弁527を有しており、ポンプ522の上流側において送水経路510に連絡している。排水制御弁526は、逆浸透膜モジュール521から排水路524を通じて廃棄される濃縮水の流量を制御するためのものである。
試験装置500は、濃縮水の循環系(図2に示した逆浸透膜モジュール521の薄墨部分、逆浸透膜モジュール521から循環経路525の分岐部までの排水路524部分、循環経路525、および、循環経路525の連絡部から逆浸透膜モジュール521までの送水経路510部分)の保有水量が約250mLになるようセルホルダおよび各流路のサイズを設定した。また、ポンプ522としてダイアフラムポンプを用いた。
<モデル原水>
モデル原水A:
15Lのイオン交換水にイオン状シリカ源としてのメタ珪酸ナトリウム九水和物5,684.0mgと緩衝剤としての炭酸水素ナトリウム1,008.1mgとを添加して溶解し、イオン状シリカ含有水を調製した。このイオン状シリカ含有水におけるイオン状シリカ濃度は80mgSiO2/Lになる。得られたイオン状シリカ含有水に10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整し、モデル原水Aとした。
モデル原水B:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水C:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水D:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が200mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水E:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水F:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水G:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が70〜100nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−ZL」)をシリカ換算濃度が200mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水H:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が70〜100nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−ZL」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水A:
15Lのイオン交換水にイオン状シリカ源としてのメタ珪酸ナトリウム九水和物5,684.0mgと緩衝剤としての炭酸水素ナトリウム1,008.1mgとを添加して溶解し、イオン状シリカ含有水を調製した。このイオン状シリカ含有水におけるイオン状シリカ濃度は80mgSiO2/Lになる。得られたイオン状シリカ含有水に10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整し、モデル原水Aとした。
モデル原水B:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水C:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水D:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が200mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水E:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを6.3に調整したもの。
モデル原水F:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−30」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水G:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が70〜100nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−ZL」)をシリカ換算濃度が200mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
モデル原水H:
モデル原水Aの調製時に調製したイオン状シリカ含有水に平均粒径(BET法)が70〜100nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−ZL」)をシリカ換算濃度が20mgSiO2/Lになるよう添加後、pH調整剤としての10%塩酸を添加することでpHを7.3に調整したもの。
試験装置500によるモデル原水の処理では、ポンプ522により平均0.7MPaとなるように循環水(供給源からの原水および循環経路525を循環する濃縮水が混合された水)を昇圧し、約300mL/分の流速で循環水を逆浸透膜モジュール521に送った。また、排水制御弁526の制御により回収率を80%(5倍濃縮)に設定した。この場合、モデル原水の供給量は約1.00mL/分であり、また、透過水の初期流量は約0.80mL/分、濃縮水の初期排水流量は約0.20mL/分となる。さらに、濃縮水のpHは、pHを6.3に調製したモデル原水については7.3に、また、pHを7.3に調製したモデル原水については8.3になる。
試験装置500を用いたモデル原水の処理を濃縮水の温度が30℃になる環境で実行し、透過水の経時的な流量変化を調べた結果を図3に示す。なお、5倍濃縮された濃縮水でのイオン状シリカ濃度(400mgSiO2/L)は、濃縮水の温度が30℃の場合のイオン状シリカの溶解度が約140mgSiO2/L(pH7.3)、或いは、約180mgSiO2/L(pH8.3)であることから過飽和状態である。
図3において、縦軸の対初期流量比は、透過水の初期流量(約0.8mL/分)に対する測定時点での透過水の流量の比である。図3において、各モデル原水の対初期流量比が経時的に低下しているのは、シリカの析出により逆浸透膜モジュール521の逆浸透膜にスケールまたはファウリングが生じたことによるものである。平均粒径が4〜15nmのコロイダルシリカを添加したモデル原水B〜Fは、濃縮水のpHが6を超えているにもかかわらず、コロイダルシリカを添加していないモデル原水Aおよび平均粒径が大きなコロイダルシリカを添加したモデル原水G、Hに比べて対初期流量比の低下が抑えられていることから、シリカの析出が抑えられていることがわかる。特に、モデル原水B、Cの結果によると、平均粒径が4〜6nmのコロイダルシリカは、原水に対する少量の添加で濃縮水でのシリカの析出を効果的に抑制可能である。
実験例2
実験例1において調製したモデル原水A〜Hの8種類について、常温(25℃:同温度でのイオン状シリカの溶解度は約140mgSiO2/L(pH6.3)、或いは、約130mgSiO2/L(pH7.3)である。)下での調製直後および調製から常温下で1週間経過時のイオン状シリカ濃度および全シリカ濃度を測定した。イオン状シリカ濃度は、JIS K 0101 (1998)「工業用水試験方法」に規定されたモリブデン黄吸光光度法に従って測定した。また、全シリカ濃度は、ICP発光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンスの商品名「SPS7800」)を用いて測定した。結果を表1に示す。
実験例1において調製したモデル原水A〜Hの8種類について、常温(25℃:同温度でのイオン状シリカの溶解度は約140mgSiO2/L(pH6.3)、或いは、約130mgSiO2/L(pH7.3)である。)下での調製直後および調製から常温下で1週間経過時のイオン状シリカ濃度および全シリカ濃度を測定した。イオン状シリカ濃度は、JIS K 0101 (1998)「工業用水試験方法」に規定されたモリブデン黄吸光光度法に従って測定した。また、全シリカ濃度は、ICP発光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンスの商品名「SPS7800」)を用いて測定した。結果を表1に示す。
表1において、各モデル原水についての全シリカ濃度とイオン状シリカ濃度との差(全シリカ濃度−イオン状シリカ濃度)は、各モデル原水に含まれるコロイダルシリカ濃度に略相当している。表1によると、各モデル原水は、イオン状シリカ濃度および全シリカ濃度のいずれもが、調製直後と1週間後とで実質的に変動していない。モデル原水B〜Hは、イオン状シリカ濃度が飽和濃度に達していないことから、イオン状シリカとコロイダルシリカとが反応していないことがわかる。
実験例3
(実験例3A)
メタ珪酸ナトリウム九水和物532.9mgと、緩衝成分としての炭酸水素ナトリウム420mgとをイオン交換水250mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が450mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約8.3となるように10%塩酸0.35mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」:20重量%水溶液)の所定量(シリカ量(mgSiO2/L)換算)を即座に添加し、水溶液のイオン状シリカ濃度を実験例2と同じくモリブデン黄吸光光度法により経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図4に示す。図4において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
(実験例3A)
メタ珪酸ナトリウム九水和物532.9mgと、緩衝成分としての炭酸水素ナトリウム420mgとをイオン交換水250mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が450mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約8.3となるように10%塩酸0.35mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、平均粒径(シアーズ法)が4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社の商品名「スノーテックスST−XS」:20重量%水溶液)の所定量(シリカ量(mgSiO2/L)換算)を即座に添加し、水溶液のイオン状シリカ濃度を実験例2と同じくモリブデン黄吸光光度法により経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図4に示す。図4において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
(実験例3B)
メタ珪酸ナトリウム九水和物532.9mgと、緩衝成分としてのクエン酸三ナトリウム二水和物500mgとをイオン交換水250mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が450mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約6.5となるように10%塩酸0.35mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、実験例3Aで用いたものと同じコロイダルシリカを実験例3Aと同様に添加し、実験例3Aと同様に水溶液のイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図5に示す。図5において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
メタ珪酸ナトリウム九水和物532.9mgと、緩衝成分としてのクエン酸三ナトリウム二水和物500mgとをイオン交換水250mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が450mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約6.5となるように10%塩酸0.35mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、実験例3Aで用いたものと同じコロイダルシリカを実験例3Aと同様に添加し、実験例3Aと同様に水溶液のイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図5に示す。図5において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
(実験例3C)
メタ珪酸ナトリウム九水和物592.1mgと、緩衝成分としての炭酸水素ナトリウム840.1mgとをイオン交換水500mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が250mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約8.3となるように10%塩酸0.20mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、実験例3Aで用いたものと同じコロイダルシリカを実験例3Aと同様に添加し、実験例3Aと同様に水溶液のイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図6に示す。図6において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
メタ珪酸ナトリウム九水和物592.1mgと、緩衝成分としての炭酸水素ナトリウム840.1mgとをイオン交換水500mLに添加して完全に溶解し、イオン状シリカ濃度が250mgSiO2/Lの水溶液(イオン状シリカの過飽和水溶液)を調製した。そして、この水溶液60mLをポリプロピレン製の容器に量り取ってスターラーで攪拌し、最終pHが約8.3となるように10%塩酸0.20mLを添加した。10%塩酸の添加完了後、実験例3Aで用いたものと同じコロイダルシリカを実験例3Aと同様に添加し、実験例3Aと同様に水溶液のイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。また、コロイダルシリカを添加していない水溶液について、同様にイオン状シリカ濃度を経時的に測定した。測定の間、水溶液の温度は25℃に維持した。結果を図6に示す。図6において、横軸の反応時間(分)は、調製した水溶液に対して10%塩酸の添加が完了した時点を0としている。
(実験例3の評価)
図4から図6によると、実験例3Aから3Cは、いずれも、コロイダルシリカを添加することでイオン状シリカ濃度が経時的に低下し、また、同濃度はコロイダルシリカの添加量が多くなるほど経時的な低下量が大きくなることから、水溶液中のイオン状シリカはコロイダルシリカと反応しているものと考えられる。この反応は、水溶液のイオン状シリカ濃度が高い程、また、水溶液のpHが高い程、高速で進行していることが分かる。
図4から図6によると、実験例3Aから3Cは、いずれも、コロイダルシリカを添加することでイオン状シリカ濃度が経時的に低下し、また、同濃度はコロイダルシリカの添加量が多くなるほど経時的な低下量が大きくなることから、水溶液中のイオン状シリカはコロイダルシリカと反応しているものと考えられる。この反応は、水溶液のイオン状シリカ濃度が高い程、また、水溶液のpHが高い程、高速で進行していることが分かる。
さらに、実験例3Aから3Cのいずれにおいてもイオン状シリカ濃度の低下はイオン状シリカの溶解度に向かって漸近していることから、水溶液中の過飽和部分のイオン状シリカのみが添加したコロイダルシリカと反応しているものと推察される。なお、コロイダルシリカを添加していない水溶液についてもイオン状シリカ濃度が徐々に低下しているが、これは過飽和部分のイオン状シリカ間の反応(重合)によるものと考えられる。
[試算例]
上述の実施の形態に係る処理装置1を用い、イオン状シリカ濃度が20mgSiO2/Lでありかつ電気伝導率(EC)が200μS/cmの原水を送水経路10へ供給して処理することで10t/時で第1透過水を生産する場合を想定し、下記の条件で処理装置1を運転したときに同装置の全体で物質収支が合うよう原水の利用効率(原水の供給量に対する第1透過水の生産量の割合)を試算した。
上述の実施の形態に係る処理装置1を用い、イオン状シリカ濃度が20mgSiO2/Lでありかつ電気伝導率(EC)が200μS/cmの原水を送水経路10へ供給して処理することで10t/時で第1透過水を生産する場合を想定し、下記の条件で処理装置1を運転したときに同装置の全体で物質収支が合うよう原水の利用効率(原水の供給量に対する第1透過水の生産量の割合)を試算した。
第1逆浸透膜装置20の能力
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
第2逆浸透膜装置30の能力
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
第1逆浸透膜装置20で設定する回収率:85.0%(6.7倍濃縮)
第2逆浸透膜装置30で設定する回収率:72.0%(3.6倍濃縮)
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
第2逆浸透膜装置30の能力
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
第1逆浸透膜装置20で設定する回収率:85.0%(6.7倍濃縮)
第2逆浸透膜装置30で設定する回収率:72.0%(3.6倍濃縮)
上記条件で試算した、処理装置1の各部での水質および流量は次の通りである。
(原水)
電気伝導率:200.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:20.0mgSiO2/L
送水経路10への原水の供給量:10.5t/時
(第1透過水)
電気伝導率:2.4μS/cm
イオン状シリカ濃度:0.59mgSiO2/L
生産量:10t/時
(第1濃縮水)
電気伝導率:1,182.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:117.1mgSiO2/L
第2逆浸透膜装置30への流量:1.8t/時
(第2透過水)
電気伝導率:8.4μS/cm
イオン状シリカ濃度:2.06mgSiO2/L
送水経路10への循環流量:1.27t/時
(第2濃縮水)
電気伝導率:4,199.8μS/cm
イオン状シリカ濃度:412.9mgSiO2/L
廃棄量:0.49t/時
(送水経路10を流れる原水に対して第2処理水路320からの第2透過水が混合された水)
電気伝導率:179.3μS/cm
イオン状シリカ濃度:18.1mgSiO2/L
流量:11.8t/時
(原水)
電気伝導率:200.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:20.0mgSiO2/L
送水経路10への原水の供給量:10.5t/時
(第1透過水)
電気伝導率:2.4μS/cm
イオン状シリカ濃度:0.59mgSiO2/L
生産量:10t/時
(第1濃縮水)
電気伝導率:1,182.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:117.1mgSiO2/L
第2逆浸透膜装置30への流量:1.8t/時
(第2透過水)
電気伝導率:8.4μS/cm
イオン状シリカ濃度:2.06mgSiO2/L
送水経路10への循環流量:1.27t/時
(第2濃縮水)
電気伝導率:4,199.8μS/cm
イオン状シリカ濃度:412.9mgSiO2/L
廃棄量:0.49t/時
(送水経路10を流れる原水に対して第2処理水路320からの第2透過水が混合された水)
電気伝導率:179.3μS/cm
イオン状シリカ濃度:18.1mgSiO2/L
流量:11.8t/時
試算結果によると、送水経路10に対して10.5t/時で原水を供給することになり、第2濃縮水の廃棄量が0.49t/時になることから、処理装置1における原水の利用効率は95.3%である。
なお、上記条件による処理装置1の運転では、第1濃縮水のイオン状シリカ濃度がイオン状シリカの飽和濃度(120mgSiO2/L(pH7.0):20℃)以下になることから、第1逆浸透膜装置20は第1濃縮水に対してシリカスケールの分散剤やpH調整剤を添加せずに運転可能である。一方、第2濃縮水のイオン状シリカ濃度は上記飽和濃度を大きく超える大過飽和状態(412.9mgSiO2/L)になることから、第2逆浸透膜装置30を長期間に亘って安定に運転するためには、第2循環経路331からの第2濃縮水が混合された第1濃縮水に対し、添加装置40からシリカの析出抑制剤を添加する必要がある。
[参考試算例]
実験例1で用いた試験装置500(図2)を用い、試算例と同じくイオン状シリカ濃度が20mgSiO2/Lでありかつ電気伝導率(EC)が200μS/cmの原水を送水経路10へ供給して処理することで10t/時で透過水を生産する場合を想定し、下記の条件で試験装置500を運転したときに同装置の全体で物質収支が合うよう原水の利用効率(原水の供給量に対する透過水の生産量の割合)を試算した。
実験例1で用いた試験装置500(図2)を用い、試算例と同じくイオン状シリカ濃度が20mgSiO2/Lでありかつ電気伝導率(EC)が200μS/cmの原水を送水経路10へ供給して処理することで10t/時で透過水を生産する場合を想定し、下記の条件で試験装置500を運転したときに同装置の全体で物質収支が合うよう原水の利用効率(原水の供給量に対する透過水の生産量の割合)を試算した。
逆浸透膜装置520の能力
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
逆浸透膜装置520で設定する回収率:84.0%(6.3倍濃縮)
イオン状シリカ除去率:99.5%
電気伝導率に関わる夾雑成分の除去率:99.8%
逆浸透膜装置520で設定する回収率:84.0%(6.3倍濃縮)
上記条件で試算した、試験装置500の各部での水質および流量は次の通りである。なお、逆浸透膜装置520で設定する上記回収率によると、濃縮水のイオン状シリカ濃度がイオン状シリカの飽和濃度(120mgSiO2/L(pH7.0):20℃)を若干上回るようになる。
(原水)
電気伝導率:200.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:20.0mgSiO2/L
送水経路10への供給量:11.9t/時
(透過水)
電気伝導率:2.5μS/cm
イオン状シリカ濃度:0.61mgSiO2/L
生産量:10t/時
(濃縮水)
電気伝導率:1,237.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:121.8mgSiO2/L
廃棄量:1.9t/時
(原水)
電気伝導率:200.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:20.0mgSiO2/L
送水経路10への供給量:11.9t/時
(透過水)
電気伝導率:2.5μS/cm
イオン状シリカ濃度:0.61mgSiO2/L
生産量:10t/時
(濃縮水)
電気伝導率:1,237.0μS/cm
イオン状シリカ濃度:121.8mgSiO2/L
廃棄量:1.9t/時
試算結果によると、送水経路510に対して11.9t/時で原水を供給することになり、濃縮水の廃棄量が1.9t/時になることから、試験装置500における原水の利用効率は84.0%であり、16.0%の原水を濃縮水として廃棄する必要がある。
1 処理装置
10 送水経路
20 第1逆浸透膜装置
30 第2逆浸透膜装置
40 添加装置
320 第2処理水路
10 送水経路
20 第1逆浸透膜装置
30 第2逆浸透膜装置
40 添加装置
320 第2処理水路
Claims (5)
- イオン状シリカを含む水から前記イオン状シリカを分離するための処理方法であって、
前記水を第1逆浸透膜装置へ送って処理し、第1透過水と第1濃縮水とに分離する工程と、
前記第1濃縮水を第2逆浸透膜装置において処理し、第2透過水と第2濃縮水とに分離する工程とを含み、
前記第2濃縮水に対して平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを添加する、
イオン状シリカ含有水の処理方法。 - 前記第1濃縮水のpHが6を上回る、請求項1に記載のイオン状シリカ含有水の処理方法。
- 前記第1逆浸透膜装置へ送る前記水に対して前記第2透過水を循環して混合する、請求項1または2に記載のイオン状シリカ含有水の処理方法。
- イオン状シリカを含む水から前記イオン状シリカを分離するための処理装置であって、
前記水の送水経路と、
前記送水経路からの前記水を処理して第1透過水と第1濃縮水とに分離するための第1逆浸透膜装置と、
前記第1逆浸透膜装置からの前記第1濃縮水を処理して第2透過水と第2濃縮水とに分離するための第2逆浸透膜装置と、
前記第2濃縮水に対して平均粒径が30nm未満のコロイダルシリカを添加するための添加装置と、
を備えたイオン状シリカ含有水の処理装置。 - 前記第2透過水を前記送水経路へ循環するための水路をさらに備えている、請求項4に記載のイオン状シリカ含有水の処理装置。
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JP2015013785A JP2016137447A (ja) | 2015-01-27 | 2015-01-27 | イオン状シリカ含有水の処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-01-27 JP JP2015013785A patent/JP2016137447A/ja active Pending
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