JP2016134474A - 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリア移動度が高く、on/off比の点でも優れた有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。【解決手段】基板上にゲート電極と有機半導体層と有機ゲート絶縁層とソース電極及びドレイン電極とを有する有機薄膜トランジスタであって、前記有機半導体層の前記基板側に隣接する層が表面に活性水素を有する基を有し、前記有機半導体層が、特定の縮合多環芳香族構造を有する有機半導体Iを含有し、前記活性水素を有する基と、前記有機半導体Iが有する下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基とが反応して、前記隣接する層と前記有機半導体層とが結合している有機薄膜トランジスタ、並びに、その製造方法。一般式(Si):−LS−Si(R1)(R2)X式中、LSは単結合又は2価の連結基を表す。R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。【選択図】図1

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及び電気泳動型ディスプレイ等の表示装置の多くは薄膜トランジスタ(以下、「TFT」ともいう。)が表示スイッチングデバイスとして組み込まれている。TFTは、基板上に、ゲート電極、半導体層、ゲート電極と半導体層の間に設けられたゲート絶縁層からなる構造体を有しており、さらに半導体層に接してソース電極及びドレイン電極が設けられている。
TFTに用いる半導体には、従来、アモルファス又は多結晶の薄膜シリコンといった無機半導体が用いられてきた。しかし、TFTの半導体層を無機半導体で形成する場合、真空プロセスや300℃以上の高温プロセスを要し、生産性の向上には制約がある。
これに対して、近年では、有機半導体を用いたTFTも普及してきている。有機半導体層は、各種印刷法により成膜できる。そのため、無機材料の場合よりも低温で、高速かつ効率的に、しかも低コストで形成することができる。
有機半導体層を備えたTFTとして、特許文献1に記載の電界効果トランジスタが挙げられる。この電界効果トランジスタが備える有機半導体膜は、基材上に第一の有機半導体分子が化学結合により立設及び点在され、第二の有機半導体分子が第一の有機半導体分子に対して配列されている(同文献の請求項10)。
また、特許文献2〜4には、基板表面を親水化処理した後に、ヘキサメチルジシラザンやオクタデシルトリクロロシラン等のシランカップリング剤により表面処理することが緻密で強固な自己組織化膜を形成するうえで好ましいことが、記載されている(例えば、特許文献2の段落[0072]及び[0074])。
特開2012−144456号公報 特開2014−168064号公報 特開2014−146823号公報 特開2014−78730号公報
特許文献1に記載の電界効果トランジスタは、基材上に化学結合により立設及び点在させた第一の有機半導体分子に対して第二の有機半導体分子を配列させることで、有機半導体分子の配向性を制御している。しかし、この電界効果トランジスタの特性は未だ十分ではなく、キャリア移動度及びon/off比において改善の余地があった。
また、特許文献2〜4に記載されているシランカップリング剤は、処理方法によっては塗布性が悪化し十分なキャリア移動度が得られず、またTFTとしての特性が劣化することがあった。
本発明は、キャリア移動度が高く、on/off比の点でも優れた有機薄膜トランジスタを提供することを課題とする。
また、本発明は、上記の優れた特性を有する有機薄膜トランジスタを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、有機半導体層を設ける層の表面に活性水素を有する基を設け、この基と、特定構造の有機半導体に導入した特定のシリル基含有基とを反応させて、この有機半導体からなる層を、上記設ける層に結合した状態に、設けることにより、有機半導体層形成において、有機半導体の濡れ性が向上し、さらに有機半導体の結晶成長が促進されることを見出した。また、この有機半導体層を備えた有機薄膜トランジスタが高いキャリア移動度を示し、on/off比にも優れることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
上記の課題は以下の手段により達成された。
[1]基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極及び有機半導体層の間に設けられた有機ゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極と、を有する有機薄膜トランジスタであって、
有機半導体層の基板側に隣接する層が、表面に活性水素を有する基を有し、
有機半導体層が、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体Iを含有し、
活性水素を有する基と、有機半導体Iが有する下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基とが反応して、隣接する層と有機半導体層とが結合している有機薄膜トランジスタ。
Figure 2016134474
一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表し、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表し、AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表し、RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RJ1〜RJ9は水素原子又は置換基を表し、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(T)中、XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
一般式(Si): −L−Si(R)(R)X
一般式中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
[2]有機薄膜トランジスタがボトムゲート形態であり、有機半導体層に隣接する層が少なくともゲート絶縁層である[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[3]有機薄膜トランジスタがトップゲート形態であり、有機半導体層に隣接する層が少なくとも基板である[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[4]有機薄膜トランジスタがボトムコンタクト形態であり、有機半導体層に隣接する層が少なくともソース電極及びドレイン電極である[1]〜[3]のいずれか1つに記載の有機薄膜トランジスタ。
[5]有機半導体Iが、一般式(C)〜(L)及び(Q)のいずれかの式で表される[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機薄膜トランジスタ。
[6]有機半導体層が、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体IIを含有する[1]〜[5]のいずれか1つに記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2016134474
一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表し、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは一般式(Z)で表される置換基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表し、AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表し、RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RJ1〜RJ9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(T)中、XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(Z): −L−R
一般式(Z)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基又は2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
はアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、トリアルキルシリル基を表す。
Figure 2016134474
一般式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各縮合多環芳香族構造を形成するいずれかの環との結合を表す。*はRとの結合部又は一般式(L−1)〜(L−25)の波線部分との結合部を表す。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)及び(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−24)におけるRLZは各々独立に水素原子又は置換基を表す。
は水素原子又は置換基を表し、Rsiは各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
[7]有機半導体Iと有機半導体IIとの縮合多環芳香族構造が同じである[6]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、有機半導体層の基板側に隣接する層の表面を、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理して活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させ、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける、有機薄膜トランジスタの製造方法。
[9]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、有機半導体層の基板側に隣接する層の表面に、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を塗布し、活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させて、有機半導体層を設ける、有機薄膜トランジスタの製造方法。
本明細書において、化合物の表示については、その化合物そのものの他、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は複数の置換基等を同時に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
また、特に断らない限り、複数の置換基等が近接(特に隣接)するときには、それらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
さらに、本明細書において置換又は無置換を明記していない置換基等については、目的とする効果を損なわない範囲で、その基にさらに置換基を有していてもよい。これは置換や無置換を明記していない化合物についても同義である。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明により、キャリア移動度が高く、on/off比にも優れる有機薄膜トランジスタを提供できる。
また、本発明により、上記の優れた特性を有する有機薄膜トランジスタを製造できる製造方法を提供できる。
本発明の有機薄膜トランジスタの好ましい形態を模式的に示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[有機薄膜トランジスタ]
本発明の有機薄膜トランジスタ(以下、単に「本発明のOTFT」という。)の好まし形態を以下に説明する。
本発明のOTFTは、基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極と有機半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。ゲート電極に電圧が印加されると、ソース電極−ドレイン電極間の有機半導体層とこれに隣接する層との界面に電流の流路(チャネル)が形成される。すなわち、ゲート電極に印加される入力電圧に応じて、ソース電極とドレイン電極との間を流れる電流が制御される。
本発明のOTFTの好ましい形態を図面を参照して説明する。各図面に示されるOTFTは、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズないし相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。例えば、図1(A)及び(B)において、ゲート電極5は必ずしも基板6のすべてを覆っている必要はなく、基板6の中央部分に設けられた形態も、本発明のOTFTの形態として好ましい。
図1(A)〜(D)は、各々、本発明のOTFTの代表的な好ましい形態を模式的に表す縦断面図である。図1(A)〜(D)において、1は有機半導体層、2はゲート絶縁層、3はソース電極、4はドレイン電極、5はゲート電極、6は基板を示す。
また、図1(A)は、ボトムゲート−ボトムコンタクト形態、図1(B)は、ボトムゲート−トップコンタクト形態、図1(C)はトップゲート−ボトムコンタクト形態、図1(D)はトップゲート−トップコンタクト形態のOTFTを示している。
本発明のOTFTには上記4つの形態のすべてが包含される。図示を省略するが、各OTFTの図面最上部(基板6に対して反対側)には、オーバーコート層が形成されている場合もある。
本発明のOTFTにおいては、有機半導体層が、上記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体Iを含有している。この有機半導体Iは、下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基(以下、単にシリル基含有基ということがある)を有している。そして、このシリル基含有基中のシリル基と、有機半導体層1の基板6側に隣接する層(以下、隣接層ということがある)が有する、活性水素を有する基とが反応して化学結合を形成している。これにより、有機半導体Iは、隣接層上に化学結合した状態で配置され、好ましくは有機半導体Iからなる有機半導体層Iを形成する。このように、活性水素を有する基とシリル基含有基中のシリル基とが反応して、隣接層上に隣接層に結合した有機半導体層Iが配置されると、OTFTに上記の優れた特性を付与できる。
有機半導体Iは、活性水素を有する基と化学結合することで、シリル基含有基、特にシリル基含有基中のシリル基の構造が変化して隣接層と結合しているが、本発明においては、便宜上、隣接層に結合した後も有機半導体Iと称し、有機半導体Iからなる層を有機半導体層Iと称する。
本発明において、有機半導体Iが有するシリル基含有基と、活性水素を有する基との結合状態について、説明する。
本発明のOTFTにおいて、隣接層は、OTFTの形態によって、決定される。具体的には、ボトムゲート形態である場合、少なくともゲート絶縁層2である。この場合、有機半導体の濡れ性が向上する。また、有機半導体層の結晶成長が促進されることにより膜内部の空隙や欠陥が減少する。これにより、OTFTのキャリア移動度及びon/off比が優れたものとなる。
トップゲート形態である場合、少なくとも基板6である。この場合、有機半導体の濡れ性が向上する。また、有機半導体の結晶成長が促進され、さらに結晶の配向性も向上する。これにより、OTFTのキャリア移動度及びon/off比が優れたものとなる。
また、OTFTにおいて、隣接層は、ボトムコンタクト形態である場合、少なくともソース電極3及びドレイン電極4である。この場合、有機半導体の濡れ性が向上する。また、電極へ有機半導体が結合することにより、電極の仕事関数が上がり有機半導体との注入障壁が低下する。これにより、OTFTの閾値電圧が低下すると考えられ、キャリア移動度及びon/off比が改善される。
OTFTがボトムゲート−ボトムコンタクト形態である場合、隣接層は、ゲート絶縁層2であり、好ましくはさらにソース電極3及びドレイン電極4を含む。また、トップゲート−ボトムコンタクト形態である場合、隣接層は、基板6であり、好ましくはさらにソース電極3及びドレイン電極4を含む。このように、隣接層が、ゲート絶縁層2又は基板6に加えて、ソース電極3及びドレイン電極4を含むと、OTFTにさらに優れた上記特性を付与できる。
隣接層の表面が有する基は、活性水素を有していれば特に限定されない。このような基は、活性水素のみ(本発明において、便宜上、活性水素のみからなる基と称する)、及び、活性水素と、この活性水素を隣接層に連結する連結基とを有する基を包含する。
本発明において、「活性水素」とは、系中で脱プロトン化反応を起こしうる、ヘテロ原子に連結した水素原子を表す。
また、連結基は、上記機能を有する少なくとも2価の基であればよく、例えば、−O−、−S−、−N<、=N−、−C(=O)−又はアリーレン基等が挙げられる。
活性水素を有する基としては、例えば、1級、2級若しくは3級の水酸基(−OH)、フェノール性水酸基、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH)、ヒドロキシルアミノ基(−NHOH)、イミノ基(=NH)、チオール基(−SH)、アミド基又はイミド基等が挙げられる。なかでも、後述するシリル基含有基との反応性が高く、OTFTに優れた特性を付与できる点で、水酸基が好ましい。
本発明において、隣接層の表面に有する、活性水素を有する基の量(存在量)は、有機半導体Iが隣接層に結合できる量であればよく、好ましくは有機半導体層Iが形成される量である。具体的には、表面1nmの領域に活性水素を有する基が、0.1個(水酸基の場合、0.1OH/nmと表記する)以上であることが好ましく、0.2個(0.2OH/nm)以上であることがさらに好ましい。この存在量は、X線電子分光法(ESCA)、又は、Grignard試薬(CHMgI)と表面に存在する水酸基との反応により発生するメタン量を定量するによって、測定できる。
本発明において、隣接層の表面に活性水素を有する基を導入する方法は、特に限定されない。例えば、活性水素を有する材料で形成することにより、この材料由来の活性水素を有する基を、隣接層の表面に導入することができる。また、隣接層の表面に後述する各表面処理を施すことにより、隣接層の表面に活性水素を有する基を導入することもできる。このような処理については、後述する各層において、詳しく説明する。
有機半導体Iが有するシリル基含有基は、下記一般式(Si)で表される。
式(Si): −L−Si(R)(R)X
式中、Xは、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。アルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシが挙げられる。なかでも、活性水素を有する基との反応性の点で、メトキシ又はエトキシが好ましい。
ハロゲン原子は、特に限定されず、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。なかでも、活性水素を有する基との反応性の点で、塩素原子が好ましい。
Xとしては、塩素原子、メトキシ又はエトキシが好ましく、塩素原子又はメトキシがより好ましく、塩素原子が特に好ましい。
及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
アルキル基は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
アルコキシ基及びハロゲン原子は、それぞれ、Xのアルコキシ基及びハロゲン原子と同義であり、好ましいものも同じである。
及びRは、それぞれ、アルコキシ基又はハロゲン原子が好ましく、塩素原子又はメトキシがより好ましく、塩素原子が特に好ましい。
シリル基含有基において、X、R及びRは、いずれも、同じであることが好ましく、いずれも塩素原子(トリクロロシリル基含有基)又はアルコキシ基(トリアルコキシシリル基含有基)であることがさらに好ましい。
は、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基が好ましい。この連結基は、特に限定されないが、後述する有機半導体IIの連結基Lと同義である。Lの好ましいものは連結基Lと同じであるが、より好ましいものは、−O−(下記一般式(L−4))、−S−(下記一般式(L−5))、アルキレン基(下記一般式(L−1))、アリーレン基(下記一般式(L−13))又はこれらを組み合わせた基であり、さらに好ましいものは、−O−アルキレン−基、−S−アルキレン−基、−S−アルキレン−アリーレン−基、アルキレン基、アリーレン基である。
上記活性水素を有する基とシリル基含有基中のシリル基とは、互いに(化学)反応して、隣接層と有機半導体Iとを結合する結合部位を形成する。この連結部位を介して、隣接層と有機半導体層I(有機半導体層)とが結合する。
隣接層と有機半導体Iとを結合する結合部位は、活性水素を有する基とシリル基含有基との各化学構造によって、一義的に決定されない。本発明において、結合部位は、*−O−Si−**、*>N−Si−**、又は、*−S−Si−**と表すことができる。より具体的には、水酸基とシリル基含有基中のシリル基とが結合する場合、シロキサン結合(少なくとも*−O−Si−**結合を含み、通常、*−(O)−Si−**結合)となる。また、アミノ基、アミド基、ウレア基などとシリル基との結合の場合、*>N−Si−**、チオール基との結合の場合*−S−Si−**と表される。
ここで、*は隣接層に結合する結合部を表し、**は有機半導体Iの縮合多環芳香族構造に結合する結合部を表す。
本発明において、隣接層と有機半導体層との結合状態、すなわち、活性水素を有する基とシリル基含有基中のシリル基との化学結合の形成は、以下の方法で確認することができる。すなわち、水晶振動子マイクロバランス法(QCM)のセンサーに活性水素を有する基を有する隣接層を備えた基板を用い、この隣接層上にシリル基を有する化合物を含む溶液を流して、隣接層表面へ結合している有機半導体の量を定量することで、確認することができる。
以下、本発明のOTFTの構成ないし材料についてさらに説明する。
[基板]
基板は、OTFT及びその上に作製される表示パネル等を支持できるものであればよい。基板は、表面に絶縁性があり、シート状で、表面が平坦であれば特に限定されない。
基板の材料として、無機材料を用いてもよい。無機材料からなる基板として、例えば、ソーダライムガラス、石英ガラス等の各種ガラス基板や、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、サファイヤ基板、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の各種合金や各種金属からなる金属基板、金属箔、紙等を挙げることができる。
基板がステンレスシート、アルミ箔、銅箔又はシリコンウェハ等の導電性あるいは半導体性の材料で形成されている場合、通常は、表面に絶縁性の高分子材料あるいは金属酸化物等を塗布又は積層して用いられる。
また、基板の材料として、有機材料を用いてもよい。例えば、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル、PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、エポキシ樹脂に例示される有機ポリマーから構成された可撓性を有するプラスチック基板(プラスチックフィルム、プラスチックシートともいう)や有機無機複合物として、ガラスエポキシ樹脂等を挙げることができる。また雲母で形成したものも挙げることができる。
このような可撓性を有するプラスチック基板等を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器へのOTFTの組み込みあるいは一体化が可能となる。
基板を形成する有機材料は、他の層の積層時や加熱時に軟化し難いことから、ガラス転移点が高いことが好ましく、ガラス転移点が40℃以上であるのが好ましい。また、製造時の熱処理により寸法変化を起こし難く、トランジスタ性能の安定性に優れる点から、線膨張係数が小さいことが好ましい。例えば、線膨張係数が25×10−5cm/cm・℃以下である材料が好ましく、10×10−5cm/cm・℃以下である材料がさらに好ましい。
また、基板を構成する有機材料は、OTFT作製時に用いる溶媒に対する耐性を有する材料が好ましく、また、ゲート絶縁層及び電極との密着性に優れる材料が好ましい。
さらに、ガスバリア性の高い有機ポリマーからなるプラスチック基板を用いることも好ましい。
基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けたり、無機材料を蒸着又は積層したりすることも好ましい。
基板として、上記の他に、導電性基板(金やアルミニウム等の金属からなる基板、高配向性グラファイトからなる基板、ステンレス鋼製基板等)も挙げることができる。
基板には、密着性や平坦性を改善するためのバッファー層、ガスバリア性を向上させるためのバリア膜等の機能性膜、また表面に易接着層等の表面処理層を形成してもよい。
本発明のOTFTがトップゲート形態である場合、基板は、その表面に活性水素を有する基を有する。活性水素を有する基は上記した通りである。
活性水素を有する基板は、活性水素を有する材料で形成することができる。このような材料としては、上記のなかでも、エポキシ基板、ガラスエポキシ基板等が挙げられる。
また、上記材料で形成された基板の表面を処理することで、表面に活性水素を有する基を導入することもできる。このような処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、UV/オゾン処理が挙げられる。各表面処理における方法及び条件は、特に限定されず、上記存在量となるように、適宜に決定される。
基板の厚みは、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがさらに好ましく、1mm以下であるのが特に好ましい。また、一方で、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのがさらに好ましい。特に、プラスチック基板の場合は、厚みが0.05〜0.1mm程度であるのが好ましい。また、無機材料からなる基板の場合は、厚みが0.1〜10mm程度であるのが好ましい。
[ゲート電極]
ゲート電極は、OTFTのゲート電極として用いられている従来公知の電極を用いることができる。ゲート電極を構成する導電性材料(電極材料ともいう)としては、特に限定されない。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、モリブデン、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム、パラジウム、鉄、マンガン等の金属;InO、SnO、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等の導電性高分子;塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等のドーパントを添加した上記導電性高分子;並びに;カーボンブラック、グラファイト粉、金属微粒子等を分散した導電性の複合材料等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、ゲート電極は、上記導電性材料からなる1層でもよく、2層以上を積層してもよい。
ゲート電極の形成方法に制限はない。例えば、真空蒸着法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD法)、スパッタ法、印刷法(塗布法)、転写法、ゾルゲル法、メッキ法等により形成された膜を、必要に応じて所望の形状にパターンニングする方法が挙げられる。
塗布法では、上記材料の溶液、ペースト又は分散液を調製、塗布し、乾燥、焼成、光硬化又はエージング等により、膜を形成し、又は直接、電極を形成できる。
また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、(反転)オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、熱転写印刷、マイクロコンタクトプリンティング法等は、所望のパターニングが可能であり、工程の簡素化、コスト低減、高速化の点で好ましい。
スピンコート法、ダイコート法、マイクログラビアコート法、ディップコート法を採用する場合も、下記フォトリソグラフィー法等と組み合わせてパターニングすることができる。
フォトリソグラフィー法としては、例えば、フォトレジストのパターニングと、エッチング液によるウェットエッチングや反応性のプラズマによるドライエッチング等のエッチング、又は、リフトオフ法等とを組み合わせる方法等が挙げられる。
他のパターニング方法として、上記材料に、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して、研磨し、又は材料の導電性を変化させる方法も挙げられる。
さらに、基板以外の支持体に印刷したゲート電極用組成物を基板等の下地層の上に転写させる方法も挙げられる。
ゲート電極の厚みは、任意であるが、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、200nm以下が特に好ましい。
[ゲート絶縁層]
ゲート絶縁層は、絶縁性を有する層であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁層は、絶縁性の材料で形成されるのが好ましく、絶縁性の材料として、例えば、有機高分子、無機酸化物等が好ましく挙げられる。
有機高分子及び無機酸化物等は、絶縁性を有するものであれば特に限定されず、薄膜、例えば厚み1μm以下の薄膜を形成できるものが好ましい。ゲート絶縁層の厚みは、任意であるが、10nm以上が好ましく、100nm以上が特に好ましい。また、1μm以下が好ましく、800nm以下が好ましく、500nm以下が特に好ましい。
有機高分子及び無機酸化物は、ぞれぞれ、1種を用いても、2種以上を併用してもよく、また、有機高分子と無機酸化物を併用してもよい。
有機高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレートに代表されるポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、CYTOP(登録商標、旭硝子社製)に代表される環状フルオロアルキルポリマー、ポリシクロオレフィン、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、エポキシ樹脂(ガラスエポキシ樹脂を含む)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)に代表されるポリオルガノシロキサン、ポリシルセスキオキサン又はブタジエンゴム等が挙げられる。また、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メタクリル樹脂、ポリアセタール、ジアリルフタレート、アイオノマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ユリア樹脂、メラミン樹脂、酢酸セルロース、シリコン樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。上記の他にも、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、シンナメート樹脂、アクリル樹脂、ポリパラキシリレン樹脂等の熱硬化性樹脂も挙げられる。
有機高分子は、アルコキシシリル基やビニル基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基、メチロール基等の反応性置換基を有する化合物と併用することもできる。
有機高分子でゲート絶縁層を形成する場合、ゲート絶縁層の耐溶媒性や絶縁耐性を増す目的等で、有機高分子を架橋し、硬化させることも好ましい。架橋は、光、熱又はこれら双方を用いて、酸又はラジカルを発生させることにより、行うのが好ましい。
ラジカルにより架橋する場合、光又は熱によりラジカルを発生させるラジカル発生剤として、例えば、特開2013−214649号公報の[0182]〜[0186]に記載の熱重合開始剤(H1)及び光重合開始剤(H2)、特開2011−186069号公報の[0046]〜[0051]に記載の光ラジカル発生剤、特開2010−285518号公報の[0042]〜[0056]に記載の光ラジカル重合開始剤等を好適に用いることができ、好ましくはこれらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、特開2013−214649号公報の[0167]〜[0177]に記載の「数平均分子量(Mn)が140〜5,000であり、架橋性官能基を有し、フッ素原子を有さない化合物(G)」を用いるのも好ましく、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
酸により架橋する場合、光により酸を発生させる光酸発生剤として、例えば、特開2010−285518号公報の[0033]〜[0034]に記載の光カチオン重合開始剤、特開2012−163946号公報の[0120]〜[0136]に記載の酸発生剤、特にスルホニウム塩、ヨードニウム塩等を好ましく使用することができ、好ましくはこれらの内容は本明細書に組み込まれる。
熱により酸を発生させる熱酸発生剤(触媒)として、例えば、特開2010−285518号公報の[0035]〜[0038]に記載の熱カチオン重合開始剤、特にオニウム塩等や、特開2005−354012号公報の[0034]〜[0035]に記載の触媒、特にスルホン酸類及びスルホン酸アミン塩等を好ましく使用することができ、好ましくはこれらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、特開2005−354012号公報の[0032]〜[0033]に記載の架橋剤、特に二官能以上のエポキシ化合物、オキセタン化合物、特開2006−303465号公報の[0046]〜[0062]に記載の架橋剤、特に2個以上の架橋基を有し、この架橋基の少なくとも一つがメチロール基若しくはNH基であることを特徴とする化合物、及び、特開2012−163946号公報の[0137]〜[0145]に記載の、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物を用いるのも好ましく、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
ゲート絶縁層を有機高分子で形成する方法としては、例えば、有機高分子を塗布(塗工)、硬化する方法が挙げられる。塗布方は、特に限定されず、上記の各印刷法が挙げられる。なかでも、マイクログラビアコート法、ディップコート法、スクリーンコート印刷、ダイコート法又はスピンコート法等のウエットコーティング法が好ましい。
上記無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化ニッケル等の酸化物、また、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト化合物、あるいはこれらの複合酸化物又は混合物等が挙げられる。ここで、酸化ケイ素としては、酸化シリコン(SiO)の他に、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BSG(Boron Silicon Glass)、AsSG(Asがドープされたシリカガラス)、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率SiO系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を含む。
ゲート絶縁層を無機酸化物で形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング又はCVD法等の真空成膜法を用いることができ、また成膜中に任意のガスを用いたプラズマやイオン銃、ラジカル銃等でアシストを行ってもよい。
また、それぞれの金属酸化物に対応する前駆体、具体的には塩化物、臭化物等の金属ハロゲン化物や金属アルコキシド、金属水酸化物等を、アルコールや水中で塩酸、硫酸、硝酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基と反応させて加水分解することにより、形成してもよい。このような溶液系のプロセスを用いる場合、上記ウエットコーティング法を用いることができる。
ゲート絶縁層は、上記の方法以外にも、リフトオフ法、ゾル−ゲル法、電着法及びシャドウマスク法のいずれかと、必要に応じてパターニング法とを組み合わせた方法により、設けることもできる。
本発明のOTFTがボトムゲート形態である場合、ゲート絶縁層は、その表面に活性水素を有する基を有する。
このようなゲート絶縁層は、活性水素を有する材料で形成することができる。この材料としては、上記のなかでも、例えば、PVP、ポリシルセスキオキサン、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、EVA、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール、ジアリルフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、アイオノマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸セルロース、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
また、上記材料で形成されたゲート絶縁層の表面を処理することで、表面に活性水素を有する基を導入することもできる。このような処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、UV/オゾン処理が挙げられる。各処理における方法及び条件は、特に限定されず、上記存在量となるように、適宜に決定される。ゲート絶縁層を表面処理する場合、表面処理により表面粗さを必要以上に粗くしないことが好ましい。好ましくは、ゲート絶縁層表面の算術平均粗さRa又は二乗平均粗さRMSは0.5nm以下である。
[有機半導体層]
有機半導体層は、半導体性を示し、キャリアを蓄積可能な層である。
有機半導体層は、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体Iを含有し、好ましくは下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体IIをさらに含有する。
有機半導体Iは、上記の通り、隣接層上に形成される。
本発明において、有機半導体層は、有機半導体I以外の有機半導体を含有していてもよい。有機半導体I以外の有機半導体としては、特に限定されないが、後述する有機半導体IIが好ましい。有機半導体Iと有機半導体I以外の有機半導体との層分離につき、有機半導体IIを例に挙げて以下に説明するが、本発明において、有機半導体Iに対して、有機半導体I以外の有機半導体も有機半導体IIと同様の挙動を示す。
有機半導体層が有機半導体IIを含有する場合、有機半導体Iと有機半導体IIとは、互いに層分離して、それぞれが別異の層を形成してもよく、互いに混在して同一の層を形成してもよく、またこれらが併存していてもよい。本発明において、有機半導体Iは、隣接層が有する活性水素を有する基と結合するため、有機半導体IIと分離しやすい。したがって、本発明において、有機半導体層は、隣接層上に有機半導体Iからなる有機半導体層Iと、有機半導体層I上に有機半導体IIからなる有機半導体層IIとを有する構造が、好ましく形成される。この構造において、有機半導層Iと有機半導体層IIとの境界は、明確ではない場合もある。
有機半導体層の膜厚(全体)は、特に限定されないが、1nm以上が好ましく、10nm以上がさらに好ましい。また、10μm以下が好ましく、1μm以下がさらに好ましく、500nm以下が特に好ましい。
有機半導体層I及び有機半導体層IIの厚さは、有機半導体層全体の膜厚が上記範囲内であれば、それぞれ、特に限定されない。有機半導体層Iは、通常、薄膜(例えば、100nm以下)に形成されることが好ましい。有機半導体層IIは、有機半導体Iの膜厚との合計が上記有機半導体層全体の膜厚になるように、決定される。例えば、100〜1000nmが好ましい。
<有機半導体I>
有機半導体Iは、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される縮合多環芳香族化合物(単に、化合物ということがある)である。なかでも、耐熱性(加熱によりクラックが発生する温度が高くなる)の観点から、一般式(C)〜(L)及び(Q)のいずれかの式で表される縮合多環芳香族化合物が好ましく、溶剤溶解性の観点から、一般式(C)、(F)、(J)又は(L)で表される縮合多環芳香族化合物がさらに好ましい。
Figure 2016134474
一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはAC1及びAC2ともに酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは硫黄原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはXF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは硫黄原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表し、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。p及びqは0〜2の整数を表す。
一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表し、AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表す。XH1〜XH4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XJ1、XJ2、XJ3及びXJ4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RJ1〜RJ9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XK1、XK2、XK3及びXK4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。XL1及びXL2は各々独立に好ましくは酸素原子又は硫黄原子を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。XN1及びXN2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。またRN1〜RN13のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。XP1及びXP2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RP1〜RP13のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。XQ1及びXQ2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。XR1、XR2及びXR3は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RR1〜RR9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RS1〜RS7のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(T)中、XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。また、RT1〜RT7のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基であることが好ましい。
以下に、上記各一般式において、RC1〜RC6、RD1〜RD8、RE1〜RE8、RF1〜RF10、RFa及びRFb、RG1〜RG8、RH1〜RH6、RJ1〜RJ9、RK1〜RK9、RL1〜RL11、RN1〜RN13、RP1〜RP13、RQ1〜RQ13、RR1〜RR9、RS1〜RS7、並びに、RT1〜RT7(以下、置換基R〜Rという)について、説明する。
置換基R〜Rが、一般式(Si)で表されるシリル基含有基以外にとりうる置換基として、ハロゲン原子、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等の炭素数1〜40のアルキル基、ただし、2,6−ジメチルオクチル、2−デシルテトラデシル、2−ヘキシルドデシル、2−エチルオクチル、2−デシルテトラデシル、2−ブチルデシル、1−オクチルノニル、2−エチルオクチル、2−オクチルテトラデシル、2−エチルヘキシル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル等を含む)、アルケニル基(1−ペンテニル、シクロアルケニル、ビシクロアルケニル等を含む)、アルキニル基(1−ペンチニル、トリメチルシリルエチニル、トリエチルシリルエチニル、トリ−i−プロピルシリルエチニル、2−p−プロピルフェニルエチニル等を含む)、アリール基(フェニル、ナフチル、p−ペンチルフェニル、3,4−ジペンチルフェニル、p−ヘプトキシフェニル、3,4−ジヘプトキシフェニルの炭素数6〜20のアリール基等を含む)、複素環基(ヘテロ環基ともいう。2−ヘキシルフラニル等を含む)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシル基(ヘキサノイル、ベンゾイル等を含む。)、アルコキシ基(ブトキシ等を含む)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基含む)、アルコキシ又はアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル又はアリールチオ基(メチルチオ、オクチルチオ等を含む)、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(ジ(トリメチルシロキシ)メチルブトキシ基等)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基が挙げられる。
これら置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
これらの中でも、置換基R〜Rがとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(Si)で表されるシリル基含有基又は後述する一般式(Z)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(Si)で表されるシリル基含有基、後述する一般式(Z)で表される置換基がより好ましく、一般式(Si)で表されるシリル基含有基又は後述する一般式(Z)で表される置換基が特に好ましい。
上記RD9、RG9及びRH7の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基は、それぞれ、置換基R〜Rがとりうる置換基で説明した、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基と同義である。
また、ヘテロアリール基(芳香族複素環基ともいう)としては、特に限定されない。例えば、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル等)、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、チエニル、キノリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、インドリル、カルバゾリル、カルボリニル、ジアザカルバゾリル(カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わった基)、キノキサリニル、ピリダジニル、トリアジニル、キナゾリニル、フタラジニルが挙げられる。
置換基R〜Rは、隣接する置換基が結合して、芳香環を形成しないことが、上記各式で表される各縮合多環芳香族構造が変化しない点で、好ましい。
下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基は、上記の通りである。
一般式(Si): −L−Si(R)(R)X
式中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
一般式(C)〜(T)で表される各化合物において、置換基R〜Rのうち、一般式(Si)で表されるシリル基含有基は、1〜4個であることが、結晶成長促進性の観点から好ましく、1又は2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
一般式(Z)で表される置換基は、有機半導体IIにおける、一般式(Z)で表される置換基と同義であり、好ましいものも同じである。
一般式(C)〜(T)で表される各化合物において、置換基R〜Rのうち、一般式(Z)で表される置換基は、1〜3個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1又は2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
一般式(C)〜(T)で表される各化合物は、置換基R〜Rそれぞれにおいて、一般式(Si)で表されるシリル基含有基と、一般式(Z)で表される置換基とを、それぞれ、1個ずつ有することが特に好ましい。
置換基R〜Rのうち、一般式(Si)で表されるシリル基含有基及び一般式(Z)で表される置換基の位置に特に制限はない。
一般式(C)で表される化合物においては、RC1、RC2、RC3及びRC6のいずれか少なくとも1つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他の少なくとも1つが一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。RC1とRC2の組のいずれか一方、又は、RC3とRC6の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、各組の他方が一般式(Z)で表される置換基であることがさらに好ましい。
一般式(D)で表される化合物においては、RD5とRD6のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。また、RD5及びRD6がともに一般式(Si)で表されるシリル基含有基及び一般式(Z)で表される置換基以外の置換基である場合、RD7及びRD8のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのも好ましい。
一般式(E)で表される化合物においては、RE5とRE6のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。また、RE5及びRE6がともに一般式(Si)で表されるシリル基含有基及び一般式(Z)で表される置換基以外の置換基である場合、2つのRE7のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのも好ましい。
一般式(F)で表される化合物においては、RF2、RF3、RF8及びRF9のうち少なくとも一つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他の少なくとも1つが一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。RF2とRF9の組のいずれか一方、又は、RF3とRF8の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、各組の他方が一般式(Z)で表される置換基であることがさらに好ましい。
一般式(G)で表される化合物においては、RG5とRG6のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(H)で表される化合物においては、RH3〜RH6のうち少なくとも一つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他の少なくとも1つが一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。RH3とRH4の組のいずれか一方、又は、RH5とRH6の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、各組の他方が一般式(Z)で表される置換基であることがさらに好ましい。
一般式(J)で表される化合物においては、RJ4とRJ8のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(K)で表される化合物においては、RK3とRK7のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(L)で表される化合物においては、RL2、RL3、RL6及びRL7のうち少なくとも一つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であることが好ましく、他の少なくとも1つが一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。RL2とRL6の組のいずれか一方、又は、RL3とRL7の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、各組の他方が一般式(Z)で表される置換基であることがさらに好ましい。
一般式(N)で表される化合物においては、RN3、RN9、RN4及びRN10のうち少なくとも一つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他の少なくとも1つが一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。RN3とRN9の組のいずれか一方、又は、RN4とRN10の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがさらに好ましい。
一般式(P)で表される化合物においては、RP2、RP3、RP8及びRP9の少なくとも一つが一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他の少なくとも1つ一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。RP2とRP8の組のいずれか一方、又は、RP3とRP9の組のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であり、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがさらに好ましい。
一般式(Q)で表される化合物においては、RQ3とRQ9のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(R)で表される化合物においては、RR2とRR7のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(S)で表される化合物においては、RS2とRS5のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(T)で表される化合物においては、RT2とRT5のいずれか一方が一般式(Si)で表されるシリル基含有基であるのが好ましく、他方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
以下に、一般式(C)〜式(T)で表される各化合物の具体例として、下記有機半導体IIの例示化合物において、置換基の全部又は一部、好ましくは化学式右側の置換基の末端の水素原子をシリル基含有基で置換した化合物、さらに実施例で用いた化合物が挙げられる。
具体的には、有機半導体IIの例示化合物において置換基の全部をシリル基含有基で置換した化合物としては、化合物N4の置換基RN9(C1021)をシリル基含有基SGで置換した実施例化合物Nsが挙げられる。また、有機半導体IIの例示化合物において置換基の一部をシリル基含有基で置換した化合物としては、化合物C17のRC6の置換基中のアルキル基部分(n−C17)をシリル基含有基SGで置換した実施例化合物Csが挙げられる。さらに、有機半導体IIの例示化合物において置換基(n−C11)の末端の水素原子をシリル基含有基で置換した化合物としては、化合物L9のRL6の置換基の末端の水素原子をシリル基含有基SGで置換した実施例化合物Lsが挙げられる。
本発明に用いることができる化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
各一般式で表される縮合多環芳香族化合物の分子量は、有機半導体IIにおける各一般式で表される、同じ縮合多環芳香族化合物を持つ縮合多環芳香族化合物と同じ範囲であり、好ましい範囲も同じである。
<有機半導体II>
有機半導体IIは、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される縮合多環芳香族化合物である。
各一般式で表される有機半導体IIは、一般式(Si)で表されるシリル基含有基を有しないこと及び連結基以外は、同じ縮合多環芳香族構造を有する、上記一般式(C)〜(T)の各一般式で表される有機半導体Iと同じである。
ここで、縮合多環芳香族構造とは、各一般式(C)〜(T)、及び、一般式(C)〜(T)で表される縮合多環芳香族化合物の化学構造のうち、置換基R〜Rを除いた基本骨格をいう。
したがって、一般式名(添字を除く)が同じ有機半導体IとIIとは同じ縮合多環芳香族構造を有する。例えば、一般式(C)で表される有機半導体Iと、一般式(C)で表される有機半導体IIとは、2つのベンゼン環と2つの含窒素複素環とが縮環した同じ縮合多環芳香族構造を有する。
本発明において、併用される有機半導体Iと有機半導体IIとは、特に限定されず、例えば、後述する一般式のいずれかで表されるもの同士を任意に組み合わせることができる。併用される有機半導体I及びIIは、キャリア移動度、on/offの点で、ともに、同じ縮合多環芳香族構造を有する有機半導体同士であることが好ましい。
Figure 2016134474
一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはAC1、AC2はともに酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは硫黄原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはXF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは、硫黄原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは一般式(Z)で表される置換基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表す。AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表す。XH1〜XH4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XJ1、XJ2、XJ3及びXJ4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RJ1〜RJ9は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XK1、XK2、XK3及びXK4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。XL1及びXL2は各々独立に好ましくは酸素原子又は硫黄原子を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。XN1及びXN2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。XP1及びXP2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。XQ1及びXQ2は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。XR1、XR2及びXR3は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
一般式(T)中、XT1、XT2、XT3、及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に好ましくは硫黄原子を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
上記各一般式において、置換基R〜Rは、一般式(Si)で表されるシリル基含有基を含まず、一般式(Z)で表される置換基を含む点以外は、有機半導体Iにおける置換基R〜Rと同義であり、好ましいものも同じである。
一般式(Z):−L−R で表される基について説明する。
一般式(Z)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基又は2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合してなる2価の連結基を表す。Rはアルキル基(置換又は無置換のアルキル基)、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、トリアルキルシリル基(置換又は無置換のトリアルキルシリル基)を表す。
Figure 2016134474
一般式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各縮合多環芳香族構造を形成するいずれかの環との結合を表す。なお、本明細書中、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各縮合多環芳香族構造を形成するいずれかの環との結合又は一般式(L−1)〜(L−25)で表される2価の連結基のいずれかとの結合を表す。
*はRとの結合部又は一般式(L−1)〜(L−25)の波線部分との結合部を表す。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)及び(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−24)におけるRLZは各々独立に水素原子又は置換基を表し、一般式(L−1)及び(L−2)中のRLZはそれぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
は水素原子又は置換基を表し、Rsiは各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
この中でも、一般式(L−17)〜(L−21)、(L−23)及び(L−24)で表される2価の連結基は、下記一般式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)及び(L−24A)で表される2価の連結基であることがより好ましい。
Figure 2016134474
ここで、置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、一般式(Z)における−R単独と解釈することもでき、一般式(Z)における−L−Rと解釈することもできる。
本発明では、主鎖が炭素数N個の置換又は無置換のアルキル基を置換基の末端に有する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めたうえで、一般式(Z)における−L−Rと解釈することとし、一般式(Z)における−R単独とは解釈しない。具体的には「一般式(Z)におけるLに相当する一般式(L−1)で表される連結基1個」と「一般式(Z)におけるRに相当する主鎖が炭素数(N−1)個の置換又は無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn−オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のRLZが水素原子である一般式(L−1)で表される連結基1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。また、一般式(Z)で表される置換基が炭素数8のアルコキシ基である場合、−O−である一般式(L−4)で表される連結基1個と、2個のRLZが水素原子である一般式(L−1)で表される連結基1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基を置換基の末端に有する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めたうえで、一般式(Z)におけるR単独と解釈する。例えば、−(OCHCH)−(OCHCH)−(OCHCH)−OCH基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2〜4であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−24)中の置換基RLZとしては、一般式(C)〜(T)の置換基R〜Rがとりうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でも一般式(L−6)中の置換基RLZはアルキル基であることが好ましく、一般式(L−6)中のRLZがアルキル基である場合は、このアルキル基の炭素数は1〜9であることが好ましく、4〜9であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、5〜9であることがさらに好ましい。一般式(L−6)中のRLZがアルキル基である場合は、このアルキル基は直鎖アルキル基であることが、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
としては、上記置換基R〜Rがとりうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもRとしては水素原子又はメチルが好ましい。
siは、アルキル基であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキル基としては特に制限はないが、Rsiがとり得るアルキル基の好ましい範囲はRがシリル基である場合にこのシリル基がとり得るアルキル基の好ましい範囲と同様である。Rsiがとり得るアルケニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、このアルケニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、このアルキニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。
Lは、一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)若しくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基、又は一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)若しくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)若しくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基又は一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)若しくは(L−18)で表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、(L−1)、(L−3)、(L−13)若しくは(L−18)で表される2価の連結基、あるいは一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であることが特に好ましい。一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基は、一般式(L−1)で表される2価の連結基がR側に結合することが好ましい。
化学的安定性、キャリア輸送性の観点から一般式(L−1)で表される2価の連結基を含む2価の連結基であることが好ましく、一般式(L−1)で表される2価の連結基であることがより好ましく、Lが一般式(L−18)及び(L−1)で表される2価の連結基であり、(L−1)を介してRと結合し、Rが置換又は無置換のアルキル基であることがさらに好ましく、Lが一般式(L−18A)及び(L−1)で表される2価の連結基であり、(L−1)を介してRと結合し、Rが置換又は無置換のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式(Z)において、Rは、好ましくは、置換又は無置換のアルキル基である。一般式(Z)において、Rに隣接するLが一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(Z)において、Rに隣接するLが一般式(L−2)及び(L−4)〜(L−25)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(Z)において、Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシリル基であることが好ましい。
が置換又は無置換のアルキル基の場合、炭素数は4〜17であることが好ましく、6〜14であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。Rが上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
これらの中でも、一般式(Z)におけるRとLの組み合わせとしては、一般式(C)〜(T)のLが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であるか;あるいは、Lが一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
Lが一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、Rが分枝アルキル基であることが好ましい。
は、無置換のアルキル基であることが好ましい。
が、置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、ハロゲン原子等を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合はアルキル基の水素原子がすべてフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。
がオリゴオキシエチレン基の場合、Rが表す「オリゴオキシエチレン基」とは本明細書中、−(OCHCHORWEで表される基のことをいう(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のRWEは水素原子又は置換基を表す)。オリゴオキシエチレン基の末端のRWEが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちRWEが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちRWEが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、RWEがメチルやエチルであることがより好ましく、メチルであることが特に好ましい。
が、シロキサン基又はオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。また、Si原子には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。Si原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチルやエチルが結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基又は水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
に隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合、Rが置換又は無置換のシリル基であることも好ましい。Rが置換又は無置換のシリル基である場合はその中でも、Rが置換シリル基であることが好ましい。シリル基の置換基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキル基が好ましく、分枝アルキル基であることがより好ましい。Rがトリアルキルシリル基の場合、Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチルやエチルやイソプロピルが結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Rが、アルキル基上にさらに置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の置換基としては、特に制限はない。
一般式(Z)において、L及びRに含まれる炭素数の合計は5〜18であることが好ましい。L及びRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなり、駆動電圧を低くなることがある。L及びRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなることがある。
L及びRに含まれる炭素数の合計は5〜14であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましく、8〜12であることがより特に好ましい。
一般式(C)〜(T)で表される各縮合多環芳香族化合物において置換基R〜Rのうち、一般式(Z)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1又は2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
置換基R〜Rのうち、一般式(Z)で表される置換基の位置に特に制限はない。
一般式(C)で表される化合物においては、RC1、RC2、RC3及びRC6のいずれかが一般式(Z)で表される置換基であることが好ましく、RC1とRC2との両方又はRC3とRC6の両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(D)で表される化合物においては、RD5とRD6のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であることが好ましく、RD5とRD6との両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。また、RD5及びRD6が一般式(Z)で表される置換基以外の置換基である場合、RD7及びRD8が一般式(Z)で表される置換基であるのも好ましい。
一般式(E)で表される化合物においては、RE5とRE6のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であることが好ましく、RE5とRE6との両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。また、RE5及びRE6が一般式(Z)で表される置換基以外の置換基である場合、2つのRE7が一般式(Z)で表される置換基であるのも好ましい。
一般式(F)で表される化合物においては、RF2、RF3、RF8及びRF9のうち少なくとも一つは一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましい。RF2とRF9の両方又はRF3とRF8の両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(G)で表される化合物においては、RG5とRG6のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。RG5とRG6の両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(H)で表される化合物においては、RH3〜RH6のいずれかが一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RH3とRH4の両方、又は、RH5とRH6の両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(J)で表される化合物においては、RJ4とRJ8のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RJ4とRJ8との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(K)で表される化合物においては、RK3とRK7のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RK3とRK7との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(L)で表される化合物においては、RL2、RL3、RL6及びRL7のうち少なくとも一つが一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましい。RL2とRL6の両方又はRL3とRL7の両方が一般式(Z)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(N)で表される化合物においては、RN3、RN9、RN4及びRN10のうち少なくとも一つが一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RN3とRN9の両方又はRN4とRN10の両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(P)で表される化合物においては、RP2、RP3、RP8及びRP9の少なくとも一つが一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RP2とRP8の両方又はRP3とRP9の両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(Q)で表される化合物においては、RQ3とRQ9のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RQ3とRQ9との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(R)で表される化合物においては、RR2とRR7のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RR2とRR7との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(S)で表される化合物においては、RS2とRS5のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RS2とRS5との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
一般式(T)で表される化合物においては、RT2とRT5のいずれか一方が一般式(Z)で表される置換基であるのが好ましく、RT2とRT5との両方が一般式(Z)で表される置換基であるのがより好ましい。
置換基R〜Rのうち、一般式(Z)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましい。
以下に、一般式(C)〜式(T)で表される各縮合多環芳香族化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物Cの具体例を示す。
Figure 2016134474
一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物は、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量が上記範囲内にあると、溶媒への溶解性を高めることができる。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物Dの具体例を示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物の分子量は、上限が一般式(C)で表される化合物と同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
一般式(E)で表される縮合多環芳香族化合物E、一般式(F)で表される縮合多環芳香族化合物F、一般式(G)で表される縮合多環芳香族化合物G及び一般式(H)で表される縮合多環芳香族化合物Hそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
上記縮合多環芳香族化合物E、縮合多環芳香族化合物F、縮合多環芳香族化合物G及び縮合多環芳香族化合物Hの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物Dと同じである。
一般式(J)及び一般式(K)で表される縮合多環芳香族化合物J及び縮合多環芳香族化合物Kの具体例を示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
上記縮合多環芳香族化合物J及び縮合多環芳香族化合物Kの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物Dと同じである。
一般式(L)で表される縮合多環芳香族化合物L、一般式(N)で表される縮合多環芳香族化合物N、一般式(P)で表される縮合多環芳香族化合物P及び一般式(Q)で表される縮合多環芳香族化合物Qそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
上記縮合多環芳香族化合物L、縮合多環芳香族化合物N、縮合多環芳香族化合物P及び縮合多環芳香族化合物Qの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物Dと同じである。
一般式(R)で表される縮合多環芳香族化合物R、一般式(S)で表される縮合多環芳香族化合物S及び一般式(T)で表される縮合多環芳香族化合物Tそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
Figure 2016134474
上記縮合多環芳香族化合物R、縮合多環芳香族化合物S及び縮合多環芳香族化合物Tの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される縮合多環芳香族化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される縮合多環芳香族化合物Dと同じである。
[ソース電極、ドレイン電極]
本発明のOTFTにおいて、ソース電極は、配線を通じて外部から電流が流入する電極である。また、ドレイン電極は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極であり、通常、上記半有機導体層に接して設けられる。
ソース電極及びドレイン電極の材料としては、従来の有機薄膜トランジスタに用いられている導電性材料を用いることができ、例えば、上記ゲート電極で説明した導電性材料等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極は、それぞれ、上記ゲート電極の形成方法と同様の方法により形成することができる。
上記フォトリソグラフィー法としては、リフトオフ法又はエッチング法を採用できる。
特に、ゲート絶縁層がエッチング液や剥離液に対する耐性に優れていることから、ソース電極及びドレイン電極はエッチング法でも好適に形成することができる。エッチング法は、導電性材料を成膜した後に不要部分をエッチングにより除去する方法である。エッチング法によりパターニングすると、レジスト除去時に下地に残った導電性材料の剥がれ、レジスト残渣や除去された導電性材料の下地への再付着を防止でき、電極エッジ部の形状に優れる。この点で、リフトオフ法よりも好ましい。
リフトオフ法は、下地の一部にレジストを塗布し、この上に導電性材料を成膜し、レジスト等を溶媒により溶出又は剥離等することにより、レジスト上の導電性材料ごと除去して、レジストが塗布されていなかった部分にのみ導電性材料の膜を形成する方法である。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、任意であるが、それぞれ、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、300nm以下が特に好ましい。
ソース電極とドレイン電極との間の間隔(チャネル長)は、任意であるが、500μm以下が好ましく、200μm以下が特に好ましい。また、チャネル幅は、5000μm以下が好ましく、1000μm以下が特に好ましい。
本発明のOTFTがボトムコンタクト形態である場合、ソース電極及びドレイン電極は、その表面に活性水素を有する基を有する。本発明においては、ソース電極及びドレイン電極の一方のみに、活性水素を有する基を導入することもできる。
このようなソース電極及びドレイン電極ゲート絶縁層は、活性水素を有する材料で形成することができる。このような材料としては、上記のなかでも、例えば、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記材料で形成された各電極の表面を処理することで、表面に活性水素を有する基を導入することもできる。このような処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、UV/オゾン処理が挙げられる。各処理における方法及び条件は、特に限定されず、上記存在量となるように、適宜に決定される。
[オーバーコート層]
本発明のOTFTは、オーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層は、通常、OTFTの表面に保護層として形成される層である。単層構造でも多層構造でもよい。
オーバーコート層は、有機系のオーバーコート層でも無機系のオーバーコート層でもよい。
有機系のオーバーコート層を形成する材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアセナチレン、エポキシ樹脂等の有機ポリマー、及び、これらの有機ポリマーに架橋性基や撥水基等を導入した誘導体等が挙げられる。これらの有機ポリマーやその誘導体は、架橋成分、フッ素化合物、シリコン化合物等と併用することもできる。
無機系のオーバーコート層を形成する材料としては、特に限定されないが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の金属窒化物等が挙げられる。
これらの材料は、1種を用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
オーバーコート層の形成方法に制限はなく、公知の各種の方法により形成することができる。
例えば、有機系のオーバーコート層は、例えば、その下地となる層に、オーバーコート層となる材料を含む溶液を塗布後に乾燥させる、オーバーコート層となる材料を含む溶液を塗布、乾燥後に露光、現像してパターニングする等の方法により形成することができる。オーバーコート層のパターニングは、印刷法やインクジェット法等により直接形成することもできる。また、オーバーコート層のパターニング後に、露光や加熱することにより、オーバーコート層を架橋させてもよい。
一方、無機系のオーバーコート層は、スパッタリング法、蒸着法等の乾式法やゾルゲル法のような湿式法により形成することができる。
[その他の層]
本発明のOTFTは、上記以外の層や部材を設けてもよい。
その他の層又は部材としては、例えば、バンク等が挙げられる。バンクは、インクジェット法等により半導体層やオーバーコート層等を形成するときに、吐出液を所定の位置に塞き止める目的等で用いられる。このため、バンクには、通常、撥液性がある。バンクの形成方法としては、フォトリソグラフィー法等によりパターニングした後にフッ素プラズマ法等の撥液処理を施す方法、フッ素化合物等の撥液成分を含む感光性組成物等を硬化させる方法等が挙げられる。
本発明の有機薄膜トランジスタの場合、ゲート絶縁層が有機層であることから、後者の撥液成分を含む感光性組成物を硬化させる方法が、ゲート絶縁層が撥液処理の影響を受ける可能性がなく、好ましい。バンクを用いずに下地に撥液性のコントラストを持たせてバンクと同じ役割を持たせる技術を用いてもよい。
[OTFTの用途]
本発明のOTFTは好ましくは表示パネルに搭載して使用される。表示パネルとしては、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、電子ペーパーパネル等が挙げられる。
[OTFTの製造方法]
本発明のOTFTの製造方法は、隣接層が有する、活性水素を有する基と、有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させて、隣接層に結合させた有機半導体層を形成できる方法であれば、特に限定されない。
好ましい製造方法として、有機半導体層の基板側に隣接する層の表面を、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理して活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させ、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける工程Aを有する方法が挙げられる。
また、好ましい別の製造方法として、有機半導体層の基板側に隣接する層の表面に、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を塗布し、活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させて、有機半導体層を設ける工程Bを有する方法が挙げられる。
基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極は、いずれも、上記した方法で作製又は成膜することができる。
以下、有機半導体層を成形する工程について、説明する。
有機半導体Iを含有する液I及び有機半導体IIを含有する液II、又は、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を調製する。
有機半導体I及び有機半導体IIは上記の通りである。
これらの液I、液II及び混合液(以下、これらをまとめて形成液という)は、いずれも、有機半導体I及びII以外に、他の成分を含有してもよい。例えば、上記樹脂、シランカップリング剤等の自己組織化する化合物、界面活性剤等が挙げられる。
形成液は、好ましくは溶媒を含有する。この溶媒は、有機半導体I及びIIを溶解又は分散させるものであれば特に限定されない。例えば、有機溶媒、水及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、テトラリン、デカリン、1−メチルナフタレン等の炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン等のアミドイミド溶媒、ジメチルスルフォキシド等のスルホキシド溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒等が挙げられる。
有機溶媒は、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、ベンゾニトリル等が特に好ましい。
液I中の有機半導体Iの濃度は、特に限定されないが、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.2〜5質量%が特に好ましい。
液II中の有機半導体IIの濃度は、特に限定されないが、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.2〜5質量%が特に好ましい。
混合液中の有機半導体Iの濃度は、特に限定されないが、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
混合液中の有機半導体IIの濃度は、特に限定されないが、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
混合液中の濃度比(有機半導体Iの濃度/有機半導体IIの濃度)は、上記各濃度の範囲内であれば特に限定されないが、1/99〜50/50であることが好ましく、1/99〜30/70であることがより好ましく、1/99〜10/90であることがさらに好ましい。
好ましい製造方法においては、形成液を隣接層表面に塗布する。形成液が塗布される隣接層は、製造するOTFTの形態によって、異なる。具体的には上記した通りである。
形成液を塗布する方法は、特に限定されず、上記した塗布法を採用できる。なかでも、印刷法又はスピンコート法が好ましく、スピンコート法がより好ましい。
塗布条件は、特に限定されない。室温(25℃)付近で塗布してもよいし、有機半導体の塗布溶媒への溶解性を増すために加熱状態で塗布してもよい。塗布温度は、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは15〜100℃であり、さらに好ましくは15〜50℃であり、特に好ましくは室温付近(20〜30℃)である。
スピンコート法では、回転数を100〜3000rpmにするのが好ましい。
好ましい製造方法においては、塗布した形成液を好ましくは乾燥する。乾燥条件は、溶媒を揮発、除去できる条件であればよく、例えば、室温放置、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥等の方法が挙げられる。
工程Aを有する好ましい製造方法においては、このようにして液Iを塗布すると、隣接層の表面が有機半導体Iで表面処理される。これにより、隣接層に有機半導体Iが結合し、好ましくは有機半導体層Iを成膜できる。次いで、隣接層に形成された有機半導体I上に液IIを上記のようにして塗布すると、有機半導体I上に有機半導体IIからなる有機半導体層IIを成膜できる。このようにして、有機半導体層を成膜する。
工程Bを有する好ましい製造方法においては、上記のようにして混合液を塗布すると、有機半導体Iは、隣接層側に移行(偏在)して、隣接層が有する、活性水素を有する基と反応する。一方、有機半導体IIは、隣接層が有する、活性水素を有する基と反応しないので、隣接層側に移行しにくい。このようにして混合液中で有機半導体Iと有機半導体IIとが分離又は偏倚すると考えられる。この分離又は偏倚により、隣接層の表面が有機半導体Iで表面処理され、隣接層に有機半導体Iが結合する。その間又は上に、有機半導体IIからなる有機半導体層IIが成膜される。このようにして、有機半導体層を成膜する。
好ましい製造方法において、成膜される有機半導体は、いずれも、有機半導体Iにより隣接層に結合している。したがって、好ましい製造方法により、有機半導体を用いた溶液塗布法の利点を生かしつつ、上記の優れた特性を発揮する有機半導体層を成膜することができる。
このようにして、本発明のOTFTを製造できる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
各例に用いた有機半導体I及び有機半導体IIとしての縮合多環芳香族化合物を以下に示す。
下記有機半導体Iにおいて、有機半導体Cは一般式(C)で表される有機半導体である。同様に、有機半導体D、E、F、G、H、J、K、L、N、P、Q、R、S及びTは、それぞれ、一般式(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(J)、(K)、(L)、(N)、(P)、(Q)、(R)、(S)及び(T)で表される有機半導体である。ただし、有機半導体Fにおいて、p及びqはともに0である。
各有機半導体Iは、それぞれ、一般式(Si):−L−Si(R)(R)Xで表されるシリル基含有基SGを1つ有している。このシリル基含有基は、有機半導体CではRC6、有機半導体DではRD6、有機半導体EではRE6、有機半導体FではRF9、有機半導体GではRG6、有機半導体HではRH6、有機半導体JではRJ4、有機半導体KではRK3、有機半導体LではRL6、有機半導体NではRN9、有機半導体PではRP8、有機半導体QではRQ9、有機半導体RではRR7、有機半導体SではRS5、有機半導体TではRT5である。
また、各有機半導体Iは、表1及び表2にA〜Eで示す5種又はA〜Dで示す4種のシリル基SGをそれぞれ有するシリル基含有基を持つ5種又は4種の化合物を含む。
各例に用いた、表1及び表2に示す有機半導体II(L9、C16、F2、J2、N4及びR2)は、それぞれ、上記の通りである。ただし、有機半導体F2において、p及びqはともに0である。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
上記縮合多環芳香族化合物L及びL9は、応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌、2011、22、9−12.及び、国際公開第2009/148016号パンフレット等に記載の方法に準じて、合成した。
上記縮合多環芳香族化合物C及びC16は、下記縮合多環芳香族化合物C1(化合物C1ということがある)の下記合成方法に準じて、合成した。
Figure 2016134474
(化合物C1aの合成)
1,5−ジアミノナフタレン(10g)のピリジン溶液(125mL)に、p−トルエンスルホニルクロリド(34g)をゆっくりと添加し、室温で2時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出物を減圧ろ過した。得られた粗結晶をメタノールで洗浄し、化合物C1a(29g)を得た。
(化合物C1bの合成)
化合物C1a(10g)の氷酢酸溶液を95℃で加熱撹拌し、そこに氷酢酸10mLで希釈した臭素(2mL)をゆっくりと滴下した。10分間反応させ、放冷後にろ過することで粗結晶を灰色固体として得た。粗結晶をニトロベンゼン中で再結晶することで化合物C1b(6.8g)を得た。
(化合物C1cの合成)
化合物C1b(5g)の濃硫酸溶液を室温で24時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出している固体をろ過して回収した。その固体を氷水中に再度分散し、アンモニア水で中和し、化合物C1c(0.5g)を得た。
(化合物C1dの合成)
室温下、化合物C1c(2g)のピリジン溶液にペンタノイルクロリド(バレリン酸クロリド)(2.6mL)を滴下して2時間撹拌した。氷水に反応液を注ぎ、固体を減圧ろ過した。メタノール中に分散し1時間撹拌した後、固体をろ過することで化合物C1d(1.39g)を得た。
(化合物C1eの合成)
テトラヒドロフラン(THF、360mL)及びトルエン(72mL)の混合溶液中に化合物C1d(1.2g)とローソン試薬(1.48g)を添加した後、加熱還流しながら3時間撹拌した。エバポレーションでTHFのみ除去してトルエン溶液とした後、60℃で1時間撹拌した。その後、不溶物をろ過することで化合物C1e(0.5g)を得た。
(化合物C1の合成)
化合物C1e(0.4g)と炭酸セシウム(1.33g)をジメチルアセトアミド中、120℃で2時間反応させた。反応液を水に注ぎ析出物をろ過した。ろ過した固体をTHF中で再結晶を繰り返し、目的化合物C1(0.12g)を合成した。得られた化合物C1の同定は、H−NMR及びMassスペクトルにより行った。
上記縮合多環芳香族化合物D、E、F、G、H、J、K、N、P、Q、R、S及びT、並びに、化合物F2、J2、N4及びR2は、いずれも、公知の方法に準じて、合成した。
比較化合物として、下記比較化合物1〜3を用いた。比較化合物1は特許文献2の有機半導体材料(47)である。比較化合物2は特許文献2の有機半導体材料(40)である。比較化合物3は特許文献2の有機半導体材料(20)である。
Figure 2016134474
[製造例1] ボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTの製造−1
図1(A)に示すボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFT(試料番号101〜174及びc11〜c17)を、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理(塗布後乾燥する処理)し、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける工程Aを有する製造方法により、製造した。
基板6として厚さ1mmのドープシリコン基板(ゲート電極5を兼ねる)を用い、その上にゲート絶縁層2を形成した。
ゲート絶縁層2は以下のように形成した。
ポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達社製、商品名:VP−8000、Mn11000、分散度1.1)を6.3gと、架橋剤として2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン2.7gとを、91gの1−ブタノール/エタノール=1/1の混合溶媒に室温で溶解した。この溶解液をφ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタでろ過した。得られたろ液に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩0.18gを加え、基板6上に塗布し、乾燥して成膜した。その後、100℃に加熱して架橋構造を形成させ、厚さ0.7μmのゲート絶縁層2を形成した。
このゲート絶縁層は、その表面に、ポリ(4−ビニルフェノール)に由来する水酸基を有していることをIRスペクトルにより確認した。
次いで、図1(A)に示すようにソース電極3及びドレイン電極4として、くし型に配置された銀からなる電極(厚み150nm、ゲート幅W=100mm、ゲート長L=100μm)を、マスクを用いて真空蒸着により形成した。
得られたソース電極3及びドレイン電極4を含む絶縁膜表面を、酸素プラズマ処理により表面処理して、その表面に水酸基を形成した。形成された水酸基の存在量(上記ESCA法による。以下、同じ。)は0.4OH/nmであった。
次いで、ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4を覆うように、下記表1において化合物番号及びシリル基含有基SGで示される有機半導体Iをトルエン1mLに溶解した液I(0.2質量%)を、25℃でスピンコート(回転数1000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4を表面処理した。こうして有機半導体層Iを成膜した。試料c11〜c17については有機半導体Iによる上記表面処理を行っていない。
次いで、有機半導体層I(試料c11〜c17についてはゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4)上に、下記表1に示される有機半導体IIをトルエン1mLに溶解した液II(0.2質量%)を、25℃でスピンコート(回転数1000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、有機半導体層IIを成膜した。
こうして、厚さ150nmの有機半導体層1を成膜し、OTFTを製造した。
[試験例1] 有機半導体層の結晶粒径と結晶配向性の評価
得られた各OTFTについて、有機半導体層の表面を原子間力顕微鏡(AFM)により観察し、有機半導体の結晶粒径を下記評価基準により評価した。補助的に偏光顕微鏡(クロスニコル条件)も用いて評価した。
(有機半導体の結晶粒径の評価基準)
A:結晶粒径が100nm以上に成長している結晶が確認できる。
B:観察された結晶粒径がいずれも10nm以上100nm未満である。
C:観察された結晶粒径がいずれも10nm未満である。
D:結晶が観察されない。
また、得られたOTFTについて、有機半導体層の表面を偏光顕微鏡(型番:ECLIPSE LV100N、ニコン社製)により観察(倍率1000倍)し、有機半導体の結晶配向性を下記評価基準により評価した。
(有機半導体の結晶配向性の評価基準)
A:有機半導体が一方向に配向している。
B:有機半導体の一部の結晶が一方向に配向している。
C:有機半導体が配向していない。
[試験例2] OTFTの性能評価
得られた各OTFTについて、キャリア移動度μとon/off比を下記方法により評価することでOTFTの性能を調べた。
(キャリア移動度の評価)
ソース電極3及びドレイン電極4間に−40Vの電圧を印加し、ゲート電圧Vgを40V〜−40Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表す下記式を用いてキャリア移動度μ(cm/Vs)を算出した。
Id=(w/2L)μCi(Vg−Vth)
式中、Lはゲート長、wはゲート幅、Ciはゲート絶縁層2の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧
(on/off比の評価)
ソース電極3及びドレイン電極4間にかかる電圧を−40Vに固定し、ゲート電圧Vgを40〜−40Vまで変化(スイープ)させたときの(|Id|の最大値)/(|Id|の最小値)をon/off比とした。
[試験例3] OTFTの耐熱性評価
得られた各OTFTについて、光学顕微鏡にて有機半導体層の状態を観察し、耐熱性を下記評価基準により評価した。
各OTFTの有機半導体層1の表面状態を、光学顕微鏡(型番:VHX−5000、キーエンス社製)により、観察(倍率2000倍)した。次いで、各OTFTを、オーブンにて、150℃で1時間加熱した。その後、光学顕微鏡にて有機半導体層1の表面状態を観察(倍率2000倍)して、各OTFTの耐熱性を下記評価基準により評価した。
加熱前の有機半導体層1の表面状態に対して、
A:変化がないもの
B:チャネル部表面の一部にひび割れが発生していたもの
C:チャネル部表面の全体にわたってひび割れが発生していたもの
[試験例4] 有機半導体Iの結合状態の確認
各OTFTにおいて、有機半導体層を形成した後に上記QCM法により、有機半導体Iが隣接層(ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4)に結合していることを、確認した。
結果を下記表1に示す。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
表1に示す結果から、以下のことが分かる。
試料番号101〜174のOTFTは、いずれも、有機半導体層1が隣接層である、ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4のいずれにも結合した状態に設けられていた。これにより、キャリア移動度μ及びon/off比が優れていた。
また、有機半導体層1を形成する有機半導体として、同じ多環縮環芳香族構造を有する有機半導体Iと有機半導体IIとを併用すると、OTFTのキャリア移動度μをさらに高めることができ、on/offをも高めることができた。
さらに、有機半導体C、D、E、F、G、H、J、K、L及びQを用いると、OTFTの耐熱性をさらに改善できた。
これに対して、隣接層に結合させることなく有機半導体層を設けたOTFT(試料番号c11〜c17)は、いずれも、キャリア移動度μ及びon/off比が十分ではなかった。
[製造例2] ボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTの製造−2
図1(A)に示すボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFT(試料番号201〜274及びc21〜c27)を、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を塗布して、有機半導体層を設ける工程Bを有する製造方法により、製造した。
上記製造例1と同様にして、ドープシリコン基板(基板6)上に、厚さ0.7μmのゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4(厚み150nm、ゲート幅W=100mm、ゲート長L=100μm)を、順次、形成した。形成したソース電極3及びドレイン電極4を製造例1と同様にして表面処理した。
成膜したゲート絶縁層2、並びに、ソース電極3及びドレイン電極4は、それぞれ、表面に水酸基を上記製造例1と同じ存在量で有していた。
有機半導体層1を形成するに当たり、混合液を調製した。この混合液は、下記表2において化合物番号及びSGで示される有機半導体I(2mg)と、表2に示される有機半導体II(98mg、濃度比(有機半導体I/有機半導体II)=2/98)を、トルエン5gに溶解して、調製した。
試料c21〜c27については、混合液の代わりに、有機半導体Iを含有せず、有機半導体II又は比較化合物1〜3のみを100mg含有する液を用いた。
次いで、ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4を覆うように、調製した混合液を、25℃でスピンコート(回転数2000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、厚さ150nmの有機半導体層1を成膜した。有機半導体層1の構造は、有機半導体層Iと有機半導体層IIの2層構造であった。
こうして、OTFTを製造した。
得られた各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。
試料番号201〜274のOTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4)に結合していることを、確認した。
Figure 2016134474
Figure 2016134474
表2に示す結果から、以下のことが分かる。
試料番号201〜274のOTFTは、いずれも、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を用いても、有機半導体層1が隣接層に結合した状態に設けられていた。これにより、試料番号101〜174のOTFTと同様に優れた特性及び物性を有していた。
これに対して、隣接層に結合させることなく有機半導体層を設けたOTFT(試料番号c21〜c27)は、いずれも、キャリア移動度μ及びon/off比が十分ではなかった。
[製造例3] ボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTの製造−3
図1(A)に示すボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTを、絶縁性の材料を変更してゲート絶縁層を成膜することにより、製造した。
上記製造例1における、ポリ(4−ビニルフェノール)と2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパンとで形成した架橋構造を有するゲート絶縁層2を、ポリビニルフェノール(日本曹達社製、VP−8000)からなるゲート絶縁層、又は、ポリシルセスキオキサン(東亜合成社製、OX−SQ HDX)からなるゲート絶縁層に置き換えたOTFTをそれぞれ製造した。
ポリビニルフェノールからなるゲート絶縁層を、酸素プラズマ処理により表面処理して、その表面に水酸基を形成した。形成された水酸基の存在量は0.6OH/nmであった。
ポリシルセスキオキサンからなるゲート絶縁層は、その表面に、ポリシルセスキオキサンに由来する水酸基を有していた。その存在量は0.2OH/nmであった。
得られた各OTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(ゲート絶縁層2、ソース電極3及びドレイン電極4)に結合していることを確認した。
また、各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。その結果、製造したOTFTは、いずれも、試料番号101〜174の上記OTFTと同様の優れた特性及び物性を示した。
[製造例4] トップゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTの製造−1
図1(C)に示すボトムゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTを、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理し、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける工程Aを有する製造方法により、製造した。
ガラス基板(厚み2mm、NECコーニング社製、OA10)をイソプロパノール(IPA)、水の順で洗浄し、乾燥したものを基板6として用いた。この基板6を酸素プラズマ処理した。水酸基の存在量は0.1OH/nmであった。
このガラス基板6上に、レジスト層を設けて、蒸着により、銀からなる、厚さ100nmのソース電極3及びドレイン電極4を設けた。ゲート幅Wは100mm、ゲート長Lは100μmとした。レジスト層を除去した後、ソース電極3及びドレイン電極4を酸素プラズマ処理して、その表面に水酸基を形成した。形成された水酸基の存在量は0.2OH/nmであった。
次いで、基板6、ソース電極3及びドレイン電極4を覆うように、上記製造例1において調製した液Iそれぞれを、25℃でスピンコート(回転数2000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、基板6、ソース電極3及びドレイン電極4を表面処理した。こうして、有機半導体層Iを成膜した。
次いで、有機半導体層I上に、上記製造例1で調製した液IIそれぞれを、25℃でスピンコート(回転数2000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、有機半導体層IIを成膜した。
こうして、厚さ150nmの有機半導体層1を成膜した。
次いで、有機半導体層1を覆うようにゲート絶縁層を形成した。より詳細には、ポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達社製、商品名:VP−8000、Mn11000、分散度1.1)を6.3gと、架橋剤として2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン2.7gとを、91gの1−ブタノール/エタノール=1/1の混合溶媒に室温で溶解した。この溶解液をφ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタでろ過した。得られたろ液に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩0.18gを加え、有機半導体層1上に塗布し、乾燥して成膜した。その後、100℃に加熱して架橋構造を形成させ、厚さ0.7μmのゲート絶縁層2を形成した。
次いで、ゲート絶縁層2上にAg微粒子水分散液をインクジェット法により塗布し、乾燥して厚さ200nmのゲート電極5を形成した。
こうして、74種のOTFTを製造した。
得られた各OTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(ソース電極3、ドレイン電極4及び基板6)に結合していることを確認した。
また、各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。その結果、製造したOTFTは、いずれも、試料番号101〜174の上記OTFTと同様の優れた特性及び物性を示した。
[製造例5] トップゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTの製造−2
図1(C)に示すトップゲート−ボトムコンタクト形態のOTFTを、有機半導体I及び有機半導体IIを含有する混合液を塗布して、有機半導体層を設ける工程Bを有する製造方法により、製造した。
上記製造例4と同様にして、ガラス基板6上にソース電極3及びドレイン電極4を設け、基板6並びソース電極3及びドレイン電極をそれぞれ表面処理した。
基板6の表面に形成された水酸基の存在量は0.1OH/nmであった。
ソース電極3及びドレイン電極4の表面に形成された水酸基の存在量は0.2OH/nmであった。
次いで、上記製造例2と同様にして、基板6、ソース電極3及びドレイン電極4を覆うように、上記製造例2で調製した混合液それぞれを、25℃でスピンコート(回転数2000rpm)により塗布した。その後、ホットプレート上にて150℃で30分加熱して、厚さ150nmの有機半導体層1を成膜した。有機半導体層1の構造は、有機半導体層Iと有機半導体層IIの2層構造であった。
次いで、上記製造例4と同様にして、有機半導体層1上に厚さ0.7μmのゲート絶縁層2を形成し、さらに、厚さ200nmのゲート電極5形成した。
こうして、74種のOTFTを製造した。
得られた各OTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(ソース電極3、ドレイン電極4及び基板6)に結合していることを確認した。
また、各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。その結果、製造したOTFTは、いずれも、試料番号201〜274の上記OTFTと同様の優れた特性及び物性を示した。
[製造例6] ボトムゲート−トップコンタクト形態のOTFTの製造
図1(B)に示すボトムゲート−トップコンタクト形態のOTFTを、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理し、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける工程Aを有する製造方法により、製造した。
上記製造例1において、有機半導体層1とソース電極3及びドレイン電極4の形成順を入れ替えたこと以外は製造例1と同様にして、74種のOTFTを製造した。
得られた各OTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(ゲート絶縁層2)に結合していることを確認した。
また、各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。その結果、製造したOTFTは、いずれも、試料番号101〜174の上記OTFTと同様の優れた特性及び物性を示した。
[製造例7] トップゲート−トップコンタクト形態のOTFTの製造
図1(D)に示すトップゲート−トップコンタクト形態のOTFTを、有機半導体Iを含有する液Iで表面処理し、次いで、有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、有機半導体層を設ける工程Aを有する製造方法により、製造した。
上記製造例4において、有機半導体層1とソース電極3及びドレイン電極4の形成順を入れ替えたこと以外は、製造例4と同様にして、74種のOTFTを製造した。
得られた各OTFTについて、有機半導体層を形成した後に上記[試験例4]と同様にして、有機半導体Iが隣接層(基板6)に結合していることを確認した。
また、各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度μ及びon/off比、並びに、OTFTの耐熱性を評価した。その結果、製造したOTFTは、いずれも、試料番号101〜174の上記OTFTと同様の優れた特性及び物性を示した。
1 有機半導体層
2 ゲート絶縁層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板

Claims (9)

  1. 基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、前記ゲート電極及び前記有機半導体層の間に設けられた有機ゲート絶縁層と、前記有機半導体層に接して設けられ、前記有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極と、を有する有機薄膜トランジスタであって、
    前記有機半導体層の前記基板側に隣接する層が、表面に活性水素を有する基を有し、
    前記有機半導体層が、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体Iを含有し、
    前記活性水素を有する基と、前記有機半導体Iが有する下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基とが反応して、前記隣接する層と前記有機半導体層とが結合している有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2016134474
    一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表し、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
    一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表し、AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表し、RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RJ1〜RJ9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(T)中、XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Si)で表されるシリル基含有基である。
    一般式(Si): −L−Si(R)(R)X
    一般式中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
  2. 前記有機薄膜トランジスタがボトムゲート形態であり、前記有機半導体層に隣接する層が少なくとも前記ゲート絶縁層である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記有機薄膜トランジスタがトップゲート形態であり、前記有機半導体層に隣接する層が少なくとも前記基板である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記有機薄膜トランジスタがボトムコンタクト形態であり、前記有機半導体層に隣接する層が少なくとも前記ソース電極及び前記ドレイン電極である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記有機半導体Iが、一般式(C)〜(L)及び(Q)のいずれかの式で表される請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記有機半導体層が、下記一般式(C)〜(T)のいずれかの式で表される有機半導体IIを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2016134474
    一般式(C)中、AC1及びAC2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RC1〜RC6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(D)中、XD1及びXD2は各々独立にNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又は窒素原子を表し、AD2はCRD8又は窒素原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(E)中、XE1及びXE2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2は各々独立にCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(F)中、XF1及びXF2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは各々独立に水素原子又は置換基を表し、RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは一般式(Z)で表される置換基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
    一般式(G)中、XG1及びXG2は各々独立にNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又は窒素原子を表し、AG2はCRG8又は窒素原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、RG1〜RG8は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(H)中、XH1〜XH4は各々独立にNRH7、酸素原子又は硫黄原子を表し、RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(J)中、XJ1及びXJ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RJ1〜RJ9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(K)中、XK1及びXK2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。RK1〜RK9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(L)中、XL1及びXL2は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。RL1〜RL11は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(N)中、XN1及びXN2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。RN1〜RN13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(P)中、XP1及びXP2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。RP1〜RP13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。RQ1〜RQ13は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。RR1〜RR9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。RS1〜RS7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(T)中、XT1、XT2、XT3及びXT4は各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。RT1〜RT7は各々独立に水素原子又は置換基を表し、RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(Z)で表される置換基である。
    一般式(Z): −L−R
    一般式(Z)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基又は2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
    はアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、トリアルキルシリル基を表す。
    Figure 2016134474
    一般式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各縮合多環芳香族構造を形成するいずれかの環との結合を表す。*はRとの結合部又は一般式(L−1)〜(L−25)の波線部分との結合部を表す。
    一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)及び(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
    一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−24)におけるRLZは各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    は水素原子又は置換基を表し、Rsiは各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
  7. 前記有機半導体Iと前記有機半導体IIとの縮合多環芳香族構造が同じである請求項6に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記有機半導体層の前記基板側に隣接する層の表面を、前記有機半導体Iを含有する液Iで表面処理して活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させ、次いで、前記有機半導体IIを含有する液IIを塗布して、前記有機半導体層を設ける、有機薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記有機半導体層の前記基板側に隣接する層の表面に、前記有機半導体I及び前記有機半導体IIを含有する混合液を塗布し、活性水素を有する基と有機半導体Iが有するシリル基含有基とを反応させて、前記有機半導体層を設ける、有機薄膜トランジスタの製造方法。
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