JP2016132821A - 低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.050%以下、Cr:15.5〜18.0%、Ni:1.5〜5.0%、Mo:1.0〜3.5%、V:0.02〜0.20%を含む組成の鋼素材を加熱し、熱間圧延と加速冷却とを組み合わせて施す。加速冷却は、板厚中心温度で900℃以上の温度から冷却を開始し、冷却開始温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する処理とし、熱間圧延の途中、熱間圧延前、熱間圧延後のいずれかで施す。得られた厚鋼板には、さらに、550〜980℃の温度に加熱し冷却する熱処理を少なくとも1回施す。これにより、板厚中心部で面積率で50%以上のM相と、3〜15%のγ相と、残部がF相からなる組織を有し、かつγ相中のNi濃度とM相中のNi濃度との比(CNi)γ/(CNi)Mが1.15以上で、さらにフェライト相中に、粒径10μm以下の粒状マルテンサイトを、フェライト粒100μm2あたり3.0個以上分散してなる組織を有し、低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板となる。
【選択図】なし
Description
(1)質量%で、C :0.050%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.80%、Cr:15.5〜18.0%、Ni:1.5〜5.0%、Mo:1.0〜3.5%、V:0.02〜0.20%、Al:0.05%以下、N:0.01〜0.15%、O:0.006%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で、50%以上のマルテンサイト相と、3〜15%のオーステナイト相と、残部がフェライト相からなる組織を有し、かつ前記オーステナイト相中のNi濃度(CNi)γ(質量%)と前記マルテンサイト相中のNi濃度(CNi)M(質量%)との比、(CNi)γ/(CNi)Mが、1.15以上であることを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板。
(2)(1)において、前記組織が、前記フェライト相中に、前記マルテンサイト相の一部を粒径10μm以下の粒状で、フェライト粒100μm2あたり3.0個以上含む組織であることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:3.5%以下を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板。
(6)鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.050%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.80%、Cr:15.5〜18.0%、Ni:1.5〜5.0%、Mo:1.0〜3.5%、V:0.02〜0.20%、Al:0.05%以下、N:0.01〜0.15%、O:0.006%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程とし、前記熱間圧延工程を、熱間圧延を途中で中断し、板厚中心温度で900℃以上の温度から冷却を開始し、該冷却を開始した温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施したのち、前記熱間圧延を再開し、前記所定板厚の厚鋼板とする工程とし、該熱間圧延工程後に、板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施すことを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(7)(6)において、前記熱間圧延を途中で中断し、前記加速冷却工程を施すに際し、熱間圧延の途中の鋼板温度が、板厚中心温度が900℃未満となる場合には、板厚中心温度で900℃以上の温度に加熱する熱延中加熱処理を施し、しかるのちに前記加速冷却工程を施すことを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(8)鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.050%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.80%、Cr:15.5〜18.0%、Ni:1.5〜5.0%、Mo:1.0〜3.5%、V:0.02〜0.20%、Al:0.05%以下、N:0.01〜0.15%、O:0.006%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程とし、前記熱間圧延工程が、前記加熱工程を施された前記鋼素材に直ちに、冷却を開始し、該冷却を開始した温度を冷却開始温度とし、該冷却開始温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施したのち、前記熱間圧延を施し、前記所定板厚の厚鋼板とする工程であり、該熱間圧延工程後に、板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施すことを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(9)鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.050%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.80%、Cr:15.5〜18.0%、Ni:1.5〜5.0%、Mo:1.0〜3.5%、V:0.02〜0.20%、Al:0.05%以下、N:0.01〜0.15%、O:0.006%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程であり、該加熱工程を施したのち、前記熱間圧延工程を、圧延終了温度が900℃以上となる熱間圧延を施す工程とし、該熱間圧延工程終了後、厚鋼板の板厚中心温度で900℃以上の温度から冷却を開始し、該冷却を開始した温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施し、該加速冷却工程終了後、さらに板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施すことを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(10)(6)ないし(9)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:3.5%以下を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(11)(6)ないし(10)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
(12)(6)ないし(11)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含む組成とすることを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する重要な元素であり、本発明では所望の強度を確保するために0.005%以上含有することが望ましい。一方、0.050%を超えて含有すると、Ni含有による焼戻時の鋭敏化が増大する。耐食性の観点からはCは少ないほうが望ましい。このようなことから、Cは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.030〜0.050%である。
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが望ましい。一方、0.50%を超える含有は、耐食性を低下させ、さらに熱間加工性をも低下させる。このため、Siは0.50%以下に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.30%である。
Mnは、強度を増加させる作用を有する元素であり、このような効果を得るためには0.20%以上の含有を必要とする。一方、1.80%を超えて含有すると、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Mnは0.20〜1.80%に限定した。なお、好ましくは0.20〜1.00%である。
Crは、保護皮膜を形成し耐食性を向上させ、さらに固溶して鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、15.5%以上の含有を必要とする。一方、18.0%を超えて多量に含有すると、熱間加工性が低下し、さらに強度が低下する。このため、Crは15.5〜18.0%に限定した。なお、好ましくは16.6〜18.0%である。
Niは、保護膜を強固にし、耐食性を高める作用を有する元素であり、さらに固溶して鋼の強度を増加させ、さらに靭性を向上させる元素でもある。このような効果を得るためには、1.5%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超えて含有すると、マルテンサイト相の安定性が低下し、強度が低下する。このため、Niは1.5〜5.0%に限定した。なお、好ましくは2.5〜4.5%である。
Moは、Cl−による孔食に対する抵抗性を増加させる元素である。このような効果を得るためには、1.0%以上含有する必要がある。一方、3.5%を超える多量の含有は、強度が低下するとともに、材料コストが高騰する。このため、Moは1.0〜3.5%に限定した。なお、好ましくは2.0〜3.5%である。
Vは、強度を増加させるとともに、耐食性を改善する元素である。このような効果を得るためには、0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超えて含有すると、靭性が低下する。このため、Vは0.02〜0.20%に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.08%である。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.002%以上含有することが望ましい。一方、0.05%を超えて含有すると、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Alは0.05%以下に限定した。
Nは、耐孔食性を著しく向上される元素であり、このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超えて含有すると、種々の窒化物を形成し靭性を低下させる。このため、Nは0.01〜0.15の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.08%である。
O(酸素)は、鋼中では酸化物として存在し、各種特性に悪影響を及ぼす。このため、できるだけ低減することが望ましい。とくに、Oが0.006%を超えて多量に含有すると、熱間加工性、靭性、耐食性の低下が著しくなる。このため、Oは0.006%以下に限定した。
Cuは、保護皮膜を強固にし、鋼中への水素の侵入を抑制して、耐硫化物応力腐食割れ性を高める。このような効果は0.5%以上の含有で顕著となる。一方、3.5%を超える含有は、CuSの粒界析出を招き、熱間加工性が低下する。このため、含有する場合には、Cuは3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.8〜1.2%である。
Nb、Ti、Zr、Wはいずれも、強度を増加させる元素であり、必要に応じて、選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Nb:0.03%以上、Ti:0.03%以上、Zr:0.03%以上、W:0.2%以上含有することが望ましい。一方、Nb:0.2%、Ti:0.3%、Zr:0.2%、W:3.0%をそれぞれ超える含有は、靭性を低下させる。このため、含有する場合は、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3.0%以下に、それぞれ限定することが好ましい。
Ca、REMはいずれも、硫化物系介在物を球状化する作用を有し、介在物周囲のマトリッククスの格子歪を小さくして、介在物系の水素トラップ能を低下させる効果を有する元素であり、必要に応じて、1種または2種を含有できる。このような効果を得るためには、Ca:0.0005%以上、REM:0.001%以上、含有することが望ましい。一方、Ca:0.01%、REM:0.01%をそれぞれ超えて含有すると、靭性が低下する。このため、含有する場合には、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下、に限定することが好ましい。
加熱温度が1100℃未満では、フェライト相が少なく、フェライト→オーステナイト変態を利用した、顕著な組織の微細化を達成することができない。また、加熱温度が1100℃未満では、変形抵抗が高くなりすぎて、その後の熱間加工が困難となる。一方、1350℃以上では、自重による変形が生じたり、成形(加工)による歪の蓄積が困難となる。このため、鋼素材の加熱温度は1100〜1350℃の範囲の温度に限定した。なお、変形抵抗が小さく加工がしやすいことや、冷却時に温度差を大きくとれるという観点から、好ましくは1150〜1300℃である。
ここでいう「冷却開始温度」とは、加速冷却を開始する時の鋼素材(鋼板、あるいは圧延途中の鋼板を含む)の温度である。本発明では、フェライト相ができるだけ多い状態で、熱間圧延を施し、組織の微細化を図ることを意図している。そのため、熱間圧延前の組織が、できるだけ多くの過冷却状態のフェライト相を含む組織となるように、加速冷却を行う。したがって、加速冷却の開始温度はできるだけ高い温度とすることが好ましい。このようなことから、本発明では、加速冷却の冷却開始温度は、板厚中心温度で900℃以上の温度に限定した。なお、好ましくは950℃以上である。
加速冷却の温度範囲、すなわち、冷却開始温度と冷却停止温度の温度差は、少なくとも50℃以上とする。加速冷却の温度範囲が50℃未満では、非平衡状態の相分率を高くできず、その後の加工による組織微細化効果が期待できなくなり、また、その後の冷却で組織の粗大化が進行するなどの悪影響や、その後の熱処理で粒状のフェライト相を、変態により所定量形成することができなくなり、また、各相への元素の分配を適正範囲に調整することが難しくなるなどの問題がある。このため、加速冷却の温度範囲を50℃以上に限定した。加速冷却の温度範囲が大きいほど、非平衡状態の相分率を高い状態に維持できる。なお、好ましくは100℃以上である。
加速冷却の平均冷却速度は、板厚中心部で2.0℃/s以上とする。平均冷却速度が2.0℃/s未満では、非平衡状態の相分率を高く保持できなくなり、その後の加工による組織微細化効果が期待できなくなる。このため、加速冷却の平均冷却速度は2.0℃/s以上に限定した。平均冷却速度の上限は、冷却装置の能力により決定され、とくに限定する必要はないが、割れや曲り防止という観点から50℃/s以下とすることが好ましい。なお、好ましくは5〜20℃/sである。
加速冷却の冷却停止温度は800℃以上とする。冷却停止温度が800℃未満では、合金元素の拡散が遅くなり、その後の熱間圧延による相変態(α→γ変態)が遅れ、所望の組織微細化効果が期待できなくなる。このため、加速冷却の冷却停止温度は800℃以上に限定した。なお、好ましくは1000℃以下である。
加熱温度が550℃未満では、非平衡フェライト相がオーステナイト相に変態することが少なく、また、合金元素の拡散が遅く、所望のオーステナイト相中への合金元素の濃化を促進できないため、所望量の安定したオーステナイト相を確保できなくなる。一方、980℃を超えて高温に加熱すると、形成されるオーステナイト相が多くなり、安定性が低下して、所望量のオーステナイト相を残留させることができなくなる。また、粗大なオーステナイト粒となり、靭性の低下を招く。このため、熱処理の加熱温度は550〜980℃の範囲の温度に限定した。
本発明厚鋼板では、体積率で50%以上のマルテンサイト相を主相とする。マルテンサイト相は、所望の高強度を確保するために重要な相で、体積率で50%未満では、強度が低下して、所望の高強度を確保できない。このため、マルテンサイト相は体積率で50%以上に限定した。なお、マルテンサイト相の一部は、フェライト粒内に粒状に分散し、組織の微細化に寄与する。
オーステナイト相は靭性に富み、優れた低温靭性を確保するために分散させる。このような効果を得るためには、体積率で3%以上のオーステナイト相の含有を必要とする。一方、15%を超えて含有すると、強度が低下し、所望の高強度を確保できなくなる。このため、オーステナイト相は体積率で3〜15%の範囲に限定した。
オーステナイト相へのNi濃化は、オーステナイト相の安定化のために重要である。とくにマルテンサイト相中に形成させるオーステナイト相では、周囲のマルテンサイト相に比べてNiが濃化することにより、安定度が増加し、低温靭性が向上する。そのため、オーステナイト相中のNi濃度(CNi)γ(質量%)とマルテンサイト相中のNi濃度(CNi)M(質量%)との比、(CNi)γ/(CNi)M、を1.15以上に限定した。
マルテンサイト相の一部は、フェライト相中に、粒状のマルテンサイト粒として分散させる。フェライト粒中に粒状のマルテンサイト粒を分散させることにより、フェライト粒が分断され、見掛けの微細化が達成されて、低温靭性が向上する。粒状のマルテンサイト粒のうち、フェライト粒を細粒化するという観点から、粒径が10μm以下の粒状マルテンサイト粒をフェライト粒100μm2あたり3.0個以上、分散させる。本発明では、粒径が10μm超える粒状マルテンサイト粒では、大きすぎてフェライト粒の分断による細粒化には寄与しないとし、粒径が10μm以下の粒状マルテンサイト粒に限定し、フェライト粒100μm2あたり3.0個以上、分散させるとした。粒径が10μm以下の粒状マルテンサイト粒の分散がフェライト粒100μm2あたり3.0個未満では、所望のフェライト相の細分化に寄与しない。なお、粒状マルテンサイト粒は、ほぼ楕円形状を呈することが多く、ここでいう「粒径」は長軸を指す。
(1)組織観察
得られた厚鋼板(熱処理板)から、圧延方向に直交する断面(C断面)が観察面となるように組織観察用試験片を採取し、機械研磨および電解研磨を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:500〜5000倍)を用いて組織を観察した。板厚中央部の組織について、撮像して、得られた組織写真を用いて画像解析(画像処理)により、組織の種類、および各相の組織分率(体積%)を求めた。また、SEM(倍率:500倍)による観察では、フェライト相の組織分率を測定し、また、SEM(倍率:2000倍、5000倍)による観察では、フェライト中の長軸が10μm以下の粒状マルテンサイトの個数を測定し、フェライト100μm2中の個数に換算した。なお、粒状マルテンサイトの界面のうち、80%以上がフェライトとの界面である場合には、粒状マルテンサイトがフェライト粒の中に存在すると判断した。
Vγ=100/{1+(IαRγ/IγRα)}
(ここで、Iα:αの積分強度、
Iγ:γの積分強度、
Rα:αの結晶学的理論計算値、
Rγ:γの結晶学的理論計算値
を用いて換算した。なお、マルテンサイト相の分率はこれらの相以外の残部とした。
(2)引張試験
得られた厚鋼板(熱処理板)の板厚中心位置から、圧延方向に垂直な方向が引張方向となるように、丸棒引張試験片(平行部6mmφ×GL20mm)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。なお、降伏強さYSは0.2%伸びでの強度とした。
(3)衝撃試験
得られた厚鋼板(熱処理板)の板厚中心位置から、圧延方向と直交する方向(C方向)が試験片長手方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施した。試験温度は−40℃とし、吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。なお、試験片は各3本とし、それらの平均値を当該厚鋼板の吸収エネルギーとした。
2 熱間圧延装置
3 冷却装置
4 熱処理装置
5 加熱手段
Claims (12)
- 質量%で、
C :0.050%以下、 Si:0.50%以下、
Mn:0.20〜1.80%、 Cr:15.5〜18.0%、
Ni:1.5〜5.0%、 Mo:1.0〜3.5%、
V :0.02〜0.20%、 Al:0.05%以下、
N :0.01〜0.15%、 O :0.006%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、
体積率で、50%以上のマルテンサイト相と、3〜15%のオーステナイト相と、残部がフェライト相からなる組織を有し、かつ
前記オーステナイト相中のNi濃度(CNi)γ(質量%)と前記マルテンサイト相中のNi濃度(CNi)M(質量%)との比、(CNi)γ/(CNi)Mが、1.15以上である
ことを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板。 - 前記組織が、前記フェライト相中に、前記マルテンサイト相の一部を粒径10μm以下の粒状で、フェライト粒100μm2あたり3.0個以上含む組織であることを特徴とする請求項1に記載の高強度ステンレス厚鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:3.5%以下を含む組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度ステンレス厚鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度ステンレス厚鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含む組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度ステンレス厚鋼板。
- 鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、
C :0.050%以下、 Si:0.50%以下、
Mn:0.20〜1.80%、 Cr:15.5〜18.0%、
Ni:1.5〜5.0%、 Mo:1.0〜3.5%、
V :0.02〜0.20%、 Al:0.05%以下、
N :0.01〜0.15%、 O :0.006%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、
前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程とし、
前記熱間圧延工程を、熱間圧延を途中で中断し、板厚中心温度で900℃以上の温度から冷却を開始し、該冷却を開始した温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施したのち、前記熱間圧延を再開し、前記所定板厚の厚鋼板とする工程とし、
該熱間圧延工程後に、板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施す
ことを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。 - 前記熱間圧延を途中で中断し、前記加速冷却工程を施すに際し、熱間圧延の途中の鋼板温度が、板厚中心温度が900℃未満となる場合には、板厚中心温度で900℃以上の温度に加熱する熱延中加熱処理を施し、しかるのちに前記加速冷却工程を施すことを特徴とする請求項6に記載の高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
- 鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、
C :0.050%以下、 Si:0.50%以下、
Mn:0.20〜1.80%、 Cr:15.5〜18.0%、
Ni:1.5〜5.0%、 Mo:1.0〜3.5%、
V :0.02〜0.20%、 Al:0.05%以下、
N :0.01〜0.15%、 O :0.006%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、
前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程とし、
前記熱間圧延工程が、前記加熱工程を施された前記鋼素材に直ちに、冷却を開始し、該冷却を開始した温度を冷却開始温度とし、該冷却開始温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施したのち、前記熱間圧延を施し、前記所定板厚の厚鋼板とする工程であり、
該熱間圧延工程後に、板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施す
ことを特徴とする高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。 - 鋼素材に、加熱工程と熱間圧延工程とを施し、所定板厚の厚鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、
C :0.050%以下、 Si:0.50%以下、
Mn:0.20〜1.80%、 Cr:15.5〜18.0%、
Ni:1.5〜5.0%、 Mo:1.0〜3.5%、
V :0.02〜0.20%、 Al:0.05%以下、
N :0.01〜0.15%、 O :0.006%以下
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、
前記加熱工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1350℃に加熱する工程であり、
該加熱工程を施したのち、前記熱間圧延工程を、圧延終了温度が900℃以上となる熱間圧延を施す工程とし、
該熱間圧延工程終了後、厚鋼板の板厚中心温度で900℃以上の温度から冷却を開始し、該冷却を開始した温度から少なくとも50℃以上で、かつ800℃以上となる冷却停止温度まで、板厚中心温度で2.0℃/s以上の平均冷却速度で冷却する加速冷却工程を施し、
該加速冷却工程終了後、さらに板厚中心温度で500℃以下の温度まで冷却し、しかるのちに550〜980℃の範囲の温度に加熱し、冷却する熱処理を少なくとも1回行う熱処理工程を施す
ことを特徴とする低温靭性に優れた高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:3.5%以下を含む組成とすることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含む組成とすることを特徴とする請求項6ないし11のいずれかに記載の高強度ステンレス厚鋼板の製造方法。
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