JP2016133280A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒に対する添加剤の比率を適切に調整するための技術を提供する。
【解決手段】冷凍サイクル装置(100)は、第1状態と第2状態との間で切り換えられる流路切換機構(13,15)を備えている。流路切換機構(13,15)が第1状態から第2状態へと切り換えられ、第1熱交換器(14)に残存した冷媒液が凝縮器(23)に戻され、第2熱交換器(17)に残存した冷媒液が蒸発器(21)に戻される。あるいは、流路切換機構(13,15)が第2状態から第1状態へと切り換えられ、第1熱交換器(14)に残存した冷媒液が蒸発器(21)に戻され、第2熱交換器(17)に残存した冷媒液が凝縮器(23)に戻される。
【選択図】図1
【解決手段】冷凍サイクル装置(100)は、第1状態と第2状態との間で切り換えられる流路切換機構(13,15)を備えている。流路切換機構(13,15)が第1状態から第2状態へと切り換えられ、第1熱交換器(14)に残存した冷媒液が凝縮器(23)に戻され、第2熱交換器(17)に残存した冷媒液が蒸発器(21)に戻される。あるいは、流路切換機構(13,15)が第2状態から第1状態へと切り換えられ、第1熱交換器(14)に残存した冷媒液が蒸発器(21)に戻され、第2熱交換器(17)に残存した冷媒液が凝縮器(23)に戻される。
【選択図】図1
Description
本開示は、冷凍サイクル装置に関する。
従来の冷凍サイクル装置には、フロン、代替フロンなどのハロゲン化炭化水素が冷媒として広く使用されている。しかし、これらの冷媒は、オゾン層の破壊、地球温暖化などの問題を有している。そこで、地球環境に対する負荷が極めて小さい冷媒である水を用いた冷凍サイクル装置が提案されている。
特許文献1には、そのような冷凍サイクル装置として、冷房専用の空気調和装置が開示されている。特許文献1の空気調和装置は、自然冷媒を使用することに基づいて環境負荷の低減を達成できる。また、水の潜熱量は従来の冷媒よりも大きいので、特許文献1の空気調和装置は、低い質量流量で従来の空気調和装置と同等の能力を発揮できる。すなわち、冷房専用の空気調和装置の用途において、水を冷媒として用いた冷凍サイクル装置は、高いCOP(Coefficient of Performance)を達成できる。
ところで、冷凍サイクル装置の冷媒には、しばしば、冷媒成分以外の添加剤が含まれている。例えば、特許文献1に記載された冷凍サイクル装置の場合、水(冷媒成分)と、水の凍結を防止するための添加剤との混合物を冷媒として使用することが考えられる。しかし、このような添加剤の溶液の飽和蒸気圧は、冷媒成分の飽和蒸気圧と大きく異なる場合がある。飽和蒸気圧の差が原因で、冷凍サイクル装置の特定の部分(例えば、蒸発器及び凝縮器)において、冷媒に対する添加剤の比率が徐々に変化する可能性がある。
上記の事情に鑑み、本開示は、冷媒に対する添加剤の比率を適切に調整するための技術を提供する。
すなわち、本開示は、
冷媒成分と添加剤との混合物を冷媒として用いた冷凍サイクル装置であって、
冷媒液を貯留するとともに、前記冷媒液を蒸発させ冷媒蒸気を生成する蒸発器と、
前記冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記冷媒蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発器又は前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が循環する第1熱交換器と、
前記凝縮器又は前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が循環する第2熱交換器と、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給される第1状態と、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給される第2状態との間で切り換えられる流路切換機構と、
を備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第1の閾値を上回ったとき、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第2の閾値を下回ったとき、前記冷凍サイクル装置の運転継続時間が一定時間に達したとき、前記冷凍サイクル装置の運転を停止すべきとき、及び、前記冷凍サイクル装置の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻される、又は、前記流路切換機構が前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻される、冷凍サイクル装置を提供する。
冷媒成分と添加剤との混合物を冷媒として用いた冷凍サイクル装置であって、
冷媒液を貯留するとともに、前記冷媒液を蒸発させ冷媒蒸気を生成する蒸発器と、
前記冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記冷媒蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発器又は前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が循環する第1熱交換器と、
前記凝縮器又は前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が循環する第2熱交換器と、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給される第1状態と、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給される第2状態との間で切り換えられる流路切換機構と、
を備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第1の閾値を上回ったとき、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第2の閾値を下回ったとき、前記冷凍サイクル装置の運転継続時間が一定時間に達したとき、前記冷凍サイクル装置の運転を停止すべきとき、及び、前記冷凍サイクル装置の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻される、又は、前記流路切換機構が前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻される、冷凍サイクル装置を提供する。
本開示によれば、蒸発器及び凝縮器のそれぞれにおいて、冷媒に対する添加剤の比率が適切に調整されうる。
特許文献1の冷凍サイクル装置(空気調和装置)のように、冷媒として水を使用すると、冷媒の温度を氷点下まで下げることを必要とする運転条件で冷媒が凍結する。そのため、外気温が低いときに暖房運転を行うことができない。また、冷却対象物の温度が氷点下を下回る条件で冷凍サイクル装置を冷凍機として使用できない。
不凍液と水との混合物を冷媒として使用すれば、低温での運転が可能になる。しかし、一般的な不凍液であるエチレングリコール溶液及び酢酸カリウム溶液は、水よりも低い飽和蒸気圧を持っている。そのため、不凍液と水との混合物を冷媒として使用すると、蒸発器においては水が優先的に蒸発し、冷媒蒸気の大部分が水で占められる。その結果、運転時間の経過とともに、蒸発器に貯留された冷媒液における不凍液の濃度(正確には、エチレングリコールの濃度又は酢酸カリウムの濃度)が上昇し、凝縮器に貯留された冷媒液における不凍液の濃度が低下する。このような状態で運転を停止すると、凝縮器の中の冷媒液が凍結し、凝縮器、配管などの部品が損壊するおそれがある。
この問題に対処する方法として、以下の方法が考えられる。すなわち、蒸発器における不凍液の濃度が上昇又は凝縮器における不凍液の濃度が低下した時点で運転(例えば暖房運転)を一時停止し、蒸発器に貯留された冷媒液の一部と凝縮器に貯留された冷媒液の一部とを相互に入れ替える。これにより、凝縮器に貯留された冷媒液における不凍液の濃度を蒸発器に貯留された冷媒液における不凍液の濃度に近づけることができる。
すなわち、本開示の第1態様は、
冷媒成分と添加剤との混合物を冷媒として用いた冷凍サイクル装置であって、
冷媒液を貯留するとともに、前記冷媒液を蒸発させ冷媒蒸気を生成する蒸発器と、
前記冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記冷媒蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発器又は前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が循環する第1熱交換器と、
前記凝縮器又は前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が循環する第2熱交換器と、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給される第1状態と、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給される第2状態との間で切り換えられる流路切換機構と、
を備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第1の閾値を上回ったとき、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第2の閾値を下回ったとき、前記冷凍サイクル装置の運転継続時間が一定時間に達したとき、前記冷凍サイクル装置の運転を停止すべきとき、及び、前記冷凍サイクル装置の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻される、又は、前記流路切換機構が前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻される、冷凍サイクル装置を提供する。
冷媒成分と添加剤との混合物を冷媒として用いた冷凍サイクル装置であって、
冷媒液を貯留するとともに、前記冷媒液を蒸発させ冷媒蒸気を生成する蒸発器と、
前記冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記冷媒蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発器又は前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が循環する第1熱交換器と、
前記凝縮器又は前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が循環する第2熱交換器と、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給される第1状態と、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給される第2状態との間で切り換えられる流路切換機構と、
を備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第1の閾値を上回ったとき、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第2の閾値を下回ったとき、前記冷凍サイクル装置の運転継続時間が一定時間に達したとき、前記冷凍サイクル装置の運転を停止すべきとき、及び、前記冷凍サイクル装置の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻される、又は、前記流路切換機構が前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻される、冷凍サイクル装置を提供する。
第1態様によれば、蒸発器及び凝縮器のそれぞれにおいて、冷媒に対する添加剤の比率が適切に調整されうる。したがって、冷媒液の凍結によって凝縮器、配管などの部品が損壊することを防止できる。また、圧縮仕事の増加を抑制することができるので、冷凍サイクル装置を長時間にわたって安定して運転できるとともに、優れたシステム効率を達成しうる。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度、及び/又は、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度を直接的又は間接的に検出する濃度検出機構をさらに備えた、冷凍サイクル装置を提供する。蒸発器に貯留された冷媒液における添加剤の濃度及び/又は凝縮器に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を監視することによって、蒸発器から凝縮器に冷媒液を移動させるべき適切なタイミングを正確に知ることができる。
本開示の第3態様は、第1又は第2態様に加え、前記蒸発器と前記凝縮器とを接続している戻し経路と、前記戻し経路に配置された弁と、をさらに備え、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が前記第1の閾値を上回るまでの期間、又は、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が前記第2の閾値を下回るまでの期間において、所定の時間間隔で前記弁が開閉される、冷凍サイクル装置を提供する。第3態様によれば、蒸発器に貯留された冷媒液の量と凝縮器に貯留された冷媒液の量との均衡が保たれる。
本開示の第4態様は、第1〜第3態様のいずれか1つに加え、前記圧縮機の運転を停止した後、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられる又は前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられる、冷凍サイクル装置を提供する。圧縮機の運転を停止して流路切換機構の切り換えを行うと、余分なエネルギー消費を回避できる可能性がある。
本開示の第5態様は、第1〜第4態様のいずれか1つに加え、前記流路切換機構は、第1流路切換機構及び第2流路切換機構を含み、前記第1流路切換機構は、前記第1状態において、前記蒸発器から流出した前記冷媒液を前記第1熱交換器に導くとともに、前記第2熱交換器から流出した前記冷媒液を前記凝縮器に導き、前記第2状態において、前記蒸発器から流出した前記冷媒液を前記第2熱交換器に導くとともに、前記第1熱交換器から流出した前記冷媒液を前記凝縮器に導くように構成されており、前記第2流路切換機構は、前記第1状態において、前記第1熱交換器から流出した前記冷媒液を前記蒸発器に導くとともに、前記凝縮器から流出した前記冷媒液を前記第2熱交換器に導き、前記第2状態において、前記第2熱交換器から流出した前記冷媒液を前記蒸発器に導き、前記凝縮器から流出した前記冷媒液を前記第1熱交換器に導くように構成されている、冷凍サイクル装置を提供する。第1流路切換機構及び第2流路切換機構を適切に制御することによって、蒸発器及び凝縮器のそれぞれにおいて、冷媒に対する添加剤の比率が適切に調整されうる。
本開示の第6態様は、第1〜第5態様のいずれか1つに加え、前記冷媒成分は、常温での飽和蒸気圧が負圧の物質である、冷凍サイクル装置を提供する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置100は、蒸発器21、蒸気経路2、凝縮器23及び戻し経路3を備えている。蒸発器21で生成された冷媒蒸気が蒸気経路2を経由して凝縮器23に供給される。蒸気経路2には、圧縮機22が設けられている。冷媒蒸気は、圧縮機22で圧縮される。凝縮器23の冷媒液が戻し経路3を経由して蒸発器21に供給される。
図1に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置100は、蒸発器21、蒸気経路2、凝縮器23及び戻し経路3を備えている。蒸発器21で生成された冷媒蒸気が蒸気経路2を経由して凝縮器23に供給される。蒸気経路2には、圧縮機22が設けられている。冷媒蒸気は、圧縮機22で圧縮される。凝縮器23の冷媒液が戻し経路3を経由して蒸発器21に供給される。
冷凍サイクル装置100には、常温(日本工業規格:20℃±15℃/JIS Z8703)での飽和蒸気圧が負圧(絶対圧で大気圧よりも低い圧力)の物質を主成分として含む冷媒が充填されている。そのような冷媒としては、水などを主成分として含む冷媒が挙げられる。冷凍サイクル装置100の運転時において、冷凍サイクル装置100の内部の圧力は大気圧よりも低い。圧縮機22の入口の圧力は、例えば、0.5〜5kPaAの範囲にある。圧縮機22の吐出口の圧力は、例えば、5〜15kPaAの範囲にある。「主成分」とは、質量比で最も多く含まれた成分を意味する。
冷媒は、冷媒成分と添加剤との混合物である。添加剤は、典型的には、混合物の凝固温度が、冷媒成分の凝固温度を下回るように、冷媒成分に混合された物質(不凍剤)である。このような混合物を冷媒として使用することによって、以下の利益が得られる。すなわち、外気温が低いときに、冷凍サイクル装置100を空気調和装置(詳細には暖房機)として使用できる。また、冷却対象物の温度が氷点下を下回る条件で冷凍サイクル装置100を冷凍機として使用できる。冷媒の凍結防止のための添加剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール、及び、酢酸カリウムなどの無機塩類である。これらの他に、防腐剤、防錆剤などが添加剤として挙げられる。添加剤は、例えば、10〜40質量%の範囲で冷媒に含まれている。
また、添加剤は、混合物の特定温度における飽和蒸気圧が、冷媒成分の特定温度における飽和蒸気圧を下回るように、冷媒成分に混合された物質でありうる。上述の多価アルコール及び無機塩類には、このような働きがある。また、吸収式冷凍機で吸収液として使用される臭化リチウムにもこのような働きがある。冷媒としての混合物には、上述した働きを持つ添加剤が1種類のみ含まれていてもよいし、上述した働きを持つ複数の種類の添加剤が冷媒としての混合物に含まれていてもよい。
なお、本明細書において、「特定温度」は、冷凍サイクル装置100の運転中に冷媒が到達する可能性がある温度範囲における温度を意味する。そのような温度範囲は、例えば、−20〜50℃である。
冷凍サイクル装置100は、さらに、第1循環路10(吸熱循環路)及び第2循環路11(放熱循環路)を備えている。第1循環路10及び第2循環路11には、第1四方弁13及び第2四方弁15が設けられている。第1四方弁13及び第2四方弁15は、流路切換機構を構成する。詳細には、第1四方弁13が第1流路切換機構を構成し、第2四方弁15が第2流路切換機構を構成する。
第1循環路10は、第1ポンプ12、第1熱交換器13及び流路(配管)10a〜10eを有する。第1循環路10の両端はそれぞれ蒸発器21に接続されている。具体的には、流路10aの一端が蒸発器21の下部(液面よりも下の部分)に接続され、流路10aの他端が第1ポンプ12の吸入口に接続されている。流路10bの一端が第1ポンプ12の吐出口に接続され、流路10bの他端が第1四方弁13の第1接続口13aに接続されている。流路10cの一端が第1四方弁13の第2接続口13bに接続され、流路10cの他端が第1熱交換器14の入口に接続されている。流路10dの一端が第1熱交換器13の出口に接続され、流路10dの他端が第2四方弁15の第2接続口15bに接続されている。流路10eの一端が第2四方弁15の第1接続口15aに接続され、流路10eの他端が蒸発器21に接続されている。流路10eの他端は、蒸発器21の上部又は中間部に接続されていてもよい。
第1ポンプ12は、第1熱交換器14よりも上流側に設けられている。詳細には、第1ポンプ12は、当該第1ポンプ12の吸入口から蒸発器21に貯留された冷媒液の液面までの高さが必要吸込ヘッド(required NPSH)よりも大きくなるような位置に配置されている。第1四方弁13及び第2四方弁15が図1に示す状態にあるとき、第1循環路10は、蒸発器21と第1熱交換器14との間で熱媒体を循環させる。本実施形態において、第1循環路10を循環する熱媒体は、蒸発器21に貯留された冷媒液である。第1循環路10の働きにより、蒸発器21に貯留された冷媒液を効率的に加熱することができる。また、蒸発器21に貯留された冷媒液を第1循環路10に循環させるので、他の熱媒体を第1循環路10に循環させる場合と比較して、蒸発器21及び第1循環路10の構造が簡素である。
第1熱交換器14は、フィンチューブ熱交換器、シェルチューブ熱交換器などの公知の熱交換器でありうる。例えば、冷凍サイクル装置100が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、第1熱交換器14は室内に配置され、室内の空気を冷媒液によって冷却する。
第2循環路11は、第2ポンプ16、第2熱交換器17及び流路(配管)11a〜11eを有する。第2循環路11の両端はそれぞれ凝縮器23に接続されている。具体的には、流路11aの一端が凝縮器23の下部(液面よりも下の部分)に接続され、流路11aの他端が第2ポンプ16の吸入口に接続されている。流路11bの一端が第2ポンプ16の吐出口に接続され、流路11bの他端が第2四方弁15の第4接続口15dに接続されている。流路11cの一端が第2四方弁15の第3接続口15cに接続され、流路11cの他端が第2熱交換器17の入口に接続されている。流路11dの一端が第2熱交換器17の出口に接続され、流路11dの他端が第1四方弁13の第3接続口13cに接続されている。流路11eの一端が第1四方弁13の第4接続口13dに接続され、流路11eの他端が凝縮器23に接続されている。流路11eの他端は、凝縮器23の上部又は中間部に接続されていてもよい。
第2ポンプ16は、第2熱交換器17よりも上流側に設けられている。詳細には、第2ポンプ16は、当該第2ポンプ16の吸入口から凝縮器23に貯留された冷媒液の液面までの高さが必要吸込ヘッド(required NPSH)よりも大きくなるような位置に配置されている。第1四方弁13及び第2四方弁15が図1に示す状態にあるとき、第2循環路11は、凝縮器23と第2熱交換器17との間で熱媒体を循環させる。本実施形態において、第2循環路11を循環する熱媒体は、凝縮器23に貯留された冷媒液である。第2循環路11の働きにより、凝縮器23に貯留された冷媒液を効率的に冷却することができる。また、凝縮器23に貯留された冷媒液を第2循環路11に循環させるので、他の熱媒体を第2循環路11に循環させる場合と比較して、凝縮器23及び第2循環路11の構造が簡素である。
第2熱交換器17は、フィンチューブ熱交換器、シェルチューブ熱交換器などの公知の熱交換器でありうる。例えば、冷凍サイクル装置100が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、第2熱交換器17は室外に配置され、室外の空気を冷媒液によって加熱する。
第1四方弁13及び第2四方弁15は、図1に示す第1状態と図2に示す第2状態との間で切り換えられる。第1状態においては、蒸発器21に貯留された冷媒液が第1熱交換器14に供給され、凝縮器23に貯留された冷媒液が第2熱交換器17に供給される。第2状態においては、蒸発器21に貯留された冷媒液が第2熱交換器17に供給され、凝縮器23に貯留された冷媒液が第1熱交換器14に供給される。具体的に、第1四方弁13は、第1状態において、蒸発器21から流出した冷媒液を第1熱交換器14に導くとともに、第2熱交換器17から流出した冷媒液を凝縮器23に導き、第2状態において、蒸発器21から流出した冷媒液を第2熱交換器17に導くとともに、第1熱交換器14から流出した冷媒液を凝縮器23に導くように構成されている。第2四方弁15は、第1状態において、第1熱交換器14から流出した冷媒液を蒸発器21に導くとともに、凝縮器23から流出した冷媒液を第2熱交換器17に導き、第2状態において、第2熱交換器17から流出した冷媒液を蒸発器21に導き、凝縮器23から流出した冷媒液を第1熱交換器14に導くように構成されている。第1四方弁13及び第2四方弁15を適切に制御することによって、蒸発器21及び凝縮器23のそれぞれにおいて、冷媒に対する添加剤の比率が適切に調整されうる。
蒸発器21は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって形成されている。蒸発器21は、冷媒液を貯留するとともに、冷媒液を内部で蒸発させる。すなわち、外部環境から熱を吸収することによって加熱された冷媒液が蒸発器21の中で沸騰する。本実施形態において、蒸発器21に貯留された冷媒液は、第1循環路10を循環する冷媒液に直接接触する。つまり、蒸発器21に貯留された冷媒液の一部は、第1熱交換器14で加熱され、飽和状態の冷媒液を加熱するために使用される。
先に説明したように、冷媒に含まれた添加剤は、混合物(冷媒)の特定温度における飽和蒸気圧が、冷媒成分の特定温度における飽和蒸気圧を下回るように、冷媒成分に混合された物質でありうる。このとき、蒸発器21で生成された冷媒蒸気の大部分は、冷媒成分で占められる。添加剤の種類にもよるが、冷媒成分の比率は、冷媒蒸気に対して、例えば、99.8質量%以上である。ただし、不可避的に混入している空気を除き、冷媒蒸気に冷媒成分のみが含まれていてもよい。
蒸気経路2は、蒸発器21から凝縮器23に冷媒蒸気を導くための経路である。蒸気経路2は、上流部分25及び下流部分26を有する。上流部分25によって蒸発器21の上部が圧縮機22の吸入口に接続されている。下流部分26によって圧縮機22の吐出口が凝縮器23の上部に接続されている。圧縮機22は、遠心式圧縮機又は容積式圧縮機でありうる。圧縮機22は、上流部分25を通じて蒸発器21から冷媒蒸気を吸い込み、断熱的に圧縮する。圧縮された冷媒蒸気は、下流部分26を通じて凝縮器23に供給される。
蒸気経路2には、複数の圧縮機が設けられていてもよい。この場合、低圧側圧縮機と高圧側との間に中間冷却器が設けられていてもよい。中間冷却器は、低圧側圧縮機で圧縮された冷媒蒸気を冷却する。これにより、高圧側圧縮機の性能及び信頼性を向上させることができる。中間冷却器で冷媒蒸気を冷却するために使用される流体は、冷凍サイクル装置100の特定部分(例えば、第2循環路11)を流れる冷媒であってもよいし、外部から供給された熱媒体(例えば、空気又は水)であってもよい。さらに、前者と後者とを併用してもよい。また、複数の中間冷却器が蒸気経路2に設けられていてもよい。例えば、蒸気経路2にn台(nは3以上の整数)の圧縮機が設けられているとき、(n−1)台の中間冷却器が蒸気経路2に配置されうる。
凝縮器23は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって形成されている。凝縮器23は、冷媒蒸気を凝縮させるとともに、冷媒蒸気を凝縮させることによって生じた冷媒液を貯留する。本実施形態では、過熱状態の冷媒蒸気が、外部環境に熱を放出することによって冷却された冷媒液に直接接触して凝縮する。凝縮器23に貯留された冷媒液は、第2循環路11を循環する冷媒液に直接接触する。つまり、凝縮器23に貯留された冷媒液の一部は、第2熱交換器17で冷却され、過熱状態の冷媒蒸気を冷却するために使用される。
本実施形態では、蒸発器21及び凝縮器23が直接接触型の熱交換器である。そのため、蒸発器21及び凝縮器23を小型化しやすい。
戻し経路3は、凝縮器23から蒸発器21に冷媒液を導くための経路である。戻し経路3には、弁6が設けられている。戻し経路3によって、蒸発器21と凝縮器23とが接続されている。具体的には、戻し経路3は、上流部分31及び下流部分32を有する。上流部分31によって凝縮器23の中間部(高さ方向における中間部)が弁6の入口に接続されている。下流部分32によって弁6の出口が蒸発器21の中間部(高さ方向における中間部)に接続されている。これにより、冷媒液を凝縮器23から蒸発器21に移動させることができる。
弁6は、開閉弁であってもよいし、流量調整弁であってもよい。冷媒液は、弁6において減圧されながら、戻し経路3を通じて凝縮器23から蒸発器21に戻される。つまり、弁6は、膨張機構としての機能を有する。弁6が流量調整弁であるとき、必要に応じて、戻し経路3における冷媒液の流量を正確に調整することができる。ただし、弁6に加えて、戻し経路3にキャピラリが設けられていてもよい。場合によっては、弁6を省略してもよい。
戻し経路3の下流端が蒸発器21に直接接続されていることは必須ではない。弁6の入口と出口との間の圧力差を十分に確保できる限り、蒸発器21に接続された二次ループ(本実施形態では、第1循環路10)に戻し経路3の下流端が接続されていてもよい。ただし、戻し経路3の下流端は、蒸発器21及び二次ループにおいて最も低い圧力を有する部分に接続されていることが望ましい。この場合、戻し経路3に冷媒液を流すために必要な駆動圧を削減することができ、冷凍サイクル装置100の効率が向上する。このような観点から、戻し経路3の下流端は、蒸発器21に接続されていることが望ましい。なお、戻し経路3を通じて蒸発器21に流入する冷媒液が第1ポンプ12の吸い込みに大きな影響を及ぼさないように、第1循環路10の上流端と戻し経路3の下流端との間に適度な距離が確保されていることが望ましい。
本実施形態では、戻し経路3にポンプが設けられていない。この場合、次の2つの駆動圧によって、弁6を経由して凝縮器23から蒸発器21に冷媒液が戻される。2つの駆動圧の1つは、蒸発器21に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧と凝縮器23に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧との間の差に起因する駆動圧である。2つの駆動圧の他の1つは、蒸発器21に貯留された冷媒液の液面の高さと凝縮器23に貯留された冷媒液の液面の高さとの差(液面ヘッド差)に起因する駆動圧である。ポンプを省略することによって、コストを削減できる。
冷凍サイクル装置100は、さらに、濃度センサ7a及び7bを備えている。濃度センサ7aは、蒸発器21の下部に取り付けられている。濃度センサ7bは、凝縮器23の下部に取り付けられている。濃度センサ7aは、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を検出する濃度検出機構である。同様に、濃度センサ7bは、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を検出する濃度検出機構である。濃度センサ7a及び7bによれば、添加剤の濃度を直接的に検出することができる。蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度及び/又は凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を監視することによって、蒸発器21から凝縮器23に冷媒液を移動させるべき適切なタイミングを正確に知ることができる。添加剤の初期濃度は既知であるため、濃度センサ7a及び7bから選ばれる一方のみが冷凍サイクル装置100に設けられていたとしても、上記のタイミングを正確に知ることができる。
また、濃度センサ7a以外の手段によって、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を知ることもできる。例えば、冷凍サイクル装置100は、濃度検出機構として、圧力センサ8a及び温度センサ9aを備えている。圧力センサ8a及び温度センサ9aは、蒸発器21に取り付けられている。圧力センサ8aは、蒸発器21の内部の圧力を検出する。詳細には、圧力センサ8aは、蒸発器21の内部における蒸気圧(飽和蒸気圧)を検出する。温度センサ9aは、蒸発器21の内部の温度を検出する。詳細には、温度センサ9aは、蒸発器21に貯留された冷媒液の温度又は蒸発器21で生成された冷媒蒸気の温度を検出する。
添加剤の初期濃度は既知であるため、冷媒液の初期の飽和蒸気圧曲線も既知である。任意の温度における現在の飽和蒸気圧と初期の飽和蒸気圧との差から、現在の添加剤の濃度を知ることができる。例えば、飽和蒸気圧、温度及び添加剤の濃度の関係が記述されたテーブルが準備されているとき、飽和蒸気圧及び温度から添加剤の濃度を直ちに特定することができる。したがって、圧力センサ8a及び温度センサ9aは、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を検出する濃度検出機構として機能しうる。圧力センサ8a及び温度センサ9aによって、蒸発器21から凝縮器23に冷媒液を移動させるべき適切なタイミングを正確に知ることができる。圧力センサ8aと温度センサ9aとの組み合わせは、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を間接的に検出する手段であるものの、濃度センサ7aよりも安価でありうる。また、圧力センサ8a及び温度センサ9aは、添加剤の濃度を検出する用途だけでなく、冷凍サイクル装置100の制御にも使用されうる。
同様に、濃度センサ7b以外の手段によって、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を知ることもできる。例えば、冷凍サイクル装置100は、濃度検出機構として、圧力センサ8b及び温度センサ9bを備えている。圧力センサ8b及び温度センサ9bは、凝縮器23に取り付けられている。圧力センサ8bは、凝縮器23の内部の圧力を検出する。詳細には、圧力センサ8bは、凝縮器23の内部における蒸気圧(飽和蒸気圧)を検出する。温度センサ9bは、凝縮器23の内部の温度を検出する。詳細には、温度センサ9bは、凝縮器23に貯留された冷媒液の温度又は凝縮器23における冷媒蒸気の温度を検出する。
圧力センサ8a及び温度センサ9aと同じ理由により、圧力センサ8b及び温度センサ9bは、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を検出する濃度検出機構として機能しうる。圧力センサ8b及び温度センサ9bによっても、蒸発器21から凝縮器23に冷媒液を移動させるべき適切なタイミングを正確に知ることができる。圧力センサ8bと温度センサ9bとの組み合わせは、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を間接的に検出する手段であるものの、濃度センサ7bよりも安価でありうる。また、圧力センサ8b及び温度センサ9bは、添加剤の濃度を検出する用途だけでなく、冷凍サイクル装置100の制御にも使用されうる。
本実施形態において、圧力センサ8aは、蒸発器21の上部(液面よりも上の部分)に取り付けられている。温度センサ9aは、蒸発器21の下部に取り付けられている。圧力センサ8bは、凝縮器23の上部(液面よりも上の部分)に取り付けられている。温度センサ9bは、凝縮器23の下部に取り付けられている。ただし、これらのセンサの位置は特に限定されない。
濃度検出機構としての具体的手段は、蒸発器21のみに設けられていてもよいし、凝縮器23にのみ設けられていてもよいし、それらの両方に設けられていてもよい。なぜなら、一方における添加剤の濃度が判明するだけで、後述する濃度均一化処理を実行すべきタイミングを知ることができるからである。また、一方における添加剤の濃度から他方における添加剤の濃度を推定することもできる。また、濃度検出機構としての具体的手段は、1つのみ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。
冷凍サイクル装置100は、さらに、制御器32を備えている。制御器32は、第1四方弁13、第2四方弁15などのコンポーネントを制御して、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度と凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度とを均一化するための処理を実行する。
冷凍サイクル装置100が空気調和装置であるとき、第1四方弁13及び第2四方弁15を制御することによって、冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる。冷房運転を行う場合、つまり、第1熱交換器14で室内の空気を冷却する場合、第1四方弁13及び第2四方弁15は、図1に示す第1状態を呈するように制御される。具体的に、第1四方弁13は、第1接続口13aと第2接続口13bとが連通し、第3接続口13cと第4接続口13dとが連通するように制御される。第2四方弁15も、第1接続口15aと第2接続口15bとが連通し、第3接続口15cと第4接続口15dとが連通するように制御される。一方、暖房運転を行う場合、つまり、第1熱交換器14で室内の空気を加熱する場合、第1四方弁13及び第2四方弁15は、図2に示す第2状態を呈するように制御される。具体的に、第1四方弁13は、第1接続口13aと第3接続口13cとが連通し、第2接続口13bと第4接続口13dとが連通するように制御される。第2四方弁15も、第1接続口15aと第3接続口15cとが連通し、第2接続口15bと第4接続口15dとが連通するように制御される。
第1四方弁13及び第2四方弁15は、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度と凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度とを均一化するための処理においても制御される。
第1四方弁13及び第2四方弁15が図1に示す第1状態にあるとき、第1熱交換器14には相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が蒸発器21から供給され、第2熱交換器17には相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が凝縮器23から供給される。第1四方弁13及び第2四方弁15が図1に示す第1状態から図2に示す第2状態へと切り換わったとき、第1熱交換器14には相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が凝縮器23から供給され、第2熱交換器17には相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が蒸発器21から供給される。
しかし、第1四方弁13及び第2四方弁15が第1状態から第2状態へと切り換わった直後において、第1熱交換器14、流路10c及び流路10dには、相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が残存しているので、第1熱交換器14、流路10c及び流路10dから凝縮器23に相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が戻される。同様に、第2熱交換器17、流路11c及び流路11dには、相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が残存しているので、第2熱交換器17、流路11c及び流路11dから蒸発器21に相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が戻される。その結果、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度は、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度に近づく。
第1四方弁13及び第2四方弁15が図2に示す第2状態にあるとき、第1熱交換器14には相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が凝縮器23から供給され、第2熱交換器17には相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が蒸発器21から供給される。第1四方弁13及び第2四方弁15が図2に示す第2状態から図1に示す第1状態へと切り換わったとき、第1熱交換器14には相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が蒸発器21から供給され、第2熱交換器17には相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が凝縮器23から供給される。
しかし、第1四方弁13及び第2四方弁15が第2状態から第1状態へと切り換わった直後において、第1熱交換器14、流路10c及び流路10dには、相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が残存しているので、第1熱交換器14、流路10c及び流路10dから蒸発器21に相対的に低い添加剤濃度を有する冷媒液が戻される。同様に、第2熱交換器17、流路11c及び流路11dには、相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が残存しているので、第2熱交換器17、流路11c及び流路11dから凝縮器23に相対的に高い添加剤濃度を有する冷媒液が戻される。その結果、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度は、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度に近づく。
本明細書では、以上に説明した処理を「濃度均一化処理」と称する。ただし、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度に一致させることは必須ではない。濃度均一化処理は、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度に近づけるための処理を意味する。濃度均一化処理においては、第1ポンプ12及び第2ポンプ16が駆動される。濃度均一化処理によれば、冷媒液の凍結によって凝縮器23、配管などの部品が損壊することを防止できる。
濃度均一化処理の実行中において、冷媒液と室内の空気との熱交換が第1熱交換器14で積極的に行われることを避けるために、第1熱交換器14に室内の空気を供給するためのファンを停止させてもよい。第1熱交換器14が液相の熱媒体と冷媒液との間の熱交換を行うための液−液熱交換器であるとき、第1熱交換器14に液相の熱媒体を供給するためのポンプを停止させてもよい。同様に、濃度均一化処理の実行中において、冷媒液と室外の空気との熱交換が第2熱交換器17で積極的に行われることを避けるために、第2熱交換器17に室外の空気を供給するためのファンを停止させてもよい。第2熱交換器17が液相の熱媒体と冷媒液との間の熱交換を行うための液−液熱交換器であるとき、第2熱交換器17に液相の熱媒体を供給するためのポンプを停止させてもよい。このようにすれば、濃度均一化処理に起因する熱のロスを減らすことができるとともに、ユーザーに不快感を与えることを回避できる。また、無駄な電力消費を避けることができる。
濃度均一化処理の実施後、冷凍サイクル装置100の通常運転(冷房運転又は暖房運転)を再開するために、第1四方弁13及び第2四方弁15は、元の状態に切り換えられる。例えば、第1熱交換器14に残存した冷媒液が凝縮器23に戻ったら、第1四方弁13及び第2四方弁15は、第1状態から第2状態に戻るように又は第2状態から第1状態に戻るように制御される。
本実施形態によれば、1回の濃度均一化処理によって、第1熱交換器14、流路10c及び流路10dの合計体積に等しい量の冷媒液が、第2熱交換器17、流路11c及び流路11dの合計体積に等しい量の冷媒液と入れ替えられる。1回の濃度均一化処理によって濃度を十分に均一化することが難しい場合、上記の濃度均一化処理を複数回実施してもよい。
濃度均一化処理は、様々なタイミングで実施されうる。具体的には、濃度均一化処理は、(1)冷凍サイクル装置100の通常運転中、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第1の閾値e-thを上回ったとき、(2)冷凍サイクル装置100の通常運転中、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第2の閾値c-thを下回ったとき、(3)冷凍サイクル装置100の運転継続時間が一定時間に達したとき、(4)冷凍サイクル装置100の運転を停止すべきとき、及び、(5)冷凍サイクル装置100の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて実施されうる。以下、(1)〜(5)の各ケースについて、個別に説明する。
ケース(1)及び(2)において、制御器32は、濃度センサ7aなどのセンサ群から信号を取得し、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度、及び/又は、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を監視する。蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第1の閾値e-thを上回った場合、及び/又は、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第2の閾値c-thを下回った場合、通常運転が一時停止され、上記の濃度均一化処理が実行される。このようにすれば、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度、及び、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度を常に十分な濃度に保つことができる。濃度均一化処理において、圧縮機22の運転を停止してもよいし、継続してもよい。
第1の閾値e-th及び第2の閾値c-thの値は特に限定されない。第1の閾値e-th及び第2の閾値c-thは、使用された添加剤(不凍剤)の種類、初期濃度、冷媒成分などに応じて適切に定められる。一例において、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度の1.1倍を超えた場合に上記の濃度均一化処理が実行されるように、第1の閾値e-th及び/又は第2の閾値c-thが定められる。
濃度センサ7a及び7bに代えて、圧力センサ8a及び温度センサ9aを使用することもできる。蒸発器21に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧が閾値(閾値は、温度によって異なる)を下回った場合、上記の濃度均一化処理が実行されうる。濃度センサ7a及び7bに代えて、圧力センサ8b及び温度センサ9bを使用することもできる。凝縮器23に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧が閾値(閾値は、温度によって異なる)を上回った場合、上記の濃度均一化処理が実行されうる。これらの閾値も、使用された添加剤(不凍剤)の種類、初期濃度、冷媒成分などに応じて適切に定められる。
冷凍サイクル装置100の通常運転を一時的に停止し、上記の濃度均一化処理を行うことよって得られる利益について説明する。
例えば、冷凍サイクル装置100の性能を冷房用途で十分に発揮させるためには、凝縮器23に貯留された冷媒液の温度が外気温よりも高いことが必要である。凝縮器23で生成される冷媒液の温度は、凝縮器23に供給された冷媒蒸気の圧力と、凝縮器23に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧とに依存する。
まず、蒸発器21に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧が、凝縮器23に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧に一致している場合を説明する。この場合、図3Aに示すように、蒸発器21の内部の温度及び圧力だけでなく、凝縮器23の内部の温度及び圧力も単一の飽和蒸気圧曲線CREFに従って変化する。そのため、例えば、蒸発器21に貯留された10℃の冷媒液から40℃の冷媒液を凝縮器23で生じさせるためには、蒸発器21で生成された冷媒蒸気の圧力を少なくともPA(例えば1.7kPa)からPC(例えば9kPa)まで上昇させる必要がある。
しかし、先に説明したように、添加剤(不凍剤)と水との混合物を冷媒として使用すると、蒸発器21においては水が優先的に蒸発し、冷媒蒸気の大部分が水で占められる。蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度がα質量%であり、蒸気経路2を流れる冷媒蒸気における添加剤の濃度がβ質量%であると仮定する。添加剤と冷媒成分との混合物の飽和蒸気圧が、冷媒成分の飽和蒸気圧を下回るとき、一般には、添加剤の溶液(例えば水溶液)の飽和蒸気圧も冷媒成分の飽和蒸気圧を下回る。そのため、一般には、値αは、値βよりも大きい。蒸発器21で冷媒液が気化する際、高い飽和蒸気圧を有する冷媒成分が気化しやすいため、冷媒蒸気の全部又は大部分を冷媒成分が占める。その結果、運転時間の経過とともに、蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が上昇し、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が低下する。
すると、図3Bに示すように、蒸発器21に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧曲線CEVAが低圧側にシフトし、凝縮器23に貯留された冷媒液の飽和蒸気圧曲線CCONが高圧側にシフトする。つまり、蒸発器21に貯留された10℃の冷媒液から40℃の冷媒液を凝縮器23で生じさせるために必要な圧縮仕事が増加する。具体的には、(PD−PB)−(PC−PA)の圧力に相当する圧縮仕事が余分に必要となる。
本実施形態においては、第1四方弁13及び第2四方弁15を適切に制御することによって、蒸発器21に貯留された冷媒液の一部と凝縮器23に貯留された冷媒液の一部とが入れ替えられる。これにより、蒸発器21及び凝縮器23における添加剤の濃度が均一化し、圧縮仕事の増加を抑制することができる。
蒸発器21に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第1の閾値e-thを上回るまでの期間、又は、凝縮器23に貯留された冷媒液における添加剤の濃度が第2の閾値c-thを下回るまでの期間において、所定の時間間隔で弁6が開閉される。これにより、蒸発器21に貯留された冷媒液の量と凝縮器23に貯留された冷媒液の量との均衡が保たれる。
ケース(3)のタイミングで濃度均一化処理を実施するとき、制御器32は、濃度センサ7aなどのセンサ群からの信号を必要としない。代わりに、制御器32は、冷凍サイクル装置100の運転継続時間を計測するタイマを含む。運転継続時間が一定時間(例えば運転開始から1時間)に達したら、先に説明した濃度均一化処理を実行する。これにより、ケース(1)及び(2)と同様、圧縮仕事の増加を抑制することができる。
ケース(4)のタイミングで濃度均一化処理を実施するときにも、制御器32は、濃度センサ7aなどのセンサ群からの信号を必要としない。例えば、ユーザーによって冷凍サイクル装置100の運転スイッチがオンからオフに切り換えられたとき、制御器32は、圧縮機22、第1熱交換器14のファンなど運転を停止させ、その後、先に説明した濃度均一化処理を実行する。これにより、凝縮器23、配管などのコンポーネントが不凍剤を適切な濃度で含む冷媒液で満たされる。その結果、冷媒液の凍結によって凝縮器23、配管などのコンポーネントが損壊することを防止できる。また、冷凍サイクル装置100の運転を停止する直前に濃度均一化処理を実施する場合には、蒸発器21に貯留された冷媒液の一部と凝縮器23に貯留された冷媒液の一部とを交換することに起因してエネルギーロス(熱ロス)が発生することも回避できる。圧縮機22の運転を停止して濃度均一化処理を実施すると、余分なエネルギー消費を回避できる可能性がある。
ケース(5)のタイミングで濃度均一化処理を実施するときにも、制御器32は、濃度センサ7aなどのセンサ群からの信号を必要としない。ケース(5)では、例えば、冷凍サイクル装置100の運転停止後、一定時間(例えば数分)が経過した後、先に説明した濃度均一化処理が実行されうる。これにより、ケース(4)と同じ効果が得られる。
本明細書に開示された冷凍サイクル装置は、家庭用エアコン、業務用エアコンなどの空気調和装置に特に有用である。本明細書に開示された冷凍サイクル装置は、空気調和装置に限定されず、チラー、蓄熱装置などの他の装置であってもよい。第1熱交換器5の冷却対象及び第2熱交換器8の加熱対象は、空気以外の気体であってもよいし、液体であってもよい。
3 戻し経路
6 弁
7a,7b 濃度センサ(濃度検出機構)
8a,8b 圧力センサ(濃度検出機構)
9a,9b 温度センサ(濃度検出機構)
10 第1循環路
11 第2循環路
12,16 ポンプ
13 第1四方弁(第1流路切換機構)
14 第1熱交換器
15 第2四方弁(第2流路切換機構)
17 第2熱交換器
21 蒸発器
22 圧縮機
23 凝縮器
100 冷凍サイクル装置
6 弁
7a,7b 濃度センサ(濃度検出機構)
8a,8b 圧力センサ(濃度検出機構)
9a,9b 温度センサ(濃度検出機構)
10 第1循環路
11 第2循環路
12,16 ポンプ
13 第1四方弁(第1流路切換機構)
14 第1熱交換器
15 第2四方弁(第2流路切換機構)
17 第2熱交換器
21 蒸発器
22 圧縮機
23 凝縮器
100 冷凍サイクル装置
Claims (6)
- 冷媒成分と添加剤との混合物を冷媒として用いた冷凍サイクル装置であって、
冷媒液を貯留するとともに、前記冷媒液を蒸発させ冷媒蒸気を生成する蒸発器と、
前記冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記冷媒蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発器又は前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が循環する第1熱交換器と、
前記凝縮器又は前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が循環する第2熱交換器と、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給される第1状態と、前記蒸発器に貯留された前記冷媒液が前記第2熱交換器に供給され、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液が前記第1熱交換器に供給される第2状態との間で切り換えられる流路切換機構と、
を備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第1の閾値を上回ったとき、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が第2の閾値を下回ったとき、前記冷凍サイクル装置の運転継続時間が一定時間に達したとき、前記冷凍サイクル装置の運転を停止すべきとき、及び、前記冷凍サイクル装置の運転が停止しているとき、からなる群より選ばれる少なくとも1つのタイミングにて、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻される、又は、前記流路切換機構が前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられ、前記第1熱交換器に残存した前記冷媒液が前記蒸発器に戻され、前記第2熱交換器に残存した前記冷媒液が前記凝縮器に戻される、冷凍サイクル装置。 - 前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度、及び/又は、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度を直接的又は間接的に検出する濃度検出機構をさらに備えた、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記蒸発器と前記凝縮器とを接続している戻し経路と、
前記戻し経路に配置された弁と、
をさらに備え、
前記蒸発器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が前記第1の閾値を上回るまでの期間、又は、前記凝縮器に貯留された前記冷媒液における前記添加剤の濃度が前記第2の閾値を下回るまでの期間において、所定の時間間隔で前記弁が開閉される、請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記圧縮機の運転を停止した後、前記流路切換機構が前記第1状態から前記第2状態へと切り換えられる又は前記第2状態から前記第1状態へと切り換えられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記流路切換機構は、第1流路切換機構及び第2流路切換機構を含み、
前記第1流路切換機構は、前記第1状態において、前記蒸発器から流出した前記冷媒液を前記第1熱交換器に導くとともに、前記第2熱交換器から流出した前記冷媒液を前記凝縮器に導き、前記第2状態において、前記蒸発器から流出した前記冷媒液を前記第2熱交換器に導くとともに、前記第1熱交換器から流出した前記冷媒液を前記凝縮器に導くように構成されており、
前記第2流路切換機構は、前記第1状態において、前記第1熱交換器から流出した前記冷媒液を前記蒸発器に導くとともに、前記凝縮器から流出した前記冷媒液を前記第2熱交換器に導き、前記第2状態において、前記第2熱交換器から流出した前記冷媒液を前記蒸発器に導き、前記凝縮器から流出した前記冷媒液を前記第1熱交換器に導くように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記冷媒成分は、常温での飽和蒸気圧が負圧の物質である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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