JP2016132816A - 電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子 - Google Patents

電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子 Download PDF

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大樹 山下
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Abstract

【課題】耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れているとともに、強度、曲げ加工性に優れた電子・電気機器用銅合金を提供する。【解決手段】Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなり、Niの含有量とPの含有量との比Ni/Pが、原子比で、3<Ni/P<15を満たし、さらに、Snの含有量とNiの含有量との比Sn/Niが、原子比で、0.3<Sn/Ni<2.7を満たすとともに、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9を満たすことを特徴する。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置のコネクタ、その他の端子、あるいはバスバー、電磁リレーの可動導電片、リードフレームなどの電子・電気機器用導電部品として使用されるCu−Zn―Sn系の電子・電気機器用銅合金と、それを用いた電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子に関するものである。
上述の電子・電気用導電部品として、強度、加工性、コストのバランスなどの観点から、Cu−Zn合金が従来から広く使用されている。
また、コネクタなどの端子の場合、相手側の導電部材との接触の信頼性を高めるため、Cu−Zn合金からなる基材(素板)の表面に錫(Sn)めっきを施して使用することがある。Cu−Zn合金を基材としてその表面にSnめっきを施したコネクタなどの導電部品においては、Snめっき材のリサイクル性を向上させるとともに、強度を向上させるため、Cu−Zn―Sn系合金を使用する場合がある。
ここで、例えばコネクタ等の電子・電気機器用導電部品は、一般に、厚みが0.05〜3.0mm程度の薄板(圧延板)に打ち抜き加工を施すことによって所定の形状とし、その少なくとも一部に曲げ加工を施すことによって製造される。この場合、曲げ部分付近で相手側導電部材と接触させて相手側導電部材との電気的接続を得るとともに、曲げ部分のバネ性により相手側導電材との接触状態を維持させるように使用される。
このような電子・電気機器用導電部品に用いられる電子・電気機器用銅合金においては、導電性、圧延性や打ち抜き加工性が優れていることが望まれる。さらに、前述のように、曲げ加工を施してその曲げ部分のばね性により、曲げ部分付近で相手側導電材との接触状態を維持するように使用されるコネクタなどの場合は、曲げ加工性、耐応力緩和特性が優れていることが要求される。
そこで、例えば特許文献1〜4には、Cu−Zn―Sn系合金の耐応力緩和特性を向上させるための方法が提案されている。
特許文献1には、Cu−Zn―Sn系合金にNiを含有させてNi−P系化合物を生成させることによって耐応力緩和特性を向上させることができるとされ、またFeの添加も耐応力緩和特性の向上に有効であることが示されている。
特許文献2においては、Cu−Zn―Sn系合金に、Ni、FeをPとともに添加して化合物を生成させることにより、強度、弾性、耐熱性を向上させ得ることが記載されており、上記の強度、弾性、耐熱性の向上は、耐応力緩和特性の向上を意味していると考えられる。
また、特許文献3においては、Cu−Zn―Sn系合金にNiを添加するとともに、Ni/Sn比を特定の範囲内に調整することにより耐応力緩和特性を向上させることができると記載され、またFeの微量添加も耐応力緩和特性の向上に有効である旨、記載されている。
さらに、リードフレーム材を対象とした特許文献4においては、Cu−Zn―Sn系合金に、Ni、FeをPとともに添加し、(Fe+Ni)/Pの原子比を0.2〜3の範囲内に調整して、Fe―P系化合物、Ni―P系化合物、Fe―Ni―P系化合物を生成させることにより、耐応力緩和特性の向上が可能となる旨、記載されている。
特開平05−33087号公報 特開2006−283060号公報 特許第3953357号公報 特許第3717321号公報
ところで、最近、電子・電気機器のさらなる小型化及び軽量化が図られており、電子・電気機器用導電部品に用いられる電子・電気機器用銅合金においては、さらなる強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性の向上が求められている。
しかしながら、特許文献1、2においては、Ni、Fe、Pの個別の含有量が考慮されているだけであり、このような個別の含有量の調整だけでは、必ずしも耐応力緩和特性を確実かつ十分に向上させることができなかった。
また、特許文献3においては、Ni/Sn比を調整することが開示されているが、P化合物と耐応力緩和特性との関係については全く考慮されておらず、十分かつ確実な耐応力緩和特性の向上を図ることができなかった。
さらに、特許文献4においては、Fe、Ni、Pの合計量と、(Fe+Ni)/Pの原子比とを調整しただけであり、耐応力緩和特性の十分な向上を図ることができなかった。
以上のように、従来から提案されている方法では、Cu−Zn―Sn系合金の耐応力緩和特性を十分に向上させることができなかった。このため、上述した構造のコネクタ等においては、経時的に、もしくは高温環境で、残留応力が緩和されて相手側導電部材との接触圧が維持されず、接触不良などの不都合が早期に生じやすいという問題があった。このような問題を回避するために、従来は材料の肉厚を大きくせざるを得ず、材料コストの上昇、重量の増大を招いていた。そこで、耐応力緩和特性のより一層の確実かつ十分な改善が強く望まれている。
また、電子・電気機器のさらなる小型化及び軽量化にともない、電子・電気機器用導電部品を形成する際に厳しい曲げ加工を行う必要があり、上述の電子・電気機器用銅合金には、従来にも増して、優れた曲げ加工性が要求されている。
ここで、上述の電子・電気機器用銅合金を製造する際においては、溶解原料としてスクラップ材を使用することがあり、これらのスクラップ材から不純物元素が混入するおそれがある。不純物元素が混入した場合には、電子・電気機器用銅合金の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。最近では、スクラップ材の使用頻度が高くなってきており、不純物元素の管理が非常に重要となる。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れているとともに、強度、曲げ加工性に優れた電子・電気機器用銅合金、それを用いた電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子を提供することを課題としている。
本発明者らは、鋭意実験・研究を重ねたところ、Cu−Zn―Sn系合金に、Niを適量添加するとともに、Pを適量添加し、Niの含有量とPの含有量との比Ni/Pと、Snの含有量とNiの含有量との比Sn/Niとを、それぞれ原子比で適切な範囲内に調整するとともに、Pとの化合物を生成するMn,Crの含有量の上限を規定することにより、耐応力緩和特性を確実かつ十分に向上させると同時に強度、曲げ加工性に優れた銅合金が得られることを見い出して、本発明に至った。
さらに、上記のNi、Pと同時に適量のFe及びCoを添加することにより、耐応力緩和特性および強度をより一層向上させることができることを見い出した。
本発明の電子・電気機器用銅合金は、Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなり、Niの含有量とPの含有量との比Ni/Pが、原子比で、3<Ni/P<15を満たし、さらに、Snの含有量とNiの含有量との比Sn/Niが、原子比で、0.3<Sn/Ni<2.7を満たすとともに、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9を満たすことを特徴としている。
上述の構成の電子・電気機器用銅合金によれば、NiをPとともに添加し、Sn、Ni、およびPの相互間の添加比率を規制することにより、母相(α相主体)から析出したNiとPとを含有するNi−P系析出物を適切に存在させているので、耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れ、しかも強度(耐力)も高い。なお、ここでNi−P系析出物とは、Ni―Pの2元系析出物であり、さらにこれらに他の元素、例えば主成分のCu、Zn、Sn、不純物のO、S、C、Fe、Co、Cr、Mo、Mn、Mg、Zr、Tiなどを含有した多元系析出物を含むことがある。また、このNi−P系析出物は、リン化物、もしくはリンを含む第二相の形態で存在する。
そして、Pとの化合物を生成するMn,Crの合計含有量が0.02mass%以下に規定され、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9を満たしているので、上述のNi−P系析出物を確実に生成することができ、耐応力緩和特性、強度、曲げ加工性等の各種特性を向上させることができる。
本発明の第二の態様による電子・電気機器用銅合金は、Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下、含有するとともに、0.001mass%以上0.1mass%以下のFe及び0.001mass%以上0.1mass%以下のCoのいずれか一方又は両方を含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなり、Ni,Fe及びCoの合計含有量とPの含有量との比(Ni+Fe+Co)/Pが、原子比で、3<(Ni+Fe+Co)/P<15を満たし、さらに、Snの含有量とNi,Fe及びCoの合計含有量との比Sn/(Ni+Fe+Co)が、原子比で、0.3<Sn/(Ni+Fe+Co)<2.7を満たし、 さらに、FeとCoの合計含有量とNiとの比(Fe+Co)/Niが、原子比で、0.002≦(Fe+Co)/Ni<1.2を満たすとともに、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9を満たすことを特徴としている。
本発明の第二の態様による電子・電気機器用銅合金によれば、NiをPとともに添加し、さらにFe、Coを添加し、Sn、Ni、Fe、CoおよびPの相互間の添加比率を適切に規制することにより、母相(α相主体)から析出したFe及びCoの一方又は両方とNiとPとを含有する〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を適切に存在させているので、耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れ、しかも強度(耐力)も高い。なお、ここで〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物とは、Ni−P、Fe−PもしくはCo−Pの2元系析出物、Ni−Fe−P、Ni−Co−PもしくはFe−Co−Pの3元系析出物、あるいはNi−Fe−Co−Pの4元系析出物であり、さらにこれらに他の元素、例えば主成分のCu、Zn、Sn、不純物のO、S、C、Fe、Co、Cr、Mo、Mn、Mg、Zr、Tiなどを含有した多元系析出物を含むことがある。また、この〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物は、リン化物、もしくはリンを含む第二相の形態で存在する。
そして、Pとの化合物を生成するMn,Crの合計含有量が0.02mass%以下に規定され、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9を満たしているので、上述の〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を確実に生成することができ、耐応力緩和特性、強度、曲げ加工性等の各種特性を向上させることができる。
また、本発明の第四の態様による電子・電気機器用銅合金は、上述の電子・電気機器用銅合金において、加工開始温度が950℃以下、且つ、加工終了温度が650℃以上で、加工率が50%以上99%以下、とされた熱間加工工程を経て製造されることを特徴としている。
本発明の第四の態様による電子・電気機器用銅合金によれば、熱間加工工程における加工開始温度が950℃以下とされているので、熱間割れの発生を抑制できる。また、熱間加工工程における加工終了温度が650℃以上とされているので、Mn及びCrのリン化物の粗大化を抑制でき、上述のNi−P系析出物及び〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を確実に生成することができ、耐応力緩和特性、強度、曲げ加工性等の各種特性を向上させることができる。
本発明の電子・電気機器用銅合金薄板は、上述の電子・電気機器用銅合金の圧延材からなり、厚みが0.05mm以上3.0mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
このような構成の電子・電気機器用銅合金薄板は、コネクタ、その他の端子、電磁リレーの可動導電片、リードフレーム、バスバーなどに好適に使用することができる。
ここで、本発明の電子・電気機器用銅合金薄板においては、表面にSnめっきが施されていてもよい。
この場合、Snめっきの下地の基材は0.1mass%以上0.9mass%以下のSnを含有するCu−Zn―Sn系合金で構成されているため、使用済みのコネクタなどの部品をSnめっきCu−Zn系合金のスクラップとして回収して良好なリサイクル性を確保することができる。
本発明の電子・電気機器用導電部品は、上述の電子・電気機器用銅合金からなることを特徴とする。
また、本発明の端子は、上述の電子・電気機器用銅合金からなることを特徴とする。
さらに、本発明の電子・電気機器用導電部品は、上述の電子・電気機器用銅合金薄板からなることを特徴とする。
また、本発明の端子は、上述の電子・電気機器用銅合金薄板からなることを特徴とする。
これらの構成の電子・電気機器用導電部品及び端子によれば、特に耐応力緩和特性に優れているので、経時的にもしくは高温環境で、残留応力が緩和されにくく、信頼性に優れている。また、電子・電気機器用導電部品及び端子の薄肉化を図ることができる。
本発明によれば、耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れているとともに、強度、曲げ加工性に優れた電子・電気機器用銅合金、それを用いた電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子を提供することができる。
本発明の電子・電気機器用銅合金の製造方法の工程例を示すフローチャートである。 比較例101のTEM像およびTEM−EDS像を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態である電子・電気機器用銅合金について説明する。
本実施形態である電子・電気機器用銅合金は、Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する。
そして、各合金元素の相互間の含有量比率として、Niの含有量とPの含有量との比Ni/Pが、原子比で、次の(1)式を満たし、
3<Ni/P<15 ・・・(1)、
さらにSnの含有量とNiの含有量との比Sn/Niが、原子比で、次の(2)式を満たすとともに、
0.3<Sn/Ni<2.7 ・・・(2)
Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、次の(3)式を満たすように定められている。
0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9 ・・・(3)
また、本実施形態である電子・電気機器用銅合金は、さらに0.001mass%以上0.1mass%以下のFe及び0.001mass%以上0.1mass%以下のCoのいずれか一方又は両方を含有してもよい。
そして、各合金元素の相互間の含有量比率として、Ni、FeおよびCoの合計含有量(Ni+Fe+Co)とPの含有量との比(Ni+Fe+Co)/Pが、原子比で、次の(1´)式を満たし、
3<(Ni+Fe+Co)/P<15 ・・・(1´)
さらにSnの含有量とNi、FeおよびCoの合計含有量(Ni+Fe+Co)との比Sn/(Ni+Fe+Co)が、原子比で、次の(2´)式を満たすとともに、
0.3<Sn/(Ni+Fe+Co)<2.7 ・・・(2´)
Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、上述の(3)式を満たし、
さらにFeとCoの合計含有量とNiとの比(Fe+Co)/Niが、原子比で、次の(4´)式を満たすように定められている。
0.002≦(Fe+Co)/Ni<1.2 ・・・(4´)
ここで、上述のように成分組成を規定した理由について以下に説明する。
(Zn:2mass%超えて25mass%未満)
Znは、本実施形態で対象としている銅合金において基本的な合金元素であり、強度およびばね性の向上に有効な元素である。また、ZnはCuより安価であるため、銅合金の材料コストの低減にも効果がある。Znが2mass%以下では、材料コストの低減効果が十分に得られない。一方、Znが25mass%以上では、熱間加工時の開始温度を950℃以上にした際に一部に割れが生じる場合がある。
したがって、Znの含有量は2mass%超えて25mass%未満の範囲内とした。なお、Znの含有量は、上記の範囲内でも3.5mass%以上22mass%以下の範囲内が好ましく、4mass%以上20mass%以下の範囲内がさらに好ましい。
(Sn:0.1mass%以上0.9mass%以下)
Snの添加は強度向上に効果があり、Snめっき付きCu−Zn合金材のリサイクル性の向上に有利となる。さらに、SnがNiと共存すれば、耐応力緩和特性の向上にも寄与することが本発明者等の研究により判明している。Snが0.1mass%未満ではこれらの効果が十分に得られず、一方、Snが0.9mass%を超えれば、熱間加工性および冷間圧延性が低下し、熱間圧延や冷間圧延で割れが発生してしまうおそれがあり、導電率も低下してしまう。
したがって、Snの含有量は0.1mass%以上0.9mass%以下の範囲内とした。なお、Snの含有量は、上記の範囲内でも特に0.2mass%以上0.8mass%以下の範囲内が好ましい。
(Ni:0.15mass%以上1.0mass%未満)
Niは、Pとともに添加することにより、Ni−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができ、また、Fe及びCoの一方又は両方とPとともに添加することにより、〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができる。これらNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物によって再結晶の際に結晶粒界をピン止めする効果により、平均結晶粒径を小さくすることができ、強度、曲げ加工性、耐応力腐食割れ性を向上させることができる。さらに、これらの析出物の存在により、耐応力緩和特性を大幅に向上させることができる。加えて、NiをSn、(Fe,Co)、Pと共存させることで、固溶強化によっても向上させることができる。ここで、Niの添加量が0.15mass%未満では、耐応力緩和特性を十分に向上させることができない。一方、Niの添加量が1.0mass%以上となれば、固溶Niが多くなって導電率が低下し、また高価なNi原材料の使用量の増大によりコスト上昇を招く。
したがって、Niの含有量は0.15mass%以上1.0mass%未満の範囲内とした。なお、Niの含有量は、上記の範囲内でも特に0.2mass%以上0.8mass%未満の範囲内とすることが好ましい。さらに好ましくは0.5mass%以上0.7mass%以下である。
(P:0.005mass%以上0.1mass%以下)
Pは、Niとの結合性が高く、Niとともに適量のPを含有させれば、Ni−P系析出物を析出させることができ、また、Fe及びCoの一方又は両方とPとともに添加することにより、〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができる。これらNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の存在によって耐応力緩和特性を向上させることができる。ここで、P量が0.005mass%未満では、十分にNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を析出させることが困難となり、十分に耐応力緩和特性を向上させることができなくなる。一方、P量が0.1mass%を超えれば、P固溶量が多くなって、導電率が低下するとともに圧延性が低下して冷間圧延割れが生じやすくなってしまう。
したがって、Pの含有量は、0.005mass%以上0.1mass%以下の範囲内とした。Pの含有量は、上記の範囲内でも特に0.01mass%以上0.08mass%以下の範囲内が好ましい。
なお、Pは、銅合金の溶解原料から不可避的に混入することが多い元素であることから、Pの含有量を上述のように規制するためには、溶解原料を適切に選定することが望ましい。
(MnとCrの合計含有量:0.02mass%以下)
MnおよびCrは、例えばスクラップ材等の原料から混入しやすい元素であり、Pと親和力が高く、リン化物を形成するリン化物形成元素である。これらのリン化物は、介在物として母相中に存在する。また、これらのリン化物は、熱間加工や再結晶熱処理時に粗大化しやすく、耐応力緩和特性に有用なNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の量を相対的に低下させるため、耐応力緩和特性が低下する。また、粗大になったこれらのリン化物は曲げ加工の際に割れの起点になるため、曲げ加工性を劣化させる。
このため、MnおよびCrの合計含有量を0.02mass%以下に規定することにより、耐応力緩和特性を向上させるとともに曲げ加工性も向上させる。
なお、MnおよびCrの合計含有量は、上記の範囲内でも特に0.015mass%以下、さらには0.01mass%以下の範囲内が好ましい。さらに好ましくは0.005mass%以下、0.001mass%以上である。
MnおよびCrの合計含有量の下限については特に定めないが0.00001mass%未満とするには実質コスト増となるため0.00001mass%以上であることが好ましい。
(Fe:0.001mass%以上0.10mass%未満)
Feは、必ずしも必須の添加元素ではないが、少量のFeをNi、Pとともに添加すれば、〔Ni,Fe〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができ、さらに少量のCoを添加することにより、〔Ni,Fe,Co〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができる。これら〔Ni,Fe〕−P系析出物もしくは〔Ni,Fe,Co〕−P系析出物によって再結晶の際に結晶粒界をピン止めする効果により、平均結晶粒径を小さくすることができ、強度、曲げ加工性、耐応力腐食割れ性を向上させることができる。さらに、これらの析出物の存在により、耐応力緩和特性を大幅に向上させることができる。ここで、Feの添加量が0.001mass%未満では、Fe添加による耐応力緩和特性のより一層の向上効果が得られない。一方、Feの添加量が0.10mass%以上となれば、固溶Feが多くなって導電率が低下し、また冷間圧延性も低下してしまう。
そこで、本実施形態では、Feを添加する場合には、Feの含有量を0.001mass%以上0.10mass%未満の範囲内とした。なお、Feの含有量は、上記の範囲内でも特に0.002mass%以上0.08mass%以下の範囲内とすることが好ましい。なお、Feを積極的に添加しない場合でも、原料としてスクラップ材を用いた場合などには、0.001mass%未満のFeが含有されることがある。
(Co:0.001mass%以上0.10mass%未満)
Coは、必ずしも必須の添加元素ではないが、少量のCoをNi、Pとともに添加すれば、〔Ni,Co〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができ、さらに少量のFeを添加することにより、〔Ni,Fe,Co〕−P系析出物を母相(α相主体)から析出させることができる。これら〔Ni,Co〕−P系析出物もしくは〔Ni,Fe,Co〕−P系析出物によって耐応力緩和特性をより一層向上させることができる。ここで、Co添加量が0.001mass%未満では、Co添加による耐応力緩和特性のより一層の向上効果が得られず、一方、Co添加量が0.10mass%以上となれば、固溶Coが多くなって導電率が低下し、また高価なCo原材料の使用量の増大によりコスト上昇を招く。
そこで、本実施形態では、Coを添加する場合には、Coの含有量を0.001mass%以上0.10mass%未満の範囲内とした。Coの含有量は、上記の範囲内でも特に0.002mass%以上0.08mass%以下の範囲内とすることが好ましい。なお、Coを積極的に添加しない場合でも、原料としてスクラップ材を用いた場合などには、0.001mass%未満のCoが含有されることがある。
以上の各元素の残部は、基本的にはCuおよび不可避的不純物とすればよい。ここで、不可避的不純物としては、Fe,Co,Al,Ag,B,Ba,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Re,Ru,Os,O,S,Se,Rh,Ir,Pd,Pt,Au,Cd,Ga,In,Li,Ge,As,Sb,Tl,Pb,Bi,C,Be,N,H,Hg、Mg,Ti,Cr,Zr,Ca,Sr,Y,Mn,Te及び希土類元素等が挙げられる。これらの不可避不純物は、総量で0.3mass%以下であることが望ましい。
さらに、本実施形態である電子・電気機器用銅合金においては、各合金元素の個別の添加量範囲を上述のように調整するばかりではなく、それぞれの元素の含有量の相互の比率が、原子比で、前記(1)〜(3)式、あるいは(1´)〜(4´)式を満たすように規制することが重要である。そこで、以下に(1)〜(3)式、(1´)〜(4´)式の限定理由を説明する。
(1)式: 3<Ni/P<15
Ni/P比が3以下では、固溶Pの割合の増大に伴って耐応力緩和特性が低下し、また同時に固溶Pにより導電率が低下するとともに、圧延性が低下して冷間圧延割れが生じやすくなり、さらに曲げ加工性も低下する。一方、Ni/P比が15以上となれば、固溶したNiの割合の増大により導電率が低下するとともに高価なNiの原材料使用量が相対的に多くなってコスト上昇を招く。そこで、Ni/P比を上記の範囲内に規制することとした。なお、Ni/P比は、上記の範囲内でも、特に3を超え、12以下の範囲内が望ましい。
(2)式: 0.3<Sn/Ni<2.7
Sn/Ni比が0.3以下では、十分な耐応力緩和特性向上効果が発揮されず、一方、Sn/Ni比が2.7以上の場合、相対的にNi量が少なくなって、Ni−P系析出物の量が少なくなり、耐応力緩和特性が低下してしまう。そこで、Sn/Ni比を上記の範囲内に規制することとした。なお、Sn/Ni比は、上記の範囲内でも、特に0.3超え、1.5以下の範囲内が望ましい。
(3)式:0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9
(Mn+Cr)/P比が1.9を超えると、母相中のPの多くがMnやCrのいずれか一方または両方を含むリン化物に消費され、耐応力緩和特性の向上に有用な、Ni−P系析出物および〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の量を相対的に低下させることになり、耐応力緩和特性が低下する。また、MnやCrのいずれか一方または両方を含むリン化物は熱間加工や再結晶熱処理時に粗大化することがあり、これらの粗大なリン化物は曲げ加工時の割れの起点になり、曲げ加工性を低下させる原因となる。このため、(Mn+Cr)/P比を1.9以下に規制することにした。また、MnやCrを0にすることはコストの上昇を招くだけであることから、(Mn+Cr)/P比は0.0001以上とした。なお、(Mn+Cr)/P比は上記の範囲内の中でも特に、0.0001以上1.5以下の値が好ましい。さらに望ましくは0.0001以上1以下の値が好ましい。より好ましくは、0.001を超えて0.1以下である。
(1´)式: 3<(Ni+Fe+Co)/P<15
Fe及びCoの一方又は両方を添加した場合、Niの一部がFe,Coで置き換えられたものを考えればよく、(1´)式も基本的には(1)式に準じている。ここで、(Ni+Fe+Co)/P比が3以下では、固溶Pの割合の増大に伴って耐応力緩和特性が低下し、また同時に固溶Pにより導電率が低下するとともに、圧延性が低下して冷間圧延割れが生じやすくなり、さらに曲げ加工性も低下する。一方、(Ni+Fe+Co)/P比が15以上となれば、固溶したNi、Fe、Coの割合の増大により導電率が低下するとともに高価なCoやNiの原材料使用量が相対的に多くなってコスト上昇を招く。そこで、(Ni+Fe+Co)/P比を上記の範囲内に規制することとした。なお、(Ni+Fe+Co)/P比は、上記の範囲内でも、特に3を超え、12以下の範囲内が望ましい。
(2´)式: 0.3<Sn/(Ni+Fe+Co)<2.7
Fe及びCoの一方又は両方を添加した場合の(2´)式も、前記(2)式に準じている。Sn/(Ni+Fe+Co)比が0.3以下では、十分な耐応力緩和特性向上効果が発揮されず、一方、Sn/(Ni+Fe+Co)比が2.7以上となれば、相対的に(Ni+Fe+Co)量が少なくなって、〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の量が少なくなり、耐応力緩和特性が低下してしまう。そこで、Sn/(Ni+Fe+Co)比を上記の範囲内に規制することとした。なお、Sn/(Ni+Fe+Co)比は、上記の範囲内でも、特に0.3を超え、1.5以下の範囲内が望ましい。
(4´)式: 0.002≦(Fe+Co)/Ni<1.2
Fe及びCoの一方又は両方を添加した場合には、NiとFe及びCoの含有量の合計とNiの含有量との比も重要となる。(Fe+Co)/Ni比が1.2以上の場合には、耐応力緩和特性が低下するとともに高価なCo原材料の使用量の増大によりコスト上昇を招く。(Fe+Co)/Ni比が0.002未満の場合には、強度が低下するとともに高価なNiの原材料使用量が相対的に多くなってコスト上昇を招く。そこで、(Fe+Co)/Ni比は、上記の範囲内に規制することとした。なお、(Fe+Co)/Ni比は、上記の範囲内でも、特に0.002以上1.0以下の範囲内が望ましい。さらに好ましくは0.002以上0.7以下の範囲内が望ましい。
以上のように各合金元素を、個別の含有量だけではなく、各元素相互の比率として、(1)〜(3)式もしくは(1´)〜(4´)式を満たすように調整した電子・電気機器用銅合金においては、Ni−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物が、母相(α相主体)から分散析出したものとなり、このような析出物の分散析出によって、耐応力緩和特性が向上するものと考えられる。
次に、前述のような本実施形態の電子・電気機器用銅合金の製造方法の好ましい例について、図1に示すフローチャートを参照して説明する。
〔溶解・鋳造工程:S01〕
まず、前述した成分組成の銅合金溶湯を溶製する。原料としては、CrとMnの合計含有量が0.01mass%未満である純度が99.99%以上の4NCu(無酸素銅等)、純亜鉛、純錫、純ニッケルおよび純鉄を使用することが望ましいが、スクラップを原料として用いてもよい。また、溶解には、大気雰囲気炉を用いてもよいが、添加元素の酸化を抑制するために、真空炉、不活性ガス雰囲気又は還元性雰囲気とされた雰囲気炉を用いてもよい。
次いで、成分調整された銅合金溶湯を、適宜の鋳造法、例えば金型鋳造などのバッチ式鋳造法、あるいは連続鋳造法、半連続鋳造法などによって鋳造して鋳塊(例えばスラブ状鋳塊)を得る。
〔加熱工程:S02〕
その後、必要に応じて、鋳塊の偏析を解消して鋳塊組織を均一化するために均質化熱処理を行う。この熱処理の条件は、650℃以上950℃以下において5分以上24時間以下加熱すればよい。熱処理温度が650℃未満、あるいは熱処理時間が5分未満では、十分な均質化効果が得られないおそれがある。また、MnやCrを含む一部のリン化物の介在物が成長し、耐応力緩和特性や曲げ加工性を低下させるおそれがある。一方、熱処理温度が950℃を超えれば、偏析部位が一部溶解してしまうおそれがあり、さらに熱処理時間が24時間を超えることはコスト上昇を招くだけである。熱処理後の冷却条件は、適宜定めればよいが、通常は水焼入れすればよい。なお、熱処理後には、必要に応じて面削を行う。
〔熱間加工工程:S03〕
次いで、粗加工の効率化と組織の均一化のために、鋳塊に対して熱間加工を行う。ここで、熱間加工工程S03においては、加工開始温度が950℃以下、且つ、加工終了温度が650℃以上で、加工率が50%以上99%以下、の条件で行うことが好ましい。
加工開始温度が950℃を超えると加工時の加工発熱の影響や鋳造時の偏析の影響により一部で熱間割れを起こす。このため、本実施形態では、加工開始温度は950℃以下とした。なお、加工開始温度は、850℃以上950℃以下とすることが好ましい。
また、MnやCrを含む一部のリン化物(例えば、MnP、CrP等)は、650℃以下の温度で析出および粗大化し、これらのリン化物は、一部が晶出物や介在物として母相中に存在し、残りは析出物として存在する。これらのリン化物は、熱間加工や再結晶熱処理時に粗大化しやすく、耐応力緩和特性に有用なNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の量を相対的に低下させるため、耐応力緩和特性が低下する。また粗大になったこれらのリン化物は曲げ加工の際に割れの起点になるため、曲げ加工性を劣化させる。このため650℃以上の温度にて熱間加工を実施することにより、MnやCrを含む一部のリン化物を母相内に固溶させ、粗大なリン化物の数を抑制するとともに、固溶P量を相対的に増加させることにより、耐応力緩和特性に有用なNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物の量を増やすことが可能になる。以上のことから、本実施形態では、加工終了温度を650℃以上とした。なお、加工終了温度は、680℃以上とすることが好ましく、700℃以上とすることがさらに好ましい。
また、熱間加工後の冷却に特に限定はないが、熱間加工後に400℃以下の温度まで100℃/min以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
MnやCrを含む一部のリン化物は、上述のように、650℃以下の温度で析出および粗大化し、耐応力緩和特性及び曲げ加工性を劣化させるおそれがある。
ここで、熱間加工後の冷却速度が100℃/min未満の場合には、冷却中にMnやCrを含む一部のリン化物が析出し、成長するため耐応力緩和特性と曲げ加工性が劣化する。またMnやCrを含む一部のリン化物の晶出物や介在物が成長し、耐応力緩和特性と曲げ加工性が劣化させる。一方、熱間加工後に400℃以下の温度まで、冷却速度を100℃/min以上として冷却すると、リン化物の成長に必要なリンやMn、Crの拡散が十分に起こらないため、粗大なMnやCrを含むリン化物の形成を抑制することができる。
なお、熱間加工後には、必要に応じて面削を行う。熱間加工の加工方法については、特に限定されないが、最終形状が板や条の場合は熱間圧延を適用して0.5mm以上50mm以下程度の板厚まで圧延すればよい。また、最終形状が線や棒の場合には押出や溝圧延を、最終形状がバルク形状の場合には鍛造やプレスを適用すればよい。
〔中間塑性加工工程:S04〕
次に、中間塑性加工を施す。この中間塑性加工工程S04における温度条件は特に限定はないが、冷間又は温間加工となる−200℃から+200℃の範囲内とすることが好ましい。中間塑性加工の加工率も特に限定されないが、通常は10%以上99%以下程度とする。加工方法は特に限定されないが、最終形状が板、条の場合は、圧延を適用して0.05mm以上25mm以下程度の板厚まで圧延すればよい。また、最終形状が線や棒の場合には押出や溝圧延、最終形状がバルク形状の場合には鍛造やプレスを適用することができる。なお、溶体化の徹底のために、S02〜S04を繰り返してもよい。
〔中間熱処理工程:S05〕
冷間もしくは温間での中間塑性加工工程S04の後に、再結晶処理と析出処理を兼ねた中間熱処理を施す。この中間熱処理は、組織を再結晶させると同時に、Ni−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を分散析出させるために実施される工程であり、これらの析出物が生成される加熱温度、加熱時間の条件を適用すればよく、通常は、200℃以上800℃以下で、1秒以上24時間以下とすればよい。
ここで、中間熱処理においては、バッチ式の加熱炉を用いてもよいし、連続焼鈍ラインを用いてもよい。そして、バッチ式の加熱炉を用いて中間熱処理を実施する場合には、300℃以上800℃以下の温度で5分以上24時間以下加熱することが好ましい。また、連続焼鈍ラインを用いて中間熱処理を実施する場合には、加熱到達温度を350℃以上800℃以下とし、かつこの範囲内の温度で、保持なし、若しくは1秒以上5分以下程度保持することが好ましい。以上のように、中間熱処理工程S05における熱処理条件は、熱処理を実施する具体的手段によって異なることになる。
また、中間熱処理の雰囲気は、非酸化性雰囲気(窒素ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気、あるいは還元性雰囲気)とすることが好ましい。
中間熱処理後の冷却条件は、特に限定しないが、通常は2000℃/秒〜100℃/時間程度の冷却速度で冷却すればよい。
なお、必要に応じて、上記の中間塑性加工工程S04と中間熱処理工程S05を、複数回繰り返してもよい。
〔仕上塑性加工工程:S06〕
中間熱処理工程S05の後には、最終寸法、最終形状まで仕上塑性加工を行う。仕上塑性加工における加工方法は特に限定されないが、最終製品形態が板や条である場合には、圧延(冷間圧延)を適用して0.05mm以上3.0mm以下程度の板厚に圧延すればよい。その他、最終製品形態に応じて、鍛造やプレス、溝圧延などを適用してもよい。加工率は最終板厚や最終形状に応じて適宜選択すればよいが、1%以上80%以下の範囲内が好ましい。加工率が1%未満では、耐力を向上させる効果が十分に得られず、一方、80%を超えれば、実質的に再結晶組織が失われて加工組織となり、曲げ加工性が低下してしまうおそれがある。なお、加工率は、好ましくは5%以上80%以下、より好ましくは、10%以上80%以下とする。仕上塑性加工後は、これをそのまま製品として用いてもよいが、通常は、さらに仕上熱処理を施すことが好ましい。
〔仕上熱処理工程:S07〕
仕上塑性加工後には、必要に応じて、耐応力緩和特性の向上および低温焼鈍硬化のために、または残留ひずみの除去のために、仕上熱処理工程S07を行う。この仕上熱処理は、150℃以上800℃以下の範囲内の温度で、0.1秒以上24時間以下行うことが望ましい。熱処理温度が高温の場合は短時間の熱処理、熱処理温度が低温の場合は長時間の熱処理を実施すればよい。仕上熱処理の温度が150℃未満、または仕上熱処理の時間が0.1秒未満では、十分な歪み取りの効果が得られなくなるおそれがある。一方、仕上熱処理の温度が800℃を超える場合は再結晶のおそれがあり、さらに仕上熱処理の時間が24時間を超えることは、コスト上昇を招くだけである。なお、仕上塑性加工工程S06を行わない場合には、仕上熱処理工程S07は省略してもよい。
以上のような工程により、本実施形態である電子・電気機器用銅合金を得ることができる。なお、本実施形態である電子・電気機器用銅合金においては、0.2%耐力が300MPa以上とされている。
また、加工方法として圧延を適用した場合、板厚0.05mm以上3.0mm以下程度のCu−Zn―Sn系合金薄板(条材)を得ることができる。このような薄板は、これをそのまま電子・電気機器用導電部品に使用しても良いが、通常は板面の一方、もしくは両面に、膜厚0.1μm以上10μm以下程度のSnめっきを施し、Snめっき付き銅合金条として、コネクタその他の端子などの電子・電気機器用導電部品に使用するのが通常である。この場合のSnめっきの方法は特に限定されないが、常法に従って電解めっきを適用したり、また場合によっては電解めっき後にリフロー処理を施したりしてもよい。
以上のような構成とされた本実施形態である電子・電気機器用銅合金においては、α相主体の母相からNi−P系析出物もしくは〔Ni,(Fe,Co)〕−P系析出物を適切に存在させているので、耐応力緩和特性が確実かつ十分に優れ、しかも強度(耐力)も高い。
そして、本実施形態では、Mn及びCrの合計含有量が0.02mass%以下に規制されるとともに、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9の範囲内としているので、MnやCrを含むリン化物の量が抑制され、耐応力緩和特性と曲げ加工性を大幅に向上することが可能となる。
さらに、本実施形態である電子・電気機器用銅合金においては、0.2%耐力が300MPa以上の機械特性を有するので、例えば電磁リレーの可動導電片あるいは端子のバネ部のごとく、特に高強度が要求される導電部品に適している。
本実施形態である電子・電気機器用銅合金薄板は、上述の電子・電気機器用銅合金の圧延材からなることから、耐応力緩和特性に優れており、コネクタ、その他の端子、バスバー、電磁リレーの可動導電片、リードフレームなどに好適に使用することができる。
また、表面にSnめっきを施した場合には、使用済みのコネクタなどの部品をSnめっきCu−Zn系合金のスクラップとして回収して良好なリサイクル性を確保することができる。
本実施形態である電子・電気機器用導電部材及び端子は、上述の電子・電気機器用銅合金及び電子・電気機器用銅合金薄板で構成されているので、耐応力緩和特性に優れており、経時的にもしくは高温環境で残留応力が緩和されにくく、信頼性に優れている。また、電子・電気機器用導電部品及び端子の薄肉化を図ることができる。さらに、曲げ加工性に優れた電子・電気機器用銅合金及び電子・電気機器用銅合金薄板で構成されているので、小型化が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果を以下に示す。なお、以下の実施例は、本発明の効果を説明するためのものであって、実施例に記載された構成、プロセス、条件が本発明の技術的範囲を限定するものでない。
まず、Cu−40%Zn母合金(Cr:0.00001mass%,Mn:0.0005mass%)および純度99.99質量%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100,Cr:0.00002 mass%,Mn:0.000001mass%)からなる原料を準備し、これを高純度グラファイト坩堝内に装入して、Nガス雰囲気において電気炉を用いて溶解した。本発明例11については6Nの純銅(99.9999質量%以上)と6Nの錫、リン、亜鉛および4N以上のニッケル(Cr:<0.00001mass%,Mn:<0.00001mass%)を原料として用いた。銅合金溶湯内に、各種添加元素を添加して、表1〜3に示す成分組成の合金溶湯を溶製し、カーボン鋳型に注湯して鋳塊を製出した。なお、鋳塊の大きさは、厚さ約60mm×幅約80mm×長さ約200mmとした。
続いて各鋳塊について、均質化処理(加熱工程)として、Arガス雰囲気中において、表4〜6に記載した温度で所定時間(1〜4時間)保持後、水焼き入れを実施した。
次に、熱間圧延を実施した。熱間圧延開始温度が表4〜6に記載した温度となるように再加熱して、鋳塊の幅方向が圧延方向となるようにして、表4〜6に示した圧延率で熱間圧延を行い、表4〜6に示した温度で熱間圧延を終了後、ただちに水冷し、水冷後約1min後の温度を測定した。熱間圧延終了後の温度と水冷後約1min後の測定温度の差から冷却速度を求めた。得られた冷却速度を表4〜6に示した。一部の本発明例については熱間圧延終了後、700℃に加熱した炉に直ちに入れ30℃/minの冷却速度で400℃以下まで冷却した後、水冷した。
熱間圧延後、切断および表面研削を実施し、厚さ約11mm×幅約180mm×長さ約100mmの熱間圧延材を製出した。
その後、表面研削を実施し、中間塑性加工および中間熱処理を、それぞれ1回行うか、又は2回繰り返して実施した。具体的には、中間塑性加工および中間熱処理をそれぞれ1回実施する場合には、圧延率約75%以上の冷間圧延(中間塑性加工)を行った後、再結晶と析出処理のための中間熱処理として、200℃以上800℃以下で所定時間(1秒〜24時間)保持後、水焼入れした。その後、圧延材を切断し、酸化被膜を除去するために表面研削を実施し、後述する仕上塑性加工に供した。
一方、中間塑性加工および中間熱処理をそれぞれ2回実施する場合には、圧延率約50以上の一次冷間圧延(一次中間塑性加工)を行った後、一次中間熱処理として、200℃以上800℃以下で所定時間(1秒〜24時間)保持後、水焼入れした。次に、圧延率約50%以上の二次冷間圧延(二次中間塑性加工)を行った後、二次中間熱処理として、200℃以上800℃以下で所定時間(1秒〜24時間)保持後、水焼入れした。その後、圧延材を切断し、酸化被膜を除去するために表面研削を実施、後述する仕上塑性加工に供した。
その後、仕上塑性加工として、表4〜6に示す圧延率で冷間圧延を実施した。
最後に、仕上熱処理として、表4〜6に示した温度で所定時間(1秒〜24時間)保持後、水焼入れした。そして、切断および表面研磨を実施し、厚さ0.25mm×幅約180mmの特性評価用条材を製出した。
これらの特性評価用条材について、熱間加工性、平均結晶粒径、導電率、機械的特性(0.2%耐力)、曲げ加工性、耐応力緩和特性を評価した。各評価項目についての試験方法、測定方法は次の通りである。
〔熱間加工性〕
前述の熱間圧延、における耳割れの有無を観察した。目視観察で耳割れが2mm未満のものを「○」、長さ2mm以上の大きな耳割れが発生したものを「×」と評価した。
なお、耳割れの長さとは、圧延材の幅方向端部から幅方向中央部に向かう耳割れの長さのことである。
〔結晶粒径観察〕
圧延の幅方向に対して垂直な面、すなわちTD面(Transverse direction)を観察面として、EBSD測定装置及びOIM解析ソフトによって、次のように結晶粒界および結晶方位差分布を測定した。
耐水研磨紙、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨を行った後、コロイダルシリカ溶液を用いて仕上げ研磨を行った。そして、EBSD測定装置(FEI社製Quanta FEG 450,EDAX/TSL社製(現 AMETEK社) OIM Data Collection)と、解析ソフト(EDAX/TSL社製(現 AMETEK社)OIM Data Analysis ver.5.3)によって、電子線の加速電圧20kV、測定間隔0.1μmステップで1000μm以上の測定面積で、各結晶粒の方位差の解析を行った。解析ソフトOIMにより各測定点のCI値を計算し、結晶粒径の解析からはCI値が0.1以下のものは除外した。結晶粒界は、二次元断面観察の結果、隣り合う2つの結晶間の配向方位差が15°以上となる測定点間を結晶粒界として結晶粒界マップを作成し、JIS H 0501の切断法に準拠し、結晶粒界マップに対して、縦、横の所定長さの線分を5本ずつ引き、完全に切られる結晶粒数を数え、その切断長さの平均値を平均結晶粒径とした。
〔導電率〕
特性評価用条材から幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、4端子法によって電気抵抗を求めた。また、マイクロメータを用いて試験片の寸法測定を行い、試験片の体積を算出した。そして、測定した電気抵抗値と体積とから、導電率を算出した。なお、試験片は、その長手方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。
〔機械的特性〕
特性評価用条材からJIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、JIS Z 2241のオフセット法により、ヤング率E、0.2%耐力σ0.2を測定した。なお、試験片は、引張試験の引張方向が特性評価用条材の圧延方向に対して直交する方向となるように採取した。
〔曲げ加工性〕
日本伸銅協会技術標準JCBA−T307:2007の4試験方法に準拠して曲げ加工を行った。圧延方向と試験片の長手方向が直交するように、特性評価用条材から幅10mm×長さ30mmの試験片を複数採取し、曲げ角度が90度、曲げ半径が1mmのW型の治具を用い、W曲げ試験を行った。
曲げ部の外周部を目視で観察して割れが観察された場合は「×」、破断や割れが確認されなかった場合は「○」と判定した。
〔耐応力緩和特性〕
耐応力緩和特性試験は、日本伸銅協会技術標準JCBA−T309:2004の片持はりねじ式に準じた方法によって応力を負荷し、150℃の温度で500時間保持後の残留応力率を測定した。
試験方法としては、各特性評価用条材から圧延方向に対して直交する方向に試験片(幅10mm)を採取し、試験片の表面最大応力が耐力の80%となるよう、初期たわみ変位を2mmと設定し、スパン長さを調整した。上記表面最大応力は次式で定められる。
表面最大応力(MPa)=1.5Etδ0/Ls 2
ただし、
E:ヤング率(MPa)
t:試料の厚み(t=0.25mm)
δ:初期たわみ変位(2mm)
:スパン長さ(mm)
である。
また、残留応力率は次式を用いて算出した。
残留応力率(%)=(1−δt0)×100
ただし、
δ:150℃で500h保持後の永久たわみ変位(mm)−常温で24h保持後の永久たわみ変位(mm)
δ:初期たわみ変位(mm)
である。
残留応力率が、80%以上のものを「◎」、70%以上80%未満ものを「○」、70%以下のものを「×」と評価した。
〔Mn−P系リン化物の観察〕
各特性評価用条材について、透過型電子顕微鏡(TitanG2 80−200 TEM:FEI社製)およびEDX分析装置(エネルギー分散型X線分析システム(Super−X))を用いて、次のようにMn−P系リン化物の観察を実施した。圧延材の表面および裏面から耐水研磨紙、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨を行った後、電解液を用いたツインジェット法にてTEM観察試料を作製した。TEM観察試料は圧延材の板厚の中心付近を薄膜化することでTEM観察試料を得た。
粒子径が100nm以上のMn−P系のリン化物についてTEM観察およびEDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、析出物の組成を分析した結果、Mn−P系のリン化物であることを確認した。比較例101のTEM像およびTEM−EDS像を図2に示す。
上記の各組織観察結果、各評価結果について、表7〜9に示す。
比較例101においては、MnとCrの合計含有量が0.061mass%と多く、耐応力緩和特性が不十分であった。
比較例102においては、Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが2.034と大きくなっており、耐応力緩和特性が不十分であった。
比較例103においては、Crの含有量が0.071mass%と多く、曲げ加工性、耐応力緩和特性が不十分であった。
これに対して、表7、8に示しているように、各合金元素の個別の含有量が本発明で規定する範囲内であるばかりでなく、各合金成分の相互間の比率が本発明で規定する範囲内とされた本発明例においては、いずれも耐応力緩和特性が優れており、さらに耐力、曲げ加工性にも優れており、コネクタやその他の端子に十分に適用可能であることが確認された。

Claims (9)

  1. Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなり、
    Niの含有量とPの含有量との比Ni/Pが、原子比で、
    3<Ni/P<15
    を満たし、
    さらに、Snの含有量とNiの含有量との比Sn/Niが、原子比で、
    0.3<Sn/Ni<2.7
    を満たすとともに、
    Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、
    0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9
    を満たすことを特徴とする電子・電気機器用銅合金。
  2. Znを2mass%超えて25mass%未満、Snを0.1mass%以上0.9mass%以下、Niを0.15mass%以上1.0mass%未満、Pを0.005mass%以上0.1mass%以下、含有するとともに、0.001mass%以上0.1mass%以下のFe及び0.001mass%以上0.1mass%以下のCoのいずれか一方又は両方を含有し、さらに、MnとCrのいずれか一方又は両方の合計含有量が0.02mass%以下とされ、残部がCu及び不可避的不純物からなり、
    Ni,Fe及びCoの合計含有量とPの含有量との比(Ni+Fe+Co)/Pが、原子比で、
    3<(Ni+Fe+Co)/P<15
    を満たし、
    さらに、Snの含有量とNi,Fe及びCoの合計含有量との比Sn/(Ni+Fe+Co)が、原子比で、
    0.3<Sn/(Ni+Fe+Co)<2.7
    を満たし、
    さらに、FeとCoの合計含有量とNiとの比(Fe+Co)/Niが、原子比で、
    0.002≦(Fe+Co)/Ni<1.2
    を満たすとともに、
    Mn及びCrの合計含有量とPとの比(Mn+Cr)/Pが、原子比で、
    0.0001≦(Mn+Cr)/P≦1.9
    を満たすことを特徴とする電子・電気機器用銅合金。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子・電気機器用銅合金において、
    加工開始温度が950℃以下、且つ、加工終了温度が650℃以上で、加工率が50%以上99%以下、とされた熱間加工工程を経て製造されることを特徴とする電子・電気機器用銅合金。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子・電気機器用銅合金の圧延材からなり、厚みが0.05mm以上3.0mm以下の範囲内にあることを特徴とする電子・電気機器用銅合金薄板。
  5. 請求項4に記載の電子・電気機器用銅合金薄板において、
    表面にSnめっきが施されていることを特徴とする電子・電気機器用銅合金薄板。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子・電気機器用銅合金からなることを特徴とする電子・電気機器用導電部品。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子・電気機器用銅合金からなることを特徴とする端子。
  8. 請求項4または請求項5に記載の電子・電気機器用銅合金薄板からなることを特徴とする電子・電気機器用導電部品。
  9. 請求項4または請求項5に記載の電子・電気機器用銅合金薄板からなることを特徴とする端子。
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