[第1実施形態]
図1において、診療支援システム10は、病院等の医療施設で診療支援を行うためのコンピュータシステムである。診療支援システム10は、診療支援サーバ11と、クライアント端末12と、サーバ群13とを備えている。これらは医療施設内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク14で相互に通信可能に接続されている。
診療支援サーバ11は、本発明の診療支援装置として機能する。具体的には、診療支援サーバ11は、患者の診療過程で取得された診療データをサーバ群13から取得し、取得した診療データに基づいて、第1表示画面15A(表示画面に相当、図11も参照)および第2表示画面15B(図18参照)を生成する。診療支援サーバ11は、生成した第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを、クライアント端末12に配信する。なお、図1では第1表示画面15Aを図示している。
診療支援サーバ11は、画面編集情報16が格納される画面編集情報データベース(以下、DB(Data Base)と略す)11Aを有する。診療支援サーバ11は、この画面編集情報16を参照して第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを生成、編集する。
クライアント端末12は、内科、外科、耳鼻科、眼科といった医療施設内の各診療科や、放射線検査科、臨床検査科等の各検査科に設置され、各診療科の医師や各検査科の検査技師、あるいは看護師、管理栄養士等の医療スタッフにより操作される。クライアント端末12は、診療支援サーバ11から送信された第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを表示して医療スタッフの閲覧に供する。つまり、クライアント端末12は、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを医療スタッフが閲覧するためのビューア端末として機能する。
診療支援サーバ11は、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用のXMLデータの形式でクライアント端末12に配信する。クライアント端末12は、XMLデータに基づき第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bをウェブブラウザ上に再現して表示する。なお、XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
サーバ群13は、診療支援サーバ11からの取得要求に応じた診療データを検索して、検索した診療データを診療支援サーバ11に送信する。サーバ群13は、電子カルテサーバ21と画像サーバ22とレポートサーバ23とを備えている。
電子カルテサーバ21は、電子カルテ24が格納されるカルテDB21Aを有する。電子カルテ24には、診療データとして、問診内容や診断内容、病名等を記録した診察記録データ、血液検査、生化学検査等の検体検査、および心電図検査、脳波検査等の生理検査を含む医療検査の検査値といった検査データ、患者の心拍、脈拍、血圧、体温等のバイタルサインの測定値といった測定データ、医療検査、レポート作成、処置、手術、投薬等の各種オーダを記録するオーダデータ、初診、入院、退院、再入院、処置、手術、投薬、完治等の患者の診療過程で生じたイベントを記録する治療記録データ、受診料、薬料、入院費等を記録する会計データが入力されている。電子カルテ24のこれらの各種診療データはクライアント端末12で入力することができ、また、クライアント端末12で閲覧することができる。
画像サーバ22は、いわゆるPACS(Picture Archiving and Communication System)サーバであり、検査画像25が格納される画像DB22Aを有する。検査画像25は、CT(Computed tomography)検査、MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査、単純X線検査、超音波検査、内視鏡検査等の各種画像検査で得られた画像であり、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格のデータファイル形式で作成される。検査画像25はクライアント端末12で閲覧することができる。
レポートサーバ23は、医用レポート26が格納されるレポートDB23Aを有する。医用レポート26は、画像検査で得られた検査画像25を読影医が読影した結果をまとめたものである。医用レポート26はクライアント端末12で作成、閲覧することができる。
電子カルテ24、検査画像25、および医用レポート26には、個々の患者を識別するための番号や記号である患者ID(Identification Data)等が付帯情報として関連付けて記憶されている(図2ないし図4参照)。また、電子カルテ24には各種診療データを入力した医療スタッフの医療スタッフID、検査画像25には検査を実施した検査技師の医療スタッフID、医用レポート26にはこれを作成した読影医の医療スタッフIDが付帯情報として関連付けて記憶されている。この医療スタッフIDによって、医療スタッフの誰がどの診療プロセスを行ったかが分かるようになっている。なお、医療スタッフIDは、各医療スタッフを識別するための番号や記号である。電子カルテ24、検査画像25、および医用レポート26は、こうした患者ID等の付帯情報を検索キーワードとして、各DB21A、22A、23Aから検索することが可能である。
図2において、カルテDB21Aに格納された電子カルテ24は、「0123456789」といった10桁の数字で表される患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテ24には、患者IDの他、患者の氏名、性別、生年月日あるいは年齢等の患者情報と、複数項目の診療データとが記録される。診療データは、「血圧(上)」、「血圧(下)」、「生化学検査A」、「治療記録」等の項目別に整理されて時系列に記録されている。なお、図2では示していないが、診療データには、前述の診察記録データ、血圧以外の心拍、脈拍、体温等のバイタルサインの測定値、オーダデータ、会計データ等も含まれる。
診療データの各項目の1件分のレコードには、診療日時、検査日時、測定日時、投薬日時(投薬を実施した日時または処方した日時)、患者の診療過程で生じた様々なイベントの日時等の日時に関する情報と、問診内容、診断内容、検査値、測定値、投与量、診療報酬額、イベント等のデータ内容とが含まれる。項目が投薬の場合は、投薬効果が発現するまでに時間を要する場合があるため、例えば、「1日に一定量ずつの服用を5日間継続する」というように、所定期間にわたる投薬が1回の処方で指示される場合がある。この場合には、投薬日時として、その薬の服用が予定されている日時が記録される。
治療記録データに記録されるイベントは、入院、手術、転科、退院、再入院等を含み、入院のイベントに付随する入院予約の内容、手術のイベントに付随する麻酔依頼の内容、術前サマリ、手術申込の内容、麻酔同意書、手術同意書等も記録される。なお、術前サマリは、手術前に実施した医療検査の結果の要約である。また、麻酔同意書、手術同意書は、麻酔、手術を行う必要性やリスク等を患者やその家族に説明し、患者やその家族に署名や捺印を求める文書である。
図3において、画像DB22Aに格納された検査画像25は、電子カルテ24と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。検査画像25には、患者IDの他、画像検査を実施した検査日時(検査画像25が画像DB22Aにアップされた日時)、画像IDおよびオーダID、「単純X線検査」、「CT検査」等の画像検査の種類、「X線画像」、「断層画像」等の検査画像の種類、「胸部」、「腹部」等の撮影部位といった検査画像25の属性が付帯情報として関連付けられている。画像サーバ22は、こうした検査日時や属性といった付帯情報とともに、検査画像25を診療データとして診療支援サーバ11に送信する。
画像IDは、各検査画像25を識別するための番号や記号であり、オーダIDは、各オーダを識別するための番号や記号である。単純X線検査では、1回の画像検査で1枚のX線画像が撮影されることが多い。対してCT検査で取得される断層画像のように、1回の画像検査で複数枚の検査画像25が撮影される場合もある。このように1回の画像検査で複数枚の検査画像25が撮影された場合は、複数枚の検査画像25が1回の画像検査で得られたことを示すために各検査画像25に共通のオーダIDが付与され、1まとめの検査画像25として管理される。単純X線検査で複数枚撮影された場合も同様である。
なお、検査画像25の付帯情報としては、検査画像25内の病変の位置やサイズ、病変の種類、病変の特徴量、病変の治癒レベル等に関する情報を含めてもよい。また、画像検査が超音波検査であった場合は、超音波画像を解析して得られた血流計測値を付帯情報として含めてもよい。
図4において、レポートDB23Aに格納された医用レポート26は、電子カルテ24および検査画像25と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。医用レポート26には、患者IDの他、医用レポート26の作成日時(医用レポート26がレポートDB23Aにアップされた日時)、医用レポート26のレポートID、医用レポート26に添付した検査画像25の画像IDとオーダID、および検査画像25と同様の属性が付帯情報として関連付けられている。レポートサーバ23は、こうした付帯情報とともに、医用レポート26を診療データとして診療支援サーバ11に送信する。なお、図2〜図4では、各種日時のうちの日付のみを示している。
診療支援サーバ11、クライアント端末12、およびサーバ群13の各サーバ21〜23は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラムや、サーバプログラムまたはクライアントプログラム等のアプリケーションプログラムをインストールして構成される。
図5において、診療支援サーバ11やクライアント端末12等を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス30、メモリ31、CPU(Central Processing Unit)32、通信部33、ディスプレイ34、および入力デバイス35を備えている。これらはデータバス36を介して相互接続されている。
ストレージデバイス30は、診療支援サーバ11やクライアント端末12等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルやネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス30には、オペレーティングシステム等の制御プログラムや各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種操作画面の表示データが記憶されている。
メモリ31は、CPU32が処理を実行するためのワークメモリである。CPU32は、ストレージデバイス30に記憶されたプログラムをメモリ31へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部33は、ネットワーク14を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ34は、マウスやキーボード等の入力デバイス35の操作に応じた各種操作画面を表示する。操作画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。診療支援サーバ11やクライアント端末12等を構成するコンピュータは、操作画面を通じて入力デバイス35からの操作指示の入力を受け付ける。なお、以下の説明では、診療支援サーバ11を構成するコンピュータの各部には添え字の「A」を、クライアント端末12を構成するコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
図6において、クライアント端末12のストレージデバイス30Bには、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを閲覧するためのビューアソフトウエア40がアプリケーションプログラムとして記憶されている。ビューアソフトウエア40は、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを構成する複数の表示部の表示を制御する複数のガジェットエンジン(以下、単にガジェットという)を含む。なお、ガジェットとは、ビューアソフトウエア40等の主たるアプリケーションプログラムに付随して動作して、各種機能を発揮するサブプログラムである。
ビューアソフトウエア40が起動されると、クライアント端末12のCPU32Bは、メモリ31B(図示せず)と協働して、GUI制御部41および要求発行部42として機能する。
GUI制御部41は、診療支援サーバ11から配信された第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bをディスプレイ34Bのウェブブラウザ上に表示する。GUI制御部41は、カーソル75(図12等参照)によるボタンのクリック操作等、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを通じて入力デバイス35Bから入力される操作指示に応じた第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの画面出力制御を行う。
要求発行部42は、GUI制御部41を介した入力デバイス35Bの操作指示に応じて、診療支援サーバ11に対する各種処理要求を発行する。各種処理要求には、第1表示画面15Aの配信要求、並びに第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの編集要求がある。要求発行部42で発行された各種処理要求は、ネットワーク14を通じて診療支援サーバ11に送信される。
配信要求には、医療スタッフIDが含まれる。医療スタッフIDは、例えば認証キーとともに第1表示画面15Aを起動するためのログイン画面(図示せず)を通じて入力される。
編集要求は、入力デバイス35Bによる各種操作指示に応じた、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの表示内容の編集を診療支援サーバ11に要求するものである。編集要求には、患者の種類の指定を含むものがある。患者の種類としては、診療支援システム10を有する医療施設で治療を受けている全患者のうち、手術が決定した患者(以下、手術決定患者という)、通院している患者(以下、外来通院患者という)、病棟に入院している患者(以下、病棟入院患者という)が用意されている。また、患者の病名を患者の種類として指定することも可能である。
診療支援サーバ11のストレージデバイス30Aには、作動プログラム45がアプリケーションプログラムとして記憶されている。作動プログラム45は、診療支援サーバ11を構成するコンピュータを、診療支援装置として機能させるためのプログラムである。診療支援サーバ11のCPU32Aは、作動プログラム45が起動されると、メモリ31A(図示せず)と協働して、要求受付部46、画面編集情報管理部47、画面編集部48、および配信制御部49として機能する。
要求受付部46は、クライアント端末12からの配信要求および編集要求を受け付ける。要求受付部46は、受け付けた配信要求および編集要求を画面編集情報管理部47に出力する。
画面編集情報管理部47は、画面編集情報DB11Aの画面編集情報16を管理する。画面編集情報16は、第1表示画面15Aの生成に必要な、医療スタッフが患者に対して実施する診療プロセスの進捗状況を患者毎に記録した進捗状況情報50(図7参照)と、第2表示画面15Bの編集に必要な、検査画像25の画像DB22A内の格納先および医用レポート26のレポートDB23A内の格納先等の各種診療データの格納先を患者毎に記録した格納先情報51(図9参照)と、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bに関する各種設定データを医療スタッフ毎に記録したスタッフ情報52(図10参照)とで構成される。
画面編集情報管理部47は、サーバ群13に対して、定期的、例えば1時間毎に診療データの取得要求を発行する。画面編集情報管理部47は、この取得要求に応じてサーバ群13から送信された診療データを取得し、取得した診療データに基づいて進捗状況情報50および格納先情報51を更新する。また、画面編集情報管理部47は、要求受付部46からの編集要求に応じて、スタッフ情報52を更新する。なお、医療検査に関わる診療データの取得要求は1時間毎、その他の診療データは1日毎というように、診療データの種類に応じて取得要求を発行する間隔を変更してもよい。
画面編集情報管理部47は、要求受付部46からの配信要求および編集要求に応じて、第1表示画面15Aの生成、編集、および第2表示画面15Bの編集に必要な画面編集情報16を画面編集部48に提供する。
画面編集部48は、画面編集情報管理部47から提供された画面編集情報16に基づいて、第1表示画面15Aを生成する。すなわち画面編集部48は画面生成部として機能する。
画面編集部48は、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの表示を制御する画面表示制御部として機能する。具体的には、画面編集部48は、要求受付部46が受け付けた編集要求に基づいて、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの表示内容を編集する。また、画面編集部48は、医療スタッフが患者に対して実施する診療プロセスの進捗状況の変化に応じて、通常アイコン81Cおよび小アイコン82(図13参照)の表示形態を変化させる。
配信制御部49は、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを、処理要求を送信したクライアント端末12に通信部33A(図示せず)を介して配信する制御を行う。
図7において、進捗状況情報50は、診療プロセスの進捗状況を患者ID毎に記録したものである。進捗状況情報50は、患者種類、担当医療スタッフID、病名、および診療プロセス項目の各項目を有する。なお、図7では、左上端のタブに示すように、医療スタッフの種類が医師の場合の進捗状況情報50を示している。
患者種類の項目には、前述の「手術決定患者」、「外来通院患者」、および「病棟入院患者」のいずれかが記録される。「手術決定患者」は、電子カルテ24のオーダデータに手術のオーダが記録されている患者である。「病棟入院患者」は、電子カルテ24の治療記録データに入院のイベントが記録されていて、退院のイベントが記録されていない患者である。「病棟入院患者」の中には、「病棟入院患者」でかつ「手術決定患者」のものもいる。この場合の患者種類の項目には、「手術決定患者」が記録される。「外来通院患者」は、「手術決定患者」および「病棟入院患者」に該当しない患者である。このように患者の種類は電子カルテ24の診療データを参照することで特定することができる。
担当医療スタッフIDの項目には、当該患者の治療を担当する医療スタッフの医療スタッフIDが記録される。担当医療スタッフIDの項目に記録された医療スタッフは、当該患者の治療を連携して行うチーム医療を担う医療スタッフの一員である。担当医療スタッフIDは、診療データに付帯される医療スタッフIDから特定することができる。
病名の項目には、「胃癌」といった病名とともに、「01/23」等の病名を記録した日付、および「D001」等の病名を記録した医師(主治医)の医療スタッフIDが記録される。病名および医療スタッフIDは電子カルテ24の診察記録データから特定することができる。
診療プロセス項目は、入院予約、検査(医療検査)、麻酔依頼、術前サマリ、手術申込、麻酔同意書、手術同意書等の各項目を有する。これら各項目には、各診療プロセスに関する情報が記録される。例えば入院予約の項目には、「01/23 09:30」等の入院予約を行った日時、「1月25日〜1月30日」等の入院予約した期間、「405号」等の病室名、および「個室」等の病室の種類が記録される。また、麻酔依頼の項目には、「01/23」等の麻酔依頼を行った日付、「全身」等の麻酔の種類、および「D005」等の麻酔依頼を受けた医療スタッフの医療スタッフIDが表示される。
検査の項目には、「01/24」等の最初に医療検査に着手した日付、および各種医療検査の進捗状況が記録される。各種医療検査は、例えばCT検査であれば「CT」、MRI検査であれば「MR」、単純X線検査であれば「DR(Digital Radiography)」、超音波検査であれば「US(Ultrasonography)」、内視鏡検査であれば「ES(Endoscopy)」、血液検査であれば「血」、生化学検査であれば「生」、心電図検査であれば「心」、脳波検査であれば「脳」等というように略記される。
検査以外の診療プロセス項目の進捗状況には、診療プロセスに着手していない状態である「未着手」、診療プロセスに着手しているが診療プロセスを完了していない状態である「未完了」、および診療プロセスが完了した状態である「確定」がある。図7において、「未着手」は、患者ID「0000003210」の手術同意書の項目が該当する。この場合は診療プロセス項目には未着手である旨が記録される。「未完了」は、患者ID「0000003210」の術前サマリ、および麻酔同意書の項目が該当する。この場合、診療プロセス項目には、「中断 肝臓転移の為・・・」や「提出待ち」等の診療プロセスが未完了である理由と、「01/20」等の理由を入力した日付、および「D002」等の理由を入力した医療スタッフの医療スタッフIDが記録される。「確定」は、例えば患者ID「0123456789」の術前サマリ、患者ID「0000254798」の入院予約の診療プロセス項目等が該当する。患者ID「0000254798」の麻酔同意書の診療プロセス項目等、実施不要な診療プロセスの診療プロセス項目には何も記録されず空欄となる。
医療検査の進捗状況には、医療検査を実施していない状態を示す「未実施」、医用レポート26が作成されて医療検査自体は実施し終えたが、医療スタッフが医用レポート26を確認していない状態である「未確認」、および医用レポートを確認し終えた状態である「確認済」がある。医療検査の進捗状況が「未確認」か「確認済」かは、担当医療スタッフによって異なる。このため、「未実施」、および担当医療スタッフ全員が「確認済」以外の医療検査については、例えば患者ID「0123456789」の検査の項目の「US:D050未確認、D001、D005、D018確認済」のように、「未確認」の担当医療スタッフの医療スタッフIDと、「確認済」の担当医療スタッフの医療スタッフIDとが併記される。
ここで、医療検査は図8に示すような流れに沿って実施される。まず、各診療科の医師により電子カルテ24上で医療検査のオーダが発行される(ステップS10)。発行されたオーダは各検査科のクライアント端末12に送信され、クライアント端末12で各検査科の検査技師により確認される(ステップS11)。検査技師は、確認したオーダに応じて、検査器具を用意したり患者を検査室に呼び込んだりして医療検査の準備を行った後(ステップS12)、確認したオーダに応じた医療検査を実施する(ステップS13)。
医療検査実施後、検査結果がアップされる(ステップS14)。医療検査が画像検査の場合は、検査結果として検査画像25が画像サーバ22の画像DB22Aにアップされる。医療検査が検体検査、生理検査の場合は、検査結果として検査値が電子カルテサーバ21のカルテDB21Aにアップされる。医療検査が画像検査の場合は、検査結果がアップされると、その旨が医用レポート26の作成を担当する読影医に通知される。
読影医は、アップされた検査結果をクライアント端末12で閲覧し、検査結果に基づき医用レポート26を作成する(ステップS15)。医用レポート26はレポートサーバ23のレポートDB23Aにアップされる(ステップS16)。医用レポート26がアップされると、その旨が医療検査をオーダした医師に通知される。
医師は、アップされた医用レポート26をクライアント端末12で閲覧し、医用レポート26の内容を確認する(ステップS17)。医師は、医用レポート26を参照して診断を下したり今後の治療計画を練ったりする。以上が医療検査の大まかな流れである。
「未実施」は、ステップS10のオーダ発行後からステップS11のオーダ確認前までの期間が該当する。「未確認」は、ステップS16のレポートアップ後からステップS17のレポート確認前までの期間が該当する。「確認済」は、ステップS17のレポート確認後の期間が該当する。なお、ステップS11のオーダ確認後からステップS16のレポートアップ前までの期間は、医療検査を実施中の状態である。このように医療検査の進捗状況は時々刻々と変化する。同様に、医療検査以外の診療プロセスの進捗状況も時々刻々と変化する。
図9において、格納先情報51は、診療データの格納先を患者ID毎に記録したものである。格納先情報51は、検査画像25、および医用レポート26等の項目を有する。格納先情報51には、これら図示する各項目の他にも、検体検査、生理検査の検査結果である検査データ、バイタルサインの測定データといった他の診療データの項目も設けられている。各項目には、例えば「I:¥0123456789¥DR¥20140808¥DR001」等の各診療データの格納先を示すパスが記録される。
図10において、スタッフ情報52は、医療スタッフIDが関連付けられて医療スタッフ単位で管理される。スタッフ情報52には、医療スタッフの氏名、年齢、性別、所属科、医師、検査技師、看護師、管理栄養士といった医療スタッフの種類、認証キー等の医療スタッフの基本的な情報が記録される。加えてスタッフ情報52には、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bに関する各種設定データとして、スケジュール管理データ55、メール管理データ56、およびレイアウトデータ57が記録される。
スケジュール管理データ55には、外来診察、入院患者回診、学会出席、大学講義、休暇といった医療スタッフのスケジュールが日時と関連付けて記録される。メール管理データ56には、医療スタッフ宛ての電子メールや、医療スタッフが作成、送信した電子メールが記録される。レイアウトデータ57には、医療スタッフがカスタマイズした第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bのレイアウトの設定が記録される。
図11において、第1表示画面15Aは、左上部のスケジュール表示部65、左下部のメール表示部66、および右側の患者リスト表示部67の3つの表示部65〜67を有している。
スケジュール表示部65は、スケジュール管理ガジェットにより生成される。スケジュール管理ガジェットは、スケジュール表示部65へのカレンダー、現在時刻、当該医療施設がある地域の天気および外気温等の表示を制御するとともに、スケジュール管理データ55に基づき、ログイン画面を通じて医療スタッフIDが入力された医療スタッフの1週間のスケジュールの表示を制御する。
また、スケジュール管理ガジェットは、スケジュール表示部65を通じてスケジュールの書き込み操作を受け付ける。要求発行部42は、スケジュール表示部65を通じて書き込まれたスケジュールを含む編集要求を発行する。画面編集情報管理部47は、編集要求に含まれるスケジュールをスケジュール管理データ55に記録し、スケジュール管理データ55を更新する。
メール表示部66は、メール管理ガジェットにより生成される。メール管理ガジェットは、メール管理データ56に基づき、ログイン画面を通じて医療スタッフIDが入力された医療スタッフ宛ての電子メールのメール表示部66への一覧表示、電子メール本文の表示等を制御する。
また、メール管理ガジェットは、メール表示部66を通じて、新着電子メールの確認、受信電子メールへの返信、送信電子メールの新規作成といった各種操作を受け付ける。要求発行部42は、メール表示部66を通じて入力された各種操作を含む編集要求を発行する。画面編集情報管理部47は、編集要求に含まれる各種操作に応じたデータをメール管理データ56に記録し、メール管理データ56を更新する。
スケジュール管理ガジェットとメール管理ガジェットは、ビューアソフトウエア40に含まれる複数のガジェットの一種である。スケジュール表示部65に表示されるスケジュール、およびメール表示部66に表示される電子メールの内容は、ログイン画面で入力された医療スタッフIDに応じて切り替わる。なお、これら各表示部65〜67の表示位置、表示面積、および表示内容は、例えばスケジュール表示部65を無くして左側をメール表示部66のみとしたり、スケジュール表示部65を左下部に、メール表示部66を左上部に配したりする等、医療スタッフが自由にカスタマイズ可能である。こうしたレイアウトの設定が画面編集情報管理部47によりレイアウトデータ57に記録される。
患者リスト表示部67には患者リスト71が表示される。患者リスト71は、ログイン画面で入力された医療スタッフIDの医療スタッフが、自らが担当する患者に対して実施する複数の診療プロセスの進捗状況を、患者毎に表示したものである。なお、この患者リスト表示部67とスケジュール表示部65とメール表示部66は、各々第1表示画面15Aの全領域に拡大表示させることが可能である。
患者リスト71は、各医療スタッフに応じたものが画面編集部48により生成される。より具体的には、例えばログイン画面で入力された医療スタッフIDが「D001」であった場合、画面編集情報管理部47は、医療スタッフID「D001」が担当医療スタッフIDの項目に記録されている進捗状況情報50(図7の場合は患者ID「0123456789」の進捗状況情報50)をピックアップし、ピックアップした進捗状況情報50を画面編集部48に提供する。画面編集部48は、提供された進捗状況情報50に基づいて、医療スタッフID「D001」の医療スタッフが担当する患者の診療プロセスの進捗状況を示す患者リスト71を生成する。このため、患者リスト71に表示される患者は、各医療スタッフがそれぞれ担当している患者に応じて異なる。
図12において、患者リスト表示部67の上部には、患者の種類を切り替えるための患者種類切替タブ72、患者の種類として患者の病名を入力するための検索入力ボックス73、および検索ボタン74が設けられている。患者種類切替タブ72には、「手術決定患者」、「外来通院患者」、および「病棟入院患者」の各タブ72A、72B、72Cが用意されている。これら患者種類切替タブ72、検索入力ボックス73、および検索ボタン74は、患者リスト71に表示された患者を、患者の種類でさらに絞り込むために設けられている。
患者種類切替タブ72の各タブ72A〜72Cのうちの所望のタブがカーソル75で選択されたり、検索入力ボックス73に所望の病名が入力されてカーソル75で検索ボタン74が選択されると、これに応じた編集要求が要求発行部42から発行される。画面編集情報管理部47は、配信要求に応じてピックアップした進捗状況情報50のうち、編集要求で指定された患者の種類が記録された進捗状況情報50を画面編集部48に提供する。画面編集部48は、画面編集情報管理部47から提供された進捗状況情報50に基づいて、患者を種類で絞り込んだ患者リスト71を編集する。
図13には、ログイン画面で入力された医療スタッフIDの医療スタッフの種類が医師で、患者種類切替タブ72の「手術決定患者」のタブ72Aが選択された場合の患者リスト71を示している。
図13において、患者リスト71は、項目配列軸に相当する横軸Xに沿って上部に設けられた項目表示欄76と、横軸Xに直交し、患者識別情報配列軸に相当する縦軸Yに沿って左横に設けられた患者情報表示欄77とを有する。項目表示欄76には、病名の項目と、入院予約、検査、麻酔依頼、術前サマリ、手術申込、麻酔同意書、および手術同意書の図7で例示した各診療プロセス項目が配列される。各診療プロセス項目は、通常の診療プロセス順にしたがって左から右に並べられている。項目表示欄76は患者リスト71の患者の表示順をソートするソート機能を有しており、例えば入院予約の予約日が早い患者から順に表示順を並べ替えたり、手術申込の手術予定日時が早い患者から順に表示順を並べ替えることができる。あるいは診療プロセスの進捗状況が「未着手」、「未完了」、「確定」の患者の順に並べ替えたり、進捗状況が「未実施」の医療検査が多い患者の順に並べ替えることもできる。
患者情報表示欄77には、表示順を示す番号とともに各患者の患者情報が表示される。患者情報は、電子カルテ24に記述されている患者の氏名、患者ID、性別、生年月日、および年齢である。このうちの氏名および患者IDが患者識別情報に相当する。性別は男女を示す標識と「M(男性)」または「F(女性)」の文字で表される。患者情報表示欄77には、一度に10人の患者の患者情報が表示可能である(図11参照)。
患者リスト表示部67の下部には、例示する「150件」等の、画面編集情報管理部47がピックアップした、患者リスト71に表示される患者の総数78と、「1/15ページ」等の、患者リスト表示部67に現在表示されている患者リスト71のページ数および患者リスト71のページ総数79と、ページ切替ボタン群80とが表示される。ページ切替ボタン群80は、中央のページ数を示すボタン80Aと、両脇のページ送りボタン80Bおよびページ戻しボタン80Cとで構成される。これら各ボタン80A〜80Cがカーソル75で選択されると、要求発行部42は患者リスト71のページ切替指示を含む編集要求を発行する。画面編集部48は、この編集要求に応じて患者リスト71のページを切り替える。
項目表示欄76と患者情報表示欄77とで構成される二次元領域、より具体的には項目表示欄76の各項目と、患者情報表示欄77の各患者情報との交点には、アイコン81がマトリクス状に配される。アイコン81は、病名表示アイコン81A、特殊アイコン81B、および通常アイコン81Cの3種類がある。これら各アイコン81A〜81Cは同じサイズを有する。
病名表示アイコン81Aは、項目表示欄76の病名の項目と、患者情報表示欄77の各患者情報との交点に配される。病名表示アイコン81Aには、病名とその記録日付、および病名を記録した医師(主治医)の氏名が表示される。病名および記録日付は進捗状況情報50の病名の項目に記録されている。医師の氏名は、進捗状況情報50の病名の項目に記録された医療スタッフIDのスタッフ情報52から取得することができる。なお、病名表示アイコン81Aに、脳神経外科や循環器内科といった診療科名を表示してもよい。
特殊アイコン81Bは、項目表示欄76の検査の項目と、患者情報表示欄77の各患者情報との交点に配される。特殊アイコン81Bには、「01/24」等の最初に医療検査に着手した日付が表示される。特殊アイコン81Bは、複数の小アイコン82が内部に配されたアイコンである。特殊アイコン81Bには、最大6個の小アイコン82が配されている。
小アイコン82は、CT検査、MRI検査、単純X線検査、超音波検査、内視鏡検査等の画像検査、血液検査、生化学検査等の検体検査、および心電図検査、脳波検査等の生理検査といった各種医療検査の進捗状況を示すアイコンである。小アイコン82は、各診療科の医師により電子カルテ24上で医療検査のオーダが発行され、実施の予定が登録された医療検査に対してのみ表示され、実施の予定が登録されていない実施不要な医療検査については当然ながら表示されない。
小アイコン82には、各種医療検査を示す文字が表示される。小アイコン82に表示される文字は、進捗状況情報50の検査の項目に略記される各種医療検査の頭文字と同じである。すなわち、CT検査は「CT」、MRI検査は「MR」、単純X線検査は「DR」、超音波検査は「US」、内視鏡検査は「ES」、血液検査は「血」、生化学検査は「生」、心電図検査は「心」、脳波検査は「脳」等である。小アイコン82はアイコン81と比べてサイズが小さいので、小アイコン82に表示される文字には、上記のように各種医療検査をそれぞれ区別するために必要な1文字または2文字のシンプルな頭文字が採用される。
通常アイコン81Cは、項目表示欄76の検査以外の各診療プロセス項目と、患者情報表示欄77の各患者情報との交点に配される。通常アイコン81Cには、各診療プロセスに関する文字情報が表示される。文字情報は、それを閲覧することで、診療プロセスの内容が理解可能な文字で表された情報である。例えば入院予約の項目に配された通常アイコン81Cには、入院予約を行った日時、入院予約した期間、病室名、および病室の種類が表示される。麻酔依頼の項目に配された通常アイコン81Cには、麻酔依頼を行った日付、麻酔の種類、および麻酔依頼を受けた医師名が表示される。手術申込の項目に配された通常アイコン81Cには、手術申込を行った日付、手術予定日時、および手術を担当する医師名が表示される。こうした情報は進捗状況情報50の各診療プロセス項目に記録されている。なお、例えば手術申込の項目に配された通常アイコン81Cに、手術の術式を表示する等、診療プロセスに関する文字情報を適宜追加してもよい。
通常アイコン81Cも、小アイコン82と同様に、各診療科の医師により電子カルテ24のオーダデータに手術等のオーダが記録された、実施の予定が登録された診療プロセスに対してのみ表示される。患者ID「0000254798」の麻酔同意書の診療プロセス項目等、実施不要な診療プロセスについては、通常アイコン81Cは当然ながら表示されず、患者リスト71の該当部分は空欄83となる。
各アイコン81A〜81Cは、項目毎に予め通常の表示色が設定されている。例えば入院予約の項目に配された通常アイコン81Cはラセットブラウン(小豆色)、検査の項目に配された特殊アイコン81Bおよび小アイコン82はイエローオーカー(黄土色)、麻酔依頼の項目に配された通常アイコン81Cはグリーニッシュブラウン(鶯色)、手術申込の項目に配された通常アイコン81Cはダークグリーン(深緑色)、手術同意書の項目に配された通常アイコン81Cはインディゴブルー(藍色)が設定されている。このように各アイコン81A〜81Cの通常時の表示色は有彩色である。また、各アイコン81A〜81C内の文字、小アイコン82内の文字、および小アイコン82の枠線は、通常白色(白抜き)で表示される。
医療スタッフが患者に対して実施する診療プロセスは、患者の種類、および医療スタッフの種類に応じて異なる。例えば患者の種類が「外来通院患者」の場合は、図13で記載した入院予約、手術申込といった入院や手術に関する診療プロセスは必要ない。また、医療スタッフの種類が管理栄養士であった場合は、病棟入院患者の給食献立作成や、病棟入院患者に対する栄養指導等、図13に記載されていない診療プロセスが必要となる。このため、患者リスト71の項目表示欄76に表示される項目は、図14の患者種類およびスタッフ種類別項目表84に示すように、患者の種類および医療スタッフの種類に応じて異なる。
図14において、例えば患者の種類が「手術決定患者」で、医療スタッフの種類が医師であった場合、項目表示欄76に表示される項目は、図13で記載した病名、入院予約、検査、麻酔依頼、術前サマリ、手術申込、麻酔同意書、手術同意書等である。また、例えば患者の種類が「外来通院患者」であった場合は、医療スタッフの種類に関わらず、病名、検査、診療情報提供書の各項目が用意されている。診療情報提供書は、外来通院患者が他の医療機関からの紹介患者であった場合に、当該紹介医療機関の紹介医から申し渡される紹介患者の診療情報を記述した文書である。
さらに、例えば患者の種類が「病棟入院患者」で、医療スタッフの種類が医師であった場合は、病名、食事、入院予約、検査、手術申込、入院診療計画書、褥瘡管理計画書、栄養管理計画書、退院療養計画書、退院サマリの各項目が用意されている。
入院診療計画書は、病棟入院患者の病名、症状、治療計画、検査、手術の内容および日程、推定される入院期間等を記述した文書であり、医師により作成される。褥瘡管理計画書は、長期入院患者の褥瘡(いわゆる床ずれ)の予防や治療に関する情報を記述した文書であり、看護師により作成される。栄養管理計画書は、病棟入院患者の給食献立作成や、病棟入院患者に対する栄養指導等の食事に関する情報を記述した文書であり、管理栄養士により作成される。退院療養計画書は、推定される退院日、退院時の患者の病状、退院後の治療計画、安静度、食事、服薬、入浴といった生活上の注意点、保健医療サービスや福祉サービスの案内等を記述した文書であり、医師により作成される。退院サマリは、入院期間に実施した医療検査の結果の要約である。
このように項目表示欄76に表示される項目が医療スタッフの種類に応じて異なるため、進捗状況情報50には、図7の医師用の進捗状況情報50の他にも、看護師用、管理栄養士用等の他の医療スタッフ用の進捗状況情報50も記録されている。また、ログイン画面を通じて医療スタッフIDが入力された医療スタッフの種類が管理栄養士で、患者種類切替タブ72のタブ72C(病棟入院患者)が選択された場合の図15に示す患者リスト71のように、患者の種類および医療スタッフの種類に応じた患者リスト71が、画面編集部48によって生成、編集される。
図15に示す患者リスト71の項目表示欄76には、図14の患者種類およびスタッフ種類別項目表84の患者種類「病棟入院患者」の管理栄養士の項に記載された、病名、食事、入院予約、検査、手術申込、入院診療計画書、栄養管理計画書、退院療養計画書の各項目が表示される。そして、これら各項目と各患者情報との交点には、図13と同様にアイコン81がマトリクス状に配される。食事の項目に配された通常アイコン81Cには、手術前後の日付と流動食、絶食、通常食といった食事の内容や管理栄養士の氏名が表示される。入院診療計画書、栄養管理計画書、退院療養計画書の各項目に配された通常アイコン81Cには、各計画書を提出した日付や各計画書を作成した医療スタッフの氏名が表示される。
なお、図示は省略するが、患者の種類が「外来通院患者」であった場合の診療情報提供書の項目に配された通常アイコン81Cには、紹介医療機関の名称および紹介医の氏名等が文字情報として表示される。また、項目は上記に例示したものに限らず、例えば輸血が必要な手術に対応するために輸血依頼、輸血同意書の項目を加えてもよいし、ICU(Intensive Care Unit、集中治療室)の利用申込みのためのICU申込の項目を加えてもよい。例えば看護師に対して、検温、脈拍測定、血圧測定、採血等の入院患者に対して毎日行う診療プロセスの項目を追加してもよい。さらに、医師、看護師、および検査技師の場合は画像検査、検体検査、および生理検査を含む全医療検査、管理栄養士の場合は検体検査のみとする等、医療スタッフの種類に応じて検査の項目を変更してもよい。
図16に示すように、画面編集部48は、各種医療検査の進捗状況の変化に応じて小アイコン82の表示形態を変化させる。具体的には、進捗状況が「未実施」である場合は、「CT」、「心」の一点鎖線で示す小アイコン82Aのように、文字および枠線を無彩色のグレーで表示させる。進捗状況が「未確認」である場合は、「US」の小アイコン82Bのように、文字および枠線を白色で表示させ、かつ未確認マーク85を小アイコン82B内に表示させる。進捗状況が「確認済」である場合は、「DR」、「血」、「ES」の小アイコン82Cのように、文字および枠線を白色で表示させる。
図7で説明したように、医療検査の進捗状況が「未確認」か「確認済」かは、担当医療スタッフによって異なる。このため、例えばログイン画面で入力された医療スタッフIDが「D007」であった場合、進捗状況情報50の患者ID「0000003210」の患者の検査の項目には「US:D007未確認」が記録されているため、「US」の小アイコン82内には図16の小アイコン82Bで示したように未確認マーク85が表示される。一方、ログイン画面で入力された医療スタッフIDが「D002」であった場合は、進捗状況情報50の患者ID「0000003210」の患者の検査の項目には「US:D002確認済」が記録されているので、「US」の小アイコン82内には未確認マーク85は表示されず、「US」の小アイコン82は、「DR」、「血」、「ES」の小アイコン82Cと同様に表示される。このように、患者リスト71に表示される進捗状況は、各医療スタッフに応じて異なる。
なお、符号86は、医療検査の種類が6種類以上あり、小アイコン82の個数が特殊アイコン81Bに一度に収まる最大個数の6個以上であった場合に表示されるアンドモアマークである。このアンドモアマーク86がカーソル75で選択されると、特殊アイコン81Bに一度に収まりきらなかった小アイコン82が特殊アイコン81B上にポップアップ表示される。
また、図17に示すように、画面編集部48は、医療検査以外の診療プロセスの進捗状況の変化に応じて、通常アイコン81Cの表示形態を変化させる。具体的には、進捗状況が「未着手」である場合は、患者ID「0000003210」の手術同意書の項目の点線で示す通常アイコン81CAのように、設定された有彩色ではなく無彩色の白色で表示させ、かつアイコンの枠線を点線で表示させる。進捗状況が「未完了」である場合は、患者ID「0000003210」の術前サマリおよび麻酔同意書の項目のハッチングを施した通常アイコン81CBのように、設定された有彩色ではなく無彩色のグレーの表示色および白色文字で表示させる。進捗状況が「確定」である場合は、患者ID「0123456789」の各通常アイコン81CCおよび患者ID「0000003210」の手術申込の項目の通常アイコン81CCのように、設定された有彩色および白色文字で表示させる。
患者を種類で絞り込んだ場合、患者リスト71の患者情報表示欄77には、絞り込んだ種類の患者の患者情報のみが表示される。また、通常アイコン81および小アイコン82は、絞り込んだ種類の患者に対する診療プロセスの進捗状況を表示する。このように、患者リスト71に表示される患者および進捗状況は、患者の種類に応じて異なる。なお、患者の種類を絞り込む前の段階では、「手術決定患者」、「外来通院患者」、および「病棟入院患者」の各種類の患者が入り混じった状態の患者リスト71が生成される。
患者情報表示欄77の各患者情報は、カーソル75で選択することが可能である。患者情報がカーソル75で選択されると、要求発行部42は、カーソル75で患者情報が選択された患者の医療検査の検査結果および医用レポート26を表示する第2表示画面15Bの編集要求を発行する。画面編集情報管理部47は、カーソル75で患者情報が選択された患者の患者IDの各種診療データの格納先を格納先情報51からピックアップする。画面編集情報管理部47は、ピックアップした格納先にアクセスして、第2表示画面15Bの生成に必要な診療データを取得し、取得した診療データを画面編集部48に提供する。画面編集部48は、画面編集情報管理部47から提供された診療データに基づいて、第2表示画面15Bを編集する。
図18において、第2表示画面15Bは、左上部のカルテ記述表示部90、左下部の検体検査結果表示部91、中央上部の単純X線検査結果表示部92、中央下部の処方表示部93とレポート表示部94、右上部の心電図検査結果表示部95、右中央部の超音波検査結果表示部96、右下部の内視鏡検査結果表示部97、および右側の検査履歴表示部98の9つの表示部90〜98を有している。すなわち第2表示画面15Bは、診療プロセスの詳細情報として各種医療検査の検査結果および医用レポート26を表示する表示画面である。
第2表示画面15Bは、第1表示画面15Aに代えて、第1表示画面15Aと切り替え表示可能にクライアント端末12のディスプレイ34Bに表示される。あるいは第1表示画面15Aとは別の画面としてディスプレイ34Bに表示される。
第1表示画面15Aの各表示部65〜67と同様に、第2表示画面15Bの各表示部90〜98の表示位置、表示面積、および表示内容は医療スタッフが自由にカスタマイズ可能であり、レイアウトの設定がレイアウトデータ57に記録される。例えばCT検査結果表示部やMRI検査結果表示部等の他の医療検査の検査結果の表示部や、麻酔同意書、手術同意書表示部等を追加で配してもよい。
カルテ記述表示部90には、カルテ記述表示ガジェットにより、電子カルテ24の診察記録データ等の記述が時系列に表示される。検体検査結果表示部91には、検体検査結果表示ガジェットにより、血液検査、生化学検査等の検体検査の結果である検査値が時系列に表示され、かつ検査値の経時変化を示すグラフが表示される。単純X線検査結果表示部92には、単純X線検査結果表示ガジェットにより、単純X線検査で得られたX線画像が表示される。処方表示部93には、処方表示ガジェットにより、電子カルテ24の投薬のオーダデータや治療記録データに基づいて、投薬の処方が時系列に表示される。
レポート表示部94には、レポート表示ガジェットにより医用レポート26が表示される。心電図検査結果表示部95には、心電図検査結果表示ガジェットにより、心電図検査で得られた心電図画像が表示される。超音波検査結果表示部96には、超音波検査結果表示ガジェットにより、超音波検査で得られた超音波画像が表示される。内視鏡検査結果表示部97には、内視鏡検査結果表示ガジェットにより、内視鏡検査で得られた内視鏡画像が表示される。検査履歴表示部98には、検査履歴表示ガジェットにより、患者が今までに受けた各種医療検査の履歴が時系列に表示される。これら各ガジェットは、ビューアソフトウエア40に含まれる複数のガジェットの一種である。なお、これらの各表示部90〜98は、各々第2表示画面15Bの全領域に拡大表示させることが可能である。
図19において、検査履歴表示部98には、検査日時が新しい各種医療検査の履歴が上から順に並べられている。各種医療検査の履歴には、検査日付とともに検査画像25のサムネイルアイコン110および医用レポート26のリンクアイコン111が表示される。進捗状況が「未実施」である医療検査の履歴は表示されず、当然ながら各アイコン110、111も表示されない。
サムネイルアイコン110がカーソル75で選択されると、その検査画像25の本体が各検査結果表示部に表示される。例えばX線画像のサムネイルアイコン110が選択された場合は、そのX線画像の本体が単純X線検査結果表示部92に表示される。また、リンクアイコン111がカーソル75で選択されると、その医用レポート26の本体がレポート表示部94に表示される。これら各アイコン110、111の選択指示も編集要求として要求発行部42から発行される。
患者情報がカーソル75で選択されて最初に表示される第2表示画面15Bの単純X線検査結果表示部92、超音波検査表示部96、および内視鏡検査結果表示部97には、最新の各医療検査で得られた各検査画像25が表示される。また、心電図検査結果表示部95とレポート表示部94にも同様に、最新の心電図検査で得られた心電図画像と医用レポート26がそれぞれ表示される。
患者情報の選択による編集要求、またはリンクアイコン111の選択による編集要求を要求受付部46から受けた場合、画面編集情報管理部47は、ログインしている医療スタッフが医用レポート26を確認し終えたと判断し、進捗状況情報50の検査の項目の当該医療スタッフの進捗状況が「未確認」であった場合はこれを「確認済」に変更する。
以下、上記構成による作用について、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、医療スタッフは、クライアント端末12を操作してビューアソフトウエア40を起動する。ビューアソフトウエア40の起動により、クライアント端末12のCPU32BにはGUI制御部41および要求発行部42が構築される。
図20のステップS100に示すように、医療スタッフは、第1表示画面15Aを閲覧するためにログイン画面を通じて医療スタッフIDを入力する。これにより要求発行部42から第1表示画面15Aの配信要求が発行される。
診療支援サーバ11では、作動プログラム45が起動されてCPU32Aに要求受付部46、画面編集情報管理部47、画面編集部48、および配信制御部49が構築される。これにより診療支援サーバ11は診療支援装置として機能する。
クライアント端末12の要求発行部42から発行された配信要求は、診療支援サーバ11の要求受付部46で受け付けられ、画面編集情報管理部47に受け渡される。画面編集情報管理部47は、患者リスト71の生成に必要な進捗状況情報50をピックアップする等、第1表示画面15Aの生成に必要な画面編集情報16を画面編集情報DB11Aからピックアップする。画面編集情報管理部47でピックアップされた画面編集情報16は、画面編集部48に提供される。
画面編集部48では、画面編集情報管理部47から提供された画面編集情報16に基づいて、第1表示画面15Aが生成される(ステップS200)。このとき、画面編集部48により、各種医療検査の進捗状況の変化に応じて小アイコン82の表示形態が図16に示すように変更される。また、医療検査以外の診療プロセスの進捗状況の変化に応じて、通常アイコン81Cの表示形態が図17に示すように変更される。生成された第1表示画面15Aは、配信制御部49によりクライアント端末12に配信される(ステップS210)。
クライアント端末12では、GUI制御部41により第1表示画面15Aがディスプレイ34Bに表示される(ステップS110)。第1表示画面15Aには、各種医療検査の進捗状況を示す複数の小アイコン82が内部に配された特殊アイコン81Bを含む患者リスト71が表示される。
特殊アイコン81Bにより、患者リスト71の横軸X方向の表示領域が限られた中で、各種医療検査の進捗状況を表す小アイコン82をコンパクトにまとめることができる。このため、項目表示欄76の幅が横軸Xに不必要に広がることが防がれ、診療プロセスの進捗状況を全体的に把握するために横スクロールバーを操作するといった余計な操作を減らすことができる。したがって、なるべく労力や時間を掛けずに一度にできるだけ多くの診療プロセスの進捗状況を把握したい、という医療スタッフの要望に応えることができる。
各小アイコン82は、医療検査という同じカテゴリの診療プロセスの進捗状況を表すアイコンである。このため、これら各小アイコン82を1つの特殊アイコン81Bにまとめることで、同じカテゴリの診療プロセスの各種医療検査の進捗状況を一目で確認することができる。各種医療検査の進捗状況を表すアイコンが患者リスト71中に散在している場合と比べて、各種医療検査の進捗状況を容易に把握することができ、各種医療検査の進捗状況の一覧性が向上する。さらに、医療検査は画像検査、検体検査、および生理検査を含んでいて種類が多いため、進捗状況を一目で確認することができるというメリットをより活かすことができる。
患者リスト71には、医療検査以外の診療プロセスの進捗状況を示す、特殊アイコン81Bと同じサイズの通常アイコン81Cも表示される。通常アイコン81C内には、診療プロセスを実施した日時、診療プロセスの予定日時、診療プロセスの種類、診療プロセスを実施予定の医療スタッフまたは診療プロセスを実施した医療スタッフ、診療プロセスを中断している理由等の様々な診療プロセスに関する文字情報が表示される。小アイコン82にも、医療検査の種類を示す文字情報が表示される。したがって、診療プロセスに関する情報を十分に医療スタッフに伝えることができ、チーム医療の効率化に資することができる。
また、アイコン81を特殊アイコン81Bのみとしてもよいが、そうすると、診療プロセスの内容の確認がしにくくなり返って進捗状況の把握が阻害されるおそれがある。しかし、本実施形態のように、特殊アイコン81Bは同じカテゴリの診療プロセスの進捗状況を表すものに限定し、他の診療プロセスの進捗状況は通常アイコン81Cで表すことで、全体として進捗状況の把握がしやすい患者リスト71とすることができる。
小アイコン82により、医療検査を実施していない状態である「未実施」、医用レポート26が作成されて医療検査自体は実施し終えたが、医用レポート26を確認していない状態である「未確認」、および医用レポート26を確認し終えた状態である「確認済」の各進捗状況が表される。例えば医療スタッフが検査技師で、小アイコン82で表される進捗状況が「未実施」であった場合は、医療検査の速やかな実施を検査技師に促すことができる。また、医療スタッフが医師で、小アイコン82で表される進捗状況が「未確認」であった場合は、医用レポート26の速やかな確認を医師に促すことができる。
また、通常アイコン81Cにより、診療プロセスに着手していない状態である「未着手」、診療プロセスに着手しているが診療プロセスを完了していない状態である「未完了」、および診療プロセスが完了した状態である「確定」の各進捗状況が表される。小アイコン82の場合と同様に、通常アイコン81Cで表される進捗状況が「未着手」および「未完了」であった場合は、医療スタッフに診療プロセスの速やかな実施を促すことができる。
通常アイコン81Cおよび小アイコン82は、実施の予定が登録された診療プロセスに対してのみ表示され、実施不要な場合は表示されず空欄83となる。これにより、実施予定の診療プロセスと実施不要な診療プロセスが一目で分かり、不要な診療プロセスを誤って実施してしまうミスを防ぐことができる。
患者リスト71は医療スタッフに応じて生成され、項目表示欄76に表示される項目、および患者情報表示欄77に表示される患者が医療スタッフに応じて異なるので、自分が担当している患者の診療プロセスに関する情報を、各医療スタッフに確実に周知させることができる。各医療スタッフは、自分がこの後どういった診療プロセスや準備をすればいいのかが分かり、診療プロセスを円滑に進めることができる。
医療スタッフは、第1表示画面15Aを閲覧し、各患者の各診療プロセスの進捗状況を確認する。医療スタッフは、必要に応じて、患者種類切替タブ72等を操作して患者リスト71に表示された患者を患者の種類でさらに絞り込んだり、ページ切替ボタン群80を操作して患者リスト71のページを切り替えたり、患者情報表示欄77の各患者情報を選択して第2表示画面15Bを表示させたりする。こうした各種画面編集操作がなされた場合(ステップS120でYES)、要求発行部42から編集要求が発行される(ステップS130)。
クライアント端末12の要求発行部42から発行された編集要求は、診療支援サーバ11の要求受付部46で受け付けられ、画面編集情報管理部47に受け渡される。画面編集情報管理部47は、画面編集に必要な画面編集情報16を画面編集情報DB11Aからピックアップする。画面編集情報管理部47でピックアップされた画面編集情報16は、画面編集部48に提供される。
画面編集情報管理部47からの画面編集情報16に基づき、画面編集部48により画面編集が行われる(S220)。要求受付部46からの編集要求が、例えば第2表示画面15Bの編集要求であった場合は、画面編集情報管理部47から提供された各種診療データに基づいて、第2表示画面15Bが編集される。編集後の第1表示画面15Aまたは第2表示画面15Bは、配信制御部49によりクライアント端末12に配信される(ステップS230)。
クライアント端末12では、GUI制御部41により編集後の第1表示画面15Aまたは第2表示画面15Bがディスプレイ34Bに表示される(ステップS140)。各医療スタッフは、第2表示画面15Bを閲覧することで、各医療検査の検査結果および医療検査の結果報告である医用レポート26を一度に確認することができる。また、第2表示画面15Bの閲覧により、進捗状況情報50の検査の項目の当該医療スタッフの進捗状況が「未確認」であった場合は、画面編集情報管理部47により「確認済」に変更される。
要求受付部46からの編集要求が、患者リスト71に表示された患者を患者の種類で絞り込む編集要求であった場合は、患者の種類に応じた患者リスト71が生成される。項目表示欄76に表示される項目、および患者情報表示欄77に表示される患者が患者の種類に応じて異なる患者リスト71が生成されるので、患者の種類に応じた診療プロセスに関する情報の把握を円滑に進めることができる。
クライアント端末12は、医療スタッフによりログアウトの指示がされない間(ステップS150でNO)は、上記ステップS120〜ステップS140を繰り返す。同様に診療支援サーバ11も、ログアウトの指示が要求受付部46で受け付けられない間(ステップS240でNO)は、上記ステップS220、ステップS230を繰り返す。
なお、図20では1台のクライアント端末12と診療支援サーバ11の処理手順を示したが、実際には診療支援サーバ11は複数台のクライアント端末12からの配信要求や編集要求を受け付け、複数台のクライアント端末12に対する第1表示画面15Aの生成や第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの編集、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの配信を並行して行っている。
通常アイコン81Cで表される進捗状況は、上記第1実施形態の「未着手」、「未完了」、「確定」の3種類に限らない。同様に、小アイコン82で表される進捗状況も、上記第1実施形態の「未実施」、「未確認」、「確認済」の3種類に限らない。例えば「未完了」には、図7の患者ID「0000003210」の術前サマリの項目のように、別の疾患が見つかってその対策により診療プロセスを中断している場合等、何らかの障害があって止むを得ず中断している場合と、手術同意書の単なる提出待ち等、特に障害がない場合とがある。このため、「未完了」の進捗状況を、何らかの障害があって止むを得ず中断している場合の「中断」と、特に障害がない場合の「待ち」とに分けてもよい。
小アイコン82で表される進捗状況としては、上記の「未実施」、「未確認」、「確認済」に、図8のステップS11のオーダ確認後からステップS16のレポートアップ前までの期間の「実施中」を加えてもよい。また、図8のステップS14の検査結果アップ後からステップS16のレポートアップ前までの期間を「レポート作成中」としたり、図8のステップS14の検査結果アップ後からステップS15のレポート作成前までの期間を「画像未確認」としてもよい。
さらに、医療スタッフの種類に応じて、小アイコン82で表される進捗状況を変更し、進捗状況の表示を各医療スタッフで異ならせてもよい。例えば図21において、オーダを発行する医師の場合は、上段に示すようにステップS10のオーダ発行後からステップS11のオーダ確認前までの期間を「未実施」、ステップS11のオーダ確認後からステップS14の検査結果アップ前までの期間を「実施中」、ステップS14の検査結果アップ後からステップS16のレポートアップ前までの期間を「レポート作成中」、ステップS16のレポートアップ後からステップS17のレポート確認前までの期間を「未確認」、ステップS17のレポート確認後の期間を「確認済」とする。
一方、医用レポート26を作成する読影医の場合は、「未実施」、「実施中」は医師と同じとし、ステップS14の検査結果アップ後からステップS15のレポート作成前までの期間を「画像未確認」、ステップS15のレポート作成後の期間を「確認済」とする。このように医療スタッフの種類に応じて小アイコン82で表される進捗状況を変更することで、各医療スタッフに適したきめ細やかな進捗状況の表示が可能となる。通常アイコン81Cで表される進捗状況も、同様に医療スタッフの種類に応じて変更してもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、患者の種類および医療スタッフの種類に応じて患者リスト71が生成され、項目表示欄76に表示される項目が患者の種類および医療スタッフの種類に応じて異なるので、各医療スタッフは、自分が担当している患者の自分が実施する診療プロセスに関する情報を把握することはできるが、自分が関わらない診療プロセスがどうなっているのかが分からず、診療プロセスの流れを全体的に把握することができない。そこで、本実施形態では、医療スタッフが患者に対して実施する全ての診療プロセスの流れを時系列に配列したタイムラインを表示する。
例えば図22に示すように、X軸に沿って配列された患者毎のアイコン81の間にタイムライン115を挿入表示させる。タイムライン115は、左端が患者情報表示欄77に張り出した、X軸方向に延びる帯状をしており、一直線上に並べられた複数の診療プロセスコマ116に分割されている。
タイムライン115を拡大表示した図23に示すように、各診療プロセスコマ116には、左側から順に付される診療プロセス順を示す番号とともに、「入院準備 入院予約」、「入院完了」、「術前カンファレンス承認」、「絶食実施」等の各診療プロセスの項目名が表示される。「入院完了」、「術前カンファレンス承認」、「絶食実施」等の項目は、医師の場合に特化した上記第1実施形態の図13に示す項目表示欄76に表示される項目にはないものであり、看護師等の医師ではない医療スタッフが実施する診療プロセス項目である。
診療プロセスコマ116は、通常アイコン81Cおよび小アイコン82と同様に、診療プロセスの進捗状況を表示する。診療プロセスコマ116で表される進捗状況は、診療プロセスが完了していない状態である「未完了」、および診療プロセスが完了した状態である「確定」の2種類である。「未完了」は、上記第1実施形態の通常アイコン80Cで表される進捗状況「未着手」および「未完了」を両方含む概念である。「確定」は、上記第1実施形態の通常アイコン80Cで表される進捗状況「確定」と同じ概念である。
診療プロセスコマ116による進捗状況の表示は、図22および図23にてハッチングを施した診療プロセスコマ116Aおよびハッチングのない診療プロセスコマ116Bのように、例えば診療プロセスコマ116Aが赤色、診療プロセスコマ116Bが黄色というように、表示色を異ならせることで行う。診療プロセスコマ116Aは進捗状況が「確定」の場合、診療プロセスコマ116Bは進捗状況が「未完了」の場合である。
なお、タイムライン115の表示形態としては、図22に例示したアイコン81の間への挿入表示に限らない。例えば図24に示すように、タイムライン115を有するウィンドウ120を患者リスト71上にポップアップ表示してもよい。ウィンドウ120は、例えば患者情報表示欄77の患者情報にカーソル75を合せて、入力デバイス35Bのマウスを右クリックするか、あるいは患者情報にカーソル75をマウスオーバーすることで表示され、右クリックを解除したとき、あるいは患者情報からカーソル75を外したときに表示が消える。
タイムライン115の各診療プロセスコマ116は、図22のように一直線上に並べられておらず、「入院準備 入院予約」の診療プロセスコマ116に対する「入院完了」、「術前サマリ入力」の診療プロセスコマ116のように、所々分岐している。
図22のアイコン81の間にタイムライン115を挿入表示させた場合は、ログイン画面を通じて医療スタッフIDを入力した医療スタッフが実施する診療プロセスに関する情報を把握する目的で患者リスト71を閲覧する場合には邪魔になるが、右クリックやマウスオーバーといった特定の操作があった場合にのみ、タイムライン115を有するウィンドウ120をポップアップ表示させれば、診療プロセスの流れを全体的に把握したいときだけウィンドウ120を表示させれば済み、自分が実施する診療プロセスに関する情報を把握する目的で患者リスト71を閲覧する場合に邪魔にならない。また、図22の場合は、タイムライン115の分、患者リスト71の表示面積が圧迫されて、患者リスト71に一度に収まる患者の数が減ってしまうが、図24の場合は患者リスト71に一度に収まる患者の数が減ってしまうことはない。さらに、診療プロセスコマ116を所々分岐させることが可能なので、各診療プロセス間の関連性を表したい場合に好適である。
あるいは図25に示すように、第2表示画面15Bの上部にタイムライン115を表示してもよい。この場合も図24の場合と同様に、自分が実施する診療プロセスに関する情報を把握する目的で患者リスト71を閲覧する場合に邪魔にならない、患者リスト71に一度に収まる患者の数が減ってしまうことがないというメリットがある。なお、図25に例示する、「同意書 手術説明」の進捗状況が「未完了」で「術前検査」の進捗状況が「確定」しているタイムライン115のように、タイムライン115に表示される診療プロセスは、必ずしも順番に「確定」となるとは限らない。
このようにタイムライン115を表示することで、医療スタッフの各自が実施する診療プロセスの流れと、全体的な診療プロセスの流れの両方を労せずして把握することができる。また、診療プロセスコマ116で診療プロセスの進捗状況が表示されるので、自分が実施しない診療プロセスの進捗状況も把握することができ、次にどういった準備や診療プロセスを実施すべきかの予定がより立てやすくなる。
[第3実施形態]
本実施形態では、第1表示画面15Aの小アイコン82だけでなく、第2表示画面15Bにおいても、医療検査の進捗状況を表示する。
具体的には図26に示す超音波検査結果表示部96のように、進捗状況が図21に示すステップS14の検査結果アップ後からステップS15のレポート作成前までの期間の「画像未確認」である場合、進捗状況が「画像未確認」であることを示す画像未確認マーク125を表示する。画像未確認マーク125は、超音波検査の検査結果である超音波画像の大部分を覆い隠すサイズを有する。このため、図26に示す状態では画像未確認マーク125により超音波画像を確認することができない。この画像未確認マーク125がカーソル75で選択されると、画像未確認マーク125の表示が消えて超音波画像を確認することが可能となる。また、画像未確認マーク125がカーソル75で選択された場合、画面編集情報管理部47により進捗状況情報50の検査の項目の当該医療スタッフの進捗状況が「画像未確認」から「確認済」に変更される。
なお、第2表示画面15Bにおける進捗状況の表示形態としては、図26の画像未確認マーク125に限らない。例えば図27に示す超音波画像検査結果表示部96のように、進捗状況が「画像未確認」である場合に超音波画像の代わりにイラスト126を表示してもよい。イラスト126には、超音波画像が画像DB22Aにアップされた日付や超音波画像が未確認であることを示すコメントが表示される。
イラスト126がカーソル75で選択されると、イラスト126の代わりに超音波画像が表示され、超音波画像を確認することが可能となる。また、イラスト126がカーソル75で選択された場合、画面編集情報管理部47により進捗状況情報50の検査の項目の当該医療スタッフの進捗状況が「画像未確認」から「確認済」に変更される。
また、図28に示す超音波画像検査結果表示部96のように、進捗状況が「画像未確認」である場合にハッチングで示すように強調表示してもよい。強調表示の方法としては、進捗状況が「画像未確認」の医療検査の検査結果表示部(図28では超音波画像検査結果表示部96)の外枠を、進捗状況が「確認済」の他の医療検査の検査結果表示部(図28では単純X線検査結果表示部92および心電図検査結果表示部95)と異なる表示色とする(例えば前者は赤色、後者は灰色)、進捗状況が「画像未確認」の医療検査の検査結果表示部の外枠の表示色を周期的に変える、進捗状況が「画像未確認」の医療検査の検査結果表示部の外枠を、進捗状況が「確認済」の他の医療検査の検査結果表示部の外枠よりも太線で表示する、といった方法を採用することができる。
強調表示されている検査結果表示部がカーソル75で選択されると、強調表示が消える。また、強調表示されている検査結果表示部がカーソル75で選択された場合、画面編集情報管理部47により進捗状況情報50の検査の項目の当該医療スタッフの進捗状況が「画像未確認」から「確認済」に変更される。
この場合は図26の画像未確認マーク125や図27のイラスト126の場合のように検査結果は覆い隠されず、第2表示画面15Bを表示した時点で検査結果を確認することができる。このため、強調表示されている検査結果表示部がカーソル75で選択された場合ではなく、第2表示画面15Bが表示されたときに、進捗状況情報50の検査の項目を画面編集情報管理部47により「確認済」に変更させてもよい。
こうした画像未確認マーク125やイラスト126、検査結果表示部の強調表示により、第2表示画面15Bを表示したときに未確認の検査結果が一目で分かるので、当該検査結果に医療スタッフの注意を惹きつけることができ、未確認の検査結果を見過ごすミスを防ぐことができる。
図26〜図28では、検査結果表示部で医療検査の進捗状況を表す例を説明したが、図29に示すように、検査履歴表示部98で医療検査の進捗状況を表してもよい。
図29において、検査履歴表示部98には、患者が今までに受けた各種医療検査の履歴だけでなく、その日に実施する予定の、進捗状況が「未実施」の医療検査の情報(以下、実施予定検査情報という)130も表示される。実施予定検査情報130は検査履歴表示部98の最上部に表示される。実施予定検査情報130には、その日の日付、医療検査の種類、実施予定時刻とともに、未実施マーク131が表示される。実施予定時刻は、例えば検査技師が医療検査のオーダを確認した際にクライアント端末12を介して入力したものである。未実施マーク131は、医療検査の履歴よりも目立たせるために、「未実施」の文字を二重の太枠線で囲んだマークである。
このように第1表示画面15Aの小アイコン82だけでなく第2表示画面15Bにおいても医療検査の進捗状況を表すことで、未確認の検査結果の見落としや未実施の医療検査の見落としといったミスのさらなる低減に寄与することができる。
なお、例えば医療検査として心電図検査が実施されて、検査結果として心電図画像がカルテDB21Aにアップされた場合に、図30の上部に示すように、レイアウトデータ57により心電図検査結果表示部95が第2表示画面15Bに表示されない設定であった場合は、図30の下部に示すように、第2表示画面15Bを表示したときに自動的に心電図検査結果表示部95を追加表示してもよい。このように、表示されない設定の検査結果表示部を、検査結果のアップに応じて自動的に第2表示画面15Bに追加表示させることで、検査結果の確認し忘れを防止することができる。
[第4実施形態]
上記各実施形態では、診療プロセスに関する文字情報や診療プロセスの進捗状況をアイコン81に表示しているが、その日に実施する診療プロセスの注意点や、毎日決まって実施する診療プロセス(ルーチンワーク)の確認といったこまごまとした備忘録(メモ)は表示されない。そこで本実施形態では、こうした備忘録を登録する機能を設けておき、特定の操作によりこの備忘録を第1表示画面15Aに表示させる。
備忘録を登録する機能としては、例えば図31に示すように、患者情報表示欄77の各患者情報に備忘録登録ボタン135を設けておき、この備忘録登録ボタン135をカーソル75で選択することで、医療スタッフが手動で備忘録を登録するためのウィンドウ(図示せず)を第1表示画面15A上にポップアップ表示させることで実現することが可能である。登録された備忘録は、例えば画面編集情報管理部47によりスタッフ情報52に記録させておく。
図31において、備忘録が登録された患者の患者情報表示欄77の患者情報(この場合は患者ID「0123456789」の患者の患者情報)には、備忘録表示マーク136が表示される。
図32に示すように、備忘録表示マーク136がカーソル75で選択されるか、備忘録表示マーク136にカーソル75がマウスオーバーされた場合、備忘録表示ウィンドウ137が備忘録表示マーク136の横にポップアップ表示される。備忘録表示ウィンドウ137には、「バイタル測定指示」、「DR検査結果確認」等の医療スタッフが登録した備忘録の内容と、チェックボックス138が表示される。チェックボックス138は、備忘録で示される診療プロセスを実施し終えたときに、医療スタッフ自らがチェックを入れて診療プロセスを実施し終えたことを確認するために設けられている。備忘録表示ウィンドウ137は、備忘録表示マーク136が再度カーソル75で選択されるか、備忘録表示マーク136からカーソル75が外れたときに表示が消える。
備忘録の表示形態としては、図32に示す備忘録表示ウィンドウ137に限らない。図33に示すように、患者リスト71に備忘録用の項目(図33では「ToDo」と表記)を設け、この備忘録用の項目と各患者情報との交点に、備忘録表示アイコン81Dを配してもよい。備忘録表示アイコン81Dには、図32の備忘録表示ウィンドウ137と同じく、備忘録の内容とチェックボックス138が表示される。備忘録表示アイコン81Dに全ての備忘録の内容が表示しきれない場合は、図33に示すように「・・・」の記号が表示される。
備忘録表示アイコン81Dがカーソル75で選択されるか、備忘録表示アイコン81Dにカーソル75がマウスオーバーされた場合、図34に示すように、備忘録表示アイコン81Dを拡大した拡大備忘録表示アイコン81Eが表示される。拡大備忘録表示アイコン81Eには、備忘録表示アイコン81Dで表示しきれなかった備忘録の内容も含めて、全ての備忘録の内容が表示される。また、拡大備忘録表示アイコン81Eには、図32の備忘録表示ウィンドウ137、図33の備忘録表示アイコン81Dと同じく、チェックボックス138が表示される。
このように備忘録を登録、表示する機能をもたせることで、その日に実施する診療プロセスの注意点やルーチンワークを医療スタッフが簡単に確認することができる。また、実施しなければならない診療プロセスがあることを医療スタッフに常に意識させることができる。さらに、チェックボックス138を設けることにより、診療プロセスを実施し終えたか否かが一目で分かる。
図31および図32では、備忘録表示マーク136の選択や備忘録表示マーク136へのマウスオーバーといった特定の操作があった場合にのみ、備忘録表示ウィンドウ137をポップアップ表示させるので、備忘録の内容を確認したいとき以外は邪魔にならない。また、項目表示欄76の幅が横軸Xに不必要に広がることが防がれる。一方、図33および図34では、備忘録表示アイコン81Dおよび拡大備忘録表示アイコン81Eで備忘録の内容を表示するので、備忘録の内容を確認しやすい。
なお、備忘録は医療スタッフが手動で登録するとして説明したが、これに代えて、あるいは加えて、患者の種類や医療スタッフの種類に応じた複数種類の備忘録を予め用意しておいてもよい。例えば医療スタッフが検査技師であれば、オーダ確認、検査器具の用意、患者の確認といった検査前のルーチンワークを予め備忘録として用意しておき、その日に検査予定の患者に対して、用意した備忘録の内容が表示された備忘録表示ウィンドウ137または備忘録表示アイコン81Dを表示する。
上記第1実施形態では、医療検査という同じカテゴリの診療プロセスの進捗状況を表す小アイコン82を有する特殊アイコン81Bを例示したが、1つの特殊アイコン81Bに含まれる複数の小アイコン82は、必ずしも同じカテゴリの複数の診療プロセスの進捗状況を表すものでなくてもよい。ただし、小アイコン82が同じカテゴリの複数の診療プロセスの進捗状況を表すものでない場合は、小アイコン82同士に関連性がないために進捗状況の表示が分かりにくくなるので、1つの特殊アイコン81Bに含まれる複数の小アイコン82は、同じカテゴリの複数の診療プロセスの進捗状況を表すものであることが好ましい。
なお、同じカテゴリの診療プロセスの他の例としては、麻酔同意書、手術同意書の両診療プロセスが挙げられる。また、患者の心拍、脈拍、血圧、体温等の複数のバイタルサインを測定する診療プロセスでもよい。
上記第1実施形態では、患者情報表示欄77の各患者情報がカーソル75で選択された場合に、第2表示画面15Bを表示させるとしているが、通常アイコン81C、あるいは小アイコン82をカーソル75で選択可能とし、通常アイコン81C、あるいは小アイコン82の選択を契機に第2表示画面15Bを表示させてもよい。
医療スタッフの種類としては、医師、検査技師、看護師、管理栄養士の他に、患者のリハビリテーションを扶助する理学療法士や、薬剤の調剤や患者への薬剤の服用指導を行う薬剤師等を含めてもよい。また、図21で例示したように、医師をさらに患者を診察する診察医と医用レポート26を作成する読影医とに分けたり、検査技師をさらに放射線検査技師と超音波検査技師に分ける等、役割に応じて医療スタッフの種類を細分化してもよい。
上記第1実施形態では、患者リスト71に表示される項目、および患者識別情報を、各医療スタッフがそれぞれ担当している患者および診療プロセスに応じて異ならせているが、表示される項目、または患者識別情報のうちの少なくとも1つを異ならせてもよい。また、患者リスト71に表示される項目、および患者識別情報を、各患者の種類に応じて異ならせているが、表示される項目、または患者識別情報のうちの少なくとも1つを異ならせてもよい。
小アイコン82で進捗状況を表す医療検査は、画像検査、検体検査、および生理検査の全ての検査ではなく、これらのうちの少なくとも1つであってもよい。また、患者の種類に、在宅介護を受けている「在宅介護患者」を追加してもよい。
上記第1実施形態では、本発明の診療支援装置を、配信要求に応じてクライアント端末12に第1表示画面15Aを配信する診療支援サーバ11の形態で説明したが、図35に示すように、クライアント端末12を診療支援装置として機能させてもよい。なお、図35においては、上記第1実施形態と共通の部位については共通の符号を示し、説明を省略する。
図35の場合と上記第1実施形態との相違点は、クライアント端末12のストレージデバイス30Bに作動プログラム45を記憶しておき、作動プログラム45をクライアント端末12のCPU32Bが実行することにより、CPU32Bが画面編集情報管理部47および画面編集部48として機能する点、および画面編集情報16をストレージデバイス30Bに記憶する点である。
この場合、要求発行部42は、画面編集情報管理部47に各種処理要求を発行する。画面編集情報管理部47は、サーバ群13に直接アクセスして診療データを取得し、取得した診療データに基づいて、ストレージデバイス30B内の進捗状況情報50および格納先情報51を更新する。
画面編集部48は、ストレージデバイス30B内の画面編集情報16に基づいて第1表示画面15Aを生成し、これをGUI制御部41に受け渡す。GUI制御部41は、第1表示画面15Aをディスプレイ34Bに表示させる。画面編集部48は、要求発行部42が発行した編集要求に基づいて、第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bの表示内容を編集する。このように、診療支援装置は、上記第1実施形態の診療支援サーバ11の形態に限らず、図35のように、クライアント端末12が担ってもよい。
上記第1実施形態では、画面編集情報管理部47がサーバ群13に対して定期的に診療データの取得要求を発行し、この取得要求に応じてサーバ群13から送信された診療データを取得しているが、本発明はこれに限定されない。第1表示画面15Aおよび第2表示画面15Bを生成、編集するタイミングで、画面編集情報管理部47が診療データの取得要求を発行してもよい。この場合は診療支援サーバ11は画面編集情報DB11Aをもたなくともよく、サーバ群13から送信された診療データを取得する度に画面編集情報16の進捗状況情報50および格納先情報51を生成する。また、画面編集情報管理部47から取得要求を発行するのではなく、例えば診療データが更新されたときに、更新された診療データをサーバ群13から自動的に送信してもよい。
また、例えば、第1表示画面15Aの生成は診療支援サーバ11で行い、編集はクライアント端末12で行うというように、診療支援装置の機能のうちの一部を診療支援サーバ11に担わせて、他の一部をクライアント端末12に担わせる形態でもよい。この場合には、クライアント端末12と診療支援サーバ11で構成されるコンピュータシステムが、診療支援システムとして機能する。このように、本発明の診療支援装置および診療支援システムは、種々の態様で実現することができる。
また、診療支援サーバ11、クライアント端末12等のコンピュータシステムのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、処理能力や信頼性の向上を目的として、診療支援サーバ11をハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することも可能である。このように、コンピュータシステムのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。
さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム45等のアプリケーションプログラムについても、安全性や信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
また、上記第1実施形態では、診療支援サーバ11およびクライアント端末12が、1つの医療施設内で利用される形態で説明したが、例えば、1つの診療支援サーバ11を、医療施設外のデータセンタに設置して、診療支援サーバ11のデータ配信サービス等のアプリケーションサービスを、複数の医療施設のクライアント端末12で利用可能な形態としてもよい。
この場合には、診療支援サーバ11は、例えば、インターネットや公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)を介して、複数の医療施設に設置されるクライアント端末12と通信可能に接続される。そして、診療支援サーバ11は、複数の医療施設のクライアント端末12からの処理要求を受け付けて、各クライアント端末に対して第1表示画面15Aの配信等のアプリケーションサービスを提供する。
データセンタおよび診療支援サーバ11の設置場所や運営主体は、例えば複数の医療施設のうちの1つでもよいし、医療施設とは別の独立したサービス会社であってもよい。また、ネットワーク等のWANを利用する場合には、情報セキュリティを考慮して、VPN(Virtual Private Network)を構築したり、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等のセキュリティレベルの高い通信プロトコルを使用することが好ましい。
本発明は、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。また、上述の種々の実施形態や種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にもおよぶ。