JP2016134379A - 非水電解質二次電池用の負極 - Google Patents

非水電解質二次電池用の負極 Download PDF

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Abstract

【課題】通常使用時の入出力特性と過充電時の信頼性とを高いレベルで両立可能な電池、ならびに該電池用の負極を提供する。【解決手段】本発明により、負極活物質粉末を含む負極が提供される。上記負極活物質粉末は、次の条件:(1)円形度が0.94以下である;(2)クリプトン吸着法に基づくBET比表面積が3.6m2/g以上4.3m2/g以下である;を具備する。また、本発明の他の側面として、上記負極を備える非水電解質二次電池が提供される。【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。詳しくは、該電池用の負極に関する。
非水電解質二次電池用の負極は、電荷担体を可逆的に吸蔵・放出可能な負極活物質を備える。負極活物質の性状は、電池性能に大きな影響を与え得る。これに関連する従来技術文献として、特許文献1,2が挙げられる。例えば特許文献1には、Kr吸着法に基づくBET比表面積(Kr吸着比表面積)が所定の範囲にある負極活物質を用いた負極が開示されている。特許文献1によれば、かかる負極を備えた電池では、通常使用時の耐久性が向上し得る。
特開2014−010990号公報 特開2007−179765号公報
ところで、車両駆動用電源等として用いられる非水電解質二次電池では、耐久性に加えて、通常使用時の高い入出力特性や過充電時の耐性(信頼性)が要求される。このため、かかる観点から上記技術には未だ改善の余地がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常使用時の入出力特性と過充電時の信頼性とを高いレベルで両立可能な電池を提供することにある。関連する他の目的は、該電池用の負極を提供することにある。
本発明者が様々な角度から検討を行った結果、入出力特性の向上(例えば充電抵抗の低減)と過充電時の信頼性の向上(例えば漏れ電流量の低減)を両立するには、負極活物質のKr吸着比表面積を制御することが重要であるとわかった。また、高エネルギー密度を実現する観点から、負極活物質として円形度の高い(円形度が限りなく1に近い)粒子を用いることがあるが、検討を重ねる過程で、上記Kr吸着比表面積が負極活物質の形状(円形度)と大きく関連していることが新たに判明した。さらに、例えば負極活物質粉末の円形度が1.0に近い(真円に近い)場合、上記特性を両立可能なKr吸着比表面積の範囲がピンポイントとなることがあった。その結果、負極活物質として使用可能な材料が限定されたり、電池の設計や仕様の変更に適切に対処することが難しくなったりすることがあった。このため、本発明者は更なる鋭意検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
本発明により、非水電解質二次電池用の負極が提供される。かかる負極は、負極活物質粉末を含んでいる。上記負極活物質粉末は、以下の条件:(1)円形度が0.94以下である;(2)クリプトン吸着法に基づくBET比表面積(Kr吸着比表面積)が3.6m/g以上4.3m/g以下である;を具備する。
ここに開示される負極によれば、通常使用時の電池特性がより一層向上した非水電解質二次電池を安定して実現することができる。また、円形度を上記範囲に規定することで、入出力特性向上と漏れ電流量低減の両立に有効なKr吸着比表面積の範囲を従来に比べて広げることができる。このため、負極活物質材料の選択肢の幅を広げることができる。さらには電池の設計や仕様の変更に対処する自由度を高めることができる。
なお、本明細書において「円形度」とは、負極活物質粉末を構成する負極活物質粒子を一般的な顕微鏡(例えば走査型電子顕微鏡)で観察して、得られた負極活物質粒子の投影像(粒子画像)の周囲長と面積から次の式(I)によって算出した値をいう。
円形度=L0/L1 (I)
ただし、上記式(I)において、L0は実際に測定した粒子の投影像(粒子画像)から算出された面積と同一の面積を有する理想円(真円)の周囲長であり、L1は該測定対象の粒子の粒子投影像(粒子画像)から測定した実際の周囲長である。
好適には、2以上(例えば任意の2〜50個)の負極活物質粒子について円形度を算出し、その結果を算術平均した値(平均円形度)を採用する。なお、円形度が1.0に近づくほど粒子の形状が真円に近いことを表している。また、各粒子の円形度は、一般的な画像解析ソフトウエアを用いて算出することができる。
一試験例に係る負極ペーストのNV値と粘度の関係を表すグラフである。 負極活物質粉末の円形度と負極ペーストの混練安定性の関係を表すグラフである。 一試験例に係る負極活物質粉末の性状と電池特性の関係を表すグラフであり、(a)は充電抵抗比の推移を、(b)は漏れ電流の推移を、それぞれ表している。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば負極活物質粉末の性状)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、負極活物質以外の材料や負極の製造方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪非水電解質二次電池用の負極≫
ここに開示される非水電解質二次電池用の負極は、少なくとも負極活物質粉末を含む。そして、上記負極活物質粉末が、以下の2つの条件:(1)円形度が0.94以下である;(2)Kr吸着比表面積が3.6m/g以上4.3m/g以下である;をいずれも具備することによって特徴づけられる。したがって、その他の構成要素については特に限定されず、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
ここに開示される負極は、典型的には、負極集電体と、該負極集電体上に固着された負極活物質層とを備える。負極集電体としては、導電性の良好な金属部材(例えば銅箔)が好適である。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質粉末を含んでいる。負極活物質粉末としては、非水電解質二次電池に使用される従来公知の材料を考慮し得る。一好適例として、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、活性炭、炭素繊維等の炭素材料粉末が挙げられる。なかでも、高エネルギー密度を実現する観点等から、黒鉛粉末(例えば人造黒鉛粉末)が好適である。
ここに開示される技術では、負極活物質粉末の円形度が0.94以下である。これにより、優れた電池特性を安定的に実現することができる。つまり、負極活物質粉末の円形度が0.94より大きい場合(例えば0.95以上の場合)、入出力特性向上と漏れ電流量低減を両立するには、負極活物質粉末のKr吸着比表面積を概ね3.6〜3.8m/gに制御しなければならなかった。これに対して、負極活物質粉末の円形度が0.94以下である場合、上記Kr吸着比表面積の範囲をより広げることができる。その結果、負極活物質の選択の幅が広がり、設計の自由度も高くなり得る。これに加えて、負極作製時の生産性や作業性を維持向上する効果もある。
好適な一態様では、負極活物質粉末の円形度が0.93±0.005である。これにより、上述した効果がより良く発揮され得る。また、高密度充填、高容量でありながらも入出力特性に優れる非水電解質二次電池を好適に実現することができる。
ここに開示される技術では、負極活物質粉末のKr吸着比表面積が3.6m/g以上4.3m/g以下である。上述の通り、負極活物質粉末の円形度0.94を境として、入出力特性向上と漏れ電流量低減を両立可能なKr吸着比表面積の範囲が大きく変わる。このため、円形度を0.94以下と規定することで、円形度が0.94より大きい場合に比べて上記電池特性を両立可能なKr吸着比表面積の範囲をより広く、3.6〜4.3m/gまで広げることができるのである。
Kr吸着比表面積が3.6m/g以上であると、電池の入出力特性が安定的に向上する。このため、通常使用時の入出力密度の高い電池を好適に実現し得る。また、Kr吸着比表面積が4.3m/g以下であると、漏れ電流量が高いレベルで減少する。このため、通常使用時の信頼性(安全性)に優れた電池を好適に実現し得る。
好適な一態様では、負極活物質粉末のKr吸着比表面積が4.0±0.2m/gである。これにより、上述した効果がより良く発揮され得る。
なお、負極活物質粉末の比表面積は、一般には窒素(吸着断面積≒0.16nm)を吸着質とする窒素吸着法によって算出されることが多い(例えば特許文献2参照)。これに対し、クリプトン吸着法では、吸着質としてクリプトン(吸着断面積≒0.2nm)を用いる。この値は、溶媒和された状態の電荷担体イオンの実効断面積(例えばリチウムイオンは0.2〜0.5nm程度)と近似する。したがって、クリプトン吸着法では、窒素吸着法よりも実際の電池に近い状態での有効比表面積を評価することができる。さらに、クリプトンは窒素に比べて飽和蒸気圧が低く、吸着量が小さい場合(例えばKr吸着比表面積が5m/g以下の場合)にも精度よく測定を行える利点がある。
負極活物質層は、上記負極活物質粉末に加えて、他の任意成分(例えばバインダや増粘剤等)を含み得る。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等が好適である。また、増粘剤としては、高分子化合物、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等のセルロース類が好適である。
負極集電体上に負極活物質層を備える態様の負極は、例えば、大まかに以下の手順:(S1)負極ペーストの調製;(S2)負極ペーストの塗布;(S3)プレス処理;によって作製し得る。以下、順に説明する。
負極ペーストの調製(S1)では、例えば、負極活物質粉末とバインダと増粘剤とを適当な溶媒(例えば水)中で混練して、負極ペースト(スラリー、インクを包含する。以下同様。)を得る。負極活物質等の材料としては、既に上述したものを適宜用いることができる。また、ペーストの調製には、例えば、ボールミル、ロールミル、ニーダ等の従来公知の攪拌・混合装置を用いることができる。
負極ペーストの粘度は、概ね1000〜6000mPa・sの範囲に調整するとよい。これにより、後述の(S2)負極ペーストの塗布を安定的に精度よく行うことができる。
なお、負極ペーストの混練安定性(ロバスト性)は、例えば負極活物質粉末の形状(円形度)によって大きく左右され得る。このことについて、図1,2を参照しつつより詳しく説明する。
すなわち、本発明者は、負極活物質粉末の円形度のみが異なる負極ペーストを8種類用意し、それぞれの負極ペーストについて混練安定性を評価した。具体的には、まず、25℃、回転速度1rpmの条件で、NV値(固形分率、単位:%)と粘度(単位:mPa・s)の関係を調べた。一例に係る結果を図1に示す。そして、安定的にペーストの塗布を行うことができる粘度範囲(ここでは、上記した1000〜6000mPa・sの範囲とした。)の中で、最も粘度が低いときのNV値と最も粘度が高いときのNV値の差分を「混練安定性」と規定した。
例えば、図1の円形度0.94の例では、上記粘度範囲の中で最も粘度が低いときのNV値が64.3%であり、最も粘度が高いときのNV値が62.8%である。よって、混練安定性は1.5%(=64.3%−62.8%)となる。また、図1の円形度0.96の例では、上記粘度範囲の中で最も粘度が低いときのNV値が64.3%であり、最も粘度が高いときのNV値が64.15%である。よって、混練安定性は0.15%(=64.3%−64.15%)となる。
8種類の負極ペーストの混練安定性に係る評価結果を纏めて図2に示す。図2に示すように、負極活物質粉末の円形度が0.94を超えると、負極ペーストの混練安定性が急激に悪化する。これは、円形度が高い(真円に近い)ほど、混練時に負極活物質粉末の表面に増粘剤が被覆され難くなるためと考えられる。つまり、負極ペースト内にフリーの増粘剤が多くなる結果、負極ペーストの粘度が上昇することが原因と考えられる。このことから、負極活物質粉末の円形度が0.94以下であると、負極ペーストの混練安定性を好適に維持することができるといえる。その結果、負極ペースト粘度の急激な上昇を抑制することができ、生産性や作業性を高いレベルで維持向上することが可能となる。
負極ペーストの塗布(S2)では、まず、上記調製した負極ペーストを負極集電体の表面に塗布する。その後、負極ペースト(塗膜)を乾燥雰囲気に曝すことによって、溶媒を乾燥除去する。ペーストの塗布には、例えば、ダイコーター、スリットコーター、グラビアコーター等の従来公知の塗布装置を用いることができる。また、負極集電体としては、既に上述したものを用いることができる。乾燥には、自然乾燥、熱風、真空等の従来公知の乾燥手法を用いることができる。
プレス処理(S3)では、負極活物質層を厚み方向に挟み込んで均質に加圧することで、該負極活物質層の厚みや密度を調整する。プレス処理には、例えばロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を用いることができる。
このようにして、負極を製造することができる。
≪非水電解質二次電池≫
上記負極は、非水電解質二次電池の製造に用いることができる。すなわち、ここに開示される技術によれば、上記負極と、正極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池が提供される。
正極の典型的な一態様では、正極集電体と、該正極集電体上に固着された正極活物質層とを備える。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、他の任意成分(例えば導電材やバインダ等)を含み得る。正極活物質としては、例えば、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物、リチウム鉄系酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物や、リン酸マンガンリチウム、リン酸鉄リチウム等のリチウムリン酸塩が好適である。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等が好適である。導電材としては、例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料が好適である。
非水電解質の典型的な一態様では、非水溶媒と支持塩とを含む。非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適である。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好適である。支持塩としては、LiPF、LiBF等のリチウム塩が好適である。
≪非水電解質二次電池の用途≫
ここに開示される非水電解質二次電池は、通常使用時の入出力特性と過充電時の信頼性とを高いレベルで両立可能なことを特徴とする。したがって、このような特徴を活かして、高エネルギー密度や高入出力密度、高い信頼性(安全性)の要求される用途で殊に好適に用いることができる。かかる用途として、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される車両駆動用電源が挙げられる。なお、非水電解質二次電池は、複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の態様で使用され得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
ここでは、円形度および/またはKr吸着比表面積が異なる負極活物質粉末を用いて負極を作製し、その負極を用いた電池の性能を評価した。
具体的には、まず負極活物質としての人造黒鉛(円形度:0.92〜0.96,Kr吸着比表面積:3.4〜4.9m/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、溶媒(イオン交換水)中で混練し、負極ペーストを調製した。次に、この負極ペーストを負極集電体としての銅箔上に塗布し、乾燥した。これによって、負極集電体の表面に負極活物質層を備えた負極を作製した。次に、上記作製した負極と、正極と、セパレータとを用いて捲回電極体を作製した。セパレータとしては、シャットダウン温度が80〜140℃のポリオレフィン系の多孔質樹脂シートを使用した。そして、上記作製した捲回電極体と非水電解質とを角型の電池ケースに封入して、非水電解質二次電池を構築した。
〈充電抵抗比(入出力特性)の測定〉
作製した非水電解質二次電池に対し、25℃の環境下で、コンディショニング処理(正負極端子間の電圧が4.1Vとなるまで0.2Cの充電レートで定電流充電する操作と、正負極端子間の電圧が3.0Vとなるまで0.2Cの放電レートで定電流放電する操作を1サイクルとして、これを3サイクル繰り返す初期充放電処理)を行った後、SOC(State of Charge)60%の状態に調整した。
次に、−30℃の環境下で、振幅:5mV、測定周波数範囲:10000〜0.1Hzの条件で交流インピーダンスの測定を行い、得られたCole−Coleプロットの円弧形状の直径を反応抵抗として算出した。そして、円形度0.93、Kr吸着比表面積3.6m/gの電池の反応抵抗を100%(基準)とした時の相対値を充電抵抗比(%)として表した。この値が小さいほど、抵抗が低く入出力特性が優れているといえる。図3(a)には、一試験例に係る負極活物質粉末の性状(円形度およびKr吸着比表面積)と充電抵抗比の関係を示す。
負極活物質粉末の円形度が1に近づく、および/または、Kr吸着比表面積が小さくなると、相対的に充電抵抗比が高くなり、入出力特性が低下する傾向にあった。そして、図3(a)に示すように、円形度が0.94を超える場合(ここでは0.95の場合)には、Kr吸着比表面積が4.3m/g以上であると充電抵抗比が100%以下となった。対して、円形度が0.94以下の場合(ここでは0.93の場合)には、Kr吸着比表面積が3.6m/g以上であると充電抵抗比を100%以下となった。
〈漏れ電流(過充電時の信頼性)の測定〉
上記非水電解質二次電池が過充電となるまで充電を行い、強制的にシャットダウンさせたときの漏れ電流の大きさを評価した。
具体的には、まず、25℃の環境下で、電池をSOC30%の状態に調整した。次に、電池の最高到達電圧が40Vとなるまで定電流充電し、強制的にシャットダウンさせた。次に、シャットダウンから10分間の電流値の推移を記録した。そして、該10分間のうちの最大電流値を漏れ電流(A)として表した。また、図3(b)には、一試験例に係る負極活物質粉末の性状(円形度およびKr吸着比表面積)と漏れ電流との関係を示す。
負極活物質粉末の円形度が1に近づく、および/または、Kr吸着比表面積が大きくなると、相対的に漏れ電流が増大し、信頼性(熱安定性)が低下する傾向にあった。この理由としては、円形度が1に近づくおよび/または、Kr吸着比表面積が大きくなるほど表面に増粘剤が被覆され難くなり、負極活物質と非水電解質の接触面積が増大し、あるいは界面が不安定となって、副反応(発熱反応)を生じ易くなることが考えられる。そして、図3(b)に示すように、円形度が0.94を超える場合(ここでは0.95の場合)には、Kr吸着比表面積が3.8m/g以下とであると漏れ電流が0.5A以下となった。対して、円形度が0.94以下の場合(ここでは0.93の場合)には、Kr吸着比表面積が4.3m/g以下であると漏れ電流が0.5A以下となった。
以上の通り、負極活物質粉末の円形度を0.94以下とし、且つ、Kr吸着比表面積を3.6m/g以上4.3m/g以下とすることで、通常使用時の入出力特性(充電抵抗の低減)と、過充電時の信頼性(漏れ電流量の低減)とを高度に兼ね備えることができる。また、ここに開示される技術によれば、従来に比べて負極活物質材料の選択肢の幅を広げることができる。このため、電池の設計や仕様の変更に適切に対処することができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 非水電解質二次電池用の負極であって、
    負極活物質粉末を含み、
    前記負極活物質粉末は、以下の条件:
    (1)円形度が0.94以下である;
    (2)クリプトン吸着法に基づくBET比表面積が3.6m/g以上4.3m/g以下である;
    を具備する、非水電解質二次電池用の負極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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