JP2020202686A - 静電誘導型発電素子に使用される電極基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】SSHI等の非線形電源管理回路を静電誘導型発電素子に適用するための静電誘導型発電素子に使用される電極基板を提供する。【解決手段】静電誘導型発電素子10は、互いに対向した電荷保持基板10aと電極基板10bとを含んで構成され、電極基板10bは、電荷を保持する電荷保持基板10aの電荷保持面に対向し、電荷保持基板10aと相対運動しつつ電力抽出回路12aを介して負荷16に供給する電力を発生する第1の電極10cと、上記電荷保持面に対向し、電荷保持基板10aと相対運動しつつ電力抽出回路12aの開閉用スイッチ制御回路12bを動作させるための電力を発生する、第1の電極10cより小さな面積に形成された第2の電極10dとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、静電誘導型発電素子に使用される電極基板に関する。
従来から、絶縁材料に電荷を注入したエレクトレットを使用した静電誘導型発電素子が提案されている。このような、エレクトレットを使用した静電誘導型発電素子は、電気エネルギーと運動エネルギーとの変換効率が高いことが知られている。例えば、下記特許文献1、2にも、エレクトレットを使用した静電誘導型発電素子が開示されている。
なお、静電誘導型発電素子は、互いに対向した電極の一方に電圧を印加し、電極を相対移動することによっても実現することができる。
このような静電誘導型発電素子は、圧電素子と同様に例えば環境発電(Energy Harvesting)等に適用することができる。圧電素子の場合、電力の回収効率を向上する試みがなされている。例えば下記非特許文献1には、SSHI(synchronized switching harvesting on inductor)を使用して圧電素子からの電力の回収効率を向上できることが開示されている。下記非特許文献2には、SECE(synchronous electric charge extraction)を使用して圧電素子からの電力の回収効率を向上できることが開示されている。また、下記非特許文献3には、SSHI(synchronized switching harvesting on inductor)を使用して静電誘導型発電素子からの電力の回収効率を向上できることが開示されている。
しかし、静電誘導型発電素子では、圧電素子に比べて素子の静電容量が3桁程度小さく、出力電圧も1桁程度高いので、圧電素子向けのSSHIをそのまま適用すると損失が大きくなるという課題があった。特に、出力電圧が高いために、発振回路を制御するための信号を形成するスイッチ制御回路での消費電力が大きくなるという課題があった。しかしながら、静電誘導型発電素子に適用して寄生容量に基づく電力損失を効率よく低減し、電力の回収効率を向上する技術は提案されていない。
特開2005−229707号公報 特開2007−312551号公報
E. Lefeuvre, A. Badel, C. Richard, L. Petit, D. Guyomar, A comparison between several vibration-powered piezoelectric generators for standalone systems, Sens. Actuators A 126 (2006) 405-416 E. Lefeuvre, A. Badel, C. Richard, D. Guyomar, Piezoelectric energy harvesting device optimization by synchronous electric charge extraction. J. Intell. Mater. Syst. Struct. Vol. 16, (2005), 865-876. Y. Liu, and Y. Suzuki,Self-powered SSHI for electret energy harvester"J. Phys.: Conf. Ser., Vol. 1052, (2018) 012022.
本発明の目的は、SSHI、SECE等の非線形電源管理回路を静電誘導型発電素子に適用するための静電誘導型発電素子に使用される電極基板を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、運動エネルギーと電気エネルギーとを変換する静電誘導型発電素子に使用される電極基板であって、電荷を保持する電荷保持基板の電荷保持面に対向し、前記電荷保持基板と相対運動しつつ電力抽出回路を介して負荷に供給する電力を発生する第1の電極と、電荷を保持する電荷保持基板の電荷保持面に対向し、前記電荷保持基板と相対運動しつつ電力抽出回路の開閉用スイッチ制御回路を動作させるための電力を発生する、前記第1の電極より小さな面積に形成された第2の電極と、を備えることを特徴とする。
上記電極基板が円形であり、前記第1の電極が半径方向の外側に、前記第2の電極が半径方向の内側に、それぞれ放射形状に設けられていてもよい。
また、上記電極基板が円形であり、前記第1の電極と前記第2の電極の合計面積の半分を超える面積に前記第1の電極が、前記合計面積の半分を超えない面積に前記第2の電極が、それぞれ放射形状に設けられていてもよい。
また、上記電極基板と電荷保持基板との相対運動が回転運動であるのが好適である。
また、上記第1の電極と上記第2の電極とが細片状に形成されて互いに平行に配置され、前記第1の電極の総面積が前記第2の電極の総面積より大きいのが好適である。
また、上記電極基板と電荷保持基板との相対運動が、前記第1の電極及び前記第2の電極の長手方向に直交する方向に一次元の振動であるのが好適である。
本発明によれば、SSHI、SECE等の非線形電源管理回路を静電誘導型発電素子に適用するための静電誘導型発電素子に使用される電極基板を提供できる。
実施形態にかかる電極基板を使用した静電誘導型発電素子を含んで構成された環境発電装置の例を示す図である。 実施形態にかかるSSHIを使用した場合の非線形電源管理回路の動作の説明図である。 実施形態にかかる電極基板の構成例を示す図である。 実施形態にかかる円形の電荷保持基板と電極基板との組み合わせにより構成された静電誘導型発電素子の例を示す図である。 実施形態にかかる静電誘導型発電素子の他の構成例の断面図である。 実施形態にかかる静電誘導型発電素子における電極基板の変形例を示す図である。 実施例及び比較例1、2の出力測定結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、実施形態にかかる電極基板を使用した静電誘導型発電素子を含んで構成された環境発電装置の例が示される。図1において、環境発電装置100は、静電誘導型発電素子10と非線形電源管理回路12とを含んで構成されている。環境発電装置100は、必要に応じてDC/DCコンバータ14を介して外部の負荷16に接続される。なお、DC/DCコンバータ14は、適宜な整流器を含んで構成される。
静電誘導型発電素子10は、互いに対向した電荷保持基板10aと電極基板10bとを含んで構成されている。電荷保持基板10aは、その表面近傍領域に電荷を保持する機能を有し、例えばエレクトレットにより構成することができる。エレクトレットは、樹脂等の絶縁材料の表面付近に電荷(例えば、負電荷)を注入して形成される。絶縁材料への電荷の注入には、液体接触、コロナ放電、電子ビーム、軟X線等公知の方法を用いることができる。なお、電荷保持基板10aは、エレクトレットではなく、適宜な電源から電圧が印加された導体、例えば金属板等で形成されていてもよい。
上記電極基板10bには、電荷保持基板10aの電荷保持面に対向して配置された第1の電極10c及び第2の電極10dが形成されている。第1の電極10cは、電荷保持基板10aの電荷を保持した面(以後、電荷保持面という)に対向し、電荷保持基板10aと相対運動しつつ負荷用電力(電力抽出回路12aを介して外部の負荷に供給する電力)を発生する。また、第2の電極10dは、電荷保持基板10aの電荷保持面に対向し、電荷保持基板10aと相対運動しつつ非線形電源管理回路12の制御用電力を発生する。第2の電極10dは、第1の電極10cより、上記電荷保持面に対向する面積が小さく形成されている。これは、非線形電源管理回路12の制御用電力が負荷用電力より小さくてよいからであり、これにより電力損失(負荷に供給できない電力)を低減することができる。また、同時に、非線形電源管理回路12のスイッチ制御回路12bに供給される電圧が電力抽出回路12aに供給される電圧よりも低くなることにより、スイッチ制御回路12bの消費電力を抑えることができる。
電荷保持基板10aと電極基板10bとは、互いに相対運動するように構成されており、この結果、電荷保持基板10aと第1の電極10c及び第2の電極10dとも相対運動するので、静電誘導により上述した負荷用電力及び制御用電力をそれぞれ発生することができる。ここで、相対運動は、電荷保持基板10aの電荷保持面に保持された電荷により、静電誘導に基づいて上記電極基板10bの第1の電極10c及び第2の電極10dに起電力を発生できる運動であれば限定されない。
非線形電源管理回路12は、例えばSSHI(synchronized switching harvesting on inductor)、SECE(synchronous electric charge extraction)等を使用して構成することができ、発振回路の役割を果たす電力抽出回路12aと、第2の電極10dの出力電圧に合わせて制御信号を生成するスイッチ制御回路12bとを含み、電力抽出回路12aは、スイッチ制御回路12bが生成した制御信号により開閉されるスイッチを有している。
電力抽出回路12aは、スイッチ制御回路12bの制御により開閉動作を行い、静電誘導型発電素子10に存在する寄生容量の影響を抑制して第1の電極10cからの電力の回収効率を向上するように動作する。この場合、スイッチ制御回路12bは、上記第2の電極10dが発生する電圧のピークを検出して電力抽出回路12aのスイッチ開閉動作を制御する。従って、スイッチ制御回路12bに供給される電圧のピークと電力抽出回路12aに供給される電圧のピークとは同期するように構成される。SSHIの場合の非線形電源管理回路12の動作は後述する。
上述した通り、静電誘導型発電素子10の第1の電極10cの出力電力は、必要に応じてDC/DCコンバータ14を介して外部の負荷16に接続される。
図2には、SSHIを使用した場合の非線形電源管理回路12の動作の説明図が示される。図2において、本実施形態で用いたSSHIでは、第1の電極10cからの出力電圧を、第2の電極10dからの出力電圧を用いて制御し、静電誘導型発電素子10に存在する寄生容量Cpで消費される電力を抑制することよって電力の回収効率を向上する。第1の電極10cからの出力電圧は交流であり、出力電圧が正の位相では、寄生容量Cpの第1の電極10cに直接接続された側は正に帯電される。SSHIが動作しない(用いない)場合、出力電圧が負の位相に移行すると、正に帯電した寄生容量Cpの第1の電極10cに直接接続された側に負の電荷が流れ込むことによって電荷が消滅し、発電した電力が消費される。一方、SSHIを用いた場合、第1の電極10cからの出力電圧と同位相である第2の電極10dからの出力電圧に合わせてスイッチ制御回路12bを用いて、出力電圧の位相が正のピークに達した際に電力抽出回路12a内のスイッチを閉じて内部の発振回路を動作させ、帯電した寄生容量Cpの両端の電荷を反転させる。このことにより、第1の電極10cからの出力電圧が負の位相に移行した際に、寄生容量Cpの第1の電極10cに直接接続された側が負に帯電していることから、負の電荷が流れ込むことがない。従って、発電した電力が寄生容量Cpで失われることがなく、電力抽出回路12aを介して負荷16で消費される。
図3(a)、(b)には、電極基板10bの構成例が示される。図3(a)、(b)の例では、電極基板10bに対向している電荷保持基板10aは省略されている。
図3(a)において、電極基板10bは、円形基板であり、その中心から放射形状(扇形の一部)に第1の電極10cと第2の電極10dとがそれぞれ点対称に形成されている。この場合、第1の電極10cが電極基板10bの半径方向の外側に、第2の電極10dが電極基板10bの半径方向の内側に設けられており、第1の電極10cの総面積が第2の電極10dの総面積より大きく構成されている。この場合、円形である電極基板10bの中心における第1の電極10cと第2の電極10dの角度(扇形の中心角)は同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、電極基板10bには、グランド電極10eが第1の電極10cの間に、グランド電極10gが第2の電極10dの間に放射状に、且つ点対称に形成されている。すなわち、グランド電極10eと第1の電極10cとが、電極基板10bの円周方向に交互に形成され、グランド電極10gと第2の電極10dとが、電極基板10bの円周方向に交互に形成されている。
図3(a)の例では、第1の電極10cが8個、第2の電極10dが8個それぞれ形成されており、第1の電極10c同士、第2の電極10d同士で電気的に接続されている。なお、第1の電極10c及び第2の電極10dの数は8個に限定されず、適宜な数とすることができる。また、グランド電極10e同士及びグランド電極10g同士も電気的に接続されている。なお、第1の電極10cとグランド電極10eとの間に電力抽出回路12aが接続され、第2の電極10dとグランド電極10gとの間にスイッチ制御回路12bが接続されている。
図3(a)に図示しないエレクトレット等を備える電荷保持基板10aも、円形基板であり、各第1の電極10cと第2の電極10dとを合わせた領域と略同一の扇形の領域に電荷を保持している。この電荷を保持した扇形の領域(電荷保持領域ということがある)は、電荷保持基板10aの円周方向に互いに離隔されて複数形成されており、例えば第1の電極10c及び第2の電極10dと同数とすることができる。電荷保持基板10aは、その回転軸(中心を通る軸)が電極基板10bの回転軸と一致し、この回転軸により回転することにより電荷保持基板10aと電極基板10bとが相対運動する。この結果、電荷保持基板10aの電荷による静電誘導により第1の電極10cと第2の電極10dとに誘導起電力が発生する。この際、上記電荷保持領域の数が、上記第1の電極10cと第2の電極10dとを合わせた領域の数と同じであり、その平面形状も略同一であり、さらに、電荷保持領域、及び第1の電極10cと第2の電極10dが基板上に点対称に配置されているので、第1の電極10cに発生する誘導起電力及び第2の電極10dに発生する誘導起電力は、位相が同期している。このため、非線形電源管理回路12内のスイッチの開閉を制御するためにスイッチ制御回路12bに供給される電圧のピークと電力抽出回路12aに供給される電圧のピークとを同期することができる。
また、第1の電極10cの総面積が第2の電極10dの総面積より大きいので、外部の負荷16には第1の電極10cから電力抽出回路12aを介して大きな電力を供給でき、スイッチ制御回路12bには第2の電極10dから小さな電力が供給される。このため、スイッチ制御回路12bで消費される電力を低減でき、電力の回収効率を向上できる。
次に、図3(b)の例では、円形の電極基板10bの周方向に放射形状の第1の電極10c、第2の電極10d及びグランド電極10e、10gが配置されている。この場合、第1の電極10cの数が第2の電極10dの数より多く形成されている。この結果、第1の電極10cと第2の電極10dの合計面積の半分を超える面積に第1の電極10cが設けられ、上記合計面積の半分を超えない面積に第2の電極10dが設けられる。なお、第1の電極10cと第2の電極10dとを同一のグループとみなした場合、これらは点対称に配置されている。また、グランド電極10e、10gも、同一のグループとみなした場合点対称に配置されている。
また、図3(b)の例では、第1の電極10cが6個、第2の電極10dが2個それぞれ形成されているが、上記合計面積に対する各面積の割合が上記の条件を満たしていれば、第1の電極10cと第2の電極10dの数は適宜決定できる。なお、第1の電極10c及び第2の電極10dが複数形成されている場合には、それぞれ電気的に接続する。また、グランド電極10e及びグランド電極10g同士もそれぞれ電気的に接続する。図3(b)の場合も、図3(a)の場合と同様に、第1の電極10cとグランド電極10eとの間に電力抽出回路12aが接続され、第2の電極10dとグランド電極10gとの間にスイッチ制御回路12bが接続されている。
図3(b)の例でも、図示しないエレクトレット等を備える電荷保持基板10aが円形基板として構成されており、図3(a)の場合と同様に電荷保持基板10aが上記回転軸により回転することにより電荷保持基板10aと電極基板10bとが相対運動する。この結果、電荷保持基板10aの電荷による静電誘導により第1の電極10cと第2の電極10dとに誘導起電力が発生する。この際、上記電荷保持領域の数が、上記第1の電極10cと第2の電極10dとを合わせた領域の数と同じであり、その平面形状も略同一であり、さらに、電荷保持領域、及び第1の電極10cと第2の電極10dのグループが基板上に点対称に配置されているので、第1の電極10cに発生する誘導起電力及び第2の電極10dに発生する誘導起電力は、位相が同期している。このため、非線形電源管理回路12内のスイッチの開閉を制御するためにスイッチ制御回路12bに供給される電圧のピークと電力抽出回路12aに供給される電圧のピークとを同期することができる。
また、第1の電極10cの総面積が第2の電極10dの総面積より大きいので、外部の負荷16には第1の電極10cから電力抽出回路12aを介して大きな電力を供給でき、スイッチ制御回路12bには第2の電極10dから小さな電力が供給される。このため、スイッチ制御回路12bで消費される電力を低減でき、電力の回収効率を向上できる。
図4には、円形の電荷保持基板10aと電極基板10bとの組み合わせにより構成された静電誘導型発電素子10の例が示される。図4において、電荷保持基板10aには、電極基板10bとの対向面に、電荷保持基板10aの半径方向に伸びた放射形状のエレクトレット10Eとガード電極Gとが、円周方向に交互に配列されている。なお、電荷保持基板10aには、エレクトレット10Eの代わりに、適宜な電源から電圧が印加された導体を使用してもよい。
また、電極基板10bには、電荷保持基板10aとの対向面に、図3(a)と同様の第1の電極10c、第2の電極10d及びグランド電極10e、10gが形成されている。なお、作図上の関係で第2の電極10d及びグランド電極10gは図示を省略している。また、第1の電極10c及び第2の電極10dとしては、図3(a)ではなく、図3(b)と同様の構成としてもよい。これらの第1の電極10c及び第2の電極10dは、グランド電極10e、10gとともに電極基板10bの円周方向に交互に配列されて形成されており、第1の電極10cとグランド電極10eとの間に電力抽出回路12aが接続され、第2の電極10dとグランド電極10gとの間にスイッチ制御回路12bが接続されている。図4の例では、第1の電極10c及び第2の電極10dの数、及びこれに対応するエレクトレット10Eの数が、図3(a)、(b)よりも多くなっているが、これらの数は適宜決定することができる。
図4に示された静電誘導型発電素子10では、電荷保持基板10aと電極基板10bとの中心軸が共通にされており、電荷保持基板10aがローターとなって上記中心軸で回転する。また、電極基板10bはステーターであり、電荷保持基板10aと電極基板10bとが円周方向に相対運動して、第1の電極10c及び第2の電極10dに誘導起電力が発生し、電力抽出回路12a及びスイッチ制御回路12bにそれぞれ供給される。
図5には、静電誘導型発電素子10の他の構成例の断面図が示される。図5において、静電誘導型発電素子10は、互いに対向し、矢印Aで示される、対向面に平行な方向に相対運動する電荷保持基板10aと電極基板10bとを備えている。電荷保持基板10aの対向面には、エレクトレット10Eとガード電極10Gとが、上記矢印A方向に交互に配列されている。この場合、エレクトレット10Eとガード電極10Gとは、上記矢印A方向と直交する方向に伸びる断面が矩形の直方体の形状(細片状)に形成されている。なお、電荷保持基板10aには、エレクトレット10Eの代わりに、適宜な電源から電圧が印加された導体を使用してもよい。
電極基板10bの対向面には、第1の電極10c及び第2の電極10dが形成されている。また、第1の電極10c及び第2の電極10dと交互に、すなわちこれらの各々に隣接してグランド電極10e、10gも形成されている。第1の電極10c及び第2の電極10dと、上記エレクトレット10Eとは同じ平面形状であり、その配置におけるエレクトレット10E同士及び第1の電極10c及び/または第2の電極10d同士の離間間隔が同じであり、さらに第1の電極10c及び第2の電極10dの合計数がエレクトレット10Eの数と同数である。
なお、図5の例でも、第1の電極10c同士、第2の電極10d同士が電気的に接続されている。また、グランド電極10e同士及びグランド電極10g同士も電気的に接続されている。また、第1の電極10cとグランド電極10eとの間に電力抽出回路12aが接続され、第2の電極10dとグランド電極10gとの間にスイッチ制御回路12bが接続されている。
電荷保持基板10aと電極基板10bとが矢印A方向に相対運動することによりエレクトレット10Eに基づく誘導起電力が第1の電極10cとグランド電極10eとの間、及び第2の電極10dとグランド電極10gとの間に発生し、それぞれ電力抽出回路12a及びスイッチ制御回路12bに供給される。この場合、電荷保持基板10aと電極基板10bとの相対運動は、例えば電荷保持基板10aを矢印A方向に振動させることにより実現することができる。また、電荷保持基板10aと電極基板10bとを、対向面に平行(矢印A方向)且つ反対方向に同時に平行移動させることにより、相対的に振動させてもよい。
この際、第1の電極10c及び第2の電極10dと、上記エレクトレット10Eとは同じ平面形状であり、その配置におけるエレクトレット10E同士及び第1の電極10c及び/または第2の電極10d同士の離間間隔が同じであり、さらに第1の電極10c及び第2の電極10dの合計数がエレクトレット10Eの数と同数であるので、第1の電極10cに発生する誘導起電力及び第2の電極10dに発生する誘導起電力は、位相が同期している。このため、電力抽出回路12aの開閉を制御するためにスイッチ制御回路12bに供給される電圧のピークと電力抽出回路12aに供給される電圧のピークとを同期することができる。
なお、図5の例では、第2の電極10dが一つであるが、これには限定されず、第1の電極10cの総面積が第2の電極10dの総面積より大きいという関係を満たせば、第1の電極10c及び第2の電極10dの数を適宜決定することができる。
図6(a)、(b)には、図5に示された静電誘導型発電素子10における電極基板10bの変形例が示される。図6(a)の例では、細片状の第1の電極10cとグランド電極10eとが交互に且つ平行に形成され、細片状の第2の電極10dとグランド電極10gとが同様に交互に且つ平行に形成されている。第1の電極10cと第2の電極10d及びグランド電極10eとグランド電極10gとは、図6(a)に示されるように、電極基板10bの平面上で互いに対応する位置(図の横方向の同じ位置)で長手方向に延びている。ここで、各第1の電極10cの長手方向の長さLcが、第2の電極10dの長手方向の長さLdよりも長く形成されている。このため、第1の電極10cの総面積が第2の電極10dの総面積より大きくなっている。
また、図6(b)の例では、第1の電極10cの長手方向の長さLcと第2の電極10dの長手方向の長さLdとが同じ長さに形成されており、第1の電極10cの数が第2の電極10dの数より多く形成されている。なお、グランド電極10e及びグランド電極10gも、それぞれ第1の電極10c及び第2の電極10dと交互に且つ平行に形成されている。
なお、図示しない電荷保持基板10aは、図5の場合と同様であり、電極基板10bの第1の電極10c及び第2の電極10dが形成された面にエレクトレットが対向するように配置され、電極基板10bと相対運動するように構成されている。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例
図3(b)に示される構成の電極基板10bを使用した静電誘導型発電素子10を含む環境発電装置100により発電実験を行った。
実験に使用した電極基板10bは、外径38mm、内径18mmとした。また、第1の電極10c、第2の電極10dの長さは、20mm(38−18mm)とし、最内径(直径18mm)で幅185μm、間隔50μmで電極基板10bの円周方向に配列した。なお、最外径(直径38mm)で幅390μm、間隔105μmである。第1の電極10c(負荷用電力を発生)の数は115個、第2の電極10d(SSHIの制御用電力を発生)の数は4個とした。なお、電極は120個径形成できるが、第一の電極10cと第二の電極間10dとの電気的干渉を抑えるため、一本分を抜いて間隔を空けてある。また、グランド電極10e、10gも、それぞれ第1の電極10c及び第2の電極10dと同形状で同数形成されている。また、各電極の厚さは20μm以下とした。
一方、静電誘導型発電素子10の電荷保持基板10aは、表面電位−807Vのエレクトレットにより構成した。このエレクトレットは、第1の電極10c及び第2の電極10dと同形状であり、最内径で幅185μmであり、エレクトレットと同形状に形成したガード電極Gとの間を50μm離間して電荷保持基板10aの円周に沿って120個配置されている。
また、電極基板10bに形成された第1の電極10c及び第2の電極10dとエレクトレットの表面とは300μm離間させて対向させ、エレクトレット(ローター)の回転数を1rpsとして相対運動させた。
以上のようにして構成した環境発電装置100の出力の測定は、SSHIの出力側に100MΩの抵抗を接続し、ここに流れる電流から出力電圧を算出した。その際に使用した測定器(電流計)は、プログラマブル電流増幅器CA5350((株)エヌエフ回路設計ブロック製)である。
また、比較例1として、SSHI(非線形電源管理回路12)を使用しない環境発電装置100、及び比較例2として、SSHIのスイッチ制御回路12bへの電力供給に、第2の電極10dを使用せず、負荷用電力(第1の電極10c)を抵抗(負荷用100MΩ、スイッチ制御回路12b用4.8MΩ)で分割する環境発電装置100を形成して、実施例と同様に出力の測定を行った。
図7には、実施例及び比較例1、2の出力測定結果が示される。図7に示されるように、実施例の出力電力は、比較例1に対して2.6倍、比較例2に対して1.33培となった。この結果、本実施例にかかる電極基板10bの有効性が確認できた。
10 静電誘導型発電素子、10a 電荷保持基板、10b 電極基板、10c 第1の電極、10d 第2の電極、10e、10g グランド電極、10E エレクトレット、10G ガード電極、12 非線形電源管理回路、12a 電力抽出回路、12b スイッチ制御回路、14 DC/DCコンバータ、16 負荷、100 環境発電装置。

Claims (6)

  1. 運動エネルギーと電気エネルギーとを変換する静電誘導型発電素子に使用される電極基板であって、
    電荷を保持する電荷保持基板の電荷保持面に対向し、前記電荷保持基板と相対運動しつつ電力抽出回路を介して負荷に供給する電力を発生する第1の電極と、
    電荷を保持する電荷保持基板の電荷保持面に対向し、前記電荷保持基板と相対運動しつつ電力抽出回路の開閉用スイッチ制御回路を動作させるための電力を発生する、前記第1の電極より小さな面積に形成された第2の電極と、
    を備える静電誘導型発電素子に使用される電極基板。
  2. 前記電極基板が円形であり、前記第1の電極が半径方向の外側に、前記第2の電極が半径方向の内側に、それぞれ放射形状に設けられている、請求項1に記載の静電誘導型発電素子に使用される電極基板。
  3. 前記電極基板が円形であり、前記第1の電極と前記第2の電極の合計面積の半分を超える面積に前記第1の電極が、前記合計面積の半分を超えない面積に前記第2の電極が、それぞれ放射形状に設けられている、請求項1に記載の静電誘導型発電素子に使用される電極基板。
  4. 前記電極基板と電荷保持基板との相対運動が回転運動である、請求項2または請求項3に記載の静電誘導型発電素子に使用される電極基板。
  5. 前記第1の電極と前記第2の電極とが細片状に形成されて互いに平行に配置され、前記第1の電極の総面積が前記第2の電極の総面積より大きい、請求項1に記載の静電誘導型発電素子に使用される電極基板。
  6. 前記電極基板と電荷保持基板との相対運動が、前記第1の電極及び前記第2の電極の長手方向に直交する方向に一次元の振動である、請求項5に記載の静電誘導型発電素子に使用される電極基板。

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