JP2016134903A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送損失を低減する。
【解決手段】半導体装置1は、金属板7上にダイボンド材9を介して設けられた半導体チップ4と、金属板7に設けられ、半導体チップ4の幅よりも広い幅W3を有する誘電体基板8と、誘電体基板8上に設けられた伝送線路2と、伝送線路2と半導体チップ4とを互いに電気的に接続するワイヤ6と、を備える。誘電体基板8は、半導体チップ4側に形成され、半導体チップ4の幅W2よりも狭い幅W1を有する接続端部11を有する。
【選択図】図1
【解決手段】半導体装置1は、金属板7上にダイボンド材9を介して設けられた半導体チップ4と、金属板7に設けられ、半導体チップ4の幅よりも広い幅W3を有する誘電体基板8と、誘電体基板8上に設けられた伝送線路2と、伝送線路2と半導体チップ4とを互いに電気的に接続するワイヤ6と、を備える。誘電体基板8は、半導体チップ4側に形成され、半導体チップ4の幅W2よりも狭い幅W1を有する接続端部11を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、伝送線路と半導体チップがワイヤによって接続された半導体装置に関する。
半導体装置において、回路基板に設けられた伝送線路と半導体チップの電極パッドとの間、又は半導体チップの電極パッド同士の間は、ワイヤなどにより電気的に接続されることが知られている。例えば、特許文献1には、高周波回路チップ同士をワイヤによって電気的に接続する構造が記載されている。
高周波信号が伝送される伝送経路にワイヤなどが接続する場合、高周波信号の伝送損失が増大することがある。これは、ワイヤが長くなることにより、寄生インダクタ成分が増大することによって、高周波信号の伝送損失が増大するからである。なぜならば、ワイヤの長さは、主に基板に実装するチップの実装位置とチップの入出力端子と基板上の伝送線路パターンとの距離に起因することから、この伝送損失を低減するためには、ワイヤを短くすることが求められている。そこで、本発明は、高周波信号の伝送損失を低減することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る半導体装置は、導電性基板上に接着部材を介して設けられた半導体チップと、導電性基板上に設けられた半導体チップの幅よりも広い第1の幅を有する誘電体基板と、誘電体基板上に設けられた伝送線路と、伝送線路と半導体チップとを互いに電気的に接続するワイヤと、を備え、誘電体基板は、半導体チップ側に形成され、半導体チップの幅よりも狭い第2の幅を有する接続端部と、を有する。
本発明の一形態に係る半導体装置によれば、高周波信号の伝送損失を低減できる。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一側面に係る半導体装置は、導電性基板上に接着部材を介して設けられた半導体チップと、導電性基板上に設けられた半導体チップの幅よりも広い第1の幅を有する誘電体基板と、誘電体基板上に設けられた伝送線路と、伝送線路と半導体チップとを互いに電気的に接続するワイヤと、を備え、誘電体基板は、半導体チップ側に形成され、半導体チップの幅よりも狭い第2の幅を有する接続端部を有する。
半導体装置は、導電性基板上に誘電体基板と伝送線路とが設けられた後に半導体チップが設けられることにより、形成される。具体的には、誘電体基板と伝送線路とが設けられた導電性基板上に接着部材が配置された後、接着部材上に半導体チップが配置される。半導体チップが配置されたとき、接着部材のうち、未硬化の余分な接着部材は、半導体チップの外周方向へ向かって押し出される。ここで、半導体装置は、半導体チップの幅よりも狭い接続端部を有する。従って、半導体チップと誘電体基板の本体部との間には隙間が生じる。この構成によれば、接着部材上に配置した半導体チップを所定位置に調整した際に、未硬化の余分な接着部材が半導体チップと本体部との隙間に収容されるので、接着部材が半導体チップや接続端部上に盛り上がることが抑制される。このため、接続端部に対して半導体チップを近接させて配置することが可能になる。従って、伝送線路と半導体チップとを電気的に接続するワイヤが短くなるので、高周波信号の伝送損失を低減できる。
半導体装置は、半導体チップの外周縁を囲む第1の領域と、接続端部を挟む一対の第2の領域と、を有し、接着部材が配置される接着部材配置領域を更に備えることとしてもよい。この構成によれば、未硬化の余分な接着部材を収容する領域が予め設定されるので、接着部材が半導体チップや接続端部上に盛り上がることを好適に抑制できる。このため、接続端部に半導体チップを近接させて配置することが可能になる。従って、伝送線路と半導体チップとを電気的に接続するワイヤが短くなるので、高周波信号の伝送損失を低減できる。
接着部材配置領域は、接着部材配置領域を囲む接着部材非配置領域よりも、接着部材との親和性が高くされてもよい。この構成によれば、未硬化の余分な接着部材が移動する領域を予め設定し、且つこの領域に接着部材が誘導されるので、接着部材が半導体チップや接続端部上に盛り上がることを好適に抑制できる。このため、接続端部に半導体チップを近接させて配置することが可能になる。従って、伝送線路と半導体チップとを電気的に接続するワイヤが短くなるので、高周波信号の伝送損失を低減できる。
伝送線路は、誘電体基板における第1の幅を有する部分に設けられた線路本体と、接続端部上に設けられた線路端部と、を有し、線路端部の幅は、線路本体の幅よりも大きくてもよい。この構成によれば、線路端部の幅が誘電体基板における第1の幅を有する部分の幅よりも大きいので、線路端部のインピーダンスは誘電体基板における第1の幅を有する部分よりも小さくなる。従って、伝送線路とワイヤ間のインピーダンスの不整合が小さくなるので、高周波信号の伝送損失を更に低減できる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明に係る半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明に係る半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1(a)及び図1(b)に示されるように、半導体装置1は、伝送線路2が形成されたプリント基板(Printed Circuit Board:PCB基板)3と、半導体チップ4とを有し、伝送線路2と半導体チップ4とがワイヤ6によって電気的に接続される。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、半導体装置1は、伝送線路2が形成されたプリント基板(Printed Circuit Board:PCB基板)3と、半導体チップ4とを有し、伝送線路2と半導体チップ4とがワイヤ6によって電気的に接続される。
プリント基板3は、半導体装置1の基体をなす。プリント基板3は、導電性を有する基材と直流電圧に対して絶縁性を有する基材とが積層される。例えば、プリント基板3は、導電性を有する基材として金属板(導電性基板)7を含む。金属板7としては、例えば銅(Cu)が利用される。また、プリント基板3は、絶縁性を有する基材として誘電体基板8を含む。誘電体基板8としては、例えば100μm〜150μm程度の厚さを有するプリプレグ材が利用される。誘電体基板8は、金属板7の表面7a上に設けられる。誘電体基板8の上には、伝送線路2が設けられる。伝送線路2は、プリント基板3上に設けられた電子部品同士を電気的に接続する。伝送線路2は、一例として50Ωのインピーダンスを有する。
半導体チップ4は、所定の機能を有する電子部品であり、本実施形態の半導体チップ4は、発振機能を有するモノシリックマイクロ波集積回路(Monolithic Microwave Integrated Circuits:MMIC)である。半導体チップ4は、ダイボンド材(接着部材)9を介して金属板7と対面する設置面4aと、設置面4aと逆側の表面4bとを有する。半導体チップ4の設置面4a及び表面4bは、平面視して一辺が3mm〜4mm程度である。半導体チップ4の高さは、50μm〜100μm程度である。ダイボンド材9は、金属板7に対して半導体チップ4を機械的に固定する。また、ダイボンド材9は、導電性を有していてもよい。この場合には、半導体チップ4の設置面4aに接地電極を設けることにより、機械的な固定と同時に半導体チップ4を接地電位に接続することができる。ダイボンド材9としては、例えば金亜鉛(AuZn)ペースト又は銀(Ag)ペーストが利用される。ダイボンド材9の厚み、すなわち設置面4aと表面7aとの間の距離は、10μm〜50μm程度である。半導体チップ4の表面4bには、電気信号を出力するための電極パッドP1や、電源電圧を入力するための電極パッド(不図示)等が設けられる。例えば、電極パッドP1は、数十GHz程度の周波数を有するミリ波帯域の高周波信号を出力する。この半導体チップ4は、全ての電極パッドが表面4bに設けられた、いわゆるフェースアップ半導体デバイスである。
ワイヤ6は、伝送線路2と半導体チップ4とを電気的に接続する。ワイヤ6の一端は、伝送線路2にボンディングされ、ワイヤ6の他端は電極パッドP1にボンディングされる。ワイヤ6としては、例えば金(Au)ワイヤが利用される。
続いて、伝送線路2、半導体チップ4及び誘電体基板8の関係について詳細に説明する。
図1(a)に示されるように、誘電体基板8は、接続端部11と本体部12とを有し、本体部12から半導体チップ4に向かって接続端部11が突出した形状をなす。接続端部11は、半導体チップ4側に形成される。接続端部11は、半導体チップ4の側面4cと対面する端面11aと、一対の側面11bとを有する。接続端部11の端面11aと半導体チップ4の側面4cとの間には、10μm〜20μm程度の隙間S1が設けられる。なお、接続端部11の端面11aと半導体チップ4の側面4cとの間には、隙間が設けられておらず、接続端部11の端面11aと半導体チップ4の側面4cとが互いに接触していてもよい。接続端部11における端面11aの逆側は、本体部12に連続する。誘電体基板8の接続端部11の幅(第2の幅)W1は、半導体チップ4の幅W2よりも狭い。より詳細には、接続端部11の端面11aの幅W1は、端面11aと対面する半導体チップ4の側面4cの幅W2よりも狭い。一例として、接続端部11の幅W1は400μm〜800μmであり、半導体チップ4の幅W2は3mm〜4mmである。接続端部11の端面11aは、その全ての領域が、半導体チップ4の側面4cと対面しているともいえる。幅W1,W2とは、金属板7の表面7aに対して平行であり、且つ伝送線路2から電極パッドP1に向かう方向と交差する方向の幅をいう。
半導体チップ4と接続端部11の周囲には、ダイボンド材配置領域13が形成される。ダイボンド材配置領域13は、金属板7の表面7aに形成された領域である。ダイボンド材配置領域13は、ダイボンド材9が配置される領域であり、半導体チップ4の外周縁を囲む第1の領域13aと、接続端部11の側面11bを挟む一対の第2の領域13bと、を有する。ダイボンド材配置領域13は、金亜鉛(AuZn)ペースト又は銀(Ag)ペーストといったダイボンド材9との親和性が誘電体基板8よりも高い半田パターンである。
また、本体部12の幅(第1の幅)W3は、接続端部11の幅W1よりも大きい。本体部12は、誘電体基板8における幅W3を有する部分である。更に、本体部12の幅W3は、半導体チップ4の幅W2よりも大きい。例えば、本体部12の幅W3は5mm〜6mm程度である。本体部12は、誘電体基板8が有する絶縁性能に影響を及ぼす部分である。
伝送線路2の幅W4は、接続端部11の幅W1及び本体部12の幅W3よりも小さい。従って、伝送線路2の幅W4は、半導体チップ4の幅W2よりも小さい。伝送線路2の幅W4は、200μm程度である。また、伝送線路2の半導体チップ4側の端部は、接続端部11の端面11aから50μm〜100μm程度離間する。そして、伝送線路2から半導体チップ4の電極パッドP1までの距離は、130μm〜180μm程度である。そうすると、ワイヤ6の長さは、180μm〜230μm程度になる。
次に、図2(a)〜図2(d)を参照しつつ、半導体装置1を製造する手順について説明する。まず、図2(a)に示されるように、金属板7を準備する。次に、金属板7の表面7aに誘電体基板8を設ける。誘電体基板8は、熱圧着により金属板7に接合する。次に、誘電体基板8上に伝送線路2を設ける。次に、図2(b)に示されるように、半田パターンといったダイボンド材配置領域13を形成する。
次に、図2(c)に示されるように、ダイボンド材配置領域(接着部材配置領域)13にダイボンド材9を配置する。そして、図2(d)に示されるように、ダイボンド材9上に半導体チップ4を配置する。ここで、半導体チップ4を金属板7の表面7aに向かって押圧すると、半導体チップ4の設置面4a(図1(b)参照)と金属板7の表面7aとの間に存在していた未硬化のダイボンド材9が外側へ押し出される。ダイボンド材9が押し出される方向は、金属板7の表面7aに沿ったあらゆる方向である。従って、半導体チップ4から誘電体基板8に向かって押し出されるダイボンド材9もあり得る。
ここで、比較例に係る半導体装置を想定する。図6に示されるように、半導体装置100は、誘電体基板108が接続端部11に相当する部分を有しない。この場合、半導体チップ4から誘電体基板108に向かってダイボンド材9が押し出されると、ダイボンド材9は誘電体基板108の端面に接触し、ひいては誘電体基板108又は半導体チップ4に乗り上げる虞がある。従って、比較例に係る半導体装置100では、半導体チップ4と誘電体基板108との間に、押し出されたダイボンド材9を収容可能な程度の隙間S2を設けている。この隙間S2によれば、伝送線路2と電極パッドP1との間の距離が長くなるので、ワイヤ6の長さも長くなる。一例として、ワイヤ6の長さは、300μmである。
一方、図2(d)に示されるように、接続端部11の幅W1が半導体チップ4の幅W2よりも小さいので、半導体チップ4から誘電体基板8に向かって押し出されるダイボンド材9の移動を、誘電体基板8が阻害し難い。すなわち、ダイボンド材9は、半導体チップ4と誘電体基板8の本体部12との隙間S3に押し出される。そうすると、ダイボンド材9が半導体チップ4や接続端部11上に盛り上がることが抑制される。その一方で、伝送線路2の端部が形成された接続端部11は、半導体チップ4に近接させることができる。要するに、半導体装置1では、半導体チップ4に対して誘電体基板8を近接させるべき箇所(伝送線路2が形成された箇所)だけ近接させ、近接させる必要がない箇所(伝送線路2が形成されていない箇所)は、半導体チップ4から離間させる。この構成により、ダイボンド材9の収容領域の確保と、半導体チップ4への伝送線路2の近接配置とを両立させる。
また、接続端部11と、半導体チップ4との間の隙間S1が小さくなるように、接続端部11に対して半導体チップ4を近接させる。接続端部11と半導体チップ4との間の隙間S1が徐々に小さくなる。そうすると、接続端部11と半導体チップ4との間に存在していた未硬化のダイボンド材9は、半導体チップ4の表面側、又は、半導体チップ4の幅W2方向に押し出される。ここで、ダイボンド材配置領域13は、ダイボンド材9との親和性が高いため、ダイボンド材9はダイボンド材配置領域13上に積極的に広がっていく。従って、誘電体基板8及び半導体チップ4の表面4bに未硬化のダイボンド材9を盛り上げることなく、半導体チップ4を誘電体基板8に近接配置することができる。
続いて、ダイボンド材9を硬化させる。最後に、伝送線路2と電極パッドP1との間をワイヤ6により接続する。以上の手順により、半導体装置1が完成する。
上述した半導体装置1は、金属板7上に誘電体基板8と伝送線路2とが設けられた後に半導体チップ4が設けられることにより、形成される。具体的には、誘電体基板8と伝送線路2が設けられた金属板7上にダイボンド材9が配置された後に、ダイボンド材9上に半導体チップ4が配置される。半導体チップ4が配置されたとき、ダイボンド材9のうち、未硬化の余分なダイボンド材9は、半導体チップ4の外周方向へ向かって押し出される。ここで、半導体装置1は、半導体チップ4よりも狭い接続端部11を有する。従って、半導体チップ4と誘電体基板8の本体部12との間には隙間S2が生じる。この構成によれば、ダイボンド材9上に配置した半導体チップ4を所定位置に調整した際に、余分なダイボンド材9が半導体チップ4と本体部12との隙間S2に移動できるので、ダイボンド材9が半導体チップ4や接続端部11上に盛り上がることが抑制される。このため、接続端部11に対して半導体チップ4を近接させて配置することが可能になる。従って、ワイヤ6を短くすることが可能になるので、高周波信号の伝送損失を低減することができる。
また、上述した半導体装置1は、ダイボンド材9との親和性が高くなる処理が施されたダイボンド材配置領域13を有する。この構成によれば、余分なダイボンド材9が移動する領域が予め設定され、且つこの領域にダイボンド材9が誘導されるので、ダイボンド材9が半導体チップ4や接続端部11上に盛り上がることを好適に抑制できる。このため、接続端部11に半導体チップ4を近接させて配置することが可能になる。従って、ワイヤ6を短くすることが可能になるので、高周波信号の伝送損失を低減することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る半導体装置について説明する。図3(a)に示されるように、第2実施形態に係る半導体装置1Aは、第1実施形態の半導体装置1とは伝送線路2Aの形状が異なる。第1実施形態の伝送線路2は、延在方向に沿って幅W4は一定であった。一方、第2実施形態の伝送線路2Aは、半導体チップ4側の端部において、半導体チップ4に近づくにつれて幅が広がる。以下、伝送線路2Aについて詳細に説明する。
第2実施形態に係る半導体装置について説明する。図3(a)に示されるように、第2実施形態に係る半導体装置1Aは、第1実施形態の半導体装置1とは伝送線路2Aの形状が異なる。第1実施形態の伝送線路2は、延在方向に沿って幅W4は一定であった。一方、第2実施形態の伝送線路2Aは、半導体チップ4側の端部において、半導体チップ4に近づくにつれて幅が広がる。以下、伝送線路2Aについて詳細に説明する。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、伝送線路2Aは、延在方向に沿って一定の幅W4aを有する線路本体16と、延在方向に沿って幅W4bが拡大した線路端部17とを有する。線路本体16は、誘電体基板8の本体部12と接続端部11の一部とに設けられる。一例として、線路本体16は、200μmの幅W4aを有する。線路端部17は、線路本体16の半導体チップ4側の端部と連続し、接続端部11上に設けられる。接続端部11には、ワイヤ6の一端がボンディングされる。線路端部17は、線路本体16から半導体チップ4に向かってテーパ状に幅W4bが広がる。一例として、線路端部17は、線路本体16側の幅が200μmである。また、線路端部17は、半導体チップ4側の幅が400μm〜800μm程度、一例として600μmである。従って、線路端部17における半導体チップ4側の幅W4bは、線路本体16の幅W4aよりも大きい。なお、線路端部17における半導体チップ4側の幅W4bは、接続端部11の幅W1よりも僅かに狭い。また、線路本体16から半導体チップ4に向かう方向において、幅が拡大している部分の長さLは、60μm〜120μmである。
半導体装置1Aは、第1実施形態に係る半導体装置1と同様に、ワイヤ6が短いので、伝送損失を低減することができる。伝送線路2Aのインピーダンスは、伝送線路2Aの断面形状に対応する。伝送線路2Aの線路端部17では、信号の進行方向に沿って幅W4bが拡大することにより断面積が拡大しているので、インピーダンスは徐々に低下する。従って、ワイヤ6のインダクタ成分とのミスマッチが小さくなり、高周波信号の伝送損失をより低減することができる。
[実施例1]
比較例に係る半導体装置100と、第2実施形態に係る半導体装置1Aとを利用して、伝送特性を評価した。本実施例における伝送特性とは、伝送線路2,2Aからワイヤ6を介して半導体チップ4へ信号を伝送したときに、伝送線路2,2Aとワイヤ6との間で反射された信号の周波数毎の強度(以下「反射強度」ともいう)である。反射強度は、小さいほど伝送特性が良いことを示す。図4(a)は、比較例に係る半導体装置100の反射特性と、第2実施形態に係る半導体装置1Aの反射特性とを示す。図4(a)の縦軸は、反射された信号の強度である。横軸は、信号の周波数である。グラフG1は、第2実施形態に係る半導体装置1Aが有する信号の反射特性を示す。グラフG2は、比較例に係る半導体装置100が有する信号の反射特性を示す。
比較例に係る半導体装置100と、第2実施形態に係る半導体装置1Aとを利用して、伝送特性を評価した。本実施例における伝送特性とは、伝送線路2,2Aからワイヤ6を介して半導体チップ4へ信号を伝送したときに、伝送線路2,2Aとワイヤ6との間で反射された信号の周波数毎の強度(以下「反射強度」ともいう)である。反射強度は、小さいほど伝送特性が良いことを示す。図4(a)は、比較例に係る半導体装置100の反射特性と、第2実施形態に係る半導体装置1Aの反射特性とを示す。図4(a)の縦軸は、反射された信号の強度である。横軸は、信号の周波数である。グラフG1は、第2実施形態に係る半導体装置1Aが有する信号の反射特性を示す。グラフG2は、比較例に係る半導体装置100が有する信号の反射特性を示す。
図4(a)によれば、周波数が0GHzから12GHzの間の全領域において、グラフG1がグラフG2を下回ることがわかった。これは、第2実施形態に係る半導体装置1Aにおける反射強度が、比較例に係る半導体装置100における反射強度よりも小さいことを示している。従って、ワイヤ6を短くし、且つ伝送線路2Aの拡大によってインピーダンスの不整合が小さくなっているので、伝送特性が改善していることが確認できた。
[実施例2]
比較例に係る半導体装置100と、第2実施形態に係る半導体装置1Aを利用して、別の伝送特性を評価した。本実施例における伝送特性とは、伝送線路2,2Aへ入力される信号の強度と、半導体チップ4側において検出される信号の強度との比(以下「減衰特性」ともいう)である。減衰特性は、小さいほど伝送特性が良いことを示す。図4(b)は、比較例に係る半導体装置100の減衰特性と、第2実施形態に係る半導体装置1Aの減衰特性を示す。図4(b)の縦軸は、伝送線路2,2Aへ入力される信号の強度と、半導体チップ4側において検出される信号の強度との比である。縦軸における下方ほど、信号の減衰が大きいことを示す。横軸は、信号の周波数である。グラフG3は、第2実施形態に係る半導体装置1Aが有する信号の減衰特性を示す。グラフG4は、比較例に係る半導体装置100が有する信号の減衰特性を示す。
比較例に係る半導体装置100と、第2実施形態に係る半導体装置1Aを利用して、別の伝送特性を評価した。本実施例における伝送特性とは、伝送線路2,2Aへ入力される信号の強度と、半導体チップ4側において検出される信号の強度との比(以下「減衰特性」ともいう)である。減衰特性は、小さいほど伝送特性が良いことを示す。図4(b)は、比較例に係る半導体装置100の減衰特性と、第2実施形態に係る半導体装置1Aの減衰特性を示す。図4(b)の縦軸は、伝送線路2,2Aへ入力される信号の強度と、半導体チップ4側において検出される信号の強度との比である。縦軸における下方ほど、信号の減衰が大きいことを示す。横軸は、信号の周波数である。グラフG3は、第2実施形態に係る半導体装置1Aが有する信号の減衰特性を示す。グラフG4は、比較例に係る半導体装置100が有する信号の減衰特性を示す。
図4(b)によれば、周波数が0GHzから12GHzの間の全領域において、グラフG3がグラフG4を上回ることがわかった。これは、第2実施形態に係る半導体装置1Aにおける信号の減衰が、比較例に係る半導体装置100における信号の減衰よりも小さいことを示している。従って、ワイヤ6を短くし、且つ伝送線路2Aの拡大によってインピーダンスの不整合が小さくなっているので、伝送特性が改善していることが確認できた。
[変形例]
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
第1実施形態に係る半導体装置1及び第2実施形態に係る半導体装置1Aでは、高周波信号が伝送される経路が1個であった。しかし、図5に示されるように、変形例に係る半導体装置1Bは、高周波信号が伝送される経路が2個以上であってもよい。
半導体チップ4Bは、アンプ又はフィルタとして機能するデバイスである。半導体チップ4Bは、信号入力用の電極パッドP1と、信号出力用の電極パッドP2と、電源ライン用の電極パッドP3と、モニタライン用の電極パッドP4とを有する。また、半導体装置1Bは、2個の伝送線路2B,2C、及び金属パターン2D,2Eを有する。伝送線路2Bは、ワイヤ6Aによって信号入力用の電極パッドP1と電気的に接続される。伝送線路2Cは、ワイヤ6Aによって信号出力用の電極パッドP2と電気的に接続される。金属パターン2Dは、ワイヤ6Bによって電源用の電極パッドP3と電気的に接続される。金属パターン2Eは、ワイヤ6Bによってモニタライン用の電極パッドP4と電気的に接続される。また、金属板7は筐体に取り付けられる。また、半導体装置1Bの外部とは、導波管又は同軸により接続される。
ここで、電極パッドP1には、高周波信号が入力される。また、電極パッドP2からは高周波信号が出力される。これらの電極パッドP1,P2を含む伝送系において、伝送損失が大きくなる虞がある。従って、電極パッドP1と伝送線路2Bとを接続する構成と、電極パッドP2と伝送線路2Cとを接続する構成と、において、接続端部11が適用される。接続端部11によれば、電極パッドP1と伝送線路2Bとを互いに近接配置すると共に、電極パッドP2と伝送線路2Cとを互いに近接配置することができる。この配置によれば、高周波信号が伝送される伝送系において、ワイヤ6Aが短くなるので、高周波信号の伝送損失の低下を抑制できる。なお、伝送線路2B,2Cは、線路端部17を有していてもよい。
なお、電極パッドP3,P4と金属パターン2D,2Eとの間もワイヤ6Bによって電気的に接続される。しかし、電極パッドP3,P4と金属パターン2D,2Eにおいては、電源やモニタに用いられる信号が入出力される。従って、接続端部11を含む接続構造としてもよいが、必ずしも接続端部11を含む接続構造とする必要はない。
1,1A,1B,100…半導体装置、2,2A,2B,2C…伝送線路、2D,2E…金属パターン、3…プリント基板、4,4B…半導体チップ、6,6A,6B…ワイヤ、7…金属板(導電性基板)、8…誘電体基板、9…ダイボンド材(接着部材)、11…接続端部、12…本体部、13…ダイボンド材配置領域(接着部材配置領域)、13a…第1の領域、13b…第2の領域、16…線路本体、17…線路端部、P1,P2,P3,P4…電極パッド、S1,S2…隙間、W1…接続端部の幅(第2の幅)、W2…半導体チップの幅、W3…本体部の幅(第1の幅)、W4…伝送線路の幅、W4a…線路本体の幅、W4b…線路端部の幅。
Claims (4)
- 導電性基板上に接着部材を介して設けられた半導体チップと、
前記導電性基板上に設けられた前記半導体チップの幅よりも広い第1の幅を有する誘電体基板と、
前記誘電体基板上に設けられた伝送線路と、
前記伝送線路と前記半導体チップとを互いに電気的に接続するワイヤと、を備え、
前記誘電体基板は、前記半導体チップ側に形成され、前記半導体チップの幅よりも狭い第2の幅を有する接続端部を有する半導体装置。 - 前記半導体チップの外周縁を囲む第1の領域と、前記接続端部を挟む一対の第2の領域と、を有し、前記接着部材が配置される接着部材配置領域を更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記接着部材配置領域は、前記接着部材配置領域を囲む接着部材非配置領域よりも、前記接着部材との親和性が高い、請求項2に記載の半導体装置。
- 前記伝送線路は、前記誘電体基板における前記第1の幅を有する部分に設けられた線路本体と、前記接続端部上に設けられた線路端部と、を有し、
前記線路端部の幅は、前記線路本体の幅よりも大きい、請求項1〜3の何れか一項に記載の半導体装置。
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