JP2016131475A - 静電誘導発電機およびこれを用いた充電回路 - Google Patents

静電誘導発電機およびこれを用いた充電回路 Download PDF

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Abstract

【課題】静電誘導発電機を多相交流出力が可能となるようにし、定電圧負荷に接続した場合の出力電力取り出し効率を改善する。【解決手段】帯電部を有する回転可能な回転子と、この回転子から所定距離の空隙を介して対向した導電部を有する固定子とで静電誘導発電機を構成する。特に固定子の導電部である電極面を同心円状の3つの環状領域に分割し、それぞれの環状領域を、面積の等しい複数の小電極に分割し、さらに各環状領域の電極の配置位相を0°と±120°とにすることによって、一般に動力電源として用いられるような三相交流を発生させる。三相交流は電流のリプルが小さくなるため、単相と比較して、負荷への電力取り出し効率を高くすることが可能となる。【選択図】図4

Description

本発明は、携帯型電子機器に用いられる発電機に関するものであり、特にその電極構造に関するものである。
従来から、エレクトレット材料による静電誘導を利用した発電機が提案されている。
特許文献1には、複数のエレクトレット電極を表面に有する固定子と、複数の電極を表面に有する回転子とが離れて配置された発電機が開示されている。
図9にこのような従来の静電誘導発電機の構成の電極構成の例を示す。
この例における固定子9は、円形のプリント基板面上を偶数個の領域(図9では8個)に分割するような放射状の電極を有する。これらの電極を周方向に1つおきに結線することで、交流出力が得られる2端子出力の静電誘導発電機1として構成する。
この固定子9に対向し、回転可能なようにして配置した、図示しない回転子とで構成する。回転子は固定子9と同じ大きさの円板であり、その面を同じく放射状に偶数個に分割し、周方向に1つおき、すなわち4個分の帯電領域を形成する。
外部から発電機に回転力が加わったときに、回転子は回転し、その帯電面と固定子9の電極との重なり面積は変化する。この重なり面積の変化によって、固定子9の電極に誘起される電荷量に変化が生じ、この結果として接続した負荷へ電流を流すことが可能となる。
さらにこの発電機からの単相出力を、整流回路5を介して一方向の電圧波形にし、所定の抵抗値の抵抗負荷2としてみなせる電子機器を駆動することが可能である。
静電誘導発電機の発電出力電圧としては、機械精度や電極間に存在する寄生容量成分などによる高調波成分はあるが、ほぼ正弦波的に変化する単相の発電電圧が得られる。その電圧は、特許文献2に開示されているように、発電電圧の振幅は主に空隙の距離やエレクトレット電極表面の帯電電荷密度で決まることが知られている。
特開2013−59149号公報(8頁、図3、図4) 特表2005−529574号公報(17頁、図6)
従来の静電誘導発電機においては回路負荷を駆動することが可能な構成についてまでの開示はあるものの、この発電機から得られる電力の利用効率についてはほとんど考慮されていない。特に携帯機器の用途では、発電した電力を2次電池のような蓄電手段にいったん充電することが必要であり、発電機から蓄電手段への充電効率(電力取り出し効率)が重要となる。
ここで、静電誘導発電機の出力によって、2次電池のような入力インピーダンスが低く
、ほぼ一定電圧とみなせる電圧負荷へ充電を行う場合の効率について考える。
なお、発電機の出力インピーダンスと整合の取れた抵抗負荷を接続したときにこの抵抗負荷が消費する電力に対して、ある回路負荷に取り出せる電力との比を効率として定義する。特に前者は、この発電機から取り出せる理論上の最大電力に相当する。
単純化のため、発電電圧波形は振幅一定の正弦波であるとし、この発電出力を順方向電圧が0Vの理想ダイオードで全波整流したと仮定する。この整流された出力に定電圧負荷を接続して充電しようとした場合は、図10に示すような正弦波を下側にオフセットさせ振幅の上部だけとした電流波形となる。これは、発電電圧波形の裾野部分が負荷より低い電圧となってしまうため、実質的に負荷へ電圧印加がなされず、充電電流が取れない時間が生じるためである。
計算機シミュレーションの解析によると、このような場合は、定電圧負荷の端子電圧が発電電圧の片振幅の0.394倍であるときに平均充電電力としては最大であった。その充電電力は、この発電機の出力インピーダンスと整合の取れた抵抗負荷を接続した場合の最大取り出し電力の約92.3%である。
すなわち、発電波形の基本波成分について考えた場合、これを理想的な整流回路を介して定電圧負荷を駆動したとしても、負荷に取り出せる電力は理論上の最大値の約92%である。これは実質的に印加される発電電圧成分のリプル幅が大きいためである。さらに、一般的なダイオードの順方向電圧による損失を考慮すると、効率はより低下する。
本発明の静電誘導発電機では、以下の構成を採用する。
すなわち、帯電部を有する回転可能な回転子と、この回転子から所定距離の空隙を介して対向した導電部を有する固定子とで構成した静電誘導発電機であって、
前記帯電部は、前記回転子の回転中心から放射線状に配置された所定の中心角のC字扇状領域を複数有し、前記導電部は、前記回転子の回転中心軸上の位置から同心円状に配置された環状領域を複数有し、
さらに前記環状領域は、それぞれ前記中心角と等しい中心角のC字扇状の小電極に複数分割され、
1つの前記環状領域の中の隣り合う小電極を、当該環状領域の出力端子と共通端子とに交互に結線し、
前記環状領域の数と同数の出力端子を設けたことを特徴とする。
本願では、従来の課題を解決し、定電圧負荷を接続した場合であっても、取り出し電力が最大化できる静電誘導発電機を提供することが可能となる。
具体的には、静電誘導発電機の電極面を環状の領域に分割して構成することで、多相交流を発電出力することが可能となる。特に、この環状領域の中の電極の配置によって、一般に動力電源として用いられるような三相交流を発生させることが可能となる。
この三相交流を全波整流して定電圧負荷を駆動する場合の理論上の最大効率は、約97%まで改善することが可能となる。
さらに、発電電圧の片振幅が従来の√3倍になるのでダイオードの順方向電圧による損失も小さくなるという効果もある。
またこのような電気的な効果の他に、電極面を環状の領域に分割することによって、回転子と固定子間に働くクーロン力によって、回転子が固定子のある角度に留まろうとするトルクを下げることができ、外部から回転トルクが印加されたときに、回転子が回転し始め易くなるといった力学的な効果も有する。
本発明の静電誘導発電機における回転子の構成を示した平面図である。 本発明の静電誘導発電機における固定子の構成を示した平面図である。 本発明の静電誘導発電機の構成を示した断面図である。 本発明の充電回路を示した回路図である。 本発明の充電回路における降圧回路の構成を示した回路図である。 本発明の充電回路による出力電流波形を示した波形図である。 回転子の別の構成を示した平面図である。 回転子のさらに別の構成を示した平面図である。 従来の静電誘導発電機の構成を示した平面図である。 従来の充電回路による出力電流波形を示した波形図である。
以下、このような静電誘導発電機を実現するための形態について図面を参照して詳述する。
まず、図1から図3を用いて、本発明の静電誘導発電機の構成について説明する。特に図1では、固定子の平面形状について説明し、図2では、回転子の導電部の平面形状について説明し、図3では、これらの回転子および固定子を組み合わせた発電機としての構成について説明する。
さらに図4〜図6を用いて、この発電機を用いた充電回路の構成および動作について説明する。
[回転子80の平面構成説明:図1]
図1に示したように、回転子80はC字扇状の複数の帯電部を備えた円形の回転体である。ここで、「C字扇状」とは、扇形の中心角に近い側から、その扇形より小さい扇形を取り除いた図形をいう。回転子80は以下のようにして形成する。
回転子80は、0.5mm程度の厚さに整えられたガラスやシリコンといった平坦度の高い基材81を、エッチング等の加工法により円形に加工し、かつその面内を放射線状に形成する。ここでは回転子80の面内を周方向に8等分に分割し、そのうちの4つの領域に相当する基材81が等間隔で残るように加工するものとする。図1上では、この処理で基材81が抜かれた部分をスリット83として示している。このスリット83はC字扇状であり、回転子80の円周方向に等間隔で配置される。
さらにその加工によって残っている基材81の表面上に、フッ素樹脂や二酸化ケイ素(SiO2)といった、電荷を帯電保持する機能を有する帯電薄膜82を形成することで、回転子80を形成する。この帯電薄膜82が帯電部に相当する。帯電薄膜82の形状は基材81の形状にならって、C字扇状となるように形成する。
その後に、基材の表面の帯電薄膜82を帯電処理する。帯電処理としては、高電圧を発生できる電極で回転子の上下面を挟み込んだ状態で電圧印加することで帯電する方法や、コロナ放電による帯電する方法が挙げられる。コロナ放電の方法としては、帯電薄膜82
に対して数mm離した距離に固定した針状電極に、−2000Vから−8000V程度の電圧を印加して帯電薄膜82に対して負の電荷を注入することで帯電させる。
[固定子90の平面構成説明:図2]
図2に示したように、固定子90はC字扇状の複数の小電極による導電部を備えた円形の電極基板である。固定子90は以下のようにして形成する。
固定子90は、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板といった絶縁性の基材、あるいはそれより誘電率の低い基材の表面に導電部を設けたプリント基板について、その表面の導電部をエッチング等で分割し、C字扇状の小電極を複数形成する。
具体的には、固定子90には、同心円状に分割した3つの環状領域を形成する。さらにそれぞれの環状領域を径方向に分割することで小電極を形成する。
最外周の環状領域を、径方向に8つに分割しA相に対応する小電極を形成する。A相に対応する小電極はA相電極91とA相共通電極94であり、これらを交互に配置し、環状になるようにする。
最内周の環状領域がC相に対応し、同様にC相電極93とC相共通電極96を交互に配置する。
A相とC相に挟まれた環状領域がB相に対応し、同様にB相電極92とB相共通電極95を交互に配置する。
なお、これらの小電極は、前述の帯電薄膜82と同じ大きさとなるようにする。A〜C相電極91〜93およびA〜C相共通電極94〜96が導電部に対応する。
図2中のAと付された全ての小電極がA相電極91に対応する。同様にBと付された全ての小電極がB相電極92に対応し、Cと付された全ての小電極はC相電極93に対応する。さらに、NAと付された全ての小電極がA相共通電極94に対応する。同様にNBと付された全ての小電極がB相共通電極95に対応し、NCと付された全ての小電極がC相共通電極96に対応する。
特に、この固定子90上の各小電極は、回転子80と同様に面内を8分割しており、中心角が45°のC字扇状となっている。
さらに、あるA相電極91に対し、それに最も近いB相電極92との相対位置は、固定子90の中心からみて時計回りに30°回転した位置になるようにする。
同様に、あるA相電極91に対し、それに最も近いC相電極93との相対位置は、固定子90の中心からみて反時計回りに30°回転した位置になるようにする。
この30°という角度は90°の1/3であるが、各相の電極配置の位相角としてみたときは120°と等しい。これは、各相の環状領域においては、出力端子の電極と共通電極は45°ピッチで交互に配置されているため、各相の電極の配置周期はその2倍の90°ピッチであることによる。
このように小電極を配置することにより、仮に回転子80をこの固定子90に対向させた状態で時計回りに回転したとき、A相電極91に現れる発電波形に対して、位相角で120°遅れた発電波形がB相電極92に現れ、さらに位相角で120°遅れた発電波形が
C相電極93に現れるようになり、いわゆる三相交流信号が得られるようになる。
特に、この120°という位相角は、1周期の位相角に相当する360°を、この発電機の出力相の数である3で除した位相角である。
また、各環状領域の径方向の幅を、外周側と内周側とで変え、全ての小電極の面積が等しくなるように分割する。すなわち、A相電極91とB相電極92とC相電極93とA相共通電極94とB相共通電極95とC相共通電極96との全てが同じ面積となるように、環状領域の同心円の径を設定する。
この例ではC相に対応する環状領域が内周側であるため、回転中心からC相の環状領域の径方向の幅が最も長い。B相の環状領域の径方向の幅がその次に長く、最外周のA相の環状領域の径方向の幅が最も短くなるようにする。
このような環状領域の形状をとることで、回転子80が回転した場合に、A相電極91とB相電極92とC相電極93のそれぞれに対して、帯電薄膜82がこれらの小電極と対向する面積の変化量がそれぞれ等しくなるため、A相電極91とB相電極92とC相電極93の出力インピーダンスに相当する値はほぼ等しくなり、接続される負荷に対して各相から得られる電流量のバランスがとれるようになる。
なお、図示はしないが、分割されたA相電極91は全てが同電位となるように基板上で結線するものとする。また同様に、分割されたB相電極92も基板上で全てを結線し、C相電極93も基板上で全てを結線するものとする。
これらのA相、B相、C相電極91〜93は、固定子90の基板から導線で外部に引き出し、発電機の出力端子として後述の全波整流回路に接続する。
他方で、A相、B相、C相の共通電極94〜96は、スルーホールで基板裏面に引き出し、全てを結線するものとする。
なお、このように共通電極を結線することで、この発電機はいわゆるスター結線(「Y結線」ともいう。以下、同じ。)の三相交流発電機として機能するようになる。すなわちA相、B相、C相電極91〜93がそれぞれ発電機の各相の出力端子として機能する。またA相、B相、C相の共通電極94〜96は等電位となり、中性線Nとして機能する。
[静電誘導発電機の構造説明:図3]
次に図3を用いて、本発明の静電誘導発電機の構造について説明する。
図3に示すように、静電誘導発電機101は、上述した回転子80と固定子90とを一定の空隙距離を保ったまま互いに対向させた状態に保持可能な構造としている。かつこの状態で回転子80の回転を可能とするため、回転子80には軸体33を嵌合し、こま状の回転体を形成する。軸体33の両先端はホゾになっており、軸受けとしての機能を有する上側受け部31と下側受け部32とにそれぞれに設けた軸穴34と軸穴35とでこの軸体33のホゾを受けることで、この回転体を保持する構成となっている。
なお、軸体33には、これと同じ中心軸である動力伝達歯車36が嵌合しており、これに噛み合う外部トルク入力源(図示せず)からの回転力を回転子80へ伝達可能となっている。
帯電薄膜82の表面と、固定子90面上に形成された小電極表面との間の空隙は、50
ミクロンから100ミクロンの距離を維持できるように上側受け部31と下側受け部32を固定する。静電誘導発電では、電極間の隙間が狭い方が誘導される電圧が高いので、できるだけ空隙距離は狭く、かつその変動が小さくなるような構造とする。このための構造としては、機械式時計に用いられるてんぷの保持機構など、周知の機械構造が利用できる。同様に軸穴34、軸穴35には人工ルビーなどの輝石軸受けを用いることができる。
このような構造とすることで、本発明の静電誘導発電機101は回転子80が回転運動をする際に、ほぼ一定距離の空隙を維持しつつ、帯電薄膜82と固定子90面上の小電極が対向する面積を変化させることができる。すなわち、静電誘導現象により小電極の表面上に電荷を誘導させたり解放したりすることが可能になり、発電装置として機能させることが出来るようになる。
このように構成した静電誘導発電機101では、A相電極91−A相共通電極94間には片振幅が11.6Vの電圧が発生できるように空隙距離を設定する。固定子90の電極形状から分かるとおり、A相に対してB相とC相とは等しい特性となるため、B相電極92−B相共通電極95間もC相電極93−C相共通電極96間も同じ電圧振幅となる。なお、この電圧はいわゆる相電圧に対応する。
また、上述のとおり、A相電極91とB相電極92とC相電極93の出力インピーダンスに相当する値はほぼ等しくなるよう設定している。よって、各相の出力インピーダンスと出力電圧とが等しいことから、A相、B相、C相から出力される電力は等しくなることは明らかである。
[充電回路の構成説明:図4]
次に図4を用いて、本発明の静電誘導発電機を用いた充電回路について説明する。
充電回路100は、上述した静電誘導発電機101と、全波整流回路50と、降圧回路10と、蓄電手段20とで構成する。
静電誘導発電機101のA相電極91とB相電極92とC相電極93とを、全波整流回路50の入力側に接続する。中性線Nは各相の共通電極どうしを接続した端子であるが、この例においては、各相の発電特性を揃えた構成としたため、中性線Nは未接続でよい。
全波整流回路50は、三相入力を全波整流することが可能な6個のダイオードによる周知の全波整流回路である。なお、この全波整流回路50に用いるダイオードとしては、逆電圧印加の耐圧が十分にあり、逆電圧によるリーク電流が少なく、端子間容量の小さいPINダイオードを用いる。
全波整流回路50の出力には降圧回路10を接続する。降圧回路10は、出入りする電力はほぼ一定のまま、高電圧入力を低電圧に高効率で変換して出力する回路である。
一般に、静電誘導発電機101の発電電圧は10Vを超える高い電圧となる。その一方で、携帯電子機器に用いられる蓄電手段20の蓄電電圧は数Vである。このような発電機から電力を取り出すために、蓄電手段20を単に直結して充電すると効率が悪くなってしまう。本発明の充電回路ではこの問題を解決する目的で降圧回路10を用いている。
降圧回路10の出力には2次電池である蓄電手段20を接続し、降圧回路10で低電圧・高電流に電力変換された結果として出力される電流を充電可能な構成とする。ここでは蓄電手段20の端子電圧は1.5Vであるとする。
なお、次に説明するように、降圧回路10および蓄電手段20とは、全波整流回路50の側からみて、ほとんど一定電圧(負荷電圧VL)の電圧源に見える定電圧負荷回路102として働き、かつ高い効率で蓄電手段20への充電を行うことが可能な回路である。
[降圧回路の構成説明:図5]
図5を使って降圧回路10の構成について説明する。降圧回路10は第1の降圧ブロック11と第2の降圧ブロック12とで構成する。降圧回路10の降圧倍率nは6、すなわち6倍降圧するものである。
第1の降圧ブロック11と第2の降圧ブロック12とは、構成としては同じものであるが互いに逆位相で動作、すなわち一方が蓄電動作をする間、他方は放電動作を行うように構成した降圧回路である。
各降圧ブロックは複数のキャパシタを備えており、各キャパシタ間の接続状態は、MOSトランジスタを組み合わせて構成した、いわゆるアナログスイッチによって切り替える。スイッチは周知の構成なので図示していない。各々の降圧ブロックは、図5に示すように全波整流回路50の出力を2倍降圧する第1の降圧段110Aと、この第1の降圧段110Aの出力を3倍降圧して蓄電手段20へ出力する第2の降圧段110Bとで構成する。
第1の降圧段110Aは、2倍降圧動作するために、キャパシタ111とキャパシタ112の2つのキャパシタを備えている。第1の降圧段110Aはキャパシタ111とキャパシタ112の全てを直列または全てを並列とに切り替える動作をする。
また、第2の降圧段110Bは3倍降圧動作するために、キャパシタ113とキャパシタ114とキャパシタ115の3つのキャパシタを備えている。第2の降圧段110Bはキャパシタ113とキャパシタ114とキャパシタ115の3つのキャパシタの全てを直列または並列とに切り替える動作をする。
各キャパシタの接続状態は、周知の発振回路で生成可能な矩形波のクロック信号で切り替えることが可能である。このクロック信号の波形については図示しないが、図5の状態aと、状態bとなる期間を50ミリ秒とし、この2つの状態が交互に切り替わるように制御される。
この切り替わりの瞬間に、各降圧ブロックを構成するスイッチが同時にオンすることで各キャパシタを短絡しないような僅かな期間を設けてもよい。この期間は周知の遅延時間生成手法によって、数ナノ〜数10ナノ秒程度と必要最小限の時間幅に設定できる。
[降圧回路の動作説明:図5]
図5を使って、降圧回路10の動作について簡単に説明する。
降圧回路10中のキャパシタが、上で説明したように切り替え動作を開始することにより降圧動作を行う。すなわち、全波整流回路50の出力から蓄電される状態にあるキャパシタは、電荷を蓄えることで端子電圧が僅かに上昇するが、キャパシタが放電状態となったときに、キャパシタに蓄えられた電荷は蓄電手段20に瞬時に吸いこまれ、蓄電手段20の端子電圧に等しくなる。これは蓄電手段20のインピーダンスが低いためである。
よって、降圧回路10が降圧動作する時は、第2の降圧段110Bの各キャパシタの端子間電圧は蓄電電圧VBTと常にほぼ等しくなり、第1の降圧段110Aの各キャパシタの端子間電圧は蓄電電圧VBTの3倍と常にほぼ等しくなり、結果として降圧回路10の入力
側電圧である負荷電圧VLは蓄電電圧VBTのほぼ6倍の電圧となる。
このように、降圧回路10の入力側には蓄電電圧VBTに降圧倍率nを乗じた電圧値が現れることとなる。この降圧回路10の入力側端子は、発電した電流が流れ込んでもほとんど電圧変化が生じないため、降圧回路10の接続状態が切り替わるごく僅かな期間を除けば、降圧回路10は常に電圧値がn・VBTの電圧源であるかのように振る舞う。この定電圧源のように見える負荷の電圧値が前述した負荷電圧VLに相当し、
VL=n・VBT
が成り立つようになる。
特に、2つの降圧ブロックを相補的に動作させることで、一方の降圧ブロックが放電状態にあって、静電誘導発電機101に接続しない間でも、他方の降圧ブロックが静電誘導発電機101に接続し充電状態にできるため、静電誘導発電機101に常に定電圧負荷が接続したような状態にすることができ、静電誘導発電機101が発電しているその時点での電力を常に取り出すことが可能となる。
さらにこの降圧動作では、降圧回路10内の全てのキャパシタは、電荷を受け渡す動作を通じてもその端子電圧には僅かな電圧変化しか生じないため、電荷移動にともなう損失が抑えられ、結果的にこの降圧回路10は、入力電圧よりも端子電圧が低い状態にある蓄電手段20へほとんど損失なしに電荷を移動することが可能となる。
従って、このように降圧回路10を構成することで、静電誘導発電機101が無負荷となるような時間なしに、常に定電圧源とみなせる負荷を接続することができ、かつ低損失で発電出力を蓄電手段20に送ることが可能となる。
[充電回路の動作説明:図3、4、図6]
充電回路100の動作について、図3、図4および図6を用いて説明する。
静電誘導発電機101の動力伝達歯車36に対して、図示しない回転動力源からトルクが伝達されると、回転子80は回転を開始する。ここでは単純化のため、静電誘導発電機101の発電が定常状態であり、回転子80が一定の角速度ωrで回転している状態での動作について説明する。
静電誘導発電機101が無負荷の状態であると仮定すると、A相電極91から発生する発電出力を電圧信号として見た場合、基本波成分としては
VA(t)V0・sin(ω・t)
の発電電圧が得られる。ただしω=4・ωrである。発電出力の角周波数が回転子80の回転角速度の4倍であるのは回転子80上の帯電薄膜82が面上に4個あるためである。
同様に、B相電極92およびC相電極93からは、
VB(t)=V0・sin(ω・t−2・π/3)
VC(t)=V0・sin(ω・t+2・π/3)
の発電電圧が得られる。これは上述のとおり、A相電極91に対して、B相電極92およびC相電極93の配置位相を周方向に変えているためである。以下の説明では、このA相の発電電圧の信号位相を基準の位相とする。
これらの各相からの発電出力は全波整流回路50によって全波整流され、降圧回路10に入力される。降圧回路10は内部のクロックによって前述のとおりに降圧動作を行い、蓄電手段20へ電流出力を行う。
蓄電手段20は2次電池であるためその端子電圧は急激には変化しない。このため降圧回路10以降は、蓄電手段20の端子電圧を6倍した、ほぼ一定の電圧である電圧負荷にみえる。すなわち全波整流回路50には負荷電圧VLの定電圧源が接続したような動作になる。実際には、全波整流回路50から降圧回路10に流れ込んだ電流の6倍の電流が蓄電手段20に流れ、蓄電手段20への充電がなされる。
図6に、この充電回路100に対してある端子電圧の定電圧負荷を接続したときの、負荷電流波形の例を示した。
なお、ここでは単純化のため、全波整流回路50は理想ダイオードであり、順方向電圧は0であると仮定している。
負荷電流の波形は、定電圧負荷の端子電圧によって変化するが、図6では、ちょうど発電電圧の位相がm・π/12(mは奇数)のときに電流波形のリプルの谷が現れるように定電圧負荷の電圧値を設定したときの電流波形を例示している。この状態ではリプルの谷になる点での時間間隔は一定であるが、このようにすると、電流の各極大値と極小値との差は極めて小さくなる。
ここで、この充電回路100による充電効率について説明する。
静電誘導発電機101の発電電圧は、帯電薄膜82の表面電荷密度と空隙距離で主に決まるため、従来のように固定子90を環状領域に分割せずに単相であった場合と同じ発電電圧となる。ただし、各相の出力インピーダンスに相当する値は、単相であった場合の3倍となる。
この静電誘導発電機101の出力を、全波整流回路50を介して三相全てを整流し、定電圧負荷を駆動する場合について、計算機シミュレーションで解析した結果、図6に示すような波形の電流が負荷電流として流れ、特に定電圧負荷の端子電圧(負荷電圧VL)が、各相の発電電圧(いわゆる相電圧)の片振幅V0の約0.792倍であるときに、発電1サイクルあたり(時間幅2・π/ω)での平均負荷消費電力が最大であった。その最大充電電力は、この発電機の出力インピーダンスと整合の取れた抵抗負荷を接続した場合の最大取り出し電力の約97.2%である。
すなわち、静電誘導発電機の発電出力の基本波成分について、これを理想的な整流回路を介して定電圧負荷を駆動した場合、負荷に取り出せる電力は理論最大の約97%にまで改善される。先に説明した従来技術のとおり、回転子および固定子のサイズや空隙距離が本例と同じで、単相出力である場合の効率は約92%であった。この改善分は、静電誘導発電機101から定電圧負荷回路102に実質的に印加される発電電圧成分が0となる時間がなく、負荷に流れ込む電流のリプル幅が小さくなったことによる効果である。この充電回路の例では、定電圧負荷回路102での電力消費は蓄電手段20への充電電力に対応するため、充電効率が改善することに相当することは明らかである。
上記の例では、降圧倍率n=6 であり、蓄電手段20の端子電圧VBT=1.5V であることから、負荷電圧VL=1.5×6=9.0V である。一方、各相の発電電圧(相電圧)V0=11.6Vであった。よってこの比は9.0/11.6=0.777となり、このときの電力取り出し効率は97.2%と、この系での最大効率点にほぼ等しい負荷動作点で充電回路100を動作させることが可能である。
すなわち、定電圧負荷を駆動する電流の各極大値と極小値との差が小さくなるように負荷電圧VLを設定したとき、定電圧負荷への電力取り出し効率が極めて高くなる。
またさらに、図4に示したように、この例における静電誘導発電機101はいわゆるスター結線の発電機の構成となっている。よく知られている交流回路理論によれば、スター結線の三相交流発電機の実質的な発電出力は、各相の発電電圧(相電圧)の√3倍になることが知られている。これは、いわゆる線間電圧に対応する出力電圧である。この静電誘導発電機の例では、各相の発電電圧としては従来の単相の発電機と同じであるため、従来の発電機のように単相発電機として用いたときと比べて、実質的な発電電圧はそのまま√3倍となる。
実際の全波整流回路50では、整流する際にダイオードの順方向電圧分の電圧降下が生じる。ここで用いるダイオードの1つ当たりの順方向電圧は、約1.0Vのほぼ一定の電圧である。この順方向電圧は、発電電圧を減らす側にオフセットさせるものとみなせるが、このように実質的な発電電圧が√3倍に増えることによって、相対的にこのオフセット量が減ることになる。すなわち、静電誘導発電機を本発明のように三相出力とすることで、全波整流回路50におけるダイオードの順方向電圧の影響を下げ、整流回路での損失を大幅に低減できるという効果も得られる。
実用上は、このダイオードの順方向電圧の影響を小さくする効果が特に大きい。よってこの例のように三相交流出力の発電機としなくても、実質的な出力電圧が大きくできるような構成とするだけでも、静電誘導発電機からの取り出し効率改善効果が得られる。
[出力電圧2倍化の例:図7]
この、ダイオードの順方向電圧の影響を下げることに注目した例について簡単に説明する。図7に、先に説明した三相出力の発電機の例の固定子の別の例を示した。
この例では、固定子190の小電極を図7に示したように分割する。すなわち、環状領域を内周側と外周側との2つとし、さらに各環状領域を8つのC字扇状の小電極に分割する。この例では外側の環状領域がA相に相当し、内側の環状領域がB相に相当し、特にA相とB相の配置位相を位相角で180°とする。すなわち、固定子190の中心からみてA相電極191とB相共通電極195を同一直線状に配置し、B相電極192とA相共通電極194を同一直線状に配置する。また、各小電極は全て同じ面積となるようにする。
なお、A相電極191とB相電極192とがこの発電機の例で出力端子となる。一方、図示はしないが、全てのA相共通電極194とB相共通電極195とを基板内で結線し、中性線Nとする。
このように複数の小電極を配置および結線することにより、仮に上述した回転子80をこの固定子190に対向させた状態で時計回りに回転させたとき、A相電極191に現れる発電波形に対して、位相角で180°遅れた発電波形がB相電極192に現れるようになる。各相の電圧振幅は等しいので、出力インピーダンスに相当する抵抗値が2倍の発電機を、2個直列にしたのと同等の特性が得られる。さらに、この2個の発電機の発電位相は同期しているので、結果的に従来の発電機とサイズ等は同じままで、電圧振幅が2倍で、出力インピーダンスが4倍の単相の発電機に相当する発電機が得られることになる。
先に説明した三相出力の発電機の例と同様に、この発電機にも全波整流回路を接続し、発電出力を整流して利用することになる。全波整流回路に用いるダイオードの順方向電圧は、発電電圧を減らす側にオフセットさせるものとみなせるが、このように実質的な発電電圧が2倍に増えることによって、相対的にこのオフセット量が減ることになる。すなわち、静電誘導発電機の固定子をこの例のように構成することで、全波整流回路50におけるダイオードの順方向電圧の影響を下げ、整流回路での損失をさらに低減できるという効
果が得られる。
[保持トルク低減の説明:図9、図2]
ここでは、上記に説明した電気的な効果の他に、本発明の静電誘導発電機の電極構成によって得られる力学的な効果について説明する。
まず図9を参照して、従来の静電誘導発電機での保持トルクについての定性的な説明をし、次に図2を参照して、本発明の静電誘導発電機での保持トルクが従来の1/3になることについて説明する。
従来の静電誘導発電機1は、上述のとおり、固定子9と回転子(図示せず)を対向させて回転する構成になっているが、出力端子からみると、空隙の空気層や帯電薄膜を誘電体としたキャパシタ(コンデンサ)とみることができる。帯電薄膜には帯電処理による固定電荷が蓄えられているので、この系には静電引力(クーロン力)による静電ポテンシャルが生まれる。固定電荷をQ、出力キャパシタの静電容量をCとすると、静電ポテンシャルUは単純には
U=Q・Q/(2・C)
で表される。
このような系では、一般的に静電ポテンシャルが極小となるところが力学的にも安定点となる。固定電荷Qの大きさは帯電処理時に決まるため一定である。一方、静電容量Cは固定子の回転位置によって僅かであるが変動する。これは、回転子の位置により寄生的に存在する静電容量値が異なるためである。
固定子9の表面上には、小電極を分割するために、導電性のない線が存在している。この分割線の部分には静電誘導による電荷がほとんど誘起されないため、静電容量Cへの寄与が小さいといえる。したがって、上からみて回転子がこの分割線を跨がない回転位置にあるときが、最も静電容量Cが大きくなる。
図2中では、例えば領域Sとして示した位置に帯電薄膜がちょうど対向する回転位置であり、この領域Sの回転位置に帯電薄膜があるとき静電ポテンシャルUは極小となる。
この位置が力学的安定点であるため、この位置からどちらかの向きに回転させようとすれば、元の位置に引き戻そうとする向きのトルク、いわゆる保持トルクが生じる。
なお、この例においては、固定子9の対称性から、静電ポテンシャルが極小となる安定回転位置の周期は45°毎であることは明らかである。
次に図2を再び参照して、本発明の静電誘導発電機での保持トルクについての説明をする。この静電誘導発電機は、上述のとおり、固定子90と回転子80を対向させて回転する構成であるが、ここで、図2中にTとして示した固定子90上の領域に、ちょうど回転子80の帯電領域が対向して重なるような位置で回転子80が停止している状態を考える。
固定子90の最内周になるC相の環状領域では、ここと領域Tとの重なり状態に注目すると、C相共通電極96との重なりを増やす側の安定点が近いことから、時計回りに引き戻しトルクが働くことが分かる。一方、B相の環状領域については、B相共通電極95との重なりを増やす側の安定点が近いことから、反時計回りに引き戻しトルクが働くことが分かる。
特に、小電極の配置の対称性から、C相共通電極96が領域Tと重なっている面積と、B相共通電極95が領域Tと重なっている面積とは等しいため、これら2つの引き戻しトルクの大きさそのものは等しくなり、ちょうど相殺される。
固定子90の最外周のA相の環状領域については、ここと領域Tとの重なり状態に注目すれば、この位置が安定点であることが分かる。ただし、従来と比べて、重なり面積自体は1/3しかないため、この位置から回転させようとしたときに元の位置に引き戻そうとするトルクも1/3となる。
よって、それぞれの環状領域毎に注目し、対向する回転子80の箇所に働くトルクの和を考えれば明らかであるが、回転子80を安定位置に止めるように働く保持トルクは従来の1/3に小さくなることが分かる。ただし、この安定位置の周期は、図9に示した従来の1/3である15°毎である。
以上から、本発明の静電誘導発電機によれば、固定子の電極面を対称性よく環状に分割することによって、回転子と固定子間に働くクーロン力による保持トルクを小さくすることができ、結果として、外部から回転トルクが印加されたときに、回転子を回転し始め易いという、力学的な効果が得られることが分かる。
[保持トルク低減の他の例の説明:図8]
この力学的な効果だけを得るための典型的な固定子の電極配置の例を、図8に示した。このような固定子290は、内周と外周とに2つの環状領域を有するが、A相に相当する外周の環状領域からみて、B相に相当する内周の環状領域中の小電極の配置位相を、小電極の中心角のちょうど1/2である22.5°にしている。
図8にも、図9などと同様に、回転子の帯電領域が停止する位置の例として領域Vを示した。上記の説明と同様に、固定子290の小電極であるA相電極291、B相電極292、A相共通電極294、B相共通電極295に対して、この領域Vの重なり状態に注目すれば、この位置が回転子の安定点となることが分かる。ただし、従来と比べて、重なり面積自体は1/2しかないため、この位置から回転させようとしたときに元の位置に引き戻そうとするトルクも1/2となることは明らかである。
以上、本発明の静電誘導発電機について説明したが、発明の範囲は上記に記載した内容に限定されるものではない。例えば、上記の説明ではスター結線の三相発電機のように構成するものとしたが、いわゆるデルタ結線(三角結線)となるよう構成してもよい。
10 降圧回路
20 蓄電手段
50 整流手段
80 回転子
81 回転子基材
82 帯電薄膜
90、190、290 固定子
91、191、291 A相電極
92、192、292 B相電極
93 C相電極
94、194、294 A相共通電極
95、195、295 B相共通電極
96 C相共通電極
100 充電回路
101 静電誘導発電機
102 定電圧負荷回路

Claims (9)

  1. 帯電部を有する回転可能な回転子(80)と、該回転子から所定距離の空隙を介して対向した導電部を有する固定子(90)とで構成した静電誘導発電機(101)であって、
    前記帯電部は、前記回転子(80)の回転中心から放射線状に配置された所定の中心角のC字扇状領域を複数有し、
    前記導電部は、前記回転子(80)の回転中心軸上の位置から同心円状に配置された環状領域を複数有し、
    さらに前記環状領域は、それぞれ前記中心角と等しい中心角のC字扇状の小電極に複数分割され、
    1つの前記環状領域の中の隣り合う小電極を、当該環状領域の出力端子と共通端子とに交互に結線し、
    前記環状領域の数と同数の出力端子を設けた
    ことを特徴とする静電誘導発電機。
  2. 前記小電極の前記回転中心からの配置角度は、前記中心角の2倍の角度を前記環状領域の数で除した角度の整数倍である
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電誘導発電機。
  3. 前記環状領域の数を3とすることで出力端子が3つの交流発電出力を得られるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の静電誘導発電機。
  4. 前記環状領域の数を2とすることで出力端子が2つの交流発電出力を得られるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の静電誘導発電機。
  5. 全ての前記小電極の面積がほぼ等しくなるように、前記環状領域の径方向の幅をそれぞれ設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電誘導発電機。
  6. 前記環状領域の共通端子をそれぞれ互いに結線して中性線を設けるとともに、
    スター結線発電機となるように前記出力端子を結線した
    ことを特徴とする請求項3に記載の静電誘導発電機。
  7. 前記小電極の前記回転中心からの配置角度が、前記中心角の1/2の角度の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の静電誘導発電機。
  8. 請求項1に記載の静電誘導発電機(101)の出力に接続した全波整流回路(50)と、前記全波整流回路(50)の出力に接続した、ほぼ一定電圧の電圧源となる定電圧負荷回路(102)とを備え、
    前記全波整流回路により一方向に整流された電流によって前記定電圧負荷回路(102)を充電することを特徴とする充電回路。
  9. 前記静電誘導発電機(101)の発電が定常状態であるとき、
    前記一方向に整流された電流のリプル幅が小さくなるように前記定電圧負荷回路(102)の端子電圧を設定した
    ことを特徴とする請求項8に記載の充電回路。
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