JP2016135659A - 飛行体 - Google Patents

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    • G05D1/102Simultaneous control of position or course in three dimensions specially adapted for aircraft specially adapted for vertical take-off of aircraft

Abstract

【課題】狭所作業や外界との接触等といった、高い機動性を必要とする運動を実現できる飛行体を提供する。
【解決手段】鉛直線Nの周囲に配置された6枚のロータ11〜16と、6枚のロータ11〜16の回転数をそれぞれ独立して制御可能な制御部と、を備え、6枚のロータ11〜16は、鉛直線Nに対して鋭角に傾斜する回転軸線A1〜A6をそれぞれ有しており、6枚のロータ11〜16の回転面は、同一平面上には配置されていない。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の回転翼を有する飛行体に関する。
メインロータとテールロータを備える従来の回転翼機(ヘリコプタ)では、ロータの回転数や仰角などの複数の制御入力がそれぞれ連成しているため、制御モデルが複雑であり、制御が困難であった。特許文献1に記載されるように、モデル化を容易にした構造として、マルチロータ機が知られている。このマルチロータ機では、回転面が同一平面上に配置された4枚から10枚のロータが設けられている。
また、非特許文献1に記載された飛行体では、機体の中心を通る同一平面上に6枚のロータの中心が位置するよう、ロータが配置されている。非特許文献1に記載された別の形態では、機体の中心の上と下を通る平行な2つの平面のそれぞれに3枚のロータの中心が位置するよう、ロータが配置されている。非特許文献1に記載された各種の飛行体では、互いに直交する3つの平面のそれぞれに、一対のロータ(すなわち2枚のロータ)の回転面が位置している。
米国特許第2011/0017865号明細書
Bill Crowther, Alexander Lanzon,Martin Maya-Gonzalez, and David Langkamp, University of Manchester, KinematicAnalysis and Control Design for a Nonplanar Multirotor Vehicle, Journal ofGuidance, Control, and Dynamics, Vol. 34, No. 4, 1157-1171, July-August 2011
特許文献1に記載されたマルチロータ機では、姿勢制御の容易性という観点では改良が図られているものの、姿勢と並進方向の変動が連成しているという問題は未解決であった。すなわち、従来の回転翼機では、姿勢と並進方向の移動とを独立に制御することは難しく、並進移動を行うためには姿勢を変動させなければならない。また、姿勢を変動させることが目的であっても、姿勢を変動させると並進方向の移動が生じてしまっていた。そのため、飛行体が狭所で移動する際に、移動に伴って意図しない姿勢変動が生じ、飛行体が障害物と衝突するおそれがあった。また、飛行体に搭載されたロボットが外界の構造物等との接触を伴う作業を行う際に、その構造物から受ける反力によって、飛行体が安定した飛行を維持できなくなるおそれがあった。非特許文献1に記載された飛行体では、重力方向へ寄与する推力が少なく、効率が悪かった。
本発明は、狭所作業や外界との接触等といった、高い機動性を必要とする運動を実現でき、さらには重力方向へ寄与する推力を増大させて効率の良い飛行体を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る飛行体は、本体を通る鉛直線の周囲に配置された6枚のロータと、6枚のロータの回転数をそれぞれ独立して制御可能な制御部と、を備え、6枚のロータは、鉛直線に対して鋭角に傾斜する回転軸線をそれぞれ有しており、6枚のロータの回転面は、同一平面上には配置されていない。
この飛行体によれば、6枚のロータは制御部によって制御されて、それぞれ任意の回転数で回転する。6枚のロータの回転軸線は、鉛直線に対して鋭角に傾斜している。よって、各ロータの回転数を調整することにより、鉛直方向に揚力を発生させるのみならず、水平方向の移動や回転を制御することが可能である。しかも、6枚のロータの回転面は同一平面上には配置されておらず、ロータの傾斜(傾斜の方向や大きさ)は様々にばらついている。よって、飛行体の重心の位置の変化、または、外界から受ける荷重や反力に対して対応しやすい。結果として、狭所作業や外界との接触等といった、高い機動性を必要とする運動を実現できる。さらには、鉛直線に対して回転軸線が鋭角に傾斜したロータによれば、重力方向へ寄与する推力が増大し、効率が良くなっている。
いくつかの形態において、6枚のロータは、鉛直線がそれぞれの間に配置された第1の一対のロータと、第2の一対のロータと、第3の一対のロータとからなり、第1の一対のロータ、第2の一対のロータおよび第3の一対のロータは、それぞれ、本体側に傾斜した回転軸線を有する内向きロータと、本体とは反対側に傾斜した回転軸線を有する外向きロータとを含み、内向きロータおよび外向きロータは逆のピッチを有し、内向きロータと外向きロータとは、鉛直線の周囲において交互に配置されている。この場合、内向きロータと外向きロータとを任意の回転数で逆向きに回転させることにより、確実かつ容易に、高い機動性を必要とする運動を実現できる。
いくつかの形態において、第1の一対のロータ、第2の一対のロータおよび第3の一対のロータにおいて、内向きロータの傾斜角と外向きロータの傾斜角とは等しく、内向きロータの回転面と外向きロータの回転面とは、平行な2平面上に配置されている。この場合、X軸、Y軸、Z軸の3軸に関して、並進および回転の運動が独立に制御可能である。よって、飛行体は、6自由度で飛行可能になる。
いくつかの形態において、6枚のロータの回転中心は、同一平面上に配置されている。この場合、制御系がシンプルになるので、設計および実装が容易になる。
いくつかの形態において、6枚のロータの回転中心は、正六角形の頂点上に配置されている。この場合、制御系がさらにシンプルになる。
本発明によれば、狭所作業や外界との接触等といった、高い機動性を必要とする運動を実現できる。
本発明の一実施形態に係る飛行体の概略構成を示す斜視図である。 (a)および(b)は、図1の飛行体におけるロータの配置を模式的に示す図である。 本体であるペイロード部の構成を示すブロック図である。 制御部における制御則の一例を示す図である。 ロータの傾斜角に対する飛行時の効率と水平方向への移動のしやすさを示す図である。 (a)〜(c)は、従来の飛行体による狭隘部での飛行状態の一例を示す図である。 (a)および(b)は、従来の飛行体による接触作業時の飛行状態の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下の説明では、本発明が、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle、以下、UAVという)に適用される場合について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の飛行体1は、中央に配置されたペイロード部(本体)2と、ペイロード部2に対して固定されて外方に延びる6本のフレーム3と、フレーム3の先端部に取り付けられた6枚のロータ10とを備える。すなわち飛行体1は、6枚のロータ10を備えるマルチロータ機(回転翼機)である。UAVである飛行体1は、回転および並進方向の運動を合わせた6自由度での運動成分を独立に発生可能になっている。したがって、飛行体1では、狭隘部での飛行や接触作業を伴う飛行が可能になっている。
図1および図2に示されるように、飛行体1のロータ10は、ペイロード部2を通る鉛直線Nの周囲に配置された第1ロータ11と、第2ロータ12と、第3ロータ13と、第4ロータ14と、第5ロータ15と、第6ロータ16とからなる。これらの第1ロータ11〜第6ロータ16の間に、ペイロード部2が配置されている。このように、飛行体1は、ヘキサコプタ型の飛行体である。ロータ10の配置の詳細については、後述する。
図3に示されるように、ペイロード部2には、飛行体1の各部を制御するための制御部20と、飛行体1の各部を駆動するための電源であるバッテリ21と、各部に電源を供給するための電源基板22とが搭載されている。各フレーム3の先端部には、第1ロータ11〜第6ロータ16のそれぞれを回転させるモータ31〜36が取り付けられている。ペイロード部2には、これらのモータ31〜36の回転数を制御するための、6個のモータアンプ30が搭載されている。各モータアンプ30には、電源基板22を介してバッテリ21から電源が供給される。各モータアンプ30は、制御部20によって制御されて、モータ31〜36が所定の回転数および回転方向で回転するように、モータ31〜36に電流を供給する。
制御部20は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアとから構成されたコンピュータである。制御部20は、たとえば地上で操作される送信機(図示せず)と無線で通信可能になっている。制御部20は、送信機からの指令を受け、飛行体1の現在の位置および姿勢に基づいて、所定(目標)の位置、姿勢または動作にて飛行体1を飛行させるよう、モータアンプ30を介してモータ31〜36のそれぞれを制御する。制御部20は、第1ロータ11、第2ロータ12、第3ロータ13、第4ロータ14、第5ロータ15および第6ロータ16の回転数をそれぞれ独立して制御可能である。なお、図3において、実線は電源系統を示し、破線は通信系統(制御系統)を示している。
ペイロード部2には、各種のセンサ類23が搭載されている。これらのセンサ類23は、飛行体1の位置および姿勢などを推定するための機器である。図3に示される例では、たとえば、ジャイロセンサ24、GPS(Global Positioning System)25および気圧センサ26が設けられている。これらのセンサ類23は、測定結果を示すデータを制御部20に出力する。制御部20は、センサ類23から出力されたセンサデータに基づき、たとえば適当な推定アルゴリズム等を用いて、飛行体1の現在の位置および姿勢を推定する。
上記した機器の他にも、ペイロード部2には、たとえばカメラやロボットアーム等の追加機器が搭載され得る。ペイロード部2に搭載される機器は、飛行体1に求められる飛行や作業に応じて、適宜変更され得る。ペイロード部2に搭載される機器の位置および重量によって、ペイロード部2の重量および重心の位置は変化し得る。飛行体1では、ペイロード部2の重量および重心の位置を考慮して、第1ロータ11〜第6ロータ16が回転制御される。
次に、図4を参照して、制御部20における制御則の一例について説明する。制御部20は、飛行体1の目標位置および/または目標姿勢を取得する。また、制御部20は、ペイロード部2のセンサ類23から出力されるセンサデータに基づいて飛行体1の現在の位置および姿勢を取得する。制御部20は、力学計算を行うことにより、目標位置および/または目標姿勢を実現するための目標推力および目標トルクを算出する。図4において、FはX軸方向の推力、FはY軸方向の推力、FはZ軸方向の推力を表す。MはX軸周りのモーメント、MはY軸周りのモーメント、MはZ軸周りのモーメントを表す。
第1ロータ11〜第6ロータ16の回転数をそれぞれω〜ωとすると、どのようにロータを回転させたときに、どのような推力およびモーメントが得られるかは、伝達関数Tを用いて、下記の式(1)で表される。
Figure 2016135659
第1ロータ11〜第6ロータ16の配置・構成に独自の工夫がなされた飛行体1では、伝達関数Tに逆行列が存在する。よって、目標の推力およびトルクに応じて、下記の式(2)を用いて、ロータの回転速度を算出することができる。
Figure 2016135659
図1および図2に戻り、第1ロータ11〜第6ロータ16の配置および構成について詳細に説明する。鉛直線Nの周囲に配置された6枚のロータ11〜16は、水平面に沿って延びる六角形の頂点上に配置されている。より詳細には、6枚のロータ11〜16の回転中心、すなわち、第1ロータ11の回転中心11a、第2ロータ12の回転中心12a、第3ロータ13の回転中心13a、第4ロータ14の回転中心14a、第5ロータ15の回転中心15aおよび第6ロータ16の回転中心16aは、同一平面上に配置されており、正六角形の頂点上に配置されている。
なお、6枚のロータ11〜16は、正六角形の頂点上に配置される必要性はなく、対向する一対の辺(平行な2辺)のみが長い六角形の頂点上に配置されてもよい。6枚のロータ11〜16は、必ずしも同一平面上に配置されなくてもよく、Z軸方向にオフセットされていてもよい。6枚のロータ11〜16あるいは回転中心11a〜16aが所定の水平方向線に関して対称性を有するように配置されると、制御系がシンプルになり、設計および実装が容易である。
図2(b)に示されるように、鉛直上方から見て反時計回りに、第1ロータ11、第2ロータ12、第3ロータ13、第4ロータ14、第5ロータ15および第6ロータ16が配置されている。対角線上に位置する第1ロータ11および第4ロータ14(第1の一対のロータ)の間に、鉛直線Nが配置されている。対角線上に位置する第2ロータ12および第5ロータ15(第2の一対のロータ)の間に、鉛直線Nが配置されている。対角線上に位置する第3ロータ13および第6ロータ16(第3の一対のロータ)の間に、鉛直線Nが配置されている。
すなわち、6枚のロータ11〜16は、鉛直線Nに関してそれぞれ対称な位置に配置された、第1の一対のロータ11,14と、第2の一対のロータ12,15と、第3の一対のロータ13,16とからなる。6枚のロータ11〜16のそれぞれは、鉛直線Nに対して鋭角に傾斜する回転軸線A1〜A6を有する。
第1の一対のロータ11,14に関して説明する。第1ロータ11の回転軸線である第1軸線A1は、ペイロード部2側に傾斜角θだけ傾斜している(0°<θ<90°)。一方、第4ロータ14の回転軸線である第4軸線A4は、ペイロード部2とは反対側に傾斜角θだけ傾斜している。言い換えれば、第1ロータ11は、その回転面が内向きとされた内向きロータである。第4ロータ14は、その回転面が外向きとされた外向きロータである。第1軸線A1と第4軸線A4は互いに平行であり、第1ロータ11の回転面と第4ロータ14の回転面とは、平行な2平面上に配置されている。
第2の一対のロータ12,15に関して説明する。図2(a)に示されるように、第2ロータ12の回転軸線である第2軸線A2は、ペイロード部2とは反対側に傾斜角θだけ傾斜している。一方、第5ロータ15の回転軸線である第5軸線A5は、ペイロード部2側に傾斜角θだけ傾斜している。言い換えれば、第2ロータ12は、その回転面が外向きとされた外向きロータである。第5ロータ15は、その回転面が内向きとされた内向きロータである。第2軸線A2と第5軸線A5は互いに平行であり、第2ロータ12の回転面と第5ロータ15の回転面とは、平行な2平面上に配置されている。
第3の一対のロータ13,16に関して説明する。第3ロータ13の回転軸線である第3軸線A3は、ペイロード部2側に傾斜角θだけ傾斜している。一方、第6ロータ16の回転軸線である第6軸線A6は、ペイロード部2とは反対側に傾斜角θだけ傾斜している。言い換えれば、第3ロータ13は、その回転面が内向きとされた内向きロータである。第6ロータ16は、その回転面が外向きとされた外向きロータである。第3軸線A3と第6軸線A6は互いに平行であり、第3ロータ13の回転面と第6ロータ16の回転面とは、平行な2平面上に配置されている。
飛行体1において、内向きロータである第1ロータ11、第3ロータ13および第5ロータ15と、外向きロータである第2ロータ12、第4ロータ14および第6ロータ16とは、鉛直線Nの周囲において交互に配置されている。隣り合う2枚のロータの回転中心間の距離は、長さLであり、上記した正六角形の一辺の長さに相当する。
鉛直線Nを中間に配置して対向する一対のロータにおいて、傾斜角θは等しくなっているが、傾斜する方向は、鉛直線Nに関して反対になっている。一対のロータにおいて傾斜する方向が異なっていることにより、6枚のロータ11〜16の回転面は、同一平面上には配置されていない。
次に、ロータ11〜16のピッチおよび回転方向について説明する。第1ロータ11および第4ロータ14は、逆のピッチを有している。第2ロータ12および第5ロータ15は、逆のピッチを有している。第3ロータ13および第6ロータ16は、逆のピッチを有している。これらのピッチの大きさは等しい。なお、これらのピッチの大きさは異なっていてもよいが、等しいピッチである方が、制御部20における計算が容易である。
そして、第1ロータ11および第4ロータ14は、制御部20によってモータ31およびモータ34が回転制御されることにより、それぞれの回転軸線A1,A4に関して反対方向に回転可能である。第2ロータ12および第5ロータ15は、制御部20によってモータ32およびモータ35が回転制御されることにより、それぞれの回転軸線A2,A5に関して反対方向に回転可能である。第3ロータ13および第6ロータ16は、制御部20によってモータ33およびモータ36が回転制御されることにより、それぞれの回転軸線A3,A6に関して反対方向に回転可能である。なお、第1ロータ11および第4ロータ14、第2ロータ12および第5ロータ15、第3ロータ13および第6ロータ16は、それぞれの回転軸線A1〜A6に関して同方向にも回転可能になっている。
次に、飛行体1におけるロータの回転数の決定方法について説明する。各ロータ11〜16が、回転軸線方向の推力(F=K・ω)、回転軸線周りのモーメント(M=Kτ・ω)を生じるとすると、各ロータ11〜16の回転数ω〜ωから、X軸、Y軸、Z軸の各方向の推力および軸周りのモーメントを算出するための伝達関数T(上記の式(1)参照)は、下記の式(3)で表される。
Figure 2016135659
ここで、Kは推力係数であり、Kτは反トルク係数である。これらの係数は、それぞれロータ11〜16の形状に依存して決まる定数である。Lは上記した距離L(図2(b)参照)である。Sはsinθであり、Cはcosθである。上記の式(3)において、右辺第一項は推力による成分を意味し、右辺第二項は反動トルクによる成分を意味する。sinθ≠0かつcosθ≠0を満たす範囲内において、右辺第一項については、明らかに1〜5行目の要素が独立である。また右辺第二項については、4,5行目の要素はそれぞれ第一項の5,2行目に従属であるが、6行目の要素は独立である。よって、飛行体1について、rank(T)=6が成り立つ。よって、Tには逆行列が存在するため、任意の出力(推力およびモーメント)について入力(ロータの回転数)を一意に定めることができる。すなわち、飛行体1は、姿勢変化を伴わずに、X軸方向、Y軸方向の並進運動を行うことができる。
飛行体1における具体的な駆動例について説明する。基本的に、所望の運動に対する各ロータの回転数(回転速度)は、上記式(1)〜(3)に基づいて計算することができる。その一例を示すと、Z軸方向の推力であるFのみが、重力に打ち勝つために発生すればよい。上記の式(1)、(2)において、(ω,ω,ω,ω,ω,ω)=(Ω,...,Ω)とすると、上記の式(3)から、鉛直成分(鉛直方向推力)Fのみ、F=6KCΩとなり、他の成分はゼロとなる。このことから、すべてのロータ11〜16を同じ回転数で回転させれば、ホバリングが可能になる。
たとえばY軸方向に移動する場合には、(ω,ω,ω,ω,ω,ω)=(Ω−x,Ω+2x,Ω−x,Ω−x,Ω+2x,Ω−x)とすると、上記の式(3)から、鉛直成分(鉛直方向推力)Fは、F=6KCΩ、Y軸方向推力Fは、F=4KSxとなり、他の成分はゼロとなる。よって、第2ロータ12と第5ロータ15を高い回転数で回転させて、他のロータは、その分、低い回転数で回転させると、ホバリング状態を維持したまま、姿勢を変えずにY軸方向に移動可能になる。
図5を参照して、飛行体1における傾斜角θと特性の関係について説明する。飛行体1では、ロータ11〜16の傾斜角θが変わると、飛行時の効率および水平方向への移動のしやすさ(運動性能)が変化する。図5に示されるように、傾斜角θが大きくなるにつれて、飛行時の効率は低下するが、その一方で、水平方向への移動のしやすさが増大する。このような、傾斜角θに応じた特性の変化を考慮して、傾斜角θを適宜決定することができる。
本実施形態の飛行体1によれば、6枚のロータ11〜16は制御部20によって制御されて、それぞれ任意の回転数で回転する。6枚のロータ11〜16の回転軸線A1〜A6は、鉛直線Nに対して鋭角に傾斜している。よって、各ロータ11〜16の回転数を調整することにより、鉛直方向に揚力を発生させるのみならず、水平方向の移動や回転を制御することが可能である。しかも、6枚のロータ11〜16の回転面は同一平面上には配置されておらず、ロータ11〜16の傾斜(傾斜の方向や大きさ)は様々にばらついている。よって、飛行体1の重心の位置の変化、または、外界から受ける荷重や反力に対して対応しやすくなっている。結果として、狭所作業や外界との接触等といった、高い機動性を必要とする運動を実現できる。さらには、回転軸線A1〜A6が鋭角に傾斜したロータ11〜16を備えるため、重力方向へ寄与する推力が増大しており、効率が良くなっている。また、6枚のロータ11〜16が鉛直線Nの周囲に配置されているため、ペイロード部2における構造面での制約が少なく、しかも、着陸性に優れている。たとえば、従来の飛行体では着陸機構や撮像機などを搭載しにくかったが、飛行体1では、着陸機構を設けることが容易になっており、しかも撮像機などを搭載することも容易である。
一対のロータのうち、内向きロータ(具体的には第1ロータ11、第3ロータ13、第5ロータ15)と外向きロータ(具体的には第2ロータ12、第4ロータ14、第6ロータ16)とを任意の回転数で逆向きに回転させることにより、確実かつ容易に、高い機動性を必要とする運動を実現できる。
内向きロータの傾斜角θと外向きロータの傾斜角θとは等しく、内向きロータの回転面と外向きロータの回転面とは、平行な2平面上に配置されている。よって、X軸、Y軸、Z軸の3軸に関して、並進および回転の運動が独立に制御可能であり、飛行体1は、6自由度で飛行可能になる。
従来のヘキサコプタでは、Tのランクが4(傾斜角θ=0に相当)であり、4自由度(すなわち、鉛直方向の加速度と、ロール、ピッチおよびヨー方向の角加速度)の運動を操作して6自由度の状態を実現しようとしていたため、運動の自由度が少なく、所望の位置および姿勢を実現するのが難しかった。たとえば、従来の飛行体では、狭隘部において水平状態で飛行している際、突風によって飛行体が流されそうになった場合、姿勢を維持するために姿勢を変化させる必要があった。姿勢変化の結果、飛行体が構造物に衝突するおそれがあった。また、飛行体を飛行させて接触作業を行う際、ツールを対象に接触させるために飛行体を対象に近づけると、接触に伴って生じる反力により飛行体の姿勢運動が拘束されるおそれがあり、その結果、飛行体の制御が困難になるおそれがあった。
この点、本実施形態の飛行体1では、狭隘部において水平状態で飛行している際(図6(a)参照)、突風によって飛行体1が流されそうになった場合でも(図6(b)参照)、姿勢を維持するために姿勢を変化させる必要はない。姿勢を維持できるため、飛行体1が構造物に衝突することが防止される(図6(c)参照)。さらには、飛行体1を飛行させて接触作業を行う際、ツール40を対象に接触させるために飛行体1を対象に近づけた場合でも(図7(a)参照)、接触に伴って生じる反力に応じて、飛行体1の姿勢が維持されるように調整することができる(図7(b)参照)。
本実施形態の飛行体1によれば、6自由度の入力で6自由度の運動を独立に制御可能であるため、6自由度の状態を実現しやすくなっている。
さらに、6枚のロータ11〜16の回転中心11a〜16aは同一平面上に配置されているため、制御系がシンプルになっている。よって、設計および実装が容易である。
6枚のロータ11〜16の回転中心11a〜16aは正六角形の頂点上に配置されているため、制御系がさらにシンプルになっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。ロータ11〜16の傾斜角θは、それぞれ異なっていてもよい。ロータ11〜16の回転面が同一平面上にないという条件を満たす限り、ロータ11〜16をどのように傾斜させてもよい。
6枚のロータの他に、1枚または複数枚の補助的なロータまたは予備のロータが更に設けられてもよい。本発明は、UAVに適用される場合に限られず、有人航空機に適用されてもよい。
1 飛行体
2 ペイロード部(本体)
10 ロータ
11 第1ロータ(内向きロータ)
11a 回転中心
12 第2ロータ(外向きロータ)
12a 回転中心
13 第3ロータ(内向きロータ)
13a 回転中心
14 第4ロータ(外向きロータ)
14a 回転中心
15 第5ロータ(内向きロータ)
15a 回転中心
16 第6ロータ(外向きロータ)
16a 回転中心
20 制御部
A1 第1軸線
A2 第2軸線
A3 第3軸線
A4 第4軸線
A5 第5軸線
A6 第6軸線
N 鉛直線
θ 傾斜角

Claims (5)

  1. 本体を通る鉛直線の周囲に配置された6枚のロータと、
    前記6枚のロータの回転数をそれぞれ独立して制御可能な制御部と、を備え、
    前記6枚のロータは、前記鉛直線に対して鋭角に傾斜する回転軸線をそれぞれ有しており、
    前記6枚のロータの回転面は、同一平面上には配置されていない、飛行体。
  2. 前記6枚のロータは、前記鉛直線がそれぞれの間に配置された第1の一対のロータと、第2の一対のロータと、第3の一対のロータとからなり、
    前記第1の一対のロータ、前記第2の一対のロータおよび前記第3の一対のロータは、それぞれ、前記本体側に傾斜した回転軸線を有する内向きロータと、前記本体とは反対側に傾斜した回転軸線を有する外向きロータとを含み、前記内向きロータおよび前記外向きロータは逆のピッチを有し、
    前記内向きロータと前記外向きロータとは、前記鉛直線の周囲において交互に配置されている、請求項1に記載の飛行体。
  3. 前記第1の一対のロータ、前記第2の一対のロータおよび前記第3の一対のロータにおいて、前記内向きロータの傾斜角と前記外向きロータの傾斜角とは等しく、前記内向きロータの回転面と前記外向きロータの回転面とは、平行な2平面上に配置されている、請求項2に記載の飛行体。
  4. 前記6枚のロータの回転中心は、同一平面上に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飛行体。
  5. 前記6枚のロータの回転中心は、正六角形の頂点上に配置されている、請求項4に記載の飛行体。
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