以下、本発明の一実施の形態に係る鞍乗り型車両について図面を用いて説明する。以下の説明においては、鞍乗り型車両の一例として自動二輪車を説明する。本実施の形態に係る鞍乗り型車両は、左方向のコーナリング時に左に車体をバンクさせ、右方向のコーナリング時に右に車体をバンクさせる車両である。
(1)自動二輪車の概略構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す左側面図である。図2は、図1の自動二輪車200を示す正面図である。図1および図2では、自動二輪車200が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1および図2以降の各図においては、自動二輪車200の前後方向L、左右方向Wおよび上下方向Hが矢印で示される。
以下の説明では、前後方向Lにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。左右方向Wにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。上下方向Hにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。各図においては、前方、後方、左方、右方、上方および下方が、それぞれ符号FO,BA,LE,RI,UP,LOで示される。なお、ここでの方向は、自動二輪車200上の乗員の向きを基準として定義されている。
図1に示すように、自動二輪車200は、前後方向に延びる車体フレーム210を備える。車体フレーム210は、メインフレーム211およびリアフレーム212を含む。メインフレーム211は上方かつ前方に延びる形状を有する。メインフレーム211の後部は下方に屈曲する。リアフレーム212は、後方に延びるようにメインフレーム211の前後方向Lにおける中央部および後部に取り付けられる。
メインフレーム211の前端には、下方かつ前方に延びるヘッドパイプ213が設けられる。ヘッドパイプ213の前方には、ヘッドランプ装置100が設けられる。ヘッドランプ装置100の詳細については後述する。図2に示すように、左方向指示灯261および右方向指示灯262が、ヘッドランプ装置100から左方および右方にそれぞれ突出するように設けられる。また、左方向指示灯263および右方向指示灯264が、後述するリアカバー244から左方および右方にそれぞれ突出するように設けられる。
図1に示すように、ヘッドパイプ213には、フロントフォーク装置220が左右方向に回動可能に取り付けられる。図2に示すように、フロントフォーク装置220は、ステアリングシャフト(ステムシャフト)221、左フォークパイプ222、右フォークパイプ223、ハンドル部材224、アンダーブラケット225、アッパーブラケット226および前輪227を含む。
ステアリングシャフト221は、下方かつ前方に延びるようにヘッドパイプ213に挿入される。左フォークパイプ222および右フォークパイプ223は、ステアリングシャフト221の左方および右方にそれぞれ配置される。左フォークパイプ222および右フォークパイプ223は、アンダーブラケット225およびその上方のアッパーブラケット226によりステアリングシャフト221に接続される。
前輪227は、左フォークパイプ222の下部と右フォークパイプ223の下部との間に回転可能に支持される。ハンドル部材224は、左ハンドル224Lおよび右ハンドル224Rを含む。ハンドル部材224は、左フォークパイプ222および右フォークパイプ223に接続される。フロントフォーク装置220は、ハンドル部材224が操作されることによりヘッドパイプ213に対して回動する。
図1に示すように、メインフレーム211の下端部近傍にはエンジン230が設けられる。エンジン230の吸気ポートに吸気管231の一端が取り付けられ、エンジン230の排気ポートに排気管232の一端が取り付けられる。排気管232の他端にマフラー233が取り付けられる。
リアフレーム212はエンジン230の上部に位置する。エンジン230の上方の位置で燃料タンク234がリアフレーム212により支持される。燃料タンク234の後方の位置で、シート240がリアフレーム212により支持される。本例のシート240は、2人の乗員の2つの着座部が一体成形されたシートである。自動二輪車200を操作する乗員はシート240の前方部分に座ることができる。また、自動二輪車200を操作しない乗員はシート240の後方部分に座ることができる。
メインフレーム211の下部から後方へ延びるようにリアアーム250が設けられる。リアアーム250の前端部は、支持軸250sを介してメインフレーム211に取り付けられる。リアアーム250の後端部は、後輪251および後輪ドリブンスプロケット251sを回転可能に保持する。後輪ドリブンスプロケット251sにはチェーン252が取り付けられる。
自動二輪車200の左右方向Wにおいてリアフレーム212の外側を覆うように左サイドカバー242および右サイドカバー243が取り付けられる。また、リアフレーム212の下部には、後輪251の上方から後輪251の上部全体を覆うようにリアカバー244が取り付けられる。
図1に示すように、メインフレーム211には、制御装置270が設けられる。制御装置270は、例えばECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)である。制御装置270は、マイクロコンピュータであってもよい。制御装置270は、ヘッドランプ装置100を含む電子装置を制御する。
また、メインフレーム211には、鉛直方向に対する車体フレーム210のバンク角を検出する検出部280が設けられる。検出部280は、傾斜検出センサおよび算出部を含む。傾斜検出センサは、例えば三軸角速度センサである。傾斜検出センサは、例えば角速度センサであってもよいし、他の種類の傾斜検出センサであってもよい。
ハンドル部材224における左ハンドル224L近傍の部分には、操作部224sが設けられる。操作部224sは、ヘッドランプ装置100の動作モードを指定するためのスイッチを含む。乗員は、操作部224sを操作することにより、ヘッドランプ装置100の動作モードをロービームモードとハイビームモードとの間で切り替えることができる。
(2)ヘッドランプ装置
図3は、ヘッドランプ装置100の構成を示す模式図である。図3に示すように、ヘッドランプ装置100は、光源110、回転シャフト120、遮光部材130、回転駆動部140、制御部150、反射部材160およびレンズ170を含む。
光源110は、ハロゲンランプであってもよいし、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)であってもよいし、ライトバルブであってもよいし、それら以外の発光体であってもよい。反射部材160は、光源110からの光を前方に反射するように配置される。レンズ170は、例えば凸レンズである。レンズ170は、反射部材160により反射された光を集光する。この場合、光源110からの光がレンズ170により集光されるので、ヘッドランプ装置100の配光を効率よく制御することができる。
光源110の前方でかつレンズ170の後方に回転シャフト120が配置される。回転シャフト120は左右方向W(図2)に延びる。遮光部材130は、例えば樹脂により形成される。遮光部材130は、反射部材160により反射された光の一部をその外周面により遮るように配置される。また、遮光部材130は、回転シャフト120の周りで回転可能である。遮光部材130の詳細については後述する。
回転駆動部140は、アクチュエータ141および回転量計測器142からなる。アクチュエータ141は、例えばモータを含む。回転量計測器142は、例えばポテンショメータまたはロータリエンコーダを含む。回転駆動部140は、例えばステッピングモータであってもよい。回転駆動部140は、左右方向W(図2)に延びる回転軸Axを中心として遮光部材130を互いに逆の2つの回転方向に回転させるように配置される。
制御部150は、例えばCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)およびメモリを含む。制御部150は、例えばマイクロコンピュータであってもよい。制御部150は、図1の制御装置270に接続される。制御部150の機能は、制御装置270により実現されてもよい。この場合、ヘッドランプ装置100に制御部150は設けられない。制御部150は、図1の検出部280により検出されるバンク角に基づいて遮光部材130が回転するように回転駆動部140を制御する。
図4(a),(b)は、ヘッドランプ装置100の第1の構成例を示す模式的横断面図である。図4(a)は、回転シャフト120、遮光部材130および回転駆動部140が配置されない場合のヘッドランプ装置100を示す。図4(a),(b)の例においては、光源221は、例えばハロゲンランプであり、全方位に向けて光を出射する。
図4(a),(b)に示すように、反射部材160は、一部に略楕円形の横断面を有し、前方に向かって開口するリフレクタである。反射部材160の内面に反射面が形成される。反射部材160は2つの焦点F1,F2を有する。2つの焦点F1,F2は、前後方向L(図2)に並び、かつ焦点F1は焦点F2の前方に位置する。光源110は、後方の焦点F2に配置される。レンズ170は、前方の焦点F1よりも前方に配置される。
図4(b)に示すように、遮光部材130の回転シャフト120は、反射部材160の焦点F1よりもわずかに後方かつ下方に配置される。以下、ヘッドランプ装置100の第1の構成例における遮光部材130の位置を、第1の位置と呼ぶ。
この配置においては、光源110から全方位に光が出射される。光源110から出射された光は、反射部材160により前方に反射される。反射部材160により反射された光は、遮光部材130の上方を通過した後、焦点F1を通過する。ここで、反射部材160により反射された光の一部は、遮光部材130より遮られる。焦点F1を通過した光は、レンズ170により集光され、略平行化されて自動二輪車200の前方に出射される。
図5(a),(b)は、ヘッドランプ装置100の第2の構成例を示す模式的横断面図である。図5(a)は、回転シャフト120、遮光部材130および回転駆動部140が配置されない場合のヘッドランプ装置100を示す。図5(a),(b)の例においては、光源221は、例えばLEDであり、下方に光を出射するように配置される。
図5(a),(b)に示すように、反射部材160は、曲面部161および平面部162を有する。曲面部161と平面部162とは一体的に形成されてもよいし、別体として形成されてもよい。曲面部161は、光源110の下方に位置する。曲面部161は、前上方を向くように湾曲した反射面を有する。平面部162は、光源110の前方に位置する。平面部162は、下方を向く平面状の反射面を有する。平面部162は、曲面部161により前上方に反射された光の一部を前方に反射する。曲面部161および平面部162により光源110の前方に焦点F1が形成される。
図5(b)に示すように、遮光部材130の回転シャフト120は、反射部材160の焦点F1よりもわずかに前方かつ上方に配置される。以下、ヘッドランプ装置100の第2の構成例における遮光部材130の位置を、第2の位置と呼ぶ。
この配置においては、光源110から下方に光が出射される。光源110から出射された光は、反射部材160の曲面部161および平面部162により前方に反射される。反射部材160により反射された光は、焦点F1を通過した後、遮光部材130の下方を通過する。ここで、反射部材160により反射された光の一部は、遮光部材130より遮られる。回転シャフト120の下方を通過した光は、レンズ170により集光され、略平行化されて自動二輪車200の前方に出射される。
(3)遮光部材
(a)全体構成
図6および図7は、遮光部材130の形状を説明するための図である。図6(a)および図7(a)は、それぞれ遮光部材130の左側面図および右側面図を示す。図6(b)および図7(b)は、それぞれ遮光部材130の正面図および背面図を示す。図6(a)および図6(b)に示すように、遮光部材130は、回転軸Axを中心とする互いに逆の回転方向R1,R2に回転可能に配置される。
図6(b)および図7(b)に示すように、遮光部材130は、左右方向Wに並ぶ左遮光面130Lおよび右遮光面130Rを有する。左遮光面130Lおよび右遮光面130Rは、光源110(図3)からの光の一部を遮光可能に配置される。本実施の形態においては、左右方向Wにおける左遮光面130Lの左端と右遮光面130Rの右端との間の長さは、回転シャフト120の位置における光の左右方向Wの広がりよりも大きい。
図6(a)に示すように、左遮光面130Lは、2つの左遮光部分131L,132Lおよび左平面133Lを含む。図7(a)に示すように、右遮光面130Rは、2つの右遮光部分131R,132Rおよび右平面133Rを含む。図6および図7においては、左遮光部分131Lが第1のドットパターンで図示され、左遮光部分132Lが太い実線で図示され、左平面133Lが太い点線で図示される。また、右遮光部分131Rが第2のドットパターンで図示され、右遮光部分132Rが太い一点鎖線で図示され、右平面133Rが太い二点鎖線で図示される。
また、左遮光面130Lは、複数(本例では(N+p)個)の左稜線134Lを有する。ここで、Nは2以上の整数であり、pは1以上の整数である。(N+p)個の左稜線134Lをそれぞれ左稜線134L1〜134LN+pと呼ぶ。同様に、右遮光面130Rは、複数(本例では(M+q)個)の右稜線134Rを有する。ここで、Mは2以上の整数であり、qは1以上の整数である。(M+q)個の右稜線134Rをそれぞれ右稜線134R1〜134RM+qと呼ぶ。以下、左遮光面130Lおよび右遮光面130Rのそれぞれの形状について説明する。
(b)左遮光面
左稜線134L1〜134LN+pの配置を説明するために、左遮光面130Lの範囲内に位置しかつ回転軸Axに直交する2つの左断面135L,136Lを定義する。左断面136Lは、左断面135Lよりも右方に位置する。図8(a),(b)は、それぞれ図6(b)の遮光部材130のA−A線断面図およびB−B線断面図である。
図8(a)には、遮光部材130の左断面135Lが現われ、図8(b)には、遮光部材130の左断面136Lが現われている。本例においては、左断面135L,136Lは、左遮光面130Lのそれぞれ左端近傍および右端近傍に定義される。そのため、左断面135Lは左遮光面130Lの左端面と略等しい形状を有する。左断面136Lは、右遮光面130Rとの境界における左遮光面130Lの断面と略等しい形状を有する。
図8(a),(b)に示すように、左稜線134L1〜134LNは、左右方向Wに延びかつこの順で回転方向R1に並ぶ。左断面135Lにおける左稜線134L1と回転軸Axとの間の距離LL1は、左断面136Lにおける左稜線134L1と回転軸Axとの間の距離LR1と等しい。左断面135Lにおける左稜線134Liと回転軸Axとの間の距離LL2は、左断面136Lにおける左稜線134Liと回転軸Axとの間の距離LR2よりも小さい。ここで、iは2〜Nの整数である。
左断面135Lにおいて、左稜線134Liと回転軸Axとの間の距離LL2は、左稜線134Li―1と回転軸Axとの間の距離LL3よりも小さい。左断面136Lにおいて、左稜線134Liと回転軸Axとの間の距離LR2は、左稜線134Li―1と回転軸Axとの間の距離LR3と等しい。
左断面135Lにおいて、左稜線134Liから回転軸Axまでを結ぶ直線と左稜線134Li―1から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθL1とする。左断面135Lにおいて、左稜線134Li―1から回転軸Axまでを結ぶ直線と左稜線134Li―2から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθL2とする。
左断面136Lにおいて、左稜線134Liから回転軸Axまでを結ぶ直線と左稜線134Li―1から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθL3とする。左断面136Lにおいて、左稜線134Li―1から回転軸Axまでを結ぶ直線と左稜線134Li―2から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθL4とする。
左断面135Lにおいて、角度θL1は角度θL2よりも小さい。左断面136Lにおいて、角度θL3は角度θL4と等しい。また、左断面135Lにおける角度θL1は、左断面136Lにおける角度θL3よりも小さい。左断面135Lにおける角度θL2は、左断面136Lにおける角度θL4よりも小さい。
上記の条件を満たす左稜線134L1〜134LNが決定される。決定された遮光部材130の左稜線134Liは、左稜線134Li−1に対して捩れている。左稜線134L1〜134LNを含む連続的な曲面(スプライン曲面)が、左遮光面130Lの左遮光部分131Lとして形成される。左稜線134L1〜134LNの好ましい決定方法の詳細については後述する。
他の左稜線134Lの配置について説明する。図8(a),(b)に示すように、左稜線134LN+1〜134LN+pは、左稜線134L1から回転方向R2にこの順で並びかつ左稜線134L1と平行に配置される。左断面135Lにおける左稜線134LN+nと回転軸Axとの間の距離LL4は、左断面136Lにおける左稜線134LN+nと回転軸Axとの間の距離LR4と等しい。ここで、nは1〜pの整数である。左稜線134L1および上記の左稜線134LN+1〜134LN+pを含む部分円筒面が左遮光面130Lの左遮光部分132Lとして形成される。
図6(a),(b)に示すように、左平面133Lは、回転軸Axに関して左稜線134L1と反対側に位置する。また、左平面133Lは、回転軸Axに平行に配置される。左稜線134L2〜134LNは、回転方向R1において左稜線134L1から左平面133Lまでの領域に配置される。
図8(a),(b)に示すように、左断面135L,136Lにおいて、左平面133Lは、左稜線134L1と回転軸Axとを通る直線L1に直交する。また、図6(a)に示すように、左平面133Lと回転軸Axとの間の最短距離Lbは、左稜線134L1と回転軸Axとの間の最短距離Laよりも小さい。
(c)右遮光面
右稜線134R1〜134RM+qの配置を説明するために、右遮光面130Rの範囲内に位置しかつ回転軸Axに直交する2つの右断面135R,136Rを定義する。右断面136Rは、右断面135Rよりも左方に位置する。図9(a),(b)は、それぞれ図7(b)の遮光部材130のC−C線断面図およびD−D線断面図である。
図9(a)には、遮光部材130の右断面135Rが現われ、図9(b)には、遮光部材130の右断面136Rが現われている。本例においては、右断面135R,136Rは、右遮光面130Rのそれぞれ右端近傍および左端近傍に定義される。そのため、右断面135Rは右遮光面130Rの右端面と略等しい形状を有する。右断面136Rは、左遮光面130Lとの境界における右遮光面130Rの断面と略等しい形状を有する。
図9(a),(b)に示すように、右稜線134R1〜134RMは、右左方向Wに延びかつこの順で回転方向R2に並ぶ。右断面135Rにおける右稜線134R1と回転軸Axとの間の距離RR1は、右断面136Rにおける右稜線134R1と回転軸Axとの間の距離RL1と等しい。右断面135Rにおける右稜線134Rjと回転軸Axとの間の距離RR2は、右断面136Rにおける右稜線134Rjと回転軸Axとの間の距離RL2よりも小さい。ここで、jは2〜Mの整数である。
右断面135Rにおいて、右稜線134Rjと回転軸Axとの間の距離RR2は、右稜線134Rj―1と回転軸Axとの間の距離RR3よりも小さい。右断面136Rにおいて、右稜線134Rjと回転軸Axとの間の距離RL2は、右稜線134Rj―1と回転軸Axとの間の距離RL3と等しい。
右断面135Rにおいて、右稜線134Rjから回転軸Axまでを結ぶ直線と右稜線134Rj―1から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθR1とする。右断面135Rにおいて、右稜線134Rj―1から回転軸Axまでを結ぶ直線と右稜線134Rj―2から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθR2とする。
右断面136Rにおいて、右稜線134Rjから回転軸Axまでを結ぶ直線と右稜線134Rj―1から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθR3とする。右断面136Rにおいて、右稜線134Rj―1から回転軸Axまでを結ぶ直線と右稜線134Rj―2から回転軸Axまでを結ぶ直線とのなす角度をθR4とする。
右断面135Rにおいて、角度θR1は角度θR2よりも小さい。右断面136Rにおいて、角度θR3は角度θR4と等しい。また、右断面135Rにおける角度θR1は、右断面136Rにおける角度θR3よりも小さい。右断面135Rにおける角度θR2は、右断面136Rにおける角度θR4よりも小さい。
上記の条件を満たす右稜線134R1〜134RMが決定される。決定された右稜線134Rjは、右稜線134Rj−1に対して捩れている。右稜線134R1〜134RMを含む連続的な曲面(スプライン曲面)が、右遮光面130Rの右遮光部分131Rとして形成される。右稜線134R1〜134RMの好ましい決定方法の詳細については後述する。
他の右稜線134Rの配置について説明する。図9(a),(b)に示すように、右稜線134RM+1〜134RM+qは、右稜線134R1から回転方向R1にこの順で並びかつ右稜線134R1と平行に配置される。右断面135Rにおける右稜線134RM+mと回転軸Axとの間の距離RR4は、右断面136Rにおける右稜線134RM+mと回転軸Axとの間の距離RL4と等しい。ここで、mは1〜qの整数である。右稜線134R1および上記の右稜線134RM+1〜134RM+qを含む部分円筒面が右遮光面130Rの右遮光部分132Rとして形成される。
図7(a),(b)に示すように、右平面133Rは、回転軸Axに関して右稜線134R1と反対側に位置する。また、右平面133Rは、回転軸Axに平行に配置される。右稜線134R2〜134RMは、回転方向R2において右稜線134R1から右平面133Rまでの領域に配置される。
図9(a),(b)に示すように、右断面135R,136Rにおいて、右平面133Rは、右稜線134R1と回転軸Axとを通る直線L2に直交する。また、図7(a)に示すように、右平面133Rと回転軸Axとの間の最短距離Rbは、右稜線134R1と回転軸Axとの間の最短距離Raよりも小さい。なお、本例においては、距離Ra,Rbは、図6(a)の距離La,Lbにそれぞれ等しい。
(d)左遮光面と右遮光面との接続部
図6(b)および図7(b)に示すように、本実施の形態においては、左稜線134L1と右稜線134R1とは互いに連続する。また、左平面133Lと右平面133Rとは互いに連続する。
さらに、本実施の形態においては、整数N,Mは互いに等しく、整数p,qは互いに等しい。図7(b)に示すように、左稜線134LN+1〜134LN+pの右端は、右稜線134R2〜134Rp+1の左端にそれぞれ接続される。また、図6(b)に示すように、右稜線134RM+1〜134RM+qの左端は、左稜線134L2〜134Lq+1の右端にそれぞれ接続される。
(4)左稜線および右稜線の決定方法
図10は、左稜線134L1〜134LNの好ましい決定方法を説明するための図である。図10に示すように、左右方向Wに延びかつ回転軸Axを中心線とする左仮想円柱137Lを定義する。また、回転軸Axの周りで回転方向R1に並ぶN個の左仮想平面138Lを定義する。N個の左仮想平面138Lをそれぞれ左仮想平面138L1〜138LNと呼ぶ。図10においては、左仮想平面138L1〜138L4が、実線、点線、一点鎖線および二点鎖線で図示される。以下の図11および図12においても同様である。
図11および図12は、左仮想平面138L1〜138LNの配置を説明するための図である。図11(a)に示すように、左仮想平面138L1は、左仮想円柱137Lの接平面である。左仮想円柱137Lへの接触部分として左仮想平面138L1上に現われる直線が左稜線134L1として決定される。
図11(b)に示すように、左仮想平面138L1の回転および傾斜により左仮想平面138L2が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に左仮想平面138L1を回転方向R1に第1の角度回転させる。また、回転軸Axに対する左仮想平面138L2の角度が回転軸Axに対する左仮想平面138L1の角度よりも第2の角度大きくなるように左仮想平面138L1の左端を回転軸Axに近づける。左仮想平面138L2と左仮想平面138L1との交線が左稜線134L2として決定される。図11(b)においては、左稜線134L2は点線で図示されている。図12(a),(b)においても同様である。
図12(a)に示すように、左仮想平面138L2の回転および傾斜により左仮想平面138L3が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に左仮想平面138L2を回転方向R1に第1の角度回転させる。また、回転軸Axに対する左仮想平面138L3の角度が回転軸Axに対する左仮想平面138L2の角度よりも第2の角度大きくなるように左仮想平面138L2の左端を回転軸Axに近づける。左仮想平面138L3と左仮想平面138L2との交線が左稜線134L3として決定される。図12(a)においては、左稜線134L3は一点鎖線で図示されている。図12(b)においても同様である。
図12(b)に示すように、左仮想平面138L3の回転および傾斜により左仮想平面138L4が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に左仮想平面138L3を回転方向R1に第1の角度回転させる。また、回転軸Axに対する左仮想平面138L4の角度が回転軸Axに対する左仮想平面138L3の角度よりも第2の角度大きくなるように左仮想平面138L3の左端を回転軸Axに近づける。左仮想平面138L4と左仮想平面138L3との交線が左稜線134L4として決定される。図12(b)においては、左稜線134L4は二点鎖線で図示されている。
このように、左仮想平面138Li−1の回転および傾斜により左仮想平面138Liが得られる。左仮想平面138Liと左仮想平面138Li−1との交線が左稜線134Liとして決定される。本実施の形態においては、第1の角度は例えば10度であり、第2の角度は例えば2度である。
図13は、右稜線134R1〜134RMの好ましい決定方法を説明するための図である。図13に示すように、左右方向Wに延びかつ回転軸Axを中心線とする右仮想円柱137Rを定義する。また、回転軸Axの周りで回転方向R2に並ぶM個の右仮想平面138Rを定義する。M個の右仮想平面138Rをそれぞれ右仮想平面138R1〜138RMと呼ぶ。図13においては、右仮想平面138R1〜138R4が、実線、点線、一点鎖線および二点鎖線で図示される。以下の図14および図15においても同様である。
図14および図15は、右仮想平面138R1〜138RMの配置を説明するための図である。図14(a)に示すように、右仮想平面138R1は、右仮想円柱137Rの接平面である。右仮想円柱137Rへの接触部分として右仮想平面138R1上に現われる直線が右稜線134R1として決定される。
図14(b)に示すように、右仮想平面138R1の回転および傾斜により右仮想平面138R2が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に右仮想平面138R1を回転方向R2に第3の角度回転させる。また、回転軸Axに対する右仮想平面138R2の角度が回転軸Axに対する右仮想平面138R1の角度よりも第4の角度大きくなるように右仮想平面138R1の右端を回転軸Axに近づける。右仮想平面138R2と右仮想平面138R1との交線が右稜線134R2として決定される。図14(b)においては、右稜線134R2は点線で図示されている。図15(a),(b)においても同様である。
図15(a)に示すように、右仮想平面138R2の回転および傾斜により右仮想平面138R3が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に右仮想平面138R2を回転方向R2に第3の角度回転させる。また、回転軸Axに対する右仮想平面138R3の角度が回転軸Axに対する右仮想平面138R2の角度よりも第4の角度大きくなるように右仮想平面138R2の右端を回転軸Axに近づける。右仮想平面138R3と右仮想平面138R2との交線が右稜線134R3として決定される。図15(a)においては、右稜線134R3は一点鎖線で図示されている。図15(b)においても同様である。
図15(b)に示すように、右仮想平面138R3の回転および傾斜により右仮想平面138R4が得られる。具体的には、回転軸Axを中心に右仮想平面138R3を回転方向R2に第3の角度回転させる。また、回転軸Axに対する右仮想平面138R4の角度が回転軸Axに対する右仮想平面138R3の角度よりも第4の角度大きくなるように右仮想平面138R3の右端を回転軸Axに近づける。右仮想平面138R4と右仮想平面138R3との交線が右稜線134R4として決定される。図15(b)においては、右稜線134R4は二点鎖線で図示されている。
このように、右仮想平面138Rj−1の回転および傾斜により右仮想平面138Rjが得られる。右仮想平面138Rjと右仮想平面138Rj−1との交線が右稜線134Rjとして決定される。本実施の形態においては、第3の角度は例えば10度であり、第4の角度は例えば2度である。
上記の決定方法によれば、自動二輪車200のバンク角に適した配光分布を実現可能な左稜線134L1〜134LNおよび右稜線134R1〜134RMを容易に決定することができる。
(5)遮光部材の輪郭の変化
図16および図17は、遮光部材130を回転方向R2に回転させたときの輪郭の変化を示す図である。図18および図19は、遮光部材130を回転方向R1に回転させたときの輪郭の変化を示す図である。図16〜図19の例においては、遮光部材130は図4(b)に示される第1の位置に配置される。図16(a)〜図19(c)の左部には背面視における遮光部材130が示される。また、図16(a)〜図17(c)の右部には左側面視における遮光部材130が示され、図18(a)〜図19(c)の右部には右側面視における遮光部材130が示される。
遮光部材130の回転角度が0度である状態を初期状態とする。図16(a)〜図16(c)および図17(a)〜図17(c)は、初期状態から回転方向R2にそれぞれ0度、40度、80度、120度、160度および180度回転させたときの遮光部材130を示す。図18(a)〜図18(c)および図19(a)〜図19(c)は、初期状態から回転方向R1にそれぞれ0度、40度、80度、120度、160度および180度回転させたときの遮光部材130を示す。
図16(a)および図18(a)に示すように、初期状態には、背面視において、左稜線134L1および右稜線134R1が遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。ここで、左稜線134L1および右稜線134R1からなる遮光部材130の輪郭の上縁は、回転軸Axに平行になる。回転軸Axから遮光部材130の輪郭の上縁までの距離はLaである。
図16(b)〜図17(a)に示すように、遮光部材130を初期状態から回転方向R2に回転させる。回転方向R2への回転角度が第1の上限角度に達するまでは、左稜線134Liおよび右稜線134RM+mが遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。あるいは、隣り合う2つの左稜線134Li,134Li−1間の左遮光部分131Lおよび隣り合う2つの右稜線134RM+m,134RM+m−1間の右遮光部分131Rが遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。本例においては、第1の上限角度は130度である。
背面視において、輪郭を形成する左稜線134Li(あるいは左遮光部分131L)は左下がりの直線となる。遮光部材130の回転方向R2への回転角度が増加するにつれて、順次輪郭を形成する左稜線134Liが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。本例においては、遮光部材130の回転方向R2への回転角度が第1の上限角度に達するまでは、遮光部材130の回転角度10度につき2度の割合で順次輪郭を形成する左稜線134Liが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。
これに対し、背面視において、輪郭を形成する右稜線134RM+m(あるいは右遮光部分132R)は回転軸Axに平行な直線となる。遮光部材130の回転方向R2への回転角度が増加しても、順次輪郭を形成する右稜線134RM+mが回転軸Axに対してなす傾斜角度は変化しない。そのため、右稜線134RM+mは回転軸Axに平行に維持される。なお、回転軸Axから輪郭を形成する右稜線134RM+mまでの距離はLaである。
図18(b)〜図19(a)に示すように、遮光部材130を初期状態から回転方向R1に回転させる。回転方向R1への回転角度が第2の上限角度に達するまでは、右稜線134Rjおよび左稜線134LN+nが遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。あるいは、隣り合う2つの右稜線134Rj,134Rj−1間の右遮光部分131Rおよび隣り合う2つの左稜線134LN+n,134LN+n−1間の左遮光部分132Lが遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。本例においては、第2の上限角度は130度である。
背面視において、輪郭を形成する右稜線134Rj(あるいは右遮光部分131R)は右下がりの直線となる。遮光部材130の回転方向R1への回転角度が増加するにつれて、順次輪郭を形成する右稜線134Rjが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。本例においては、遮光部材130の回転方向R1への回転角度が第2の上限角度に達するまでは、遮光部材130の回転角度10度につき2度の割合で順次輪郭を形成する右稜線134Rjが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。
これに対し、背面視において、輪郭を形成する左稜線134LN+n(あるいは左遮光部分132L)は回転軸Axに平行な直線となる。遮光部材130の回転方向R1への回転角度が増加しても、順次輪郭を形成する左稜線134LN+nが回転軸Axに対してなす傾斜角度は変化しない。そのため、左稜線134LN+nは回転軸Axに平行に維持される。なお、回転軸Axから輪郭を形成する左稜線134LN+nまでの距離はLaである。
遮光部材130の回転角度が180度である状態を反転状態と呼ぶ。図17(c)および図19(c)に示すように、反転状態では、背面視において、左平面133Lおよび右平面133Rが遮光部材130の輪郭の上縁を形成する。ここで、左平面133Lおよび右平面133Rからなる遮光部材130の輪郭の上縁は、回転軸Axに平行になる。回転軸Axから遮光部材130の輪郭の上縁までの距離はLbである。
(6)配光分布の変化
(a)ロービームモードおよびハイビームモード
図3の光源110から出射される光の一部が遮光部材130で遮られる。この状態で、遮光部材130の回転角度が制御されることにより、ヘッドランプ装置100から出射される配光分布が変化する。ここで、自動二輪車200から予め定められた距離前方に離れた位置に仮想的な鉛直壁面を定義する。
図20は、鉛直壁面上のヘッドランプ装置100の配光を示す図である。図20(a)はロービームモードにおける鉛直壁面SC上の配光を示し、図20(b)はハイビームモードにおける鉛直壁面SC上の配光を示す。図20(a),(b)においては、ヘッドランプ装置100からの光の照射範囲をハッチングパターンで示す。図20(a)に示すように、鉛直壁面SCにおけるヘッドランプ装置100の配光分布は、明暗の上縁の境界を示す境界線として左右方向Wに延びる境界線左部LBおよび境界線右部RBを有する。
本実施の形態においては、乗員が図1の操作部224sを操作することにより、ヘッドランプ装置100のロービームモードとハイビームモードとを選択的に切り替えることができる。ロービームモードが選択された場合、遮光部材130の回転角度を0度にするように、図3の制御部150は回転駆動部140を制御する。また、ハイビームモードが選択された場合、遮光部材130の回転角度を180度にするように、制御部150は回転駆動部140を制御する。
上記のように、図6(a)の距離Laは距離Lbよりも大きい。そのため、遮光部材130の回転角度が0度である場合、遮光部材130による遮光面積は、遮光部材130の回転角度が180度であるときの遮光部材130による遮光面積よりも大きい。この場合、光源110からの光のうち上部の光のみが、遮光部材130に遮られることなく図3のレンズ170を透過する。レンズ170を透過した光は、図20(a)に示すように、ロービームとしてヘッドランプ装置100の前下方に出射される。
一方、遮光部材130の回転角度が180度である場合、遮光部材130による遮光面積は、遮光部材130の回転角度が0度であるときの遮光部材130による遮光面積よりも小さい。この場合、光源110からの光は、遮光部材130にほとんど遮られることなく、あるいは全く遮られることなくレンズ170を透過する。レンズ170を透過した光は、図20(b)に示すように、ハイビームとしてヘッドランプ装置100の前方に出射される。
この構成によれば、遮光部材130の回転角度を0度にすることにより、ロービームを容易に生成することができる。また、遮光部材130の回転角度を180度にすることにより、ハイビームを容易に生成することができる。このように、遮光部材130を回転させることにより、車両の大型化を抑制しつつハイビームモードとロービームモードとを容易に切り替えることができる。
(b)バンク時における配光制御
以下の説明においては、遮光部材130が図4(b)の第1の位置に配置される。この場合、焦点F1の前方に遮光部材130が位置する。そのため、右稜線134Rにより境界線左部LBが形成され、左稜線134Lにより境界線右部RBが形成される。
自動二輪車200が左方へバンクした場合、図3の制御部150は、境界線左部LBが水平に近づくように回転駆動部140により遮光部材130を回転方向R1に回転させる。また、自動二輪車200が右方へバンクした場合、制御部150は、境界線右部RBが水平に近づくように回転駆動部140により遮光部材130を回転方向R2に回転させる。本実施の形態においては、遮光部材130の回転方向R1への回転角度は自動二輪車200の左方へのバンク角の5倍になり、遮光部材130の回転方向R2への回転角度は自動二輪車200の右方へのバンク角の5倍になるように制御される。
なお、遮光部材130が図5(b)の第2の位置に配置される場合には、焦点F1の後方に遮光部材130が位置する。そのため、左稜線134Lにより境界線左部LBが形成され、右稜線134Rにより境界線右部RBが形成される。制御部150は、自動二輪車200が左方へバンクした場合に、境界線左部LBが水平に近づくように回転駆動部140により遮光部材130を回転方向R2に回転させる。また、制御部150は、自動二輪車200が右方へバンクした場合に、境界線右部RBが水平に近づくように回転駆動部140により遮光部材130を回転方向R1に回転させる。
図21は、自動二輪車200のバンク角とヘッドランプ装置100の配光との関係を示す図である。図21(a)は、ヘッドランプ装置100から鉛直壁面SCに出射される光の照射範囲を示す。図21(b),(c)は、自動二輪車200が路面を走行している場合に、ヘッドランプ装置100から路面およびその周辺に出射される光の照射範囲を示す。図21(c)においては、本実施の形態における配光制御が行なわれない。
図21(a)〜(c)においては、ヘッドランプ装置100からの光の照射範囲をハッチングパターンで示す。また、図21(a)〜(c)においては、上部に左方へのバンク角が10度である状態の光の照射範囲を示し、下部に左方へのバンク角が20度である状態の光の照射範囲を示す。
自動二輪車200が左方に10度バンクした場合、遮光部材130が例えば50度回転方向R1に回転する。この場合、上記のように、背面視において、遮光部材130の輪郭を形成する右稜線134Rjは右下がりに傾斜し、遮光部材130の輪郭を形成する左稜線134LN+nは回転軸Axに平行に維持される。そのため、図21(a)の上部に示すように、鉛直壁面SC上で境界線右部RBが左右方向Wと平行に維持され、境界線左部LBが左右方向Wに対して左上がりに傾斜する。
上記の配光制御が行なわれない場合には、左方への自動二輪車200のバンク時に、図21(c)の上部に示すように、境界線左部LBおよび境界線右部RBが左下がりに傾斜する。それにより、自動二輪車200の左前方の路面およびその周辺への照射距離が短くなる。一方、配光制御が行なわれる場合には、左方への自動二輪車200のバンク時に、図21(b)の上部に示すように、境界線右部RBが左下がりに傾斜しかつ境界線左部LBが略水平になる。それにより、自動二輪車200の左前方の路面およびその周辺への照射距離が長くなる。
自動二輪車200が左方に20度バンクした場合、遮光部材130が例えば100度回転方向R1に回転する。この場合、背面視において、遮光部材130の輪郭を形成する右稜線134Rjは右下がりにさらに傾斜し、遮光部材130の輪郭を形成する左稜線134LN+nは回転軸Axに平行に維持される。そのため、図21(a)の下部に示すように、鉛直壁面SC上で境界線右部RBが左右方向Wと平行に維持され、境界線左部LBがさらに左上がりに傾斜する。
上記の配光制御が行なわれない場合には、左方への自動二輪車200のバンク時に、図21(c)の下部に示すように、境界線左部LBおよび境界線右部RBがさらに左下がりに傾斜する。それにより、自動二輪車200の左前方の路面およびその周辺への照射距離がさらに短くなる。一方、配光制御が行なわれる場合には、左方への自動二輪車200のバンク時に、図21(b)の下部に示すように、境界線右部RBがさらに左下がりに傾斜しかつ境界線左部LBが略水平になる。それにより、自動二輪車200の左前方の路面およびその周辺への照射距離が長くなる。
自動二輪車200が右方にバンクした場合には、制御部150は、遮光部材130を回転方向R1ではなく回転方向R2に回転させる点を除き、自動二輪車200が左方にバンクした場合と同様の制御を行なう。
上記のように、制御部150は、自動二輪車200のバンク角が大きいほど、背面視において境界線右部RBから時計回りで境界線左部LBまでの角度が大きくなるように遮光部材130の回転角度を制御する。この場合、自動二輪車200が左方へ大きくバンクするほど、境界線右部RBが右上方へ大きく傾斜するのに対し、境界線左部LBの傾斜は抑制される。また、自動二輪車200が右方へ大きくバンクするほど、境界線左部LBが左上方へ大きく傾斜するのに対し、境界線右部RBの傾斜は抑制される。これにより、自動二輪車200のバンク角に応じて左右の配光分布を独立に変化させることができる。
本実施の形態においては、図6および図7に示すように、左稜線134L1と右稜線134R1とは互いに連続する。したがって、自動二輪車200が左方または右方のいずれにバンクした場合でも、ロービームモードの初期状態から回転方向R1または回転方向R2へ遮光部材130を回転させることにより、当該バンク角に適した配光分布を素早く実現することができる。
ここで、背面視において、初期状態から回転方向R2への遮光部材130の回転角度が増加するにつれて、順次輪郭を形成する左稜線134Liが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。そのため、遮光部材130が回転方向R2へ回転するほど左遮光面130Lにおける遮光面積が小さくなる。一方、背面視において、初期状態から回転方向R1への遮光部材130の回転角度が増加するにつれて、順次輪郭を形成する右稜線134Rjが回転軸Axに対してなす傾斜角度が増加する。そのため、遮光部材130が回転方向R1へ回転するほど右遮光面130Rにおける遮光面積が小さくなる。
上記の構成によれば、遮光部材130の回転角度と自動二輪車200のバンク角とを容易に対応付けることができる。本例においては、遮光部材130の回転角度は自動二輪車200のバンク角の5倍に対応付けられるが、これに限定されない。遮光部材130の回転角度は、自動二輪車200のバンク角の任意の割合に対応付けられてもよい。
(7)実施の形態の効果
本実施の形態に係る自動二輪車200においては、遮光部材130がバンク角に応じて左稜線134L1から回転方向R2に回転することにより、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する左稜線134L2〜134LNの傾きが変化する。また、遮光部材130がバンク角に応じて右稜線134R1から回転方向R1に回転することにより、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する右稜線134R2〜134RMの傾きが変化する。
それにより、遮光部材130の左遮光面130Lおよび右遮光面130Rを用いて、自動二輪車200の左右のバンク角に応じて配光分布を変化させることによりヘッドランプ装置100の照射範囲の変化が抑制される。上記の構成によれば、単一の遮光部材130により左右の配光分布を変化させることができる。その結果、ヘッドランプ装置100の大型化を抑制しつつ自動二輪車200のバンク時におけるヘッドランプ装置100の照射範囲の変化を抑制することができる。
また、上記実施の形態において、左遮光部分131Lは左稜線134L1〜134LNを含むスプライン曲面である。そのため、遮光部材130が回転方向R2に回転すると、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する左稜線134L1〜134LNの傾きが回転角度に対して線形的に変化する。同様に、右遮光部分131Rは右稜線134R1〜134RMを含むスプライン曲面である。そのため、遮光部材130が回転方向R1に回転すると、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する右稜線134R1〜134RMの傾きが回転角度に対して線形的に変化する。これにより、自動二輪車200のバンク時におけるヘッドランプ装置100の照射範囲の変化をよりスムーズに抑制することができる。
さらに、本実施の形態においては、左断面135L,136Lにおいて、左平面133Lは左稜線134L1と回転軸Axとを通る直線に直交する。同様に、右断面135R,136Rにおいて、右平面133Rは右稜線134R1と回転軸Axとを通る直線に直交する。この場合、遮光部材130を180度回転させることにより、車両の大型化を抑制しつつロービームモードとハイビームモードとを容易に切り替えることができる。
また、回転部材の左稜線134L1と左平面133Lとの間の左遮光面130Lに大きい領域が確保される。そのため、より多くの134L2〜134LNを左遮光面130Lに設けることが可能となる。また、回転部材の右稜線134R1と右平面133Rとの間の右遮光面130Rに大きい領域が確保される。そのため、より多くの右稜線134R2〜134RMを右遮光面130Rに設けることが可能となる。それにより、左遮光面130Lおよび右遮光面130Rがより滑らかな曲面に近づく。
したがって、遮光部材130が回転方向R2に回転すると、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する左稜線134L1〜134LNの傾きが回転角度に対して線形的に変化する。また、遮光部材130が回転方向R1に回転すると、背面視において、遮光部材130の輪郭(上縁または下縁)を形成する右稜線134R1〜134RMの傾きが回転角度に対して線形的に変化する。これにより、自動二輪車200のバンク時におけるヘッドランプ装置100の照射範囲の変化をよりスムーズに抑制することができる。
また、本実施の形態においては、左右方向Wにおける左遮光面130Lの左端と右遮光面130Rの右端との間の長さは、回転軸Axの位置における光の左右方向Wの広がりよりも大きい。そのため、左右方向Wにおいて十分広範囲に渡ってヘッドランプ装置100の照射範囲の変化を抑制することができる。
(8)変形例
(a)第1の変形例
図22は、第1の変形例に係るヘッドランプ装置100の構成を示す模式図である。図22のヘッドランプ装置100は、以下の点を除いて、図3のヘッドランプ装置100と同様の構成を有する。
図22に示すように、第1の変形例に係るヘッドランプ装置100は、2つの光源110、回転シャフト120、2つの遮光部材130、回転駆動部140、制御部150、2つの反射部材160および2つのレンズ170を備える。2つの光源110は、例えば左右方向W(図2)に並ぶように配置される。2つの遮光部材130、2つの反射部材160および2つのレンズ170は、2つの光源110にそれぞれ対応する。一方、回転シャフト120、回転駆動部140および制御部150は、2つの光源110に共通に用いられる。
上記の構成によれば、2つの光源110から出射された光のそれぞれの照射範囲が共通の回転シャフト120、回転駆動部140および制御部150により制御される。これにより、ヘッドランプ装置100の大型化を抑制しつつ車体のバンク時における2つの照射範囲の変化を抑制することができる。
(b)第2の変形例
上記実施の形態において、各左稜線134Lは遮光部材130の左端まで一定の勾配で延びるように配置され、各右稜線134Rは遮光部材130の右端まで一定の勾配で延びるように配置されるが、これに限定されない。遮光部材130が左右方向に十分に大きい場合には、遮光部材130の左端部および右端部には遮光のために用いられない非遮光面が生じる。非遮光面においては、各左稜線134Lおよび各右稜線134Rは、任意の向きに配置されてもよい。
図23は、第2の変形例における遮光部材130の形状を説明するための図である。図23(a)は遮光部材130の正面図を示し、図23(b)は遮光部材130の背面図を示す。図23(a)に示すように、第2の変形例における遮光部材130においては、遮光のために用いられない左非遮光面139Lが左遮光面130Lの左方に設けられる。各左稜線134Lは、左非遮光面139L上においては回転軸Axに平行に延びるように配置される。
同様に、図23(b)に示すように、第2の変形例における遮光部材130においては、遮光のために用いられない右非遮光面139Rが右遮光面130Rの右方に設けられる。各右稜線134Rは、右非遮光面139R上においては回転軸Axに平行に延びるように配置される。
(9)比較例
上記の本実施の形態における遮光部材30の効果の理解を容易にするために、比較例における遮光部材について説明する。本発明者は、最初に比較例の遮光部材を創作したが、以下に説明するように、比較例の遮光部材ではバンク角に応じて適切な配光分布を実現することは困難であることがわかった。
図24は、比較例における遮光部材の形状を説明するための図である。図24(a)は遮光部材30の左側面図を示し、図24(b)は遮光部材30の正面図を示す。図24(a)および図24(b)に示すように、遮光部材30は、回転軸Axを中心とする互いに逆の回転方向R1,R2に回転可能に配置される。
また、図24(b)に示すように、遮光部材30は、左右方向Wに並ぶ左遮光面30Lおよび右遮光面30Rを有する。左遮光面30Lおよび右遮光面30Rは、光源110(図3)からの光の一部を遮光可能に配置される。右遮光面30Rは、回転軸Axと直交しかつ遮光部材30を二等分する直線に関して、左遮光面30Lと回転対称な形状を有する。そのため、右遮光面30Rの詳細な説明および図示については省略する。
左遮光面30Lは、2つの左遮光部分31L,32Lおよび左平面33Lを含む。左遮光面30Lは、N個の左稜線34Lを有する。N個の左稜線34Lをそれぞれ左稜線34L1〜34LNと呼ぶ。左稜線34L1〜34LNは、左右方向Wに延びかつこの順で回転方向R1に並ぶ。左遮光部分31Lは、上記の左稜線34L1〜134LNを含む連続的な曲面(スプライン曲面)である。左遮光部分32Lおよび左平面133Lは、図6(a)の左遮光部分132Lおよび左平面133Lとそれぞれ同様の機能を有する。
左稜線34L1は、左右方向Wに延びかつ回転軸Axに平行な直線状を有する。左稜線34Lkは、回転軸Axを中心に左稜線34Lk−1を回転方向R1に第5の角度回転させるとともに回転軸Axに対する左稜線34Lkの角度が回転軸Axに対する左稜線34Lk−1の角度よりも第6の角度大きくなるように左稜線34Lk−1の左端を回転軸Axに近づけることにより得られる。ここで、kは2〜Nの整数である。比較例においては、第5の角度は例えば10度であり、第6の角度は例えば2度である。
上記の左稜線34Lk−1の配置によれば、側面視において、図24(a)に点線で示すように、各左稜線34Lk−1の延長線が回転軸Axと交差する。左側面視において、左稜線34Lkの延長線と左稜線34Lk―1の延長線とのなす角度をθLとする。隣り合う各2つの左稜線34Lk,34Lk―1について、角度θLは互いに等しくなる。すなわち、左稜線34L1〜34LNは、左側面視において、等しい角度間隔で配置されている。
図25は、遮光部材30を回転方向R2に回転させたときの輪郭の変化を示す図である。図25(a)は、遮光部材30の回転角度が0度である状態から所定角度回転させたときの遮光部材30を示す。また、図25(b)は、図25(a)の状態からさらに所定角度回転させたときの遮光部材30を示す。また、図25(a),(b)の左部は背面視における遮光部材30を示し、図25(a),(b)の右部は左側面視における遮光部材30を示す。
図25(a),(b)に太い点線で示すように、背面視における遮光部材30の輪郭(以下、左輪郭と呼ぶ)31Lcは、複数の左稜線34Lkおよびこれらの左稜線34Lk間の左遮光部分31Lにより形成されることとなる。したがって、背面視において、1つの左稜線34Lkによっては遮光部材30の輪郭が形成されない。また、隣り合う2つの左稜線34Lk,34Lk−1間の左遮光部分31Lによっては、遮光部材30の輪郭が形成されない。
比較例における左輪郭31Lcは、図25(a),(b)に示すように、回転軸Axに対して直線状を有さず、自動二輪車200のバンク角に対応付けることが困難な曲線状を有する。そのため、遮光部材30を自動二輪車200のバンク角に対応させて回転させたとしても、左輪郭31Lcを用いて当該バンク角に適した配光分布を実現することは困難である。
これに対して、上記のように、本実施の形態における遮光部材130の輪郭(例えば左稜線134L2〜134LN)は、背面視において直線状を有する。当該直線は、自動二輪車200のバンク角に対応付けられた回転軸Axに対する傾きを有する。そのため、遮光部材130を自動二輪車200のバンク角に対応する所定の回転位置まで回転させることにより、左稜線134L2〜134LNを用いて当該バンク角に適した配光分布を実現することが可能になる。
(10)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、遮光部材130の左遮光面130Lと右遮光面130Rとは、回転軸Axと直交しかつ遮光部材130を二等分する直線に関して互いに回転対称な形状を有するが、本発明はこれに限定されない。左遮光面130Lと右遮光面130Rとは、鞍乗り型車両のバンク角に応じて左右の配光分布を独立に変化させることが可能な他の任意の形状を有してもよい。
(b)上記実施の形態において、左稜線134L2〜134LNは左仮想平面138L1〜138LNを用いて決定されることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左稜線134L2〜134LNは、他の方法を用いて決定されてもよい。同様に、右稜線134R2〜134RMは右仮想平面138R1〜138RMを用いて決定されることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左稜線134R2〜134RMは、他の方法を用いて決定されてもよい。
(c)上記実施の形態において、左遮光部分131Lは左稜線134L1〜134LNを含むスプライン曲面であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左遮光部分131Lは左稜線134L1〜134LNを含む任意の面であってもよい。同様に、右遮光部分131Rは右稜線134R1〜134RMを含むスプライン曲面であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。右遮光部分131Rは右稜線134R1〜134RMを含む任意の面であってもよい。
(d)上記実施の形態において、左稜線134L1と右稜線134R1とは互いに連続することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左稜線134L1と右稜線134R1とは連続しなくてもよい。
(e)上記実施の形態において、左遮光部分132Lは134LN+1〜134LN+pを含む部分円筒面であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左遮光部分132Lは134LN+1〜134LN+pを含む任意の面であってもよい。同様に、右遮光部分132Rは134RM+1〜134RM+qを含む部分円筒面であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。右遮光部分132Rは右稜線134RM+1〜134RM+qを含む任意の面であってもよい。
(f)上記実施の形態において、遮光部材130は左遮光部分132Lを含むことが好ましいが、本発明はこれに限定されない。遮光部材130は左遮光部分132Lを含まなくてもよい。同様に、遮光部材130は右遮光部分132Rを含むことが好ましいが、本発明はこれに限定されない。遮光部材130は右遮光部分132Rを含まなくてもよい。
(g)上記実施の形態において、左側面視において、左平面133Lは左稜線134L1と回転軸Axとを通る直線に直交することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左平面133Lは左稜線134L1と回転軸Axとを通る直線に任意の角度で交差してもよい。同様に、右側面視において、右平面133Rは右稜線134R1と回転軸Axとを結ぶ直線に直交することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。右平面133Rは右稜線134R1と回転軸Axとを通る直線に任意の角度で交差してもよい。
(h)上記実施の形態において、左遮光面130Lは左平面133Lを有することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左遮光面130Lは左平面133Lを有しなくてもよい。同様に、右遮光面130Rは右平面133Rを有することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。右遮光面130Rは右平面133Rを有しなくてもよい。
(i)上記実施の形態において、左右方向Wにおける左遮光面130Lの左端と右遮光面130Rの右端との間の長さは、回転軸Axの位置における光の左右方向Wの広がりよりも大きいことが好ましいが、本発明はこれに限定されない。左右方向Wにおける左遮光面130Lの左端と右遮光面130Rの右端との間の長さは、回転軸Axの位置における光の左右方向Wの広がりよりも小さくてもよい。
(j)上記実施の形態において、ヘッドランプ装置100は、反射部材160およびレンズ170を含むことが好ましいが、本発明はこれに限定されない。ヘッドランプ装置100は、反射部材160およびレンズ170の一方または両方を含まなくてもよい。
(k)上記実施の形態において、回転軸Axは第1の位置または第2の位置に配置されることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。ヘッドランプ装置100は、回転軸Axは第1の位置および第2の位置とは異なる他の位置に配置されてもよい。
(l)上記実施の形態は、本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の鞍乗り型車両に本発明を適用してもよい。
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、自動二輪車200が鞍乗り型車両の例であり、ヘッドランプ装置100がヘッドランプの例であり、光源110が光源の例であり、回転軸Axが回転軸の例である。遮光部材130が遮光部材の例であり、回転駆動部140が回転駆動部の例であり、回転方向R1,R2がそれぞれ第1および第2の回転方向の例であり、制御部150が制御部の例である。
左遮光面130Lが左遮光面の例であり、右遮光面130Rが右遮光面の例であり、左稜線134Lが左稜線の例であり、左断面135L,136Lがそれぞれ第1および第2の左断面の例であり、右稜線134Rが右稜線の例である。右断面135R,136Rがそれぞれ第1および第2の右断面の例であり、左仮想平面138Lが左仮想平面の例であり、左遮光部分131L,132Lがそれぞれ第1および第2の左遮光部分の例である。
右仮想平面138Rが右仮想平面の例であり、右遮光部分131R,132Rがそれぞれ第1および第2の右遮光部分の例であり、左平面133Lが左平面の例であり、右平面133Rが右平面の例である。反射部材160が反射部材の例であり、レンズ170がレンズの例であり、鉛直壁面SCが鉛直壁面の例であり、境界線左部LBが境界線左部の例であり、境界線右部RBが境界線右部の例であり、車体フレーム210が車体の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。