JP2005298877A - 疲労き裂伝播特性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 建築、造船、橋梁、建設機械、海洋構造物などの溶接構造部材に使用される疲労き裂伝播特性に優れた鋼板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 質量%で、C:0.03〜0.2%、Si:0.01 〜1.6%、Mn:0.5〜2%、P:0.02% 以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.05% 、N:0.001 〜0.008%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが 400〜900 、面積率が 5〜30% 、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、更に粒状マルテンサイトの平均間隔が 5〜50μmであり、応力比 0.1の応力拡大係数範囲ΔKが 20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dN が10-8m/cycle 以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、疲労特性が必要とされる建築、造船、橋梁、建設機械、海洋構造物などの溶接構造部材に使用される疲労き裂伝播特性に優れた鋼板およびその製造方法に関するものである。
一般に、建築、造船、橋梁、建設機械、海洋構造物などの溶接構造物には、アーク溶接、プラズマ溶接をはじめ、レーザ溶接や電子ビーム溶接など、多種多様な溶接方法を用いた溶接継手が適用されている。
これらの溶接継手には、風や波、機械振動などによる繰り返し荷重がかかるため、疲労強度の向上が極めて重要であり、一般的には疲労強度の向上手法として溶接後処理である、(1) グラインディング、(2) TIGドレッシング、(3) ショットピーニング、(4) ハンマーピーニングが用いられるが、以下のような問題点があった。
ここで、グラインディング、TIGドレッシングは、溶接ビードの形状をよくするものであるが、いずれも著しく作業効率が悪かった。
ショットピーニング、ハンマーピーニングは、疲労強度向上効果はあるが、ショットピーニングは巨大な機械が必要であるうえ、種々のユーティリティが必要となる。
また、ハンマーピーニングは反動が大きく、処理結果が安定せず、時にはかえってプレス成形性や疲労強度を低下させてしまうことがある。またこのハンマーピーニングは、あまりに大きな塑性変形を与えるために、薄い板に対しては使いにくいという欠点もあった。
さらに、グラインディングやハンマーピーニングは、数Hzの低周波の機械加工を継手部に施すため、加工表面の凹凸が激しく、その山部に応力が集中し、継手部に繰り返し荷重がかかると、この応力集中部からき裂が生じるため継手全体の疲労強度が低下するという問題点があった。
また溶接部には、一般に溶接による入熱によって残留応力が導入される。その残留応力が溶接部で疲労強度を低下させる一つの大きな要因となっている。
そこで、疲労強度を向上させる別の手段として、溶接継手部に圧縮残留応力を発生させるか、あるいは溶接継手部に発生する引張残留応力を低減して疲労強度を高める方法が知られている。
例えば、溶接止端部近傍にショットピーニング処理を行うことで圧縮残留応力を付与できる。ここに、ショットピーニング処理は、疲労き裂発生の起点となる部位に1mm弱の鋼球を多数打ち付け、圧縮残留応力を付与する手法である。
さらに、溶接金属の加熱再溶融により溶接止端部形状の改善あるいは引張残留応力の軽減が可能であることも知られている。
しかし、このショットピーニング処理は鋼球を必要とし、この鋼球の後処理あるいはコストが問題となる場合がある。さらに疲労強度の向上代がばらつくという問題点がある。 以上のように、溶接後処理による疲労強度の向上技術を溶接継手に採用することは困難であり、例え採用できても疲労強度向上代が低いレベルに留まっていた。そこで溶接後処理が不要であり、溶接ままで溶接継手の疲労強度向上が達成できるような技術が切望されている。
このような観点から、溶接ままで溶接継手の疲労強度を向上させるために、疲労き裂の伝播を抑制する鋼板がいくつか提案されている。
例えば非特許文献1には、一般造船用鋼材の昇温過程でフェライトを加工することにより表層に超細粒組織を形成した鋼(SUF鋼)が、疲労き裂の伝播速度を低下させる効果を有することが開示されている。しかし、フェライトの細粒化のみでは伝播速度を著しく低下させるのは困難であり、さらに表層に形成された超細粒組織は溶接熱影響により大部分消失してしまうので、溶接継手の疲労強度向上は十分達成できていない。
また特許文献1〜7には、軟質のフェライト母相中に硬質のパーライト、ベイナイト、マルテンサイトを第二相とした混合組織にすると、硬質第二相がき裂進展の障害となり、疲労き裂の伝播速度を低下することができる鋼板が開示されている。
しかしこれらの技術には、き裂進展を遅らせるための重要な要素であるマルテンサイトの面積率、アスペクト比(長軸/短軸)、硬さ、およびフェライトの硬さ、および両者の間隔を適切に制御できていないために全く疲労き裂伝播特性が向上しない場合や向上が不十分な場合や著しく鋼材の靭性が劣化する場合があった。
またこれらの技術では、板厚方向にき裂が進展する場合にしか効果は得られず、適用範囲が狭いという問題があった。
例えば特許文献1では、マルテンサイト分率が不十分であり、十分な疲労き裂伝播特性の向上が得られない。特許文献2では、マルテンサイト分率が30%を超えると著しい靭性の低下が起こる上に、フェライトに対する硬質第二相の硬度を30%以上確保しても、フェライトの硬さが150以下や硬質第二相の硬さが400以下では、疲労き裂伝播特性の十分な向上効果は得られない。
特許文献3も同様にマルテンサイト分率が30%を超えるものであり、鋼材の靭性が著しく損なわれてしまう。特許文献4〜7では、フェライト、第二相の硬さ、分率、およびそれらの間隔が適切に制御されておらず、第二相が硬さの低い400以下のベイナイトの場合では、分率が多くても靭性劣化は抑制されるが、伝播抑制効果は小さい。また、第二相が硬さの高い400以上のマルテンサイトの場合では、分率が30%以上では著しい靭性劣化が生じる。
また特許文献8には、フェライトとベイナイトの二相組織とした上で、フェライト相部分の比率、フェライトの硬さ、および、フェライトとベイナイトの相境界の数等を特定範囲に規定することによって、疲労き裂進展速度を低下することができる鋼板が開示されている。しかし、ベイナイトの硬さレベルでは疲労き裂伝播特性の向上効果は不十分であり、フェライトの硬さが150以下でも同様に効果は小さい。
また特許文献9〜11では、上記に挙げた思想とは異なり、硬質相を母相とし、軟質相を第二相とし分散させることで疲労き裂伝播速度を低下させることができる鋼板が開示されている。これらは、き裂進展に必要な塑性変形エネルギーを軟質相で吸収させることでき裂閉口挙動を促進させ、き裂進展を抑制させることを狙ったものであるが、溶接引張残留応力が存在する溶接継手では、き裂は容易に開口するので、き裂閉口効果のみでは十分な疲労き裂伝播特性の向上効果は得られない。
さらに特許文献12、13では、回復あるいは再結晶フェライト分率を確保し、さらに特定の集合組織を発達させることで疲労き裂伝播速度を低下させることができる鋼板が開示されている。これは特定の集合組織によりき裂進展時のき裂先端の塑性変形を抑制しようとするものであるが、第二相組織が規定されてないフェライトの集合組織のみでは十分な疲労き裂伝播特性は得られない上に、き裂先端の塑性変形は極低ΔK領域でしか抑制することができないため適用範囲が著しく狭い。
また、熱延、または冷延薄鋼板のミクロ組織制御による疲労強度向上技術も多数開示されている。
例えば特許文献14には、ベイナイトの面積率を5〜70%、マルテンサイトの面積率を1〜30%とすることにより、伸びフランジ性と疲労強度向上が図れることが記載されている。また特許文献15には、熱延鋼板の冷却速度と巻取り温度を限定することにより、ベイナイトの面積率を5〜60%とし、疲労強度を向上できることが記載されている。 また特許文献16には、フェライト・ベイナイト・マルテンサイトの3相混合組織でベイナイトの面積率を5〜60%、マルテンサイト面積率1〜15%とすることにより、伸びフランジ性と疲労強度の向上が図れることが記載されている。
しかし、薄鋼板では厚鋼板とは異なり、板が薄いが故にき裂進展に要する期間は短いため、これらの疲労強度向上技術は伝播特性を向上させたものではなく、厚鋼板に適用することはできない。例え適用したとしても、ミクロ組織を適切に制御できていないため、疲労き裂伝播速度を著しく低下させることはできない。
以上のように従来技術では、き裂進展を著しく抑制するための適切な組織制御はできておらず、安定的に疲労き裂伝播速度を低下させることができ、板厚方向依存性がない鋼板、さらに溶接継手の疲労寿命向上に寄与できる鋼板の開発が切望されている。
特開平06−271985号公報 特開平07−090478号公報 特開平08−073980号公報 特開平10−168542号公報 特開平11−001742号公報 特開2002−047531号公報 特開2003−003229号公報 特開平08−225882号公報 特開平07−242992号公報 特開平08−199286号公報 特開平09−095754号公報 特開平08−199286号公報 特開平09−095754号公報 特開昭57−108241号公報 特許第1610808号 特公平04−022418号公報 1998年日本材料学会第24回疲労シンポジウム講演論文集 「表層超細粒鋼板の疲労特性」(p157−162)
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、建築、造船、橋梁、建設機械、海洋構造物などの溶接構造部材に使用される疲労き裂伝播特性に優れた鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。具体的には、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下であり、応力比0.1の入熱量が10〜30kJ/minの溶接継手軸力疲労試験のときの疲労寿命が従来鋼の2倍以上を満足する鋼材およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨は特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1) 質量%で、
C :0.03〜0.2%、 Si:0.01〜1.6%、
Mn:0.5〜2%、 P :0.02%以下、
S :0.005%以下、 Al:0.001〜0.05%、
N :0.001〜0.008%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下であることを特徴とする、疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
(2) さらに質量%で、
Cu:0.1〜2.5%、 Ni:0.1〜5%、
Cr:0.01〜1.5%、 Mo:0.01〜1.5%、
W :0.01〜1.5%、 Ti:0.001〜0.05%、
Nb:0.005〜0.2%、 Zr:0.005〜0.2%、
V :0.005〜0.2%、 B :0.0002〜0.005%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
(3) さらに質量%で、
Mg:0.0005〜0.01%、 Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.005〜0.05%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼片を、Ac3 変態点〜1350℃の温度に加熱後、Ar3 変態点〜1250℃のオーステナイト単相域で圧延し、Ar1 変態点以下まで冷却した後、Ac1 変態点+20℃〜Ac3 変態点−20℃の二相域温度範囲に加熱し、5秒以上保持した後5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却することを特徴とする、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下である疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼片を、Ac3 変態点〜1350℃の温度に加熱後、Ar3 変態点〜1250℃のオーステナイト単相域で圧延し、Ar1 変態点+20℃〜Ar3 変態点−20℃の二相域温度範囲に冷却した後、5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却することを特徴とする、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下である疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
(6) 前記加速冷却後に、300〜500℃の温度範囲で焼き戻しすることを特徴とする、上記(4)または(5)に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
本発明によれば、建築、造船、橋梁、建設機械、海洋構造物などの溶接構造部材に使用される疲労き裂伝播特性に優れた鋼板およびその製造方法を提供することができる。
具体的には、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下であり、溶接継手疲労寿命を従来の2倍以上に向上させることができ、溶接鋼構造物の疲労破壊に対する信頼性を向上させるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
一般的には、疲労き裂伝播速度は鋼材の組織や強度に依存しないことが知られている。しかし、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、フェライトを母相とし、粒状マルテンサイトを第二相としてランダム分散し、さらに硬さ、面積率、アスペクト比(長軸/短軸)、マルテンサイト粒間隔を適正に制御することによって、疲労き裂伝播速度に異方性がなく従来に比べ著しく低下することを知見した。
疲労き裂伝播速度が低下するメカニズムは、鋼板圧延冷却中にマルテンサイト変態したときに生じるマルテンサイト周囲の内部応力の変化によるものであり、き裂進展に対する駆動力を下げる効果がある。この効果により、マルテンサイト直上において、き裂は停滞し、さらにマルテンサイトの内部を容易に進展することはできず、マルテンサイトの界面に沿ってき裂は迂回したり分岐したりする。このようなき裂停滞による遅延、き裂迂回・分岐による伝播距離の増大、さらにき裂迂回・分岐に伴う著しいき裂閉口挙動の発現が、疲労き裂伝播速度の大幅な低下を可能とした。
ミクロ組織の限定範囲の理由を以下に述べる。
疲労き裂伝播速度に影響する因子の中で最も影響が大きいものは、マルテンサイト面積率であり、5%以上で伝播速度は急激に低下する。これは、マルテンサイト分率が増えることによりき裂進展の障害が増えることに起因する。しかし、30%以上では著しく靭性が劣化するので、その範囲を5〜30%とした。
内部応力を高めて、き裂進展の駆動力をより効果的に下げるためには、マルテンサイト変態開始温度を低くする必要がある。これは低温でマルテンサイト変態が起こると、変態の拘束となるフェライトが硬いため、その反力により内部応力が増大するからである。
マルテンサイト変態開始温度は熱間圧延時のオーステナイト中の炭素が濃縮する量が多いほど低下する。そして、炭素が濃縮する量が多いほどマルテンサイトの硬さは大きくなるので、マルテンサイト変態開始温度を400℃以下にするため、マルテンサイトの硬さは400以上にしなければならない。
マルテンサイト変態開始温度を400℃以下にしなければいけない理由は、400℃超では変態後の熱収縮により内部応力が緩和され、疲労き裂伝播遅延効果が小さくなるからである。また、マルテンサイトの硬さが900超では、マルテンサイト分率を5%以上確保することが困難であるとともに、マルテンサイトが起点となり脆性破壊を起こす可能性があるため、マルテンサイトの硬さは400〜900とした。
さらに、上記に述べたようにフェライトの硬いほどマルテンサイト変態時の拘束となり、反力が大きくなり内部応力が高まるため、フェライトの硬さを150以上とした。
マルテンサイトのアスペクト比が大きいほど、き裂進展の障害となるマルテンサイトに当たる頻度が増える上に、迂回・分岐距離が増大することから疲労き裂伝播速度低下には有効である。しかし、アスペクト比が大きくなると伝播速度に著しい異方性が生じるため、その範囲を3以下とした。
伝播速度の異方性をなくすためには、マルテンサイト相は粒状にランダム分散させる必要があり、その粒間隔が5μmより小さいと、マルテンサイト変態時に導入される内部応力が有効に働くなり、き裂進展を遅延させることは困難となる。また層間隔が50μm超では、き裂がマルテンサイトへ当たる頻度、すなわちき裂の停滞、迂回・分岐効果が小さくなることから、層間隔の範囲を3〜50μmとした。
次に、各合金元素の範囲を限定した理由を以下に述べる。なお、以下%は質量%を意味する。
Cは、本発明の成分として主たる元素の一つであり、マルテンサイト分率を制御することと鋼の強度を向上させる有効な成分として含有するもので、0.03%未満ではマルテンサイト分率を5%以上確保するのが困難である。0.2%超では母材および溶接部の靭性や耐溶接割れ性を低下させるので、0.03〜0.2%とした。
Siは、強度確保のほか脱酸元素として必須の元素であり、その効果を得るためには0.01%以上の添加が必要で、1.6%を超える過剰な含有は粗大な酸化物を形成して延性や靭性の低下を招くため、その量を0.01〜1.6%とした。
Mnは、強度を高めるために必須の元素であるが、0.5%未満では母材強度を確保できない。一方、2%を超える過剰な含有は粒界脆化等により母材靭性や溶接部の靭性、さらに溶接割れ性などを劣化させるため、その量を0.5〜2%とした。
Pは、鋼の靭性に影響を与える元素であり、0.02%を超えると母材だけでなくHAZの靭性を著しく阻害するので極力少ないほうが良く、その量を0.02%以下とした。
Sは、Pと同様に低いほど好ましく、0.005%を超えるとMnS析出が顕著となり、母材のHAZ靭性を阻害して板厚方向の延性も低下させるため、その量を0.005%以下とした。
Alは、脱酸、オーステナイト粒径の細粒化等に有効な元素であり、効果を発揮するためには0.001%以上含有する必要がある。一方、0.05%を超えて過剰に含有すると、粗大な酸化物を形成して延性を極端に劣化させるため、その量を0.001〜0.05%とした。
Nは、AlやTiと化合してオーステナイト粒微細化に有効に働くため、微量であれば機械的性質の向上に寄与する。また、工業的に鋼中のNを完全に除去することは不可能であり、必要以上に低減することは製造工程に過大な負担をかけるため好ましくない。そのため工業的に制御が可能で、製造工程への負荷が許容できる範囲として下限を0.001%とする。過剰に含有すると、固溶Nが増加して歪時効特性が劣化するため、上限を0.008%とした。
以上が本発明の基本成分の限定理由であるが、本発明においては、強度・靭性の調整のために、必要に応じてCu、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Nb、Zr、V、Bの1種あるいは2種以上含有することができる。以下に各元素の成分限定理由を述べる。
Cuは、靭性を低下させずに強度の上昇に有効な元素であるが、0.1%未満では効果がなく、2.5%を超えると鋼片加熱時や溶接時に割れを生じやすくする。従ってその量を0.1〜2.5%とした。
Niは、靭性および強度の改善に有効な元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の添加が必要であるが、5%以上の過剰な添加では、効果が飽和する一方で、HAZ靭性や溶接性の劣化を生じる懸念があり、また高価な元素であるため経済性も考慮して、その量を0.1〜5%とした。
Crは、焼入れ性を高めて強度を確保する上で0.01%以上必要である。一方、1.5%を超えるとNiと同様の理由で好ましくない。従ってその量を0.01〜1.5%とした。
Moは、焼入れ性向上、強度向上、耐焼戻し脆化、再結晶抑制に有効な元素で、その効果を得るためには0.01%以上の添加が必要であるが、1.5%を超えると靭性および溶接性が劣化する。従ってその量を0.01〜1.5%とした。
Wは、焼入れ性を高めて強度を確保するのに必要な元素であるが、効果を発揮でき、他特性に悪影響を及ぼさない範囲として、その量を0.01〜1.5%とした。
Tiは、析出強化により母材強度向上に寄与するとともに、高温でも安定なTiNの形成により加熱オーステナイト粒径微細化にも有効な元素であり、効果を発揮するためには0.001%以上含有する必要がある。一方、0.05%を超えると、粗大な酸化物を形成して延性を極端に劣化させるため、その量を0.001〜0.05%とした。
Nb、Zr、Vは、析出強化により母材の強度向上に寄与するが、0.005%未満では効果がなく、0.2%を超える過剰の添加では延性や靭性が劣化する。従ってNb、Zr、Vともにその量を0.005〜0.2%とした。
Bは、固溶状態でオーステナイト粒界に偏析することで、微量で焼入れ性を高めることが可能な元素であるが、粒界に偏析した状態ではオーステナイトの再結晶抑制にも有効である。焼入れ性、再結晶抑制に効果を発揮するためには0.0002%以上の添加が必要であるが、一方、0.005%を超える過剰の添加は、粗大な析出物を生じて靭性が劣化するため、その量を0.0002〜0.005%とした。
さらに本発明においては、延性の向上、継手靭性の向上のために、必要に応じて、Mg、Ca、REMの1種または2種以上を添加することができる。
Mg、Ca、REMはいずれも硫化物の熱間圧延中の展伸を抑制して延性向上に有効である。酸化物を微細化させて継手靭性の向上にも有効に働く。その効果を発揮するための下限の含有量は、Mgは0.0005%、Caは0.0005%、REMは0.005%である。一方、過剰に含有すると硫化物や酸化物の粗大化を生じ、延性、靭性の劣化を招くため、上限の含有量を、MgとCaは各々0.01%、REMは0.05%とした。
以上が、本発明の基本要件であるミクロ組織と化学成分の限定理由である。
加えて、本発明の組織要件を満足させるための適切な製造方法についても提示する。ただし、本発明のミクロ組織については、その達成手段を問わず効果を発揮するものであり、本発明の請求項1〜3に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法は、請求項4〜6に示した方法に限定されるものではない。
熱間圧延に先立ち、鋼塊を100%オーステナイト化する必要があり、このためには鋼塊の温度をAc3 変態点以上に加熱する必要がある。しかし、1350℃を超えて加熱すると、オーステナイト粒が著しく粗大化し、圧延後に細粒フェライトが得られなくなるので、加熱温度の上限は1350℃とする。
引き続く熱間圧延をAr3 変態点〜1250℃の温度域に限定したのは、オーステナイト単相域での圧延を施すことによって、変態温度の高温化と変態組織の微細化が図られるからである。この場合、オーステナイト域で制御圧延を施し、二相域圧延の前にオーステナイト粒をさらに微細化しておく方が好ましい。
本発明では、硬いフェライト中に硬いマルテンサイトを粒状にランダム分散させることが必要であり、圧延後の放冷または水冷後に、Ac1 変態点+20℃〜Ac3 変態点−20℃の二相域温度範囲に再加熱しオーステナイトに逆変態させ、5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却し、マルテンサイト変態させる必要がある。
二相域に加熱する際の温度範囲は、マルテンサイト相が所定の硬さ、面積率を満足できる範囲として、Ac1 変態点+20℃〜Ac3 変態点−20℃とした。
加速冷却する場合の冷却速度を5〜80℃/sに限定したのは、5℃/s未満では加速冷却にマルテンサイト変態が困難であるためであり、80℃/s超では表層と内部との組織あるいは特性の差が大きく生じて好ましくないためである。また、加速冷却は鋼板の所望の強度、靭性レベルに応じて20〜400℃で停止する。加速冷却の停止温度を20℃未満とすることは材質を制御する上でなんら効果がなく、単に製造コストの上昇を招くだけで意味がない。逆に加速冷却を400℃超で停止すると、マルテンサイト変態が困難である上に、内部応力が緩和され、疲労き裂伝播特性の向上が期待できない。
また、オーステナイト単相域で圧延し、Ar1 変態点+20℃〜Ar3 変態点−20℃の二相域温度範囲に空冷または水冷した後、5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却することによっても、硬いフェライト中に硬いマルテンサイトを粒状にランダム分散させることが可能である。二相域温度範囲は上記と同じ理由でマルテンサイト相が所定の硬さ、分率を満足させるためにAr1 変態点+20℃〜Ar3 変態点−20℃とした。加速冷却の冷却速度、停止温度の限定理由も上記した通りである。
冷却後に引き続き実施する焼戻し処理は、回復による母材組織の靭性向上を目的としたものであるから、加熱温度は逆変態が生じない温度域であるAc1 以下でなければならない。さらに500℃超では、内部応力が緩和されることにより疲労き裂伝播特性が劣化することから上限を500℃とした。
また、回復は転位の消滅・合体により格子欠陥密度を減少させるものであり、これを実現させるためには300℃以上に加熱することが必要であるため、下限を300℃とした。なお、この焼戻し熱処理によって生成する焼戻しマルテンサイトも、本発明の組織要件であるマルテンサイトとして定義する。
以下に、本発明の効果を実施例によってさらに具体的に述べる。
実施例に用いた供試鋼の化学成分を表1に示す。各供試鋼は造塊後、分塊圧延により、あるいは連続鋳造により鋼片としたものである。表1の鋼番1〜15は本発明の化学組成範囲を満足しており、鋼番16〜20は本発明の化学組成範囲を満足していない。
表1の化学成分の鋼片を表2に示す条件により鋼板に製造した。試験No.A1〜A17は請求項4〜6に関連した方法により製造した。また、試験No.B1〜B11は本発明の製造条件を満足していない。それぞれの室温での機械的性質を表2に合わせて示す。 表3は前述の鋼番1〜20、試験No.A1〜A17、B1〜B11からなる鋼板のミクロ組織調査結果、疲労試験結果を示す。
Figure 2005298877
Figure 2005298877
Figure 2005298877
ミクロ組織は、鋼板の圧延方向の板厚断面を鏡面研磨後、ナイタール腐食、レペラ腐食によって現出させ、光学顕微鏡を用いて観察し、生成した相を後述の硬さ試験結果と併用して同定した。そして、硬さ測定はマイクロビッカース硬さ試験機を用いて荷重10gにて実施した。各相の分率、アスペクト比、粒間隔は、光学顕微鏡写真を画像解析することによって求めた。
図1は、疲労き裂伝播試験に用いた試験片を示す図である。図2は、伝播試験片の採取方法とき裂進展進展方向を示す図である。疲労き裂伝播試験条件は以下の通りとした。
・荷重負荷方式:3点曲げ、
・応 力 比 :0.1、
・環 境 :室温大気中、
・き裂長さ測定:直流電位差法
図2は、溶接継手疲労試験に用いた試験片を示す図である。溶接は、入熱18kJ/minで炭酸ガスアーク溶接を行った。疲労試験条件は以下の通りとした。
・荷重負荷方式:軸力、
・応 力 比 :0.1、
・環 境 :室温大気中、
・試験応力範囲:150MPa
試験No.A1〜A15は、いずれも本発明の化学組成の鋼片を本発明の要件に従って製造した鋼材であり、組織要件も満足しており、応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNがLT、LS方向ともに10-8m/cycle以下、かつ溶接継手疲労寿命が試験No.B1の比較例に対して2倍以上と、優れた疲労特性を有していた。
一方、試験No.A16、A17は、本発明の製造要件は満足しているが、化学組成の限定範囲が外れている。試験No.A16は、フェライト−マルテンサイト組織となっているが、マルテンサイト分率が小さいか、または粒間隔が大きいため、ΔK=20MPa√mのときの伝播速度が10-8m/cycle以上であり、そのため溶接継手疲労寿命が試験No.B1の比較例に対して2倍以下であり、本発明鋼に比べて疲労特性は劣っていた。また試験No.A17は、マルテンサイト分率が過剰であるため、靭性が大幅に劣化し、溶接継手疲労寿命は疲労試験途中で脆性破壊を起こしたため、本発明鋼に比べて著しく劣っていた。また、粒間隔が小さすぎたことにより伝播特性も本開発鋼に比べ劣っていた。
また試験No.B1〜B11は、本発明の化学組成の限定範囲は満足しているが、製造要件が外れている。試験No.B1〜B5、B7、B8は、第二相がマルテンサイトではなく、マルテンサイト以外ではき裂進展の有効な障害とはなり難いため、疲労き裂伝播特性は本発明鋼に比べ劣化し、溶接継手疲労寿命も向上しなかった。
試験No.B6は、第二相がマルテンサイトであるが、アスペクト比が大きいため、LS方向の伝播速度は低下するが、LT方向の伝播速度は低下しなかったことにより溶接継手の疲労寿命は本発明鋼に比べ劣っていた。
さらに、試験No.B9〜B11については、化学組成、製造法ともに本発明の限定範囲を満たしてないため、本発明鋼に比べて疲労特性は顕著に劣化していた。
疲労き裂伝播試験に用いた試験片を示す図である。 伝播試験片の採取方法とき裂進展進展方向を示す図である。 溶接継手疲労試験に用いた試験片を示す図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C :0.03〜0.2%、
    Si:0.01〜1.6%、
    Mn:0.5〜2%、
    P :0.02%以下、
    S :0.005%以下、
    Al:0.001〜0.05%、
    N :0.001〜0.008%
    を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下であることを特徴とする、疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
  2. さらに質量%で、
    Cu:0.1〜2.5%、
    Ni:0.1〜5%、
    Cr:0.01〜1.5%、
    Mo:0.01〜1.5%、
    W :0.01〜1.5%、
    Ti:0.001〜0.05%、
    Nb:0.005〜0.2%、
    Zr:0.005〜0.2%、
    V :0.005〜0.2%、
    B :0.0002〜0.005%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
  3. さらに質量%で、
    Mg:0.0005〜0.01%、
    Ca:0.0005〜0.01%、
    REM:0.005〜0.05%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼片を、Ac3 変態点〜1350℃の温度に加熱後、Ar3 変態点〜1250℃のオーステナイト単相域で圧延し、Ar1 変態点以下まで冷却した後、Ac1 変態点+20℃〜Ac3 変態点−20℃の二相域温度範囲に加熱し、5秒以上保持した後5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却することを特徴とする、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下である疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分を含有する鋼片を、Ac3 変態点〜1350℃の温度に加熱後、Ar3 変態点〜1250℃のオーステナイト単相域で圧延し、Ar1 変態点+20℃〜Ar3 変態点−20℃の二相域温度範囲に冷却した後、5〜80℃/sの冷却速度で20〜400℃まで加速冷却することを特徴とする、母材のミクロ組織が、ビッカース硬さが150以上のフェライトを母相とし、ビッカース硬さが400〜900、面積率が5〜30%、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の粒状マルテンサイトを第二相とした組織であり、さらに粒状マルテンサイトの平均間隔が5〜50μmであり、応力比0.1の応力拡大係数範囲ΔKが20MPa√mのときの疲労き裂伝播速度da/dNが10-8m/cycle以下である疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
  6. 前記加速冷却後に、300〜500℃の温度範囲で焼き戻しすることを特徴とする、請求項4または5に記載の疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法。
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